JP5332728B2 - 車両接地面摩擦状態推定装置及びその方法 - Google Patents

車両接地面摩擦状態推定装置及びその方法 Download PDF

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Description

本発明は、車輪接地面の摩擦状態或いは車輪の路面グリップ状態を推定する技術に関する。
従来技術として、路面摩擦係数推定器と路面摩擦係数が異なる複数のタイヤモデルを有し、推定した路面摩擦係数に合わせて使用するタイヤモデルを切り換えて、それにより選択したタイヤモデルを用いて車両挙動(主に車体速度)を推定するものがある。
特公平6−78736号公報
しかしながら、路面摩擦係数の変化に合わせて複数のタイヤモデルを切り換えるため、このタイヤモデルから得る車両挙動等の推定対象の値の推定精度が低くなる。このことは、路面摩擦係数に対応する推定対象の値の推定精度が低くなっているとも言える。
本発明の課題は、路面摩擦係数に対して高い精度で推定対象の値を得ることである。
前記課題を解決するために、本発明は、第1入力手段が入力設定した路面摩擦係数である第1入力値、及び第2入力手段が入力設定したタイヤ力又はスリップ度の何れか一方である第2入力値を基に、タイヤモデルから第1入力手段が入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を出力手段により出力する。
ここで、タイヤ力はタイヤの横力であり、スリップ度はタイヤのスリップ角であるか、若しくは、タイヤ力はタイヤの制駆動力であり、スリップ度はタイヤのスリップ率である。そして、タイヤモデルは、基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度との相関関係で成立するタイヤ特性をモデル化したものであり、基準路面でのタイヤ力と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力との比、又は基準路面でのスリップ度と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのスリップ度との比が、基準路面摩擦係数と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数との比を示す特性を有する。
また、出力手段は、第2入力手段が入力設定した第2入力値に、基準路面摩擦係数を第1入力手段が入力設定した第1入力値で除した値を掛け算して基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を得て、タイヤモデルに従い、掛け算して得た基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方に対応する基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得て、その得た基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方に、第1入力手段が入力設定した第1入力値を基準路面摩擦係数で除した値を掛け算して第1入力手段で入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得る。
本発明によれば、路面摩擦係数、及び該路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方、並びに唯一のタイヤモデルを基に、その路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を推定できる。
これにより、路面摩擦係数に対して高い精度で推定対象となるタイヤ力やスリップ度を得ることができる。
前提となる技術を説明するために使用した図であり、車輪のスリップ率λと車輪の制駆動力Fxとの間に成立するタイヤ特性曲線(Fx−λ特性曲線)を示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、各路面μのタイヤ特性曲線(Fx−λ特性曲線)及び摩擦円を示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、各路面μのタイヤ特性曲線(Fx−λ特性曲線)について、該タイヤ特性曲線の原点を通る直線との交点での接線の傾きを示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、各路面μのタイヤ特性曲線(Fx−λ特性曲線)について、該タイヤ特性曲線の原点を通る直線との交点での接線の傾きを示す他の特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、路面μが異なるタイヤ特性曲線について得られる制駆動力Fx同士の比、スリップ率λ同士の比、又は線長同士の比と、路面μの比とが等しくなることを示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、路面μが異なる路面で得た制駆動力Fxとスリップ率λとの関係を示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、スタッドレスタイヤについて、路面μが異なる路面で得た制駆動力Fxとスリップ率λとの関係を示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、タイヤ特性曲線(Fx−λ特性曲線)の任意点の制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)と、該任意点でのタイヤ特性曲線の接線の傾き(μ勾配)とのプロット点の集合からなる特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、図8のプロット点から得た特性曲線(グリップ特性曲線)を示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、検出したスリップ率λを基に、基準路面のタイヤ特性曲線を参照して制駆動力Fxを得る構成を示す図である。 検出したスリップ率λを基に、基準路面のタイヤ特性曲線を参照して制駆動力Fxを得る手順を示す図である。 車輪のスリップ角βtと車輪の横力Fyとの間に成立するタイヤ特性曲線(Fy−βt特性曲線)を示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、各路面μのタイヤ特性曲線(Fy−βt特性曲線)及び摩擦円を示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、各路面μのタイヤ特性曲線(Fy−βt特性曲線)について、該タイヤ特性曲線の原点を通る直線との交点での接線の傾きを示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、各路面μのタイヤ特性曲線(Fy−βt特性曲線)について、該タイヤ特性曲線の原点を通る直線との交点での接線の傾きを示す他の特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、路面μが異なるタイヤ特性曲線について得られる横力Fy同士の比、スリップ率λ同士の比、又は線長同士の比と、路面μの比とが等しくなることを示す特性図である。 前提となる技術を説明するために使用した図であり、タイヤ特性曲線(Fy−βt特性曲線)の任意点の横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)と、該任意点でのタイヤ特性曲線の接線の傾き(μ勾配)との関係(グリップ特性曲線)を示す特性図である。 検出したスリップ角βtを基に、基準路面のタイヤ特性曲線を参照して横力Fyを得る構成を示す図である。 検出したスリップ角βtを基に、基準路面のタイヤ特性曲線を参照して横力Fyを得る手順を示す図である。 本実施形態の車両の概略構成を示す図である。 車両挙動制御指令演算部の構成を示すブロック図である。 車両の力学モデル(線形2輪モデル)を説明するために使用した図である。 車両挙動制御指令演算部の処理手順を示すフローチャートである。 車両挙動制御指令演算部によるタイヤ横力推定の処理手順を示すフローチャートである。 検出した横力Fyを基に、基準路面のタイヤ特性曲線を参照してスリップ角βtを得る構成を示す図である。 検出した横力Fyを基に、基準路面のタイヤ特性曲線を参照してスリップ角βtを得る手順を示す図である。 検出した制駆動力Fxを基に、基準路面のタイヤ特性曲線を参照してスリップ率λを得る構成を示す図である。 検出した制駆動力Fxを基に、基準路面のタイヤ特性曲線を参照してスリップ率λを得る手順を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態の前提となる技術)
先ず、本実施形態の前提となる技術を説明する。
(1)車輪のスリップ率と車輪の制駆動力との関係
図1はタイヤ特性曲線を示す。このタイヤ特性曲線は、駆動輪のスリップ率λと駆動輪の制駆動力(又は前後力)Fxとの間に成立する一般的な相関関係を示す。例えば、マジックフォーミュラ(MagicFormula)といったタイヤモデルからタイヤ特性曲線を得る。ここで、制駆動力Fxは、タイヤから地面に作用する力である。また、制駆動力Fxが接地面において車輪に作用する車輪力に相当する。車輪のスリップ率λが車輪のスリップ度に相当する。
図1に示すように、タイヤ特性曲線では、スリップ率λと制駆動力Fxとの関係が、スリップ率λの絶対値が増加するに従い線形(直線関係)から非線形(曲線関係)に遷移する。すなわち、タイヤ特性曲線では、スリップ率λが零から所定の範囲内にある場合には、スリップ率λと制駆動力Fxとの間に線形関係が成り立つ。そして、タイヤ特性曲線では、スリップ率λ(絶対値)がある程度大きくなると(前記所定の範囲を超えると)、スリップ率λと制駆動力Fxとの関係が非線形関係になる。このように、タイヤ特性曲線は、線形部分と非線形部分とを有する。
このようなスリップ率λと制駆動力Fxとの間にある関係や線形関係から非線形関係への遷移は、タイヤ特性曲線の接線の傾きに着目すれば一目瞭然である。ここでいうタイヤ特性曲線の接線の傾きとは、スリップ率λの変化量と制駆動力Fxの変化量との比、すなわち、制駆動力Fxのスリップ率λに関する偏微分係数で示される値である。
ここで、図1に示すように、タイヤ特性曲線の原点を通る任意の直線a,b,c,d,…を描く。すると、タイヤ特性曲線に対して交わる任意の直線a,b,c,d,…との交点(同図中に○印で示す交点)でタイヤ特性曲線の接線の傾きを得ることができる。そして、タイヤ特性曲線の接線の傾きは各交点で異なるものとなる。このようなタイヤ特性曲線の接線の傾きに着目することで、スリップ率λと制駆動力Fxとの間にある関係や線形関係から非線形関係への遷移の状態を知ることができる。
これにより、タイヤの摩擦状態の推定も可能になる。例えば、図1に示すように、タイヤ特性曲線上で、非線形域でも線形域に近い位置x0にあれば、タイヤの摩擦状態が安定状態にあると推定できる。タイヤの摩擦状態が安定状態にあれば、例えばタイヤがその能力を発揮できるレベルにあると推定できる。又は車両が安定状態にあると推定できる。
図2は、各種路面μのタイヤ特性曲線と摩擦円を示す。図2(a)は、各種路面μのタイヤ特性曲線を示す。図2(b)〜(d)は、各路面μの摩擦円を示す。路面μは例えば0.2、0.5、1.0である。図2(a)に示すように、タイヤ特性曲線は、各路面μで定性的に同様な傾向を示す。また、図2(b)〜(d)に示すように、路面μが小さくなるほど摩擦円が小さくなる。すなわち、路面μが小さくなるほどタイヤが許容できる制駆動力が小さくなる。このように、タイヤ特性は、路面摩擦係数(路面μ)をパラメータとした特性となる。このようなことから、図2に示すように、路面摩擦係数の値に応じて、低摩擦の場合のタイヤ特性曲線、中摩擦の場合のタイヤ特性曲線、及び高摩擦の場合のタイヤ特性曲線等を得ることができる。
図3は、各種路面μのタイヤ特性曲線と該タイヤ特性曲線の原点を通る任意の直線b,c,dとの関係を示す。図3に示すように、前記図1と同様に、各種路面μのタイヤ特性曲線について、任意の直線b,c,dとの交点で接線の傾きを得る。すなわち、各種路面μでのタイヤ特性曲線について、直線bとの交点で接線の傾きをそれぞれ得る。各種路面μでのタイヤ特性曲線について、直線cとの交点で接線の傾きをそれぞれ得る。各種路面μでのタイヤ特性曲線について、直線dとの交点で接線の傾きをそれぞれ得る。その結果、同一直線との交点で得られる各種路面μのタイヤ特性曲線の接線の傾きが同一となる結果を得ることができる。
例えば、図4では、前記図3に示した直線cに着目している。図4に示すように、直線cとの交点での接線の傾きは各種路面μのタイヤ特性曲線で同一となる。すなわち、路面μがμ=0.2のタイヤ特性曲線との交点x1を示す制駆動力Fx1とスリップ率λ1との比(Fx1/λ1)を得る。また、路面μがμ=0.5のタイヤ特性曲線との交点x2を示す制駆動力Fx2とスリップ率λ2との比(Fx2/λ2)を得る。また、路面μがμ=1.0のタイヤ特性曲線との交点x3を示す制駆動力Fx3とスリップ率λ3との比(Fx3/λ3)を得る。そのようにして得た各値は同一値となる。そして、それら各交点x1,x2,x3での接線の傾きが同一値となる。
このように、路面μが異なっても、各タイヤ特性曲線について、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が同一になる値(λ,Fx)で接線の傾きが同一となる。また、各タイヤ特性曲線で制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が同一となる値(λ,Fx)に関し、異なるタイヤ特性曲線間で得られる制駆動力Fx同士の比又はスリップ率λ同士の比は、路面μの比と等しくなる。
図5を用いて、路面μが異なる各タイヤ特性曲線について、制駆動力Fx同士の比又はスリップ率λ同士の比と、その路面μの比とが等しくなることを説明する。図5には、路面μが異なる路面A(路面μ=μ)及び路面B(路面μ=μ)それぞれで得られるタイヤ特性曲線を示す。
図5に示すように、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が同一となる値(λ,Fx)(同図中に■印、●印でそれぞれ示す値)でそれぞれ得られる制駆動力a2と制駆動力b2との比(a2/b2)と、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)とは同一値になる。
また、同じく、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が同一となる値(λ,Fx)でそれぞれ得られるスリップ率a3とスリップ率b3との比(a3/b3)と、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)とは同一値になる。
このようなことから、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が同一となる値(λ,Fx)と原点(0,0)とをそれぞれ結んで得られる線長a1と線長b1との比(a1/b1)と、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)とは同一値になる。このことは、幾何学的に次のように証明できる。
路面Aのタイヤ特性曲線を用いて描ける三角形(a1,a2,a3を辺とする三角形)と路面Bのタイヤ特性曲線を用いて描ける三角形(b1,b2,b3を辺とする三角形)とは相似の三角形となる。このことから、a1とb1との比と、a2とb2との比と、a3とb3との比とは、それぞれ同一値になる(a1:b1=a2:b2=a3:b3)。そして、制駆動力Fxについてのa2とb2との比(a2/b2)及びスリップ率λについてのa3とb3との比(a3/b3)は、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)と同一値になる。よって、前述のように、線長a1と線長b1との比(a1/b1)と、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)とは同一値となる結論を得ることができる。
以上のように制駆動力Fx同士の比、スリップ率λ同士の比又は前記線長同士の比を知ることができれば、路面μの比を知ることができる。
図6は、路面μが異なる路面で得た制駆動力Fxとスリップ率λとの関係を示す。図6中、振動波形は、Dry路、Wet路及び低μ路で得た実測値を示す。また、点線は、それぞれの路面におけるタイヤ(ノーマルタイヤ)の特性曲線を示す。図6に示すように、路面μが異なる各路面におけるタイヤ特性曲線が、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)を維持しながらも、路面μが小さくなるほど制駆動力Fx及びスリップ率λが小さくなる。
図7は、スタッドレスタイヤについて、路面μが異なる路面で得た制駆動力Fxとスリップ率λとの関係を示す。図7中、振動波形は、Dry路、Wet路及び低μ路で得た実測値を示す。また、点線は、それぞれの路面におけるタイヤ特性曲線を示す。また、太線の点線は、ノーマルタイヤのタイヤ特性曲線を示す。
図7に示すように、路面μが異なる各路面におけるタイヤ特性曲線(細線の点線)が、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)を維持しながらも、路面μが小さくなるほど、制駆動力Fx及びスリップ率λが小さくなる。さらに、ノーマルタイヤのタイヤ特性曲線(太線の点線)の制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)と、スタッドレスタイヤのタイヤ特性曲線(細線の点線)の制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)とが、同一値となっている。すなわち、ノーマルタイヤのタイヤ特性曲線とスタッドレスタイヤのタイヤ特性曲線とは相似形状となる。つまり、スタッドレスタイヤのようにグリップ力やタイヤの表面形状等が異なる場合でも、ノーマルタイヤのタイヤ特性曲線の制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)と同一値となる。
図8は、タイヤ特性曲線の任意点の制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)と、該任意点でのタイヤ特性曲線の接線の傾き(∂制駆動力/∂スリップ率)との関係を示す。図8では、各路面μ(例えばμ=0.2、0.5、1.0)で得た値をプロットしている。図8に示すように、路面μにかかわらず、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)とタイヤ特性曲線の接線の傾きとが一定の関係を示している。
図9は、前記図8のプロット点を基に得た特性曲線を示す。図9に示すように、この特性曲線は、路面μにかかわらず、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)とタイヤ特性曲線の接線の傾きとが常に一定の関係があることを示すものとなる。
すなわち、乾燥アスファルト路面や凍結路面等、路面μが異なる路面であっても、この特性曲線は成立する。或いは、この特性曲線は、高摩擦係数を有する高摩擦路面用の高摩擦タイヤ特性曲線及び高摩擦係数より低い低摩擦係数を有する低摩擦路面用の低摩擦タイヤ特性曲線を含んでいると言える。このように図9に示す特性曲線は、図1と同様に、タイヤ特性曲線を示していると言える。しかし、図1と区別して、図9の特性曲線を例えばグリップ特性曲線と呼ぶこともできる。
この図9に示すように、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が小さい領域(小レシオ領域)では、タイヤ特性曲線の接線の傾きが負値となる。そして、この領域では、その比(Fx/λ)が大きくなるに従い、タイヤ特性曲線の接線の傾きが一旦減少してから増加に転じる。ここで、タイヤ特性曲線の接線の傾きが負値であることは、制駆動力のスリップ率に関する偏微分係数が負値であることを示す。
また、図9に示すように、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が大きい領域(大レシオ領域)では、グリップ特性曲線の接線の傾きが正値になる。そして、この領域では、その比(Fx/λ)が大きくなると、タイヤ特性曲線の接線の傾きが増加する。すなわち、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が大きい領域では、グリップ特性曲線は単調増加関数の形をしている。
ここで、タイヤ特性曲線の接線の傾きが正値であることは、制駆動力のスリップ率に関する偏微分係数が正値であることを示す。また、タイヤ特性曲線の接線の傾きが最大であることは、該接線の傾きがタイヤ特性曲線の線形領域のものあることを示す。なお、線形領域では、タイヤ特性曲線の接線の傾きは、制駆動力Fxとスリップ率λとの比にかかわらず、常に一定の値を示す。
このようにして得ることができるタイヤ特性曲線の接線の傾きは、グリップ特性パラメータ、タイヤのグリップ状態を表す変数又はタイヤが横方向に出せる力の飽和状態を表すパラメータとなる。具体的には、タイヤ特性曲線の接線の傾きが正値の場合、スリップ率λを増やすことでさらに大きい制駆動力Fxを発生させることができることを示す。そして、タイヤ特性曲線の接線の傾きが零又は負値の場合、スリップ率λを増加させても制駆動力Fxが増えることはなく、逆に低下する恐れがあることを示す。
なお、タイヤ特性曲線(図1)に対して偏微分計算を行い、連続的に描画することでグリップ特性曲線(図9)を得ることができる。
本願発明者は、以上に述べたように、各路面μのタイヤ特性曲線について、そのタイヤ特性曲線の原点を通る任意の一の直線とタイヤ特性曲線との交点で、接線の傾きが同一となる点を発見した。すなわち、各路面μのタイヤ特性曲線について、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が同一になる値(λ,Fx)で接線の傾きが同一となる点を発見した。
これにより、本願発明者は、路面μにかかわらず、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)とタイヤ特性曲線の接線の傾きとの関係がある特性曲線(グリップ特性曲線)として表せる結果を得た(図9)。この結果を利用することで、制駆動力Fxとスリップ率λとがわかれば、特性曲線(グリップ特性曲線)を基に、路面μの情報を必要とすることなく、タイヤの摩擦状態の情報を得ることができる。
また、本願発明者は、路面μが異なるタイヤ特性曲線で、制駆動力Fxとスリップ率λとの比(Fx/λ)が同一となる値(λ,Fx)での制駆動力Fx同士の比、スリップ率λ同士の比又は前記線長同士の比が、路面μの比と等しくなる点を発見した。
これにより、制駆動力Fx同士の比、スリップ率λ同士の比、又は線長同士の比がわかれば、路面μの比を知ることができる。本実施形態では、この関係を応用して、走行路面の路面μを検出又は推定することで、その走行路面での制駆動力Fxやスリップ率λを検出又は推定している。
次のような原理により、ある走行路面の路面μを検出又は推定することでその走行路面での制駆動力Fxやスリップ率λを検出又は推定することができる。
路面μ値μのタイヤ特性曲線(λ,Fx)と路面μ値μのタイヤ特性曲線(λ,Fx)との間には、相似の三角形の関係により、下記(1)式のような関係が成立する。
Fx:Fx=λ:λ=μ:μ ・・・(1)
この(1)式において、スリップ率λと路面μとの関係に着目すると、下記(2)式のような関係が成立する。
λ=λ・(μ/μ) ・・・(2)
この(2)式によれば路面μ値μの路面におけるスリップ率λが未知であるとしても、路面μ値μの路面におけるスリップ率λ、及び各路面μ値μ,μがわかれば、路面μ値μの路面におけるスリップ率λを得ることができる。
そして、路面μ値μの路面のタイヤ特性曲線がわかれば(路面μ値μの路面のタイヤ特性曲線を参照し)、そのようにして得たスリップ率λに対応する制駆動力Fxを得ることができる。
そして、前記(1)式において、今度は、制駆動力Fxと路面μとの関係に着目することで、制駆動力Fxを基に下記(3)式により、路面μ値μの路面における制駆動力Fxを算出できる。
Fx=Fx・(μ/μ) ・・・(3)
以上より、各路面μ値及び基準となるタイヤ特性曲線(ここでは路面μ値μの路面のタイヤ特性曲線)がわかれば、既知のスリップ率λ(検出又は推定スリップ率λ)から制駆動力Fxを求めることができる。さらに、これと同様な原理により、その反対に、既知の制駆動力Fxからスリップ率λを求めることができる。
図10及び図11を用いて、さらに具体的に説明する。図10は、前述の原理を実現する構成となる。
図10に示すように、検出したスリップ率λをμ/μ乗算部1に入力する(図11の手順(1))。μ/μ乗算部1に設定される路面μ値μや後述のμ/μ乗算部3に設定される路面μ値μは、スリップ率λを検出した走行路面の路面μ値(例えば0.6)である。そして、この路面μ値μは検出値又は推定値である。μ/μ乗算部1は、スリップ率λに(μ/μ)を乗算する(前記(2)式に対応)。そして、μ/μ乗算部1は、演算結果(λ・μ/μ)をタイヤ特性推定部2に出力する。
タイヤ特性推定部2は、路面μ値μのタイヤ特性曲線を有する。路面μ値μのタイヤ特性曲線は、基準路面のタイヤ特性曲線である。例えば、路面μ値μは、基準路面をDry路面と想定して1.0となる。また、タイヤ特性推定部2は、図11のような基準路面のタイヤ特性曲線をマップとして有する。この場合、マップは、基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度とをそれぞれ座標軸とする連続した線分からなる2次元マップとなる。
タイヤ特性推定部2は、演算結果(λ・μ/μ)を基に、基準路面のタイヤ特性曲線でのスリップ率λを得る(図11の手順(2))。
そして、タイヤ特性推定部2は、基準路面のタイヤ特性曲線からスリップ率λに対応する制駆動力Fxを得る。タイヤ特性推定部2は、そのようにして得た制駆動力Fxをμ/μ乗算部3に出力する。
μ/μ乗算部3は、制駆動力Fxに(μ/μ)を乗算し、その演算結果として制駆動力Fxを出力する(図11の手順(3)及び(4)、前記(3)式に対応)。
以上のように、基準路面のタイヤ特性曲線のデータを有することで、ある走行路面の路面μの検出値又は推定値、及びその走行路面でのスリップ率λの検出値に基づいて、その走行路面での制駆動力Fxを検出又は推定できる。
(2)車輪のスリップ角と車輪の横力との関係
図12はタイヤ特性曲線を示す。このタイヤ特性曲線は、車輪のスリップ角βtと車輪の横力Fyとの間に成立する一般的な相関関係を示す。例えば、タイヤモデルを実験データを基にチューニングすることで、前後輪それぞれで二輪分の等価特性図(タイヤ特性曲線)を得る。ここで、例えば、マジックフォーミュラ(MagicFormula)を基にタイヤモデルを構築している。横力Fyは、コーナリングフォースやサイドフォースに代表される値である。ここで、横力Fyは、タイヤから地面に作用する力である。また、横力Fyが接地面において車輪に作用する車輪力に相当する。車輪のスリップ角βtが車輪のスリップ度に相当する。
図12に示すように、タイヤ特性曲線では、スリップ角βtと横力Fyとの関係が、スリップ角βtの絶対値が増加するに従い線形から非線形に遷移する。すなわち、タイヤ特性曲線では、スリップ角βtが零から所定の範囲内にある場合には、スリップ角βtと横力Fyとの間に線形関係が成り立つ。そして、タイヤ特性曲線では、スリップ角βt(絶対値)がある程度大きくなると(前記所定の範囲を超えると)、スリップ角βtと横力Fyとの関係が非線形関係になる。このように、タイヤ特性曲線は、線形部分と非線形部分とを有する。
このようなスリップ角βtと横力Fyとの間にある関係や線形関係から非線形関係への遷移は、タイヤ特性曲線の接線の傾き(勾配)に着目すれば一目瞭然である。ここでいうタイヤ特性曲線の接線の傾きとは、スリップ角βtの変化量と横力Fyの変化量との比、すなわち、横力Fyのスリップ角βtに関する偏微分係数で示される値である。
ここで、図12に示すように、タイヤ特性曲線の原点を通る任意の直線a,b,c,d,…を描く。すると、タイヤ特性曲線に対して交わる任意の直線a,b,c,…との交点(図12中に○印で示す交点)でタイヤ特性曲線の接線の傾きを得ることができる。そして、タイヤ特性曲線の接線の傾きは各交点で異なるものとなる。このようなタイヤ特性曲線の接線の傾きに着目することで、スリップ角βtと横力Fyとの間にある関係や線形関係から非線形関係への遷移の状態を知ることができる。
これにより、タイヤの摩擦状態の推定も可能になる。例えば、図12に示すように、タイヤ特性曲線上で、非線形域でも線形域に近い位置x0にあれば、タイヤの摩擦状態が安定状態にあると推定できる。そして、タイヤの摩擦状態が安定状態であれば、例えばタイヤがその能力を発揮できるレベルにあると推定できる。又は車両が安定状態にあると推定できる。
図13は、各種路面μのタイヤ特性曲線と摩擦円を示す。図13(a)は、各種路面μのタイヤ特性曲線を示す。図13(b)〜(d)は、各路面μの摩擦円を示す。路面μは例えば0.2、0.5、1.0である。図13(a)に示すように、タイヤ特性曲線は、各路面μで定性的に同様な傾向を示す。また、図13(b)〜(d)に示すように、路面μが小さくなるほど摩擦円が小さくなる。すなわち、路面μが小さくなるほどタイヤが許容できる横力が小さくなる。このように、タイヤ特性は、路面摩擦係数(路面μ)をパラメータとした特性となる。よって、図13に示すように、路面摩擦係数の値に応じて、低摩擦の場合のタイヤ特性曲線、中摩擦の場合のタイヤ特性曲線、及び高摩擦の場合のタイヤ特性曲線等を得ることができる。
図14は、各種路面μのタイヤ特性曲線と原点を通る任意の直線a,b,cとの関係を示す。図14に示すように、前記図12と同様に、各種路面μのタイヤ特性曲線について、任意の直線a,b,cとの交点で接線の傾きを得る。すなわち、各種路面μでのタイヤ特性曲線について、直線aとの交点で接線の傾きをそれぞれ得る。各種路面μでのタイヤ特性曲線について、直線bとの交点で接線の傾きをそれぞれ得る。各種路面μでのタイヤ特性曲線について、直線cとの交点で接線の傾きをそれぞれ得る。その結果、同一直線との交点で得られる各種路面μのタイヤ特性曲線の接線の傾きが同一となる結果を得ることができる。
例えば、図15では、前記図14に示した直線cに着目している。図15に示すように、直線cとの交点での接線の傾きは各種路面μのタイヤ特性曲線で同一となる。すなわち、路面μがμ=0.2のタイヤ特性曲線との交点x1を示す横力Fy1とスリップ角βt1との比(Fy1/βt1)を得る。また、路面μがμ=0.5のタイヤ特性曲線との交点x2を示す横力Fy2とスリップ角βt2との比(Fy2/βt2)を得る。また、路面μがμ=1.0のタイヤ特性曲線との交点x3を示す横力Fy3とスリップ角βt3との比(Fy3/βt3)を得る。そのようにして得た各値は同一値となる。そして、各交点x1,x2,x3での接線の傾きが同一値となる。
このように、路面μが異なっても、各タイヤ特性曲線について、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が同一になる値(βt,Fy)において接線の傾きが同一となる。また、各タイヤ特性曲線で横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が同一となる値(βt,Fy)に関し、異なるタイヤ特性曲線で得られる横力Fy同士の比又はスリップ角βt同士の比は、路面μの比と等しくなる。すなわち、該横力Fy同士の比、又は該スリップ角βt同士の比が知ることができれば、路面μの比を知ることができる。
図16を用いて、路面μが異なる各タイヤ特性曲線について、横力Fy同士の比又はスリップ角βt同士の比と、その路面μの比とが等しくなることを説明する。図16には、路面μが異なる路面A(路面μ=μ)及び路面B(路面μ=μ)それぞれで得られるタイヤ特性曲線を示す。
図16に示すように、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が同一となる値(βt,Fy)(同図中に■印、●印でそれぞれ示す値)でそれぞれ得られる横力a2と横力b2との比(a2/b2)と、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)とは同一値になる。
また、同じく、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が同一となる値(βt,Fy)でそれぞれ得られるスリップ率a3とスリップ率b3との比(a3/b3)と、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)とは同一値になる。
このようなことから、路面Aで得られるタイヤ特性曲線と路面Bで得られるタイヤ特性曲線とで、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が同一となる値(βt,Fy)と原点(0,0)とをそれぞれ結んで得られる線長a1と線長b1との比(a1/b1)と、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)とは同一値になる。このことは、幾何学的に次のように証明できる。
路面Aのタイヤ特性曲線を用いて得られる三角形(a1,a2,a3を辺とする三角形)と路面Bのタイヤ特性曲線を用いて得られる三角形(b1,b2,b3を辺とする三角形)とは相似の三角形となる。このことから、a1とb1との比と、a2とb2との比と、a3とb3との比とは、それぞれ同一値になる(a1:b1=a2:b2=a3:b3)。そして、横力Fyについてのa2とb2との比及びスリップ角βtについてのa3とb3との比は、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)と同一値になる。よって、前述のように、線長a1と線長b1との比(a1/b1)と、路面Aの路面μ値μと路面Bの路面μ値μとの比(μ/μ)とは同一値となる結論を得ることができる。
図17は、タイヤ特性曲線の任意点の横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)と、該任意点でのタイヤ特性曲線の接線の傾き(∂Fy/∂βt)との関係を示す。図17に示すように、どの各路面μ(例えばμ=0.2、0.5、1.0)でも、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)とタイヤ特性曲線の接線の傾きとが一定の関係を示している。
すなわち、乾燥アスファルト路面や凍結路面等、路面μが異なる路面であっても、この特性曲線は成立する。或いは、この特性曲線は、高摩擦係数を有する高摩擦路面用の高摩擦タイヤ特性曲線及び高摩擦係数より低い低摩擦係数を有する低摩擦路面用の低摩擦タイヤ特性曲線を含んでいると言える。ここで、このように図17に示す特性曲線は、図12と同様に、タイヤ特性曲線を示していると言える。しかし、図12と区別して、図17の特性曲線を例えばグリップ特性曲線と呼ぶこともできる。
この図17に示すように、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が小さい領域(小レシオ領域)では、タイヤ特性曲線の接線の傾きが負値となる。そして、この領域では、その比(Fy/βt)が大きくなるに従い、タイヤ特性曲線の接線の傾きが一旦減少してから増加に転じる。ここで、タイヤ特性曲線の接線の傾きが負値であることは、横力のスリップ角に関する偏微分係数が負値であることを示す。
また、図17に示すように、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が大きい領域(大レシオ領域)では、タイヤ特性曲線の接線の傾きが正値になる。そして、この領域では、その比(Fy/βt)が大きくなると、タイヤ特性曲線の接線の傾きが増加する。すなわち、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が大きい領域では、グリップ特性曲線は単調増加関数の形をしている。
ここで、タイヤ特性曲線の接線の傾きが正値であることは、横力のスリップ角に関する偏微分係数が正値であることを示す。また、タイヤ特性曲線の接線の傾きが最大であることは、該接線の傾きがタイヤ特性曲線の線形領域のものであることを示す。なお、線形領域では、タイヤ特性曲線の接線の傾きは、横力Fyとスリップ角βtとの比にかかわらず、常に一定の値を示す。
このようにして得ることができるタイヤ特性曲線の接線の傾きは、グリップ特性パラメータ、タイヤのグリップ状態を表す変数又はタイヤが横方向に出せる力の飽和状態を表すパラメータとなる。具体的には、タイヤ特性曲線の接線の傾きが正値の場合、スリップ角βtを増やすことでさらに強い横力Fy(コーナリングフォース等)を発生させることができることを示す。そして、タイヤ特性曲線の接線の傾きが零又は負値の場合、スリップ角βtを増加させても横力Fy(コーナリングフォース等)が増えることはなく、逆に低下する恐れがあることを示す。
なお、タイヤ特性曲線(図12)に対して偏微分計算を行い、連続的に描画することでグリップ特性曲線(図17)を得ることができる。
本願発明者は、以上に述べたように、各路面μのタイヤ特性曲線について、そのタイヤ特性曲線の原点を通る任意の一の直線とタイヤ特性曲線との交点で、接線の傾きが同一となる点を発見した。すなわち、各路面μのタイヤ特性曲線について、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が同一になる値(βt,Fy)で接線の傾きが同一となる点を発見した。
これにより、本願発明者は、路面μにかかわらず、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)とタイヤ特性曲線の接線の傾きとの関係がある特性曲線(グリップ特性曲線)として表せる結果を得た(図14)。この結果を利用することで、横力Fyとスリップ角βtとがわかれば、特性曲線(グリップ特性曲線)を基に、路面μの情報を必要とすることなく、タイヤの摩擦状態の情報を得ることができる。
また、本願発明者は、路面μが異なるタイヤ特性曲線で、横力Fyとスリップ角βtとの比(Fy/βt)が同一となる値(βt,Fy)での横力Fy同士の比、スリップ角βt同士の比、又は前記線長同士の比が、路面μの比と等しくなる点を発見した。
これにより、横力Fy同士の比、スリップ角βt同士の比、又は線長同士の比がわかれば、路面μの比を知ることができる。本実施形態では、この関係を応用して、走行路面の路面μを検出又は推定することで、その走行路面での横力Fyやスリップ角βtを検出又は推定している。
次のような原理により、ある走行路面の路面μを検出又は推定することでその走行路面での横力Fyやスリップ角βtを検出又は推定することができる(前述の車輪のスリップ率λと車輪の制駆動力Fxとの関係と同様)。
路面μ値μのタイヤ特性曲線(横力Fy,スリップ角βt)と路面μ値μのタイヤ特性曲線(横力Fy,スリップ角βt)との間には、相似の三角形の関係により、下記(4)式のような関係が成立する。
Fy:Fy=βt:βt=μ:μ ・・・(4)
この(4)式において、スリップ角βtと路面μとの関係に着目すると、下記(5)式のような関係が成立する。
βt=βt・(μ/μ) ・・・(5)
この(4)式によれば路面μ値μの路面におけるスリップ角βtが未知であるとしても、路面μ値μの路面におけるスリップ角βt、及び各路面μ値μ,μがわかれば、路面μ値μの路面におけるスリップ角βtを得ることができる。
そして、路面μ値μの路面のタイヤ特性曲線がわかれば(路面μ値μの路面のタイヤ特性曲線を参照し)、そのようにして得たスリップ角βtに対応する横力Fyを得ることができる。
そして、前記(4)式において、今度は、横力Fyと路面μとの関係に着目することで、横力Fyを基に下記(6)式により、路面μ値μの路面における横力Fyを算出できる。
Fy=Fy・(μ/μ) ・・・(6)
以上より、各路面μ値及び基準となるタイヤ特性曲線(ここでは路面μ値μの路面のタイヤ特性曲線)がわかれば、既知のスリップ角βt(検出又は推定スリップ角βt)から横力Fyを求めることができる。さらに、これと同様な原理により、その反対に、既知の横力Fyからスリップ角βtを求めることができる。
図18及び図19を用いて、さらに具体的に説明する。図18は、前述の原理を実現する構成となる。
図18に示すように、検出したスリップ角βtをμ/μ乗算部1に入力する(図19の手順(1))。μ/μ乗算部11に設定される路面μ値μや後述のμ/μ乗算部13に設定される路面μ値μは、スリップ角βtを検出した走行路面の路面μ値(例えば0.6)である。そして、この路面μ値μは検出値又は推定値である。μ/μ乗算部11は、スリップ角βtに(μ/μ)を乗算する(前記(5)式に対応)。そして、μ/μ乗算部11は、演算結果(βt・μ/μ)をタイヤ特性推定部12に出力する。
タイヤ特性推定部12は、路面μ値μのタイヤ特性曲線を有する。路面μ値μのタイヤ特性曲線は、基準路面のタイヤ特性曲線である。例えば、路面μ値μは、基準路面をDry路面と想定して1.0となる。また、タイヤ特性推定部12は、図19のような基準路面のタイヤ特性曲線をマップとして有する。タイヤ特性推定部12は、演算結果(βt・μ/μ)を基に、基準路面のタイヤ特性曲線でのスリップ角βtを得る(図19の手順(2))。
そして、タイヤ特性推定部12は、基準路面のタイヤ特性曲線からスリップ率λに対応する横力Fyを得る。タイヤ特性推定部12は、そのようにして得た横力Fyをμ/μ乗算部13に出力する。
μ/μ乗算部13は、横力Fyに(μ/μ)を乗算し、その演算結果として横力Fyを出力する(図19の手順(3)及び(4)、前記(6)式に対応)。
以上のように、基準路面のタイヤ特性曲線のデータを有することで、ある走行路面の路面μの検出値又は推定値、及びその走行路面でのスリップ角βtの検出値に基づいて、その走行路面での横力Fyを検出又は推定できる。
(実施形態)
以上の技術の採用により実現した実施形態を次に説明する。
(構成)
図20は、実施形態の車両の概略構成を示す。この車両は、フィードフォワード的にVDC(Vehicle Dynamics Control)を制御するような構成を有する。なお、VDCをヨーレイトフィードバックで制御することは一般に知られている。
図20に示すように、車両は、操舵角センサ21、車輪速センサ22、路面μ推定部23、ブレーキECU(Electronic Control Unit、又はVDC制御部)24及び車両挙動制御指令演算部25を有する。
操舵角センサ21は、ステアリングホイール31と一体に回転するステアリングシャフト32の回転角を検出する。操舵角センサ21は、その検出結果(操舵角)を車両挙動制御指令演算部25に出力する。車輪速センサ22は、車体に設けられた車輪33FL〜33RRの車輪速を検出する。車輪速センサ22は、その検出結果(車輪速信号)を車両挙動制御指令演算部25に出力する。路面μ推定部23は、現在の走行路面の路面μ値を推定する。路面μ推定部23は、その推定結果(路面μ値)を車両挙動制御指令演算部25に出力する。車両挙動制御指令演算部25は、それら操舵角センサ21等からの入力値を基に、車両の走行状態を予測し制御指令値を算出する。車両挙動制御指令演算部25は、その制御指令値をブレーキECU24に出力する。ブレーキECU24は、その制御指令値を基に、車両の不安定挙動を抑制するブレーキ圧指令値を各車輪33FL〜33RRのブレーキアクチュエータ34FL〜34RRに出力する。ブレーキアクチュエータ34FL〜34RRは、ブレーキ圧指令値を基に、各車輪33FL〜33RRに制動液圧を変化させて制動力を発生させる。
図21は、車両挙動制御指令演算部25の構成を示す。図21に示すように、車両挙動制御指令演算部25は、車体速度演算部41、タイヤ横滑り角(スリップ角)推定部42、路面変化対応タイヤモデル43、F/F(フィードフォワード)用車両モデル44、線形車両モデル45、車両挙動偏差演算部46及びVDC_F/F指令値算出部47を有する。
車体速度演算部41は、車輪速センサ22が検出した車輪速を基に、車体速度を推定する。例えば、従動輪の平均値又は4輪の平均値を基に車体速度を推定する。また、前後加速度センサを付加し、車体速度推定オブザーバを構成することもできる。これにより推定精度を高くすることもできる。車体速度演算部41は、その演算結果(車体速度)をタイヤ横滑り角推定部42、F/F用車両モデル44及び線形車両モデル45に出力する。
タイヤ横滑り角推定部42は、車体速度演算部41が算出した車体速度、操舵角センサ21が検出した操舵角、並びに後述するようにF/F用車両モデル44が算出する車体横滑り角予測値β及びヨーレイト予測値γを基に、下記(7)式を用いて前輪及び後輪の横滑り角βt(β),βt(β)を算出する。
Figure 0005332728
ここで、Vは車速速度である。δは操舵角である。なお、簡単のため車両を2輪モデルにして左右輪で同じ横滑り角及び横力とする。タイヤ横滑り角推定部42は、算出した横滑り角(スリップ角)βt,βtを路面変化対応タイヤモデル43に出力する。
路面変化対応タイヤモデル43は、タイヤ力である前輪及び後輪の横力を算出する。路面変化対応タイヤモデル43は、具体的には前記図18に示す横力検出のための構成を有する。これにより、路面変化対応タイヤモデル43は、タイヤ横滑り角推定部42が算出した前輪及び後輪のスリップ角βt,βtから前輪及び後輪の横力Fy,Fyを算出する。
ここで、前輪のスリップ角βtから前輪の横力Fyを算出する手順を代表して説明する。
先ず、路面変化対応タイヤモデル43は、タイヤ横滑り角推定部42が算出した前輪のスリップ角βtをμ/μ乗算部11に入力する(図19の手順(1))。また、路面変化対応タイヤモデル43は、路面μ推定部23が推定した路面μ値によりμ/μ乗算部11及びμ/μ乗算部13の路面μ値μを設定する。
これにより、路面変化対応タイヤモデル43では、μ/μ乗算部11は、スリップ角βtに(μ/μ)を乗算する。そして、μ/μ乗算部11は、演算結果(βt・μ/μ)をタイヤ特性推定部12に出力する。
タイヤ特性推定部12は、演算結果(βt・μ/μ)を基に、基準路面(例えばμ=1.0の走行路面)のタイヤ特性曲線でのスリップ角βtを得る(図19の手順(2))。そして、タイヤ特性推定部12は、基準路面のタイヤ特性曲線からスリップ角βtに対応する横力Fyを得る。タイヤ特性推定部12は、そのようにして得た横力Fyをμ/μ乗算部13に出力する。
μ/μ乗算部13は、横力Fyに(μ/μ)を乗算し、その演算結果を出力する(図19の手順(3)及び(4))。この演算結果は、路面μ推定部23が推定した路面μ値の走行路面で得られる横力Fyとなる。すなわち、この演算結果は、タイヤ横滑り角推定部42が算出した前輪のスリップ角βtと相関関係のある横力Fyである。
以上のような処理を後輪のスリップ角βtについても行う。これにより、後輪の横力Fyも算出できる。路面変化対応タイヤモデル43は、算出した前後輪の横力Fy,FyをF/F用車両モデル44に出力する。
F/F用車両モデル44は、車体速度演算部41が算出した車体速度及び路面変化対応タイヤモデル43が算出した前後輪の横力Fy,Fyを基に、車両挙動を算出する(車両挙動を予測する)。例えば、力学モデルを用いてこれらから車両挙動を算出する。
図22は、力学モデルの例を示す。図22において、mは車両質量である。Iはヨー慣性モーメントである。lは車両重心点と前車軸間の距離である。lは車両重心点と後車軸間の距離である。βは車両の横滑り角(車体スリップ角)である。γはヨーレイトである。Gは横加速度である。例えば、必要に応じてヨーレイトγや横加速度Gを検出する。
F/F用車両モデル44は、このような力学モデルを用いて、車両挙動予測値として、車体滑り角の予測値及びヨーレイトの予測値を算出する。F/F用車両モデル44は、算出した車体滑り角予測値及びヨーレイト予測値を車両挙動偏差演算部46及びタイヤ横滑り角推定部42に出力する。
線形車両モデル45は、基準ヨーレイトの算出を行う。具体的には、線形車両モデル45は、車体速度演算部41が算出した車体速度及び操舵角センサ21が検出した操舵角を基に、下記(8)式を用いて基準ヨーレイトγを算出する。
Figure 0005332728
ここで、mは車両質量である。Iはヨー慣性モーメントである。lは車両重心点と前車軸間の距離である。lは車両重心点と後車軸間の距離である。Cpは前輪コーナリングパワー(左右輪合計値)である。Cpは後輪コーナリングパワー(左右輪合計値)である。Vは車体速度である。βは車両の横滑り角である。γはヨーレイトである。
線形車両モデル45は、算出した基準ヨーレイトγを車両挙動偏差演算部46に出力する。
車両挙動偏差演算部46は、F/F用車両モデル44が算出したヨーレイト予測値と車両挙動偏差演算部46が算出した基準ヨーレイトとの差分を算出する。ここで、差分が得られる場合とは、ヨーレイト予測値と基準ヨーレイトとの間に偏差がある場合である。このような場合、グリップ状態で期待するヨーレイトを発生できない状態(アンダーステア状態)、又は必要以上にヨーレイトが発生している状態(オーバステア状態)になると予測できる。このようなことから、車両挙動偏差演算部46は、この偏差(差分)を打ち消す制御指令値(フィードフォワードのVDC制御指令値)を出力する。この制御指令値は、偏差(差分)を打ち消すように車両にヨーモーメントを発生させるための制動力指令値(制動力差指令値)となる。
図23は、以上の車両挙動制御指令演算部25の処理手順の一例を示す。図23に示すように、先ずステップS1において、車両挙動制御指令演算部25は、各種データを取得する。具体的には、操舵角センサ21が検出した操舵角、車輪速センサ22が検出した車輪速、路面μ推定部23が推定した路面μ値(推定値)を取得する。
続いてステップS2において、車体速度演算部41は、前記ステップS1で取得した車輪速を基に車体速度を推定する。
続いてステップS3において、タイヤ横滑り角推定部42は、前記ステップS1で取得した操舵角、前記ステップS2で算出した車体速度、及び後述のステップS4で算出する車体横滑り角予測値β及びヨーレイト予測値γを基に、前輪と後輪の横滑り角βt(β),βt(β)を算出する。
続いてステップS10において、路面変化対応タイヤモデル43は、前記ステップS3で算出した前輪と後輪の横滑り角βt,βtを基に、前輪及び後輪の横力Fy,Fyを算出(推定)する。
図24は、その横力算出処理の一例を示す。先ずステップS11において、μ/μ乗算部11は、スリップ角βt(βt,(βt)に(μ/μ)を乗算する。続いてステップS12において、タイヤ特性推定部12は、前記ステップS11で算出した値(βt・μ/μ)を基に、基準路面のタイヤ特性曲線での基準スリップ角βtを得てから、基準横力Fyを得る。
続いてステップS13において、μ乗算部13は、前記ステップS12で得た基準横力Fyに(μ/μ)を乗算し、現在の走行路面の横力Fy(Fy,Fy)を算出する。
続いてステップS4において、F/F用車両モデル44は、前記ステップS10で算出した前後輪の横力Fy,Fyを基に、車両挙動予測値として、車体滑り角の予測値及びヨーレイトの予測値を算出する。
続いてステップS5において、線形車両モデル45は、基準ヨーレイトγを算出する。
続いてステップS6において、車両挙動偏差演算部46は、前記ステップS4で算出したヨーレイト予測値と前記ステップS5で算出した基準ヨーレイトとの差分を算出する。
続いてステップS7において、車両挙動偏差演算部46は、前記ステップS6で算出した差分を基に、フィードフォワード(F/F)のVDC制御指令値を出力する。このとき、VDC制御指令値は、ヨーレイト予測値と基準ヨーレイトとの差分を打ち消すように車両にヨーモーメントを発生させる制動力指令値となる。
ここで、ヨーレイト予測値と基準ヨーレイトとの間に差分(偏差)がある場合には、グリップ状態で期待するヨーレイトを発生できない状態(アンダーステア状態)となったり、必要以上にヨーレイトが発生する状態(オーバステア状態)となることが予測できる。
このようなことから、VDC制御指令値により、左右輪の制駆動力差を制御してその差分を打ち消す方向にヨーモーメントを発生させる。これにより、アンダーステア状態となったり、オーバステア状態となってしまうことを予防できる。
通常のVDCでは線形車両モデルで計算する基準ヨーレイトと実測したヨーレイトの偏差に応じた制御を行っている。しかし、本実施形態のように車両挙動発生前に操舵入力に起因して発生するであろう車両挙動を予測できるため、より安定な制御を実現できる。また、そのロジックもシンプルでマップも一つで済むという点も大きなメリットがある。
(実施形態の変形例)
(1)この実施形態では、スリップ角βtから横力Fyを算出(推定)している(前記図18、図19)。これに対して、横力Fyからスリップ角βtを算出(推定)することもできる。図25及び図26を用いて、その算出手順を説明する。
図25に示すように、検出した横力Fyをμ/μ乗算部61に入力する(図26の手順(1))。μ/μ乗算部61は、横力Fyに(μ/μ)を乗算する。そして、μ/μ乗算部61は、演算結果(Fy・μ/μ)をタイヤ特性推定部62に出力する。
タイヤ特性推定部62は、演算結果(Fy・μ/μ)を基に、基準路面のタイヤ特性曲線での横力Fyを得る(図26の手順(2))。そして、タイヤ特性推定部62は、基準路面のタイヤ特性曲線から横力Fyに対応するスリップ角βtを得る。タイヤ特性推定部12は、そのスリップ角βtをμ/μ乗算部63に出力する。
μ/μ乗算部63は、スリップ角βtに(μ/μ)を乗算し、その演算結果を出力する(図26の手順(3)及び(4))。このμ/μ乗算部63の演算結果は、路面μ値μの走行路面で得られるスリップ角βtに相当する。
以上のように、横力Fyからスリップ角βtを推定することもできる。このような推定が可能になることで、GPS(Global Positioning System)や光学式センサを使わずに高い精度でスリップ角βtを推定できる。
(2)スリップ率λから制駆動力(前後力)Fxを算出(推定)することもできる(前図10、図11)。そして、そのように算出した制駆動力Fxを基に、TCS(TractionControl System)制御等の制駆動力制御を行うことができる。この場合、制駆動力Fxが推定可能になることで、センサ等の検出手段を用いることなく高い精度で制駆動力Fxを推定できる。
(3)制駆動力Fxからスリップ率λを算出(推定)することもできる。図27及び図28を用いて、その算出手順を説明する。
図27に示すように、検出した制駆動力Fxをμ/μ乗算部71に入力する(図28の手順(1))。μ/μ乗算部71は、制駆動力Fxに(μ/μ)を乗算する。そして、μ/μ乗算部71は、演算結果(Fx・μ/μ)をタイヤ特性推定部72に出力する。
タイヤ特性推定部72は、演算結果(Fx・μ/μ)を基に、基準路面のタイヤ特性曲線での制駆動力Fxを得る(図28の手順(2))。そして、タイヤ特性推定部72は、基準路面のタイヤ特性曲線から制駆動力Fxに対応するスリップ率λを得る。タイヤ特性推定部72は、そのスリップ率λをμ/μ乗算部73に出力する。
μ/μ乗算部73は、スリップ率λに(μ/μ)を乗算し、その演算結果を出力する(図28の手順(3)及び(4))。このμ/μ乗算部73の演算結果は、路面μ値μの走行路面で得られるスリップ率λに相当する。
以上のように、制駆動力Fxからスリップ率λを推定することもできる。このような推定が可能になることで、センサ等の検出手段を用いることなく高い精度でスリップ率λを推定できる。
(4)基準路面の路面μ値μを1.0以外の値にすることもできる。
(5)路面μ推定部23が推定する路面μを、図5等に示した原理を用いて推定することもできる。すなわち、検出値(例えば検出制駆動力Fx)と路面μ値μの基準路面で前記検出値に対応する値(例えば制駆動力Fx)との比を基に、該検出値を得た走行路面の路面μ値μ(=μ・Fx/Fx)を推定する。
(6)基準路面のタイヤモデルを、基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度とを変数として数式表現(関数表現)されるものとすることもできる。
なお、この実施形態では、路面μ推定部23は、タイヤと路面との間の路面摩擦係数を第1入力値として設定する第1入力手段を実現する。また、タイヤ横滑り角推定部42は、前記第1入力手段で入力設定する路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を第2入力値として設定をする第2入力手段を実現する。また、路面変化対応タイヤモデル43(図18等のタイヤ特性推定部や基準路面のタイヤ特性曲線のマップ)は、基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度との相関関係で成立するタイヤ特性をモデル化したタイヤモデルを実現する。また、路面変化対応タイヤモデル43(図18等のμ/μ乗算部、タイヤ特性推定部及びμ/μ乗算部)は、前記第1入力手段が入力設定した第1入力値、及び前記第2入力手段が入力設定した第2入力値を基に、前記タイヤモデルから第1入力手段が入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を出力する出力手段を実現する。そして、この実施形態では、前記タイヤモデルは、前記基準路面でのタイヤ力とスリップ度との比と基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力とスリップ度との比が同一であれば、前記基準路面でのタイヤ力と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力との比、又は前記基準路面でのスリップ度と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのスリップ度との比が、基準路面摩擦係数と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数との比を示す特性を有する。
ここで、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数とは、基準路面摩擦係数以外の任意の路面摩擦係数である。
また、この実施形態では、前記出力手段は、前記第2入力手段が入力設定した第2入力値に、基準路面摩擦係数を前記第1入力手段が入力設定した第1入力値で除した値を掛け算して前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を得て、前記タイヤモデルに従い、前記掛け算して得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方に対応する前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得て、その得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方に、前記第1入力手段が入力設定した第1入力値を基準路面摩擦係数で除した値を掛け算して前記第1入力手段で入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得る。
また、この実施形態では、タイヤと路面との間の路面摩擦係数を第1入力値、及び前記路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を第2入力値として設定をする入力ステップと、前記入力ステップで入力設定した第1入力値及び第2入力値を基に、タイヤモデルから前記路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を出力する出力ステップと、を有し、前記タイヤモデルは、基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度との相関関係で成立するタイヤ特性をモデル化したものであり、前記基準路面でのタイヤ力とスリップ度との比と基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力とスリップ度との比が同一であれば、前記基準路面でのタイヤ力と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力との比、又は前記基準路面でのスリップ度と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのスリップ度との比が、基準路面摩擦係数と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数との比を示す特性を有し、前記出力ステップでは、前記入力ステップで入力設定した第2入力値に、基準路面摩擦係数を前記入力ステップが入力設定した第1入力値で除した値を掛け算して前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を得て、前記タイヤモデルに従い、前記掛け算して得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方に対応する前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得て、その得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方に、前記入力ステップで入力設定した第1入力値を基準路面摩擦係数で除した値を掛け算して前記入力ステップで入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得る車両接地面摩擦状態推定方法を実現する。
(本実施形態の効果)
(1)第1入力手段は、タイヤと路面との間の路面摩擦係数を第1入力値として設定する。また、第2入力手段は、前記第1入力手段で入力設定する路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を第2入力値として設定をする。そして、第1入力手段が入力設定した第1入力値、及び第2入力手段が入力設定した第2入力値を基に、タイヤモデルから第1入力手段が入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を出力手段により出力する。
ここで、タイヤモデルは、基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度との相関関係で成立するタイヤ特性をモデル化したものである。さらに、タイヤモデルは、基準路面でのタイヤ力とスリップ度との比と基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力とスリップ度との比が同一であれば、基準路面でのタイヤ力と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力との比、又は基準路面でのスリップ度と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのスリップ度との比が、基準路面摩擦係数と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数との比を示す特性を有する。
そして、出力手段は、第2入力手段が入力設定した第2入力値に、基準路面摩擦係数を第1入力手段が入力設定した第1入力値で除した値を掛け算して基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を得る。さらに、出力手段は、タイヤモデルに従い、掛け算して得た基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方に対応する基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得る。さらに、出力手段は、その得た基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方に、第1入力手段が入力設定した第1入力値を基準路面摩擦係数で除した値を掛け算して第1入力手段で入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得る。
これにより、路面摩擦係数、及び該路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方、並びに唯一のタイヤモデルを基に、その路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を推定できる。
この結果、路面摩擦係数に対して高い精度で推定対象となるタイヤ力やスリップ度を得ることができる。
(2)基準路面のタイヤモデルは、基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度とをそれぞれ座標軸とする連続した線分からなる2次元マップである。
これにより、高い精度でかつ簡単にタイヤ力やスリップ度を推定できる。
(3)基準路面のタイヤモデルは、基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度とを変数として数式表現されるものである。
これにより、高い精度でかつ簡単にタイヤ力やスリップ度を推定できる。
(4)タイヤ力はタイヤの横力であり、前記スリップ度はタイヤのスリップ角である。
これにより、タイヤの横力に対応するタイヤのスリップ角を高い精度で推定できる。
(5)タイヤ力はタイヤの制駆動力であり、スリップ度はタイヤのスリップ率である。
これにより、タイヤの制駆動力に対応するタイヤのスリップ度を高い精度で推定できる。
(6)車両挙動発生前に操舵入力に起因して発生するであろう車両挙動を予測できるため、より安定な制御を実現できる。また、そのロジックもシンプルでマップも一つで済む。
1,11,61,71 μ/μ乗算部、2,12,62,72 タイヤ特性推定部、3,13,63,73 μ/μ乗算部、23 路面μ推定部、42 タイヤ横滑り角推定部、43 路面変化対応タイヤモデル

Claims (6)

  1. タイヤと路面との間の路面摩擦係数を第1入力値として設定する第1入力手段と、
    前記第1入力手段で入力設定する路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を第2入力値として設定をする第2入力手段と、
    基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度との相関関係で成立するタイヤ特性をモデル化したタイヤモデルと、
    前記第1入力手段が入力設定した第1入力値、及び前記第2入力手段が入力設定した第2入力値を基に、前記タイヤモデルから第1入力手段が入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を出力する出力手段と、を備え、
    前記タイヤモデルは、前記基準路面でのタイヤ力と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力との比、又は前記基準路面でのスリップ度と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのスリップ度との比が、基準路面摩擦係数と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数との比を示す特性を有し、
    前記出力手段は、
    前記第2入力手段が入力設定した第2入力値に、基準路面摩擦係数を前記第1入力手段が入力設定した第1入力値で除した値を掛け算して前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を得て、
    前記タイヤモデルに従い、前記掛け算して得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方に対応する前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得て、
    その得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方に、前記第1入力手段が入力設定した第1入力値を基準路面摩擦係数で除した値を掛け算して前記第1入力手段で入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得るようになっており、
    前記タイヤ力はタイヤの横力であり、前記スリップ度はタイヤのスリップ角であることを特徴とする車両接地面摩擦状態推定装置。
  2. タイヤと路面との間の路面摩擦係数を第1入力値として設定する第1入力手段と、
    前記第1入力手段で入力設定する路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を第2入力値として設定をする第2入力手段と、
    基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度との相関関係で成立するタイヤ特性をモデル化したタイヤモデルと、
    前記第1入力手段が入力設定した第1入力値、及び前記第2入力手段が入力設定した第2入力値を基に、前記タイヤモデルから第1入力手段が入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を出力する出力手段と、を備え、
    前記タイヤモデルは、前記基準路面でのタイヤ力と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力との比、又は前記基準路面でのスリップ度と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのスリップ度との比が、基準路面摩擦係数と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数との比を示す特性を有し、
    前記出力手段は、
    前記第2入力手段が入力設定した第2入力値に、基準路面摩擦係数を前記第1入力手段が入力設定した第1入力値で除した値を掛け算して前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を得て、
    前記タイヤモデルに従い、前記掛け算して得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方に対応する前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得て、
    その得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方に、前記第1入力手段が入力設定した第1入力値を基準路面摩擦係数で除した値を掛け算して前記第1入力手段で入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得るようになっており、
    前記タイヤ力はタイヤの制駆動力であり、前記スリップ度はタイヤのスリップ率であることを特徴とする車両接地面摩擦状態推定装置。
  3. 前記タイヤモデルは、前記基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度とをそれぞれ座標軸とする連続した線分からなる2次元マップであることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両接地面摩擦状態推定装置。
  4. 前記タイヤモデルは、前記基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度とを変数として数式表現されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両接地面摩擦状態推定装置。
  5. タイヤと路面との間の路面摩擦係数を第1入力値、及び前記路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を第2入力値として設定をする入力ステップと、
    前記入力ステップで入力設定した第1入力値及び第2入力値を基に、タイヤモデルから前記路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を出力する出力ステップと、を有し、
    前記タイヤモデルは、
    基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度との相関関係で成立するタイヤ特性をモデル化したものであり、
    前記基準路面でのタイヤ力と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力との比、又は前記基準路面でのスリップ度と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのスリップ度との比が、基準路面摩擦係数と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数との比を示す特性を有し、
    前記出力ステップでは、
    前記入力ステップで入力設定した第2入力値に、基準路面摩擦係数を前記入力ステップが入力設定した第1入力値で除した値を掛け算して前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を得て、
    前記タイヤモデルに従い、前記掛け算して得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方に対応する前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得て、
    その得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方に、前記入力ステップで入力設定した第1入力値を基準路面摩擦係数で除した値を掛け算して前記入力ステップで入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得るようになっており、
    前記タイヤ力はタイヤの横力であり、前記スリップ度はタイヤのスリップ角であることを特徴とする車両接地面摩擦状態推定方法。
  6. タイヤと路面との間の路面摩擦係数を第1入力値、及び前記路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を第2入力値として設定をする入力ステップと、
    前記入力ステップで入力設定した第1入力値及び第2入力値を基に、タイヤモデルから前記路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を出力する出力ステップと、を有し、
    前記タイヤモデルは、
    基準路面摩擦係数の基準路面で得られるタイヤ力とスリップ度との相関関係で成立するタイヤ特性をモデル化したものであり、
    前記基準路面でのタイヤ力と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのタイヤ力との比、又は前記基準路面でのスリップ度と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数の路面でのスリップ度との比が、基準路面摩擦係数と、基準路面摩擦係数とは異なる路面摩擦係数との比を示す特性を有し、
    前記出力ステップでは、
    前記入力ステップで入力設定した第2入力値に、基準路面摩擦係数を前記入力ステップが入力設定した第1入力値で除した値を掛け算して前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方を得て、
    前記タイヤモデルに従い、前記掛け算して得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか一方に対応する前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得て、
    その得た前記基準路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方に、前記入力ステップで入力設定した第1入力値を基準路面摩擦係数で除した値を掛け算して前記入力ステップで入力設定した路面摩擦係数の路面でのタイヤ力又はスリップ度の何れか他方を得るようになっており、
    前記タイヤ力はタイヤの制駆動力であり、前記スリップ度はタイヤのスリップ率であることを特徴とする車両接地面摩擦状態推定方法。
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