JP5332418B2 - オートクレーブの圧力調整方法 - Google Patents
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Description
例えば、高温高圧下にスラリー中の硫化物からニッケル及びコバルトを塩素ガスで浸出する方法において、オートクレーブ内の圧力を任意の温度における蒸気圧よりも僅かに大きな過大気圧にすること(例えば、特許文献1参照。)が開示されている。この方法では、オートクレーブ内の温度は、加熱装置の手段によって望ましい水準に維持されるため、その温度に対応する蒸気圧が生じる。このような条件下に、オートクレーブへ浸出剤である塩素ガスを注入することにより、オートクレーブ内の圧力が決められる。
前記高圧酸浸出法では、例えば、まず、鉱石処理工程で、粉砕設備及び篩別設備を用いて、所定のスラリー濃度の、2mm以下の鉱石を含む鉱石スラリーが調製される。次いで、前記鉱石スラリーは、高圧酸浸出工程に供給される。ここで、前記鉱石スラリーは、プレヒーター(昇温昇圧設備)で段階的に昇温及び昇圧された後、オートクレーブに供給される。前記オートクレーブ内では、硫酸により、鉱石中に含まれるニッケル及びコバルトとともに、鉄、アルミニウム、亜鉛などの不純物元素の一部も浸出され、これらを含有する浸出スラリーが得られる。続いて、前記浸出スラリーは、オートクレーブから、浸出後のスラリーを常温常圧まで降温降圧するフラッシュベッセルへ供給され、段階的に降温及び降圧される。その後、浸出液中の遊離硫酸を中和する予備中和工程、多段のシックナーで構成される固液分離工程等を経て、浸出残渣と浸出液に分離される。
しかしながら、操業中、オートクレーブ内のスラリーの飽和蒸気圧は、供給される鉱石スラリー量、鉱石の組成、反応の進行度合等による温度変動により変動するため、オートクレーブ内の圧力を、前記制御圧力値で調整する方法では、温度変動に追随した対応が困難であり、例えば、温度が設定温度より高温度にずれた際、飽和蒸気圧が上昇して、前記高低差に相当する圧力差を確保することができないという問題があった。
前記オートクレーブに、下記の(a)〜(e)を設けるとともに、
(a)オートクレーブ内のスラリー温度を逐次的に測定する温度計、
(b)オートクレーブ内の圧力を逐次的に測定する圧力計、
(c)前記温度計により測定された温度を逐次的に飽和蒸気圧に変換し、前記オートクレーブ内の測定圧力と該飽和蒸気圧との差圧を求める計算装置、
(d)オートクレーブ内に圧搾空気を送り込む高圧コンプレッサー、及び
(e)前記差圧により、別途定めた基準値で開閉される圧力制御弁
前記差圧が、前記基準値以上である場合には、前記圧力制御弁を開放させ、一方、前記基準値未満の場合には、前記高圧コンプレッサーを作動させることにより、オートクレーブ内の圧力を制御することを特徴とするオートクレーブの圧力調整方法が提供される。
本発明のオートクレーブの圧力調整方法は、原料スラリーをオートクレーブで高温高圧下に浸出し、次いで浸出後のスラリーを常温常圧まで降温降圧するフラッシュベッセルを含む高圧酸浸出工程において、
前記オートクレーブに、下記の(a)〜(e)を設けるとともに、
(a)オートクレーブ内のスラリー温度を逐次的に測定する温度計、
(b)オートクレーブ内の圧力を逐次的に測定する圧力計、
(c)前記温度計により測定された温度を逐次的に飽和蒸気圧に変換し、前記オートクレーブ内の測定圧力と該飽和蒸気圧との差圧を求める計算装置、
(d)オートクレーブ内に圧搾空気を送り込む高圧コンプレッサー、及び
(e)前記差圧により、別途定めた基準値で開閉される圧力制御弁
前記差圧が、前記基準値以上である場合には、前記圧力制御弁を開放させ、一方、前記基準値未満の場合には、前記高圧コンプレッサーを作動させることにより、オートクレーブ内の圧力を制御することを特徴とする。
すなわち、オートクレーブ内に備えた温度計によって操業中のオートクレーブ内の温度を逐次的に測定し、測定された温度に該当する飽和蒸気圧を逐次的に求め、同時に逐次的に測定されたオートクレーブ内の圧力との差圧を求め、その差圧が、別途定めた基準値になるように、圧力制御弁の開放、或いは高圧コンプレッサーの作動を指令するものである。
上記オートクレーブとしては、特に限定されるものではなく、外熱式又は加圧水蒸気の吹込みにより加熱される、縦型又は横型の加圧容器が用いられる。また、上記ラッシュベッセルとしては、特に限定されるものではなく、多段式のものが用いられる。また、上記プレヒーターとしては、特に限定されるものではないが、多段式の向流式直接加熱型熱交換器を用いられる。この際、加熱媒体としては、水蒸気が用いられる。ここで、この水蒸気としては、ボイラーなど一般的な方法によって発生させた水蒸気を使用してもよいが、オートクレーブから排出される浸出スラリーを段階的に降温及び降圧するフラッシュベッセルで発生する水蒸気を回収し循環して使用することが好ましい。
上記ニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法としては、下記の鉱石処理工程、高圧酸浸出工程、固液分離工程、中和工程、脱亜鉛工程及びニッケル・コバルト硫化工程を含む。
(1)鉱石処理工程:ニッケル酸化鉱石から大塊、脈石、木々の根などを除去し、所定のスラリー濃度の鉱石スラリーを調製する。
(2)高圧酸浸出工程:プレヒーターで鉱石処理工程から移送された鉱石スラリーを予熱し、オートクレーブで予熱後の鉱石スラリーを高圧空気及び高圧水蒸気を吹込みながら高温高圧下に硫酸で浸出し、フラッシュベッセルで高温高圧の浸出スラリーの温度及び圧力を降下させる。
(3)固液分離工程:前記浸出スラリーを固液分離し、浸出液と浸出残渣を得る。
(4)中和工程:前記浸出液に石灰石スラリーを添加して、不純物である鉄やアルミニウムなどを除去する。
(5)脱亜鉛工程:続いて、浸出液から、硫化沈殿法により、不純物である亜鉛や銅を硫化物として除去する。
(6)ニッケル・コバルト硫化工程:最後に、浸出液から、硫化沈殿法により、ニッケル・コバルト混合硫化物を得る。
(b´)前記温度計により測定された温度を飽和蒸気圧(1500〜5500kPaG)に変換する計算装置、
(c´)オートクレーブ内の圧力(1.8〜5.8MPaG)を測定する圧力計、
(d´)オートクレーブ内に圧搾空気を送り込む高圧コンプレッサー、及び
(e´)前記オートクレーブ内の圧力と前記飽和蒸気圧との差圧に対し、該オートクレーブと該フラッシュベッセルを設置する位置の高低差(約30m)に伴い生ずる圧力差(約300kPaG)に相当する数値以上の所定値を基準値として開閉される圧力制御弁
また、実施例及び比較例で用いたニッケル酸化鉱石の鉱石スラリーの分析値を表1に示す。
前述した高圧酸浸出工程の実用設備例を含む、ニッケル酸化鉱石の実用プラントを用いた。
表1に示す鉱石スラリーを、第3段のプレヒーターの出口において、200℃、1.6MPagG程度に昇温昇圧した後、245℃程度、4MPaG程度に調整されているオートクレーブに装入した。オートクレーブでは、硫酸及び水蒸気を添加し、浸出スラリーを得た。続いて、オートクレーブから約30m上方の位置に装入口が設けられた第1段のフラッシュベッセルに浸出スラリーを移送し、そして第2段、第3段のフラッシュベッセルに順次移送し、浸出スラリーを常圧まで低下させる操業を実施した。
ここで、前記基準値としては、0.3MPaGに設定された。前記差圧が前記基準値以上になった場合に、圧力制御弁が開放され、一方基準値未満の場合には、高圧コンプレッサーにより圧縮された空気をオートクレーブ内へ供給した。
オートクレーブ中のスラリーの温度による飽和蒸気圧及び差圧の計算装置を設けなかったこと、及び設定温度による飽和蒸気圧に0.3MPaGを加えた圧力値を制御基準値として圧力制御弁が開放されるように調節したこと以外は、実施例1と同様におこなった。なお、前記飽和蒸気圧と測定圧力との差圧の制御は行なわれなかった。
上記操業の期間中に配管及びバルブの損傷状況を確認した期間(比較例1、2)の操業データ(オートクレーブ内の温度、圧力制御弁開放時のオートクレーブ内の圧力、差圧(計算値))の平均値を求めた。なお、目視により、配管及びバルブの損傷状況を確認した。結果を表3に示す。
Claims (4)
- 原料スラリーをオートクレーブで高温高圧下に浸出し、次いで浸出後のスラリーを常温常圧まで降温降圧するフラッシュベッセルを含む高圧酸浸出工程において、
前記オートクレーブに、下記の(a)〜(e)を設けるとともに、
(a)オートクレーブ内のスラリー温度を逐次的に測定する温度計、
(b)オートクレーブ内の圧力を逐次的に測定する圧力計、
(c)前記温度計により測定された温度を逐次的に飽和蒸気圧に変換し、前記オートクレーブ内の測定圧力と該飽和蒸気圧との差圧を求める計算装置、
(d)オートクレーブ内に圧搾空気を送り込む高圧コンプレッサー、及び
(e)前記差圧により、別途定めた基準値で開閉される圧力制御弁
前記差圧が、前記基準値以上である場合には、前記圧力制御弁を開放させ、一方、前記基準値未満の場合には、前記高圧コンプレッサーを作動させることにより、オートクレーブ内の圧力を制御することを特徴とするオートクレーブの圧力調整方法。 - 前記基準値は、オートクレーブとフラッシュベッセルを設置する位置の高低差に伴い生ずる圧力差の絶対値に相当する数値であることを特徴とする請求項1に記載のオートクレーブの圧力調整方法。
- 前記原料スラリーは、ニッケル酸化鉱石スラリーであり、該ニッケル酸化鉱石スラリーを硫酸で浸出することを特徴とする請求項1又は2に記載のオートクレーブの圧力調整方法。
- 前記オートクレーブ内のスラリー温度は、200〜270℃であり、その圧力は1.8〜5.8MPaGであることを特徴とする請求項3に記載のオートクレーブの圧力調整方法。
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