JP5339578B2 - オレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性を付与したオレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物に関する。詳しくは、化粧シート裏面に粘着加工を施した際に、難燃性と良好な接着特性を有する粘着剤組成物に関する。
従来、建築物の壁面内装や車両内装等に用いられる壁紙化粧シートとしては、基材上に塩化ビニル樹脂からなる樹脂層を設けたもの、ないし、前記樹脂層を発泡させて発泡樹脂層としたもの、あるいは、これに絵柄層や凹凸模様を設けたものなどが一般的に用いられ、通常、壁等に貼り付けるために、裏面に各種粘着剤層を施している。近年、塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートは、燃焼時には有害な塩化水素ガスを発生するために、一般の焼却炉では焼却処分することができないといった廃材処理の問題や、また火災時には発生する塩化水素ガスを吸引して中毒になるといった問題があり、塩化ビニル樹脂を用いた壁紙化粧シートの使用を避けるようになってきた。
そこで、近年、塩化ビニル樹脂を用いた壁紙化粧シートに代わる壁紙化粧シートとして、塩素等のハロゲン系元素を分子構造中に有さない非ハロゲン系樹脂を用いた壁紙化粧シートが使用されるようになってきた。この非ハロゲン系樹脂を用いた壁紙化粧シートの代表的なものとしては、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂を用いた壁紙化粧シートを挙げることができる。このポリエチレン等のオレフィン系樹脂は、塩化ビニル樹脂と比較して、焼却処分しても有害な塩化水素ガスを発生することがなく環境に優しい反面、可燃性であり、壁紙化粧シートに要求される難燃性を付与するため、難燃剤が添加される。
しかし、この種のポリエチレン等のオレフィン系樹脂からなる壁紙化粧シートに難燃性を付与するためには、安全性に問題があると言われている三酸化アンチモン、リン酸エステル、臭素系の難燃剤を用いるか、あるいは、これらの添加量を少なくするため、たとえば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化チタン等の無機物の1種ないし2種以上を混合したものを併用し、かつ、多量に用いなければならない。このようにして得られた難燃剤を多量に含むオレフィン系樹脂層を備えた壁紙化粧シートは、結果として耐スクラッチ性、耐磨耗性、引っ張り伸度を悪化させることになる。さらに、オレフィン系樹脂層に発泡剤を添加し、加熱発泡させて形成された発泡樹脂層は発泡セルにバラツキを生じる(発泡効率が悪い)と共にその表面が荒れた状態となり意匠性を低下させる。そのため、これらオレフィン系シートにおいて塩化ビニル樹脂系シートと同等の難燃性を確保することは極めて困難であった。
さらに、これらシートに粘着加工を施した場合、難燃性がさらに損なわれてしまう。
通常、塩化ビニル樹脂系シートでは粘着剤層を薄くすることで、難燃性が充分確保できた場合でも、オレフィンシートを用いた場合難燃性を確保することが難しい。
これに対し、粘着剤に難燃剤を添加して難燃性を付与することが考えられるが、接着性が低下し、特に、無機充填剤などの難燃剤を添加した場合、数10μmの厚みで塗布する粘着剤においては接着性の低下が著しく適用が困難であった。
特開平10−001647号公報 特開2000−303048号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オレフィン系壁紙化粧シート粘着加工品において、難燃性、はく離接着強さ、保持力の良好なオレフィン系壁紙化粧シート用粘着剤組成物を提供することである。
これら問題を、解決する為に鋭意研究を重ねた結果、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)、水酸化アルミニウム(B)、シリコーンオリゴマー(C)を含む組成物とすることにより、より好ましくは、平均粒子径が3〜10μm、吸着水分量が0.2重量%以下である水酸化アルミニウムをシリコーンオリゴマーとともに、アクリル酸エステル共重合に配合して得た粘着剤組成物を用いることで、難燃性と、はく離接着強さや保持力に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、[1](メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)、水酸化アルミニウム(B)、シリコーンオリゴマー(C)を含むオレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物であって、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和モノマーとを共重合したものであり、前記(メタ)アクリル酸エステルが、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートのいずれかであり、前記水酸化アルミニウム(B)が、平均粒子径が3〜10μm、吸着水分量が0.2重量%以下のものであり、前記シリコーンオリゴマー(C)が、重合度が2〜70であり、水酸基と反応する官能基を1種以上有し、R SiO 2/2 、RSiO 3/2 及びSiO 4/2 よりなる群から選択される少なくとも1種のシロキサン単位を有し、前記シロキサン単位において、前記Rは有機基であり、前記Rが複数含まれる場合には、前記Rは同一であってもよいし、異なっていてもよいものであり、符号Rで示される有機基が、炭素数1〜5の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基、炭素数2〜12の直鎖型もしくは分岐型のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、または水酸基であり、前記水酸化アルミニウム(B)の吸着水分量が、水酸化アルミニウムの重量を精秤し、150℃で1時間加熱した後の重量から算出したものである、オレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物に関する。
また、本発明は、[2]水酸化アルミニウム(B)の配合量が、アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し5〜40重量部である上記[1]に記載のオレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物に関する
本発明によれば、水酸化アルミニウムをシリコーンオリゴマーとともに、アクリル酸エステル共重合体に配合することで、所定の難燃性、およびはく離接着強さや保持力に優れたオレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明で用いる(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステルとこれと共重合可能な不飽和モノマーを材料としてなる。
(メタ)アクリル酸エステルの例として、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ト゛デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等が例示される。ここで、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルをそれぞれ意味し、両者の混合物であっても良い。
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な不飽和モノマーの例として、前記の通り例示したアルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレート類;水酸基、エーテル基等を有する(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸、フマル酸等の脂肪族不飽和(ジ)カルボン酸類;エチレン、ブタジエン等の脂肪族不飽和炭化水素類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族不飽和炭化水素類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルエーテル類等が例示される。
本発明における(メタ)アクリル酸エステル共重合体の合成に用いられる熱重合開始剤としては、特に制限されず公知のものを用いることができるが、有機過酸化物系を用いるのが好ましい。有機過酸化物系熱重合開始剤の例として、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジプロピオニルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート等が挙げられ、アゾ化合物系熱重合開始剤の例として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’アゾビスイソ酪酸ジメチルエステル等が例示される。
本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、好ましくは30万〜120万である。アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量が30万未満では、通常の架橋剤量を添加した場合、粘着剤の凝集力が不足し実用に適さない場合が多い。架橋剤量を増量した場合は、接着特性が損なわれる。また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量が120万より大きい場合も接着特性が損なわれる。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値である。
本発明で使用する水酸化アルミニウムは、平均粒子径が3〜10μmが好ましい。水酸化アルミニウムの平均粒子径が3μm未満では、水酸化アルミニウムが粘着加工品の粘着剤面に現れやすく、接着特性が損なわれる。また、10μmより大きい場合は、粘着加工時に溶液中で沈降が著しく、均一な粘着加工品が得られにくい。また、水酸化アルミニウムの吸着水分量は0.2重量%以下が好ましい。吸着水分量が0.2重量%を超えて多い場合、粘着剤配合時に水酸化アルミニウム表面が有機溶剤に濡れにくく、2次凝集しやすくなり、均一な粘着加工品が得られにくい。さらに、水酸化アルミニウムの配合量は、5〜40重量部が好ましい。配合量が5重量部未満の場合、所定の難燃性が得られず、配合量が40重量部を超えて多い場合、接着特性が損なわれる。
本発明で使用されるシリコーンオリゴマー(C)は、末端に水酸基と反応する官能基を1種以上有することが望ましい。シリコーンオリゴマー(C)が水酸基と反応する官能基を有していると、親和性が向上し、無機充填剤の分散性が向上するという利点を有する。水酸基と反応する官能基としてはメトキシ基、水酸基、エトキシ基、プロポキシ基またはフェノキシ基などが好ましく挙げられ、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基または水酸基である。
本発明に用いられるシリコーンオリゴマー(C)は、予め3次元架橋していることが好ましい。このため、2官能性シロキサン単位であるRSiO2/2、3官能性シロキサン単位であるRSiO3/2および4官能性シロキサン単位であるSiO4/2からなる群より選択される少なくとも一種類のシロキサン単位を含有することが好ましい。以下に、RSiO2/2、RSiO3/2およびSiO4/2の化学構造を示す。
Figure 0005339578
前記シロキサン単位において、Rは有機基であり、Rが複数含まれる場合には、Rは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
符号Rで示される有機基としては、炭素数1〜5の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基、炭素数2〜12の直鎖型もしくは分岐型のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、または水酸基などが好ましく挙げられる。炭素数1〜6の直鎖型または分岐型のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基またはt−ブチル基などが好ましく挙げられ、より好ましくはメチル基またはエチル基である。炭素数2〜12の直鎖型または分岐型のアルケニル基としては、ビニル基、またはアリル基などが好ましく挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基などが好ましく挙げられる。
例えば、2官能性シロキサン単位からなるもの、3官能性シロキサン単位からなるもの、4官能性シロキサン単位からなるもの、2官能性シロキサン単位と3官能性シロキサン単位とからなるもの、3官能性シロキサン単位と4官能性シロキサン単位とからなるもの、2官能性シロキサン単位と4官能性シロキサン単位とからなるもの、及び2官能性シロキサン単位と3官能性シロキサン単位と4官能性シロキサン単位とからなるものがあげられる。これらの中では4官能性シロキサン単位がシリコーンオリゴマーの全量に対して15〜100モル%含まれることが好ましい。
また、シリコーンオリゴマー(C)の重合度は2〜70が好ましく、より好ましくは6〜70であり、さらに好ましくは10〜50である。重合度が2以上であると、効果的な3次元架橋構造を得ることができ、70以下であると、塗布ムラが生じ難いため好ましい。シリコーンオリゴマーの重合度は、GPCによる重量平均分子量から換算して求める。
化粧シートへの粘着剤組成物の塗付は、ロールコーター、スリットダイコーター、ドクターナイフコーター、グラビアコーターなど、既存の方法で行うことができる。ここで、粘着剤組成物の塗付量としては、10〜50μmが好ましく、より好ましくは、30〜40μmである。10μm以下であると、被着体に対して粘着剤表面の追従性が低下し、充分な接着特性が得られない。また、50μmを超えると、粘着加工品全体としての燃焼成分が増加するため、難燃性が損なわれる。通常、無機充てん剤を添加した場合、塗付厚みが数十μmである粘着剤の場合、塗付面が不均一になり、外観が悪くなったり、接着性の低下が起こりやすいが、本発明のオレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物では、分散性が良好であるため改良される。
本発明における、シリコーンオリゴマー(C)の添加方法は、特に制限されないが、水酸化アルミニウムと有機溶剤とシリコーンオリゴマー(C)のスラリーを用いる方法、水酸化アルミニウムとシリコーンオリゴマーを粘着剤に直接添加する方法がある。この中で、水酸化アルミニウムと有機溶剤とシリコーンオリゴマー(C)のスラリーを用いる方法が好ましい。さらに、スラリーの作製方法は、有機溶剤に予めシリコーンオリゴマーを添加し、その後水酸化アルミニウムを添加する方法が好ましい。この方法により、粘着剤中の水酸化アルミニウムの分散性がより向上する。
次に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明する。なお、以下、実施例1〜7、実施例9〜10、実施例12〜15は参考例である。

(評価方法)
(1)はく離接着強さ(常態)
試験片は、粘着加工品を25mm幅に裁断し、30mm幅のステンレス板に、2kgローラ1往復の荷重をかけ、貼り合わせた。ステンレス板の表面処理は、#280番サンドペーパーにて研磨後、有機溶剤にて脱脂した。貼り合せ20分後、及び1日後のはく離接着強さをはく離速度300mm/分で測定した。
(2)保持力
試験片を20mm幅に裁断し、貼り合わせ面積が20×20mmになるように25mm幅のステンレス板に、2kgローラ5往復の荷重をかけ、貼り合わせた。ステンレス板の表面処理は、#280番サンドペーパーにて研磨後、有機溶剤にて脱脂した。貼り合せ20分後、40℃雰囲気中で粘着加工品側にせん断方向に1kgの荷重をかけ、保持する時間を測定した。
(3)難燃性
成形したシート(1m)の表面層の中央に火種(1辺が5cmの立方体の木材に火をつけたもの)を置き、シートの燃焼状態を目視で評価し、ほとんど燃えない場合を「○」として、わずかに燃えた場合を「△」として、激しく燃えた場合を「×」として評価した。
(4)コーンカロリーメータによる難燃性
コーンカロリーメータにより発熱量が200KW/mを超える秒数により難燃性を評価した。難燃性を示すほど燃焼発熱が少なく秒数が短くなる。コーンカロリーメータは、市販の株式会社東洋精機製作所製のマルチカロリーメータMCM−1等で測定することができる。
(実施例1)
(1)シリコーンオリゴマー溶液の製造
撹拌装置、コンデンサー及び温度計を備えたガラスフラスコに、テトラメトキシシラン40g及びメタノール93gを配合した溶液を入れ、次いで、酢酸0.47g及び蒸留水18.9gを添加し、50℃で8時間撹拌し、シロキサン単位の重合度が20(GPCによる重量平均分子量から換算、以下同じ)のシリコーンオリゴマーを合成した。得られたシリコーンオリゴマーは、水酸基と反応する末端官能基としてメトキシ基又はシラノール基を有するものである。
得られたシリコーンオリゴマー溶液にメタノールを加えて、固形分1重量%のシリコーンオリゴマー処理液を作製した。
(2)粘着剤組成物の粘着剤溶液の調整
常法により熱重合開始剤として過酸化ベンゾイルを用いた溶液重合法で、2−エチルヘキシルアクリレート 88重量部、アクリル酸 12重量部、2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート 0.2重量部を共重合し、重量平均分子量70万のアクリル酸エステル共重合体を得た。このアクリル酸エステル共重合体100重量部と、軟化点100℃のロジンエステル5重量部を酢酸エチルに溶解し固形分40重量%の溶液を作製した。アクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に、予め水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製;HS330、平均粒子径8.8μm)30重量部と上記で合成したシリコーンオリゴマーが3重量部となるように撹拌混合したスラリーを配合、攪拌し粘着剤組成物溶液を作製した。
(3)化粧シート粘着加工品の作製
130μm厚の坪量80g/mの上質紙にポリエチレンをラミネートしたフィルムの上にシリコーン系離型剤を塗布したセパレータ(以下、セパレータ)に、乾燥後の粘着剤厚みが35μmになるように粘着剤溶液を塗付し、熱風乾燥機中で100℃、3分間乾燥してフィルム化した後、オレフィン系化粧シートを貼り合わせ粘着加工品を作製した。
(比較例1)
粘着剤組成物の粘着剤溶液の調整に、水酸化アルミニウムを除いた以外は、実施例1と同様に行い粘着加工品を作製した。
(比較例2)
化粧シート粘着加工品の作製に、塩化ビニル系化粧シートを用いた以外は、実施例1と同じ方法で行い粘着加工品を作製した。
(比較例3)
化粧シート粘着加工品の作製に、塩化ビニル系化粧シートを用い、粘着剤組成物の粘着剤溶液の調整に、水酸化アルミニウムを除いた以外は、実施例1と同じ方法で行い粘着加工品を作製した。
実施例1及び比較例1〜3の燃焼性評価結果等を表1にまとめて示した。
Figure 0005339578
(*1)クリンボック(オレフィン壁紙):共和レザー株式会社製
(*2)クリンボック(塩化ビニルクロス壁紙):共和レザー株式会社製
塩化ビニル壁紙を用いた比較例2、3では、水酸化アルミニウムの配合の有無に係わらず難燃性を示すが、水酸化アルミニウムを配合しない比較例1のポリオレフィン壁紙では難燃性を示さない。本発明のシリコーンオリゴマーを用いて水酸化アルミニウムを(メタ)アクリル酸エステル共重合体に分散させた実施例1では、比較例2、3の塩化ビニル壁紙を用いたのと同様な難燃性を示す。
はく離接着強さは、実施例1、比較例1〜3ともに、貼り合わせ20分後から経時的に上昇し1日後で28〜30N/25mmと良好であるが、保持力は塩化ビニル壁紙を用いた比較例2、3で10時間であるのに対し、オレフィン壁紙用の実施例1では、24時間以上保持しており良好であった。
(比較例4〜7)
実施例1のアクリル酸エステル共重合体100重量部に表2に示す常温で固体のリン系難燃剤であるFP500(株式会社アデカ製商品名、燐酸エステル縮合体)を水酸化アルミニウムの代わりに12〜30重量部配合し、実施例1と同様にして粘着剤組成物溶液を作製しオレフィン系化粧シートを貼り合わせ粘着加工品を作製した。初期はく離接着強さと、難燃性をコーンカロリーメーターによる200KW/m超過時間で測定し表2に測定結果を示した。
Figure 0005339578
リン系難燃材は、フィルム表面に白い斑点模様が生じ、また、配合量が多いとブリードしてきて接着力に乏しくなった。固体の配合剤に変えて液状のリン系難燃材でも1Kgの荷重を掛ける保持力試験で0.5mm以上のずれや落下するものが多かった。
(実施例2〜7)
実施例1のアクリル酸エステル共重合体100重量部に水酸化アルミニウムを配合し、実施例1と同様にして粘着剤組成物溶液を作製しオレフィン系化粧シートを貼り合わせ粘着加工品を作製した。初期はく離接着強さと難燃性のコーンカロリーメーターによる200KW/m超過時間を測定し表3に測定結果を示した。
Figure 0005339578
表3より水酸化アルミニウムの配合量が増えるとはく離接着強さが低下する傾向にあるが難燃性は向上する傾向にあり、5〜40重量部の範囲ではく離接着強さ、保持力、難燃性が共に良好であった。40重量部を超えると難燃性は一段と良好となるが、はく離接着強さ、保持力が急激に低下し、壁紙化粧シート用の粘着剤としての性能が著しく低下してくる。
(実施例8〜14)
実施例1のアクリル酸エステル共重合体100重量部に水分量が異なる水酸化アルミニウムを30重量部配合し、実施例1と同様にして粘着剤組成物溶液を作製しオレフィン系化粧シートを貼り合わせ粘着加工品を作製し、初期はく離接着強さを測定し表4に測定結果を示した。表4には、粘着剤組成物溶液を200メッシュの布製ろ布を用いてろ過したときの水酸化アルミニウムの凝集状態を併せて示した。凝集があるものを「有り」、ないものを「無し」として示した。
Figure 0005339578
表4より水酸化アルミニウムの吸着水分量が0.2重量%以下であると、粘着剤組成物溶液に凝集物が見られない傾向にあり分散性に優れる。
なお吸着水分量は、水酸化アルミニウムの重量を精秤し、150℃で1時間加熱した後の重量から算出した。
水酸化アルミニウムの平均粒子径は、平均粒子径が大きいほど、はく離接着強さが高くなる傾向が見られる。
(実施例15、比較例8、9)
実施例1のアクリル酸エステル共重合体100重量部に水酸化アルミニウム(HS330)を30重量部配合し、シリコーンオリゴマーを配合したものと、配合しないもの、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン、KBM1003、信越シリコーン株式会社製)を配合した粘着剤組成物溶液を作製しオレフィン系化粧シートを貼り合わせ粘着加工品を作製し、初期はく離接着強さを測定し表5に測定結果を示した。
Figure 0005339578
本発明で用いるシリコーンオリゴマーを配合することにより、これを用いない比較例8に比べ剥離接着強さが著しく高まり、また、一般的なカップリング剤を配合した比較例9より高レベルな接着強さを示す。
本発明では、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)、水酸化アルミニウム(B)、シリコーンオリゴマー(C)を含むオレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物とすることで、塩化ビニル壁紙と同等な難燃性を示し、壁紙としてのはく離接着強さ、保持力を十分に満足する特性が得られる。特に、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に水酸化アルミニウムを5〜40重量部配合し、水酸化アルミニウムの吸着水分量を0.2重量%以下の状態とし、平均粒子径が3〜10μmであると、製造時に凝集物が無く分散性に優れるとともに性能面で優れた組成物とすることができる。また、リン系難燃剤に比べてフィルム表面にべたつきの無い難燃性を具現することができる。

Claims (2)

  1. (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)、水酸化アルミニウム(B)、シリコーンオリゴマー(C)を含むオレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物であって、
    前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和モノマーとを共重合したものであり、前記(メタ)アクリル酸エステルが、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートのいずれかであり、
    前記水酸化アルミニウム(B)が、平均粒子径が3〜10μm、吸着水分量が0.2重量%以下のものであり、
    前記シリコーンオリゴマー(C)が、重合度が2〜70であり、水酸基と反応する官能基を1種以上有し、RSiO2/2、RSiO3/2及びSiO4/2よりなる群から選択される少なくとも1種のシロキサン単位を有し、前記シロキサン単位において、前記Rは有機基であり、前記Rが複数含まれる場合には、前記Rは同一であってもよいし、異なっていてもよいものであり、符号Rで示される有機基が、炭素数1〜5の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基、炭素数2〜12の直鎖型もしくは分岐型のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、または水酸基であり、
    前記水酸化アルミニウム(B)の吸着水分量が、水酸化アルミニウムの重量を精秤し、150℃で1時間加熱した後の重量から算出したものである、オレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物。
  2. 水酸化アルミニウム(B)の配合量が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)100重量部に対し5〜40重量部である請求項1に記載のオレフィン系難燃壁紙化粧シート用粘着剤組成物。
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