以下、本発明による駐車操作支援装置及び駐車操作支援方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[駐車操作支援装置の共通構成]
図1は本発明の駐車操作支援装置による駐車操作の支援内容を示す説明図である。図1中引用符号100で示す本発明の駐車操作支援装置は、図1中引用符号1で示す車両に搭載される。そして、本発明の第1実施形態に係る駐車操作支援装置100は、図2のブロック図に示すように、自車位置検出部110、支援内容算出部120、報知部130、進行方向検出部140、目標駐車位置設定部150を有している。
図2に示す自車位置検出部110は、図1に示す車両1の位置と方向を検出するためのもので、本発明における車両位置検出手段に対応する。自車位置検出部110は、車輪速センサ114とヨーレートセンサ115とを有している。車輪速センサ114は、例えば、車両1の左右の後輪1cに設置される。ヨーレートセンサ115は、車両1の運転席のシートの下に設置される。
この自車位置検出部110では、車輪速センサ114によって車両1の両側の後輪1cの車輪速をそれぞれ検出して支援内容算出部120に送信する。また、自車位置検出部110では、ヨーレートセンサ115で車両1のヨー角を検出して支援内容算出部120に送信する。
車輪速センサ114で検出した車両1の各後輪1cの車輪速を差分すれば、車両1の方向を算出することができる。また、車輪速センサ114で検出した後輪1cの車輪速を積分すれば、車両1の位置を算出することができる。なお、ヨーレートセンサ115で検出した車両1のヨー角の単位時間当たりにおける変化量の差分と積分とを用いても、車両1の方向を算出することができる。これらはいずれも、支援内容算出部120において行うことができる。あるいは、自車位置検出部110に設けた例えばマイクロコンピュータによる専用の演算部において行うこともできる。
進行方向検出部140は、図1に示す車両1の進行方向と旋回方向とを検出するためのもので、本発明における進行方向検出手段に対応する。進行方向検出部140は、舵角センサ112及びシフトレバー116を有している。舵角センサ112は、例えば、図1に示す車両1のステアリングシャフト1eに設置される。ステアリングシャフト1eはステアリングホイール1dに連なっている。シフトレバー116は、車両1の運転席付近に設置される。
この進行方向検出部140では、舵角センサ112によってステアリングホイール1dの操舵角を検出して支援内容算出部120に送信する。また、自車位置検出部110では、シフトレバー116のシフトポジションを示す信号を支援内容算出部120に送信する。
舵角センサ112で検出したステアリングホイール1dの操舵角により、車両1の操舵輪である前輪1aの切れ角を検出することができる。そして、この切れ角により、車両1の旋回方向を検出することができる。また、シフトレバー116からのシフトポジションを示す信号により、車両1が前進する状態にあるのか、それとも、後退する状態にあるのかを、検出するすることができる。そして、検出した車両1の前進又は後退の状態と、舵角センサ112で検出したステアリングホイール1dの操舵角とにより、旋回を伴う車両1の進行方向を算出することができる。これらはいずれも、支援内容算出部120において行うことができる。あるいは、進行方向検出部140に設けた例えばマイクロコンピュータによる専用の演算部において行うこともできる。
目標駐車位置設定部150は、図1に示す車両1を駐車する目標の位置(目標駐車位置)を設定するためのもので、本発明における目標駐車位置設定手段に対応する。目標駐車位置設定部150は、カメラ111及びスイッチ113を有している。カメラ111は、例えば、車両1の前端中央、後端中央、左右のサイドミラー下部の計4箇所に設置される。スイッチ113は、例えばジョイスティック等の、押圧操作可能であると共に上下左右に移動可能な操作部材によって構成することができる。このスイッチ113は、車両1の運転席付近に設置される。
この目標駐車位置設定部150では、4箇所のカメラ111により車両1の周囲の映像を撮影してその撮影信号を支援内容算出部120に送信する。また、目標駐車位置設定部150では、スイッチ113の操作による位置及び押圧操作を示す信号を支援内容算出部120に送信する。
各カメラ111で撮影した車両1の周囲の映像は、画像変換によって、図1に示すような車両1の上方から俯瞰した映像に生成される。そして、生成した俯瞰映像の映像信号にハフ変換等のエッジ検出処理を施すことで、俯瞰映像中に写っている駐車枠PSの線を抽出している。この抽出した駐車枠PSの線内に目標駐車位置P1Tを設定する。なお、駐車枠PSの線の抽出に用いる映像信号は、車両1の後方を撮影するカメラからの映像信号のみであってもよい。なお、スイッチ113からの信号により位置及び押圧操作の有無を特定することで、スイッチ113の操作に応じた位置に目標駐車位置を設定することもできる。これらはいずれも、支援内容算出部120において行うことができる。あるいは、目標駐車位置設定部150に設けた例えばマイクロコンピュータによる専用の演算部において行うこともできる。
図2に示す支援内容算出部120は、本発明における変更位置算出手段に対応する。この支援内容算出部120は、図3の機能ブロック図に示すように、最終後退開始位置、最初の後退到達位置、及び、直進後退開始位置の各演算部121,122,123の機能を果たす。
図2に示すように、支援内容算出部120は、例えばマイクロコンピュータによって構成することができ、CPU120aとメモリ120bとを有している。このメモリ120bは、RAMやROMによるものである。RAMは、後述する初期位置P1S、目標駐車位置P1T、最終後退開始位置P12、最初の後退到達位置P11、直進後退開始位置P13、最初の旋回後退軌跡L101、旋回前進軌跡L102、最終旋回後退軌跡L103、直進後退軌跡L104(いずれも図1参照)等を記憶する。ROMは、CPU120aが実行する処理プログラム等を記憶する。
また、支援内容算出部120は、入力信号回路、出力信号回路、及び、電源回路(いずれも図示せず)をさらに有している。入力信号回路は、自車位置検出部110、進行方向検出部140、及び、目標駐車位置設定部150からの信号を受信し、CPU120aに出力する。出力信号回路は、CPU120aが出力した映像や音声の信号を報知部130に送信する。電源回路は、車両1のバッテリ(図示せず)からの電力を利用してCPU120aに電源を供給する。
報知部130は、駐車操作支援装置100による駐車操作の支援内容を報知するためのもので、本発明における報知手段に対応する。報知部130は、モニター132及びスピーカ134を有している。モニター132は、車両1の運転者が視認可能な箇所に設置される。スピーカ134は、車両1のドアに設置される。
報知部130では、各カメラ111からの映像信号で生成した車両1の俯瞰映像や、駐車操作支援装置100による駐車操作の支援内容(例えば、図1のステアリングホイール1dの操舵方法や車両1の前進/後退の指示)等を、モニター132において表示する。駐車操作の支援内容は、例えば、車両1の俯瞰映像に重畳してモニター132に表示してもよい。また、報知部130では、駐車操作支援装置100による駐車操作の支援内容を、音声によってスピーカ134から出力することもできる。ここで、音声としては、ステアリングホイール1dの操舵方法や車両1の前進/後退を指示する音声メッセージや警告音等がある。これらを1つ又は複数組合わせてスピーカ134から出力することができる。
[第1実施形態]
次に、上述した構成を有する本発明の第1実施形態に係る駐車操作支援装置100による駐車操作の支援処理のうち支援内容の決定処理部分について説明する。図4、図5は、第1実施形態の駐車操作支援装置100による支援処理のうち支援内容の決定処理部分を示すフローチャートである。
まず、駐車操作の支援に入るには、図4に示すように、ステップS101で、車両1が図1に示す初期位置P1Sに停車している状態で運転者がスイッチ113を操作する。これにより、駐車操作支援装置100を支援モードに設定する。
以後、ステップS102では、カメラ111によって車両1の周囲の映像を撮像し、ステップS103では、支援内容算出部120が、ステップS102において撮像された車両1の周囲の映像に画像処理を施して、自車の初期位置P1Sに対する図1の駐車枠PSの位置を検出する。駐車枠PSの線の検出にはハフ変換を組み合わせて利用する。
次に、図4のステップS104では、支援内容算出部120が、ステップS103で検出された駐車枠PSの中央に、図1に示す目標駐車位置P1Tを設定する。これと共に、駐車枠PSにおける車両1の前後方向に対応する枠線の延在方向に、目標駐車位置P1Tにおける車両1の方向である目標駐車方向を設定する。
ここで、本実施形態では、ステップS104の目標駐車位置P1Tと目標駐車方向の設定を支援内容算出部120が行うものとしたが、運転者が例えば図2のスイッチ113の操作によって、任意に目標駐車位置及び目標駐車方向を設定できるようにしても良い。この場合には、例えば、乗車人員が運転者のみのときに、助手席側からの乗降がないので、目標駐車位置P1Tを駐車枠PS内の左側に寄せて設定することができる。また、隣の駐車枠PSの他車が駐車枠PSに沿って駐車していないときに、隣の他車の方向に沿うように自車の目標駐車位置P1Tを設定することもできる。このように、目標駐車位置P1T及び目標駐車方向を運転者が設定する構成とすれば、運転者は、周囲の環境や自身の好みに応じて、目標駐車位置P1Tと目標駐車方向を設定できる。
図4のステップS105では、舵角センサ112によって車両1の操舵角を検出する。次いでステップS106では、支援内容算出部120が、図1に示すように、初期位置P1Sで検出した操舵角のまま後退したときの車両1の軌跡である最初の旋回後退軌跡L101を算出する。図4のステップS107では、支援内容算出部120が、図1に示す最終旋回後退軌跡L103や旋回前進軌跡L102の半径を、車両1の最小旋回半径に設定する。本実施形態では、車両1の最小旋回半径を、後輪軸中心P1Eの最小旋回半径としている。
ここで、最終旋回後退軌跡L103や旋回前進軌跡L102とは、車両1を目標駐車位置P1Tの駐車枠PSに駐めるための一連の駐車操作の中で、支援内容として算出される車両1の移動軌跡である。このうち、最終旋回後退軌跡L103は、駐車枠PSに向けて最後に車両1が旋回後退移動する際の軌跡である。この最終旋回後退軌跡L103は、本発明における最終の旋回後退移動の軌跡に相当する。また、旋回前進軌跡L102とは、ステアリングホイール1dの操舵を行ってから駐車枠PSに向けて最後に車両1が旋回後退移動する前に、旋回しながら車両1が前進する際の軌跡である。この旋回前進軌跡L102は、本発明における旋回前進移動の軌跡に相当する。
なお、ステップS107において設定する最終旋回後退軌跡L103及び旋回前進軌跡L102の旋回半径は、必ずしも車両1の最小旋回半径である必要はない。例えば、最終旋回後退軌跡L103及び旋回前進軌跡L102の双方の旋回半径を、運転者の好みでそれぞれ任意に設定できる構成としてもよい。この場合、例えば、運転者がステアリングホイール1dの操舵角を設定することで、支援内容算出部120が対応する値に旋回半径を設定するようにしてもよい。このように、最終旋回後退軌跡L103や旋回前進軌跡L102の旋回半径を運転者が好みの値に設定できるようにすると、駐車操作における車両1の旋回移動(前進、後退)時の操舵量を変更できるようになる。これにより、運転者に提示される駐車操作時の車両の旋回移動を、運転者の好みに合わせた旋回半径の旋回移動として、運転者が容易に駐車操作を行えるようにすることができる。
また、ステップS107において支援内容算出部120が、例えば、ステップS105で検出した操舵角に対応する車両1の旋回半径を算出し、算出した旋回半径を最終旋回後退軌跡L103及び旋回前進軌跡L102の各旋回半径として支援内容算出部120が設定する処理を行っても良い。そうすれば、一連の駐車操作中に車両1のステアリングホイール1dの操舵を行う際に、運転者が、ステアリングホイール1dを操舵前の操舵量と同じ操舵量だけ反対の旋回方向に転舵するだけで済むようになる。このため、ステアリングホイール1dを操舵する際の操舵量を運転者が理解しやすくなる。
次に、図4のステップS108では、支援内容算出部120が直進後退軌跡L104を設定する。この直進後退軌跡L104は、図1に示すように、ステップS104で設定した目標駐車位置P1Tの車両1の後輪軸中心P1Eを通り、同じくステップS104で設定した目標駐車方向に延在する直線である。図4のステップS109では、支援内容算出部120が、図6に示す最終旋回後退軌跡L103の候補軌跡L193を設定する。この候補軌跡L193は、ステップS107で設定した最終旋回後退軌跡L103と同じ半径を有する。候補軌跡L193は、直進後退軌跡L104と最初の旋回後退軌跡L101とに接する円弧の中から選ばれる。候補軌跡L193として選ばれる円弧は、最初の旋回後退軌跡L101よりもその中心点側に存在し、かつ、直進後退軌跡L104よりも初期位置P1S側に存在する円弧である。
次いで、図4のステップS110では、支援内容算出部120が旋回前進軌跡L102の候補軌跡L192を算出する。この候補軌跡L192は、図6に示すように、ステップS107で設定した旋回前進軌跡L102と同じ半径を有する。候補軌跡L192は、ステップS109で設定した最終旋回後退軌跡L103の候補軌跡L193と、ステップS106で設定した最初の旋回後退軌跡L101とに接する円弧の中から選ばれる。候補軌跡L192として選ばれる円弧は、最終旋回後退軌跡L103の候補軌跡L193よりも、その中心とは反対側に存在し、かつ、最初の旋回後退軌跡L101よりも、その中心とは反対側に存在する円弧である。
図4のステップS111では、支援内容算出部120が、ステップS110で算出した旋回前進軌跡L102の候補軌跡L192と、ステップS109で設定した最終旋回後退軌跡L103の候補軌跡L193との接点P92(図6参照)を算出する。
ステップS112では、ステップS111で算出した接点P92が、ステップS108で算出した直進後退軌跡L104上に存在しているか否かを、支援内容算出部120が判断する。接点P92が直進後退軌跡L104上に存在している場合は、図5のステップS114に処理を進める。接点P92が直進後退軌跡L104上に存在しない場合は、支援内容算出部120が、ステップS113にて最終旋回後退軌跡L103の候補軌跡L193を再設定する。
候補軌跡L193の再設定は、図6に示すように、ステップS109で設定した候補軌跡L193、あるいは、前回のステップS113で再設定した候補軌跡L193を、50cm平行移動することで行う。候補軌跡L193の平行移動は、直進後退軌跡L104の延在方向において目標駐車位置P1Tから遠ざかる方向に行う。
なお、ステップS113の再設定で候補軌跡L193を平行移動する移動距離は、50cmより短くても長くても良い。例えば50cmより短い距離とすれば、再設定される候補軌跡L193の分解能が高くなる。そのため、再設定された候補軌跡L193を用いて後に算出される、接点P92の軌跡や最終後退開始位置P12、最初の後退到達位置P11、直進後退開始位置P13を、更に高精度で算出することが可能となる。また、平行移動の移動距離を50cmよりも長い距離とすれば、直進後退軌跡L104上に接点P92が存在する候補軌跡L193が再設定されるまでのステップS113の繰り返し回数が少なくなる。そのため、適正な候補軌跡L193が算出されるまでの計算時間を短くすることが可能となる。
ステップS113で最終旋回後退軌跡L103の候補軌跡L193を再設定すると、候補軌跡L193が最初の旋回後退軌跡L101に接しなくなる。したがって、ステップS109で設定した候補軌跡L193と候補軌跡L192との接点P92は、最初の旋回後退軌跡L101上に存在するが、ステップS113で再設定した候補軌跡L193と候補軌跡L192との接点はP92は、最初の旋回後退軌跡L101上に存在しなくなる。そして、ステップS111で算出する候補軌跡L193と候補軌跡L192との接点P92の位置は、ステップS113で候補軌跡L193の再設定を繰り返すたびに移動する。
そこで、図5のステップS114では、支援内容算出部120が、ステップS111で算出した接点P92の軌跡LP92を算出する。この軌跡LP92は、図7に示すように、ステップS109で設定された候補軌跡L193上にある候補軌跡L192との接点P92と、その後にステップS113で繰り返し再設定された各候補軌跡L193上にある候補軌跡L192との各接点P92との軌跡である。
図5のステップS115では、支援内容算出部120が、ステップS114で算出した軌跡LP92と、ステップS104で設定した目標駐車位置P1Tの後輪軸中心P1Eとの距離を、軌跡LP92上の各接点P92について算出する。ステップS116では、支援内容算出部120が最終後退開始位置P12を設定する。具体的には、図7に示すように、ステップS114で算出した接点P92の軌跡LP92のうち、ステップS115で算出した目標駐車位置P1Tの後輪軸中心P1Eとの距離が最も短い点を抽出する。そして、抽出した点を最終後退開始位置P12に設定する。したがって、支援内容算出部120の最終後退開始位置演算部121は、このステップS116の処理によって最終後退開始位置P12を演算する。
ここで、ステップS116では、支援内容算出部120が、目標駐車位置P1Tの後輪軸中心P1Eからの距離が最短距離となる軌跡LP92上の点を抽出して、その点を最終後退開始位置P12として設定した。しかし、最終後退開始位置P12は、接点P92の軌跡LP92上の点であれば、必ずしも目標駐車位置P1Tの後輪軸中心P1Eから最も近い点に設定する必要は無い。例えば、図8に示すように、ステップS103で検出した駐車枠PSの枠線のうち、初期位置P1Sに近い側の端点PS1からの距離が最短距離となる軌跡LP92上の点を、最終後退開始位置P12として設定しても良い。このように、駐車枠PSの初期位置P1S側の端点PS1に最も近い点を最終後退開始位置P12とすれば、駐車枠PSに向けた車両1の最終の旋回後退移動を、駐車枠PSになるべく近い位置から開始できる。これにより、最終の旋回後退移動についての運転者の駐車操作を、駐車枠PSの枠線を目安にしやすい容易な操作とすることができる。
また、例えば、運転者が図2のスイッチ113の操作によって選択する軌跡LP92上の任意の点を、最終後退開始位置P12として設定できるように構成しても良い。このように、運転者が軌跡LP92上の任意の点を最終後退開始位置P12に設定する構成とすれば、運転者は、周囲の環境や自身の好みに応じて最終後退開始位置P12を設定でき、最終の旋回後退移動についての運転者の駐車操作を容易な操作とすることができる。
図5のステップS117では、支援内容算出部120が、最終旋回後退軌跡L103と旋回前進軌跡L102とを設定する。具体的には、図9に示すように、ステップS109で設定した候補軌跡L193やステップS113で再設定した候補軌跡L193のうち、ステップS116で設定した最終後退開始位置P12を通る候補軌跡L193を、最終旋回後退軌跡L103に設定する。また、ステップS110にて算出した旋回前進軌跡L102の候補軌跡L192のうち、ステップS116で設定した最終後退開始位置P12を通る候補軌跡L192を、旋回前進軌跡L102に設定する。
図5のステップS118では、支援内容算出部120が、最終後退開始位置P12における車両方向を設定する。具体的には、図9に示すように、ステップS117で設定した旋回前進軌跡L102と最終旋回後退軌跡L103とに共通する接線の方向を、最終後退開始位置P12における車両方向として設定する。また、図5のステップS119では、支援内容算出部120が、最初の後退到達位置P11と車両方向とを設定する。具体的には、図9に示すように、ステップS117で設定した旋回前進軌跡L102とステップS106で算出した最初の旋回後退軌跡L101との接点を算出し、この接点を最初の後退到達位置P11に設定する。また、最初の旋回後退軌跡L101と旋回前進軌跡L102とに共通する接線の方向を、最初の後退到達位置P11における車両方向として設定する。したがって、支援内容算出部120の最初の後退到達位置演算部122は、このステップS116の処理によって最初の後退到達位置P11を演算する。
また、図5のステップS120では、支援内容算出部120が、直進後退開始位置P13と車両方向とを設定する。具体的には、図9に示すように、ステップS117で設定した最終旋回後退軌跡L103と、ステップS108で設定した直進後退軌跡L104との接点を算出し、この接点を直進後退開始位置P13に設定する。また、直進後退軌跡L104の方向を、直進後退開始位置P13における車両方向として設定する。したがって、支援内容算出部120の直進後退開始位置演算部123は、このステップS120の処理によって直進後退開始位置P13を演算する。以上で、駐車操作支援装置100による駐車操作の支援内容の決定処理が終了する。
次に、本実施形態に係る駐車操作支援装置による駐車操作の支援処理のうち支援内容の報知処理部分について説明する。図10、図11は、本実施形態の駐車操作支援装置100による支援処理のうち支援内容の報知処理部分を示すフローチャートである。
まず、図10のステップS202では、自車位置検出部110と進行方向検出部140とによって、自車(車両1)の位置及び方向の各変化量と自車の進行方向とを検出する。ステップS203では、ステップS202で検出された自車の位置が初期位置P1Sであるか否かを、支援内容算出部120が判断する。なお、初期位置P1Sにある車両1を、図12の説明図において符号V10で示す。また、符号V11は最初の旋回後退軌跡L101上にある車両1を示す。さらに、符号V12は、最初の後退到達位置P11にある車両1を示す。
自車が図12の符号V10に示す初期位置P1Sにあった場合には、図10のステップS204にて、支援内容算出部120が、初期位置P1Sにおける支援内容をモニター132に表示して運転者に報知する。モニター132に表示する内容は、図12に示すメッセージとしても良い。このメッセージは、支援内容算出部120で算出した最初の旋回後退軌跡L101に応じた操舵角にステアリングホイール1dを転舵し、操舵角を一定としたまま後退することを示す文字である。
図10のステップS205では、ステップS202で検出された自車の位置が最初の旋回後退軌跡L101上であるか否かを、支援内容算出部120が判断する。自車が図12の符号V11に示す最初の旋回後退軌跡L101上にあった場合には、図10のステップS206にて、支援内容算出部120が、カメラ111によって撮像された自車の俯瞰映像に、最初の後退到達位置P11にある車両1のアイコンを重畳して、モニター132に表示させる。また、図10のステップS207で、支援内容算出部120が、自車の俯瞰映像に最初の旋回後退軌跡L101をさらに重畳して、モニター132に表示させる。
ステップS208では、ステップS202で検出された自車の位置が、図12の符号V12に示す最初の後退到達位置P11であるか否かを、支援内容算出部120が判断する。自車が最初の後退到達位置P11にあった場合には、図10のステップS209にて、支援内容算出部120が、最初の後退到達位置P11における支援内容をモニター132に表示して運転者に報知する。モニター132に表示する内容は、図13の説明図に示すメッセージとしても良い。このメッセージは、右側にステアリングホイール1dを最大転舵しその操舵角のまま前進することを示す文字である。なお、図13において符号V13は、旋回前進軌跡L102上にある車両1を示す。また、符号V14は、最終後退開始位置P12にある車両1を示す。
図10のステップS210では、ステップS202で検出された自車の位置が、図13の符号V13に示す旋回前進軌跡L102上であるか否かを、支援内容算出部120が判断する。自車が旋回前進軌跡L102上にあった場合には、図10のステップS211にて、支援内容算出部120が、最終後退開始位置P12にある車両1のアイコンを自車の俯瞰映像に重畳して、モニター132に表示させる。また、図10のステップS212で、支援内容算出部120が、自車の俯瞰映像に旋回前進軌跡L102をさらに重畳して、モニター132に表示させる。
ステップS213では、ステップS202で検出された自車の位置が、図13の符号V14に示す最終後退開始位置P12であるか否かを、支援内容算出部120が判断する。自車が最終後退開始位置P12にあった場合には、図10のステップS214にて、支援内容算出部120が、最終後退開始位置P12における支援内容をモニター132に表示して運転者に報知する。モニター132に表示する内容は、図14の説明図に示すメッセージとしても良い。このメッセージは、左側にステアリングホイール1dを最大転舵しその操舵角のまま後退することを示す文字である。なお、図14において符号V15は、最終旋回後退軌跡L103上にある車両1を示す。また、符号V16は、直進後退開始位置P13にある車両1を示す。
図10のステップS215では、ステップS202で検出された自車の位置が、図14の符号V15に示す最終旋回後退軌跡L103上であるか否かを、支援内容算出部120が判断する。自車が最終旋回後退軌跡L103上にあった場合には、図10のステップS216にて、支援内容算出部120が、直進後退開始位置P13にある車両1のアイコンを自車の俯瞰映像に重畳して、モニター132に表示させる。また、図10のステップS217で、支援内容算出部120が、自車の俯瞰映像に最終旋回後退軌跡L103をさらに重畳して、モニター132に表示させる。
ステップS218では、ステップS202で検出された自車の位置が、図14の符号V16に示す直進後退開始位置P13であるか否かを、支援内容算出部120が判断する。自車が直進後退開始位置P13にあった場合には、図10のステップS219にて、支援内容算出部120が、直進後退開始位置P13における支援内容をモニター132に表示して運転者に報知する。モニター132に表示する内容は、図15の説明図に示すメッセージとしても良い。このメッセージは、ステアリングホイール1dを中立に戻しそのまま直進後退することを示す文字である。なお、図15において符号V17は、直進後退軌跡L104上にある車両1を示す。また、符号V18は、目標駐車位置P1Tにある車両1を示す。
図10のステップS220では、ステップS202で検出された自車の位置が、図15の符号V17に示す直進後退軌跡L104上であるか否かを、支援内容算出部120が判断する。自車が直進後退軌跡L104上にあった場合には、図10のステップS221にて、支援内容算出部120が、目標駐車位置P1Tにある車両1のアイコンを自車の俯瞰映像に重畳して、モニター132に表示させる。また、図10のステップS222で、支援内容算出部120が、自車の俯瞰映像に直進後退軌跡L104をさらに重畳して、モニター132に表示させる。
ステップS223では、ステップS202で検出された自車の位置が、図15の符号V18に示す目標駐車位置P1Tであるか否かを、支援内容算出部120が判断する。自車が目標駐車位置P1Tに到達した場合には運転支援を終了する。自車が目標駐車位置P1Tに到達していない場合は、図10のステップS202以降のステップを繰り返す。
以上に説明したように、自車の初期位置に対する移動位置に応じて、車両1の進行方向や旋回方向を変更する行う位置をモニター132に表示することによって、運転者が駐車操作の内容を理解しやすくなる。
なお、本実施形態では、目標駐車位置設定部150のカメラ111を車両1の前端中央、後端中央、左右のサイドミラー下部の計4箇所に設置した。そして、各カメラ111でそれぞれ車両1の周囲を撮像し、画像変換にて車両1を俯瞰した映像を生成する構成とした。しかし、カメラ111の設置数は4箇所に限らない。例えば、車両1の前端中央と後端中央の計2箇所にカメラ111を設置し、車両1の前方の映像と、車両1の後方の映像を左右反転させた映像とを、モニター132に表示させる構成としても良い。
また、本実施形態では、モニター132が、カメラ111から送信された映像による自車の俯瞰映像上に、駐車操作を支援するためのメッセージやアイコンを重畳して表示するものとした。しかし、モニター132が表示する内容を異なるものとしても良い。例えば、図10のステップS204の処理においてモニター132に表示する内容は、図16に示す内容に変えることができる。具体的には、車両1の後方の映像を左右反転させた映像上に最初の後退到達位置P11を重畳してモニター132に表示しても良い。図10のステップS209、ステップS214、ステップS219においても、モニター132が表示する内容を同様に変更しても良い。具体的には、車両1の後方の映像を左右反転させた映像に、最終後退開始位置P12、直進後退開始位置P13、目標駐車位置P1Tをそれぞれ重畳して、車両1の前方の映像と共にモニター132に表示させても良い。
さらに、ステップS204、ステップS209、ステップS219において、ステアリングホイール1dの操作と、車両1の前進又は後退の運転操作との、どちらか一方又は両方を、スピーカ134から出力する音声によって運転者に報知してもよい。この音声による報知は、上述したモニター132による表示と併用して行っても良く、モニター132による表示に代えて行っても良い。音声による報知を行う場合には、運転者は駐車操作の切り替わりを聴覚によって知ることができ、運転操作を速やかに行えるようになる。
以上に説明した本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、設定した目標駐車位置P1Tへの旋回後退移動を含む駐車操作を、報知部130(報知手段)のモニター132やスピーカ134から運転者に報知することができる。このため、運転者の駐車動作を容易にすることができる。
また、本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、初期位置P1Sから目標駐車位置P1Tへの車両1の移動経路である、最初の旋回後退軌跡L101、旋回前進軌跡L102、及び、最終旋回後退軌跡L103が、それぞれ、移動しながら旋回方向を反転する必要がない軌跡となる。そのため、報知部130のモニター132やスピーカ134による報知で運転者に提示する駐車操作の支援内容を、簡単な運転操作で済む内容にすることができる。
さらに、本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、最初の後退到達位置P11から最終後退開始位置P12への旋回しながらの前進移動時、及び、最終後退開始位置P12から直進後退開始位置P13への旋回しながらの後退移動時においては、最大の転舵の角度で到達可能な経路を算出する。これにより、車両1の旋回前進移動時や最終旋回後退移動時に運転者が操舵の微調整をする必要がない。このため、ステアリングホイール1dの操作を容易にすることができる。
また、本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、旋回前進軌跡L102と最終旋回後退軌跡L103との接点P92の軌跡LP92のうち、目標駐車位置P1Tから最も近い点を最終後退開始位置P12とした。このため、駐車枠PSに向けた車両1の最終の旋回後退移動の距離を短くすることができる。これにより、最終の旋回後退移動を短時間で行うことができる。
なお、旋回前進軌跡L102と最終旋回後退軌跡L103との接点P92の軌跡LP92のうち、駐車枠PSの初期位置P1Sに近い側の端点PS1から最も近い点を最終後退開始位置P12とすれば、駐車枠PSに向けた車両1の最終の旋回後退移動を、駐車枠PSになるべく近い位置から開始できる。これにより、最終の旋回後退移動についての運転者の駐車操作を、駐車枠PSの枠線を目安にしやすい容易な操作とすることができる。
さらに、本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、まず最終後退開始位置P12を設定し、次に、設定した最終後退開始位置P12に基づいて直進後退開始位置P13と最初の後退到達位置P11とを算出する。このため、駐車操作支援装置100による支援内容のうち、最終後退開始位置P12から目標駐車位置P1Tへの駐車操作の支援内容を、初期位置P1Sから最終後退開始位置P12への駐車操作の支援内容よりも優先して、周囲の環境や運転者の好みに応じた内容とすることができる。
また、本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、自車が直進後退開始位置P13に到達したときに、自車が直進後退開始位置P13に到達したことと、ステアリングホイール1dの操舵角を中立に戻すことを、モニター132による表示やスピーカ134からの音声出力によって運転者に報知する。このため、直進後退開始位置P13における駐車操作の支援内容を運転者に判りやすく報知し、運転者による車両1の容易な駐車操作を可能とすることができる。
同様に、本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、自車が最初の後退到達位置P11に到達したときに、自車が最初の後退到達位置P11に到達したことと、これから自車が最終後退開始位置P12に到達するために必要なステアリングホイール1dの操舵内容を、モニター132による表示やスピーカ134からの音声出力によって運転者に報知する。このため、最初の後退到達位置P11における駐車操作の支援内容を運転者に判りやすく報知し、運転者による車両1の容易な運転操作を可能とすることができる。
加えて、本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、自車が最終後退開始位置P12に到達したときに、自車が最終後退開始位置P12に到達したことと、これから自車が目標駐車位置P1Tに到達するために必要なステアリングホイール1dの操舵内容を、モニター132による表示やスピーカ134からの音声出力によって運転者に報知する。このため、最終後退開始位置P12における駐車操作の支援内容を運転者に判りやすく報知し、運転者による車両1の容易な運転操作を可能とすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る駐車操作支援装置100について説明する。第2実施形態に係る駐車操作支援装置100は、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と同様に、図2及び図3を参照して説明した構成を有している。そして、第2実施形態に係る駐車操作支援装置100が行う駐車操作の支援処理は、支援内容の決定処理において、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と一部異なっている。そこで、第2実施形態に係る駐車操作支援装置100による駐車操作の支援処理のうち、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100による支援処理と異なる部分について説明する。図17及び図18は、第2実施形態の駐車操作支援装置100による支援内容の決定処理を示すフローチャートである。
まず、図17に示すように、ステップS101〜ステップS104では、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と同様の処理を行う。そして、次にステップS151で、支援内容算出部120が、図19に示すように、ステップS103で検出された駐車枠PSの枠線のうち、初期位置P1Sに近い側の端部を、駐車枠PSの端点PS1として設定する。
ここで、ステップS151で端点PS1として設定する駐車枠PSの端部は、運転者が任意に設定しても良い。例えば、自車を駐車させたい駐車枠PSに隣接する駐車枠PSに他車が駐車している場合、駐車枠PSの端点PS1を、自車を駐車させたい駐車枠PSのうち、他車が駐車している駐車枠PSから遠い側の端部にオフセットして設定しても良い。これにより、他車との間に必要な距離を確保することができる。また、自車を駐車させたい駐車枠PSに隣接する駐車枠PSに他車が駐車していない場合には、目標駐車位置P1Tに近い駐車枠PSの奥方向にオフセットして、駐車枠PSの端点PS1を設定しても良い。これにより、駐車枠PSの近くで運転者が駐車操作を行えるようにして、駐車操作における車両1の移動距離を短くすることができる。このように、駐車枠PSの端点PS1を運転者が任意に設定できるようにすれば、運転者が周囲の環境に応じて駐車枠PSの端点PS1を設定することができる。
ステップS151の後は、図17に示すように、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と同様の、ステップS105〜ステップS108の処理を行う。そして、次にステップS152で、支援内容算出部120が、図19に示す2つの円弧L183,L182を算出する。さらに、算出した2つの円弧L183,L182と最初の旋回後退軌跡L101との各接点P83,P81をそれぞれ算出する。
各円弧L183,L182の半径は、ステップS107で設定する最終旋回後退軌跡L103´や旋回前進軌跡L102´(図21参照)の半径と同じである。そして、各円弧L183,L182は、ステップS106で算出した最初の旋回後退軌跡L101とステップS108で設定した直進後退軌跡L104との両方に接する円弧の中からそれぞれ選ばれる。
このうち、円弧L183として選ばれる円弧は、最初の旋回後退軌跡L101よりもその中心点側に存在し、かつ、直進後退軌跡L104よりも初期位置P1S側に存在する円弧である。また、円弧L182として選ばれる円弧は、最初の旋回後退軌跡L101よりも、その中心とは反対側に存在し、かつ、直進後退軌跡L104よりも初期位置P1Sとは反対側に存在する円弧である。
次に、図17のステップS153で、支援内容算出部120が、最初の後退到達位置の設定範囲を、図19に示す部分LP82に限定する。この部分LP82は、ステップS106で算出した最初の旋回後退軌跡L101のうち、ステップS152で算出した接点P81及び接点P83で挟まれた部分である。
次に、図18のステップS154で、支援内容算出部120が、ステップS153で限定した部分LP82上の点の中から最初の後退到達位置P11´を設定する。最初の後退到達位置P11´に設定する点は、図20に示すように、部分LP82上の点のうち、ステップS151で設定した駐車枠PSの端点PS1からの距離が最短距離となる点である。
次に、図18のステップS155で、支援内容算出部120が旋回前進軌跡L102´を設定する。この旋回前進軌跡L102´は、ステップS154で設定した最初の後退到達位置P11´において、ステップS106で算出した最初の旋回後退軌跡L101に接する円弧である。次に、ステップS156で、支援内容算出部120が最終旋回後退軌跡L103´を設定する。この最終旋回後退軌跡L103´は、ステップS155で設定した旋回前進軌跡L102´とステップS108で設定した直進後退軌跡L104との両方に接する円弧である。
次に、ステップS157で、支援内容算出部120が、最初の後退到達位置P11´における車両方向を設定する。具体的には、図21に示すように、ステップS154で算出した最初の後退到達位置P11´上において、ステップS155で設定した旋回前進軌跡L102´とステップS106で算出した最初の旋回後退軌跡L101とに共通する接線の方向を、最初の後退到達位置P11´における車両方向として設定する。
次に、図18のステップS158で、支援内容算出部120が、最終後退開始位置P12´と、最終後退開始位置P12´における車両方向とを設定する。最終後退開始位置P12´は、図21に示すように、ステップS155で設定した旋回前進軌跡L102´とステップS156で設定した最終旋回後退軌跡L103´との接点に設定する。また、最終後退開始位置P12´における車両方向は、旋回前進軌跡L102´と最終旋回後退軌跡L103´とに共通する接線の方向に設定する。
ステップS158の後は、図18に示すように、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と同様のステップS120の処理を行う。以上で、第2実施形態に係る駐車操作支援装置100による駐車操作の支援内容の決定処理が終了する。
以上に説明した第2実施形態の駐車操作支援装置100によれば、設定した目標駐車位置P1Tへの旋回後退移動を含む駐車操作を、報知部130(報知手段)のモニター132やスピーカ134から運転者に報知することができる。このため、運転者の駐車動作を容易にすることができる。
また、第2実施形態の駐車操作支援装置100によれば、初期位置P1Sから目標駐車位置P1Tへの車両1の移動経路である、最初の旋回後退軌跡L101、旋回前進軌跡L102´、及び、最終旋回後退軌跡L103´が、それぞれ、移動しながら旋回方向を反転する必要がない軌跡となる。そのため、報知部130のモニター132やスピーカ134による報知で運転者に提示する駐車操作の支援内容を、簡単な運転操作で済む内容にすることができる。
さらに、第2実施形態の駐車操作支援装置100によれば、最初の後退到達位置P11´から最終後退開始位置P12´への旋回しながらの前進移動時、及び、最終後退開始位置P12´から直進後退開始位置P13´への旋回しながらの後退移動時においては、最大の転舵の角度で到達可能な経路を算出する。これにより、車両1の旋回前進移動時や最終旋回後退移動時に運転者が操舵の微調整をする必要がない。このため、ステアリングホイール1dの操作を容易にすることができる。
また、本実施形態の駐車操作支援装置100によれば、最初の旋回後退軌跡L101のうち円弧L183,L182との各接点P83,P81で挟まれた部分LP82上の、駐車枠PSの端点PS1からの距離が最短距離となる点を、最初の後退到達位置P11´として設定した。このため、最初の後退到達位置P11´が駐車枠PSから必要以上に離れないようにすることができる。したがって、運転者が駐車枠PSの近くで車両1の駐車操作を行えるようにして、後退による駐車動作を短時間で行うことができる。
さらに、第2実施形態の駐車操作支援装置100によれば、まず最初の後退到達位置P11を設定し、次に、設定した最初の後退到達位置P11に基づいて最終後退開始位置P12と直進後退開始位置P13とを算出する。このため、駐車操作支援装置100による支援内容のうち、初期位置P1Sから最初の後退到達位置P11への駐車操作の支援内容を、最初の後退到達位置P11から目標駐車位置P1Tへの駐車操作の支援内容よりも優先して、周囲の環境や運転者の好みに応じた内容とすることができる。
また、第2実施形態の駐車操作支援装置100によれば、自車が直進後退開始位置P13´に到達したときに、自車が直進後退開始位置P13´に到達したことと、ステアリングホイール1dの操舵角を中立に戻すことを、モニター132による表示やスピーカ134からの音声出力によって運転者に報知する。このため、直進後退開始位置P13´における駐車操作の支援内容を運転者に判りやすく報知し、運転者による車両1の容易な駐車操作を可能とすることができる。
同様に、第2実施形態の駐車操作支援装置100によれば、自車が最初の後退到達位置P11´に到達したときに、自車が最初の後退到達位置P11´に到達したことと、これから自車が最終後退開始位置P12´に到達するために必要なステアリングホイール1dの操舵内容を、モニター132による表示やスピーカ134からの音声出力によって運転者に報知する。このため、最初の後退到達位置P11´における駐車操作の支援内容を運転者に判りやすく報知し、運転者による車両1の容易な運転操作を可能とすることができる。
加えて、第2実施形態の駐車操作支援装置100によれば、自車が最終後退開始位置P12´に到達したときに、自車が最終後退開始位置P12´に到達したことと、これから自車が目標駐車位置P1Tに到達するために必要なステアリングホイール1dの操舵内容を、モニター132による表示やスピーカ134からの音声出力によって運転者に報知する。このため、最終後退開始位置P12´における駐車操作の支援内容を運転者に判りやすく報知し、運転者による車両1の容易な運転操作を可能とすることができる。
また、第2実施形態の駐車操作支援装置100によれば、最終旋回後退軌跡L103´の設定にあたって、第1実施形態の駐車操作支援装置100が行う図4のステップS110〜ステップS113のような、支援内容算出部120による繰り返しの処理(計算)を必要としない。このため、支援内容を決定するための計算速度を速くすることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る駐車操作支援装置100について説明する。第3実施形態に係る駐車操作支援装置100は、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と同様に、図2及び図3を参照して説明した構成を有している。そして、第3実施形態に係る駐車操作支援装置100が行う駐車操作の支援処理は、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と一部異なっている。そこで、第3実施形態に係る駐車操作支援装置100による駐車操作の支援処理のうち、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100による支援処理と異なる部分について説明する。図22は、第3実施形態の駐車操作支援装置100による支援内容の決定処理の一部を示すフローチャート、図23は、第3実施形態の駐車操作支援装置100による支援内容の報知処理の一部を示すフローチャートである。
まず、第3実施形態の駐車操作支援装置100による支援内容の決定処理について説明する。第3実施形態の駐車操作支援装置100は、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と同様に、図4に示すステップS101〜ステップS113の処理と図5に示すステップS114の処理とを行う。そして、図5のステップS114の処理の後、図22に示すように、ステップS115´で、支援内容算出部120が、ステップS114で算出した軌跡LP92上の点のうち、直進後退軌跡L104との接点を抽出する。次に、ステップS116´で、支援内容算出部120が、ステップS110で算出した最終旋回後退軌跡L103の候補軌跡L193のうち、ステップS115´で抽出した接点を通る候補軌跡L193を、旋回前進軌跡L102に設定する。
次に、ステップS117´で、支援内容算出部120が、ステップS116´で設定した旋回前進軌跡L102と、ステップS108で設定した直進後退軌跡L104との接点を算出し、この接点を最終後退開始位置P12に設定する。また、直進後退軌跡L104の方向を、最終後退開始位置P12における車両方向として設定する。したがって、支援内容算出部120の最終後退開始位置演算部121は、このステップS117´の処理によって最終後退開始位置P12を演算する。
この場合、図24に示すように、最終後退開始位置P12は直進後退開始位置P13と一致し、また、最終旋回後退軌跡L103は存在しない。したがって、第3実施形態に係る駐車操作支援装置100では、運転者の必要とするステアリングホイール1dの操舵(反転操舵)の回数が少なくなる。加えて、第3実施形態に係る駐車操作支援装置100では、直進後退開始位置P13(最終後退開始位置P12)から目標駐車位置P1Tに、直進後退移動のみによって目標駐車位置P1Tに車両1が到達する。このため、運転者に提示する駐車操作の支援内容を、容易な操作とすることができる。
ステップS117´の後は、図22に示すように、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と同様のステップS119の処理を行う。以上で、第3実施形態に係る駐車操作支援装置100による駐車操作の支援内容の決定処理が終了する。
次に、第3実施形態の駐車操作支援装置100による支援内容の報知処理について説明する。第3実施形態の駐車操作支援装置100は、第1実施形態に係る駐車操作支援装置100と同様に、図10に示すステップS202〜ステップS212の処理と図11に示すステップS213の処理とを行う。そして、図11のステップS213の処理において、自車が最終後退開始位置P12にあった場合には、図23に示すように、図11のステップS219〜ステップS223の処理を行う。
ステップS223で自車が目標駐車位置に到達した場合には運転支援を終了する。自車が目標駐車位置P1Tに到達していない場合は、図10のステップS202以降のステップを繰り返す。
以上に説明した第3実施形態の駐車操作支援装置100によれば、設定した目標駐車位置P1Tへの旋回後退移動を含む駐車操作を、報知部130(報知手段)のモニター132やスピーカ134から運転者に報知することができる。このため、運転者の駐車動作を容易にすることができる。
また、第3実施形態の駐車操作支援装置100によれば、最初の旋回後退軌跡L101及び旋回前進軌跡L102が、移動しながら旋回方向を反転する必要がない軌跡となる。また、最終旋回後退軌跡L103が直進後退軌跡となる。そして、これら最初の旋回後退軌跡L101、旋回前進軌跡L102、及び最終旋回後退軌跡L103が、初期位置P1Sから目標駐車位置P1Tへの車両1の移動経路を構成する。そのため、報知部130のモニター132やスピーカ134による報知で運転者に提示する駐車操作の支援内容を、簡単な運転操作で済む内容にすることができる。
さらに、第3実施形態の駐車操作支援装置100によれば、最初の後退到達位置P11から最終後退開始位置P12への旋回しながらの前進移動時においては、最大の転舵の角度で到達可能な経路を算出する。これにより、車両1の旋回前進移動時に運転者が操舵の微調整をする必要がない。このため、ステアリングホイール1dの操作を容易にすることができる。
また、第3実施形態の駐車操作支援装置100によれば、旋回前進軌跡L102と最終旋回後退軌跡L103との接点P92の軌跡LP92のうち、目標駐車位置P1Tから最も近い点を最終後退開始位置P12とした。このため、駐車枠PSに向けた車両1の最終の旋回後退移動の距離を短くすることができる。これにより、最終の旋回後退移動を短時間で行うことができる。
なお、旋回前進軌跡L102と最終旋回後退軌跡L103との接点P92の軌跡LP92のうち、駐車枠PSの初期位置P1Sに近い側の端点PS1から最も近い点を最終後退開始位置P12とすれば、駐車枠PSに向けた車両1の最終の旋回後退移動を、駐車枠PSになるべく近い位置から開始できる。これにより、最終の旋回後退移動についての運転者の駐車操作を、駐車枠PSの枠線を目安にしやすい容易な操作とすることができる。
さらに、第3実施形態の駐車操作支援装置100によれば、まず最終後退開始位置P12を設定し、次に、設定した最終後退開始位置P12に基づいて最初の後退到達位置P11を算出する。このため、駐車操作支援装置100による支援内容のうち、最終後退開始位置P12から目標駐車位置P1Tへの駐車操作の支援内容を、初期位置P1Sから最終後退開始位置P12への駐車操作の支援内容よりも優先して、周囲の環境や運転者の好みに応じた内容とすることができる。
また、第3実施形態の駐車操作支援装置100によれば、自車が最初の後退到達位置P11に到達したときに、自車が最初の後退到達位置P11に到達したことと、これから自車が最終後退開始位置P12に到達するために必要なステアリングホイール1dの操舵内容を、モニター132による表示やスピーカ134からの音声出力によって運転者に報知する。このため、最初の後退到達位置P11における駐車操作の支援内容を運転者に判りやすく報知し、運転者による車両1の容易な運転操作を可能とすることができる。
同様に、第3実施形態の駐車操作支援装置100によれば、自車が最終後退開始位置P12に到達したときに、自車が最終後退開始位置P12に到達したことと、これから自車が目標駐車位置P1Tに到達するために必要なステアリングホイール1dの操舵内容を、モニター132による表示やスピーカ134からの音声出力によって運転者に報知する。このため、最終後退開始位置P12における駐車操作の支援内容を運転者に判りやすく報知し、運転者による車両1の容易な運転操作を可能とすることができる。
なお、上述した第1乃至第3実施形態では、自車が初期位置P1S、最初の後退到達位置P11、最終後退開始位置P12、直進後退開始位置P13のそれぞれに到着する毎に、自車が次に向かうべき位置と移動軌跡とをモニター132に順次切り換えて表示するものとした。しかし、例えば図1に示すように、初期位置P1Sから目標駐車位置P1Tまでの自車が経由すべき全ての位置と全ての移動軌跡とを、同時にモニター132に表示するようにしても良い。