以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態の一例として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの全体構成を示す概略構成図である。同図において、プリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Bkと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット1Y、M、C、Kを備えている。
上記プロセスユニット1Y、M、C、Kは、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。ここでは、Y用のプロセスユニットを例にとって説明する。プロセスユニット1Yは、ドラム状の感光体2Yの周囲に、感光体2Y表面を一様に帯電せしめる帯電装置3Y、感光体2Y上の潜像を現像する現像装置4Y、感光体2Y上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング装置5Y等を備えている。プロセスユニット1Yにおいて、帯電装置3Yによって一様に帯電せしめられた感光体2Yの表面は、後述する光書込ユニット6から発せられるレーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、現像装置4Yの現像スリーブと対向する現像領域でYトナー像に現像される。そして、感光体2Y上に現像されたYトナー像は、後述する中間転写ユニット10の一次転写ローラ11Yによって中間転写ベルト12上に中間転写される。転写後に感光体2Y上に残留する転写残トナーは、クリーニング装置5Yのクリーニングブレード5aYによってクリーニングされる。その後、感光体2Yは帯電装置3Yによって除電と同時に帯電され、次の画像形成に備えられる。
他色用のプロセスユニット1M、C、Kにおいても、同様にして感光体2M、C、K上にM、C、Kトナー像が形成され、中間転写ベルト12上のYトナー像に順次重ね合わせて中間転写される。これにより中間転写ベルト12上には、4色重ね合わせトナー像が形成される。
また、上記プロセスカートリッジ1Y、M、C、Kの図中下方には、光書込ユニット6が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット6は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを各プロセスカートリッジ1Y、M、C、Kにおける各感光体2Y、M、C、Kに照射する。これにより、感光体2Y、M、C、K上にY、M、C、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット6は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラーによって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体2Y、M、C、Kに照射するものである。
上記光書込ユニット6の図中下側には、給紙ローラ26を具備する給紙カセット25が配設されている。この給紙カセット25は、転写材たる記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収納しており、一番上の記録紙Pに給紙ローラ26を押し当てている。給紙ローラ26が図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられると、一番上の記録紙Pが給紙路に向けて送り出される。
この給紙路には、搬送ローラ対27、レジストローラ対28が配設されており、給紙路に送り出された記録紙Pは、搬送ローラ対27を経てレジストローラ対28のローラ間に挟み込まれる。レジストローラ対28は、ローラ間に記録紙Pを挟み込むとすぐにローラ対の回転駆動を一旦停止させる。そして、後述するように記録紙Pを中間転写ベルト12上の4色重ね合わせトナー像に重ね合わせ得るタイミングでレジストローラ対28の回転駆動を再開して、記録紙Pを後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
上記プロセスユニット1Y、M、C、Kの図中上方には、被清掃体たる中間転写ベルト12を張架しながら無端移動せしめる転写ユニット10が配設されている。この転写ユニット10は、中間転写ベルト12のループ内に、4つの1次転写ローラ11Y、M、C、K、2次転写対向ローラ13、加圧バネ14aよって付勢され中間転写ベルト12に張力を付与するテンションローラ14、中間転写ベルト12に対して従動回転するローラ15、16等を備えている。中間転写ベルト12は、これらのローラによって張架されながら、駆動ローラを兼ねる2次転写対向ローラ13の回転駆動によってプロセス速度は150mm/secに調整されて図中反時計回りに無端移動せしめられる。
1次転写ローラ11Y、M、C、Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト12を感光体2Y、M、C、Kとの間に挟み込んでいる。これにより、感光体2Y、M、C、Kと、中間転写ベルト12の表面との当接によるY、M、C、K用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ11Y、M、C、Kには、転写電源17、18によってそれぞれトナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアス(本実施形態では+1800V)が印加される。中間転写ベルト12は、その無端移動に伴ってY、M、C、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体2Y、M、C、K上のY、M、C、Kトナー像が順次重ね合わせて中間転写されていく。
上記中間転写ユニット10において、中間転写ベルト12のループ外には、ベルトクリーニングユニット20や二次転写ローラ21を備えている。二次転写ローラ21は、ベルトループ内の2次転写対向ローラ13に対して中間転写ベルト12を介して対向する位置で、ベルトの表面に当接して2次転写ニップを形成し、電源22により所定の二次転写バイアスが印加される。本実施形態では、定電流で制御され、その設定値は+30μAである。また、二次転写ローラ21は、図示しない駆動ギヤによって駆動力が与えられており、その周速は中間転写ベルト12の周速に対して略同一となるように調整されている。
中間転写ベルト12上に形成された4色重ね合わせトナー像が上記2次転写ニップに進入するタイミングを見計らって、レジストローラ対28から記録紙Pが2次転写ニップに向けて送り出される。2次転写ニップ内で中間転写ベルト12上の4色重ね合わせトナー像に密着した記録紙Pには、2次転写電界やニップ圧の作用によって4色重ね合わせトナー像が一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト12には、記録紙Pに2次転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、テンションローラ14に対向する位置に配設される後述するクリーニングユニット20によってベルト表面から除去される。
上記2次転写ニップの図中上方には、定着装置30が配設されている。中間転写ベルト12や2次転写ローラ21から剥離しながら2次転写ニップから排出される記録紙Pは、この定着装置30内に送り込まれる。そして、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラと、これに圧接せしめられている加圧ローラとの当接による定着ニップを通過する際の加熱や加圧により、フルカラー画像が表面に定着される。その後、記録紙Pは、排紙ローラ対31のローラ間を経て機外へと排出される。
ここで、上記中間転写ベルト12はPVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させ、その体積抵抗率を108〜1012Ωcm、かつ表面抵抗率を109〜1013Ωcmの範囲となるよう調整されている。必要に応じ該中間転写ベルト12の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。中間転写ベルト12の製造方法は注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。
中間転写ベルト12の体積抵抗率及び表面抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト12の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率及び表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明における中間転写ベルト12の体積抵抗率及び表面抵抗率は上記範囲内でなければならない。なお、体積抵抗率及び表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm、リング電極内径11mm)を接続し、中間転写ベルト12の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
上記二次転写ローラ21はSUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって106〜1010Ωの抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。ここで、二次転写ローラ21の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得る為にはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加するため転写ニップ前後の空隙にて放電が起こる為、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。逆に、二次転写ローラ21の抵抗値が上記範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部(例えば3色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。これは、二次転写ローラ21の抵抗値が低い為、比較的低電圧で単色画像部を転写するのに十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となるため、複数色画像部を転写できる電圧に設定すると単色画像では転写電流過剰となり転写効率の低減を招く。なお、二次転写ローラ21の抵抗値測定は、導電性の金属製板に二次転写ローラ21を設置し、芯金両端部に片側4.9N(両側で合計9.8N)の荷重を掛けた状態にて、芯金と前記金属製板との間に1000Vの電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
また、本実施例に用いられるトナーは重合法によって生成された重合トナーである。更に本実施例に用いるトナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図2は、形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を示した模式図である。図3は、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を示した模式図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−1
={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
また、形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
SF−2
={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するとともに転写手段に付着した場合のクリーニング性も低下するため好ましくない。なお、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
また、トナー粒径は体積平均粒径で4〜10μmの範囲であることが望ましい。これよりも小粒径の場合には現像時に地汚れの原因となったり、流動性が悪化し、さらに凝集しやすくなるので中抜けが発生しやすくなったりする。逆にこれよりも大粒径の場合にはトナー飛び散りや、解像度悪化により高精細な画像を得ることができない。本実施例では、トナー粒径の体積平均粒径6.5μmのものを用いた。
次に、上記中間転写ユニット10のクリーニング手段たるクリーニングユニット20について詳細に説明する。図4は、クリーニングユニット付近の構成を示し、廃トナー回収容器の開口部を含む断面図である。図5は、クリーニングユニットの構成を示す断面図である。図4に示すように、クリーニングユニット20には、ウレタンゴムよりなるクリーニングブレード23がブレードホルダ24に保持されて配置されている。そして、クリーニングユニット20は、クリーニングブレード23を中間転写ベルト12に押し当てて中間転写ベルト12上のトナーを掻き取って清掃する構成となっている。そして、このクリーニングユニット20は、全体として高さ方向に長くなっており、クリーニングブレード23により掻き取られたトナーは、自重により落下して後述する廃トナータンクに収容する構成となっている。なお、本実施例では、クリーニング部材としてクリーニングブレード23を採用したが、従来公知のクリーニングローラやクリーニングブラシを用いてもよい。
また、クリーニングユニット20には、クリーニングブレード23によって中間転写ベルト12をクリーニングし易くするために、固形潤滑剤40を中間転写ベルト12の表面に塗布する潤滑剤塗布部材であるブラシローラ41が設けられている。本実施形態では、固形潤滑剤40をブラシローラ41で削り取るために、スプリングのような弾性体である潤滑剤加圧手段42により固形潤滑剤40を1[N]〜4[N]の力でブラシローラ41に圧接する。固形潤滑剤40の幅は、画像幅よりも広く設定する必要があるため、304[mm]以上とする。潤滑剤塗布部材41の幅は、固形潤滑剤40を均一に削り取る為に、固形潤滑剤40の幅よりも大きくとる必要がある。
潤滑剤40には、直鎖状の炭化水素構造を持つ、脂肪酸金属塩を用いる。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸から選択される少なくとも1種以上の脂肪酸を含有し、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する脂肪酸金属塩が挙げられる。とりわけその中でもステアリン酸亜鉛は、工業的規模で生産されかつ多方面での使用実績があることから、コスト、品質安定性及び信頼性で、最も好ましい材料である。ただし、一般に工業的に使われている高級脂肪酸金属塩は、その名称の化合物単体組成ではなく、多かれ少なかれ類似の他の脂肪酸金属塩、金属酸化物及び遊離脂肪酸を含むものであり、本実施形態での脂肪酸金属塩もその例外ではない。
これらの潤滑剤は微量ずつ、粉体の形態で供給されるのであるが、その具体的な方法としては、ブラシローラ41等の潤滑剤塗布部材によりブロック上に固形成形された潤滑剤を削り取って塗布する方法や、トナーに外添して供給する方法等がある。ただし、トナーに外添して潤滑剤を供給する場合、その供給量が出力する画像面積に依存し、常にベルト表面全面に供給することはできない。そのため、簡易な装置構成で、且つ、ベルト表面全面に安定に潤滑剤を供給しようとした場合、本実施形態のように固形潤滑剤40をブラシローラ41で削り取って塗布する方法が良い。
また、クリーニングブレード23によって掻き取られ廃トナータンク60に向かって落下する廃トナーの落下経路中には、図5に示すように、後述する図示していない搬送路形成部材及び遮蔽壁43、44から形成される遮蔽部45と、その遮蔽部45内に廃トナーを搬送する粉体搬送手段である搬送スクリュウ46とが設けられている。搬送スクリュウ46は遮蔽壁44を貫通しており、搬送スクリュウ46と遮蔽壁44との隙間からトナーが漏れ出さないように構成となっている。また、搬送スクリュウ46は遮蔽壁44を境に搬送スクリュウ軸方向端部から中央部に向けて廃トナーを搬送するようになっている。なお、搬送スクリュウ46を介して上方の空間と下方の空間とは連通している。そのため、クリーニングブレード23によって掻き取られ落下する廃トナーは、搬送スクリュウ46や上記搬送経路をすり抜けて廃トナータンク60内に向かって落下することができる。
本実施例のように、クリーニングブレード23によって掻き取られ廃トナータンク60内に向かって落下する廃トナーの落下経路中に遮蔽部45を設けると、遮蔽部45の上面にトナーが堆積する。そして、遮蔽部45の上面に廃トナーが経時で堆積し続けると図4に示したクリーニングブレード23近傍の開口部から外部へ廃トナーが溢れ出してしまう恐れがある。そのため、本実施例においては、図5に示すように、遮蔽部45の上面を斜面形状にすることで廃トナーが斜面に沿って落下し易くし、遮蔽部45の上面に廃トナーが堆積するのを防止している。
また、本実施例では、遮蔽部45の上面を清掃する清掃部材47が設けられている。清掃部材47は、搬送スクリュウ46の軸方向に長尺な弾性のあるシート状のものを用いており、清掃部材47の長手方向遮蔽部側の端部が遮蔽部45の上面に沿った形状をしている。また、清掃部材47の搬送スクリュウ46のスクリュウ形状と対向する側には、清掃部材47の長手方向に直交する方向に向かって形成されたスリット部分が設けられている。この清掃部材47のスリット部分は搬送スクリュウ46のスクリュウ形状に食い込んでおり、搬送スクリュウ46が回転運動すると搬送スクリュウ46のスクリュウ形状によって清掃部材47のスリット部が弾かれる。これにより、清掃部材47が振動し遮蔽部45の上面に付着したトナーを弾き飛ばすことで遮蔽部45の上面を清掃する。
図6は、搬送スクリュウの下部まで廃トナーが堆積した状態を示す模式図である。図7は、廃トナータンクが廃トナーで満杯の状態、又は満杯に近い状態なった時の状態を示す模式図である。廃トナーが廃トナータンク60内にあまり堆積していない場合、廃トナーは搬送スクリュウ46や搬送経路をすり抜けて廃トナータンク60内に落下するが、図6に示すように搬送経路の下部まで廃トナーが堆積すると、その堆積した廃トナーによって搬送経路の底部が塞がれ、廃トナーが搬送経路底部の壁の役割をはたすようになる。本実施例では、このような状態のときを廃トナータンク60内が廃トナーで満杯の状態又は満杯に近い状態であるとしている。そして、このような状態になるまで廃トナーが廃トナータンク60内に堆積することで、これ以降さらに堆積した分の廃トナーを搬送スクリュウ46により遮蔽部45へ搬送することが可能となる。
ここで、廃トナータンク60内が廃トナーで満杯の状態又は満杯に近い状態となり搬送スクリュウ46によって遮蔽部45内へ廃トナーが搬送され、図7に示すように遮蔽部45内が廃トナーで一杯になって遮蔽部45内へ廃トナーを押し込めなくなると、搬送スクリュウ46は凝集した廃トナーから廃トナー搬送方向の反対方向(図7中右側)に向かって押される力を受ける。ここで、搬送スクリュウ46は軸方向に変位可能に設けられており、図5に示すスプリング48により廃トナー搬送方向(図7中左側)へ付勢されている。そして、搬送スクリュウ46が廃トナーによって押される力がスプリング48の付勢力よりも強くなると、搬送スクリュウ46は廃トナー搬送方向の反対方向(図7中右側)へ変位する。
ここで、搬送スクリュウ46は次のようにして駆動力を得て回転する。図8は、搬送スクリュウの軸方向一端側近傍のベルトクリーニングユニットの構成を示す拡大外観図である。図9は、搬送スクリュウ等に駆動力を伝達するギヤ等が設けられた側のクリーニングユニットの構成を示す斜視図である。まず、図8に示すように、ブラシローラ41はテンションローラ14の軸に設けられたギヤ50からブラシローラ41の軸に設けられたギヤ51を介して駆動力を得ている。そして、図9に示すように、ブラシローラ41の駆動力を、ブラシローラ41の軸に設けられたギヤ52からギヤ53a及びギヤ53bを介して搬送スクリュウ46の軸に設けられたギヤ54に伝達することで、搬送スクリュウ46が回転する。なお、ギヤ54は搬送スクリュウ46の軸方向に移動可能である。また、ギヤ53bはツバ付の形状をしており、ギヤ54の抜け止めの機能も持つため、搬送スクリュウ46が回転状態のまま、ギヤ54は搬送スクリュウ46の軸方向に変位が可能となっている。
本実施例では、遮蔽部45へ廃トナーを押し込めなくなり搬送スクリュウ46が廃トナーから負荷を受けて、搬送スクリュウ46が廃トナー搬送方向の反対方向へ変位したのを搬送スクリュウ位置検知センサによって検知することで、廃トナータンク60が満杯の状態又は満杯に近い状態であることを検知する。
上記搬送スクリュウ位置検知センサとしては、光学センサを用いることができる。本実施例では、搬送スクリュウ46の軸方向のスプリング48を設けた側の廃トナータンク60の側壁の外側に、図8に示すような発光部と受光部とからなる光学センサ56を設け、上記廃トナー搬送方向の反対方向に変位した搬送スクリュウ46の軸によってフィラー55が押され、そのフィラー55によって光学センサ56が遮光されることで、廃トナータンク60内が廃トナーで満杯の状態又は満杯に近い状態であると検知する。また、本実施例では、搬送スクリュウ46の軸が上記反対方向に3[mm]変位することで光学センサ56の発光部から受光部へ向けて発せられた光が遮断される。このようにして廃トナータンク60内が廃トナーで満杯の状態又は満杯に近い状態であると検知した後、プリンタに設けられた図示しない表示パネルに廃トナータンク60が満杯の状態又は満杯に近い状態である旨のメッセージを表示する。
本実施例では、上述したようにして廃トナータンク60が廃トナーで満杯の状態又は満杯に近い状態であると検知できるので、廃トナータンク60内の廃トナーによって光学センサ56から発せられた光を遮断することで満杯の状態などを検知する構成の場合に、光学センサ56が廃トナーで汚れることで生じ得る誤検知が生じない。
ここで、搬送スクリュウ46は、遮蔽壁44を挟んで図5中右側領域及び左側領域それぞれで軸方向端部から中央に向かって(上記右側領域においては、右側から左側に向かって、上記左側領域においては、左側から右側に向かって)廃トナーを搬送する。そして、本実施例では、上記左側領域における搬送スクリュウ46の廃トナー搬送方向下流側をスクリュウ形状にしておらず、図5に示すような廃トナー搬送方向下流側への搬送力が無い清掃部材振動部57を設けている。
例えば、搬送スクリュウ46の廃トナー搬送方向上流側から下流側までスクリュウ形状を設けると、廃トナーが満杯の状態又は満杯に近い状態になった際に搬送スクリュウ46の位置まで堆積した廃トナーが、上記左側領域における搬送スクリュウ46によって遮蔽壁44まで搬送される。そして、廃トナーが遮蔽壁44まで搬送されると廃トナーは上記左側領域における廃トナー搬送方向下流側へそれ以上進むことができなくなる。このように、遮蔽壁44まで搬送された廃トナーが上記左側領域における廃トナー搬送方向下流側へそれ以上進むことができなくなることで、その廃トナーから搬送スクリュウ46が上記左側領域における廃トナー搬送方向の反対方向(図5中左方向)に向かって押される力を受ける。
そのため、廃トナーが満杯の状態又は満杯に近い状態になった際に搬送スクリュウ46は、上記右側領域で遮蔽部45内の廃トナーから上記右側領域における廃トナー搬送方向の反対方向(図5中右方向)の力と、上記左側領域で遮蔽部44まで到達した廃トナーから上記左側領域における廃トナー搬送方向の反対方向(図5中左方向)の力とを受けることになる。よって、廃トナーが満杯の状態又は満杯に近い状態になった際に、搬送スクリュウ46が上記右側領域における廃トナー搬送方向の反対方向に変位する距離は、上記右側領域における廃トナー搬送方向の反対方向の力が上記左側領域における廃トナー搬送方向の反対方向の力によって打ち消される分だけ短くなる。したがって、搬送スクリュウ位置検知センサを用いた廃トナーが満杯の状態又は満杯に近い状態の検知の精度が低下してしまう。
上記左側領域における搬送スクリュウ46の廃トナー搬送方向下流側にスクリュウ形状を設けなければ遮蔽壁44まで廃トナーが搬送されなくなる。これにより、搬送スクリュウ46が上記左側領域における廃トナー搬送方向の反対方向(図5中左方向)の力を廃トナーから受けることがなく、上記検知の精度が低下するのを抑制することができる。ところが、本実施例では、搬送スクリュウ46のスクリュウ形状によって清掃部材47を振動させるので、単にスクリュウ形状を設けないように構成すると清掃部材47の振動効率が低下してしまう。
そのため、本実施例では、上記左側領域における搬送スクリュウ46の廃トナー搬送方向下流側にスクリュウ形状を設けず、図6などに示すような廃トナー搬送方向下流側への搬送力が無い清掃部材振動部57を設けている。これにより、廃トナーが満杯の状態又は満杯に近い状態になったとしても、搬送スクリュウ46が廃トナーから上記左側領域における廃トナー搬送方向の反対方向(図5中左方向)に向かって押される力を受けなくなる。よって、廃トナーが満杯の状態又は満杯に近い状態になった際に搬送スクリュウ46は、上記右側領域における遮蔽部45内の廃トナーから上記右側領域における廃トナー搬送方向の反対方向(図6中右方向)の一定方向にのみ押される力を受けて、上記右側領域における廃トナー搬送方向の反対方向に変位する。したがって、廃トナーが満杯の状態又は満杯に近い状態の際に、上述したような搬送スクリュウ46が上記変位させたい方向(図5中右方向)に変位する距離が短くなることが無く、上記搬送スクリュウ位置検知センサを用いた廃トナーが満杯の状態又は満杯に近い状態の検知の精度が低下するのを抑制できる。
また、上記左側領域における搬送スクリュウ46の廃トナー搬送方向下流側に単にスクリュウ形状を設けないようにするのではなく清掃部材振動部57を設けることで、上記搬送力を低減させつつ搬送スクリュウ46による清掃部材47の振動効率が低下するのを抑制できる。本実施例では、清掃部材振動部57の高さが搬送スクリュウ46に設けたスクリュウ形状と同等、幅がスクリュウ形状の1ピッチ相当の板状で、搬送スクリュウ46の軸中心から放射状に均等に配置する。また、搬送スクリュウ46の軸方向における清掃部材振動部57の配置範囲は、清掃部材47の配置範囲と同等とする。
また、搬送スクリュウ46が遮蔽部45内の廃トナーから負荷を受けて上記右側領域における廃トナー搬送方向(以下、特記しない限り、廃トナー搬送方向は上記右側領域におけるもの、つまり、図5中右側から左側に向かう方向とし、単に廃トナー搬送方向という)の反対方向へ変位した際に、搬送スクリュウ46が上記反対方向へ変位し過ぎると、搬送スクリュウ46の端部がクリーニングユニット20のケーシングに衝突してしまう。このような衝突が生じると、搬送スクリュウ46は遮蔽部45内の廃トナーから上記反対方向に向かって押される力を受けているので搬送スクリュウ46の端部が上記ケーシングに押し付けられる。そのため、搬送スクリュウ46の端部と上記ケーシングとの間で搬送スクリュウ46の回転を妨げるような抵抗が生じ、搬送スクリュウ46が破損したり搬送スクリュウ46の回転がロックしたりする可能性がある。そのため、本実施例では、搬送スクリュウ46が上記反対方向に変位しても搬送スクリュウ46の端部と上記ケーシングとが衝突しないに構成している。
図10に示す搬送スクリュウの位置は、廃トナータンク60が廃トナーで満杯の状態又は満杯に近い状態になっておらず、搬送スクリュウ46が遮蔽部45内の廃トナーから廃トナー搬送方向の反対方向へ押される力を受けていない場合である。このような場合には、上記右側領域における搬送スクリュウ46の廃トナー搬送方向最下流側スクリュウ端部(以下、最下流側スクリュウ端部という)46Aの位置が、遮蔽部45の外端45Aの位置X1から廃トナー搬送方向下流側に距離Xだけ離れた位置X2となるように、搬送スクリュウ46を配設している。
これに対し、図11に示すように、廃トナータンク60が廃トナーで満杯の状態又は満杯に近い状態になると、搬送スクリュウ46が遮蔽部45内の廃トナーから廃トナー搬送方向の反対方向へ押される力を受けて、搬送スクリュウ46が上記反対方向へ変位する。このような場合においては、搬送スクリュウ46が遮蔽部45内の廃トナーから上記反対方向へ押される力を受け上記反対方向に変位し、最下流側スクリュウ端部46Aの位置が上記位置X2から上記位置X1になる。すなわち、搬送スクリュウ46は上記反対方向に上記距離Xだけ変位する。
搬送スクリュウ46が上記距離Xだけ変位する理由としては次の通りである。すなわち、最下流側スクリュウ端部46Aの位置が上記位置X2から上記位置X1となり、最下流側スクリュウ端部46Aが遮蔽部45内から外に押し出されると、遮蔽部45内に収容された廃トナーから搬送スクリュウ46が上記反対方向に押される力を受けなくなる。このように、搬送スクリュウ46が上記反対方向に押される力を受けなくなることで、それ以上(上記距離X以上)搬送スクリュウ46が上記反対方向に変位しなくなるためである。
そのため、上記距離Xを、搬送スクリュウ46の端部と上記ケーシングとの距離よりも短い距離に設定することで、搬送スクリュウ46が上記反対方向に変位しても搬送スクリュウ46の端部と上記ケーシングとが衝突しなくなる。本実施例においては、搬送スクリュウ軸方向における搬送スクリュウ46の端部と上記ケーシングとの距離が14[mm]であり、上記距離Xとしては14[mm]よりも短い距離とすれば良い。また、上述したように搬送スクリュウ46の軸が上記反対方向に3[mm]変位することで上記搬送スクリュウ位置検知センサである光学センサ56の発光部から受光部へ向けて発せられた光が遮断され、廃トナータンク60内が廃トナーで満杯の状態又は満杯に近い状態であると検知されるので、上記距離Xは少なくとも3[mm]必要である。よって、上記距離Xとしては、搬送スクリュウ46の端部と上記ケーシングとが衝突するのを確実に防ぐことができ、且つ、上述した光学センサ56を用いた搬送スクリュウ位置検知センサの感度を考慮して3[mm]〜10[mm]にすることが望ましく、本実施例では上記距離Xを5[mm]とした。
なお、遮蔽部45内が廃トナーで一杯になり、それに伴って搬送スクリュウ46が廃トナーから受ける負荷に基づいて廃トナータンク60が満杯であるのを検知する方法として、上述したような搬送スクリュウ46の位置変動を検知する方法だけではなく、搬送スクリュウ46の駆動トルクや回転速度などの変化に基づいて廃トナータンク60が満杯であるのを検知する方法を採用しても良い。
次に、本発明の特徴部について説明する。図12は図5と同じ方向から見たベルトクリーニングユニット及び廃トナータンクの外観図である。本実施例において、上記廃トナータンク60は、図5及び図12に示すように、搬送スクリュウ46に対向する開口部の径が底部の径より小さくなるようにくくられた形状で構成されている(以下、くくれ部という)。このくくれ部により空いた2つの空間、すなわち搬送スクリュウ46の軸方向両端部の下方にある空間には、送風手段である冷却ファン61がそれぞれ配設される。この冷却ファン61は、現像装置4や書込ユニット6等に具備される駆動ヒータ等の熱源に対して風を送ってこれらを冷却することができる。この冷却ファン61の設置にあたっては、新たなスペースを設ける必要がなく、廃トナータンク60のくくれ部により空いた空間を利用しているため、装置全体のスペース化を図ることもできる。なお、本実施例では、送風手段として、軸流ファンである冷却ファン61を用いたが、シロッコファン等、装置内の吸排気を行うことができれば特に限定されるものではない。また、図10中左右にそれぞれ冷却ファン61を設けたが、どちらか一方に1つ設けてもよい。
上述したように、廃トナーの落下経路が廃トナータンク60のくくれ部でクリーニングユニット20(クリーニングブレード23)の軸方向長さよりも狭くなっている。そのため、クリーニングユニット20に設置された搬送スクリュウ46は、遮蔽壁44を挟んで図中右側領域及び左側領域それぞれで軸方向端部から中央に向かって(上記右側領域においては、右側から左側に向かって、上記左側領域においては、左側から右側に向かって)廃トナーを搬送する。よって、廃トナーがクリーニングユニット20の軸方向端部に落下しても、搬送スクリュウ46により軸方向中央部まで搬送され、廃トナーが円滑に廃トナーランク60に落下して堆積することができる。
図13は、クリーニングユニット近傍の構成を示し、冷却ファンを含む構成図である。本実施形態においては、図9、図12、及び図13に示すように、上記冷却ファン61を支持する筐体の天井部に、冷却ファン61の筐体とクリーニングユニット20の筐体との間の空間を閉塞する閉塞部材62が貼付されている。クリーニングユニット20や廃トナータンク60から極微量の廃トナーが漏れた場合でも、クリーニングユニット20と冷却ファン61との間の空間は、閉塞部材62により閉塞されて密閉度が増しているため、廃トナーが飛散することがない。
また、上記クリーニングユニット20は、一般にプリンタ本体の寿命より短い寿命となるため、取り外し可能に設置しなければいけない。本実施例においては、クリーニングユニット20は、中間転写ベルト12に所定のテンションを付加して張架するテンションローラ14により位置決めされている。クリーニングユニット20の筐体の軸方向両端の側板には、テンションローラ14の軸14aを嵌め込むための凹部20aが形成されている。そして、クリーニングユニット20の着脱の際、冷却ファン61の筐体に貼付された閉塞部材62が、クリーニングユニット20を着脱する際の仮保持部材の機能も兼ねている。一方、図13に示すように、クリーニングユニット20においては、固形潤滑剤40及び潤滑剤加圧手段41を保持する突き出し部20bが下方に突出して設けられている。この突き出し部20bと閉塞部材62とが干渉する位置にあるため、クリーニングユニット20は図13中左方向に転倒しづらい。
ここで、上記閉塞部材62が剛体で構成されていると、クリーニングユニット20の着脱の際に、クリーニングユニット20自体や中間転写ベルト12を傷つけてしまう場合ある。そこで、本実施例では、閉塞部材62には、ポリウレタン、ポリスチレン等の発泡部材や、ゴム等の弾性部材を用いる。これにより、閉塞部材62が緩衝材となって、クリーニングユニット20や中間転写ベルト12を傷つけずに、クリーニングユニット20を容易に着脱することができる。また、閉塞部材62に発泡体を用いることにより、装置が作動し始めてからのクリーニングユニット20の温度変化も緩やかになり、クリーニング不良を起こしにくくなる。
さらに、上記テンションローラ14は、中間転写ベルト12の環境変動による伸縮等により位置が変わってしまい、クリーニングユニット20も同時に動き、クリーニングユニット20と閉塞部材62とが干渉し合って傷ついてしまう虞がある。しかし、冷却ファン61の筐体の天井部に弾性体から閉塞部材62がもうけられているため、閉塞部材62が緩衝材となって、クリーニングユニット20を傷つけることがない。
上述したクリーニングユニット20と廃トナータンク60とは、プリンタ本体に対して別体で着脱可能に構成してもよいが、プリンタ本体に対して一体で着脱可能に構成するとよい。クリーニングユニット20と廃トナータンク60とを別体で構成する場合に比べ、着脱時に廃トナーによる汚染を防止できる。また、クリーニングユニット20と廃トナータンク60とが一体に構成されても、上述したようにクリーニングユニット20と廃トナータンク60との間の空間が閉塞部材62により閉塞されているため、廃トナーが飛散することを防止できる。また、廃トナータンク60が廃トナーにより重くなり転倒しやすくなっても、上述したように突き出し部20aと閉塞部材62とが干渉する位置にあるため、クリーニングユニット20は転倒しづらい。
なお、本実施形態では、被清掃体が像担持体たる中間転写ベルト12である場合について説明したが、被清掃体は、像担持体たる感光体ベルトであってもよい。図14は、感光体ベルトを用いたプリンタの構成を示す概略構成図である。図14に示すように、被清掃体たる感光体ベルト100は、駆動ローラ13、テンションローラ14、従動ローラ15、16により張架されながら、図中矢印方向に無端移動せしめられる。そして、テンションローラ14に対向する位置には、感光体ベルト100上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングユニット20が配置される。そして、クリーニングユニット20の下方には、廃トナータンク60と、廃トナータンク60のくくれ部により空いた空間に配置された図示しない冷却ファンを備える。上記構成のプリンタにおいて、まず、帯電器101によって一様に帯電せしめられた感光体ベルト100の表面は、画像情報に基づいて光書込ユニット6から発せられるレーザ光Lによって露光走査され静電潜像を担持し、その静電潜像は現像器102により現像されて感光体ベルト100上にトナー層が順次形成される。感光体ベルト100上に重ねて形成されたトナー像は、転写ローラ21の位置で、給紙カセット25から給紙ローラ26により搬送ローラ対27、レジストローラ対28を経て給紙される記録紙Pに転写される。トナー像が転写された記録紙Pは、定着ユニット30によりトナー像が定着せしめられ、排紙ローラ対31により機外に排出される。転写後の感光体ベルト100表面に残留する転写残トナーは、クリーニングユニット20のクリーニングブレード23により掻き落とされ、廃トナー回収容器に回収される。図12で示されるプリンタにおいても、上記冷却ファンは、スペースを新たに必要とせず、現像器101や光書込ユニット6内の熱源を効率よく冷却することができ、廃トナー飛散やクリーニング不良を防止することができる。
以上、本実施形態によれば、送風手段である冷却ファン61が廃トナー回収容器である廃トナータンク60のくくれ形状により空いた空間に配置されているため、冷却ファン61の設置にあたって新たなスペースを必要とせず省スペース化を図ることができる。また、被清掃体である中間転写ベルト12の下方に、冷却ファン61も現像装置4や光書込ユニット6の駆動モータ等の発熱体も配置することができ、効率よく発熱体を冷却することが可能となる。また、クリーニングユニット20と冷却ファン61との間に閉塞部材62が配置され、冷却ファン61からの送風がクリーニングユニット20に及びにくいため、クリーニングユニット20からの廃トナーの飛散を防止することができる。また、冷却ファン61からの送風がクリーニングユニット20に及びにくいため、クリーニングユニット20の急激な温度変化を防止することができる。
また、本実施形態によれば、クリーニングユニット20の着脱時に、閉塞部材62がクリーニングユニット20を仮保持する。これにより、クリーニングユニット20の転倒を防止でき、着脱が容易となる。
また、本実施形態によれば、閉塞部材62は弾性体により構成されるため、閉塞部材62がクリーニングユニット20を着脱する際の緩衝材となる。これにより、クリーニングユニット20や中間転写ベルト12を傷つけずに容易に着脱できる。
また、本実施形態によれば、閉塞部材62が発泡体により構成されるため、冷却ファンからの送風も遮蔽される。これにより、装置が作動し始めてからのクリーニングユニット20の温度変化も緩やかになり、クリーニング不良が起こしにくくなる。
また、本実施形態によれば、クリーニングユニット20と廃トナータンク60とが一体に構成される。クリーニングユニット20と廃トナータンク60とを別体で構成する場合に比べ、着脱時の廃トナーによる汚染を防止できる。また、クリーニングユニット20と廃トナータンク60とを一体に構成しても、上述したように冷却ファン61の送風による廃トナーの飛散を防止でき、且つ廃トナーにより廃トナータンク60が重たくなっても、クリーニングユニット20の転倒を防止できる。
また、本実施形態によれば、クリーニングユニット20は中間転写ベルト12を張架するローラであるテンションローラ14により位置決めされる。クリーニングユニット20は、中間転写ベルト12等の寿命とは関係なく着脱が可能である。また、閉塞部材62が弾性体であれば、上述したようにクリーニングユニット20の着脱の際、クリーニングユニット20を傷つけることがない。
また、本実施形態によれば、クリーニングユニット20はテンションローラ14により位置決めされる。テンションローラ14は中間転写ベルト12の環境変動による伸縮等により位置が変動してしまうため、クリーニングユニット20と閉塞部材とが干渉する場合もあるが、閉塞部材62が弾性体であれば、上述したように閉塞部材62が緩衝材となってクリーニングユニットを傷つけることがない。
また、本実施形態によれば、被清掃体がトナー像を担持する感光体ベルトであった場合も、上述したように省スペースで機内を効率よく冷却でき、且つ廃トナーの飛散やクリーニング不良等の不具合を防止できる。
また、本実施形態によれば、現像装置4や光書込ユニット6に具備される駆動モータ等の発熱体が冷却ファン61によって効率よく冷却される。よって、これら発熱体の熱による、トナー凝集等の形成画像の品質低下や騒音の発生等の不具合を防止できる。