JP5338164B2 - 新規なテトラチアスピロ化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター等の光学材料、中でもプラスチックレンズに好適に使用される。また、これ以外にも合成樹脂原料、架橋材、硬化剤等広範囲な用途を有する。
プラスチック材料は軽量かつ靭性に富み、また染色が容易であることから、各種光学材料、特に眼鏡レンズに近年多用されている。光学材料、中でも眼鏡レンズに特に要求される性能は屈折率とアッベ数の数値が共に高いこと、耐衝撃性が高いことである。高屈折率はレンズの薄肉化を可能とするため、軽量化を可能にすると同時に見栄えもよくなり、高アッベ数はレンズの色収差の低減となるため、目の負担が減り疲れにくくなる。
従来広く眼鏡レンズ材料として用いられてきたジエチレングリコールジアリルカーボネート樹脂は、アッベ数が58と高いが屈折率が1.50と低い。そのため、レンズとして使用した場合はレンズ厚が厚くなり、外観が悪く、また重くなるという欠点を有しており衝撃強度も弱い。
屈折率を向上させるためには、硫黄原子を分子内に導入することが有効な手段であることから、これまでに硫黄原子を用いた高屈折率化が提案されてきており、その代表例としては、特許文献1〜4のポリチオールとポリイソシアネートからなるチオウレタン材料、特許文献5〜7のエピスルフィド材料が挙げられる。しかしながら、これらの手法で高屈折率化を目指した場合、チオウレタン材料では耐熱性の低下、エピスルフィド材料では衝撃強度の低下が見られ、耐熱性と衝撃強度を両立させることはまだ十分ではなかった。
したがって、高屈折率でかつ耐熱性と耐衝撃性を両立する材料が望まれていた。
特開昭60−199016号公報 特開平2−270859号公報 特開平5−208950号公報 特開平7−252207号公報 特開平9−110979号公報 特開平9−255781号公報 特開平9−71580号公報
本発明が解決しようとする課題は、高屈折率でかつ耐熱性と耐衝撃性を両立させた材料を提供することにある。
本発明者らは、このような状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、本課題を解決し、本発明に至った。具体的には、下記の新規なテトラチアスピロ化合物により本課題を解決し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のようである。
1.下記(1)式の化合物。

(1)
2.ヒドロキシピバルアルデヒドとペンタエリスリチオールを反応させて第1項記載の(1)式の化合物を製造する方法。
3.下記(2)式の化合物。

(2)
4.下記(3)式の化合物。

(3)
5.下記(4)式の化合物。

(4)
6.第3項記載の(2)式または第4項記載の(3)式の化合物と、ポリイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物、イソシアネート基を有するイソチオシアネート化合物、およびエピスルフィド化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む樹脂用組成物。
7.第5項記載の(4)式の化合物を含む樹脂用組成物。
8.第5項記載の(4)式の化合物とポリチオール化合物を含む樹脂用組成物。
9.第5項記載の(4)式の化合物と下記(5)式のエピスルフィド化合物を含む樹脂用組成物。
(5)
(式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
10.第6項〜第9項に記載の樹脂用組成物を硬化して得られる光学材料。
11.第10項記載の光学材料からなる光学レンズ。
12.第6項〜第9項に記載の樹脂用組成物を硬化して光学材料を製造する方法。
本発明の化合物、およびそれらを含む組成物、およびそれらを重合硬化して得られる光学材料により、従来技術の化合物を原料とする限り困難であった高屈折率かつ高耐熱性と耐衝撃性が高い物性を付与することが可能となった。
本発明で言うテトラチアスピロ化合物とは、上記(1)式〜(4)式で表される化合物である。
本発明の(1)式の化合物は、イソブチルアルデヒドとホルムアルデヒドから得られるヒドロキシピバルアルデヒドとペンタエリスリチオールを反応させて得られる。反応には酸触媒を用いることが好ましく、具体的には塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トシル酸などの有機酸、TiCl、AlCl、FeCl、ZnCl、BF等のルイス酸である。その使用量は触媒の種類にも因るがペンタエリスリチオールに対して通常は0.01〜0.5モル、好ましくは0.1〜0.3モルである。
反応は水あるいは反応に不活性な溶媒に溶解して行うが、その具体例としてはアルコール類、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、アセトニトリルであり、好ましくは水、メタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、ヘキサン、ヘプタン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエンである。これらは1種でも混合して用いても構わない。
ペンタエリスリチオール使用量は、ヒドロキシピバルアルデヒドに対するモル比で0.20〜1.0、好ましくは0.30〜0.60である。1.0を超えると副生成物の生成量が増大し好ましくなく、0.2よりも低い場合は、ヒドロキシピバルアルデヒドの未反応量が大きくなり、後工程での精製が困難になり好ましくない。
反応に当たって使用する溶媒の量は、生成する(1)式の化合物のスラリー濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%になるよう調整することが好ましい。スラリー濃度が50重量%を超えると十分に攪拌することが困難となり収率が低下し、5重量%より低いと生産性が低くなるため、いずれも好ましくない。
反応時間は0.5〜20時間であり、通常は2〜10時間である。反応圧力は特に制限は無いが、高圧下で行うことも可能である。
反応温度は10〜120℃であり、好ましくは40〜100℃である。10℃未満であると反応時間が長くなり、120℃を超えるとヒドロキシピバルアルデヒドが変質し収率が低下する。
得られた(1)式の化合物は、再結晶、最沈殿、カラム分離操作、吸着剤処理、イオン交換樹脂処理等の精製法により生成することが可能である。なお、これらの製造は大気下でも実施できるが、原料及び製品等の酸化および着色の防止に万全を期すため、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
また、この(1)式の化合物のOH基をハロゲン化、もしくはチア化した化合物を出発原料として、(2)式、(3)式および(4)式の化合物を得ることが可能である。
(2)式の化合物を得る方法としては、(1)式の化合物に硫化水素を反応させる方法、チオ尿素を反応させる方法があるが、好ましくはチオ尿素を反応させる方法である。
チオ尿素を反応させる方法としては、(1)式の化合物とチオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩化し、これを加水分解する方法や、(1)式の化合物のOH基をハロゲン化した後、チオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩化し、これを加水分解する方法があるが、好ましくは(1)式の化合物とチオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩化し、これを加水分解する方法である。
ハロゲン化の方法としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素を反応させる方法、そのハロゲン化水素と塩化亜鉛等のハロゲン化金属を用いる方法、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム等のアルカリ金属塩と硫酸、リン酸等の酸を用いる方法、ハロゲンとリンを用いる方法、塩化チオニル、三臭化リン、五塩化リン、メタンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド等を用いる方法がある。
イソチウロニウム塩化反応は、(1)式の化合物のOH基、ハロゲン化した場合はハロゲンに対して2〜6当量、好ましくは2〜4当量のチオ尿素を反応させる。OH基に反応させる場合は、OH基に対して1〜10当量、好ましくは1〜5当量の鉱酸を加えて反応を行う。鉱酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸等が使用できるが、好ましくは塩酸、臭化水素酸である。
引き続き行う加水分解反応は、上記反応液に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩基、あるいはアンモニア、トリエチルアミン、ヒドラジン等の有機塩基等を(1)式化合物に対して1〜10当量、好ましくは1〜5当量加えて加水分解を行い、(2)式化合物を得る。
(2)式化合物を得るまでの反応温度は、選ばれる方式、触媒等によって異なるため限定できないが、0〜200℃が好ましく、20〜120℃であれば更に好ましい。
圧力については、減圧、常圧、加圧のいずれでも構わないが、常圧が好ましい。こうして得られる(2)式化合物は、再結晶、最沈殿、カラム分離操作、吸着剤処理、イオン交換樹脂処理等の精製法により生成することが可能である。なお、これらの製造は大気下でも実施できるが、原料及び製品等の酸化および着色の防止に万全を期すため、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
さらに(2)式化合物から(3)式、(4)式の化合物を得ることが出来る。
(3)式の化合物を得る方法としては、まず(2)式の化合物にエピクロロヒドリンを反応させてハロヒドリン化合物を得て、次いでこれをチオ尿素と反応させてイソチウロニウム塩として、これを加水分解する方法、もしくはハロヒドリン化合物を塩化チオニル等でテトラクロロ化合物とした後、チオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩として、これを加水分解する方法がある。
ハロヒドリン化合物の合成に際しては、(2)式の化合物のSH基に対して0.3〜4当量、好ましくは0.4〜3当量、より好ましくは0.5〜2当量のエピクロロヒドリンを反応させる。また反応に際しては塩基性物質を触媒として用いることが好ましく、より好ましくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物やアミンを使用することであり、その具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン等を挙げることが出来る。反応温度は通常―10〜100℃で行われるが、0〜80℃が好ましく、10〜60℃であれば更に好ましい。圧力については、減圧、常圧、加圧のいずれでも構わないが、常圧が好ましい。
生成したハロヒドリン化合物をテトラクロロ化合物にする場合は、塩化チオニルを用いることが好ましい。
ハロヒドリン化合物もしくはテトラクロロ化合物をチオ尿素で(3)式の化合物とする反応は、段落[0009]で示した方法に準ずる。なお、この際転移反応が起こり(3)式の構造となる。(3)式化合物は、再結晶、最沈殿、カラム分離操作、吸着剤処理、イオン交換樹脂処理等の精製法により生成することが可能である。なお、これらの製造は大気下でも実施できるが、原料及び製品等の酸化および着色の防止に万全を期すため、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
(4)式の化合物を得る方法としては、まず(2)式の化合物にエピクロロヒドリンを反応させてハロヒドリン化合物を得て、次いでこれを塩基でエポキシ化合物とした後、チオ尿素等のチア化剤と反応させる方法がある。
ハロヒドリン化合物を得る方法は、段落[0010]で示した方法に準ずる。
エポキシ化合物は、ハロヒドリン化合物に塩基性物質を反応させて製造する。反応は量論以上の塩基性物質存在下において行うが、通常は1〜5当量、好ましくは1〜2.5当量、より好ましくは1〜1.5当量である。反応温度は通常―10〜100℃で行われるが、0〜80℃が好ましく、10〜60℃であれば更に好ましい。
チア化に際しては、チア化剤としてチオシアン酸塩やチオ尿素を用いる。好ましくはチオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオ尿素であり、より好ましくはチオ尿素である。チア化に際しては、反応は量論以上のチア化剤存在下において行うが、通常は1〜5当量、好ましくは1〜2.5当量である。反応温度は通常―10〜100℃で行われるが、0〜80℃が好ましく、10〜60℃であれば更に好ましい。
圧力については、減圧、常圧、加圧のいずれでも構わないが、常圧が好ましい。こうして得られる(4)式化合物は、再結晶、最沈殿、カラム分離操作、吸着剤処理、イオン交換樹脂処理等の精製法により生成することが可能である。なお、これらの製造は大気下でも実施できるが、原料及び製品等の酸化および着色の防止に万全を期すため、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明において、(2)式もしくは(3)式の化合物と反応可能な化合物としてポリイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物、イソシアネート基を有するイソチオシアネート化合物等との混合物が樹脂組成物となる。これら反応可能な化合物の具体例としては、ジエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアナートメチル)デカヒドロナフタレン、リジントリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3−(2’−イソシアネートシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2、2’−ビス(4−イソシアナートフェニル)プロパン、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(ジイソシアナートトリル)フェニルメタン、4,4’、4’’−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシフェニルアミン、3,3’−ジメトキシベンジジン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナートビフェニル、4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナートベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−イソシアナートベンゼン)、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−イソシアナート−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(イソシアナートメチル)ナフタレン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス(イソシアナートメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス(イソシアナートメチル)ジシクロペンタジエン、ビス(イソシアナートメチル)テトラヒドロチオフェン、ビス(イソシアナートメチル)ノルボルネン、ビス(イソシアナートメチル)アダマンタン、ダイマー酸ジイソシアネート、1,3,5−トリ(1−イソシアナートヘキシル)イソシアヌル酸、チオジエチルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、ビス〔(4−イソシアナートメチル)フェニル〕スルフィド、2,5−ジイソシアネート−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアナートメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアナートメチルチオフェン、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオジプロピルジイソシアネート等のポリイソシアネート類、さらには上記のイソシアネート類のイソシアネート基の全部または一部をイソチオシアネート基に変えた化合物等を挙げることができる。また、以上のうちポリイソシアネート類については、ビュレット型反応による二量体、環化三量体およびアルコールまたはチオールの付加物等のイソシアネート類を挙げることができる。
以上具体例を示したが、これらに限定されるわけではなく、またこれらは単独でも2種以上を混合して使用しても構わない。以上の中で好ましい化合物は1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナートメチル)ノルボルネン、2,5−ジイソシアナートメチル−1,4−ジチアン、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼンである
本発明において、(2)式もしくは(3)式の化合物と、ポリイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物、イソシアネート基を有するイソチオシアネート化合物の配合比率は、(2)式もしくは(3)式の化合物中SH基のモル数とポリイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物、イソシアネート基を有するイソチオシアネート化合物中のNCO基、NCS基のモル数合計の比で表した場合、(SH基)/(NCO基+NCS基)が0.3〜2の範囲内、好ましくは0.6〜1.5の範囲内である。
(2)式もしくは(3)式の化合物と、ポリイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物、およびイソシアネート基を有するイソチオシアネート化合物から選択された少なくとも1種の化合物を含んでなる樹脂用組成物の硬化触媒としては、公知のウレタン化触媒を用いることが可能である。
その具体例としてはアミン、有機スズ化合物が挙げられるが、好ましくはジメチルスズジクロライド、メチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ブチルスズトリクロライド、ジオクチルスズジクロライド、オクチルスズトリクロライド、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジブチルスズジステアレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジステアレート、ジオクチルスズジマレートであり、より好ましくはジブチルスズジクロライド、ジブチルスズジラウレートである。
添加量は、通常、全組成物100wt%に対して、0.0001〜5.0wt%であり、好ましくは0.0005〜3.0wt%であり、より好ましくは0.001〜2.0wt%である。
本発明において、(2)式、(3)式もしくは(4)式の化合物と混合可能なエピスルフィド化合物の具体例としては、(5)式で表されるエピスルフィド化合物が挙げられ、樹脂組成物を形成する。
(5)
(式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
(5)式で表される化合物の具体例としてはビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)トリスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)スルフィド、などがあげられる。以上具体例を示したが、これらに限定されるわけではなく、またこれらは単独でも2種以上を混合して使用しても構わない。中でも好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドであり、最も好ましい化合物は、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィドである。
(2)式、(3)式の化合物と、エピスルフィド化合物の配合比率は、(2)式、(3)式の化合物中SH基のモル数とエピスルフィド化合物中のエピチオ基のモル数合計の比で表した場合、(SH基)/(エピチオ基)が0.3〜3の範囲内、好ましくは0.6〜2の範囲内である。
(4)式の化合物と、エピスルフィド化合物の配合比率は任意であるが、好ましくは(4)式の化合物中エピチオ基のモル数とエピスルフィド化合物中のエピチオ基のモル数合計の比で表した場合、((4)式化合物中エピチオ基)/(エピチオ基)が0.3〜3の範囲内、より好ましくは0.6〜2の範囲内である。
また、(2)式、(3)式もしくは(4)式の化合物とエピスルフィド化合物からなる樹脂用組成物、もしくは(4)式の化合物単独の樹脂用組成物の硬化触媒としては、公知のエピスルフィド重合触媒を用いることが可能であり、具体例としては第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩、第2級ヨードニウム塩、ホスフィン化合物が挙げられる。中でも第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩、ホスフィン化合物がより好ましく、さらに好ましくは第4級ホスホニウム塩である。より好ましい化合物の具体例としては、テトラ−n−メチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−エチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラオクチルアンモニウムクロライド、テトラフェニルアンモニウムクロライド、テトラ−n−メチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−エチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラフェニルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、テトラ−n−メチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−エチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラオクチルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラ−n−メチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−エチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラオクチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等の第4級ホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物が挙げられる。これらの中で、さらに好ましい化合物は、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルホスフィンであり、最も好ましい化合物は、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドである。
重合触媒の添加量は、組成物の成分、混合比および重合硬化方法によって変化するため一概には決められないが、通常は全組成物100wt%に対して0.001wt%以上5wt%以下、好ましくは、0.01wt%以上1wt%以下、最も好ましくは、0.01wt%以上0.5wt%以下使用する。重合触媒の添加量が5wt%より多いと硬化物の屈折率、耐熱性が低下し、着色する場合がある。また、0.001wt%より少ないと十分に硬化せず耐熱性が不十分となる場合がある。
本発明において、(4)式の化合物と反応可能なポリチオール化合物との樹脂組成物でのポリチオール化合物の具体例としては、メタンジチオール、1,2−ジメルカプトエタン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,2,3−トリメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル1,4−ジメルカプトプロパン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、4、8−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、4、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、5、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、1、1、3、3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,1−ジメルカプトシクロヘキサン、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトエチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、o−ジメルカプトベンゼン、m−ジメルカプトベンゼン、p−ジメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン等を挙げることができる。中でも好ましいものは、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4、8−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、4、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、5、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、1、1、3、3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼンが挙げられる。さらに最も好ましい化合物の具体例としては、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、4、8−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、4、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、5、7−ジメルカプトメチル−1、11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカン、1、1、3、3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンが挙げられる。
(4)式の化合物と、ポリチオール化合物の配合比率は、(4)式の化合物中エピチオ基のモル数とポリチオール化合物中のSH基のモル数合計の比で表した場合、(SH基)/(エピチオ基)が0.01〜0.5の範囲内、好ましくは0.01〜0.3の範囲内である。
また、(4)式の化合物とポリチオール化合物を組み合わせる場合は、硬化触媒として段落[0015]に記載した硬化触媒を用いることが可能である。
以上本発明の組成物について記載したが、これ以外に樹脂改質材としてポリオール、エポキシ化合物等を混合することも可能である。
また、本発明の組成物を重合硬化して樹脂を得るに際して、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤等の添加剤を加えて、得られる材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。
酸化防止剤の好ましい例としてはフェノール誘導体が挙げられる。中でも好ましい化合物は多価フェノール類、ハロゲン置換フェノール類であり、より好ましい化合物はカテコール、ピロガロール、アルキル置換カテコール類であり、最も好ましい化合物はカテコール、ピロガロールである。紫外線吸収剤の好ましい例としてはベンゾトリアゾール系化合物が挙げられる。中でも好ましい化合物はベンゾトリアゾール系化合物であり、特に好ましい化合物の具体例は2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールである。ブルーイング剤の好ましい例としてはアントラキノン系化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤、紫外線吸収剤およびブルーイング剤の添加量は、通常、全組成物100wt%に対してそれぞれ0.000001〜5wt%である。
また、本発明の組成物は重合中に型から剥がれやすい場合は、公知の外部および/または内部密着性改善剤を使用または添加して、得られる硬化物と型の密着性を向上せしめることも可能である。密着性改善剤としては、公知のシランカップリング剤やチタネート化合物類などがあげられ、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。添加量は通常、全組成物100wt%に対して0.0001〜5wt%である。逆に、本発明の組成物は重合後に型から剥がれにくい場合は、公知の外部および/または内部離型剤を使用または添加して、得られる硬化物の型からの離型性を向上せしめることも可能である。離型剤とは、フッ素系ノニオン界面活性剤、シリコン系ノニオン界面活性剤、燐酸エステル、酸性燐酸エステル、オキシアルキレン型酸性燐酸エステル、酸性燐酸エステルのアルカリ金属塩、オキシアルキレン型酸性燐酸エステルのアルカリ金属塩、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、パラフィン、ワックス、高級脂肪族アミド、高級脂肪族アルコール、ポリシロキサン類、脂肪族アミンエチレンオキシド付加物などがあげられ、これらは単独でも、2種類以上を混合して用いてもかまわない。添加量は通常、全組成物100wt%に対して0.0001〜5wt%である。
本発明の組成物を重合硬化して樹脂を製造する方法は、さらに詳しく述べるならば以下の通りである。前述した各組成成分、酸化防止剤、紫外線吸収剤、重合触媒、ラジカル重合開始剤、密着性改善剤、離型剤などの添加剤を、全て同一容器内で同時に撹拌下に混合しても、各原料を段階的に添加混合しても、数成分を別々に混合後さらに同一容器内で再混合しても良い。各原料および副原料はいかなる順序で混合してもかまわない。
混合にあたり、設定温度、これに要する時間等は基本的には各成分が十分に混合される条件であれば良い。
本発明では樹脂用組成物に対し、あらかじめ脱気処理を行うが、これにより樹脂の高度な透明性が達成される場合がある。脱気処理は、組成成分の一部もしくは全部と反応可能な化合物、重合触媒、添加剤の混合前、混合時あるいは混合後に、減圧下に行う。好ましくは、混合時あるいは混合後に、減圧下に行う。処理条件は、0.001〜50torrの減圧下、1分間〜24時間、0℃〜100℃で行う。減圧度は、好ましくは0.005〜25torrであり、より好ましくは0.01〜10torrであり、これらの範囲で減圧度を可変しても構わない。脱気時間は、好ましくは5分間〜18時間であり、より好ましくは10分間〜12時間である。脱気の際の温度は、好ましくは5℃〜80℃であり、より好ましくは10℃〜60℃であり、これらの範囲で温度を可変しても構わない。脱気処理の際は、撹拌、気体の吹き込み、超音波などによる振動などによって、樹脂用組成物の界面を更新することは、脱気効果を高める上で好ましい操作である。脱気処理により、除去される成分は、主に溶存ガスや低分子量の低沸点物等であるが、本発明の効果を発現するのであれば、特に種類は限定されない。
さらには、これらの樹脂用組成物および/または混合前の各原料を0.05〜10μm程度の孔径を有するフィルターで不純物等を濾過し精製することは本発明の光学材料の品質をさらに高める上からも好ましい。
このようにして得られた樹脂用組成物は、ガラスや金属製の型に注入し、加熱や紫外線などの活性エネルギー線の照射によって重合硬化反応を進めた後、型から外し製造される。好ましくは、加熱によって重合硬化する。この場合、硬化時間は0.1〜200時間、通常1〜100時間であり、硬化温度は−10〜160℃、通常−10〜140℃である。重合は所定の重合温度で所定時間のホールド、0.1℃〜100℃/時間の昇温、0.1℃〜100℃/時間の降温およびこれらの組み合わせで行うことができる。また、重合終了後、硬化物を50〜150℃の温度で10分〜5時間程度アニール処理を行う事は、本発明の光学材料の歪を除くために好ましい処理である。さらに必要に応じて染色、ハードコート、耐衝撃性コート、反射防止、防曇性付与等表面処理を行うことができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、評価は以下の方法で行った。
Hおよび13C−NMR:日本電子製NMR装置LA−500を用いて測定した。
耐熱性:セイコーインスツルメンツ株式会社製熱機械的分析装置TMA/SS6000を用い、直径1mmのピンを試料に乗せて10gの荷重を与えて30℃から昇温してTMA測定を行い、軟化点温度を測定し、耐熱性の評価とした。
屈折率、アッベ数:株式会社アタゴ製アッベ屈折率測定機NAR−4Tを用い、d線での屈折率、アッベ数を25℃で測定した。
衝撃強度:中心厚1.0mmのレンズに127cmの高さから500gの鉄球を落とす落球試験を行い、破壊しなかったものを○、破壊したものを×とした。
実施例1
(1)式化合物の合成
イソブチルアルデヒド59.5gと37%ホルマリン65.7重量部を40℃、窒素気流下で攪拌しながら、トリエチルアミン3.3gを滴下した。滴下後反応温度を徐々に上げ、90℃とした。その後徐々に60℃まで冷却し、反応を停止させた。続いて70℃、53kPaで未反応のイソブチルアルデヒド、トリエチルアミン、メタノール等の低沸留分を除去し、粗ヒドロキシピバルアルデヒドを得た。GCで分析した結果、ヒドロキシピバルアルデヒドが62%含まれていた。
クロロホルム290gにペンタエリスリチオール45.0gを混合し、そこへ粗ヒドロキシピバルアルデヒド86.4g、塩酸2.5gを添加し、90℃で5時間反応させた。反応終了後、メタノール中で再沈殿し、(12)式化合物を59.5g得た。
H−NMR測定結果を示す。(CDCl、TMS)
1.11(CH,12H)、2.00(OH,2H)、2.36(CH,8H)、3.45(CH,4H)、3.55(CH,2H)
13C−NMR測定結果を示す。(CDCl、TMS)
18.8(CH)、38.2(CH)、41.3(C)、43.3(C)、59.5(CH)、71.4(CH
実施例2
(2)式化合物の合成
(1)式の化合物36.9gに36%塩酸48.7gとチオ尿素30.5g、水100gを加え、110℃で12時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、トルエン200mlを加え、25%アンモニア水49.1gを徐々に加え、60℃で3時間加水分解を行った。得られた有機層を36%塩酸、水、アンモニア水、水で2回順次洗浄後、トルエンを留去して、(2)式の化合物を32.3g得た。
H−NMR測定結果を示す。(CDCl、TMS)
1.11(CH,12H)、1.50(SH,2H)、2.36(CH,8H)、2.48(CH,4H)、3.55(CH,2H)
13C−NMR測定結果を示す。(CDCl、TMS)
21.4(CH)、34.3(CH)、38.2(CH)、42.6(C)、43.3(C)、62.1(CH)
実施例3
(3)式化合物の合成
(2)式の化合物20.0gにトリエチルアミン0.8g、溶媒としてトルエン200mlを加え、エピクロロヒドリン10.0gを滴下し50℃で3時間反応させた。次にこの反応液に塩化チオニル 40.0gを滴下して加え、60℃で2時間反応させた。室温まで冷却後水50gを加え過剰の塩化チオニルを分解したのち、有機層を抽出した。溶媒を除去してテトラクロル体を得た。
次にこのテトラクロル体にチオ尿素30.0gと水100mlを加えて、100℃で5時間反応させた。反応終了後、室温に戻し10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて80℃で1時間加水分解を行った。その後トルエンで抽出し、水で洗浄した後、トルエンを留去して、(3)式の化合物を17.7g得た。
H−NMR測定結果を示す。(CDCl、TMS)
1.11(CH,12H)、1.50(SH,4H)、2.36(CH,12H)、2.89(CH,8H)、3.16(CH,2H)、3.55(CH,2H)
13C−NMR測定結果を示す。(CDCl、TMS)
21.7(CH)、31.2(CH)、37.9(CH)、38.2(CH)、40.7(C)、43.3(C)、51.0(CH)、62.4(CH)
実施例4
(4)式化合物の合成
(2)式の化合物20.0gに10%水酸化ナトリウム水溶液1.2g、溶媒としてトルエン200mlを加え、エピクロロヒドリン10.0gを滴下し50℃で3時間反応させた。次いで40%水酸化ナトリウム水溶液20gを10℃で滴下し5時間反応させた。トルエン100mlで抽出した後、溶媒を除去してエポキシ体を得た。次いでこのエポキシ体にチオ尿素30.0gとトルエン100ml、メタノール100mlを加えて、30℃で8時間反応させた。反応終了後、トルエンで抽出し、10%硫酸水溶液、水で洗浄した後、トルエンを留去して、(4)式の化合物を15.5g得た。
H−NMR測定結果を示す。(CDCl、TMS)
1.11(CH,12H)、2.23(CH,4H)、2.36(CH,12H)、2.54(CH,2H)、2.77(CH,4H)、3.55(CH,2H)
13C−NMR測定結果を示す。(CDCl、TMS)
21.7(CH)、24.8(CH)、33.0(CH)、38.2(CH)、40.4(C)、43.3(C)、41.1(CH)、44.8(CH)、62.4(CH)
実施例5
m−キシリレンジイソシアネート38.0重量部と(3)式の化合物62.0重量部に触媒としてジブチルスズジクロライド0.1重量部、離型剤としてブトキシエチルアシッドホスフェート0.1重量部添加し、攪拌し均一にした。脱気したのち−4Dレンズ用ガラス型(直径80mm、中心厚1mm)に注入して20℃から120℃まで加熱して硬化した。得られた樹脂の物性を表1に示す。
実施例6
(4)式の化合物100重量部に触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイド0.1重量部を添加し、攪拌し均一にした。脱気したのち−4Dレンズ用ガラス型(直径80mm、中心厚1mm)に注入して20℃から120℃まで加熱して硬化した。得られた樹脂の物性を表1に示す。
比較例1
m−キシリレンジイソシアネート52.0重量部と4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン48.0重量部に触媒としてジブチルスズジクロライド0.1重量部、離型剤としてブトキシエチルアシッドホスフェート0.1重量部添加し、攪拌し均一にした。脱気したのち−4Dレンズ用ガラス型(直径80mm、中心厚1mm)に注入して20℃から120℃まで加熱して硬化した。得られた樹脂の物性を表1に示す。
比較例2
m−キシリレンジイソシアネート50.6重量部と4,8−または4,7−または5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンの混合物49.4重量部に触媒としてジブチルスズジクロライド0.1重量部、離型剤としてブトキシエチルアシッドホスフェート0.1重量部添加し、攪拌し均一にした。脱気したのち−4Dレンズ用ガラス型(直径80mm、中心厚1mm)に注入して20℃から120℃まで加熱して硬化した。得られた樹脂の物性を表1に示す。
比較例3
2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン100重量部に触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイド0.1重量部を添加し、攪拌し均一にした。脱気したのち型に注入して20℃から120℃まで加熱して硬化した。得られた樹脂の物性を表1に示す。

Claims (12)

  1. 下記(1)式の化合物。

    (1)
  2. ヒドロキシピバルアルデヒドとペンタエリスリチオールを反応させて請求項1記載の(1)式の化合物を製造する方法。
  3. 下記(2)式の化合物。

    (2)
  4. 下記(3)式の化合物。

    (3)
  5. 下記(4)式の化合物。

    (4)
  6. 請求項3記載の(2)式または請求項4記載の(3)式の化合物と、ポリイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物、イソシアネート基を有するイソチオシアネート化合物、およびエピスルフィド化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む樹脂用組成物。
  7. 請求項5記載の(4)式の化合物を含む樹脂用組成物。
  8. 請求項5記載の(4)式の化合物とポリチオール化合物を含む樹脂用組成物。
  9. 請求項5記載の(4)式の化合物と下記(5)式のエピスルフィド化合物を含む樹脂用組成物。
    (5)
    (式中、mは0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。)
  10. 請求項6〜9に記載の樹脂用組成物を硬化して得られる光学材料。
  11. 請求項10記載の光学材料からなる光学レンズ。
  12. 請求項6〜9に記載の樹脂用組成物を硬化して光学材料を製造する方法。
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