JP2006273108A - 車両状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤのスリップやロックによるタイヤのグリップ力が低下した場合でも、車両の挙動変化を正確に検出することのできる車両状態検出装置を得る。
【解決手段】路面から受けるタイヤ横力Fy、横滑り角βを検出する横滑り角検出手段1およびタイヤ横力検出手段3と、タイヤ横力/横滑り角変化率および横滑り角βを用いて規範タイヤ横力Fy0を演算する規範タイヤ横力演算手段2と、タイヤ横力βと規範タイヤ横力Fy0との偏差ΔFyを演算するタイヤ横力偏差演算手段4と、タイヤ横力/横滑り角の特性に基づき、タイヤ横力偏差ΔFyがタイヤ横力偏差基準値以上を示す場合に不安定状態を判定する車両挙動安定性判定手段5とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両用ドライブレコーダーや車両挙動制御などの制御開始信号を生成するために用いられる車両状態検出装置であって、車両挙動の不安定状態(または不安定状態の予兆)を検出する車両状態検出装置に関し、特にタイヤのグリップ力が低下した場合でも、車両挙動の不安定状態(または不安定状態の予兆)を正確に検出することのできる車両状態検出装置に関するものである。
従来の車両状態検出装置の一例としては、車両用データ記録装置に適用された車両挙動検出装置があげられる(たとえば、特許文献1参照)。
上記従来装置において、車両の状態変化を検出するための処理は、以下のように実行される。
まず、ABS(アンチスキッド・ブレーキング・システム)が動作状態であるか否か(ABS作動状態の有無)を判定し、ABSが非動作であれば、続いて、急操舵が行われているか否か(急操舵の有無)を判定する。
上記判定結果が、いずれも「否(NO)」と判定されれば、続いて、タッチセンサがONされた(車体が他の物体と接触した)か否かを判定し、他物体との接触が無ければ、続いて、高Gセンサの検出値が所定値以上(衝突が発生した)か否かを判定する。
一般に、ABS作動状態においては車両挙動が急変している可能性があり、また急操舵が行われた場合には、既に車両が不安定状態にあって、車両挙動が急変している可能性がある。
したがって、ABSまたは急操舵が作動した場合には、車両挙動の不安定状態またはその予兆を検出し、衝突可能性がある状態と判定して、その後の所定時間における車両データを記録保持する。
一方、高Gセンサ≧所定値と判定されれば、衝突状態と判定し、所定時間の車両データを記録保持し、高Gセンサ<所定値と判定されれば、車両データを記録保持しない。
さらに、タッチセンサがONされれば、衝突状態と判定し、所定期間の車両データを記録保持する。
上記のように、従来の車両状態検出装置においては、ABS作動状態や急操舵状態での車両挙動の急変を検出することによって衝突可能性を判定している。
しかしながら、たとえば、雪道などの滑り易い路面状態においては、ゆっくりとした操舵動作であって、且つ制動操作などが行われなくても、車両がスピン状態に陥る現象が発生し得る。
この場合、上記従来装置による検出処理を用いても、車両挙動の不安定状態またはその予兆を正確に検出することはできない。
特開平7−277230号公報
従来の車両状態検出装置では、以上のように、ABS作動や急操舵に基づいて不安定状態を検出しているので、雪道などの滑り易い路面状態においては、正確に車両の不安定状態を検出することができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、実際に車両に発生している実パラメータ値を検出することにより、タイヤのグリップ力が低下した場合でも、車両挙動の不安定状態またはその予兆を正確に検出することのできる車両状態検出装置を得ることを目的とする。
この発明による車両状態検出装置は、車両の不安定状態または不安定状態の予兆を検出する車両状態検出装置において、車両の車体またはタイヤの横滑り角の実値を実横滑り角として検出する横滑り角検出手段と、タイヤが路面から受ける横力を実タイヤ横力として検出するタイヤ横力検出手段と、車体またはタイヤの横滑り角に対するタイヤ横力の変化率をタイヤ横力/横滑り角変化率として、車両に応じてあらかじめ設定するタイヤ横力/横滑り角変化率設定手段と、タイヤ横力/横滑り角変化率および実横滑り角を用いて規範タイヤ横力を演算する規範タイヤ横力演算手段と、実タイヤ横力と規範タイヤ横力との偏差の絶対値をタイヤ横力偏差として演算するタイヤ横力偏差演算手段と、タイヤ横力偏差に対する比較基準値をタイヤ横力偏差基準値として設定するタイヤ横力偏差基準値設定手段と、タイヤ横力偏差とタイヤ横力偏差基準値とを比較し、タイヤ横力偏差がタイヤ横力偏差基準値以上を示す場合に、車両が不安定状態であるか、または不安定状態の予兆であると判定する車両挙動安定性判定手段とを備えたものである。
この発明によれば、タイヤのグリップ力が低下した場合でも、車両挙動の不安定状態またはその予兆を正確に検出することができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。
図1において、車両状態検出装置は、車両の不安定状態または不安定状態の予兆を検出するために、実横滑り角βを検出する横滑り角測定器1と、規範タイヤ横力Fy0を演算する規範タイヤ横力演算手段2と、実タイヤ横力Fyを検出するタイヤ横力測定器3と、タイヤ横力偏差ΔFyを演算するタイヤ横力偏差演算手段4と、車両が不安定状態(または、不安定状態の予兆)を判定する車両挙動安定性判定器5とを備えている。
なお、図示を省略するが、各演算器2、4および車両挙動安定性判定器5は、CPUおよびメモリを有している。
図2は車両と路面との相対関係を示す説明図であり、車両のサスペンション部の車体構造を透視図として図式的に示している。
図2において、路面20上を走行する車両は、タイヤ21と、タイヤ21のホイールハブを含むナックル22と、車両の本体を構成するシャーシ23と、ナックル22とシャーシ23とを接続するサスペンションアーム24と、サスペンションアーム24の先端部を包囲するブッシュゴム25と、ブッシュゴム25内に埋設された圧力センサ26とを備えている。
この場合、少なくとも1つの圧力センサ26が、サスペンションアーム24の一端に取り付けられたブッシュゴム25内に配設されている。
圧力センサ26は、図1内のタイヤ横力測定器3を構成しており、タイヤ21に印加される実タイヤ横力Fyを検出する。
なお、サスペンションアーム24の本数および形状は、車種によって異なるサスペンション構造に応じて変化する。
図2のように、1本のサスペンションアーム24に対して、1対の圧力センサ26a、26bがブッシュゴム25内に対向配置された場合、実タイヤ横力Fyに応じてサスペンションアーム24に矢印方向の力が印加される。
これにより、シャーシ23側に位置する圧力センサ26aには、比較的高い圧力が縮み方向に印加され、ナックル22側に位置する圧力センサ26bには、比較的低い圧力が伸び方向に印加される。
圧力センサ26は、複数のサスペンションアーム24に対して、それぞれ1対ずつ設けてもよく、単一のサスペンションアーム24に対して1個のみを設けてもよい。
このように、タイヤ横力測定器3として機能する圧力センサ26を、サスペンションアーム24の軸方向に対応するようにブッシュゴム25内に設けることにより、走行中のタイヤに発生するサスペンションアーム24の伸び方向および縮み方向の圧力を実タイヤ横力Fyとして検出することができる。
なお、タイヤ横力測定器3としては、圧力センサ26に限らず、たとえば図3のように、変位センサ27を用いることもできる。
図3において、タイヤ横力測定器3として機能する変位センサ27は、光学変位センサや渦電流変位センサなどからなり、サスペンションアーム24に取り付けられている。
変位センサ27は、サスペンションアーム24とシャーシ23との距離変位量DLを検出することにより、圧力センサ26の場合と同様に、サスペンションアーム24の伸び方向および縮み方向の実タイヤ横力Fyを検出することができる。
図1において、圧力センサ26(図2参照)または変位センサ27(図3参照)からなるタイヤ横力測定器3は、タイヤ21が路面20から受ける横力を実タイヤ横力Fyとして検出し、規範タイヤ横力演算器2に入力する。
また、横滑り角測定器1は、車両の車体またはタイヤ21の横滑り角の実値を実横滑り角βとして検出し、規範タイヤ横力演算器2に入力する。
規範タイヤ横力演算手段2は、タイヤ横力/横滑り角変化率設定手段(図示せず)を含み、タイヤ横力/横滑り角変化率設定手段は、車両に応じて、タイヤ横力/横滑り角変化率(=ゲインKfy)をあらかじめ設定する。
すなわち、規範タイヤ横力演算手段2内のタイヤ横力/横滑り角変化率設定手段は、実タイヤ横力Fyおよび実横滑り角βに基づいて、車体またはタイヤ21の実横滑り角βに対する実タイヤ横力Fyの変化率を、タイヤ横力/横滑り角変化率(=ゲインKfy)として設定する。
これにより、規範タイヤ横力演算器2は、実横滑り角βにタイヤ横力/横滑り角変化率(=ゲインKfy)を乗算して、実横滑り角βに対する規範タイヤ横力Fy0(=Kfy・β)を演算することができる。
タイヤ横力偏差演算器4は、実タイヤ横力Fyと規範タイヤ横力Fy0との偏差の絶対値を、タイヤ横力偏差ΔFy(=|Fy−Fy0|)として演算する。
以下、実横滑り角βおよび実タイヤ横力Fyを、それぞれ、単に、横滑り角β、タイヤ横力Fyともいう。
車両挙動安定性判定器5は、タイヤ横力偏差ΔFyに基づき、タイヤ横力/横滑り角変化率の特性から車両が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定するために、タイヤ横力偏差基準値設定手段および比較手段(図示せず)を含む。
車両挙動安定性判定器5内のタイヤ横力偏差基準値設定手段は、タイヤ横力偏差ΔFyに対する比較基準値となる所定偏差量α1を、タイヤ横力偏差基準値として、車両に応じてあらかじめ設定する。
続いて、車両挙動安定性判定器5内の比較手段は、タイヤ横力偏差ΔFyと所定偏差量α1とを比較し、タイヤ横力偏差ΔFyが所定偏差量α1以上を示す場合に、車両の挙動が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定し、判定結果を不安定状態検出信号として出力する。
一般に、実タイヤ横力Fyは、車両が安定走行状態にある場合には、実横滑り角βに対してほぼ比例関係にある。
しかし、車両が安定限界(不安定領域)に近づいた場合には、実タイヤ横力Fyがほぼ一定状態(または微小に減少する状態)になり、実横滑り角βに対して比例関係を保持できなくなる。
したがって、上記安定走行状態および不安定領域近傍での特性を利用して、車両挙動状態(安定性)を検出することができる。
ただし、実タイヤ横力Fyは、実タイヤ横力Fyがほぼ一定の状態であっても、路面摩擦係数が一定の場合には微少に減少し、車両の走行速度が高くなると減少割合が増加し、路面摩擦係数が小さくなると減少割合が増加する。
なお、横滑り角測定器1は、縦方向および横方向の2方向の対地速度を測定可能な光学センサ(図示せず)をホイールに取り付けることにより構成され得る。
また、横滑り角検出手段は、横滑り角測定器1に代えて、横滑り角推定演算手段によっても構成され得る。
この場合、横滑り角推定演算手段は、タイヤ21の横滑り角βを、以下の式(1)により演算する。
Figure 2006273108
ただし、式(1)において、βCOGは車両重心の横滑り角、δWは実舵角、lFは車両重心から前輪車軸までの距離、γは車両に発生するヨー方向加速度(ヨーレート)、vCOGは車体重心での車速である。
また、車両重心の横滑り角βCOGは、車両モデルを使用した状態空間方程式(SAE出版書籍「自動車制御システム:Automotive Control System」などから公知)を解くことにより求められる。
また、実舵角δWは、ハンドル角センサの検出値からステアリングのギア比から演算により求められる。
さらに、車両重心から前輪車軸までの距離lFは、車両に応じてあらかじめ設定され、ヨー方向加速度γは、車両に搭載されたヨーレートセンサにより検出される。
一方、車両挙動安定性判定器5は、タイヤ横力偏差ΔFy(=|Fy−Fy0|)と、所定偏差量α1(タイヤ横力偏差基準値)とを比較して、車両挙動の不安定状態を判定するが、不安定状態の判定条件は、ΔFy≧α1で表される。
したがって、上記判定条件は以下の式(2)で表され、式(2)を満たす場合に、車両挙動が不安定状態であると判定されることになる。
Figure 2006273108
次に、図2および図3とともに、図4のフローチャートを参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による車両状態判定動作について説明する。
図4において、まず、タイヤ横力測定器3は、走行中のタイヤ21が路面20から受けるタイヤ横力Fyを測定し、これをタイヤ横力偏差演算器4内のメモリに記憶させる(ステップ11)。
また、横滑り角測定器1は、車両の車体またはタイヤ21の横滑り角βを測定し、これを規範タイヤ横力演算器2内のメモリに記憶させる(ステップ12)。
続いて、規範タイヤ横力演算器2は、横滑り角βに対するタイヤ横力FyのゲインKfyと、横滑り角βとを乗算して、規範タイヤ横力Fy0(=Kfy・β)を演算する(ステップ13)。
また、タイヤ横力偏差演算器4は、規範タイヤ横力Fy0からタイヤ横力Fyを減算してその絶対値をとり、タイヤ横力偏差ΔFy(=|Fy0−Fy|)を演算する(ステップ14)。
最後に、車両挙動安定性判定器5は、タイヤ横力偏差ΔFyと、車両に応じて設定される所定偏差量α1とを比較し、上式(2)(ΔFy≧α1)の関係を満たすか否かを判定する(ステップ15)。
ステップ15において、ΔFy≧α1(すなわち、YES)と判定されれば、車両挙動が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定し(ステップ16)、図4のルーチンを終了する。
一方、ステップ15において、ΔFy≦α1(すなわち、NO)と判定されれば、車両挙動が安定状態であると判定して(ステップS17)、図4のルーチンを終了する。
このように、実横滑り角βおよび実タイヤ横力Fyに応じて、車両挙動の安定/不安定状態を検出することにより、タイヤ21のグリップ力が低下した状況下においても、車両挙動の不安定状態を正確に検出することができる。
図5はこの発明の実施の形態1による作用効果を示す説明図であり、路面20の状態(摩擦係数μの大小)に応じた実タイヤ横力Fyの横滑り角βに対する各特性曲線Fy1、Fy2を示している。
図5において、横軸は横滑り角βに対応し、縦軸はタイヤ横力Fyに対応しており、1点鎖線で示す直線Fy0は、規範タイヤ横力Fyの横滑り角βに対する特性を示している。
また、実線の特性曲線Fy1は、摩擦係数μが大きい路面(ドライアスファルト路面など)でのタイヤ横力Fyの横滑り角βに対する特性を示し、破線の特性曲線Fy2は、摩擦係数μが小さい路面(雨道などの滑り易い路面)でのタイヤ横力Fyの横滑り角βに対する特性を示している。
図5に示すように、滑り易い路面(μが小)でのタイヤ横力Fyの特性曲線Fy2(破線参照)は、滑りにくいドライアスファルト路面(μが大)でのタイヤ横力Fyの特性曲線Fy1(実線参照)が低下開始する横滑り角β1よりも小さい横滑り角β2で低下し始める。
しかし、摩擦係数μが小さい路面でのタイヤ横力の特性曲線Fy2であっても、低下開始する横滑り角β2よりもさらに小さい横滑り角β(<β2)の領域においては、摩擦係数μが大きい路面でのタイヤ横力の特性曲線Fy1(実線)と同様に、規範タイヤ横力の特性Fy0(1点鎖線)にしたがう線形性が保持されている。
したがって、低下開始する横滑り角β2よりも横滑り角βが小さい領域においては、路面状態(摩擦係数μの大小)によらず、車両に応じて設定される規範タイヤ横力の横滑り角βに対するゲインKfy(特性Fy0の傾き)を使用することができる。
一般に、タイヤ横力/横滑り角変化率(ゲインKfy)の特性として、横滑り角βが小さい場合には、タイヤ横力Fyと横滑り角βとが比例関係にあるが、横滑り角βが大きくなるとタイヤ横力Fyの増加率が減少する。
したがって、この特性を用いて、横滑り角βが小さい領域での直線勾配と横滑り角βとから規範値を求め、実値との偏差が大きくなる場合(または、横滑り角βに対するタイヤ横力Fyの勾配が近似直線の勾配と大きく異なる場合)に、車両挙動の不安定状態を判定することができる。
図1、図2(または、図3)および図4に示すように、この発明の実施の形態1に係る車両状態検出装置は、横滑り角測定器1と、タイヤ横力/横滑り角変化率設定手段を含む規範タイヤ横力演算器2と、タイヤ横力測定器3と、タイヤ横力偏差演算器4と、タイヤ横力偏差基準値設定手段を含む車両挙動安定性判定器5とを備えている。
横滑り角測定器1は、車両の車体またはタイヤ21の横滑り角の実値を実横滑り角βとして検出し、タイヤ横力測定器3は、タイヤ21が路面20から受ける横力を実タイヤ横力Fyとして検出する。
規範タイヤ横力演算器2内のタイヤ横力/横滑り角変化率設定手段は、車体またはタイヤ21の横滑り角βに対するタイヤ横力Fyの変化率を、タイヤ横力/横滑り角変化率として、車両に応じてあらかじめ設定する。
規範タイヤ横力演算器2は、タイヤ横力/横滑り角変化率および実横滑り角βを用いて、実横滑り角βに対する規範タイヤ横力Fy0を演算する。
タイヤ横力偏差演算器4は、実タイヤ横力Fyと規範タイヤ横力Fy0との偏差の絶対値をタイヤ横力偏差ΔFyとして演算する。
車両挙動安定性判定器5内のタイヤ横力偏差基準値設定手段は、タイヤ横力偏差ΔFyに対する比較基準値となる所定偏差量α1を、タイヤ横力偏差基準値として車両に応じて設定する。
車両挙動安定性判定器5は、タイヤ横力偏差ΔFyとタイヤ横力偏差基準値とを比較し、タイヤ横力偏差ΔFyが所定偏差量α1(タイヤ横力偏差基準値)以上を示す場合に、車両が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定する。
このように、実際に車両に発生しているタイヤ横力Fyおよび横滑り角βを検出して、横滑り角βに対する規範タイヤ横力Fy0を演算し、実タイヤ横力Fyと規範タイヤ横力Fy0とを比較することにより、前述の従来装置では検出不可能なタイヤのスリップやロック状態における車両挙動の不安定状態(または、不安定状態の予兆)を検出することができる。
すなわち、実際のタイヤ横力Fおよび横滑り角βを用いて車両の挙動変化を検出するとともに、タイヤ横力/横滑り角変化率(ゲインKfy)の特性(横滑り角βの小さい領域では、タイヤ横力Fyが横滑り角βに対して比例関係にあり、横滑り角βの大きい領域では、タイヤ横力Fyの増加率が減少する特性)を用いて、車両挙動の不安定状態またはその予兆を検出することができる。
具体的には、上述したように、横滑り角βが小さい領域での直線勾配(ゲインKfy)と横滑り角βとから規範タイヤ横力Fy0の値を求め、規範タイヤ横力Fy0の値と実タイヤ横力Fyの値とを比較して、タイヤ横力偏差ΔFy(=|Fy−Fy0|)が所定偏差量α1以上になった場合に、車両挙動が不安定状態であると判定する。
すなわち、タイヤのスリップやロックなどによって通常では検出不可能な車両挙動変化を、横滑り角βおよびタイヤ横力Fyを用いて検出することができる。
さらに具体的には、上述したように、横滑り角βに対するタイヤ横力Fyの特性(タイヤ横力/横滑り角変化率)は、横滑り角βが小さい場合には横滑り角βに対して比例関係にあるが、横滑り角βが大きくなるとタイヤ横力Fyの増加率が低下して比例関係が保持できなくなるので、タイヤ横力/横滑り角変化率(ゲインKFy)の特性を用いて、横滑り角βが小さい領域での直線勾配および横滑り角βから規範値を求め、実値と比較したときの偏差が大きくなった場合に、車両挙動が不安定状態であると判定することができる。
また、横滑り角βに対するタイヤ横力Fyの勾配が近似直線の勾配と大きく異なる場合に、車両挙動が不安定状態であると判定することができる。
したがって、タイヤのグリップ力が低下した場合でも、車両挙動の不安定状態またはその予兆を正確に検出することができる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1(図1参照)では、タイヤ横力/横滑り角変化率(ゲインKfy)を用いて規範タイヤ横力Fy0を算出し、規範タイヤ横力Fy0と実タイヤ横力Fyとの偏差ΔFyが所定偏差量α1以上の場合に車両不安定状態を判定したが、横滑り角βに対する実タイヤ横力Fyの変化率を算出(または、測定)し、タイヤ横力/横滑り角変化率が基準範囲を逸脱した場合に車両不安定状態を判定してもよい。
図6はこの発明の実施の形態2に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図であり、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβと基準範囲との比較に基づいて、車両挙動の安定性を判定する場合を示している。
図6において、前述(図1参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して、記述を省略する。
この場合、タイヤ横力/横滑り角変化率測定器6は、前述の横滑り角測定器1およびタイヤ横力測定器3に加えて、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを算出する演算器7を備えている。
演算器7は、実横滑り角βに対する実タイヤ横力Fyの変化率を、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβとして演算(または、測定)して出力する。
タイヤ横力/横滑り角変化率測定器6内の演算器7により求められたタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβは、車両挙動安定性判定器5Aに入力されて、基準範囲と比較されることにより、車両挙動の安定性判定に用いられる。
車両挙動安定性判定器5Aは、基準値設定手段を有し、車両挙動安定性判定器5A内の基準値設定手段は、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβに対する比較基準値となる基準範囲(基準値上限および基準値下限)を、車両に応じて設定する。
車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲から逸脱した場合に、車両の挙動が不安定状態であることを判定する。
前述のように、タイヤ横力Fyの特性は、車両が安定走行状態である場合には横滑り角βに対してほぼ比例関係にあるが、車両が安定限界(不安定領域)に近づいた場合には、図5内の特性曲線Fy1のように低下して横滑り角βに対する比例関係を保持することができなくなるので、安定走行状態および不安定領域近傍での各特性を利用して、車両挙動状態の安定性を検出することができる。
タイヤ横力/横滑り角変化率測定器6内の演算器7は、たとえば、実測された横滑り角βに応じて実タイヤ横力Fyを測定することにより、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを求めることができる。
また、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβと、車両に応じて設定される基準範囲とを比較し、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外を示す場合には、車両挙動が不安定状態であると判定する。
なお、基準範囲外の判定式は、以下の式(3)で表される。
Figure 2006273108
次に、図7のフローチャートを参照しながら、図6に示したこの発明の実施の形態2による演算器7および車両挙動安定性判定器5Aの車両状態判定動作について説明する。
図7において、各ステップS12、S16およびS17は、前述(図4参照)と同様の処理を示している。
また、演算器7は、各種演算(測定)処理結果を記憶するためのメモリを含む。
まず、タイヤ横力/横滑り角変化率測定器6内の演算器7は、横滑り角βの実値を測定してメモリに記憶させ(ステップS12)、続いて、横滑り角βに応じたタイヤ横力Fyの変化率をタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβとして測定し、これをメモリに記憶する(ステップS24)。
次に、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率測定器6により測定されたタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを読み込み、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲(上限値α2U〜下限値α2L)から逸脱しているか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25において、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外(すなわち、YES)と判定されれば、車両挙動が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定し(ステップS16)、基準範囲内(すなわち、NO)と判定されれば、車両挙動が安定状態であると判定し(ステップS17)、図6の処理ルーチンを終了する。
図6、図7および図2(または、図3)に示すように、この発明の実施の形態2に係る車両状態検出装置は、横滑り角測定器1と、タイヤ横力測定器3と、演算器7(タイヤ横力/横滑り角変化率演算手段)と、基準範囲設定手段を含む車両挙動安定性判定器5Aとを備えている。
横滑り角測定器1は、車両の車体またはタイヤ21の横滑り角の実値を実横滑り角βとして検出し、タイヤ横力測定器3は、タイヤ21が路面20から受ける横力の実値を実タイヤ横力Fyとして検出する。
タイヤ横力/横滑り角変化率測定器6の本体を構成する演算器7は、実横滑り角βに対する実タイヤ横力Fyの相対関係に関連する変化率を、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβとして演算して車両挙動安定性判定器5Aに入力する。
車両挙動安定性判定器5A内の基準範囲設定手段は、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβに対する基準値上限および基準値下限を設定して、比較基準値となる基準範囲を車両に応じてあらかじめ設定する。
車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβと基準範囲とを比較し、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲を逸脱した場合に、車両が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定する。
このように、実際に車両に発生している横滑り角βおよびタイヤ横力Fyに応じて、車両挙動の不安定状態を検出することにより、タイヤ21のグリップ力が低下した場合であっても、車両挙動の不安定状態(または、不安定状態の予兆)を正確に検出することができる。
また、前述(図5参照)のように、滑り易い路面での実タイヤ横滑り角Fyは、比較的小さい実横滑り角βで低下するが、さらに小さい実横滑り角βにおいては規範タイヤ横力Fy0の勾配にしたがう線形性が保持されるので、ドライアスファルト(滑りにくい)路面と同様に、タイヤ横力/横滑り角変化率(ゲインKFy)の範囲を安定性判定に使用することができる。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2(図6参照)では、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを求めるために、横滑り角測定器1、タイヤ横力測定器3および演算器7を含むタイヤ横力/横滑り角測定器6を用いたが、実横滑り角βおよび実タイヤ横力Fyの時間変化率をそれぞれ測定し、各時間変化率を除算処理してタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを算出してもよい。
図8は上記除算処理を適用したこの発明の実施の形態3を示すブロック構成図であり、車両挙動安定性判定器5Aは前述(図6参照)と同様のものである。
図8において、安定性判定用パラメータとしてタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを求めるための演算手段は、実横滑り角βおよび実タイヤ横力Fyの各時間変化率を除算処理してタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを求めるように構成されている。
すなわち、図8内の演算手段は、実横滑り角βの時間変化率(横滑り角/時間変化率)dβ/dtを求める横滑り角/時間変化率測定器8と、実タイヤ横力Fyの時間変化率(タイヤ横力/時間変化率)dFy/dtを求めるタイヤ横力/時間変化率測定器9と、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを横滑り角/時間変化率dβ/dtで除算してタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算するタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10とにより構成されている。
タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10は、測定結果および演算処理結果を記憶するメモリを含む。
車両挙動安定性判定器5Aは、前述のように、タイヤ横力Fyが車両安定限界に近づいた場合には横滑り角βに対する比例関係が保持できなくなるという特性を利用して、車両状態を判定する。
以下、図8に示したこの発明の実施の形態3による動作について説明する。
横滑り角/時間変化率測定器8は、たとえば縦横2方向の対地速度を所定時間間隔で測定することにより、横滑り角/時間変化率dβ/dtを測定する。
また、タイヤ横力/時間変化率演算器9は、実タイヤ横力Fyを所定時間間隔で測定することにより、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを測定する。
タイヤ横力/横滑り角演算器10は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを横滑り角/時間変化率dβ/dtで除算して、実タイヤ横力Fyの実横滑り角βに対する変化率をタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβとして演算する。
このときの演算式は、以下の式(4)のように表される。
Figure 2006273108
車両挙動安定性判定器5Aは、前述の判定式(3)に基づき、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外を示す場合には、車両挙動が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定し、不安定状態検出信号を出力する。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態3による車両状態検出判定動作の処理手順について説明する。
図9において、ステップS25、S16およびS17は、前述(図7参照)と同様の処理を示している。
まず、横滑り角/時間変化率測定器8は、横滑り角/時間変化率dβ/dtを測定してタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10内のメモリに記憶させる(ステップS31)。
同様に、タイヤ横力/時間変化率測定器9は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを測定して、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10内のメモリに記憶させる(ステップS32)。
続いて、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを横滑り角/時間変化率dβ/dtで除算して、横滑り角βに対するタイヤ横力Fyの変化率すなわちタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算する(ステップS33)。
以下、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを基準範囲(上限値α2U〜下限値α2L)と比較し、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外を示す場合には車両挙動が不安定状態であると判定し(ステップS16)、基準範囲内を示す場合には車両挙動が安定状態であると判定する(ステップS17)。
図8および図9に示すように、この発明の実施の形態3に係る車両状態検出装置のタイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、横滑り角/時間変化率測定器8と、タイヤ横力/時間変化率測定器9と、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10とを備えている。
横滑り角/時間変化率測定器8は、実横滑り角βの単位時間当たりの変化率を横滑り角/時間変化率dβ/dtとして検出する。
タイヤ横力/時間変化率測定器9は、実タイヤ横力Fyの単位時間当たりの変化率をタイヤ横力/時間変化率dFy/dtとして検出する。
タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを横滑り角/時間変化率dβ/dtで除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算して車両挙動安定性判定器5Aに入力する。
このように、実タイヤ横力Fyおよび実横滑り角βの各時間変化率を除算処理してタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを算出することにより、前述と同様の作用効果を奏することができる。
また、この場合、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを直接測定(または、直接演算)することが不可能な場合であっても、測定された実値(タイヤ横力Fyおよび横滑り角β)の各時間変化率からタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算することができる。
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3(図8参照)では、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算するために、実横滑り角βおよび実タイヤ横力Fyの各時間変化率を除算処理したが、車両の移動距離Lに対する実横滑り角βおよび実タイヤ横力Fyの各変化率を除算処理してもよい。
図10は上記除算処理を用いたこの発明の実施の形態4を示すブロック構成図であり、車両挙動安定性判定器5Aは前述(図8参照)と同様のものである。
また、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aは、前述のタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に対応している。
図10において、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを求めるための演算手段は、車両の移動距離Lに対する実横滑り角βの変化率(横滑り角/距離変化率)dβ/dLを求める横滑り角/距離変化率測定器11と、移動距離Lに対する実タイヤ横力Fyの変化率(タイヤ横力/距離変化率)dFy/dLを求めるタイヤ横力/距離変化率測定器12と、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLを横滑り角/距離変化率dβ/dLで除算してタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算するタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aとにより構成されている。
横滑り角/距離変化率測定器11は、車両の移動距離Lを求めるための移動距離測定器(または、移動距離演算器)を有する。
タイヤ横力/距離変化率測定器12は、実タイヤ横力Fyを所定移動距離毎に測定するためのセンサを有する。
タイヤ横力/距離変化率測定器12のセンサは、たとえば図2に示すように、サスペンションアーム24のシャーシ23側に取り付けられているブッシュゴム25に圧力センサ26などにより実現され得る。
以下、図10に示したこの発明の実施の形態4による動作について説明する。
横滑り角/距離変化率測定器11は、たとえば縦横2方向の対地速度を所定移動距離毎に測定して横滑り角/距離変化率dβ/dLを求め、タイヤ横力/距離変化率測定器12は、実タイヤ横力Fyを所定移動距離毎に測定してタイヤ横力/距離変化率dFy/dLを求める。
タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aは、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLを横滑り角/距離変化率dβ/dLで除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算する。
このときの演算式は、以下の式(5)のように表される。
Figure 2006273108
以下、車両挙動安定性判定器5Aは、前述と同様に、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを基準範囲と比較し、基準範囲外を示す場合に、車両挙動が不安定状態であることを判定する。
次に、図11のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態4による車両挙動状態判定動作の処理手順について説明する。
図11において、ステップS25、S16およびS17は、前述(図9参照)と同様の処理を示している。
まず、横滑り角/距離変化率測定器11は、横滑り角/距離変化率dβ/dLを測定してタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10A内のメモリに記憶させる(ステップS41)。
同様に、タイヤ横力/距離変化率測定器12は、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLを測定してタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10A内のメモリに記憶させる(ステップS42)。
続いて、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aは、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLを横滑り角/距離変化率dβ/dLで除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算する(ステップS43)。
以下、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを基準範囲と比較して(ステップS25)、車両挙動の不安定状態(ステップS16)または車両挙動の安定状態(ステップS17)を判定する。
図10および図11に示すように、この発明の実施の形態4に係る車両状態検出装置のタイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、移動距離演算手段(または、移動距離測定器)を含む横滑り角/距離変化率測定器11と、タイヤ横力/移動距離変化率測定器12と、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aとを備えている。
横滑り角/距離変化率測定器11内の移動距離演算手段(または、移動距離測定器)は、車両の移動距離Lを演算する。
横滑り角/距離変化率測定器11は、実横滑り角βの単位移動距離当たりの変化率を横滑り角/距離変化率dβ/dLとして検出する。
タイヤ横力/移動距離変化率測定器12は、タイヤ21に発生する実タイヤ横力Fyの単位移動距離当たりの変化率をタイヤ横力/距離変化率dFy/dLとして検出する。
タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aは、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLを横滑り角/距離変化率dβ/dLで除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算して車両挙動安定性判定器5Aに入力する。
このように、車両の移動距離Lに対する実横滑り角βおよび実タイヤ横力Fyの各変化率を除算処理してタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを算出することにより、前述と同様の作用効果を奏することができる。
また、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが直接測定(または、直接演算)することができない場合でも、上記実施の形態3と同様に、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを求めることができる。
実施の形態5.
なお、上記実施の形態3(図8参照)では、横滑り角/時間変化率dβ/dtを求めるために、横滑り角/時間変化率測定器8を用いたが、図12のように、横滑り角/時間変化率演算器8Aを用いて、各種センサ出力に基づいて横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算してもよい。
図12はこの発明の実施の形態5を示すブロック構成図であり、前述(図8参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図12において、横滑り角/時間変化率演算器8Aには、各種センサとして、横方向加速度測定器13、ヨーレート測定器14および車速測定器15が接続されており、各種センサ出力が入力されている。
横方向加速度測定器13は車両の実横方向加速度Gyを検出し、ヨーレート測定器14は車両のヨー方向加速度(実ヨーレート)γを検出し、車速測定器15は、車両の進行方向の走行速度を実車速vとして検出する。
横滑り角/時間変化率演算器8Aは、実横方向加速度Gy、実ヨーレートγ(ヨー方向速度の時間微分値)および、実車速vを用いて、横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算する。以下、実車速vを、単に車速ともいう。
以下、図12に示したこの発明の実施の形態5による動作について説明する。
横方向加速度測定器13は、たとえば、車両の横方向に対して取り付けられた加速度計からなり、実横方向加速度Gyを検出して横滑り角/時間変化率演算器8A内のメモリに記憶させる。
同様に、ヨーレート測定器14は、実ヨーレートγを検出して横滑り角/時間変化率演算器8A内のメモリに記憶させ、車速測定器15は、実車速vを検出して横滑り角/時間変化率演算器8A内のメモリに記憶させる。
横滑り角/時間変化率演算器8Aは、実横方向加速度Gy、実ヨーレートγおよび実車速vを用い、以下の式(6)のように、横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算する。
Figure 2006273108
一方、タイヤ横力/時間変化率測定器9は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを測定し、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に入力する。
タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10は、前述の式(4)のように、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを横滑り角/時間変化率dβ/dtで除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算する。
以下、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを基準範囲と比較して、車両挙動の不安定状態または車両挙動の安定状態を判定する。
次に、図13のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態5による車両状態判定動作の処理手順について説明する。
図13において、ステップS32、S33、S25、S16およびS17は、前述(図9参照)と同様の処理を示している。
まず、横方向加速度測定器13は、車両の実横方向加速度Gyを測定して横滑り角/時間変化率演算器8A内のメモリに記憶させる(ステップS51)。
同様に、ヨーレート測定器14は、実ヨーレートγを測定して横滑り角/時間変化率演算器8A内のメモリに記憶させ(ステップS52)、車速測定器15は、実車速vを測定して横滑り角/時間変化率演算器8A内のメモリに記憶させる(ステップS53)。
続いて、横滑り角/時間変化率演算器8Aは、実横方向加速度Gy、実ヨーレートγおよび実車速vに基づく上記式(6)を用いて、横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算し、これをタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10内のメモリに記憶させる(ステップS54)。
一方、タイヤ横力/時間変化率測定器9は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを測定してタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10内のメモリに記憶させる(ステップS32)。
タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを横滑り角/時間変化率dβ/dtで除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算する(ステップS33)。
以下、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを基準範囲と比較して(ステップS25)、車両挙動の不安定状態(ステップS16)または車両挙動の安定状態(ステップS17)を判定する。
図12および図13に示すように、この発明の実施の形態5に係る車両状態検出装置の横滑り角/時間変化率演算手段は、タイヤ横力/時間変化率測定器9と、車両の横方向加速度Gyを検出する横方向加速度測定器13と、車両のヨー方向加速度γを検出するヨーレート測定器14と、車両の走行速度を車速vとして検出する車速測定器15と、車速v、横方向加速度Gyおよびヨー方向加速度γを用いて横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算する横滑り角/時間変化率演算器8Aと、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtおよび横滑り角/時間変化率dβ/dtからタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算するタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10とを備えている。
このように、横方向加速度Gy、ヨーレートγおよび車速vの測定結果に基づき、横滑り角/時間変化率演算器8Aで横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算することにより、横滑り角/時間変化率dβ/dtを直接測定できない場合でも、横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算することができる。
したがって、安定性判定パラメータとなるタイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβの演算が可能となり、前述と同様の作用効果を奏することができる。
実施の形態6.
なお、上記実施の形態3(図8参照)では、横滑り角/時間変化率測定器8からの横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合の処理について考慮しなかったが、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合には、除算処理時のオーバーフローを防止するために、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10による除算処理を禁止してもよい。
図14はこの発明の実施の形態6を示すブロック構成図であり、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合にタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10による除算処理を禁止した場合を示している。
図14において、前述(図8参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
この場合、横滑り角/時間変化率測定器8とタイヤ横力/横滑り角変化率測定器10との間には、横滑り角/時間変化率比較器16が挿入されており、横滑り角/時間変化率比較器の出力側には、車両挙動安定性判定器5Aの一部として機能するタイヤ横力/時間変化率比較測定器17が設けられている。
横滑り角/時間変化率比較器16は、通常(横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値以上の場合)は、横滑り角/時間変化率dβ/dtをタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に入力し、タイヤ横力/横滑り角演算器10の演算(除算)処理を有効にする。
一方、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合には、横滑り角/時間変化率比較器16は、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10による除算処理を禁止して、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10を無効化するとともに、上記比較結果(dβ/dt<下限許容値)をタイヤ横力/時間変化率比較判定器17に入力して、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17を有効化する。
横滑り角/時間変化率比較器16は、横滑り角/時間変化率dβ/dtに対する下限許容値を車両に応じて設定する下限許容値設定手段と、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合にタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10による除算処理を禁止する除算禁止手段とを備えている。
タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtに対する所定変化率を車両に応じて設定する所定変化率設定手段と、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtと所定変化率を比較する比較手段とを備えている。
なお、図14においては、便宜的に、車両挙動安定性判定器5Aとは別のブロックとしてタイヤ横力/時間変化率比較判定器17を示しているが、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、車両挙動安定性判定器5Aの機能の一部に含まれてもよい。
上記のように、通常は、タイヤ横力/横滑り角演算器10が有効化されているが、横滑り角/時間変化率比較器16により、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さいと判定された場合には、タイヤ横力/横滑り角演算器10が無効化されて、代わりにタイヤ横力/時間変化率比較判定器17が有効化される。
このとき、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtと所定変化率との比較のみに基づき、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtが所定変化率以上を示す場合に、車両挙動が不安定状態であることを判定する。
一般に、車両の横滑り角/時間変化率dβ/dtの絶対値が下限許容値未満であって、且つ、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtの絶対値が所定変化率未満であれば、車両は横方向にほとんど運動しておらず、安定状態と見なすことができる。
一方、横滑り角/時間変化率dβ/dtの絶対値が下限許容値未満であっても、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtの絶対値が所定変化率以上を示す場合には、車両挙動が不安定状態にあると見なすことができる。
なお、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値以上であっても、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲内を示す場合には、車両挙動安定性判定器5Aにより安定状態と見なすことができる。しかし、前述のように、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外であれば、車両挙動安定性判定器5Aにより不安定状態であると判定される。
次に、図14に示したこの発明の実施の形態6による動作について説明する。
まず、横滑り角/時間変化率測定器8は、横滑り角/時間変化率dβ/dtを測定し、タイヤ横力/時間変化率測定器9は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを測定する。
横滑り角/時間変化率比較器16は、横滑り角/時間変化率dβ/dtを下限許容値と比較し、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値以上を示す場合には、横滑り角/時間変化率dβ/dtをタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に入力して、前述の式(4)に基づく通常の除算処理を実行させる。
以下、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを基準範囲と比較し、前述の判定式(3)に基づき、基準範囲外を示す場合には、車両挙動が不安定状態であると判定する。
一方、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値未満を示す場合には、横滑り角/時間変化率比較器16は、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に対する横滑り角/時間変化率dβ/dtの入力および式(4)の除算処理の実行を禁止するとともに、上記比較結果(dβ/dt<下限許容値)をタイヤ横力/時間変化率比較判定器17に入力する。
これにより、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に代わって、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17が有効化され、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17による比較判定処理結果に基づいて、車両状態が検出される。
タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを所定変化率と比較し、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtが所定変化率以上の場合には車両挙動が不安定状態であると判定する。
次に、図15のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態6による車両状態判定動作の処理手順について説明する。
図15において、ステップS25、S16およびS17は、前述と同様の処理である。
まず、横滑り角/時間変化率測定器8は、横滑り角/時間変化率dβ/dtを測定して、その絶対値を横滑り角/時間変化率比較器16内のメモリに記憶させる(ステップS61)。
また、タイヤ横力/時間変化率測定器9は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを測定して、その絶対値をタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10およびタイヤ横力/時間変化率比較判定器17内のメモリに記憶させる(ステップS62)。
続いて、横滑り角/時間変化率比較器16は、横滑り角/時間変化率dβ/dtの絶対値が下限許容値未満か否かを判定し(ステップS63)、|dβ/dt|<下限許容値(すなわち、YES)と判定されれば、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17を有効化する。
これにより、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtの絶対値が所定変化率以上か否かを判定する(ステップS64)。
ステップS64において、|dFy/dt|≧所定変化率(すなわち、YES)と判定されれば、車両挙動が不安定状態であると判定し(ステップS16)、|dFy/dt|<所定変化率(すなわち、NO)と判定されれば、安定状態であると判定して(ステップS17)、図15の処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS63において、|dβ/dt|≧下限許容値(すなわち、NO)と判定されれば、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10を有効化する。
これにより、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10は、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算し(ステップS65)、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外であるか否かを判定する(ステップS25)。
以下、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外で否かに応じて、車両挙動の不安定状態(ステップS16)、車両挙動の安定状態(ステップS17)を判定し、図15の処理ルーチンを終了する。
図14および図15に示すように、この発明の実施の形態6に係る車両状態検出装置のタイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、横滑り角/時間変化率測定器8、タイヤ横力/時間変化率測定器9およびタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に加えて、下限値設定手段および除算禁止手段を含む横滑り角/時間変化率比較器16と、所定変化率設定手段および比較手段を含むタイヤ横力/時間変化率比較判定器17とを備えている。
横滑り角/時間変化率比較器16内の下限値設定手段は、横滑り角/時間変化率dβ/dtに対する下限許容値を車両に応じて設定する。
横滑り角/時間変化率比較器16内の除算禁止手段は、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合に、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10による除算処理を禁止する。
タイヤ横力/時間変化率比較判定器17内の所定変化率設定手段は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtに対する所定変化率を車両に応じて設定する。
タイヤ横力/時間変化率比較判定器17内の比較手段は、横滑り角/時間変化率比較器16の比較結果(横滑り角/時間変化率dβ/dt<下限許容値)に応答して、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtと所定変化率とを比較する。
すなわち、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合には、車両挙動安定性判定器5Aとして機能し、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さく、且つタイヤ横力/時間変化率dFy/dtが所定変化率以上を示す場合に、車両挙動が不安定状態であることを判定する。
このように、横滑り角/時間変化率比較器16およびタイヤ横力/時間変化率比較判定器17を追加することにより、横滑り角/時間変化率dβ/dtが許容下限値よりも小さい場合であっても、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10内の除算処理によるオーバーフローの発生を防止するとともに、車両挙動の不安定状態(または、不安定状態の予兆)を検出することができる。
実施の形態7.
なお、上記実施の形態4(図10参照)では、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さい場合の処理について考慮しなかったが、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さい場合には、除算処理時のオーバーフローを防止するために、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aによる除算処理を禁止してもよい。
図16はこの発明の実施の形態7に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図であり、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さい場合には、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aによる除算処理を禁止した場合を示している。
図16において、前述(図10参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
この場合、横滑り角/距離変化率測定器11とタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aとの間には、横滑り角/距離変化率比較器18が挿入され、横滑り角/距離変化率比較器18の出力側には、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19が設けられている。
横滑り角/距離変化率比較器18は、通常(横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値以上の場合)は、横滑り角/距離変化率dβ/dLをタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aに入力し、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aの演算(除算)処理を有効にする。
一方、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さい場合には、横滑り角/距離変化率比較器18は、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aによる除算処理を禁止して、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aを無効化するとともに、上記比較結果(dβ/dL<下限許容値)をタイヤ横力/距離変化率比較判定器19に入力して、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19を有効化する。
横滑り角/距離変化率比較器18は、横滑り角/距離変化率dβ/dLに対する下限許容値を車両に応じて設定する下限許容値設定手段と、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さい場合にタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aによる除算処理を禁止する除算処理禁止手段とを備えている。
タイヤ横力/距離変化率比較判定器19は、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLに対する所定変化率を車両に応じて設定する所定変化率設定手段と、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLと所定変化率とを比較する比較手段を備えている。
なお、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19は、車両挙動安定性判定器5Aの機能の一部に含まれてもよい。
横滑り角/距離変化率比較器18により、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さいと判定された場合には、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aに代えて、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19が有効化される。
このとき、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19は、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLが所定変化率以上を示す場合に、車両挙動が不安定状態であることを判定する。
一般に、車両の横滑り角/距離変化率dβ/dLの絶対値が下限許容値未満であって、且つ、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLの絶対値が所定変化率未満であれば、車両はほとんど横方向に運動しておらず、安定状態と見なすことができる。
一方、横滑り角/距離変化率dβ/dLの絶対値が下限許容値未満であっても、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLの絶対値が所定変化率以上を示す場合には、車両挙動が不安定状態であると見なすことができる。
なお、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値以上であっても、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲内を示す場合には、車両挙動安定性判定器5Aにより安定状態と見なすことができる。しかし、前述のように、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外であれば、車両挙動安定性判定器5Aにより不安定状態であると判定される。
次に、図16に示したこの発明の実施の形態7による動作について説明する。
まず、横滑り角/距離変化率測定器11は、横滑り角/距離変化率dβ/dLを測定し、タイヤ横力/距離変化率測定器12は、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLを測定する。
横滑り角/距離変化率比較器18は、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値以上の場合には、その比較結果(dβ/dL≧下限許容値)とともに横滑り角/距離変化率dβ/dLをタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aに入力する。
タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aは、前述の式(5)のように、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLを横滑り角/距離変化率dβ/dLで除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算する。
以下、車両挙動安定性判定器5Aにおいて、車両挙動の不安定状態または安定状態が判定される。
一方、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値未満の場合には、横滑り角/距離変化率比較器18は、その比較結果(dβ/dL<下限許容値)をタイヤ横力/距離変化率比較判定器19に入力する。
このとき、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19は、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLが所定変化率以上を示す場合に、車両挙動が不安定状態であると判定する。
次に、図17のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態7による車両状態判定動作の処理手順について説明する。
図17において、ステップS65、S25、S16およびS17は、前述(図15参照)と同様の処理である。
まず、横滑り角/距離変化率測定器11は、横滑り角/距離変化率dβ/dLを測定して、その絶対値を横滑り角/距離変化率比較器18内のメモリに記憶させる(ステップS71)。
また、タイヤ横力/距離変化率測定器12は、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLを測定して、その絶対値をタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aおよびタイヤ横力/距離変化率比較判定器19内のメモリに記憶する(ステップS72)。
続いて、横滑り角/距離変化率比較器18は、横滑り角/距離変化率dβ/dLの絶対値が下限許容値未満か否かを判定し(ステップS73)、|dβ/dL|<下限許容値(すなわち、YES)と判定されれば、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19を有効化する。
これにより、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19は、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLの絶対値が所定変化率以上か否かを判定する(ステップS74)。
ステップS74において、|dFy/dL|≧所定変化率(すなわち、YES)と判定されれば、車両挙動が不安定状態であると判定し(ステップS16)、|dFy/dL|<所定変化率(すなわち、NO)と判定されれば、安定状態であると判定して(ステップS17)、図17の処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS73において、|dβ/dL|≧下限許容値(すなわち、NO)と判定されれば、横滑り角/距離変化率比較器18は、タイヤ横力/横滑り角変化率測定器10Aを有効化する。
これにより、タイヤ横力/横滑り角変化率測定器10Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算し(ステップS65)、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外であるか否かを判定する(ステップS25)。
以下、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外であるか否かに応じて、車両挙動の不安定状態(ステップS16)、または、車両挙動の安定状態(ステップS17)を判定し、図17の処理ルーチンを終了する。
図16および図17に示すように、この発明の実施の形態7に係る車両状態検出装置のタイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、横滑り角/距離変化率測定器11、タイヤ横力/距離変化率測定器12およびタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aに加えて、下限値設定手段および除算禁止手段を含む横滑り角/距離変化率比較器18と、所定変化率設定手段および比較手段を含むタイヤ横力/距離変化率比較判定器19とを備えている。
横滑り角/距離変化率比較器18内の下限値設定手段は、横滑り角/距離変化率dβ/dLに対する下限許容値を車両に応じて設定する。
横滑り角/距離変化率比較器18内の除算禁止手段は、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さい場合に、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aによる除算処理を禁止する。
タイヤ横力/距離変化率比較判定器19内の所定変化率設定手段は、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLに対する所定変化率を車両に応じて設定する。
タイヤ横力/距離変化率比較判定器19内の比較手段は、横滑り角/距離変化率比較器18の比較結果(横滑り角/距離変化率dβ/dL<下限許容値)に応答して、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLと所定変化率とを比較する。
すなわち、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19は、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さい場合には、車両挙動安定性判定器5Aとして機能し、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値よりも小さく、且つタイヤ横力/距離変化率dFy/dLが所定変化率以上を示す場合に、車両挙動が不安定状態であることを判定する。
このように、横滑り角/距離変化率dβ/dLが下限許容値未満の場合には、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10Aによる除算処理を禁止し、タイヤ横力/距離変化率比較判定器19により、タイヤ横力/距離変化率dFy/dLのみを用いて車両状態を判定する。
これにより、横滑り角/距離変化率dβ/dLが小さい場合であっても、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10A内の除算処理によるオーバーフローの発生を防止するとともに、タイヤのグリップ力が低下した場合でも、車両挙動の不安定状態(または、不安定状態の予兆)を正確に検出することができる。
実施の形態8.
なお、上記実施の形態5(図12参照)では、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合の処理について考慮しなかったが、上記実施の形態6(図14参照)と同様に、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合には、除算処理時のオーバーフローを防止するために、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10による除算処理を禁止してもよい。
図18はこの発明の実施の形態8に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図であり、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合に、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10による除算処理を禁止した場合を示している。
図18において前述(図12、図14参照)と同様のものについては、同一符号が付して詳述を省略する。
この場合、横滑り角/時間変化率演算器8Aとタイヤ横力/横滑り角演算器10との間には、横滑り角/時間変化率比較器16が挿入され、横滑り角/時間変化率比較器16の出力側には、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17が設けられている。
横滑り角/時間変化率比較器16は、通常(横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値以上の場合)は、横滑り角/時間変化率dβ/dtをタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に入力し、タイヤ横力/横滑り角演算器10の演算(除算)処理を有効にする。
一方、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さい場合には、横滑り角/時間変化率比較器16は、タイヤ横力/横滑り角演算器10による除算処理を禁止して、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10を無効化するとともに、上記比較結果(dβ/dt<下限許容値)をタイヤ横力/時間変化率比較判定器17に入力して、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17を有効化する。
前述のように、横滑り角/時間変化率比較器16は、下限許容値設定手段および除算禁止手段を備えており、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、所定変化率設定手段および比較手段を備えている。なお、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、前述と同様に、車両挙動安定性判定器5Aの機能の一部に含まれてもよい。
横滑り角/時間変化率比較器16により、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値よりも小さいと判定された場合には、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に代えて、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17が有効化される。
このとき、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtが所定変化率以上を示す場合に、車両挙動が不安定状態であることを判定する。
一般に、車両の横方向加速度Gy、ヨーレートγおよび車速vから演算された横滑り角/時間変化率dβ/dtの絶対値が下限許容値未満の場合に、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtの絶対値も所定変化率未満であれば、車両挙動が安定状態であると見なすことができる。
一方、横滑り角/時間変化率dβ/dtの絶対値が下限許容値未満であっても、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtの絶対値が所定変化率以上の場合には、車両挙動が不安定状態であると判定することができる。
また、横滑り角/時間変化率dβ/dtが所定変化率以上であっても、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲内であれば、車両挙動安定性判定器5Aにおいて、車両挙動が安定状態であると見なすことができる。しかし、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβが基準範囲外である場合には、車両挙動安定性判定器5Aにおいて、車両挙動が不安定状態であると検出される。
前述のように、タイヤ横力/横滑り角の特性は、横滑り角βが比較的小さい場合には、タイヤ横力Fyと横滑り角βとが比例関係にあるが、横滑り角βが大きくなるとタイヤ横力Fyが減少するので、この特性を用いて、横滑り角βが小さい領域での直線勾配と横滑り角βとから規範値Fy0を求め、実値との偏差が大きくなる場合、または、横滑り角に対するタイヤ横力の勾配が近似直線の勾配と大きく異なる場合に車両挙動の不安定状態を判定することができる。
次に、図18に示したこの発明の実施の形態8による動作について説明する。
まず、横方向加速度測定器13は車両の横方向加速度Gyを検出し、ヨーレート測定器14はヨー方向の加速度γを検出し、車速測定器15は車速vを検出し、各検出パラメータの実値を横滑り角/時間変化率演算器8A内のメモリに記憶させる。
横滑り角/時間変化率演算器8Aは、横方向加速度Gy、ヨーレートγおよび車速vに基づき、前述の式(6)により、横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算して横滑り角/時間変化率比較器16に入力する。
一方、タイヤ横力/時間変化率測定器9は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを測定し、タイヤ横力/時間変化率演算器10およびタイヤ横力/時間変化率比較判定器17に入力する。
横滑り角/時間変化率比較器16は、横滑り角/時間変化率dβ/dtを下限許容値と比較して、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値未満の場合には、その比較結果(dβ/dt<下限許容値)をタイヤ横力/時間変化率比較判定器17に入力し、横滑り角/時間変化率dβ/dtが下限許容値以上の場合には、その比較結果(dβ/dt≧下限許容値)とともに横滑り角/時間変化率dβ/dtをタイヤ横力/横滑り角変化率演算器10に入力する。
タイヤ横力/時間変化率演算器10は、前述の式(4)のように、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを横滑り角/時間変化率dβ/dtで除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを演算する。
車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを基準範囲と比較し、前述の式(3)から基準範囲外を示す場合には、車両挙動が不安定状態であると判定する。
一方、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを所定変化率と比較して、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtが所定変化率以上の場合には、車両挙動が不安定状態であると判定する。
次に、図19のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態8による車両状態判定動作の処理手順について説明する。
図19において、ステップS62〜S65、S25、S16およびS17は、前述(図15参照)と同様の処理である。
また、ステップS81は、前述(図13参照)のステップS51〜S53に対応し、ステップS82は前述(図13参照)のステップS54に対応する。
まず、横方向加速度Gy、ヨーレートγおよび車速vを測定して、それぞれの実値を横滑り角/時間変化率演算器8A内のメモリに記憶させる(ステップS81)。
続いて、横滑り角/時間変化率演算器8Aは、横方向加速度Gy、ヨーレートγおよび車速vを用いて、横滑り角/時間変化率dβ/dtを演算し、その絶対値を横滑り角/時間変化率比較器16内のメモリに記憶させる(ステップS82)。
また、タイヤ横力/時間変化率測定器9は、タイヤ横力/時間変化率dFy/dtを測定し、その絶対値をタイヤ横力/時間変化率演算器10およびタイヤ横力/時間変化率比較判定器17内のメモリに記憶させる(ステップS62)。
続いて、横滑り角/時間変化率比較器16は、横滑り角/時間変化率dβ/dtの絶対値を下限許容値と比較し(ステップS63)、|dβ/dt|<下限許容値(すなわち、YES)と判定されれば、タイヤ横力/時間変化率比較判定器17を有効化することにより、ステップS64の処理に移行させる。
一方、ステップS63において、|dβ/dt|≧下限許容値(すなわち、NO)と判定されれば、横滑り角/時間変化率比較器16は、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10を有効化して、ステップS65の処理に移行させる。
タイヤ横力/時間変化率比較判定器17は、ステップS64の判定処理において、|dFy/dt|<所定変化率(すなわち、YES)と判定されれば、車両挙動が不安定状態であると判定し(ステップS16)、|dFy/dt|≧所定変化率(すなわち、NO)と判定されれば、車両挙動が安定状態であると判定し(ステップS17)、図19の処理ルーチンを終了する。
一方、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10は、ステップS65において、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβ(=(dFy/dt)/(dβ/dt))を演算して車両挙動安定性判定器5Aに入力する。
続いて、車両挙動安定性判定器5Aは、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβを基準範囲と比較して(ステップS25)、基準範囲外(すなわち、YES)と判定されれば車両挙動が不安定状態であると判定し(ステップS16)、基準範囲内(すなわち、NO)と判定されれば車両挙動が安定状態であると判定する(ステップS17)。
このように、横滑り角/時間変化率dβ/dtが小さい場合には、実タイヤ横力Fyに応じたタイヤ横力/時間変化率dFy/dtのみを用いて車両挙動の不安定状態を検出することにより、タイヤのグリップ力が低下した場合でも、車両挙動の不安定状態を有効に検出することができる。
また、前述(図5参照)のように、滑り易い路面でのタイヤ横力Fy2(破線参照)は比較的小さい横滑り角で低下するが、さらに小さい横滑り角βの領域では、規範タイヤ横力の特性Fy0の勾配にしたがう線形性が保持されるので、滑りにくいドライアスファルト路面の場合と同様の基準範囲(比較基準)を用いて、タイヤ横力/横滑り角変化率dFy/dβから車両挙動の安定性を判定することができる。
また、横滑り角/時間変化率dβ/dtが測定不可能な場合でも、横方向加速度Gy、ヨーレートγおよび車速vを測定することにより、横滑り角/時間変化率dβ/dtの演算で求めることが可能となり、前述と同様の作用効果を奏する。
さらに、タイヤ横力/横滑り角変化率演算器10内の除算処理によるオーバーフローを防止することができ、横滑り角/時間変化率dβ/dtが小さい場合でも、車両の不安定状態を検出することができる。
実施の形態9.
なお、上記実施の形態1では、タイヤ横力測定器3におけるタイヤ横力Fyの算出式について具体的に言及しなかったが、タイヤ横力測定器3として、図2のように、ナックル22とシャーシ23とを接続するサスペンションアーム24の一端に取り付けられたブッシュゴム25内の圧力センサ26を用いた場合、圧力センサ26からの検出圧力値Pに基づいて、以下の式(7)を用いてタイヤ横力Fyを演算することができる。
Figure 2006273108
ただし、式(7)において、Sは圧力センサ26のピックアップ部分の面積である。
以下、タイヤ横力/横滑り角変化率設定手段は、実タイヤ横力Fyおよび実横滑り角βからタイヤ横力/横滑り角変化率を設定し、車両挙動安定性判定手段は、タイヤ横力/横滑り角変化率の特性から、車両が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定する。
この発明の実施の形態9に係る車両状態検出装置のタイヤ横力検出手段は、図2に示すように、走行中のタイヤ21に発生している横力を実タイヤ横力Fyとして検出するための圧力センサ26を含み、圧力センサ26は、車両のナックル22とシャーシ23とを接続しているサスペンションアーム24に取り付けられているブッシュ内でサスペンションアーム24の軸方向に内蔵され、サスペンションアーム24の伸び方向および縮み方向の実タイヤ横力Fyを検出する。
このように、圧力センサ26を用いて、式(7)からタイヤ横力Fyを算出することにより、タイヤ横力Fyを直接検出することができない場合でも、タイヤ横力Fyを演算によって検出することができるので、上記実施の形態1〜8に開示された手法および装置を用いて車両の不安定状態を検出することができる。
実施の形態10.
なお、上記実施の形態9では、タイヤ横力測定器3として圧力センサ26(図2参照)を用いた場合のタイヤ横力Fyの算出式を示したが、タイヤ横力測定器3として、サスペンションアーム24に取り付けられた変位センサ27(図3参照)を用いた場合でも、サスペンションアーム24とシャーシ23との距離変位量DLに基づいて、以下の式(8)を用いてタイヤ横力Fyを演算することができる。
Figure 2006273108
ただし、式(8)において、kは係数(固定値)であり、サスペンションアーム24に取り付けられたブッシュゴム25の加圧力に対する変形量に対応した値である。
以下、タイヤ横力/横滑り角変化率設定手段は、実タイヤ横力Fyおよび実横滑り角βからタイヤ横力/横滑り角変化率を設定し、車両挙動安定性判定手段は、タイヤ横力/横滑り角変化率の特性から車両が不安定状態(または、不安定状態の予兆)であると判定する。
この発明の実施の形態10に係る車両状態検出装置のタイヤ横力検出手段は、図3に示すように、走行中のタイヤ21に発生している横力を実タイヤ横力Fyとして検出するための変位センサ27を含み、変位センサ27は、車両のナックル22とシャーシ23とを接続しているサスペンションアーム24に取り付けられ、サスペンションアーム24とシャーシ23との距離変位量DLを検出して、サスペンションアーム24の伸び方向および縮み方向の実タイヤ横力Fyを検出する。
このように、変位センサ27を用いて、式(8)からタイヤ横力Fyを算出することにより、タイヤ横力Fyを直接検出することができない場合でも、タイヤ横力Fyを演算によって検出することができるので、上記実施の形態1〜8に開示された手法および装置を用いて車両の不安定状態を検出することができる。
この発明の実施の形態1に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態1に係る車両状態検出装置のタイヤ横力測定手段として圧力センサを使用した場合の相対関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る車両状態検出装置のタイヤ横力測定手段として変位センサを使用した場合の相対関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による車両挙動判定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における路面摩擦係数が変化した場合の横滑り角に対するタイヤ横力の特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態2による車両挙動判定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態3による車両挙動判定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態4による車両挙動判定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態5による車両挙動判定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態6に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態6による車両挙動判定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態7に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態7による車慮挙動判定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態8に係る車両状態検出装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態8による車両挙動判定動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 横滑り角測定器、2 規範タイヤ横力演算器、3 タイヤ横力測定器、4 タイヤ横力偏差演算器、5 車両挙動安定性判定器、5A 車両挙動安定性判定器、6 タイヤ横力/横滑り角変化率測定器、7 演算器、8 横滑り角/時間変化率測定器、8A 横滑り角/時間変化率演算器、9 タイヤ横力/時間変化率測定器、10 タイヤ横力/横滑り角変化率演算器、10A タイヤ横力/横滑り角変化率演算器、11 横滑り角/距離変化率測定器、12 タイヤ横力/距離変化率測定器、13 横方向加速度測定器、14 ヨーレート測定器、15 車速測定器、16 横滑り角/時間変化率比較器、17 タイヤ横力/時間変化率比較判定器、18 横滑り角/距離変化率比較器、19 タイヤ横力/距離変化率比較判定器、β 横滑り角(実横滑り角)、Fy タイヤ横力(実タイヤ横力)、Kfy ゲイン(横滑り角に対するタイヤ横力のゲイン)、Fy0 規範タイヤ横力、ΔFy タイヤ横力偏差、α1 所定偏差量、α2L 基準範囲下限、α2U 基準範囲上限、t 時間、L 車両移動距離、Gy 横方向加速度、γ ヨー方向加速度(ヨーレート)、v 車速、dFy/dβ タイヤ横力/横滑り角変化率、dβ/dt 横滑り角/時間変化率、dFy/dt タイヤ横力/時間変化率、dβ/dL 横滑り角/距離変化率、dFy/dL タイヤ横力/距離変化率。

Claims (9)

  1. 車両の不安定状態または前記不安定状態の予兆を検出する車両状態検出装置において、
    前記車両の車体またはタイヤの横滑り角の実値を実横滑り角として検出する横滑り角検出手段と、
    前記タイヤが路面から受ける横力を実タイヤ横力として検出するタイヤ横力検出手段と、
    前記車体または前記タイヤの横滑り角に対するタイヤ横力の変化率をタイヤ横力/横滑り角変化率として、前記車両に応じてあらかじめ設定するタイヤ横力/横滑り角変化率設定手段と、
    前記タイヤ横力/横滑り角変化率および前記実横滑り角を用いて規範タイヤ横力を演算する規範タイヤ横力演算手段と、
    前記実タイヤ横力と前記規範タイヤ横力との偏差の絶対値をタイヤ横力偏差として演算するタイヤ横力偏差演算手段と、
    前記タイヤ横力偏差に対する比較基準値をタイヤ横力偏差基準値として設定するタイヤ横力偏差基準値設定手段と、
    前記タイヤ横力偏差と前記タイヤ横力偏差基準値とを比較し、前記タイヤ横力偏差が前記タイヤ横力偏差基準値以上を示す場合に、前記車両が不安定状態であるか、または前記不安定状態の予兆であると判定する車両挙動安定性判定手段と
    を備えたことを特徴とする車両状態検出装置。
  2. 車両の不安定状態または前記不安定状態の予兆を検出する車両状態検出装置において、
    前記車両の車体またはタイヤの横滑り角の実値を実横滑り角として検出する横滑り角検出手段と、
    前記タイヤが路面から受ける横力を実タイヤ横力として検出するタイヤ横力検出手段と、
    前記実横滑り角に対する前記実タイヤ横力の変化率をタイヤ横力/横滑り角変化率として演算するタイヤ横力/横滑り角変化率演算手段と、
    前記タイヤ横力/横滑り角変化率に対する基準値上限および基準値下限を設定して基準範囲を設定する基準範囲設定手段と、
    前記タイヤ横力/横滑り角変化率と前記基準範囲とを比較し、前記タイヤ横力/横滑り角変化率が前記基準範囲を逸脱した場合に、前記車両が不安定状態であるか、または前記不安定状態の予兆であると判定する車両挙動安定性判定手段と
    を備えたことを特徴とする車両状態検出装置。
  3. 前記タイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、
    前記実タイヤ横力の単位時間当たりの変化率をタイヤ横力/時間変化率として検出するタイヤ横力/時間変化率演算手段と、
    前記実横滑り角の単位時間当たりの変化率を横滑り角/時間変化率として検出する横滑り角/時間変化率演算手段と、
    前記タイヤ横力/時間変化率を前記横滑り角/時間変化率で除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率を演算するタイヤ横力/横滑り角変化率演算手段と
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両状態検出装置。
  4. 前記タイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、
    前記車両の移動距離を演算する移動距離演算手段と、
    前記実タイヤ横力の単位移動距離当たりの変化率をタイヤ横力/距離変化率として検出するタイヤ横力/移動距離変化率演算手段と、
    前記実横滑り角の単位移動距離当たりの変化率を横滑り角/距離変化率として検出する横滑り角/距離変化率演算手段と、
    前記タイヤ横力/距離変化率を横滑り角/距離変化率で除算して、タイヤ横力/横滑り角変化率を演算するタイヤ横力/横滑り角変化率演算手段とを
    含むことを特徴とする請求項2に記載の車両状態検出装置。
  5. 前記横滑り角/時間変化率演算手段は、
    前記車両の走行速度を車速として検出する車速検出手段と、
    前記車両の横方向加速度を検出する横方向加速度検出手段と、
    前記車両のヨー方向加速度を検出するヨーレート検出手段とを含み、
    前記タイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、前記車速、前記横方向加速度および前記ヨー方向加速度を用いて、前記横滑り角/時間変化率を演算することを特徴とする請求項3に記載の車両状態検出装置。
  6. 前記タイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、
    前記横滑り角/時間変化率に対する下限許容値を前記車両に応じて設定する下限値設定手段と、
    前記タイヤ横力/時間変化率に対する所定変化率を前記車両に応じて設定する所定変化率設定手段と、
    前記横滑り角/時間変化率が前記下限許容値よりも小さい場合に、前記タイヤ横力/横滑り角変化率演算手段による除算処理を禁止する除算禁止手段とを含み、
    前記車両挙動安定性判定手段は、前記横滑り角/時間変化率が前記下限許容値よりも小さく、且つ前記タイヤ横力/時間変化率が前記所定変化率以上を示す場合に、前記車両の挙動が不安定状態であることを判定することを特徴とする請求項3に記載の車両状態検出装置。
  7. 前記タイヤ横力/横滑り角変化率演算手段は、
    前記横滑り角/距離変化率に対する下限許容値を前記車両に応じて設定する下限値設定手段と、
    前記タイヤ横力/距離変化率に対する所定変化率を前記車両に応じて設定する所定変化率設定手段と、
    前記横滑り角/距離変化率が前記下限許容値よりも小さい場合に、前記タイヤ横力/横滑り角変化率演算手段による除算処理を禁止する除算禁止手段とを含み、
    前記車両挙動安定性判定手段は、前記横滑り角/距離変化率が前記下限許容値よりも小さく、且つ前記タイヤ横力/距離変化率が前記所定変化率以上を示す場合に、前記車両の挙動が不安定状態であることを判定することを特徴とする請求項4に記載の車両状態検出装置。
  8. 前記タイヤ横力検出手段は、走行中の前記タイヤに発生している横力を前記実タイヤ横力として検出するための圧力センサを含み、
    前記圧力センサは、前記車両のナックルとシャーシとを接続しているサスペンションアームに取り付けられているブッシュ内で前記サスペンションアームの軸方向に内蔵され、前記サスペンションアームの伸び方向および縮み方向の前記実タイヤ横力を検出し、
    前記タイヤ横力/横滑り角変化率設定手段は、前記実タイヤ横力および前記実横滑り角から前記タイヤ横力/横滑り角変化率を設定し、
    前記車両挙動安定性判定手段は、前記タイヤ横力/横滑り角変化率の特性から前記車両が不安定状態であるか、または前記不安定状態の予兆であると判定することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両状態検出装置。
  9. 前記タイヤ横力検出手段は、走行中の前記タイヤに発生している横力を前記実タイヤ横力として検出するための変位センサを含み、
    前記変位センサは、前記車両のナックルとシャーシとを接続しているサスペンションアームに取り付けられ、前記サスペンションアームと前記シャーシとの距離変位を検出して、前記サスペンションアームの伸び方向および縮み方向の前記実タイヤ横力を検出し、
    前記タイヤ横力/横滑り角変化率設定手段は、前記実タイヤ横力および前記実横滑り角から前記タイヤ横力/横滑り角変化率を設定し、
    前記車両挙動安定性判定手段は、前記タイヤ横力/横滑り角変化率の特性から前記車両が不安定状態であるか、または前記不安定状態の予兆であると判定することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両状態検出装置。
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