JP5332763B2 - 制御装置および温度調節器 - Google Patents

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Description

本発明は、制御対象の温度や圧力などの物理状態を制御する制御装置、制御対象の温度を制御する温度調節器、および、目標値を加工して後段の制御装置に与える目標値加工装置に関する。
従来、干渉のある多点制御系では、制御系に干渉を除去する手段を付加して非干渉化する場合がある(例えば、非特許文献1参照)。
図11は、従来の非干渉化制御の構成の一例を示すブロック図であり、3チャンネルの温度制御の例を示している。
温度調節器1aは、制御対象2の3つの制御点に対応する検出温度PV1〜PV3と各チャンネルの目標温度SP1〜SP3との偏差に基づいて、各チャンネルの操作量をそれぞれ演算するPID制御部3と、PID制御部3からの操作量に、後述の制御対象2の干渉の度合いを示す行列(以下「干渉行列」ともいう)Gpの逆行列Gp−1を乗算して非干渉化する非干渉化部4aと、操作量を0〜100%に制限する操作量リミッタ5とを備えており、各チャンネルに対応する操作量MV1〜MV3を制御対象2に与える。
制御対象2として、各チャンネルに対応する一次遅れ要素2−1〜2−3を想定し、各チャンネルに対応する操作量MV1〜MV3が、制御対象2の干渉を示す干渉要素6によって干渉して各一次遅れ要素2−1〜2−3に、操作量u1〜u3がそれぞれ与えられる。
干渉要素6が、例えば、図12に示すように干渉する場合に、制御対象2の各一次遅れ要素2−1〜2−3に与えられる操作量u1〜u3は、温度調節器1aから出力される操作量MV1〜MV3と、制御対象2の干渉の度合いを示す干渉要素6の干渉行列Gpとを用いて次式で示される。
Figure 0005332763
図12の例では、制御対象2の干渉行列Gpは、
Figure 0005332763
となる。
この干渉行列Gpは、一般的に知られているように、例えば、入力データと出力データの関係を最小二乗法で解くことによって得ることができ、例えば、PID制御部3のPIDパラメータを求めるオートチューニングの時に併せて求めることができる。
千本資、花渕 太『計装システムの基礎と応用』459頁(オーム社、1987)
上述の非干渉化部4aの逆行列Gp−1を干渉行列Gpから算出する際に、行列式で割ることになるが、制御対象2の干渉が大きいような場合には、その行列式の値が0に近くなり、その結果、逆行列Gp−1に、絶対値の大きな要素が生じることになり、かかる絶対値の大きな要素を含む逆行列Gp−1に、PID制御部3からの操作量を乗算して非干渉化しようとすると、操作量が飽和して発振したり、定常偏差が残って制御性能が悪化してしまう。
また、制御対象の干渉が大きいような場合には、干渉行列Gpの逆行列Gp−1の行に、負の絶対値の大きな要素が生じてその行の各項の総和が負になると、前記行に対応するチャンネルの操作量は、負の操作量となるが、実際の加熱制御では負の操作量を出力することができず、温度が上昇し、操作量が飽和して定常偏差が発生してしまう。
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、非干渉化による制御性能の悪化を改善することを目的とする。
(1)本発明の制御装置は、制御対象の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの複数の検出出力に基づいて、複数の操作量をそれぞれ演算する物理状態制御手段と、前記複数の操作量を、干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、それぞれ変換する非干渉化手段とを備える制御装置であって、前記非干渉化手段の前記逆行列を補正する補正手段を備え、前記非干渉化手段は、前記補正手段で補正された補正逆行列を用いて前記複数の操作量をそれぞれ変換するものである。
物理状態とは、温度 、圧力、流量、速度あるいは液位などの様々な物理量の状態をいう。
検出出力とは、制御対象の物理状態を検出する検出手段の出力をいい、例えば、検出温度、検出圧力、検出流量などをいう。
干渉の度合いとは、操作量と制御量との間の他のチャンネルによる影響の度合いをいう。
この干渉の度合いを示す行列は、干渉行列、好ましくは、干渉ゲイン行列と称することができる。
本発明の制御装置によると、非干渉化に用いる逆行列を補正する補正手段を備えているので、干渉が大きいために、前記逆行列に、絶対値の大きな項や各項の総和が負になる行などの不所望な項が生じるような場合には、それを補正することができ、これによって、前記不所望な項に起因する操作量の発振や定常偏差を抑制して制御性能を改善することが可能となる。
(2)本発明の制御装置の一つの実施形態では、前記補正手段は、前記干渉の度合いを示す行列を干渉の度合いを小さくする方向に補正した補正行列に対する逆行列を、前記補正逆行列としている。
干渉の度合いを小さくする方向とは、干渉の度合いを弱める方向をいい、干渉の度合いを零、すなわち、干渉がないと補正してもよく、この場合には、非干渉化制御を行わないことになる。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列を、干渉を小さくする方向に補正し、この補正した行列の逆行列を補正逆行列とするので、干渉が大きいことによって、干渉の度合いを示す行列の逆行列に生じていた不所望な項が補正されることになる。
(3)本発明の制御装置の他の実施形態では、前記補正手段による補正の要否を判定する判定手段を備えている。
判定手段では、例えば、数値演算上、逆行列が算出できない、すなわち、コンピュータで表現できる数を超えているときには、補正が必要であると判定するのが好ましい。また、操作量が飽和するときには、補正が必要であると判定するようにしてもよい。
この実施形態によると、判定手段によって補正の要否を判定するので、干渉の度合いを示す行列の逆行列に、不所望な項が生じない場合には、補正をすることなく、十分な非干渉化を図ることができる一方、不所望な項が生じるような場合には、それを補正して制御性能が悪化するのを抑制することができる。
(4)上記(3)の実施形態では、前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列または前記干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、前記補正の要否を判定するようにしてもよい。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、補正の要否を判定してもよいし、逆行列を算出することなく、干渉の度合いを示す行列に基づいて補正の要否を判定してもよい。
(5)本発明の温度調節器は、制御対象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの複数の検出温度に基づいて、複数の操作量をそれぞれ演算する温度制御手段と、前記複数の操作量を、干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、それぞれ変換する非干渉化手段とを備える温度調節器であって、前記非干渉化手段の前記逆行列を補正する補正手段を備え、前記非干渉化手段は、前記補正手段で補正された補正逆行列を用いて前記複数の操作量をそれぞれ変換するものである。
本発明の温度調節器によると、非干渉化に用いる逆行列を補正する補正手段を備えているので、干渉が大きいために、前記逆行列に、不所望な値の項が生じたような場合には、それを補正することができ、これによって、前記不所望な項に起因する操作量の発振や定常偏差を抑制して制御性能を改善することが可能となる。
(6)本発明の温度調節器の一つの実施形態では、前記補正手段は、前記干渉の度合いを示す行列を干渉の度合いを小さくする方向に補正した補正行列に対する逆行列を、前記補正逆行列としている。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列を、干渉を小さくする方向に補正し、この補正した行列の逆行列を補正逆行列とするので、干渉が大きいことによって、干渉の度合いを示す行列の逆行列に生じていた不所望な項が補正されることになる。
(7)上記(6)の実施形態では、前記補正手段は、前記干渉の度合いを示す行列の対角項以外の項に、予め定めた0以上1未満の係数を乗じて前記補正行列としてもよい。
前記係数は、ユーザが設定できるようにしてもよい。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列の対角項以外の項に、0以上1未満の係数を乗じることによって、干渉を小さくする方向に補正することができる。
(8)上記(6)の実施形態では、前記補正手段は、前記干渉の度合いを示す行列の対角項以外の項を0として前記補正行列としてもよい。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列の対角項以外の項を0とする、すなわち、干渉がないと補正してもよく、この場合には、非干渉化制御を行わないことになる。
(9)本発明の温度調節器の他の実施形態では、前記補正手段による補正の要否を判定する判定手段を備えている。
この実施形態によると、判定手段によって補正の要否を判定するので、干渉の度合いを示す行列の逆行列に、不所望な項が生じない場合には、補正をすることなく、十分な非干渉化を図ることができる一方、不所望な項が生じるような場合には、それを補正して制御性能が悪化するのを抑制することができる。
(10)上記(9)の実施形態では、前記判定手段による判定結果を、外部に出力する出力部を備えてもよい。
外部では、この出力部の出力に基づいて、補正が必要であるときには、それをユーザに知らせる警報部を設けるのが好ましい。また、温度調節器自体で、判定結果を、例えば、表示出力するようにしてもよい。
この実施形態によると、判定結果を外部に出力するので、ユーザは、干渉が大きいために補正が必要となった場合には、それを把握できることになり、例えば、本来、干渉が大きくない制御対象であるにも拘らず、補正が必要であるとの出力が得られた場合には、誤配線、ヒータの容量やその配置等の設定が適切でない可能性があるとして、ユーザに注意を喚起することができる。
(11)上記(9)または(10)の実施形態では、前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列または前記干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、前記補正の要否を判定してもよい。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、補正の要否を判定してもよいし、逆行列を算出することなく、干渉の度合いを示す行列に基づいて補正の要否を判定してもよい。
(12)上記(11)の実施形態では、前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列の各行における対角項以外の項の総和と、その行における対角項との比に基づいて、前記補正の要否を判定してもよい。
(前記各行における対角項以外の項の総和)/(その行における対角項)は、干渉の度合いに応じた値となり、この値と閾値とを比較し、閾値以上であるときに、補正が必要であると判定するのが好ましい。
前記閾値は、1以上であるのが好ましい。
上記(6)の実施形態において、補正手段の係数は、(その行における対角項)/(前記各行における対角項以外の項の総和)の内、最小のものに比例する値とするのが好ましい。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列に基づいて、補正の要否を判定するので、逆行列を算出して判定する必要がなく、逆行列を算出するための演算処理が不要となる。
(13)上記(11)の実施形態では、前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列の逆行列に、予め定めた閾値以上の絶対値の項が含まれるか否かに基づいて、前記補正の要否を判定してもよい。
前記閾値は、1以上であるのが好ましく、制御点数、すなわち、チャンネル数が多い程、大きく設定するのが好ましい。また、この閾値は、干渉の度合いを示す行列の対角項の積の逆数より大きく設定してもよい。
前記閾値を、ユーザが設定できるようにしてもよい。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列の逆行列に、絶対値の大きな項が含まれているか否かによって補正の要否を判定することができる。
(14)上記(11)または(13)の実施形態では、前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列の逆行列の各行における各項の総和に基づいて、前記補正の要否を判定してもよい。
前記逆行列に、前記各項の総和が予め定めた閾値以下となる行が含まれていたときに、補正が必要であると判定するのが好ましい。
また、前記閾値は、例えば、0.1以下の正数としてもよいし、0としてもよい。
この実施形態によると、干渉の度合いを示す行列の逆行列の各行における各項の総和に基づいて、補正の要否を判定するので、逆行列の行に、例えば、負の絶対値の大きな要素が生じてその行の各項の総和が負になるような場合には、補正をすることが可能となる。
本発明によれば、非干渉化に用いる逆行列を補正する補正手段を備えているので、干渉が大きいために、前記逆行列に、不所望な値の項が生じたような場合には、それを補正することができ、これによって、前記不所望な項に起因する操作量の発振や定常偏差を抑制して制御性能を改善することが可能となる。
本発明の一つの実施の形態に係る温度調節器を備える温度制御システムのブロック図である。 図1の実施形態の動作説明に供するフローチャートである。 従来例の検出温度および操作量のシミュレーション結果を示す図である。 図3の従来例に対応する実施形態のシミュレーション結果を示す図である。 従来例の検出温度および操作量のシミュレーション結果を示す図である。 図5の従来例に対応する実施形態のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の他の実施形態の温度制御システムのブロック図である。 本発明の更に他の実施形態の動作説明に供するフローチャートである。 本発明の他の実施形態の温度制御システムのブロック図である。 本発明の更に他の実施形態の温度制御システムのブロック図である。 従来例のブロック図である。 制御対象の干渉の度合いを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一つの実施形態の温度調節器を備える温度制御システムの概略構成図であり、上述の図11に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態の温度調節器1は、制御対象2の3つの制御点に対応する検出温度PV1〜PV3と各チャンネルの目標温度SP1〜SP3の偏差に基づいて、各チャンネルの操作量をそれぞれ演算するPID制御部3と、PID制御部3からの各チャンネルの操作量に、制御対象2の干渉の度合いを示す干渉行列Gpの逆行列Gp−1を乗算して操作量を変換する非干渉化部4と、非干渉化部4からの操作量を0〜100%に制限する操作量リミッタ5とを備えており、各チャンネルに対応する操作量MV1〜MV3を制御対象2に出力する。
制御対象2として、各チャンネルに対応する一次遅れ要素2−1〜2−3を想定し、各チャンネルに対応する操作量MV1〜MV3が、制御対象2の干渉を示す干渉要素6によって干渉して各一次遅れ要素2−1〜2−3に、操作量u1〜u3がそれぞれ与えられる。
PID制御部3、非干渉化部4および操作量リミッタ5等は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。
以上の構成は、上述の従来例と同様である。
この実施形態では、非干渉制御による制御性能の悪化を改善するために、PID制御部3のPIDパラメータおよび干渉行列Gpを求めるオートチューニング時に、必要に応じて干渉行列Gpの逆行列Gp−1を補正できるようにしている。
すなわち、この実施形態の温度調節器1は、オートチューニング時に、干渉行列Gpの逆行列Gp−1を補正する必要があるか否かを判定する判定部7と、判定部7の判定結果に応じて、干渉行列Gpの逆行列Gp−1を補正して、あるいは、補正することなく、非干渉化部4に設定する補正部8とを備えている。
判定部7は、干渉行列Gpからその逆行列Gp−1を算出し、算出した逆行列Gp−1と予め設定された閾値とに基づいて、逆行列Gp−1を補正する必要があるか否かを判定する。補正部8は、判定部7で補正の必要があると判定されたときには、干渉行列Gpを補正し、この補正した補正干渉行列Gp’の逆行列Gp’−1を算出し、この算出した逆行列Gp’−1を補正逆行列Gp’−1として非干渉化部4に設定し、補正の必要がないと判定されたときには、干渉行列Gpの逆行列Gp−1をそのまま非干渉化部4に設定する。
判定部7および補正部8等は、上述のマイクロコンピュータによって構成される。
図2は、上述の判定部7および補正部8の処理を説明するためのフローチャートであり、同図(a)は、上述の逆行列Gp−1に、絶対値の大きな要素が生じた場合に対する処理Aであり、同図(b)は、逆行列Gp−1の行に、負の絶対値の大きな要素が生じて、行の和が負となる場合に対する処理Bである。
処理Aでは、先ず、図2(a)に示すように、干渉行列Gpの逆行列Gp−1の要素の内、最大の絶対値を、gp−1maxとし(ステップn101)、gp−1maxが閾値、例えば、10以上であるか否かを判定し(ステップn102)、10以上でないときには、逆行列GP−1の補正の必要はないとして、次の処理に移る。
ステップn102において、gp−1maxが10以上であるときには、逆行列Gp−1の補正が必要であるとして、干渉行列Gpの対角項以外の要素を全てゼロにして補正干渉行列Gp’とし(ステップn103)、その補正干渉行列Gp’の逆行列を再計算して、補正した逆行列Gp’−1として次の処理に移行する(ステップn104)。
このように干渉行列Gpの逆行列Gp−1の要素に、絶対値の大きなものがあるときには、干渉行列Gpの対角項以外の要素を全てゼロにする、すなわち、干渉がないものとして処理する。これによって、干渉が大きいような場合に逆行列Gp−1の要素に、絶対値の大きなものが生じて、操作量が飽和して発振したり、定常偏差が生じるのを改善することができる。
また、処理Bでは、図2(b)に示すように、干渉行列Gpの逆行列Gp−1の各行の項の和の最小値を、gp−1minとし(ステップn201)、gp−1minが閾値、例えば、0以下であるか否か判定し(ステップn202)、0以下でないときには、補正は必要ないとして次の処理に移る。
ステップn202において、0以下であるときには、逆行列Gp−1の補正が必要であるとして、干渉行列Gpの対角項以外の要素を全てゼロにして補正干渉行列Gp’とし(ステップn203)、その補正干渉行列Gp’の逆行列を再計算して、補正した逆行列GP’−1として次の処理に移行する(ステップn204)。
このように干渉行列の逆行列Gp−1の各行の和の最小値gp−1minが0以下であるときには、干渉行列Gpの対角項以外の要素を全てゼロにする、すなわち、干渉がないものとして処理する。これによって、干渉が大きいような場合に、逆行列Gp−1の行に、負の絶対値の大きな要素が生じて、その行の和が負となって、対応するチャンネルの操作量が飽和したり、定常偏差が生じるのを改善することができる。
なお、この実施形態では、図2(a)の処理Aを実行した後、図2(b)の処理Bを実行するようにしている。
この実施形態では、干渉行列Gpの対角項以外の要素を全てゼロにしたけれども、本発明の他の実施形態として、干渉行列Gpの対角項以外の要素を小さな値にする、例えば、0以上1未満の係数値を乗じて小さな値にしてもよいし、あるいは、ステップn102において、gp−1maxが10未満になるまで、または、ステップn202において、逆行列Gp−1の各行の和の最小値gp−1minが正になるまで、干渉行列Gpの対角項以外の要素に係数を繰り返し乗じて小さな値にしてもよい。
図3は、干渉行列Gpの逆行列Gp−1に絶対値の大きな要素がある場合の従来例のシミュレーションであり、図4は、上述の処理Aを行なった実施形態のシミュレーションであり、4チャンネルの例を示している。各図において、(a)は各チャンネルの検出温度PV1〜PV4の変化を、(b)は各チャンネルの操作量の変化をそれぞれ示している。
各図において、設定条件は、下記の表1に示す通りである。
Figure 0005332763
表1の干渉設定(干渉行列Gp)に示すように干渉が大きい場合には、この干渉行列Gpの逆行列Gp−1は、次のように絶対値の大きな要素を含むことになる。
Figure 0005332763
このため、図3(b)に示すように各チャンネルの操作量が発振し、図3(a)に示すように、目標温度(SP)100℃に対して30℃以上の定常偏差が生じている。
これに対して、この実施形態では、表1に示すように、干渉行列Gpの対角項以外の要素を全てゼロにするので、この補正した干渉行列Gp’の逆行列Gp’−1は、次のように絶対値の大きな要素がなくなる。
Figure 0005332763
このため、図4(b)に示すように各チャンネルの操作量が発振することもなく、図4(a)に示すように各チャンネルの検出温度PV1〜PV4が目標温度(SP)100℃に追従している。
また、図5は、干渉行列Gpの逆行列Gp−1の行の和が負になる場合の従来例のシミュレーションであり、図6は、上述の処理Bを行なった実施形態のシミュレーションであり、3チャンネルの例を示している。各図において、(a)は各チャンネルの検出温度PV1〜PV3の変化を、(b)は各チャンネルの操作量の変化をそれぞれ示している。
各図において、設定条件は、下記の表2に示す通りである。
Figure 0005332763
表2の干渉設定(干渉行列Gp)に示すように干渉が大きい場合には、この干渉行列の逆行列Gp−1は、次のように、その和が負となる行を含んでいる。
Figure 0005332763
このため、図5(b)に示すように各チャンネルの操作量が飽和し、図5(a)に示すように、100℃の目標温度SPに対して定常偏差が生じている。
なお、上記干渉行列の逆行列Gp−1には、絶対値の大きな項も含んでいるが、平均操作量が負の大きな値であるにも拘らず、正の操作量を出力しているチャンネルがあるので、負の要素のある逆行列が主要な原因であることが分る。
これに対して、この実施形態では、表2に示すように、干渉行列Gpの対角項以外の要素を全てゼロにするので、この補正した干渉行列Gp’の逆行列Gp’−1は、次のように、その和が負となる行を含んでいない。
Figure 0005332763
このため、図6(b)に示すように操作量の飽和を防止することができ、図6(a)に示すように定常偏差が小さくなっている。
(実施形態2)
図7は、本発明の他の実施形態の温度調節器を備える温度制御システムの概略構成図であり、上述の図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態では、本件出願人が、例えば、特願1999−215061「制御装置、温度調節器および熱処理装置」(特開2000−187514)として提案し、特許第3278807号として登録された、いわゆる傾斜温度制御に適用したものである。
この傾斜温度制御は、制御対象2からの温度を、代表的な温度、例えば、平均温度と、温度差である傾斜温度とに変換し、これら平均温度および傾斜温度を、制御量として制御を行なうものである。
この実施の形態の温度調節器1−1は、制御対象2からの三つの検出温度PV1〜PV3を、モード変換行列Gmに従って平均温度と傾斜温度とに変換する第1のモード変換部9と、各チャンネルの目標温度SP1〜SP3を、一つの目標平均温度と二つの目標傾斜温度とに変換する第2のモード変換部10と、平均温度と目標平均温度との偏差または傾斜温度と目標傾斜温度との偏差に基づいて、操作量をそれぞれ演算出力するPID制御部3と、PID制御部3からの操作量を、非干渉化するように各チャンネルに配分する前置補償部11と、操作量を0〜100%に制限する操作量リミッタ5とを備えており、各チャンネルに対応する操作量MV1〜MV3を制御対象2に出力する。
制御対象2の構成は、上述の実施形態と同様であり、前置補償部11は、モード変換行列Gmの逆行列Gm−1に従ってモード逆変換を行うモード逆変換部12と、上述の実施形態と同様に、干渉行列Gpの逆行列Gp−1を乗算して操作量を変換する非干渉化部4とを備えている。
その他の構成は、上述の実施形態と同様である。
(その他の実施形態)
上述の各実施形態では、干渉行列Gpの逆行列Gp−1に基づいて、補正の要否を判定したので、補正が必要な場合には、再度、補正した逆行列Gp’−1を算出しなければならず、演算処理が増大することになる。
そこで、本発明の他の実施形態として、干渉行列Gpに基づいて、補正の要否を判定するようにしてもよい。
図8は、この場合の処理を示すフローチャートである。
先ず、閾値Lおよび比例定数kを設定する。例えば、いずれも1を設定する(ステップn301)。干渉行列Gpの各行について、干渉項(対角項以外の項)の総和/対角項を算出し、その内、最大の値をgpmaxとする(ステップn302)。次に、k/gpmaxを補正係数mとし(ステップn303)、gpmaxが閾値L以上であるか否かを判定し(ステップn304)、閾値L以上でないときには、補正は必要ないとして次の処理に移る。
ステップn304において、閾値L以上であるときには、干渉が大きく、補正が必要であるとして、干渉行列Gpの対角項以外の項である干渉項に補正係数mを乗じて補正し(ステップn305)、補正した補正干渉行列Gp’の逆行列を再計算して補正逆行列Gp’−1とし(ステップn306)、次の処理に移る。
この場合の具体的な数値例を説明する。干渉行列Gpを、例えば、次式とする。
Figure 0005332763
この場合、干渉行列の2行目が、gpmax=(0.75+0.75)/1=1.5
となる。
したがって、補正係数m=k/gpmax=1/1.5となる。
また、gpmax=1.5≧L=1
が成り立ち、補正が必要となり、補正係数mを、干渉行列Gpの干渉項に乗じて補正する。ここでは、干渉項の値を、比例定数k=1と同じ程度に干渉を弱めるように補正している。
したがって、補正後の干渉行列Gp’は、次のようになる。
Figure 0005332763
因みに、補正前の干渉行列Gpの逆行列Gp−1は、次のようになり、
Figure 0005332763
補正後の干渉行列の逆行列Gp’−1は、次のようになる。
Figure 0005332763
また、本発明の他の実施形態として、図9に示すように、上述の図1の温度調節器1と同様の構成を、目標値を加工する目標値加工装置として用い、温度調節器1からの操作量MV1〜MV3を、後段の温度調節器の各チャンネルに対応する各PID制御部3’の目標値SP1’〜SP3’として与え、各PID制御部3’の操作量MV1’〜MV3’によって制御対象2を制御するようにしてもよい。
また、図10に示すように、上述の図7の温度調節器1−1と同様の構成を、目標値を加工する目標値加工装置として用い、温度調節器1からの操作量MV1〜MV3を、後段の温度調節器の各チャンネルに対応する各PID制御部3’の目標値SP1’〜SP3’として与え、各PID制御部3’の操作量MV1’〜MV3’によって制御対象2を制御するようにしてもよい。
このように目標値加工装置で非干渉化を図ることにより、後段の温度調節器は、非干渉化機能を備えていない汎用の温度調節器を用いることができる。
上述の実施形態では、加熱制御に適用して説明したけれども、本発明は、冷却制御にも同様に適用できるのは勿論である。
本発明は、温度制御に限らず、圧力、流量、速度あるいは液位などの他の物理状態の制御に適用することもできる。
本発明は、複数チャンネルの温度制御などに有用である。
1,1−1 温度調節器
2 制御対象
3,3’ PID制御部
4 非干渉化部
7 判定部
8 補正部

Claims (8)

  1. 制御対象の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの複数の検出出力に基づいて、複数の操作量をそれぞれ演算する物理状態制御手段と、前記複数の操作量を、干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、それぞれ変換する非干渉化手段とを備える制御装置であって、
    前記非干渉化手段の前記逆行列を補正する補正手段と、前記補正手段による補正の要否を判定する判定手段とを備え、
    前記非干渉化手段は、前記補正手段で補正された補正逆行列を用いて前記複数の操作量をそれぞれ変換し、
    前記補正手段は、前記干渉の度合いを示す行列を干渉の度合いを小さくする方向に補正した補正行列に対する逆行列を、前記補正逆行列とし、
    前記補正手段は、前記干渉の度合いを示す行列の対角項以外の項に、予め定めた0以上1未満の係数を乗じて前記補正行列とすることを特徴とする制御装置。
  2. 前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列または前記干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、前記補正の要否を判定する請求項に記載の制御装置。
  3. 制御対象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの複数の検出温度に基づいて、複数の操作量をそれぞれ演算する温度制御手段と、前記複数の操作量を、干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、それぞれ変換する非干渉化手段とを備える温度調節器であって、
    前記非干渉化手段の前記逆行列を補正する補正手段と、前記補正手段による補正の要否を判定する判定手段とを備え、
    前記非干渉化手段は、前記補正手段で補正された補正逆行列を用いて前記複数の操作量をそれぞれ変換し、
    前記補正手段は、前記干渉の度合いを示す行列を干渉の度合いを小さくする方向に補正した補正行列に対する逆行列を、前記補正逆行列とし、
    前記補正手段は、前記干渉の度合いを示す行列の対角項以外の項に、予め定めた0以上1未満の係数を乗じて前記補正行列とすることを特徴とする温度調節器。
  4. 前記判定手段による判定結果を、外部に出力する出力部を備える請求項に記載の温度調節器。
  5. 前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列または前記干渉の度合いを示す行列の逆行列に基づいて、前記補正の要否を判定する請求項またはに記載の温度調節器。
  6. 前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列の各行における対角項以外の項の総和と、その行における対角項との比に基づいて、前記補正の要否を判定する請求項に記載の温度調節器。
  7. 前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列の逆行列に、予め定めた閾値以上の絶対値の項が含まれるか否かに基づいて、前記補正の要否を判定する請求項に記載の温度調節器。
  8. 前記判定手段は、前記干渉の度合いを示す行列の逆行列の各行における各項の総和に基づいて、前記補正の要否を判定する請求項またはに記載の温度調節器。
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