JP3562635B2 - 搬送方向変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送すべきワークを同一平面(同一搬送面)上で指定する向きに変換する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
搬送すべきワークを同一平面(同一搬送面)上で指定する向きに変換する装置として、従来、特開平09−240818号公報に記載されたものなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような装置は機構が以外に複雑であり、できるだけ簡単なものが望まれている。また、この装置を一単位として複数並設して装置全体の大きさを変える場合にも、それをごく簡単に行い得るようにすることが望まれている。
本発明は、これらの要望に応え得るようにしたものであり、特に、正・逆回転可能な1つのモータの正・逆回転に伴う2つの回転出力を簡単な機構で別個に取り出し得るようにしたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、正・逆回転可能な1つのモータ1の正・逆回転に伴う2つの回転出力を、モータ1の正・逆回転時においていずれも一方向に回転する第一および第二の駆動体2,3から取り出し、前記第二の駆動体3の回転に連動して回転する第二の従動体8にワーク搬送用のローラ6を保持し、かつ、このローラ6の外周面を前記第一の駆動体2の回転に連動して回転する第一の従動体7に当接する。
【0005】
本装置を用いた場合には、1つのモータ1を正・逆回転させることにより、モータ1の正・逆回転に伴う2つの回転出力をモータ1の正・逆回転時においていずれも一方向に回転する第一および第二の駆動体2,3から簡単に取り出すことができ、しかも、取り出された2つの回転出力を利用してワーク搬送用のローラ6の回転とその方向変換とを個別に行うことができるから、1つのモータ1を用いて簡単な機構によりワークWを同一平面(同一搬送面)上で指定する向きに変換して搬送することができる。
【0006】
正・逆回転可能な1つのモータ1と、このモータ1の正・逆回転時においていずれも一方向に回転する第一および第二の駆動体2,3とで1つの駆動ユニットuを構成し、また、前記第一の駆動体2の回転に連動して回転する第一の従動体7と、前記第二の駆動体3の回転に連動して回転する第二の従動体8と、前記第二の従動体8に保持され、かつ、前記第一の従動体7に外周面を当接したワーク搬送用のローラ6とで1つの従動ユニットu'を構成する。そして、図3に示すように、前記1つの駆動ユニットuに対して複数の従動ユニットu',u'を連鎖させて配置することができる。
【0007】
この場合には、1つの駆動ユニットuに対し連鎖させて配置すべき従動ユニットu'の数を増減させるだけで、一単位の搬送方向変換装置Uの平面的な大きさを自由に変えることができる。
【0008】
1つの駆動ユニットuとそれに対して複数配置された従動ユニットu',u'とで構成される一単位の搬送方向変換装置Uを、図4に示すように、同一平面(同一搬送面)上に複数並設するとよい。
【0009】
この場合には、一単位の搬送方向変換装置Uの数を同一平面(同一搬送面)上で増減させるだけで、図面符号Aで示す搬送方向変換装置全体の平面的な大きさを簡単かつ自由に変えることができる。
そして、個々の搬送方向変換装置U,Uを別個に制御することにより、ワークWを同一平面(同一搬送面)上のあらゆる方向に搬送することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の最も好ましい実施の形態を、添付の図面に基いて詳細に説明する。
図1に、正・逆回転可能な1つのモータ1の正・逆回転に伴う2つの回転出力を別個に取り出し、その1つを水平方向の軸を中心として回転させ得るワーク搬送用のローラ6の駆動用として、もう1つを前記ローラ6の方向変換用として用いることができるようにした本装置の一例を示す。
【0011】
図1には、1つの基台9上に据え付けられている1つの駆動ユニットuに対して1つの従動ユニットu'が隣接して配置されている状態のみを示したが、本来ならば図2に示すように、1つの駆動ユニットuに対して4つの従動ユニットu',u'を均等に配置するのが好ましい。
なお、本明細書においては、便宜上、図2(平面図)において時計針方向の回転を正回転と、図2において反時計針方向の回転を逆回転ということにする。
【0012】
そして、ここには、基台9上に設置した正・逆回転可能な1つのモータ1と、このモータ1の軸1bに前記モータ1の正・逆回転時においていずれも正回転する第一および第二の駆動体2,3とで1つの駆動ユニットuが構成され、また、1つの基台9上に配置されていて前記第一の駆動体2の回転に連動して回転する第一の従動体7と、前記第二の駆動体3の回転に連動して回転する第二の従動体8と、前記第二の従動体8に保持され、かつ、外周面を前記第一の従動体7に当接したワーク搬送用のローラ6とで1つの従動ユニットu'が構成された場合を例示してある。
【0013】
駆動ユニットuの一部である第一および第二の駆動体2,3を正・逆回転可能なモータ1の正・逆回転時においていずれも正回転させるために、図1では、第一の駆動体2は前記モータ1のフランジ1aにワンウェイクラッチ2aを介して取り付けられたキャリア板2bと、このキャリア板2bをモータ軸1bと同心状に固定した外歯歯車2cとからなるものとし、また、第二の駆動体3は駆動ユニットuの外ケースu1にワンウェイクラッチ3aを介して取り付けられた外歯歯車3bと、この外歯歯車3bに前記モータ軸1bと同心状に固定された内歯歯車3cとからなるものとしてある。そして、前記キャリア板2bの外寄り部分にはアイドラー4が回転自在に取り付けてあり、このアイドラー4をモータ軸1bに固定された外歯歯車5と前記内歯歯車3cとにそれぞれ噛合させてある。
【0014】
正・逆回転可能なモータ1が正回転すると、その回転力がモータ1の軸1bに固定されている外歯歯車5とこれと噛み合っているアイドラー4とを介して前記内歯歯車3cならびに外歯歯車3bに伝わり、それらが逆回転しようとするが、ワンウェイクラッチ3aによりロックされて回転が阻止される一方、キャリア板2bならびに外歯歯車2cからなる第一の駆動体2が正回転する。
【0015】
逆に、正・逆回転可能なモータ1が逆回転すると、その回転力がモータ1の軸1bに固定されている外歯歯車5とこれと噛み合っているアイドラー4とを介してキャリア板2bならびに外歯歯車2cに伝わり、それらが逆回転しようとするが、ワンウェイクラッチ2aによりロックされて回転が阻止される一方、内歯歯車3cならびに外歯歯車3bからなる第二の駆動体3が正回転する。
【0016】
一方、従動ユニットu'の一部である第一の従動体7を前記第一の駆動体2の回転に連動して回転させるために、また、第二の従動体8を前記第二の駆動体3の回転に連動して回転させるために、図1では、第一および第二の従動体7,8をいずれも外歯歯車とし、それらを前記第一の駆動体2の外歯歯車2cと第二の従動体3の外歯歯車3bとに別個に噛合させてある。
そして、前記ワーク搬送用のローラ6を外歯歯車からなる第二の従動体8に保持させ、かつ、その外周面を外歯歯車からなる第一の従動体7に当接してある。
なお、図1において、図面符号8aはローラ6の支持用ブラケットである。
【0017】
したがって、第一の駆動体2が上述したように正回転すると、その回転に連動して第一の従動体7が回転し、外周面が第一の従動体7に当接しているワーク搬送用のローラ6が水平方向の軸を中心として回転する。
また、第二の駆動体3が上述したように正回転(図2の矢印方向)すると、その回転に連動して第二の従動体8が回転し(図2の矢印方向)、それに保持されているワーク搬送用のローラ6が図2の実線の状態から向きを変える。
【0018】
このように、正・逆回転可能な1つのモータ1を制御することにより、ワーク搬送用のローラ6を回転させ、また、ワーク搬送用のローラ6の向きを自動的に変えることができる。
なお、図1において、図面符号11は第二の従動体8の直下に配置したセンサで、これにより第二の従動体8の回転量(回転角度)を検出することができ、その結果、これに保持されているローラ6の方向変換角度を容易に把握することができる。
【0019】
ここに示す場合においては、図1に示すように、第一の従動体7の中心軸線7aに対しワーク搬送用のローラ6の芯6aを振ることができるようにしてあって、このローラ6の外周面がp側で第一の従動体7の突周縁と当接する場合とp'側で当接する場合とでその回転方向が逆になるように工夫されている。
【0020】
また、図面では、従動ユニットu'の一部である第一の従動体7を前記第一の駆動体2の回転に連動して回転させるために、また、第二の従動体8を前記第二の駆動体3の回転に連動して回転させるために、第一および第二の従動体7,8をいずれも外歯歯車とし、それらを前記第一の駆動体2の外歯歯車2cと第二の従動体3の外歯歯車3bとに別個に噛合させた場合を例示したが、例えば、第一および第二の駆動体2,3ならびに第一および第二の従動体7,8をいずれもプーリあるいはスプロケットとし、一対となるそれらにそれぞれタイミングベルトあるいはチェンなどの掛架体を掛け渡すなど、別の連動方式を採用してもよい。
【0021】
また、ここには、第一および第二の駆動体2,3を前記モータ1の正・逆回転時においていずれも正回転させる場合を例示したが、両駆動体2,3を前記モータ1の正・逆回転時においていずれも逆回転させるようにしても、上記と同様の動作を行わせることができる。
【0022】
1つの駆動ユニットuならびに1つの従動ユニットu'の詳しい構造は上述した通りであるが、前記1つの駆動ユニットuに対して複数の従動ユニットu',u'を連鎖させて配置することができる。例えば、図3に示すように、1つの駆動ユニットuに連動して作動するごとく配置された1つの従動ユニットu'に、アイドラーユニット10を介して新しい従動ユニットu'を連鎖させて配置することができる。この場合には、1つの駆動ユニットuに対し連鎖させて配置すべき従動ユニットu'の数を増減させるだけで、一単位の搬送方向変換装置Uの平面的な大きさを自由に変えることができる。
【0023】
1つの駆動ユニットuとそれに対して複数配置された従動ユニットu',u'とで構成される一単位の搬送方向変換装置Uを、図4に示すように、同一平面(同一搬送面)上に複数並設することができる。
この場合には、一単位の搬送方向変換装置Uの数を同一平面(同一搬送面)上で増減させるだけで、図面符号Aで示す搬送方向変換装置全体の平面的な大きさを簡単かつ自由に変えることができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の搬送方向変換装置を用いた場合には、モータ1の正・逆回転に伴う2つの回転出力をモータ1の正・逆回転時においていずれも一方向に回転する第一および第二の駆動体2,3から簡単に取り出すことができ、しかも、取り出された2つの回転出力を利用してワーク搬送用のローラ6の回転とその方向変換とを個別に行うことができるから、1つのモータ1を用いて簡単な機構によりワークWを同一平面(同一搬送面)上で指定する向きに変換して搬送することができる。
【0025】
請求項2記載の搬送方向変換装置を用いた場合には、1つの駆動ユニットuに対し連鎖させて配置すべき従動ユニットu'の数を増減させるだけで、一単位の搬送方向変換装置Uの平面的な大きさを自由に変えることができる。
【0026】
請求項3記載の搬送方向変換装置を用いた場合には、一単位の搬送方向変換装置Uの数を同一平面(同一搬送面)上で増減させるだけで、搬送方向変換装置全体の平面的な大きさを簡単かつ自由に変えることができる。そして、個々の搬送方向変換装置U,Uを別個に制御することにより、ワークWを同一平面(同一搬送面)上のあらゆる方向に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本装置の一例を示す縦断面図であって、1つの駆動ユニットに対して1つの従動ユニットが隣接して配置された状態のみを示す。
【図2】1つの駆動ユニットに対して4つの従動ユニットを配置した状態を示す概略平面図である。
【図3】1つの駆動ユニットに対して複数の従動ユニットを連鎖させて配置した状態を示す概略平面図である。
【図4】一単位の搬送方向変換装置を同一平面(同一搬送面)上に複数並設した状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1…モータ、1a…モータフランジ、1b…モータ軸、2…第一の駆動体、2a…ワンウェイクラッチ、2b…キャリア板、2c…外歯歯車、3…第二の駆動体、3a…ワンウェイクラッチ、3b…外歯歯車、3c…内歯歯車、4…アイドラー、5…外歯歯車、6…ローラ、7…第一の従動体、8…第二の従動体、u…駆動ユニット、u'…従動ユニット、u1…駆動ユニットの外ケース。
Claims (3)
- 正・逆回転可能な1つのモータ1の正・逆回転に伴う2つの回転出力を、モータ1の正・逆回転時においていずれも一方向に回転する第一および第二の駆動体2,3から取り出し、前記第二の駆動体3の回転に連動して回転する第二の従動体8にワーク搬送用のローラ6を保持し、かつ、このローラ6の外周面を前記第一の駆動体2の回転に連動して回転する第一の従動体7に当接したことを特徴とする搬送方向変換装置。
- 正・逆回転可能な1つのモータ1と、このモータ1の正・逆回転時においていずれも一方向に回転する第一および第二の駆動体2,3とで1つの駆動ユニットuを構成し、また、前記第一の駆動体2の回転に連動して回転する第一の従動体7と、前記第二の駆動体3の回転に連動して回転する第二の従動体8と、前記第二の従動体8に保持され、かつ、前記第一の従動体7に外周面を当接したワーク搬送用のローラ6とで1つの従動ユニットu'を構成し、前記1つの駆動ユニットuに対して複数の従動ユニットu',u'を連鎖させて配置したことを特徴とする請求項1記載の搬送方向変換装置。
- 1つの駆動ユニットuとそれに対して複数配置された従動ユニットu',u'とで構成される一単位の搬送方向変換装置Uを、同一平面(同一搬送面)上に複数並設したことを特徴とする請求項2記載の搬送方向変換装置。
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