JP5334166B2 - ロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法 - Google Patents

ロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5334166B2
JP5334166B2 JP2008284750A JP2008284750A JP5334166B2 JP 5334166 B2 JP5334166 B2 JP 5334166B2 JP 2008284750 A JP2008284750 A JP 2008284750A JP 2008284750 A JP2008284750 A JP 2008284750A JP 5334166 B2 JP5334166 B2 JP 5334166B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
robot hand
motor
gear
workpiece
finger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008284750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010110853A (ja
Inventor
秀樹 富士本
幹人 吉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinmei Industry Co Ltd
Original Assignee
Shinmei Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinmei Industry Co Ltd filed Critical Shinmei Industry Co Ltd
Priority to JP2008284750A priority Critical patent/JP5334166B2/ja
Publication of JP2010110853A publication Critical patent/JP2010110853A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5334166B2 publication Critical patent/JP5334166B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ワークを把持することができるロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法に関するものである。
従来よりロボットアームなどの先端にロボットハンド装置を取り付け、このロボットハンド装置の爪で組付け部品や加工品などのワークを把持し、ワークの組み立てや搬送などが行われている。
図12は従来のロボットハンド装置の構成を示す図である。図12(A),図12(B)に示すように、従来のロボットハンド装置90は組み立てや移載するワーク91a,91bの形状に合わせた爪92a,92bを備え、これらの爪92a,92bをハンド部93に対して摺動または回動させることにより、ワーク91a,91bを把持することが行われている。
ところが、このロボットハンド装置90では爪92a,92bの形状はワーク91a,91bに合わせて形成されているため、1つの爪92a(または92b)に対して1種類のワーク91a(または91b)しか把持することができなかった。このため、複数種類のワーク91a,91b…を扱う場合にはそれぞれのワーク91a,91b…の形状に合わせた爪92a,92b…を複数用意する必要があり、これらの爪92a,92b…を保管する必要があった。
また、下記特許文献1には、人の手と類似した動きができる2つの関節を有する指を設けて、物品を把持することができるものが記載されている。
特許第3356706号公報
しかしながら、特許文献1のもののように、物品を掴むために複数の関節を有する場合には、各関節部にそれぞれモータのようなアクチュエータを設ける必要があり、装置が複雑で部品点数が増加し、装置が高価になるという問題があった。あるいは、特許文献1において例示されているように、各関節部における回動角度を所定の減速比で連動させて、指の動きを固定する必要があった。加えて、多数のモータを用いて各指の動作を制御し、物品を掴むようにするためには、物品を検知するための複数のセンサを装備し、これらのセンサの検知信号を用いて各モータの回転を制御して、指の各節の回動を制御するための制御部も必要となるため、その製造コストが引き上げられるという問題がある。
本発明は前記問題を考慮に入れてなされたものであり、安価にて製造できるシンプルで堅牢な構成でありながら、形状や大きさの異なるワークであっても容易に把持することができるロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、ワークを把持する3本以上の指を本体に回動自在に取り付けたロボットハンド装置であって、各指は、第1関節において本体に対して回動自在に支持される第1節と、この第1節に対して第2関節において回動自在に支持される第2節と、モータからの回転力を第1節および第2節に分配して伝達するデファレンシャル機構とを備え、前記ディファレンシャル機構は第1関節に配置され、前記モータからの回転力によって回転駆動されるねじ歯車に噛み合うはす歯歯車と、このはす歯歯車を挟み込むように配置された一対の傘歯車とを備え、一方の傘歯車が第1節に連結され、他方の傘歯車が動力伝達機構によって前記第2節に連動連結され、また、単一のモータから供給される回転力をディファレンシャル機構に伝達するクラッチ機構を各指に設け、該クラッチ機構は、前記ねじ歯車と同心軸上において回転自在に配置され、前記モータの回転軸に連設されたモータ側歯車に噛み合う歯車と、前記歯車を挟み込むように前記同心軸に設けた一対の押え板と、該一対の押え板間でかつ前記歯車と前記同心軸の間に挿入されたブッシュと、前記一対の押え板の一方を他方に向けて押さえつけるための弾性体とを備えることを特徴とするロボットハンド装置を提供する。(請求項1)
前記構成によれば、モータから供給される回転力がデファレンシャル機構によって第1節および第2節の両方に分配して伝達されるので、ワークを把持するときには複数の指の第1関節および第2関節において第1節および第2節が把持方向に回動し、ワークに第1節が当接すると、第1節の動きが止まることにより第2節のみがさらに回動してワークに当接する。すなわち、複数の指がワークを抱きかかえるように動作するので、ワークの形状に関係なくワークを把持することができる。
ワークを解放する場合にはモータを逆方向に回転させることにより、モータからの回転力をデファレンシャル機構によって第1節および第2節の両方に伝達させ、指がワークから離れさせることによりワークを解放することができ、第1節または第2節のうち一方の節が回動動作の限界まで達するとモータからの回転力が他方の節に伝達されて第1節および第2節が両方共その回動動作の限界まで達する。
一つのモータからの動力をデファレンシャル機構によって第1節および第2節に分配させてこれらを回動させることにより、各指の構造が簡素になりそれだけ堅牢性に優れている。また、摩擦を用いた動力伝達を用いていないので長期間にわたって常に安定して動作する。
前記指はワークを把持するために、最低限2本は必要であるが、最適は3本であり、4本以上であってもよい。各指の配置は円周上に均等(例えば3本指の場合は120°間隔、2本指の場合は180°間隔、4本指の場合は90°間隔)に配置されていることが好ましいが、あえて不均等にしてワークを所定の方向に強固に把持できるようにしてもよい。
ワークを把持した状態でワークに当接する指の面にはワークの滑りを抑える高摩擦抵抗加工を施したり、ワークの当接による傷付きを防止するための緩衝材を介在させたり、その両方を施すことが好ましい。
なお、前記指は、第2節に対して第3関節において回動自在に支持される第3節を備え、第2関節において第2節を回動させる回転力を第2節および第3節に分配して伝達する第2のデファレンシャル機構を備えるように構成し、第3節によってさらに確実にワークを包み込み把持させるように構成してもよい。同様に第4節、第5節…と節を増やしてもいことはいうまでもない。つまり、本発明のデファレンシャル機構を用いた動力の分配を用いることにより、指の構造を複雑にすることなく関節を容易に増やすことができる。
前記ねじ歯車がモータからの回転力によって回転駆動されると、このねじ歯車に噛み合うはす歯歯車が回転し、動力がデファレンシャル機構に入力される。デファレンシャル機構の動力入力部を構成するはす歯歯車には両傘歯車に噛み合う複数の歯車が放射方向の軸心を中心に回転自在に支持されているので、このはす歯歯車を挟むように配置された両方の傘歯車に動力を分配して伝達する。すなわち、一方の傘歯車に連結された第1節が回動し、かつ、動力伝達機構によって他方の傘歯車に連動連結する第2節にも動力を伝達できる。一方の節がワークに当接してその回動が阻止されると、他方の節のみに動力が伝達される。なお、動力伝達機構はカウンターギヤを用いたものやリンクを用いたものであってもよい。
前記動力伝達機構は一対のプーリーまたはスプロケットと、これらのプーリーまたはスプロケットに巻回されるベルトまたはワイヤーまたはチェーンとからなることが好ましい。(請求項)ベルトまたはワイヤーとプーリーを用いた動力伝達機構は動力の伝達効率が良く、動作音が小さい。また、チェーンとスプロケットを用いた動力伝達機構は、動力の伝達効率が良く堅牢性に優れている。ベルトおよびプーリーからなる動力伝達機構においてプーリーおよびベルトには滑り止め用の歯を設けていることにより、滑りを防ぐことができるので好ましい。
ボットハンド装置の全体を単一のモータからの動力によって駆動するので、その構成を可能な限り簡素にすることができる。何れかの指がワークに当接して第1節および第2節の両方の回転が止まると、クラッチ機構が空転することにより、モータの回転を止めることがなく、他の指は動作を続けることができる。したがって、歪な形状のワークであってもこれを全ての指で確実に把持することができる。また、前記モータは全てのクラッチ機構が空転するのに必要な回転トルクがかかった時点でその回転を停止させるトルク制御部を備えることが好ましい。
前記クラッチ機構は回転力を伝達するねじ歯車に当接するようにその軸心に挿入されたブッシュと、このブッシュに押付けられる歯車と、この歯車をブッシュに押付けるバネを有することが好ましい。すなわちバネによってほぼ一定の力で歯車をブッシュに押付けることにより、歯車は所定のトルクまでの回転力をブッシュを介して伝達することができる。また、クラッチ機構が空転してる状態において伝達するトルクを維持することができる。
本発明は、前記ロボットハンド装置を用い、ワークを把持する方法であって、ワークの把持が完了する前に少なくとも一度、各指の各節を解放方向に回動させて再び把持方向に回動させ、ロボットハンド装置の中心からずれているワークをロボットハンド装置の中心側に移動させることを特徴とするロボットハンドの把持方法を提供する。(請求項5)
ロボットハンド装置が指の各節を把持方向に回動させてワークに当たるとワークが指に押されて少し移動する。すなわち、ワークの把持が完了する前に各指を解放方向に回動させて再び把持方向に回動させることにより、ワークをロボットハンド装置の中心に移動させ、ロボットハンド装置とワークのずれを修正することができる。また、ワークの把持が完了する前に複数回、各指を解放方向に回動させることにより、ワークの位置ずれをさらに効果的に修正することができる。
前述したように、本発明によれば、デファレンシャル機構を用いた動力の分配という極めて簡単かつ堅牢な機構を用いて、一つのモータから供給される動力を用いて複数の関節を備える指の各節の動きを制御することができる。このとき、ワークに当たった指の節はそれ以上回動することがないので、デファレンシャル機構はこの節に伝えていた回転力をすべて別の節に伝達する。つまり、従来なら複数のセンサを用いて行っていた動力の分配制御を一切不要として、どんな形状のワークであっても指で掴むように把持することができるように、デファレンシャル機構を用いて適正な動力の分配を行うことができる。
また、ワークを把持するときにワークの把持が完了する前に少なくとも一度、各指の各節を解放方向に回動させて再び把持方向に回動させることにより、ロボットハンド装置の位置がワークの位置とずれている場合にも、何ら複雑な制御を行うことなく位置ずれを修正することができる。
図1〜図4は本発明の参考形態に係るロボットハンド装置1の構成を示す図であり、図1はその全体構成を示す平面図、図2はその側面図、図3は要部構成を拡大して示す側面図、図4はこの要部構成を別の角度から見た側面図である。
図1,2に示すように、本形態のロボットハンド装置1はワークW(図2のみに図示)を把持する3本の指2を本体3に回動自在に取り付けており、各指2は、第1関節4において本体3に対して回動自在に支持される第1節5と、この第1節5に対して第2関節6において回動自在に支持される第2節7と、第1節5および第2節7を回動させる回転力を供給するモータ8と、このモータ8からの回転力を第1節および第2節に分配して伝達するデファレンシャル機構9と、デファレンシャル機構9からの動力を第2節7に伝達する動力伝達機構10とを備える。
前記指2は本体3に3本設けられているので、各指2は本体3の中心Oから放射線状に配置されており、各指2の間は120°の間隔で等間隔に配置されている。本体3は指2の数に合わせて略三角形のベース板を備え、前記第1関節4は本体3の角部に取り付けられている。
前記第1節5は第1関節4において回動自在に支持される一対の長板5aを有し、第2関節6はこの長板5aの遊端部(先端)に設けた回転軸6aを有し、この回転軸6aを中心に第2関節6が回動自在に支持される。
図3,4に示すように、前記第1関節4は本体3の上面に取り付けられた一対の平板形状の架台4aと、この架台4a間に渡らせるように配置された軸心4bとを備え、この軸心4bを中心に前記第1節4および前記デファレンシャル機構9が回動自在に取り付けられている。
図3に示すように、前記モータ8は各指2の第1関節4に対応する本体3の下面にそれぞれ設けられ、回転力を伝達するねじ歯車8aを備え、前記デファレンシャル機構9は前記ねじ歯車8aに噛み合うはす歯歯車9aを備える。また、デファレンシャル機構9を構成する本実施形態のはす歯歯車9aにはその軸心4bに直角かつ放射方向に配置された軸心9bを中心に回転自在に支持された4つの傘歯車9cを備える。
加えて、図4に示すように、前記デファレンシャル機構9は前記はす歯歯車9aと、このはす歯歯車9aを挟み込むように配置され、前記傘歯車9cに噛み合う一対の傘歯車9d,9eを備え、一方の傘歯車9dが第1節5に連結され、他方の傘歯車9eが前記動力伝達機構10によって前記第2節に連動連結されている。
また、前記動力伝達機構10は一対のプーリー10a,10bと、れらのプーリー10a,10bに巻回されるタイミングベルト10cとからなり、一方のプーリー10aが前記傘歯車9eに連結され、他方のプーリー10bが前記第2節7に連結されている。加えて、図2に示すように、本実施形態の動力伝達機構10はタイミングベルト10のテンションを適正に保つためにタイミングベルト10に当接するテンション調整ローラ10dを備える。
次に、前記図1〜図4に加えて図5,6を用いて前記構成のロボットハンド装置1の動作を説明する。
図5(A)は、ロボットハンド装置が原点位置にある状態を示す図である。この状態で、モータ8を所定の方向(以下、把持方向という)に回転させると、ねじ歯車8aの回転に伴ってはす歯歯車9aが回転するので、モータ8の回転がはす歯歯車9aに伝達され、両方の傘歯車9d,9eに回転力が伝達される。
このとき、指2の第1節5は傘歯車9dに連結されているので、第1節5には図示時計回りの回転力が伝達されて把持する方向(把持方向)に回動する。他方、指2の第2節7は前記動力伝達機構10を介して傘歯車9eに連結されているので、デファレンシャル機構9による動力の分配によって、第2節7も同時に図示時計回りに回動する。
したがって、図5(B)に示すように、指2の両方の節5,7は何れも一つのモータ8によって時計回りに回動し、図2に示すようにワークを把持することができる。また、モータ8を前記把持方向と逆の方向(以下、解放方向という)に回転させると、両方の節5,7が図示反時計回りに回動して、指2を再び図5(A)に示す原点位置に戻すことができる。すなわち、本形態のように2つの関節4,6と節5,7を備えた指2を有するロボットハンド装置1であってもモータ8の回転方向の制御だけで把持状態と解放状態を容易に切り換えることができる。
さらに、デファレンシャル機構9を用いた回転力の伝達は、従来では複数のセンサや複雑な電気制御を行う制御部を用いなければならなかった複雑な制御を一切不要とするという利点を備える。以下、その詳細な動作を説明する。
図6(A)に示すように、原点位置にある指2のモータ8を把持方向に回転させると、第1節5が第1関節4を中心に図示時計回りに回動し、ワークWに第1節5が当接するまで回動し、指2は閉じる。このとき、デファレンシャル機構9に入力された回転力はその傘歯車9dに直接連結されている第1節5にほとんど全て伝達される。しかしながら、回転力は第2節7にも伝達され、ワークWに第1節5が当接する時点までに第2節7が幾らか回動するようにしてもよい。
図6(B)に示すように、第1節5がワークWに当接し、それ以上回動しなくなると、モータ8からの回転力がはす歯歯車9aから傘歯車9eを介してプーリー10aに伝達され、ベルト10cを介して他方のプーリー10bを回動させることにより、第2節6を回動させることができる。
図6(C)に示すように、第2節7がワークWに当接すると、それ以上回動しなくなるので、デファレンシャル機構9の動作が停止し、これに連動するモータ8が停止する。このときモータ8からの回転力は第1節5および第2節7に分配され、ワークWを包み込むように把持することができる。ワークWがどんな形状であったとしても、指2の各節5,7がワークWを包み込むようにしっかりと把持することができる。
一方、モータ8を逆方向に回転させると、デファレンシャル機構9に入力された回転力はその傘歯車9dに直接連結されている第1節5にほとんど全て伝達され、先に第1節5が図示反時計回りに回動する。
図6(D)に示すように、第1節5が原点位置まで戻ると、それ以上第1節5が動かないとき、モータ8の回転がはす歯歯車9aから傘歯車9eおよび動力伝達機構10を介して第2節7に伝達されて、これを図示反時計回りに回動させ、指2の各節5,7を図6(A)の原点位置に戻すことができる。
本形態のようにデファレンシャル機構9に入力された回転力を一方の傘歯車9dを介して第1節5に伝達し、他方の傘歯車9eと動力伝達機構10を介して第2節6に伝達することにより、動力伝達機構10を介在させることによる抵抗分だけ動力の分配に差を付けることができ、ワークWを把持するときにも解放するときにも先に第1節5を回動させることができる。なお、この回転力の分配をより確実に行うために動力伝達機構10にあえて抵抗を付与するようにしてもよい。
また、第1節5の回動が阻止された後は何ら電気的な制御を行うことなく第2節7に動力が伝達される。つまり、従来複数のセンサと電気制御部を用いて行っていた複雑な制御を一切不要としており、簡単で堅牢な構成でありながら多関節の指2を適正に制御してワークWを包み込むように把持することができる。
本形態では前記動力伝達機構10として、プーリー10a,10bとタイミングベルト10cを用いる例を示しており、これによって簡単な構成でありながら、離れた2点間において回転力を効率よく伝達することができる。また、タイミングベルト10cはプーリー10a,10bとの滑りを避けることができるので確実な動力伝達を行うことができる。しかしながら、前記タイミングベルト10cに代えて一般的なベルトやワイヤーをプーリー10a,10b間に巻回させるようにしても、スプロケットとチェーンを用いた動力伝達機構を形成してもよい。さらにはシャフトとカウンターギヤを用いた動力伝達機構に加え、カウンターギヤの組み合わせを用いた動力伝達機構など、種々の形態を採用してもよいことはいうまでもない。
図7〜9は本発明の実施形態に係るロボットハンド装置11の構成を示す図であり、図7はその全体構成を示す側面図、図8は前記ロボットハンド装置11の要部構成を拡大して示す図、図9はその動作を説明する図である。
前記構成のロボットハンド装置11が参考形態のロボットハンド装置1と異なる点は、全ての指2を動作させる単一のモータ8’を備え、かつ、このモータ8’から供給される回転力をデファレンシャル機構に伝達するクラッチ機構12を備える点と、このモータ8’の回転を制御する制御部13を備える点である。
前記モータ8’は本体3の中心位置に配置されており、その回転軸8bにはモータ側歯車8cが連設されている。8dはモータ側歯車8cに噛み合うと共に各指2に回転力を伝達するねじ歯車8aと同心軸8e上において回動自在に配置された歯車である。前記クラッチ機構12は軸8e上に取り付けられ、歯車8dに伝達された回転力が所定の大きさ以下であるときにねじ歯車8aに伝達されるものである。
図8に示すように、前記クラッチ機構12は前記歯車8dを挟み込むように軸8eに設けた一対の押え板12a,12bと、これらの押え板12a,12b間でかつ歯車8dと軸8eの間に挿入されたブッシュ12cと、押え板12bを所定の力で押さえつけるための弾性体(最適実施形態はコイルバネ)12dとを備える。
図7に示す前記制御部13はモータ8’の回転方向および回転トルクの制御を行うものであり、モータ8’に流れる電流の大きさを用いてモータ8’が出力している回転トルクの大きさをモニタするトルク測定部(図示していない)を備え、トルクの測定値に応じてモータ8’の回転方向を制御し、その回転速度の制御(動作・停止を含む)を行うものである。
本実施形態のロボットハンド装置11は単一のモータ8’から供給される回転力を3つの指2へに分配するものである。すなわち、モータ8’が回転すると回転する歯車8cに噛み合う3つの歯車8dが回転する。このとき、前記バネ12dによって挟み込まれるブッシュ12cは歯車8dに伝達された回転力を軸8eなどを介してねじ歯車8aに伝達され、全ての指2が一斉に動作する。
図9(A)に示す原点位置にあるロボットハンド装置11においてモータ8’を把持方向に回動させると第1節5および第2節7が図示時計回りに回動してワークW(図示していない)を把持することができる。なお、一つの指2がワークWに当接すると歯車8dがブッシュ12cによって空回りするので、歯車8dに伝達された回転力はこの指2に伝達されることがなく、他の指2が同じようにワークWに当接するまで把持方向に移動する。
全ての指2がワークWに当接すると、モータ8’が出力する回転トルクは3つのクラッチ機構12を空回りさせる程度の回転トルクを安定して出力するようになる。このとき、前記制御部13はモータ8’の回転を止めたり、その回転速度を低下させることにより、無駄な電力消費を避けることができる。なお、図9(B)は指2を把持方向に回動させた状態を示す図である。
本実施形態のように構成することにより、ロボットハンド装置11に対して単一のモータ8’の回転制御を行うだけで、ロボットハンド装置11の各指2の各節5,7における動作を制御することができる。
なお、前記制御部13は第1実施形態におけるロボットハンド装置1にも用いることができることはいうまでもない。この場合、各モータ8に対してそれぞれ制御部を設けても、全てのモータ8をまとめて制御する制御部を設けてもよい。
上述の各形態では各指2に2つの節5,7を形成する例を示しているが、本発明のこの点に限定されるものではない。
図10は、本発明の変形例を示す図である。図10に示す指2’は、第2節7に対して第3関節20において回動自在に支持される第3節21を備え、第2関節6において第2節を回動させる回転力を第2節7および第3節21に分配して伝達2のデファレンシャル機構22および第2の動力伝達機構23を備えるように構成している。上記変形は参考形態および実施形態の何れであっても実施可能であり、このようにして指2の節5,7,21を3つにすることにより、第3節21によってさらに確実にワークを包み込み把持させることができる。
なお、同様に第4節、第5節…と節を増やすことも可能である。つまり、本発明のデファレンシャル機構9,23を用いた動力の分配を用いることにより、指2’の構造を複雑にすることなく関節を容易に増やすことができる。
また、上述の各形態では指2の数を3とし、各指2が互いに120°間隔で放射線状に開閉するように回動する構成を示している。しかしながら、本発明の指2の数は最低2以上であればよく、その間隔も120°間隔で放射線状に開閉することに限定されるものではない。
図11は、本発明のロボットハンドの把持方法の一例を示す図である。本発明のロボットハンドの把持方法は、図11(A)に示すように、ロボットハンド装置1,11の中心と、ワークWの中心がずれているときにもワークWを確実に把持する方法であり、より具体的には、ロボットハンド装置1(11)のモータ8(8’)の出力トルクを監視するトルク監視部30aと、この出力トルクが変化するときにモータ8(8’)の回転を逆転させるモータ逆転制御部30bとを備えるモータ制御装置30を設けている。
すなわち、図11(B)に示すように、ワークWの把持が完了するまえに指2のどれかがワークWに当接し、これによってモータ8,8’(図2,7参照)にかかる駆動トルクに変化が生じるときに各指の各節5,7…を解放方向に回動させて再び把持方向に回動させる。つまり、把持が完了する前に指2を少し戻すように制御する。このとき、ワークWは指2に当たることによりロボットハンド装置1,11の中心側に少し移動することになる。また、前記モータ制御装置30はこの指2を少し戻す制御を何度か繰り返すことによって、より確実にワークWをロボットハンド装置1(11)の中心に移動させることができる。
最後に図11(C)に示すように、全部の指2によってワークWを把持させることにより、ロボットハンド装置1(11)は確実にワークWを把持することができる。
参考形態に係るロボットハンド装置の全体構成を示す図である。 前記ロボットハンド装置の側面図である。 前記ロボットハンド装置の要部構成を拡大して示す側面図である。 前記要部構成を別の角度から見た側面図である。 前記ロボットハンド装置の動作を説明する図である。 前記ロボットハンド装置の動作の詳細を説明する図である。 施形態のロボットハンド装置の全体構成を示す側面図である。 前記ロボットハンド装置の要部構成を拡大して示す側面図である。 前記ロボットハンド装置の動作を説明する図である。 ロボットハンド装置の指の変形例を示す図である。 ロボットハンドの把持方法を説明する図である。 従来のロボットハンド装置の構成を示す図である。
1,11 ロボットハンド装置
2,2’ 指
3 本体
4 第1関節
5 第1節
6 第2関節
7 第2節
8,8’ モータ
9 デファレンシャル機構
10 動力伝達機構
10a,10b プーリー
10c ベルト
12 クラッチ機構
W ワーク

Claims (5)

  1. ワークを把持する3本以上の指を本体に回動自在に取り付けたロボットハンド装置であって、
    各指は、
    第1関節において本体に対して回動自在に支持される第1節と、
    この第1節に対して第2関節において回動自在に支持される第2節と、
    モータからの回転力を第1節および第2節に分配して伝達するデファレンシャル機構とを備え
    前記ディファレンシャル機構は第1関節に配置され、前記モータからの回転力によって回転駆動されるねじ歯車に噛み合うはす歯歯車と、このはす歯歯車を挟み込むように配置された一対の傘歯車とを備え、一方の傘歯車が第1節に連結され、他方の傘歯車が動力伝達機構によって前記第2節に連動連結され、
    また、単一のモータから供給される回転力をディファレンシャル機構に伝達するクラッチ機構を各指に設け、該クラッチ機構は、前記ねじ歯車と同心軸上において回転自在に配置され、前記モータの回転軸に連設されたモータ側歯車に噛み合う歯車と、前記歯車を挟み込むように前記同心軸に設けた一対の押え板と、該一対の押え板間でかつ前記歯車と前記同心軸の間に挿入されたブッシュと、前記一対の押え板の一方を他方に向けて押さえつけるための弾性体とを備えることを特徴とするロボットハンド装置。
  2. 前記動力伝達機構は一対のプーリーまたはスプロケットと、これらのプーリーまたはスプロケットに巻回されるベルトまたはワイヤーまたはチェーンとからなる請求項1に記載のロボットハンド装置。
  3. 前記モータの回転方向及び回転トルクを制御する制御部を備える請求項1または請求項2に記載のロボットハンド装置。
  4. 前記モータの出力トルクを監視するトルク監視部と、前記出力トルクが変化するときに前記モータの回転を逆転させるモータ逆転制御部とを備えるモータ制御装置を設けている請求項1または請求項2に記載のロボットハンド装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のロボットハンド装置を用い、ワークを把持する方法であって、
    ワークの把持が完了する前に少なくとも一度、各指の各節を解放方向に回動させて再び把持方向に回動させ、ロボットハンド装置の中心からずれているワークをロボットハンド装置の中心側に移動させることを特徴とするロボットハンドの把持方法。
JP2008284750A 2008-11-05 2008-11-05 ロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法 Expired - Fee Related JP5334166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008284750A JP5334166B2 (ja) 2008-11-05 2008-11-05 ロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008284750A JP5334166B2 (ja) 2008-11-05 2008-11-05 ロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010110853A JP2010110853A (ja) 2010-05-20
JP5334166B2 true JP5334166B2 (ja) 2013-11-06

Family

ID=42299837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008284750A Expired - Fee Related JP5334166B2 (ja) 2008-11-05 2008-11-05 ロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5334166B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013008310A1 (ja) * 2011-07-12 2015-02-23 株式会社安川電機 ロボットハンドおよびロボット
JP5806650B2 (ja) * 2012-08-27 2015-11-10 本田技研工業株式会社 ワーク移送方法およびワーク移送システム
JP6000032B2 (ja) * 2012-09-13 2016-09-28 学校法人君が淵学園 マルチジョイント機構及びマルチジョイント機構による配置パターン生成方法
JP6365832B2 (ja) * 2014-07-29 2018-08-01 学校法人立命館 把持装置
CN106002981A (zh) * 2016-06-17 2016-10-12 洪明 一种折叠旋转机械臂

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS522951A (en) * 1975-06-24 1977-01-11 Hiroyasu Funakubo Thumb and arm of industrial robbot
JPH0798314B2 (ja) * 1988-06-29 1995-10-25 ソニー・テクトロニクス株式会社 ロボット・ハンドの制御方法
JP2007069286A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Nissan Motor Co Ltd ロボットハンドとその把持制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010110853A (ja) 2010-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5334166B2 (ja) ロボットハンド装置およびロボットハンドの把持方法
US8991884B2 (en) Robotic hand with conformal finger
US20150151433A1 (en) Compact robotic gripper
JP2009291874A (ja) 関節装置、ロボットアーム、及び、フィンガーユニット
US8534729B2 (en) High-force robotic gripper
WO2014077018A1 (ja) ロボットハンド
JP5284066B2 (ja) ロボットハンド
JP4576247B2 (ja) 関節装置及び関節装置を用いたフィンガーユニット
TWI383869B (zh) 手指機構
NO160606B (no) Robotgriperanordning.
WO2013008310A1 (ja) ロボットハンドおよびロボット
JP2008049456A (ja) ロボットハンド
GB2459723A (en) Robotic end effector
US8776632B2 (en) Low-stroke actuation for a serial robot
TWI600505B (zh) Electric quick change wrench and its use
JP2020066084A (ja) グリッパ
JP4854793B2 (ja) 電動把持装置
JP2003305681A (ja) ロボットハンド
JP2008264895A (ja) 多関節指部材並びにロボットハンド及びその制御方法
JP2010069557A (ja) ハンドおよびその動作方法
JP3562635B2 (ja) 搬送方向変換装置
JP2007069286A (ja) ロボットハンドとその把持制御方法
CN111923067B (zh) 一种腱传动全驱动仿人灵巧手
JP2001219392A (ja) 把持装置
JPS61241032A (ja) ベルト式ワ−クハンド装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5334166

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees