JP5331581B2 - 照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光ダイオードなどの光源を有する照明装置に関し、特に電球型の形状をなした照明装置に関する。
近年、発光ダイオード(LED)を光源とする照明装置が様々な用途向けに開発されており、白熱電球や蛍光灯等の従来の光源を用いた照明装置に対する置換えが行われつつある。また、光源を所望の明るさに調整するためや点灯状態を調整するためにリモコンなどの遠隔端末からに信号を検出するセンサ等を備えた照明装置が開発されている。
例えば、略ドーナツ形のLED基板にLEDを複数配設し、配設されたLEDの配設領域の略中央位置にセンサを配置し、センサの検知に応じてLEDの点灯及び消灯を行うことができる照明器具が開示されている(特許文献1参照)。
特開2001−325810号公報
しかしながら、特許文献1の照明器具にあっては、センサを配設した支持板がLED基板と繋がっており、しかもセンサがLEDに近接しているため、LEDで発生する熱によりセンサの劣化や故障が生じる虞がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、外部からの信号を受信する受信部の劣化や故障を防止することができる照明装置を提供することを目的とする。
本発明に係る照明装置は、回路基板及び該回路基板の一面に隔離して環状に実装された複数の発光ダイオードを有する光源部と、前記回路基板から隔離して設けてあり、外部からの信号を受信する受信部と、該受信部で受信した信号に応じて前記光源部を制御する制御部とを備え、前記回路基板に各発光ダイオードで囲まれた領域の略中央に開口部を設けた照明装置において、前記回路基板が取り付けられ、前記開口部に対応する位置に開口を形成した放熱板を備え、前記受信部を前記回路基板及び放熱板と物理的に分離して前記開口部及び開口の近傍に設けてあることを特徴とする。
本発明にあっては、外部からの信号を受信する受信部を光源部から熱的に分離して設けてある。例えば、受信部と光源部とを物理的に分離し、光源部からの熱が受信部に熱伝導しないようにすることができる。また、受信部と光源部とが物理的に繋がっている場合でも、光源から受信部へ熱が伝導する途中で放熱されて受信部に熱が伝わらないようにすることができる。これにより、受信部の劣化や故障を防止することができる。
また、光源部は、回路基板と、回路基板に実装された発光ダイオードとを備え、受信部は、回路基板から隔離して設けてある。これにより、発光ダイオードで発生した熱が回路基板を介して受信部に熱伝導することがなく、受信部の劣化や故障を防止することができる。
また、回路基板の一面に複数の発光ダイオードを隔離して環状に実装してあり、回路基板は、各発光ダイオードで囲まれた領域の略中央に開口部を設けてあり、受信部を開口部近傍に設けてある。これにより、回路基板に物理的に繋がることなく受信部を発光ダイオードが配設された領域の略中央に設けることができるので、発光ダイオードの発光面に受信部を設けることができ、装置を小型化することができる。
本発明に係る照明装置は、前記制御部は、前記受信部で受信した信号に応じて前記発光ダイオードに対してPWM制御を行って調光するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る照明装置は、前記複数の発光ダイオードは、互いに発光色の異なる第1の発光ダイオード及び第2の発光ダイオードを有し、前記制御部は、前記受信部で受信した信号に応じて前記第1の発光ダイオードと前記第2の発光ダイオードとのデューティ比を変化させて調色するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る照明装置は、前記回路基板の一面に複数の前記発光ダイオードを隔離して環状に実装してあり、前記回路基板の他面と交差する方向に沿って前記開口部から隔離した位置に前記受信部を設けてあることを特徴とする。
本発明にあっては、回路基板の一面に複数の発光ダイオードを隔離して環状に実装してあり、回路基板は、各発光ダイオードで囲まれた領域の略中央に開口部を設けてあり、回路基板の他面と交差する方向に沿って開口部から隔離した位置に受信部を設けてある。これにより、回路基板に物理的に繋がることなく受信部を発光ダイオードが配設された領域の略中央に設けることができるので、発光ダイオードの発光面に受信部を設けることができ、装置を小型化することができる。
本発明に係る照明装置は、電球型であることを特徴とする。
本発明によれば、受信部の劣化や故障を防止することができる。
実施の形態1の照明装置の外観図である。 実施の形態1の照明装置の要部分解斜視図である。 実施の形態1の照明装置の断面図である。 光源モジュールの発光面の構造例を示す平面図である。 実施の形態2の透光部の要部断面図である。 実施の形態3の照明装置の設置例を示す模式図である。 実施の形態4の照明装置の断面図である。 実施の形態4の光源モジュールの発光面の構造例を示す平面図である。 実施の形態4の電源部の構成を示すブロック図である。 リモコン受光部で受信する信号の一例を示す説明図である。 PWM周波数とリモコンからの信号の到達距離との関係を示す説明図である。 実施の形態4の照明装置の調色の例を示す説明図である。 実施の形態4の照明装置の調光の一例を示す説明図である。 実施の形態4の照明装置の調光の他の例を示す説明図である。 実施の形態5の光源モジュールの発光面の構造例を示す平面図である。 実施の形態5のリモコン受光部の配置の一例を示す要部断面図である。 実施の形態5のリモコン受光部の配置の他の例を示す要部断面図である。 実施の形態5のリモコン受光部の配置の他の例を示す要部断面図である。
実施の形態1
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は実施の形態1の照明装置100の外観図であり、図2は実施の形態1の照明装置100の要部分解斜視図であり、図3は実施の形態1の照明装置100の断面図である。図1に示すように、照明装置100は、40W、60Wなどの電球型をなすLED電球であり、外観視において、外部のソケットに嵌めて商用電源に電気的に接続するための電源接続部としての口金10、放熱部13、口金10と放熱部13とを連結する連結体11、中空の略半球殻の透光部50、後述するLEDモジュールを載置し、放熱部13と熱的に接続された円板状の放熱板20などを備えている。
図2及び図3に示すように、放熱板20には、基板41の表面にLEDモジュール42が実装された光源モジュール40をねじ21で取り付けてある。光源モジュール40と放熱板20との間は、熱伝導効率を向上させるために熱伝導シートや高熱伝導性の樹脂を塗布することにより、光源モジュール40で発生した熱を放熱板20、及び放熱部13を介して外部へ放熱することができる。
放熱部13は、例えば、アルミニウム等の軽量かつ熱伝導性の高い金属からなり、略円筒形状をしている。また、放熱部13は、円筒の外周面に複数の放熱溝を有しており、光源モジュール40から放熱部13に伝達される熱は放熱溝を利用して外周面から外部の空気に放熱される。なお、放熱部13と放熱板20との間には、水分が内部に侵入しないように合成ゴム製の防水用パッキン19を設けている。
放熱部13は、内部に空洞が形成されており、放熱部13の内部には、配線22を介して光源モジュール40のLEDモジュール42へ所要の電力(電圧、電流)を供給するための電源部30、電源部30を収容する収容部15などを配設してある。また、電源部30と口金10との間には、商用電源を電源部30に供給するための電源線17を設けている。
放熱部13と連結体11との間には、水分が内部に侵入しないように合成ゴム製の防水用リング材12を設けてあり、放熱部13と連結体11は、ねじ14により固定されている。
また、図3に示すように、収容部15に収容された電源部30の周囲には、電源部30で発生した熱を放熱部13及び口金10へ効率よく熱伝導させるために、高伝導率の合成樹脂25(例えば、ポリウレタン樹脂など)を充填してある。また、合成樹脂25は、高い電気絶縁性、低い透水性、難燃性を有するものが好ましい。
合成樹脂25は、放熱部13内部の電気的配線が終了し、放熱部13と口金10が機械的に接合された状態で、放熱部13の内部に充填する。なお、合成樹脂25は、充填時には液体状をなす。合成樹脂25を充填した後、所要の温度で硬化させる。硬化後の合成樹脂25は、口金10の内面と接着するとともに、放熱部13の内面とも接着する。これにより、口金10の接合部分からの水分の浸入を一層確実に防止することができる。
また、合成樹脂25は、高い電気的絶縁性を有しているので、放熱部13と電源部30の充電部とが絶縁破壊して短絡することを確実に防止することができる。また、合成樹脂25は、高熱伝導率を有しているので、電源部30で発生した熱は、放熱部13のみならず、合成樹脂25を介して熱的に接続された口金10からも放熱されるので、電源部30の温度上昇を抑制して、電源部30で使用されている電気部品の信頼性を向上させることができる。
光源モジュール40の発光面側には、ねじ21で反射板23を取り付けてある。反射板23は、LEDモジュール42が配置された位置に対応する箇所に、LEDモジュール42の寸法と略同寸法の挿通穴を設けてあり、該挿通穴にLEDモジュール42を挿通させた状態で取り付けられるようになっている。なお、反射板23は必須ではなく省略することもできる。
透光部50は、乳白色のガラス製であって放熱板20に接着剤により固定されている。なお、透光部50は、ガラス製に限定されるものではなく、乳白色のポリカーボネート樹脂などを用いることもできる。なお、透光部50がポリカーボネート樹脂製である場合には、ネジを切ることにより、放熱板20に螺合係止することができる。
透光部50には、LEDモジュール42(光源モジュール40)からの光を拡散させるための光拡散部材50aを添加してある。光拡散部材50aは、例えば、結晶構造を有し、その光学的性質は、例えば、屈折率が大きく、光吸収能が小さく、光散乱能が高いものであればよい。例えば、蛍光体などの結晶構造を有する顔料を添加することができる。また、光拡散部材50aの添加比率は、例えば、数%程度でよい。蛍光体は、例えば、3Ca3 (PO4 2 Ca(F、Cl)2 SbMnを用いることができる。
これにより、光源として面発光の性質を有するLEDモジュール42を用いる場合に、LEDモジュール42の光の指向性が狭いときでも、LEDモジュール42から発せられた光は、透光部50を透過する際に光拡散部材50aで拡散されるので、簡便な構成で配光特性を広くすることができる。なお、光拡散部材50aが蛍光体である場合には、光を拡散させるとともに当該光で励起されて発光する材料でもよい。光拡散部材50a自体も発光することにより、配光をより広げることが可能となる。
また、透光部50は、中空の略半球殻をなすので、LEDモジュール42(発光ダイオード)を使用した配光特性の広い電球型の照明装置を提供することができる。
特に、略半球殻の透光部50の最大径よりも若干縮径した箇所で、透光部50と放熱板20とが接合されているので、LEDモジュール42から発せられた光が、透光部50の表面のうち、透光部50と放熱板20との接合箇所から最大径までの部分から透過することにより、放熱部13から口金10の方へ向かう方向に沿って放射されるので、さらに配光特性を広くすることができる。
図4は光源モジュール40の発光面の構造例を示す平面図である。光源モジュール40は、アルミニウム合金などからなる略円形の基板41上に複数のLEDモジュール42を環状に適長隔離して配設してある。図4の例では、6個のLEDモジュール42を配設した構成であるが、LEDモジュール42の数や配置は、図4の例に限定されるものではなく、照明装置の仕様や用途に応じて、個数を変更することや、配置を略矩形状にするなど適宜行うことができる。なお、基板41は、セラミックなどであってもよい。
LEDモジュール42は、所要の発光色のものを使用することができ、例えば、白色のものを用いることができる。なお、発光色は、白色に限定されるものではなく、昼白色や電球色であってもよい。
実施の形態2
上述の図3の例では、透光部50に光拡散部材50aを添加する構成であったが、これに限定されるものではなく、光拡散部材を塗布する構成とすることもできる。
図5は実施の形態2の透光部51の要部断面図である。透光部51は、実施の形態1の透光部50と同様に、乳白色のガラス製であって放熱板20に接着剤により固定されている。なお、透光部51は、ガラス製に限定されるものではなく、乳白色のポリカーボネート樹脂などを用いることもできる。なお、透光部50がポリカーボネート樹脂製である場合には、ネジを切ることにより、放熱板20に螺合係止することができる。
透光部50の内側面には、光拡散部材52を塗布(例えば、焼付け塗布又は静電塗布など)してある。なお、焼付け塗布する場合には、例えば、蛍光体である光拡散材52を透光部51の表面に塗布し、常温から100℃まで約30分間かけて温度を上昇させて加熱した後に、さらに150℃で約30分間加熱することによって塗布がなされる。また、光拡散部材52は、実施の形態1と同様、例えば、結晶構造を有し、その光学的性質は、例えば、屈折率が大きく、光吸収能が小さく、光散乱能が高いものであればよい。光拡散部材52の塗布厚みは1mm〜2mm程度でよい。光拡散部材52の厚みが厚すぎると光が透過し難くなるので、上記範囲とすることにより、光を透過させるとともに、拡散も可能となる。これにより、光源として面発光の性質を有するLEDモジュール42を用いる場合に、LEDモジュール42の光の指向性が狭いときでも、LEDモジュール42から発せられた光は、透光部51を透過する際に光拡散部材52で拡散されるので、簡便な構成で配光特性を広くすることができる。なお、光拡散部材52の材料や組成によっては、塗布厚みは、1mm〜2mmの範囲に限定されるものではなく、例えば、数10μm程度にすることもできる。
なお、図5の例では、光拡散部材52を透光部50の内側面に塗布しているが、これに限定されるものではなく、透光部50の外側面に塗布することもできる。あるいは、透光部50を二重構造とし、光拡散部材52よりなる層を間に挟んで透光部50を構成することもできる。
実施の形態3
上述の実施の形態1、2においては、照明装置100は、特定の発光色を有するLED電球の構造を有するものであったが、照明装置100に調光機能を設けることもできる。実施の形態3においては、商用電源と照明装置100との間の電源線に調光器(不図示)を介装し、該調光器により照明装置100の照明光の明るさを調整するように構成することができる。
図6は実施の形態3の照明装置100の設置例を示す模式図である。商用電源には調光器200を設けてあり、調光器200の出力側の電源線には、複数の照明装置100を接続してある。上述したように、照明装置100は、LEDモジュール42を内蔵した電球形状とすることにより、既存の電球に代えて、照明装置100を置き換えることが可能である。図6において、調光器200の調光用のつまみ(操作スイッチなど)を回すことにより、広範囲に設置された照明装置100を一括して調光することができる。また、遠隔操作用のリモコンを用いて、調光器200に対して信号を送信して照明装置100を調光させることもできる。なお、照明装置100は、電源部30と同様に放熱部13内部の収容部15に調光器200を収容して内蔵する構成としてもよい。
次に、実施の形態3における調光方式について説明する。調光器200は、調光度合い(例えば、100%〜25%など)に応じて、位相制御された交流電圧を各照明装置100へ出力する。各照明装置100では、入力電圧の位相角を検出し、位相角に応じた光量でLEDモジュール42を点灯させる。例えば、位相角が小さい場合には、LEDモジュール42に流す電流を増加させ、位相角が大きくなるに応じて、LEDモジュール42に流す電流を減少させることで、位相角に応じた調光を行うことができる。
なお、実施の形態1、2と同様の箇所(例えば、図1〜図5で示す構成)については、説明を省略する。実施の形態4の照明装置100では、上述したように位相制御された交流電圧に対しても正確に調光することができるので、既存の位相制御による調光式の電球に置き換えることも、あるいは、既存の電球とともに併用して用いることもできる。
実施の形態4
実施の形態1では、調光機能はなく、実施の形態2では、外部の調光器を用いて調光する構成であったが、遠隔操作用のリモコンを用いて、調光のみならず調色(発光色を所望の色に調整すること)機能を備えた構成とすることもできる。
図7は実施の形態4の照明装置100の断面図であり、図8は実施の形態4の光源モジュール40の発光面の構造例を示す平面図である。実施の形態1〜3との相違点は、発光色の異なるLEDモジュール42、43、リモコン等の遠隔端末から信号を受信するリモコン受光部45などを備える点である。以下、実施の形態4の詳細について説明する。
図7及び図8に示すように、光源モジュール40は、アルミニウム合金などからなる略円形の基板41上に複数の発光色の異なるLEDモジュール42、43を交互に環状に適長隔離して配設してある。図8の例では、LEDモジュール42、43をそれぞれ3個用いる構成であるが、LEDモジュール42、43の数や配置は、図8の例に限定されるものではなく、照明装置の仕様や用途に応じて、個数を変更することや、配置を略矩形状にするなど適宜行うことができる。なお、基板41は、セラミックなどであってもよい。
LEDモジュール42は、例えば、白色の光を発光することができ、LEDモジュール43は、電球色の光を発光することができる。なお、発光色は、これらに限定されるものではなく、他の色、例えば、赤色、緑色、青色などであってもよい。
略円形状の基板41の中央には、リモコン受光部45を配設してある。図8に示すように、電球型の照明装置100では、照明器具等に取り付けられた状態で視認することができる部分は、ほぼ透光部50のみである。例えば、ユーザがリモコンで遠隔操作を行うためには、リモコン受光部45は透光部50として視認される領域内に設ける必要がある。そして、リモコン受光部45を囲むようにしてリモコン受光部45の周囲にLEDモジュール42、43を設けることにより、照明装置100を小型化することができる。
図9は実施の形態4の電源部30の構成を示すブロック図である。電源部30は、商用電源などから侵入してくるノイズを除去するためのノイズフィルタ回路31、交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流回路32、整流回路32から出力された直流電圧を所要の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ33、DC/DCコンバータ33から出力された直流電圧に対してパルス幅変調を行うことによりLEDモジュール42及び43に供給する電流を制御するPWM制御回路34、電源部30の制御を行う制御用マイクロコンピュータ35、LEDモジュール42に流れる電流や印加された電圧を検出する電流電圧検出回路36、並びにLEDモジュール43に流れる電流や印加された電圧を検出する電流電圧検出回路37などを備えている。
リモコン受光部45は、ユーザが操作するリモコン(不図示)に内蔵された赤外線LEDからの赤外線を受光し、リモコンから送信された信号を抽出し、抽出した信号を制御用マイクロコンピュータ35へ出力する。リモコンから送信される信号は、例えば、光源を点灯、消灯、調光(例えば、70%、50%、30%など)、調色(例えば、白色から電球色まで段階的に発光色を調整)するためのものである。
図10はリモコン受光部45で受信する信号の一例を示す説明図である。図10(a)は信号の送信側であるリモコンから送信される信号、すなわち、リモコン受光部45で受信される信号を示し、図10(b)はリモコン受光部45の出力状態を示す。図10(a)に示すように、リモコンから送信される信号はキャリア周波数が38kHzであり、周期は約26μsである。なお、キャリア周波数は、38kHzに限定されるものではなく他の周波数、例えば、40kHzなどでもよい。
リモコン側では、赤外線LEDの点滅を所定時間Tの間、周期26μsで繰り返した場合、リモコン受光部45は、ハイレベル(H)の電気信号を出力する。また、リモコン側では、所定時間Tの間、赤外線LEDを消灯した場合、リモコン受光部45は、ローレベル(L)の電気信号を出力する。
制御用マイクロコンピュータ35は、リモコン受光部45から出力された信号に基づいて、光源を点灯、消灯、調光、調色するための制御信号をDC/DCコンバータ33、PWM制御回路34へ出力する。
また、制御用マイクロコンピュータ35は、電流電圧検出回路36、37から出力された検出結果に基づいて、光源を所定の光量で点灯維持させるための制御信号をDC/DCコンバータ33、PWM制御回路34へ出力する。
PWM制御回路34は、制御用マイクロコンピュータ35から出力された制御信号を取得し、取得した制御信号に応じたPWM制御を各LEDモジュール42、43に対して行う。なお、各LEDモジュール42、43に対して、それぞれ個別にPWM制御回路を設ける構成でもよい。
PWM制御回路34は、リモコンが赤外線で送信する信号のキャリア周波数(例えば、38kHz)と混信が生じ難い周波数帯域である、例えば、300Hz〜3kHzの範囲内の任意のPWM周波数を用いてPWM制御を行うことができる。以下、PWM周波数とリモコン受光部45で受光する信号のキャリア周波数との関係について説明する。
図11はPWM周波数とリモコンからの信号の到達距離との関係を示す説明図である。図11において、横軸はPWM周波数を示し、縦軸はリモコンからの信号の到達距離を示す。到達距離は、リモコンからの信号が確実に受信することができるときのリモコンとリモコン受光部45との距離であり、実使用上は、7m以上であることが望ましい。
図11からわかるように、PWM周波数が約3kHz以下であれば、到達距離は7m以上確保することができる。また、PWM周波数が200kHz以上であれば、到達距離は7m以上確保することができる。
しかし、PWM周波数を300Hz以下にすると光源のちらつきが視認されるようになる。従って、PMW周波数は、300Hz〜3kHzの範囲内にすることが望ましい。このように、PWM周波数と遠隔操作用の信号の周波数(キャリア周波数)とを異なる帯域に分離することにより、遠隔操作用の信号がPWM制御による光源の点灯動作による影響を受けることを抑制し、遠隔操作の誤作動を防止することができる。特に、PWM周波数を300Hz〜3kHzとすることにより、赤外線を用いた遠隔操作の誤動作を防止することができる。よって、リモコン受光部45を、前記LEDモジュール42、43から光が出射される側から遠隔操作のための赤外線の信号を受信するように設けてあっても、赤外線を用いた遠隔操作の誤動作を防止することができる。
また、リモコン受光部45を、環状に配置されたLEDモジュール42、43の略中央部に設けることにより、照明装置を小型化することができるとともに、遠隔操作用の信号がPWM制御による光源の点灯動作による影響を受けることを抑制し、遠隔操作の誤作動を防止することができる。
なお、PWM周波数を200kHz以上にすることもできるが、PWM制御回路34に使用されるFETなどのスイッチング素子の発熱が増加する可能性もあり、上述の300Hz〜3kHzの範囲がより好ましい。
次に、実施の形態4の照明装置100の調色方法について説明する。図12は実施の形態4の照明装置100の調色の例を示す説明図である。図12において、横軸は時間を示し、縦軸は各LEDモジュール42、43に流れる電流を示す。LEDモジュール42は白色LEDモジュールであり、LEDモジュール43は電球色LEDモジュールである。
制御用マイクロコンピュータ35は、リモコン受光部45を介して照明色(照明装置100全体としての発光色)を白色にすべく操作を受け付けた場合、図12(a)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)をデューティ比100%で点灯するとともに、電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)を消灯する。
制御用マイクロコンピュータ35は、リモコン受光部45を介して照明色(照明装置100全体としての発光色)を白色から少しだけ電球色側にすべく操作を受け付けた場合には、図12(b)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)をデューティ比75%で点灯するとともに、電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)をデューティ比25%で点灯する。ここで、デューティ比は、一周期のうち、LEDモジュールに電流を流す期間の割合である。この状態で、照明色は、白色と昼白色との中間の色になる。
制御用マイクロコンピュータ35は、リモコン受光部45を介して照明色(照明装置100全体としての発光色)を昼白色にすべく操作を受け付けた場合には、図12(c)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)をデューティ比50%で点灯するとともに、電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)をデューティ比50%で点灯する。この状態で、照明色は昼白色になる。
制御用マイクロコンピュータ35は、リモコン受光部45を介して照明色(照明装置100全体としての発光色)を昼白色から少しだけ電球色側にすべく操作を受け付けた場合には、図12(d)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)をデューティ比25%で点灯するとともに、電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)をデューティ比75%で点灯する。この状態で、照明色は、昼白色と電球色との中間の色になる。
制御用マイクロコンピュータ35は、リモコン受光部45を介して照明色(照明装置100全体としての発光色)を電球色にすべく操作を受け付けた場合には、図12(e)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)を消灯するとともに、電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)をデューティ比100%で点灯する。この状態で、照明色は電球色になる。
図12の例においては、制御用マイクロコンピュータ35は、発光色の異なるLEDモジュール42、43同士が同時に点灯しない(点灯時間、すなわちPWM制御のオン時間が重複しない)ように制御する。すなわち、白色LEDモジュールが点灯している時間は、電球色LEDモジュールを消灯させ、電球色LEDモジュールが点灯している時間は白色LEDモジュールを消灯させる。これにより、LEDモジュール42、43に供給する電流を所定値(一方の発光色のLEDモジュールに供給する電流値)以上に変動させることなく発光色を調整することができる。
また、PWM制御により、各色のLEDモジュールの点灯時間の割合を変更して照明色を白色、昼光色、電球色などの範囲で所望の発光色(色温度)に変えることができ、照明装置の利用シーンやユーザの好みに合わせて最適な照明環境を実現することができる。
次に、実施の形態4の照明装置100の調光方法について説明する。図13は実施の形態4の照明装置100の調光の一例を示す説明図である。図13において、横軸は時間を示し、縦軸は各LEDモジュール42、43に流れる電流を示す。LEDモジュール42は白色LEDモジュールであり、LEDモジュール43は電球色LEDモジュールである。
制御用マイクロコンピュータ35は、リモコン受光部45を介して照明色を、例えば、昼白色に設定した後、明るさを全灯(100%調光)にすべく操作を受け付けた場合、図13(a)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)をデューティ比50%で点灯するとともに、電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)をデューティ比50%で点灯する。この状態で、一周期に亘って、いずれの色のLEDモジュールが点灯しているので、調光は100%になる。
制御用マイクロコンピュータ35は、明るさを少し暗くすべく操作を受け付けた場合、図13(b)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)をデューティ比35%で点灯するとともに、電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)をデューティ比35%で点灯する。この状態で、一周期に対して、いずれか色のLEDモジュールが点灯して期間が70%であるので、調光は70%になる。
制御用マイクロコンピュータ35は、さらに明るさを暗くすべく操作を受け付けた場合、図13(c)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)をデューティ比25%で点灯するとともに、電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)をデューティ比25%で点灯する。この状態で、一周期に対して、いずれか色のLEDモジュールが点灯して期間が50%であるので、調光は50%になる。なお、他の発光色でも同様である。
このように、制御用マイクロコンピュータ35は、発光色の異なる光源夫々の点灯時間の比率を一定にしつつ点灯時間の長短を制御して調光を行う。これにより、調色と調光を同時に行うことができ、照明装置100の利用シーンやユーザの好みに合わせて一層最適な照明環境を実現することができる。
図14は実施の形態4の照明装置100の調光の他の例を示す説明図である。図14において、横軸は時間を示し、縦軸は各LEDモジュール42、43に流れる電流を示す。LEDモジュール42は白色LEDモジュールであり、LEDモジュール43は電球色LEDモジュールである。
制御用マイクロコンピュータ35は、リモコン受光部45を介して照明色を、例えば、昼白色に設定した後、明るさを全灯(100%調光)にすべく操作を受け付けた場合、図14(a)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)及び電球色LEDモジュールに所定値の電流を流す。この状態で、調光は100%になる。なお、デューティ比は50%であるが、これに限定されるものではない。
制御用マイクロコンピュータ35は、明るさを少し暗くすべく操作を受け付けた場合、図14(b)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)及び電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)に流す電流を所定値よりも少なくする。この状態で、各LEDモジュールに流れる電流が所定値の75%であるので、調光は75%になる。
制御用マイクロコンピュータ35は、さらに明るさを暗くすべく操作を受け付けた場合、図14(c)に示すように、白色LEDモジュール(LEDモジュール42)及び電球色LEDモジュール(LEDモジュール43)に流す電流をさらに少なくする。この状態で、各LEDモジュールに流れる電流が所定値の50%であるので、調光は50%になる。なお、他の発光色でも同様である。
このように、制御用マイクロコンピュータ35は、発光色の異なるLEDモジュール42、43夫々の点灯時間の長さを一定にしつつ、点灯時間中に供給する電流の多少を制御して調光を行う。これにより、調色と調光を同時に行うことができ、照明装置の利用シーンやユーザの好みに合わせて一層最適な照明環境を実現することができる。
実施の形態5
上述の実施の形態4では、基板41の表面上にリモコン受光部45を設ける構成であったが、LEDモジュール42、43で発生する熱が基板41を介してリモコン受光部45に伝わることによる影響を防止する構成とすることができる。
図15は実施の形態5の光源モジュール40の発光面の構造例を示す平面図であり、図16は実施の形態5のリモコン受光部45の配置の一例を示す要部断面図である。光源モジュール40の基板41は、中央部に円形状の穴44を設けてあり、基板41上には、穴44を中心にして複数の発光色の異なるLEDモジュール42、43を交互に環状に適長隔離して配設してある。また、穴44の径はリモコン受光部45の寸法よりも大きい。
リモコン受光部45は、穴44のほぼ中央に基板41と隔離して配置されている。リモコン受光部45は、放熱板20上に取り付けられ、基板41とは分離した基板46上に設けられている。
上述のように、外部からの信号を受信するリモコン受光部45をLEDモジュール42、43から熱的に分離して設け、物理的に分離することで、LEDモジュール42、43からの熱がリモコン受光部45に熱伝導しないようにすることができる。また、リモコン受光部45とLEDモジュール42、43とが物理的に繋がっている場合でも、両者の間に放熱板20を介することで、LEDモジュール42、43からリモコン受光部45へ熱が伝導する途中で放熱されてリモコン受光部45に熱が伝わらないようにすることができる。これにより、リモコン受光部45の劣化や故障を防止することができる。
また、リモコン受光部45を、LEDモジュール42、43が実装された基板41から隔離して設けてあることにより、LEDモジュール42、43で発生した熱が基板41を介してリモコン受光部45へ熱伝導しにくくなり、リモコン受光部45の劣化や故障を防止することができる。
図17は実施の形態5のリモコン受光部45の配置の他の例を示す要部断面図である。図17の例では、基板41の一面に複数のLEDモジュール42、43を交互に隔離させて環状に実装してあり、基板41は、各LEDモジュール42、43で囲まれた領域の略中央に開口部48を設けてあり、そして、基板41とは物理的に分離した別個の基板46に設けられたリモコン受光部45を開口部48の近傍に設けてある。なお、基板46は適宜の支持材で支持されている。これにより、LEDモジュール42、43が実装された基板41に物理的に繋がることなく、リモコン受光部45をLEDモジュール42、43が配設された領域の略中央に設けることができるので、照明装置100の発光面にリモコン受光部45を設けることができ、装置を小型化することができる。
リモコン受光部45を開口部48の近傍に設ける場合、リモコン受光部45を基板41及び放熱板20の内周面で囲まれる位置に設けることもでき、あるいは、基板41や放熱板20の板面方向と交差する方向に沿って開口部48から電源部30側へ隔離した位置に設けることもできる。これにより、リモコン受光部45をLEDモジュール42、43及び基板41から一層離すことができ、熱による影響を少なくすることができる。
図18は実施の形態5のリモコン受光部45の配置の他の例を示す要部断面図である。図18の例では、リモコンからの赤外光をリモコン受光部45に導くための導光部材47を備えている。導光部材47は、ガラス製又は合成樹脂性であって、略円筒状をなし、一方側はリモコンからの光を取り入れるように外側に向かって凸状の曲面(球面)を有し、他方側はリモコン受光部45の形状に合わせて外側に向かって凹状の曲面を有する。これにより、照明装置100の発光面である透光部50に対して信号(赤外光)を外部から送信する場合に、確実に信号をリモコン受光部45へ導くことができる。なお、導光部材47の上記他方側(リモコン受光部45側の端面)は、凹状の曲面に限定されるものではなく、平面状であってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、光源モジュールからの熱がリモコン受光部に熱伝導しないようにすることができるので、リモコン受光部の劣化や故障を防止することができる。
上述の実施の形態では、電球型の照明装置について説明したが、照明装置の形状は電球型に限定されるものでなく、他の形状であってよい。また、光源としてLEDモジュールを備える照明装置について説明したが、光源はLEDモジュールに限定されるものではなく、面発光を有する発光素子であれば、有機ELなど他の光源でもよい。
30 電源部
40 光源モジュール(光源部)
41 基板(回路基板)
42、43 LEDモジュール(発光ダイオード)
44 穴(開口部)
45 リモコン受光部(受信部)
47 導光部材
48 開口部(開口部)

Claims (5)

  1. 回路基板及び該回路基板の一面に隔離して環状に実装された複数の発光ダイオードを有する光源部と、前記回路基板から隔離して設けてあり、外部からの信号を受信する受信部と、該受信部で受信した信号に応じて前記光源部を制御する制御部とを備え、前記回路基板に各発光ダイオードで囲まれた領域の略中央に開口部を設けた照明装置において、
    前記回路基板が取り付けられ、前記開口部に対応する位置に開口を形成した放熱板を備え、
    前記受信部を前記回路基板及び放熱板と物理的に分離して前記開口部及び開口の近傍に設けてあることを特徴とする照明装置。
  2. 前記制御部は、
    前記受信部で受信した信号に応じて前記発光ダイオードに対してPWM制御を行って調光するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記複数の発光ダイオードは、
    互いに発光色の異なる第1の発光ダイオード及び第2の発光ダイオードを有し、
    前記制御部は、
    前記受信部で受信した信号に応じて前記第1の発光ダイオードと前記第2の発光ダイオードとのデューティ比を変化させて調色するようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
  4. 前記回路基板の一面に複数の前記発光ダイオードを隔離して環状に実装してあり
    記回路基板の他面と交差する方向に沿って前記開口部から隔離した位置に前記受信部を設けてあることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の照明装置。
  5. 電球型であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の照明装置。
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