以下、本発明を具体化した一実施形態について図1〜図13を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」「左右方向」「上下方向」をいう場合は、目元用美容器具を目元に装着した使用者を基準とした際の「前後方向」「左右方向」「上下方向」をいうものとする。
図1〜図5に示すように、本実施形態の目元用美容器具(以下、「器具」と略すこともある)11は、装着時に使用者の目元に当接する弾性材料からなる当接部材12と、その当接部材12の前面に取り付けられる剛性材料からなる外郭ケース13とを備えている。当接部材12は、使用者の目元を被覆可能なアイマスク形状に形成されると共に、装着時に使用者の目元に当接する後面である当接面14には左右対称形状をなす凹部15が形成されている(図4参照)。この凹部15は、図4に示すように、器具11の装着状態で使用者の両目の部分と各々対向することになる左右一対の前方へ窪んだ領域部分を使用者の鼻梁と対応する中央位置で繋いだ左右対称形状をしている。
そして、器具11の装着時において使用者の目元に当接部材12の当接面14が当接する際には、特に使用者の目の周囲の肌に対して、当接部材12における凹部15の開口縁部16が密着するようになっている。すなわち、使用者の目の周囲の肌に凹部15の周縁である開口縁部16が密着することにより、その凹部15の内面と使用者の目元との間に鼻梁と対応する箇所でのみ僅かな隙間を介して外部に連通する略閉空間の空間域S(図6参照)が形成されるようになっている。なお、図3に示すように、当接部材12において器具11の装着時に使用者の目の下側の肌(すなわち、疲れると隈ができやすい箇所)に当接する当接部位(開口縁部16の一部)は、その当接時に肌に対して押圧力を付与可能な凸部17に形成されている。
また、図4に示すように、当接部材12における凹部15の内奥には、凹部15の開口縁部16の内縁形状に略対応した外縁形状をなす嵌合部材18が着脱可能に嵌め込まれている。嵌合部材18の後面側(図4では手前側)には、嵌合部材18の外縁形状に沿った開口形状の嵌入部18aが形成され、その嵌入部18aの内奥には、嵌入部18aの内縁形状に略対応した外縁形状のフレーム部材19が着脱可能に嵌め込まれている。
一方、外郭ケース13の左右両端部にはフック部20が各々形成されている。そして、これらのフック部20には必要に応じてゴムバンド等の装着バンド21が引っ掛けられるようになっている。すなわち、図1に示すように、使用者は、器具11の当接部材12を目元に当接させた状態で装着バンド21を後頭部に掛けることにより、顔を仰向けにした姿勢以外でも器具11が目元から落ちないようにできる。この点で、装着バンド21は、当接部材12を使用者の目元に当接した状態に固定するための固定部材として機能する。なお、図2〜図5では装着バンド21の図示を省略している。
また、外郭ケース13の上面は、有色透明で略三日月形状をなす操作パネル22により構成されると共に、その操作パネル22には、左右一対のスイッチ23,24が設けられている。すなわち、器具11の装着時に使用者から見て左側となる第1スイッチ23は、ミストを発生させる際に操作されるスイッチであって、これがオン操作された場合には、器具11内部のミスト発生機構25(図5及び図6参照)でミストが発生することになる。そして、その発生したミストが当接部材12の凹部15内に放出されると、この凹部15の内面と目元との間の略閉空間の空間域S内をミストが目元側へ浮遊するように移動し、使用者の目元の保湿を図るようになっている。
また、器具11の装着時に使用者から見て右側となる第2スイッチ24は、振動を発生させる際に操作されるスイッチであって、これがオン操作された場合には、器具11内部の振動モーター26(図5及び図6参照)が所定のリズムで振動するようになっている。因みに、本実施形態では、偏心させた分銅を回転させることで微振動を発生させるモーターにより、振動手段としての振動モーター26が構成されている。そして、振動モーター26で発生した振動は、弾性材料からなる当接部材12を介して使用者の目元側に伝達されることによりソフトな心地よい振動となって使用者の目元をマッサージし、使用者の目元の血行促進を図るようになっている。
なお、図3において破線で示すように、振動モーター26は、器具11内部において、その振動が剛性材料からなる外郭ケース13を経由することなく弾性材料の当接部材12に伝達されるように、正面視において外郭ケース13から外れた位置に設けられている。すなわち、振動モーター26で発生した振動は、剛性材料からなる外郭ケース13を経由すると、使用者の目元に伝達されるまでに減衰してしまう虞があるが、本実施形態では、かかる外郭ケース13を経由しないので減衰することなく使用者の目元まで伝達される。
換言すると、剛性材料からなる外郭ケース13は、振動モーター26から当接部材12への振動の伝達を阻害しないようにすべく、当接部材12の前面側において振動モーター26から当接部材12に対する振動の伝達経路から外れた位置に取り付けられている。すなわち、外郭ケース13は、当接部材12における使用者の目元に対する当接面14とは反対側となる前面側から当接部材12に取り付けられることにより、弾性材料からなる当接部材12をその全体形状が予め設定した形状から変形しないように保持している。この点で、外郭ケース13は当接部材12の変形を規制する変形規制部材として機能する。
図5に示すように、目元用美容器具11は、既述した当接部材12の前後両側に多数の構成部材が主として前後方向において重なるように組み付けられた状態で螺子27などにより締め付け固定された構成をしている。すなわち、当接部材12の後側にはミスト発生機構(ミスト発生手段)25を構成する複数の構成部材が組み付けられる一方、当接部材12の前側には振動付与機構(振動手段)28を構成する複数の構成部材が組み付けられている。さらに、当接部材12の前側において、振動付与機構28よりも更に前側には駆動制御機構29を構成する複数の構成部材が外郭ケース13により前面側を被覆されるようにして組み付けられている。
まず、ミスト発生機構25について説明する。
図5及び図6に示すように、ミスト発生機構25は、加熱手段及びミスト生成手段として機能するミスト発生用のヒーター部材である第1ヒーター30、既述した嵌合部材18、液体保持部材31及び既述したフレーム部材19を備えている。嵌合部材18は、その後面側に形成された嵌入部18aの底壁部18bの外面(前面)に第1ヒーター30が接合固定される一方、その底壁部18bの内面(後面)に接触するように液体保持部材31が嵌入部18a内に着脱可能に嵌め込まれる。また、この液体保持部材31に対して後側から当接するようにフレーム部材19が嵌入部18aの内奥に嵌め込まれる。
そして、このように前面側に第1ヒーター30が組み付けられる一方、後面側に液体保持部材31及びフレーム部材19が組み付けられた嵌合部材18が、当接部材12の後面側の凹部15内に対して着脱可能に嵌め込まれるようになっている。また、嵌合部材18の嵌入部18a内において、液体保持部材31は、フレーム部材19が後側から当接することにより、嵌入部18a内からの抜け止めが図られている。
図5〜図8に示すように、液体保持部材31は、嵌合部材18における嵌入部18aの内縁形状に略対応した外縁形状をなす金属板であって、液体としての水を表面張力により保持可能な多数の小さな孔32が表裏両面を貫通するように形成されている。すなわち、液体保持部材31は、その液体保持部材31が嵌め込まれた嵌合部材18を当接部材12の凹部15内に嵌め込んだ器具11が使用者の目元に装着されたとき、その使用者の目と対向することになる位置(領域)に多数の孔32が形成されている。換言すると、本実施形態の液体保持部材31では、器具11の装着時に使用者の目と対向することになる目対向領域33が、形成された孔32の数が密の領域となり、この目対向領域33以外の周辺領域が、形成された孔32の数が粗(本実施形態ではゼロ)の領域となる。
図8に示すように、液体保持部材31における各孔32は、器具11の装着時に使用者の目元と対向することになる対向面31a側の開口の大きさと、その反対側の面であって第1ヒーター30からの熱を受ける受熱面31b側の開口の大きさとが異なっている。すなわち、本実施形態では、液体保持部材31における各孔32は対向面31a側の開口の方が受熱面31b側の開口よりも開口面積が小さくなるように形成されている。そして、本実施形態では、この多孔構造の液体保持部材31により、液体としての水を保持する液体保持手段が構成されている。
なお、液体保持部材31における各孔32は液体としての水を表面張力により保持可能な小孔として形成されるため、その開口径は0.5mm〜6mm程度の大きさとされる。そして、図6に示すように、第1ヒーター30、液体保持部材31及びフレーム部材19を組み付けた嵌合部材18が当接部材12の凹部15内に嵌め込まれた状態において第1ヒーター30が発熱すると、その熱で液体保持部材31が加熱されるようになっている。
そして、その際には、液体保持部材31の各孔32に保持されている水が加熱されることでミスト化し、各孔32における対向面31a側の開口から温かいミスト(霧状液体)となって凹部15内に放出され、使用者の目元に向けて供給されるようになっている。この点で、液体保持部材31における対向面31aは、使用者の目元に向けてミストを放出するミスト放出部として機能する。
なお、液体保持部材31において全ての孔32に表面張力で保持可能な水の保持量は、第1ヒーター30の加熱により発生するミスト量と同じか、又は発生するミスト量よりも僅かに多い量に設定されている。すなわち、1回の加熱でミストを発生させた後において液体保持部材31の孔32内に雑菌の繁殖要因となる水を残さない設計となっている。
次に、振動付与機構28について説明する。
図5及び図6に示すように、振動付与機構28は、熱付与手段として機能する肌温熱用のヒーター部材である第2ヒーター34、例えば発泡ウレタン等の弾性部材である断熱材35、既述の振動モーター26、モーターケース36及び内郭ケース37を備えている。第2ヒーター34及び断熱材35は使用者の目の周囲と対応した左右対称の形状をなしていると共に、モーターケース36は前後で対をなす半割り形状をなし、内郭ケース37は使用者の目元と対応した当接部材12の前面の一部を被覆可能な形状をなしている。そして、当接部材12の前面側に、第2ヒーター34、断熱材35、モーターケース36及び内郭ケース37の順番で組み付けられるようになっている。
そして、図6に示すように、当接部材12の前面側に第2ヒーター34、断熱材35、モーターケース36に収納された振動モーター26及び内郭ケース37が組み付けられた状態で第2ヒーター34が発熱した場合、当接部材12が加熱されるようになっている。具体的には、当接部材12において器具11の装着時に使用者の目元に当接する当接面14となる当接面形成部38が、その当接面形成部38に対して前面側から面接触する面状ヒーター構成の第2ヒーター34から熱を付与される。
図6に示すように、当接部材12は、当接面形成部38の肉厚が、この当接面形成部38を周りから支えるように当接面形成部38の厚さ方向にリブ状に延びる他の部分の肉厚よりも薄く形成されている。すなわち、当接面形成部38を薄肉に形成することにより、第2ヒーター34から付与される熱が効率良く使用者の肌に伝わると共に、当接部材12で使用者の目元を覆うときの当接面14の肌に対する密着性が向上するようにしている。本実施形態では、当接面形成部38の肉厚が0.5mmとされる一方で、その他の部分の肉厚が1.5mmとされている。
図9に示すように、第2ヒーター34は、前後一対の絶縁層39により発熱抵抗体40が挟持された構造をなし、その後面側(当接部材12の当接面形成部38側)には熱拡散部材としてのアルミ層41が当接面形成部38との間に挟まれるように設けられている。このアルミ層41は第2ヒーター34から付与される熱を当接部材12の当接面形成部38側に熱拡散させて伝えるように機能する。その一方、第2ヒーター34の前面側には断熱材35が位置するため、第2ヒーター34からの熱が振動モーター26側に悪影響を及ぼす虞は断熱材35により抑制される。
次に、駆動制御機構29について説明する。
図5及び図6に示すように、駆動制御機構29は、内郭ケース37と外郭ケース13との間に収容される電池基台42、その電池基台42にセットされる蓄電池43、スペーサパネル44、及び回路基板45を主要構成部材として構成されている。蓄電池43は充電可能な構成であって、その充電時には外郭ケース13の前面右側下部に着脱自在とされた充電プラグカバー46を外すことにより、図示しない充電プラグを介して充電されるようになっている。なお、電源としては、蓄電池(充電池)43以外に、乾電池や商用電源を使用することもできる。
図10に示すように、回路基板45には、蓄電池43から供給される電力を調整可能な電源回路47及び制御手段として機能する制御回路48が設けられている。制御回路48は、電源回路47から第1ヒーター30及び第2ヒーター34並びに振動モーター26に電力供給する配電経路上に位置し、第1スイッチ23及び第2スイッチ24から操作信号が入力されるようになっている。そして、第1スイッチ23及び第2スイッチ24からの操作信号の入力に基づき、電源回路47からの電力供給状態を制御することにより、第1ヒーター30及び第2ヒーター34の発熱状態、並びに振動モーター26の駆動状態を制御可能とされている。
次に以上のように構成された本実施形態の目元用美容器具11の使用方法及びその作用について説明する。
さて、使用者が目元の美容を図るために目元用美容器具11を使用する際には、図1に示すように、その器具11を当接部材12が目元を覆う状態となるように装着する。その際、装着バンド21をフック部20に掛けていない場合には、図11に示すように、当接部材12の当接面14の一部から膨出した凸部17を目の下側の肌50に当接させた状態で、例えば顔を仰向けにする等して、器具11を目元の上に保持する。
このとき、当接部材12は弾性材料からなるため、例えば中央部分で折れ曲がる等して変形する虞がある。しかし、本実施形態では、剛性材料からなる外郭ケース13が当接部材12の前面側に取り付けられているため、当接部材12はアイマスク形状からの変形が規制され、使用者の目元を被覆可能な全体形状が保持される。また、その状態において、当接部材12の当接面14と目元の肌50との密着性を上げるためには、図11に示す状態において外郭ケース13を把持し、器具11を肌50側に押圧する。
すると、装着バンド21を使用した場合を示す図12のように、当接部材12は、当接面14が肌50に密着するように弾性変形すると共に、凸部17が目の下側の肌50に押圧力を付与した状態で当接する。また、このとき、当接部材12における凹部15の開口縁部16は、目の周囲の肌50に密着するため、この凹部15の内面と使用者の目元の肌50との間には略閉空間の空間域Sが形成される。
なお、フック部20に装着バンド21を掛けている場合には、図12に示すように、装着バンド21の締め付け力により、器具11は当接部材12における当接面14、凸部17及び開口縁部16が目元側の対応する肌50の各部分に密着した状態となる。そして、そのように当接部材12を使用者の目元の肌50に密着させた状態で、第1スイッチ23がオン操作されると、ミストが発生して目元に供給されると共に、第2スイッチ24がオン操作されると、振動が発生して目元がマッサージされる。
まず、第1スイッチ23がオン操作された場合の作用について説明する。
さて、第1スイッチ23がオン操作されると、制御回路48が電源回路47を制御し、電源回路47から第1ヒーター30及び第2ヒーター34に対する各通電が開始される。すると、ミスト発生機構25では、第1ヒーター30が発熱し、その熱で液体保持部材31の孔32に保持されている水が加熱される。すると、その加熱に伴い孔32内から水が蒸気化して温かいミストが発生し、その温ミストが液体保持部材31におけるミスト放出部としての対向面31aから凹部15内の空間域Sに放出される。すなわち、電気的エネルギーの利用により、水(液体)がミスト化される。
なお、その際、液体保持部材31においてミスト化する水を保持する多数の孔32は、器具11の装着時に使用者の目元と対向することになる目対向領域33に集中的に形成されているため、使用者の目元に向けて集中的にミストが供給されるようになる。また、各孔32は、受熱面31b側の開口よりも対向面31a側の開口の方が開口面積を小さくした断面テーパー形状であるため、各孔32内に表面張力で保持された水は、ミスト放出部となる対向面31a側における孔32内面との接触率が高まる。そのため、第1ヒーター30により温められた液体保持部材31との熱交換面積が対向面31a側(ミスト放出部)で広く確保されるため、水の蒸気化効率も高まり、第1ヒーター30が発熱してから温ミストが発生するまでの時間が短縮される。
その後、放出された温ミストは、略閉空間の空間域S内を浮遊しながら使用者の目元側に移動する。すなわち、ミスト放出部としての対向面31aと目元の肌50との間には、温ミストを浮遊させて移動させる空間域Sが介在しているため、水から蒸気化して対向面31aから放出された直後の高温の温ミストが、直接的に目元の肌50に吹き付けられることはない。そして、空間域S内を浮遊しながら目元側に移動した温ミストは、その目元の肌50に付着する。その結果、適温の温ミストが使用者の目元の肌50を適度に保湿するので、使用者の目元の乾燥抑制、キメ向上、及び目の疲労回復が図られるようになる。
なお、制御回路48は、快適な温ミストを発生させるため、ミスト温度が35度〜45度(望ましくは39度〜44度)の範囲、ミスト量が10mg〜100mg/分(望ましくは10mg〜60mg/分)の範囲となるように、第1ヒーター30を通電制御する。また、電気的エネルギーの節約及び低温やけどの回避を図るため、第1ヒーター30に対する通電は、通電開始から所定時間(本実施形態では一例として10分)が経過すると、制御回路48の制御により遮断される。
一方、第2ヒーター34が発熱すると、その熱により当接部材12の当接面形成部38が温められ、その当接面形成部38における目元側の当接面14から使用者の目元に温熱が付与される。すなわち、当接面14から付与される温熱で目元の肌50が温められ、血行の促進が図られる。しかも、当接面14を形成する当接面形成部38は肉厚が薄いために肌50に対する密着性及び熱伝導効率が良く、目元の肌50は速やかに温められる。
また、その際において、第2ヒーター34から当接部材12の当接面形成部38に対しては、熱伝導率が相対的に高く、熱拡散効果の期待できる熱拡散部材としてのアルミ層41を介して熱伝導がなされる。そのため、当接面形成部38全体が万遍なく温められ、使用者の目元の肌50と当接する当接面14は広範囲に亘って均一に温められる。さらに、第2ヒーター34からの熱は、当接部材12側とは反対側の前方に向けても伝わるが、第2ヒーター34の前面側には断熱材35が介在している。そのため、その断熱材35の前面側に位置する振動モーター26が熱影響を受けて作動不良などになるという虞が回避される。
なお、この第2ヒーター34に対する通電制御も、第1ヒーター30に対する通電制御の場合と同様に、目元の肌50に当接する当接面14の当接面形成部38が適温(35度〜45度(望ましくは39度〜44度)の範囲)となるように、制御回路48により通電制御される。また、第1ヒーター30に対する場合と同様に、この第2ヒーター34に対する通電も、電気的エネルギーの節約及び低温やけどの回避を図るため、通電開始から所定時間(本実施形態では一例として10分)が経過すると、制御回路48の制御により遮断される。
次に、第2スイッチ24がオン操作された場合の作用について説明する。
さて、第2スイッチ24がオン操作されると、制御回路48が電源回路47を制御し、電源回路47から振動モーター26への通電が開始される。すると、振動付与機構28では、振動モーター26が回転駆動し、その回転駆動に伴い振動が発生する。すると、その振動が弾性部材である断熱材35に伝わり、その断熱材35から減衰することなく面状の第2ヒーター34を通過して当接部材12の当接面形成部38に伝わる。
その後、この振動は、弾性材料で薄肉に形成された当接面形成部38の当接面14から使用者の目元の肌50に対して適度なマッサージ効果を伴って伝達され、目元の血行促進に寄与する。しかも、その際において特に隈のできやすい目の下側の肌50の部分には、当接部材12における凸部17が押圧するように当接しているため、この目の下側の肌50の部分に対するマッサージ効果が高まって隈の解消に寄与する。
また、振動モーター26から当接部材12の当接面14を介して使用者の目元に向けて伝達される振動は、その振動伝達経路の途中に剛性材料からなる外郭ケース13が位置していないため、不必要に減衰されることなく、使用者の目元まで伝達される。しかも、その振動伝達経路上には、弾性部材の断熱材35、可撓性を有する面状ヒーターの第2ヒーター34と薄層状のアルミ層41、及び弾性材料からなる当接部材12における薄肉状の当接面形成部38が位置するので、弾力的に程よい振動状態となって伝わる。
さらに、本実施形態の場合は、図13(a)〜(c)に示すように、振動モーター26の振動状態(振動リズム)が、複数種類の振動パターンの組み合わせとなるように、制御回路48により多様に通電制御される。なお、図13(a)は、振動モーター26の振動状態が第1強弱パターンと第2強弱パターンと強弱変化のない単調パターン(パルス周期:1sec、パルス幅:50msec)との組み合わせであることを示している。また、図13(b)は第1強弱パターンの場合のパルス挙動Pと、そのパルス挙動Pにより変動する振動強度Gの経時的変化を示し、図13(c)は第2強弱パターンの場合のパルス挙動Pと、そのパルス挙動Pにより変動する振動強度Gの経時的変化を示している。
さて、第2スイッチ24がオン操作されると、制御回路48が電源回路47を制御し、振動モーター26に対する通電のオン・オフ時間(電圧パルス幅及びパルス間隔)が次のように制御される。すなわち、図13(a)に示すように、まず第1強弱パターンの振動状態となるように、電源回路47から振動モーター26に供給される電圧のパルス挙動Pが制御される。具体的には、図13(b)に示すように、パルス間隔が250msecであって、各パルスのパルス幅が最初は狭いが途中で広くなって最後は最初と同様に狭くなるという繰り返しで、振動強度Gがゆっくりと強弱変化するパルス挙動Pに制御される。
そして、図13(b)に示す第1強弱パターンに対応した通電制御を2分間行なうと、次には、第2強弱パターンの振動状態となるように、電源回路47から振動モーター26に供給される電圧のパルス挙動Pが制御される。具体的には、図13(c)に示すように、パルス間隔が500msecであって、各パルスのパルス幅が最初は狭いが途中で広くなって最後は最初と同様に狭くなるという繰り返しで、振動強度Gが更にゆっくりと強弱変化するパルス挙動Pに制御される。
そして、この第2強弱パターンに対応した通電制御が2分間行なわれると、次には第1強弱パターンに対応した2回目の通電制御が2分間行なわれる。そして更に、この第1強弱パターンに対応した通電制御が2分間行なわれると、次には第2強弱パターンに対応した2回目の通電制御が再び2分間行なわれる。
そして、この第2強弱パターンに対応した2回目の通電制御が2分間行なわれると、次には第1強弱パターンに対応した3回目の通電制御が1分間行なわれる。そして更に、この第1強弱パターンに対応した3回目の通電制御が1分間行なわれると、次には既述した単調パターンに対応した通電制御が1分間行なわれ、その後、制御回路48は振動モーター26への通電を終了する。
したがって、振動モーター26は、振動強度Gが多様に変動する複数種類の振動パターンの組み合わせとなる振動状態で振動することになり、その振動モーター26から伝達される振動により使用者の目元の肌50は強弱変化のある刺激を受けてマッサージされる。なお、制御回路48は、振動モーター26への通電を各種振動パターンの組み合わせで合計10分間行なうと、電気的エネルギーの節約及び肌50の刺激疲れ回避を図るため遮断する。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ミスト発生機構25から放出されたミスト(本実施形態では温ミスト)が目元に付着することにより、眼精疲労の一因となる目元の乾燥を抑制することができると共に、目元のキメ向上を図ることができる。また、そればかりでなく、目元に当接する弾性材料からなる当接部材12を振動させることにより、目元をマッサージして血行の促進を図ることができるので、ミストの供給及び振動の付与という複合的な美容手法により相乗的な美容効果を期待することができる。
(2)当接部材12において器具11の装着時に使用者の目の下側の肌50に当接する当接部位は凸部17に形成されているため、特に隈ができやすい目の下側の部分を集中的にマッサージして血行促進を図ることができ、隈の解消に大きく貢献できる。
(3)振動モーター26から当接部材12への振動伝達経路上には、弾性部材の断熱材35と可撓性を有する第2ヒーター34及びアルミ層41が介在する一方、剛性材料からなる外郭ケース13は介在していない。そのため、振動モーター26で発生した振動を、不必要に減衰させることなく、弾力的に程よい振動状態で当接部材12まで伝達できる。
(4)弾性材料からなる当接部材12が目元を覆うように器具11を装着する際には、剛性材料からなる外郭ケース13で当接部材12の全体形状をアイマスク形状に保持できると共に、その外郭ケース13を把持して装着することができる。したがって、器具11を当接部材12が目元を適切に覆う状態に装着できる。
(5)振動モーター26は制御回路48の通電制御に基づき振動状態が多様に変化するので、その振動によるマッサージ内容も多様なものとなり、より効果的に血行促進などを図った美容効果が期待できる。
(6)振動モーター26の振動状態は、通電のオン・オフ時間(電圧パルス幅及びパルス間隔)が異なる複数種類の振動パターンの組み合わせで構成されるので、振動パターン毎に変化するマッサージ効果により、心的リラックス効果を生むことが期待できる。
(7)しかも、振動パターンの変化は振動モーター26に対する通電のオン・オフ時間の切り替えにより対応することができるので、簡単な構成で多様な振動状態を作り出して血行促進やむくみ解消などに繋がる効果的な美容を図ることができる。
(8)また、ミスト発生機構25では化学的エネルギーによることなく、電源回路47を介して蓄電池43から供給される電力的エネルギーを利用してミストを発生させているので、ミストを安定的且つ確実に繰り返し発生させることができる。
(9)また、ミスト発生機構25においてミスト放出部となる液体保持部材31の目元側の対向面31aと使用者の目元との間にはミストが浮遊しながら移動可能な空間域Sが介在するので、発生したばかりのミストが直接的に目元に吹き付けられることはない。したがって、例えばミストが温ミストである場合、水から蒸気化したばかりの高温のミストが直接的に目元に吹き付けられる虞を回避でき、空間域Sを移動する過程で適温になった温ミストを目元に供給することができる。
(10)1回の加熱でミストを発生させた後においては、液体保持部材31の孔32内に雑菌の繁殖要因となる水がほとんど残らないため、衛生状態を良好に維持することができる。
(11)液体保持部材31には多数の小さな孔32が形成されているため、表面張力を利用して水を確実に保持させることができる。しかも、嵌合部材18に対して着脱可能であるため、液体保持部材31の清掃も簡単に行なうことができる。
(12)液体保持部材31の孔32は、使用者の目元側となる対向面31a側の開口の方が第1ヒーター30側となる受熱面31b側の開口よりも小さな開口面積となるように断面テーパー状に形成されている。そのため、各孔32内に表面張力で保持された水は、第1ヒーター30により温められた液体保持部材31との熱交換面積がミストを放出する対向面31a側で広く確保でき、水の蒸気化効率を高めることができるので、温ミストを速やかに発生させることができる。また、例えば使用者が器具11を仰向きで使用した場合には、使用者の目側に液体保持部材31に保持された水(液体)が落ちにくい。
(13)また、液体保持部材31の孔32は、器具11の装着時に使用者の目元と対向する目対向領域33が孔の形成された数の密な領域となるので、使用者の目元に向けて集中的にミストを供給することができる。
(14)器具11を装着したとき、当接部材12の凹部15の内面と使用者の目元との間には、鼻梁と対応する箇所でのみ僅かな隙間を介して外部に連通する略閉空間の空間域Sが形成され、その空間域S内にミストが放出される構成になっている。そのため、放出されたミストが外部に漏れてしまうことを抑制でき、目元の美容を図るために目元に対してミストを無駄なく安定的且つ確実に供給することができる。
(15)また、器具11を装着したときに使用者の目の下側の肌50に当接する部位が第2ヒーター34の加熱により温められるので、隈のできやすい目の下側の肌50の血行を温熱付与により促進でき、隈の解消などに大きく貢献できる。
(16)また、当接部材12は凹部15の開口縁部16の周縁部分を含む当接面14の全体が弾性材料により形成されているので、器具11の装着時において目元の肌50に対する密着性を向上することができる。
(17)また、当接部材12は、当接面14を形成する当接面形成部38の肉厚が薄いために肌50に対する密着性及び熱伝導効率が良く、第2ヒーター34から伝わった熱で目元の肌50を速やかに温めることができる。
(18)さらに、外郭ケース13のフック部20に装着バンド21を掛けた場合には、装着バンド21の締め付け力により、器具11を当接部材12における当接面14、凸部17及び開口縁部16が目元側の対応する肌50の各部分に密着した状態にできる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、液体保持手段を構成する液体保持部材は、図14(a)に示す液体保持部材131に置換してもよい。すなわち、この液体保持部材131は、表面の全体に亘って孔32が万遍なく均一に形成されている。つまり、孔32の形成された数が密の領域と粗の領域とが区画形成されていない。このように構成しても、多数の孔32が形成されているので、表面張力で水を保持することができる。
・上記実施形態において、液体保持手段を構成する液体保持部材は、図14(d)に示す液体保持部材231に置換してもよい。この液体保持部材231は、図14(b)に示す孔形成部材232と、図14(c)に示す液体貯留部材233とを有している。孔形成部材232には表面張力で水を保持可能な多数の孔32が形成される一方、液体貯留部材233には孔形成部材232が重合されたときに孔32に供給する水を貯留可能な液体貯留部233aが凹設されている。また、液体貯留部材233には孔形成部材232を着脱可能に組み付けるためのヒンジ部233bが形成されている。そして、このヒンジ部233bを介して液体貯留部材233に孔形成部材232が重なるように組み付けられることにより図14(d)に示す液体保持部材231が形成されるようになっている。この構成によれば、液体貯留部材233の液体貯留部233aに水を供給すればよいので、多数の孔32に対して直接に水を供給する場合に比して水の供給を簡単に行なうことができる。
・上記実施形態において、制御回路48は振動モーター26の振動状態を図15(a)〜(d)に示す複数種類の振動パターンの組み合わせとなるように制御しても良い。
なお、図15(a)は、振動モーター26の振動状態が、第1強弱パターン、第2強弱パターン、第3強弱パターン、及び強弱変化のない単調パターン(パルス周期:1sec、パルス幅:50msec)との組み合わせであることを示している。また、図15(b)は第1強弱パターンの場合のパルス挙動Pと、そのパルス挙動Pにより変動する振動強度Gの経時的変化を示し、図15(c)は第2強弱パターンの場合のパルス挙動Pと、そのパルス挙動Pにより変動する振動強度Gの経時的変化を示している。さらに、図15(d)は第3強弱パターンの場合のパルス挙動Pと、そのパルス挙動Pにより変動する振動強度Gの経時的変化を示している。
さて、この別の実施形態では、第2スイッチ24がオン操作されると、制御回路48が電源回路47を制御し、振動モーター26に対する通電のオン・オフ時間(電圧パルス幅及びパルス間隔)が次のように制御される。すなわち、図15(a)に示すように、まず第1強弱パターンの振動状態となるように、電源回路47から振動モーター26に供給される電圧のパルス挙動Pが制御される。具体的には、図15(b)に示すように、パルス間隔が250msecであって、各パルスのパルス幅が最初は狭いが途中で広くなって最後は最初と同様に狭くなるという繰り返しで、振動強度Gがゆっくりと強弱変化するパルス挙動Pに制御される。
そして、図15(b)に示す第1強弱パターンに対応した通電制御を2分間行なうと、次には、第2強弱パターンの振動状態となるように、電源回路47から振動モーター26に供給される電圧のパルス挙動Pが制御される。具体的には、図15(c)に示すように、パルス間隔が100msecであって、各パルスのパルス幅が最初は狭いが途中で広くなって最後は最初と同様に狭くなるという繰り返しで、振動強度Gが早めに小さく強弱変化するパルス挙動Pに制御される。
そして、この第2強弱パターンに対応した通電制御が2.5分間行なわれると、次には第3強弱パターンの振動状態となるように、電源回路47から振動モーター26に供給される電圧のパルス挙動Pが制御される。具体的には、図15(d)に示すように、パルス間隔が125msecであって、各パルスのパルス幅が最初は狭いが途中で広くなって最後は最初と同様に狭くなるという繰り返しで、振動強度Gがゆっくりと大きく強弱変化するパルス挙動Pに制御される。
そして更に、この第3強弱パターンに対応した通電制御が2.5分間行なわれると、次には第1強弱パターンに対応した2回目の通電制御が再び2分間行なわれる。そして、この第1強弱パターンに対応した2回目の通電制御が2分間行なわれると、次には既述した単調パターンに対応した通電制御が1分間行なわれ、その後、制御回路48は振動モーター26への通電を終了する。
したがって、この別の実施形態においても、振動モーター26は、振動強度Gが多様に変動する複数種類の振動パターンの組み合わせとなる振動状態で振動することになり、その振動モーター26から伝達される振動により使用者の目元の肌50に対して強弱変化のあるマッサージを施すことができる。なお、制御回路48は、振動モーター26への通電を各種振動パターンの組み合わせで合計10分間行なうと、電気的エネルギーの節約及び肌50の刺激疲れ回避を図るため遮断する。
・上記実施形態において、図16に示すように、器具11内の制御回路48にケーブル51を介して接続された脈拍センサ52を備え、器具11の装着時には使用者の耳たぶ等に脈拍センサ52を接触させて心臓の鼓動を検出するようにしてもよい。そして、心臓の鼓動と同期させるように、振動モーター26の振動状態をフィードバック制御することにより、使用者が違和感を感じることが無く、リラックスできる振動を目元の肌50に付与することができるようになる。
・上記実施形態において、液体保持手段は、液体(水)を吸収保持可能な吸収材により構成された液体保持部材としてもよい。この場合、その液体保持部材は、十分な液体量を保持でき、また熱が付与された場合に保持した液体をミスト化できるものであれば、特に材質は限定されない。例えば、パルプ、麻、絹、獣毛等の天然繊維、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル、ナイロン、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の人工繊維、それらの天然繊維か人工繊維から選ばれた1種又は2種以上を混合した繊維集合体(織布、フェルト、不織布)であってもよい。
・上記実施形態において、液体保持手段は、液体(水)を表面張力によって保持可能なメッシュ部材(材質は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等。)が積層された構成であってもよい。換言すると、貫通形成された孔の大きさが異なる複数の液体保持部材(メッシュ部材)が互いに形成された孔同士を連通させるように積層された構造であってもよい。このように構成した場合には、水に接触する孔内面の全表面積が増加するので、水を保持するための表面張力を強くすることができる。さらに、この場合は、メッシュ開口の大きな液体保持部材(メッシュ部材)の方を目元側に配置し、メッシュ開口の小さな液体保持部材(メッシュ部材)の方を第1ヒーター30側に配置するとよい。そうすると、小さなメッシュ開口により水をたくさん保持しているメッシュ部材の方に第1ヒーター30からの熱を直接に付与でき、ミスト化を促進することができる。
・上記実施形態において、液体保持手段は、吸湿性の化学物質(例えばシリカゲル、給水ポリマー、バーミュキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカ系多孔性物質、アルミナ、パルプ、木粉など)、多孔質又は多数の孔が形成された成型品であってもよい。
・上記実施形態において、液体保持部材31に保持される液体は、水(水道水、蒸留水、イオン交換水等の主成分がH2Oであるもの)、また、水に美容剤が含まれているもの(化粧水、美容液など)でもよい。
・上記実施形態において、ミスト発生機構25は、第1ヒーター30の代わりに電気的エネルギーにより形状が変化する圧電素子等の振動発生部材を備え、その振動発生部材が発生させた振動等の物理的変化によって液体をミスト化するようにしてもよい。
・上記実施形態において、第1ヒーター(加熱手段、ミスト生成手段)30及び第2ヒーター(熱付与手段)34をPTC(Positive temperature coefficient)素子により構成してもよい。この場合、PTC素子は、素子の特性上、自己発熱し過ぎることがないため過熱抑制を図ることができる。
・上記実施形態において、ミスト発生機構25内における温度を検知する温度検知手段(例えばNTC(Negative temperature coefficient)素子など)を備え、その温度検知結果をフィードバックすることにより、良好なミスト発生状態を作り出すようにしてもよい。
・上記実施形態において、温度の過昇防止装置(例えば温度ヒューズなど)を備えてもよい。この場合は、制御回路48が制御不能になった場合でも、過昇防止装置が温度の上がり過ぎを検知して、電力供給を遮断するので、器具11が過熱することを回避できる。
・上記実施形態において、第1ヒーター(加熱手段、ミスト生成手段)30及び第2ヒーター(熱付与手段)34を、ペルチェ素子などの温度可変部材で構成してもよい。この場合には、温ミストの供給ばかりでなく、冷ミストの供給も可能となり、使用者の好みに応じた対応が可能となる。
・上記実施形態において、ミスト生成手段は、加熱手段として機能する第1ヒーターによって構成する以外に、例えば超音波振動子と超音波振動子に接続されたホーンからなる超音波式のミスト生成手段であってもよい。
・上記実施形態において、熱拡散部材としてのアルミ層41は、アルミ箔、銅箔などで置換してもよく、更には石英材やカーボン(熱伝導性の高いもの)を含んだ樹脂材も使用可能である。
・上記実施形態において、振動手段は、振動モーター26に代えて、圧電素子、磁性流体、回転駆動体、エアーポンプなどの物理的刺激発生体を備え、これらによる物理的刺激を目元の肌50に付与してマッサージ効果を得るようにしてもよい。
・上記実施形態において、当接部材12の材質は、ゴムなどの弾性材料に限らず、スポンジなどの発泡成形体、布、エラストマーなどで代用してもよい。
・上記実施形態において、目の周囲への温熱付与は、温められた当接部材12の当接面14を当接させる方法に代えて、目元の肌50へ非接触で熱を付与する構成であってもよい。例えば、光エネルギーや、遠赤外線、近赤外線等による輻射熱で肌50に熱を付与するようにしてもよい。この場合、光エネルギーでは、同時に光での美肌作用、遠赤外線では肌深部への熱浸透でより高い血行促進効果が期待できる。但し、非接触で光エネルギー等による熱を付与する場合は、目の眼部への光の進入を防止するために光を遮蔽する遮蔽部材を設けることが好ましい。
・上記実施形態において、振動モーター26は一種類の振動パターンで振動するものであってもよい。
・上記実施形態において、振動モーター26からの振動は、当接部材12における使用者の目の下側の肌50に対する当接部位だけに伝達される構成であってもよい。
・上記実施形態において、液体保持部材31の孔32は、対向面31a側と受熱面31b側の開口径が同じであってもよい。
・上記実施形態において、当接部材12は凹部15の開口縁部16の一部が凸部17に形成されていなくてもよい。