JP5336875B2 - 管内着氷除去ノズル - Google Patents

管内着氷除去ノズル Download PDF

Info

Publication number
JP5336875B2
JP5336875B2 JP2009028698A JP2009028698A JP5336875B2 JP 5336875 B2 JP5336875 B2 JP 5336875B2 JP 2009028698 A JP2009028698 A JP 2009028698A JP 2009028698 A JP2009028698 A JP 2009028698A JP 5336875 B2 JP5336875 B2 JP 5336875B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
ice
gas
temperature
sublimation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009028698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010184176A (ja
Inventor
宗治 氏田
昌明 岩本
剛 山本
昌典 高田
光哉 田中
亮 秋吉
尚一郎 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
IHI Corp
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp, Osaka Gas Co Ltd filed Critical IHI Corp
Priority to JP2009028698A priority Critical patent/JP5336875B2/ja
Publication of JP2010184176A publication Critical patent/JP2010184176A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5336875B2 publication Critical patent/JP5336875B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)

Description

本発明は、配管の内部に付着した氷を除去する管内着氷除去ノズルに関する。
タンクに液体を貯留するにあたっては、安全管理、品質管理、在庫管理等のために、貯留している液体の液温、液密度、液面レベル等の各種状態を把握している。そこで、タンク管理者は、使用機器のトラブル時に、タンクに接続されている予備管等の配管を利用して、温度センサ、液密度計、レベルセンサ等の各種計測機器をタンク内部に挿入し、貯留液体の各種状態を計測する場合がある。
ここで、液体貯留タンクが低温液体を貯留するものである場合、外気が予備管に侵入すると外気中に存在する水分が液体貯留タンク側から冷却され、氷となって予備管の内壁に付着することがある。このような氷の付着が発生すると、温度センサ、液密度計、レベルセンサ等の各種計測機器の設置が困難となる。
この問題に関連し、低温液化ガスの気化設備において、蒸発器を構成する管の表面に付着した氷をヒータの熱によって融解させる技術が知られており(例えば、特許文献1を参照)、この技術を、管内の着氷を除去する用途に適用することが考えられる。
また、凍結した配管に対して、配管内の凍結部に電気加熱体を当接させ、当該電気加熱体を通電して凍結部を解氷させる技術もあった(例えば、特許文献2を参照)。
さらに、凍結した配管の内部にノズルを挿入し、当該ノズルから凍結部に向けて加圧温水を噴射することで凍結部を解氷させる技術もあった(例えば、特許文献3を参照)。
特開平10−252994号公報 特開2001−182106号公報 実用新案登録第3086843号公報
ところが、特許文献1の技術を、そのままの状態で、例えば、液体貯留タンクに接続されている配管内の着氷を除去する用途に適用すると、氷が融解することによって発生した水がタンクの内部に落下する虞がある。あるいは、氷の温度が上昇することにより氷が予備管の内壁から剥離し、氷片がタンクの内部に落下することが考えられる。これらのタンク内部への融解水や氷片の落下は、貯留している液体の品質管理等の観点から好ましいことではない。
また、特許文献2おいても、配管内の凍結部を解氷するに伴って、融解水がタンクの内部に落下する危険性が高い。
さらに、特許文献3にあっては、配管内部の凍結部の解氷に温水を使用しているため、融解水とともに、この温水がそのままタンク内部に流入することになる。
従って、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、長期間に亘って予備管等の配管の内壁に付着した氷をタンク内部に落下させることなく、あるいは氷の融解水をタンク内部に落下させることなく、氷を確実に除去することが可能な管内着氷除去ノズルを提供することにある。
本発明に係る管内着氷除去ノズルの特徴構成は、配管の内部に付着した氷を除去する管内着氷除去ノズルであって、前記配管に挿入可能な形状に構成された本体に、前記氷を水蒸気へと昇華させて除去するための昇華用ガスが通流するガス流路と、前記昇華用ガスを前記氷に向けて噴射する噴射孔とを設け、温度及び水蒸気圧が水の三重点以下の状態にある前記昇華用ガスを前記噴射孔から噴射する点にある。
配管内に付着した氷やその融解水を下方のタンク等に落下させることなく、配管内から除去するためには、固体である氷を気体である水蒸気の状態へと直接変化させること、すなわち、昇華させることが有効である。
この点、本構成の管内着氷除去ノズルであれば、配管に挿入可能な形状に構成された本体にガス流路を設け、このガス流路に氷を水蒸気へと昇華させて除去するための昇華用ガスを通流させ、この昇華用ガスを噴射孔から氷に向けて放出している。これにより、配管内に付着した氷は、昇華用ガスに曝されて徐々に水蒸気へと変化する。従って、配管内に付着した氷は溶融したり配管の内壁から剥離したりすることなく、配管内から確実に除去することができる。その結果、例えば、氷が除去された配管内に、温度センサ、液密度計、レベルセンサ等の各種計測機器を挿入し、各種の計測を実行することが可能となる。
ちなみに、上記昇華用ガスは、配管内に付着した氷の周辺の温度及び圧力(水蒸気分圧)を、水の三重点以下の条件にするガスが用いられる。
本発明に係る管内着氷除去ノズルにおいて、前記ガス流路は、メイン流路と、当該メイン流路から分岐する複数のサブ流路とを備え、前記複数のサブ流路の下流端に前記噴射孔が夫々設けられていることが好ましい。
本構成の管内着氷除去ノズルであれば、昇華用ガスは、メイン流路からサブ流路へと分岐され、夫々のサブ流路の下流端の噴射孔から氷に向けて噴射される。すなわち、本構成では、昇華用ガスは、複数の噴射孔から噴射されることとなる。このため、例えば、配管の略全断面にわたって氷が付着していた場合でも、昇華用ガスが噴射される領域が広いので、氷に対して昇華用ガスを確実に吹き付けることができる。
本発明に係る管内着氷除去ノズルにおいて、前記本体の先端側をラウンド面で構成し、当該ラウンド面に沿って前記噴射孔が夫々配置されていることが好ましい。
本構成の管内着氷除去ノズルであれば、本体の先端部をラウンド面で構成してあるので、目標位置へのノズルの挿入が容易である。また、このラウンド面に沿って噴射孔が夫々配置されているので、複数の噴射孔は分散され、昇華用ガスを広範囲に噴射することができる。従って、例えば、配管の内壁に氷が広範囲に亘って付着していた場合でも、当該氷に対して全体的に昇華用ガスを吹き付けることが可能となる。
本発明に係る管内着氷除去ノズルにおいて、前記噴射孔の夫々は、前記本体の挿入方向から見て前方から側方にかけて配置され、前方に配置されているものほど孔径が小さく設定されていることが好ましい。
本構成の管内着氷除去ノズルであれば、噴射孔の夫々は、本体の挿入方向から見て前方から側方にかけて配置され、前方に配置されているものほど孔径が小さく設定されているので、前方に噴射する昇華用ガスの流速を比較的大きくすることができる。従って、例えば、配管の略全断面にわたって氷が付着していた場合では、先ず、氷の中心部を優先的に昇華させて中心に穴を開け、その後、周囲の氷を徐々に昇華させることができる。このような手順で昇華除去を行うことにより、氷片の落下を確実に防止することができる。また、配管内に付着している氷が一部貫通している場合でも、当該貫通部から氷の昇華を進行させ、その後、昇華領域を徐々に周囲に拡大し、最終的に全ての氷を昇華除去することができる。
本発明に係る管内着氷除去ノズルにおいて、前記本体の先端部に、前記氷の状態を監視するカメラを備えることが好ましい。
本構成の管内着氷除去ノズルであれば、本体の先端部に備えたカメラで氷の状態を監視することができるので、画像を通じて視覚的に氷の昇華除去を確実に実行することができる。
本発明に係る管内着氷除去ノズルにおいて、前記本体の先端部に、前記氷までの距離を検知する距離センサを備えることが好ましい。
本構成の管内着氷除去ノズルであれば、本体の先端部に備えた距離センサによって、氷までの距離を知ることができるので、ノズルを適切な位置に操作することができる。
本発明に係る管内着氷除去ノズルにおいて、前記ガス流路を通流する前記昇華用ガスの温度を検知する温度センサを備えることが好ましい。
本構成の管内着氷除去ノズルであれば、温度センサによって、ガス流路を通流する昇華用ガスの温度が、氷が水蒸気へと昇華するのに適した温度であるかを確認することができる。従って、氷に昇華用ガスを吹き付ける直前の段階における昇華用ガスの温度を、適切な温度に調整することが可能となり、その結果、効率よく昇華除去作業を行うことができる。
管内着氷除去ノズルの断面図 管内着氷除去ノズルの分解斜視図 ノズル本体の一断面図 ノズル本体を先端側から見た正面図 管内着氷除去システムを模式的に表したブロック図 水が各状態(固体、液体、及び気体)をとり得る領域を示した水の状態図 配管の内部に付着した氷の昇華除去についての確認試験の結果を示す図
以下、本発明による実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
〔管内着氷除去ノズルの構成〕
図1は、本発明の管内着氷除去ノズル100の断面図である。図2は、管内着氷除去ノズル100の分解斜視図である。ただし、これらの図では、構成の一部を省略して記載している。
本発明の管内着氷除去ノズル100は、低温液体貯留タンクに接続されている予備管等の配管において、配管内に付着した氷を昇華除去する用途に使用される。すなわち、管内着氷除去ノズル100は、配管の内部に挿入され、配管内の着氷部位に向けて、氷を水蒸気へと昇華させて除去するための昇華用ガスを噴射するものである。なお、昇華用ガスの詳細については後述する。
管内着氷除去ノズル100は、配管に挿入可能な形状に構成されたノズル本体(本体)10と、昇華用ガスが導入されるノズル管部20とを備えている。図3は、ノズル本体10の一断面図である。図4は、ノズル本体10を先端側から見た正面図である。
図1及び図2に示すように、ノズル本体10は、ヘッド部10aとベース部10bとをボルト7で締結して一体化されている。ノズル本体10には、ヘッド部10aとベース部10bとに亘って、昇華用ガス生成源(後述する図5の管内着氷除去システム200における参照符号70)から供給される昇華用ガスが通流するメイン流路1aが形成されている。メイン流路1aは、図2に示すように、ノズル本体10の軸心周りに等間隔で8本形成されている。また、この8本のメイン流路1aは、図1に示すように、ベース部10bの側にある空洞部1cと接続している。
ヘッド部10aには、各メイン流路1aから分岐する複数のサブ流路1bが形成されている。本実施形態では、1本のメイン流路1aから2本又は3本のサブ流路1bが分岐している。そして、ノズル本体10の全体では、図4から分かるように、合計20本のサブ流路1bがヘッド部10aに形成されている。
なお、これらのメイン流路1a、サブ流路1b、及び空洞部1cにより、昇華用ガスが通流するガス流路1が構成される。
ヘッド部10aの先端側は、図1〜図4に示すように、半球状のラウンド面3で構成されている。なお、ラウンド面3は、このような半球状のものに限定されず、円錐形等の他の曲面形状であっても構わない。また、ヘッド部10aに形成されている各サブ流路1bの下流端には、昇華用ガスを氷に向けて噴射する噴射孔2が夫々設けられている。そして、各噴射孔2は、図1及び図3に示すように、ラウンド面3に沿って配置されている。
ここで、各噴射孔2は、ノズル本体10の配管への挿入方向から見て前方から側方にかけて(例えば、図1における紙面上下方向が挿入方向であり、下側が前方に相当する)配置されている。そして、前方に配置されている噴射孔2ほど孔径が小さく設定されている。このような孔径設定とすることにより、前方に噴射する昇華用ガスの流速を比較的大きくすることができる。図1に示される噴射孔2から出ている矢印の長さが、噴射される昇華用ガスの流速を表している。
従って、例えば、配管の略全断面にわたって氷が付着している場合においては、先ず、前方噴射の昇華用ガスによって氷の中心部を優先的に昇華させて穴を開け、その後、周囲の氷を徐々に昇華させることができる。このような手順で昇華除去を行うことにより、氷片の落下を確実に防止することができる。
また、ヘッド部10aの先端部には、カメラ4が設けられている。カメラ4には、CCDカメラ等を採用することができる。このカメラ4により、昇華除去対象である管内に付着している氷の状態を監視することができる。カメラ4は、氷の状態をモニタリングするだけでなく、必要に応じて録画することができる。従って、画像を通じて視覚的に氷の昇華除去を確実に実行することができる。
さらに、ヘッド部10aの先端部には、距離センサ5が設けられている。距離センサ5には、デジタルレベルセンサ等を採用することができる。この距離センサ5により、ヘッド部10aの先端から管内に付着している氷までの距離を検知することができる。従って、管内着氷除去ノズル100を適切な位置に操作することができる。
図3及び4では、ヘッド部10aの先端部の中央寄りにカメラ4を配置し、その側部に距離センサ5を配置しているが、両者の配置を逆にしても構わない。
なお、カメラ4のリード線4aは、ベース部10bに設けられた第1溝9aを経て、後述するノズル管部20の内管21と外管22との間に通される。また、距離センサ5のリード線5aは、ベース部10bに設けられた第2溝9bを経て、後述するノズル管部20の内管21と外管22との間に通される。
ベース部10bは、ノズル管部20が接続される接続部8を備えている。この接続部8は上述の空洞部1cを有しており、昇華用ガスが通流するガス流路1の一部を成している。また、接続部8の空洞部1cには、温度センサ6が挿入されている。温度センサ6には、熱電対等を採用することができる。この温度センサ6により、空洞部1cからメイン流路1a及びサブ流路1bへ流れる昇華用ガスの温度を検知することができる。
なお、温度センサ6のリード線6aは、そのまま後述するノズル管部20の内管21と外管22との間に通される。
ノズル管部20は、昇華用ガスが通流する内管21、ケーブル類(カメラ4のリード線4a、距離センサ5のリード線5a、及び温度センサ6のリード線6a)を保護する外管22、外管22をノズル本体10に固定する外管固定部材23、フランジ24、及び変換継手25を備えている。
内管21は外管22の内部に挿通されて二重管を形成し、内管21と外管22との間の空間にノズル本体10の側から出されたケーブル類が通されている。内管21の下流端は、ノズル本体10の接続部8に接続されている。内管21の上流端は、外管22の上流端から突出し、昇華用ガス供給管(後述する図5の管内着氷除去システム200における参照符号68)に接続するための変換継手25が取り付けられている。外管22の下流端は、外管固定部材23によってノズル本体10の側のベース部10bに固定されている。外管22の上流端には、ケーブル類を取り出すためのフランジ24が設けられている。
〔管内着氷除去ノズルの管内着氷除去システムへの使用〕
上記のように構成された管内着氷除去ノズル100を用いて、配管内に付着した氷を除去するための管内着氷除去システム200を構築することができる。
図5は、本実施形態で説明する管内着氷除去システム200を模式的に表したブロック図である。
本実施形態の管内着氷除去システム200を適用する低温液体貯留タンク50は、低温状態で液化した物質を貯留するために使用されるタンクである。
低温液体貯留タンク50は、外槽部51と内槽部52とからなる二重構造を有しており、内槽部52の内部に低温液体が貯留されている。内槽部52と外槽部51との間には、必要に応じて断熱材が充填される。また、内槽部52の内部における上方空間には、低温液体の気化ガス(Boil Off Gas;BOG)が充満している。これにより、低温液体貯留タンク50の内部空間には、BOGにより正圧がかかっている。
また、低温液体貯留タンク50には、バルブ54を備えた予備管53が、外槽部51及び内槽部52を貫通する形態で接続されている。この予備管53を利用して、低温液体貯留タンク50の内部に貯留している低温液体の液温、液密度、液面レベル等の各種状態を計測する装置を設置することができる。
ここで、予備管53の内部雰囲気の温度は、予備管53の外側端部付近では常温であるが、低温液体貯留タンク50の内部側に向かうにつれて徐々に温度が低くなり、低温液体貯留タンク50の外槽部51と内槽部52との間の所定位置において約0℃となっている。従って、何らかの理由で外部の空気が侵入した場合、この所定位置における予備管53の内部では、雰囲気中の水分が凝結し、氷となって予備管53の内壁に付着し易くなる。そして、このような氷の付着現象が長期間に亘って続くと、氷が予備管53の内壁に厚く堆積することがある。
そこで、本実施形態の管内着氷除去システム200では、低温液体貯留タンク50に接続された予備管53の内壁に付着している氷Xに対し、管内着氷除去ノズル100を用いて、昇華用ガスG0を直接吹き付けることにより当該氷Xを水蒸気へと昇華させ、予備管53から除去する。
具体的に説明すると、上記の昇華用ガスG0を、例えば、沸点が約−196℃の液化窒素G1と、約20℃の常温の窒素ガスG2とを、管内着氷除去ノズル100における温度が約−20〜−5℃、好適には約−10℃に調整されるよう合流部63にて混合することにより発生させる。従って、本実施形態にあっては、液化窒素G1及び常温の窒素ガスG2が昇華用ガスの調製に使用する原ガスであり、液化窒素G1を供給する液化窒素タンク61、及び常温の窒素ガスG2を供給する窒素ボンベ62により、ガス生成部70が構成される。なお、ガス生成部70として、配管部材(配管64,65、バルブ66,67,69等)や付帯設備(送液ポンプ11)、その他図示しない任意の設備(除湿器等)を含めても構わない。
一方、本発明においては、貯留されている低温液体のBOGを、そのままの状態で、或いはBOGと常温の窒素ガスG2とを混合した状態で、昇華用ガスG0として利用することも可能である。
ガス生成部70からの原ガスを調製して得られる昇華用ガスG0は、配管68を通り、予備管53の内部に挿入された管内着氷除去ノズル100に供給され、予備管53の内壁に付着している氷Xに向けて放出される。なお、配管68は、昇華用ガスG0を供給するための専用の配管である。
次に、予備管53の内壁に付着している氷Xが水蒸気へと昇華する条件について説明する。初めに、水の三態(固体、液体、及び気体)について説明する。
図6は、水が各状態(固体、液体、及び気体)をとり得る領域を示した水の状態図(相図)である。周知のように、常圧(1013hPa)においては、固体の水(すなわち、氷)は約0℃になると液体に変化し、約100℃になると気体(水蒸気)に変化する。ところが、圧力(ここでは、水蒸気圧を意味する)が小さくなると、図6に示すように、固体から液体への転移点はほとんど変化しないが、液体から気体への転移点は約100℃から急激に低下し、所定の低圧状態(約6.1hPa)になると、固体から液体への転移点と、液体から気体への転移点とが重複する(約0.01℃)。この重複点が、水の三重点であり、この状態(約0.01℃、約6.1hPa)においては、固体(氷)、液体(水)、及び気体(水蒸気)の3つの状態が平衡して共存することになる。そして、さらに圧力を小さくすると、液体状態が存在しなくなり、水は固体と気体との間で転移することになる。
従って、氷Xを水蒸気へと昇華させるためには、昇華用ガスG0を吹き付ける氷Xの周辺(すなわち、外槽部51と内槽部52との間における予備管53の内部雰囲気)の温度及び圧力(水蒸気分圧)を、上記の水の三重点以下の条件とする必要がある。本実施形態では、氷Xは図6中のαで示した領域の状態(温度:約−100〜−5℃、圧力:約0.00001〜4hPa)にあるので、この状態を、例えばβで示した領域の状態(温度:約−50〜−5℃、圧力:約0.00001hPa以下)とする必要がある。これを実現するためには、ガス生成部70で生成した昇華用ガスG0について、その温度や生成状態(液化窒素G1と常温の窒素ガスG2との混合比、生成したG0の供給量等)をコントロールする必要がある。
そこで、本実施形態の管内着氷除去システム200では、昇華用ガスG0が通過する配管68に、ガス生成部70から管内着氷除去ノズル100に供給される昇華用ガスG0の温度を検知する第二温度センサ(温度検知部)30を設けている。また、第二温度センサ30の検知結果に基づいて、管内着氷除去ノズル100での昇華用ガスG0の状態を制御する制御部40を設けている。第二温度センサ30としては、例えば、常温からマイナス数十℃程度までの温度範囲を検知可能な熱電対を採用することができる。制御部40は、例えば、管内着氷除去システム100を総合的に制御するコンピュータとして構築することができる。
制御部40は、配管68を通過している昇華用ガスG0の温度を認識することにより、管内着氷除去ノズル100から氷Xに向けて放出される直前の昇華用ガスG0の温度を、確実に水の三重点以下となる条件に調整する。例えば、第二温度センサ30で検知した昇華用ガスG0の温度が、水の三重点を達成するに必要な温度(すなわち、約0.01℃)よりも高い場合は、制御部40は、窒素ボンベ62に接続された配管65に設けられたバルブ67の開度を小さくして液化窒素G1に対する常温の窒素ガスG2の混合量を少なくする。また、必要に応じて、液化窒素タンク61に接続された配管64に設けられたバルブ66の開度を大きくし、或いは送液ポンプ11の吐出量を増加させて液化窒素G1の流量を増大させる。これらの操作により、生成する昇華用ガスG0の温度を低下させる。
一方、第二温度センサ30で検知した昇華用ガスG0の温度が、水の三重点を達成するに必要な温度よりも低過ぎる場合は、制御部40は、窒素ボンベ62に接続された配管65に設けられたバルブ67の開度を大きくして液化窒素G1に対する常温の窒素ガスG2の混合量を多くする。また、必要に応じて、液化窒素タンク61に接続された配管64に設けられたバルブ66の開度を小さくし、或いは送液ポンプ11の吐出量を減少させて液化窒素G1の流量を減少させる。これらの操作により、生成する昇華用ガスG0の温度を上昇させる。
ところで、配管68に設けた第二温度センサ30と管内着氷除去ノズル100のノズル本体10との距離が大きい場合は、昇華用ガスG0が第二温度センサ30の位置からノズル本体10まで進行する間に、昇華用ガスG0が温められて温度が上昇してしまう虞がある。そこで、制御部40は、このような温度上昇分を考慮して、第二温度センサ30の位置における昇華用ガスG0の温度が水の三重点を達成するのに必要な温度よりもある程度低い温度となるように、バルブ66,67の開度調整を行う。これにより、昇華用ガスG0の温度は、ノズル本体10に到達した時点で確実に水の三重点以下にされる。
また、昇華用ガスG0の供給量(流速)については、制御部40が合流部63より下流側にある配管68に設けたバルブ69の開度を適宜調整することで、適切な供給量とされる。例えば、実験によると、配管68の管径が約200mmであり、この配管68の断面の略全体に亘って厚さ約200mmの氷が付着している場合では、管内着氷除去ノズル100のノズル本体10からの昇華用ガスG0の噴射の流速を5〜100m/sに設定することが好ましい。
なお、上述した制御部40によるバルブ66,67,69の開度調整は一例であり、他の開度調整パターンを実行することも可能である。また、図5において、バルブ66,69を省略することで、液化窒素G1については常に流し続ける状態とし、制御部40がバルブ67の開度調整のみを行って、液化窒素G1への常温の窒素ガスG2の混合量を適宜調整することも可能である。
このように、制御部40は、第二温度センサ30によって検知した昇華用ガスG0の温度に基づいて、合流部63での液化窒素G1に対する常温の窒素ガスG2の混合量、及び昇華用ガスG0の供給量を制御することができる。
一方、制御部40によるバルブの自動制御を実行する代わりに、作業員が温度計を確認しながら、手動によるバルブ操作で、昇華用ガスG0の温度及び供給量を調整することも可能である。
昇華用ガスG0の水蒸気圧については、昇華用ガスG0の原料となる液化窒素G1及び常温の窒素ガスG2がいずれも水分をほとんど含んでいないので、本実施形態では、十分に水の三重点以下となる圧力(すなわち、約6.1hPa以下)となっている。従って、制御部40は、バルブ66,67,69の開度を適宜調整し、ガス生成部70から管内着氷除去ノズル100へと送り込む昇華用ガスG0の温度及び供給量を制御すれば、ノズル本体10から放出される昇華用ガスG0を氷Xの除去に適した条件とすることができる。
以上のように、本実施形態では、第二温度センサ30によって検知した昇華用ガスG0の温度に基づいて、制御部40がバルブ66,67,69の開度調整を行うことにより、最終的な昇華用ガスG0の状態が決定される。
従って、本発明の管内着氷除去ノズル100を用いて管内着氷除去システム200を構築すれば、昇華用ガスG0の状態が適切に制御されることにより、予備管53の内部に付着した氷Xは溶融したり予備管53の内壁から剥離したりすることなく、徐々に水蒸気へと変化し、予備管53の内部から確実に除去することができる。その結果、例えば、氷Xが除去された予備管53の内部に、温度センサ、液密度計、レベルセンサ等の各種計測機器を挿入し、各種の計測を実行することが可能となる。
ところで、本実施形態の管内着氷除去システム200では、昇華用ガスG0で氷Xを曝すことにより生成した水蒸気を含有する含湿ガスが生成するが、この含湿ガスをガス排出管(ガス排出部)55から予備管53の外部に排出することができる。ガス排出管55は、例えば、図5に示すように、予備管53から側方に分岐するバルブ56付きの分岐管として構成される。バルブ56は、通常は閉状態にされているが、氷Xの昇華除去作業を実行している期間において開放する。そうすると、低温液体貯留タンク50の内部は正圧がかかっているので、含湿ガスは一部のBOGとともにガス排出管55から排出される。これにより、予備管53及び低温液体貯留タンク50の内部における水蒸気濃度の上昇が防止される。その結果、予備管53の内部に付着した氷の水蒸気への昇華を一層促進することができる。
実施例として、本発明の管内着氷除去ノズル100を用いて、配管の内部に氷を付着させて、その氷の昇華除去について確認試験を行った。本実施例の試験条件は、次のとおりである。
・配管の直径:200mm
・配管の内部に付着させた氷の厚さ:約200mm
・配管の内部に付着させた氷の温度:約−5℃
・昇華用ガスの種類:液化窒素由来の窒素ガス
・昇華用ガスの温度:約−10℃
・昇華用ガスの流量:50〜100m3/h
・ノズル本体における昇華用ガスの噴出の流速:15〜45m/s
試験結果を図7の写真に示す。これらは、試験開始から(a)0時間、(b)約24時間、(c)約48時間、(d)約70時間、それぞれ経過したときの配管内の氷の状態を撮影したものである。
(a)の状態にある氷に対して昇華用ガスを吹き付けると、昇華用ガスの流量が大きい部位(本実施例では、写真上での配管内の右上付近)から昇華が進行した。そして、試験開始から約24時間経過すると、(b)のように、配管内に付着する氷の量が減少した。さらに、試験開始から約48時間経過すると、(c)のように、配管内に各種計測機器を挿入するのに問題がない程度まで氷が昇華除去された。そして、試験開始から約70時間経過すると、(d)のように、ほとんどの氷が昇華除去された。
以上より、本試験では、少なくとも48時間程度の昇華除去作業を行うことにより、配管内に付着した氷を溶融させたり配管の内壁から剥離させたりすることなく、配管内から確実に除去できることが確認できた。このように、本発明の管内着氷除去ノズル100を用いた管内の氷の昇華除去方法は、実用的に見て十分に実施可能であり、且つ有効な方法である。
1 ガス流路
1a メイン流路
1b サブ流路
2 噴射孔
3 ラウンド面
4 カメラ
5 距離センサ
6 温度センサ
10 ノズル本体(本体)
20 ノズル管部
100 管内着氷除去ノズル

Claims (7)

  1. 配管の内部に付着した氷を除去する管内着氷除去ノズルであって、
    前記配管に挿入可能な形状に構成された本体に、
    前記氷を水蒸気へと昇華させて除去するための昇華用ガスが通流するガス流路と、
    前記昇華用ガスを前記氷に向けて噴射する噴射孔と
    を設け
    温度及び水蒸気圧が水の三重点以下の状態にある前記昇華用ガスを前記噴射孔から噴射する管内着氷除去ノズル。
  2. 前記ガス流路は、メイン流路と、当該メイン流路から分岐する複数のサブ流路とを備え、前記複数のサブ流路の下流端に前記噴射孔が夫々設けられている請求項1に記載の管内着氷除去ノズル。
  3. 前記本体の先端側をラウンド面で構成し、当該ラウンド面に沿って前記噴射孔が夫々配置されている請求項2に記載の管内着氷除去ノズル。
  4. 前記噴射孔の夫々は、前記本体の挿入方向から見て前方から側方にかけて配置され、前方に配置されているものほど孔径が小さく設定されている請求項2又は3に記載の管内着氷除去ノズル。
  5. 前記本体の先端部に、前記氷の状態を監視するカメラを備えた請求項1〜4の何れか一項に記載の管内着氷除去ノズル。
  6. 前記本体の先端部に、前記氷までの距離を検知する距離センサを備えた請求項1〜5の何れか一項に記載の管内着氷除去ノズル。
  7. 前記ガス流路を通流する前記昇華用ガスの温度を検知する温度センサを備えた請求項1〜6の何れか一項に記載の管内着氷除去ノズル。
JP2009028698A 2009-02-10 2009-02-10 管内着氷除去ノズル Active JP5336875B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009028698A JP5336875B2 (ja) 2009-02-10 2009-02-10 管内着氷除去ノズル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009028698A JP5336875B2 (ja) 2009-02-10 2009-02-10 管内着氷除去ノズル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010184176A JP2010184176A (ja) 2010-08-26
JP5336875B2 true JP5336875B2 (ja) 2013-11-06

Family

ID=42765169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009028698A Active JP5336875B2 (ja) 2009-02-10 2009-02-10 管内着氷除去ノズル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5336875B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021225400A1 (ko) * 2020-05-08 2021-11-11 주식회사 에이원글로벌네트웍스코리아 Lng iso 탱크 내 온도상승 방지 시스템

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102491256B1 (ko) * 2022-04-30 2023-01-26 서범석 배관 해빙용 스팀노즐

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3086843U (ja) * 2001-12-20 2002-07-05 北海道水道機材株式会社 解氷装置
JP2003287218A (ja) * 2002-01-25 2003-10-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃焼排ガス焼却炉解体時における汚染物質自動除去装置及び方法
JP2004262641A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 粉粒体搬送設備
JP2005081263A (ja) * 2003-09-09 2005-03-31 Sanwa Sangyo Kk ダクト内清掃装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021225400A1 (ko) * 2020-05-08 2021-11-11 주식회사 에이원글로벌네트웍스코리아 Lng iso 탱크 내 온도상승 방지 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010184176A (ja) 2010-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7481806B2 (en) Cryosurgical instrument and its accessory system
US11009437B2 (en) Ice test devices
US6682525B2 (en) Closed loop catheter coolant system
JP5336875B2 (ja) 管内着氷除去ノズル
JP5314401B2 (ja) ガス充填装置
EP1192388B1 (en) Material for the controlled vaporization of a liquid cryogen
EP0758867B1 (en) Cryosurgical instrument
US11174044B2 (en) Ice accretion apparatus
US20100152722A1 (en) Cryoprobe with reduced adhesion to frozen tisssue
EP2193307B1 (en) Apparatus and method for providing condensation-and frost-free surfaces on cryogenic components
WO2010028409A4 (en) A cryogenic system and method of use
BRPI0719226A2 (pt) Processo para tratamento térmico de uma superfície de uma peça de trabalho, processo para tratar uma peça de trabalho, sistema, e peça de trabalho.
JP2024019404A (ja) クライオプローブ
TWI401115B (zh) 用於提供一溫度受控制的氣體的設備及方法
CN114173689A (zh) 冷冻探针
WO2005095843A1 (en) Pressure-temperature control for a cryoablation catheter system
JP5438335B2 (ja) 管内着氷除去システム及び方法
CN113796945B (zh) 一种冷冻消融管
US20200138499A1 (en) Cryoprobe with stiffening element
JP4005792B2 (ja) ドライアイス噴射用ノズルおよびブラスト装置
JP2008043909A (ja) ドライアイススノー洗浄装置および方法
KR101028963B1 (ko) 배관 결빙장치 및 그 결빙방법
JP4853143B2 (ja) 熱分析装置
JP5065078B2 (ja) ドライアイススノー洗浄装置および方法
JPS6219635B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5336875

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250