JP5331530B2 - マルチプライ衛生用紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ティシュペーパーやトイレットペーパー等のように、複数枚の衛生用紙が積層された状態で結合されたマルチプライ衛生用紙の製造方法に関するものである。
ティシュペーパーやトイレットペーパー等の衛生用紙として、図3A及び図3Bに示すような、複数枚の衛生用紙2c,2dが積層された状態で結合されたマルチプライ衛生用紙100が用いられている。
図3A及び図3Bに示すようなマルチプライ衛生用紙100においては、複数枚の衛生用紙2c,2dを結合するためにプライボンディングという処理が行われている。プライボンディングの方法としては、衛生用紙の原紙を複数枚積層した状態において、衛生用紙の両側縁部に対応する部分にエンボス(「エッジエンボス」と称される。)を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、凸模様が形成された凸エンボスホイールと受けロールの間に複数枚の原紙が積層された積層体を挟み込み、前記積層体における衛生用紙の両側縁部に対応する部分に前記凸模様に由来するエッジエンボスを形成するマルチプライ衛生用紙の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2〜5参照)。このような製造方法によれば、図3A及び図3Bに示すような、側縁部10に、側縁E,Eに沿ってエッジエンボス8Bが形成され、そのエッジエンボス8Bにより複数枚の衛生用紙2c,2dが積層された状態で結合されたマルチプライ衛生用紙100を得ることができる。
特開2001−120458号公報 特開2003−180550号公報 特開2005−152078号公報 特開2006−271458号公報 特開2007−143659号公報
しかしながら、特許文献2〜5に記載の製造方法では、得られたマルチプライ衛生用紙にシワ、タルミ、折れ曲がり等の製品不具合が発生する場合があった。このような製品不具合は、マルチプライ衛生用紙の手触りや肌触り等の触感・質感が損なわれたり、製品の美観が損なわれたりする等の点で未だ課題を残すものであった。
本発明は、前記のような従来技術が有する課題を解決するためになされたものであり、シワ、タルミ、折れ曲がり等の製品不具合が生じ難く、美観及び質感に優れたマルチプライ衛生用紙を効率的に製造することを可能とする製造方法である。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、ロールの回転方向に向かってハの字型を呈するように、衛生用紙の両側縁部に対応する部分に斜線状の凸模様を配置した凸エンボスロールを用い、衛生用紙の両側縁部に相当する部分に、全体としてハの字型を呈するようにエッジエンボスを形成してプライボンディング処理を行うことにより上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]複数枚の衛生用紙が積層された状態で結合されたマルチプライ衛生用紙の製造方法であって、凸エンボスロールとして、ロールの外周面のうち前記衛生用紙の両側縁部に対応する側縁部対応部に、前記衛生用紙の幅方向中心線に対応する中心線対応線を対称軸とする線対称な斜線状で、かつ、ロール川上側からロール川下側に向かうにつれて前記対称軸との間隔が広がる斜線状の凸模様が断続的に形成されたものを用い、複数枚の原紙の積層体に対して前記凸エンボスロールを押圧し、前記積層体における前記衛生用紙の両側縁部に相当する側縁部相当部に前記凸模様に由来する斜線状のラインエンボスを断続的に形成することにより、前記複数枚の原紙を積層した状態で結合するプライボンディング工程を備え、前記凸エンボスロールとして、一の凸模様の終端より当該凸模様に隣接する他の凸模様の始端の方がロール川上側に位置し、前記一の凸模様と前記他の凸模様とがロールの回転方向に一部重複するように配置される関係が順次繰り返されて、前記凸模様が断続的に形成されたものを用いるマルチプライ衛生用紙の製造方法。
[2]前記凸エンボスロールとして、前記対称軸に対する傾斜角度が30〜60°の斜線状の凸模様が断続的に形成されたものを用いる前記[1]に記載のマルチプライ衛生用紙の製造方法。
]前記積層体として、前記衛生用紙の製品幅の複数倍の幅を有する幅広積層体を用い、前記幅広積層体に対して前記ラインエンボスを形成した後、前記幅広積層体を前記衛生用紙の製品幅に切り分ける前記[1]又は[2]に記載のマルチプライ衛生用紙の製造方法。
]前記積層体として、前記衛生用紙の製品幅に切り分けられた製品幅積層体を用い、前記製品幅積層体に対して前記ラインエンボスを形成する[1]又は[2]に記載のマルチプライ衛生用紙の製造方法。
本発明のマルチプライ衛生用紙の製造方法は、シワ、タルミ、折れ曲がり等の製品不具合が生じ難く、美観及び質感に優れたマルチプライ衛生用紙を効率的に製造することができる。
本発明のマルチプライ衛生用紙の製造方法に用いられる凸エンボスロールの外周面を平面的に展開した状態を模式的に示す平面図である。 本発明のマルチプライ衛生用紙の製造方法の一の実施形態を模式的に示す工程図である。 図1Bに示す製造方法を側方から見た状態を示す模式図である。 本発明の製造方法により得られたマルチプライ衛生用紙を模式的に示す平面図である。 図2Aに示すマルチプライ衛生用紙のA−A’断面を模式的に示す断面図である。 従来のマルチプライ衛生用紙を模式的に示す平面図である。 図3Aに示すマルチプライ衛生用紙のB−B’断面を模式的に示す断面図である。
以下、本発明のマルチプライ衛生用紙の製造方法を実施するための最良の形態について、ティシュペーパーの製造方法の例により図面を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備える製造方法を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
[1]本発明の製造方法の特徴:
本発明の製造方法は、図1Aに示すようなロールの外周面のうち衛生用紙の両側縁部に対応する部分(側縁部対応部22A)に、衛生用紙の幅方向中心線に対応する線(中心線対応線Lc)を対称軸Asとする線対称な斜線状で、かつ、ロール川上側(図1A下側)からロール川下側(図1A上側)に向かうにつれて対称軸Asとの間隔が広がる斜線状の凸模様24Aが断続的に形成された凸エンボスロール20を用いてプライボンディングを行う点に特徴がある。
前記のような構造の凸エンボスロール20を用いると、斜線状の凸模様24Aの効果によって凸エンボスロール20から加えられる回転方向への推進力の一部が、原紙を衛生用紙の両側縁に対応する線(側縁対応線Ls)の方向に拡幅する力Fに変換される。従って、原紙に対して衛生用紙の両側縁に対応する方向に常に張力を作用させた状態でプライボンディングを行うことができる。このような方法によれば、複数枚の原紙の層間に、シワ、タルミ、折れ曲がり等の製品不具合の原因となるエアが入り込み難く、少量入り込んだエアも側縁対応線Lsの方向に排出される。従って、シワ、タルミ、折れ曲がり等の製品不具合が生じ難く、美観及び質感に優れたマルチプライ衛生用紙を効率的に製造することができる。
[2]本発明の製造方法の構成:
本発明の製造方法は、図2A及び図2Bに示すような、複数枚の衛生用紙2a,2bが積層された状態で結合されたマルチプライ衛生用紙1を製造するための方法であり、少なくとも以下に説明するプライボンディング工程を備える。
[2−1]プライボンディング工程:
プライボンディング工程は、マルチプライ衛生用紙の中間体となる、複数枚の原紙の積層体に対して凸エンボスロールを押圧してエッジエンボスを形成し、そのエッジエンボスにより複数枚の原紙を積層した状態で結合する工程である。
[2−1A]凸エンボスロール:
本発明の製造方法で用いる「凸エンボスロール」は、図1Aに示す凸エンボスロール20のように、ロールの外周面のうち衛生用紙の両側縁部に対応する部分(側縁部対応部22A)に、衛生用紙の幅方向中心線に対応する線(中心線対応線Lc)を対称軸Asとする線対称な斜線状で、かつ、ロール川上側からロール川下側に向かうにつれて対称軸Asとの間隔が広がる斜線状の凸模様24Aが断続的に形成されたものである。
この凸エンボスロール20においては、エンボスを形成する凸模様24Aはロールの外周面に形成されている。図1A及び図1Bに示す凸エンボスロール20には、ロールの外周面の一部を周方向に突出させたホイール状の凸部26が形成されており、当該凸部26の頂面に凸模様24Aが形成されている例である。ロールの外周面の一部を周方向に突出させることに代えて、ロールの外周面にホイール状の別部材を付設し、その頂面に凸模様を形成することでも同様の効果を得ることができる。即ち、本明細書にいう「ロールの外周面」には、ロールと一体的な部材の外周面(頂面)も含まれる。
凸エンボスロールについて「側縁部対応部」というときは、後に衛生用紙の両側縁部となる部分(製品幅に切り分けられた後に側縁部となる部分。「側縁部相当部」と称することにする。)と対向する部分を意味する(図中符号:22A)。この部分に凸模様24Aを形成することで、両側縁部にエンボス(エッジエンボス)が形成された衛生用紙を得ることができる。図1Aにおいては、凸エンボスロール20における衛生用紙の製品幅Wに相当する幅を幅Wとして示してある。
なお、本明細書において「衛生用紙の両側縁部」というときは、図2Aに示すように製品幅Wのマルチプライ衛生用紙1を幅方向に三等分した場合において、その中央部12を除く左右両側の部分(側縁部10)を意味するものとする。
凸模様の形状は、図1Aに示す凸エンボスロール20のように、衛生用紙の幅方向中心線に対応する線(中心線対応線Lc)に対して傾斜する斜線状とする。より具体的には、中心線対応線Lcを対称軸Asとする線対称な斜線状で、かつ、ロール川上側からロール川下側に向かうにつれて対称軸Asとの間隔が広がる斜線状の凸模様24Aとする。
例えば図1Aに示す凸エンボスロール20は、一対の凸模様24Aがロールの回転方向に向かうハの字型に配置されており、各々の凸模様24Aは中心線対応線Lcを対称軸Asとする線対称な斜線状に形成されている。また、各々の凸模様24Aはロール川上側からロール川下側に向かうにつれて対称軸Asとの間隔が幅Wから幅Wに広がる斜線状となっている。
なお、本明細書において「斜線状」というときは、図1Aに示す凸模様24Aのような直線的な斜線状のみならず、これに準ずる曲線的な形状をも含むものとする。例えば、対称軸Asとの間隔が徐々に広がる円弧状の凸模様が形成されている場合にも、本発明の効果を享受することができる。従って、そのような凸エンボスロールを用いた製造方法も本発明の範囲に含まれる。
また、本明細書において「中心線対応線」というときは、後に衛生用紙の幅方向中心線となる線(製品幅に切り分けられた後に幅方向中心線となる部分)に対応する線を意味するものとする(図中符号:Lc)。
本発明の製造方法に用いる凸エンボスロールは、図1Aに示す凸エンボスロール20のように対称軸Asに対する傾斜角度θが30〜60°の斜線状の凸模様24Aが形成されていることが好ましい。この範囲とすることによって、原紙に対して衛生用紙の両側縁に対応する方向に常に張力を作用させた状態でプライボンディングを行うことができるという効果をより確実に得ることができる。
傾斜角度θを30°未満とすると、原紙を側縁対応線Lsの方向に拡幅する力Fが過大となって原紙が破れ易くなるという不具合を生ずるおそれがある。一方、傾斜角度θが60°を超えると、原紙を側縁対応線Lsの方向に拡幅する力Fが小さくなり、所望の効果を得られないおそれがある。前記効果をより確実に得るためには、前記傾斜角度θを45〜60°の範囲とすることが好ましい。
本発明の製造方法に用いる凸エンボスロールは、図1Aに示す凸エンボスロール20のように凸模様24Aが断続的に形成されている。「断続的」とは、個々のエンボス同士が連結されておらず、独立した斜線状模様を構成していることを意味する。エンボスを均一に形成するためには、図1Aに示すように凸模様24Aがロール回転方向に向かって等間隔に配置されていることが好ましい。
本発明の製造方法においては、図1Aに示す凸エンボスロール20のように、凸エンボスロール20として、一の凸模様24Aの終端Pより凸模様24Aに隣接する他の凸模様24Aの始端Pの方がロール川上側に位置し、一の凸模様24Aと他の凸模様24Aとがロールの回転方向に一部重複するように配置される関係が順次繰り返されて(重複長さα)、凸模様24Aが断続的に形成されたものを用いることが好ましい。
前記のように凸模様のパターンを一部重複するように配置することで、積層体を構成する原紙の層間(特に衛生用紙の中央部に対応する部分(中央部対応部28A))から側縁対応線Lsの方向に排出されたエアが他の領域に侵入することを有効に防止することができる。このような凸模様パターンを有する凸エンボスロールは、製品幅の複数倍の幅を有する幅広積層体にプライボンディングを行った後、衛生用紙の製品幅に切り分ける方法に用いると効果的である。この点については後述する。
重複長さαは特に限定されるものではない。但し、凸模様24Aのロール回転方向への長さβの5〜50%の長さとなるように重複長さαを設定することが好ましい。重複長さαが長さβの5%未満であると、エアの侵入をブロックする効果が不十分となる場合がある。重複長さαが長さβの50%を超えると、衛生用紙の中央部に相当する部分(以下、「中央部相当部」と称することにする。)から側縁対応線Lsの方向にエアを排出することが困難となる場合がある。
[2−1B]積層体:
本発明の製造方法で用いる「積層体」は、複数枚の原紙の積層体である。原紙の種類について特に制限はなく、従来公知の衛生用紙用原紙を用いることができる。例えば坪量10〜18g/mに抄紙されたティシュペーパー用原紙を好適に用いることができる。原紙の枚数は特に限定されないが、通常は2枚であり、3枚以上としてもよい。
「積層体」としては、衛生用紙の製品幅の複数倍の幅を有する幅広積層体を用いることができる。幅広積層体を用いる場合には、図1B及び図1Cに示すように幅広積層体34に対して斜線状のラインエンボス38を断続的に形成した後(即ち、プライボンディングを行った後)、その幅広積層体34を衛生用紙の製品幅Wに切り分けることになる(切り分け工程40)。このような方法は一時に複数のマルチプライ衛生用紙1を得られるため、大量生産に適した方法である。
「幅広積層体」の形成方法は特に限定されないが、例えば図1Cに示すような方法で形成することができる。図1Cに示す方法では、長尺かつ幅広の原紙32a,32bを大径のロール状に巻回してなる原紙ロール31a,31bを用意し、この原紙ロール31a,31bから原紙32a,32bをその長手方向に送り出し、押さえロール33a,33bで合流させて原紙32a,32bを積層させて幅広積層体34としている。
「幅広積層体」の幅は特に限定されるものではない。但し、ティシュペーパーを製造する場合であればティシュペーパーの製品幅の5〜10倍の幅に構成することが一般的である。一方、トイレットペーパー等のロール状衛生用紙を製造する場合は、ロール状衛生用紙の製品幅の10〜30倍の幅に構成することが一般的である。
図1Aに示す凸エンボスロール20は幅広積層体にエンボスを形成するためのものである。図示の凸エンボスロール20の場合、側縁部対応部22Aに形成された凸模様24Aによって原紙を側縁対応線Lsの方向に拡幅する力Fが作用し、側縁部対応部22Aに隣接する側縁部対応部22Bに形成された凸模様24Bによって原紙を側縁対応線Lsの方向に拡幅する力F’が作用する。従って、原紙のシワやタルミ又は原紙の層間に入り込んだエアは側縁対応線Lsの近傍に収束されることになる。このシワ、タルミ、エアは後の切り分け工程において幅広積層体34が切り分けられた際に解放される。
この際、図1Aに示す凸エンボスロール20のように、凸模様24A(又は凸模様24B)のパターンを一部重複するように配置したものを用いると、中央部対応部28Aから凸模様24Aを越えて側縁対応線Ls方向に排出されたエアが凸模様24Bでブロックされる。従って、エアが凸模様24Bを越えて隣接する衛生用紙の中央部相当部に侵入し難い点において好ましい。
一方、「積層体」として、衛生用紙の製品幅に切り分けられた製品幅積層体を用いてもよい。このような方法は、予め製品幅に切り分けられて、その両側縁が拘束されていない状態の積層体にエンボス形成(プライボンディング)を行うため、シワ、タルミ、折れ曲がり等の製品不具合が更に生じ難く、美観及び質感に優れたマルチプライ衛生用紙を得易い点において好ましい。
[2−1B]エンボス形成:
本発明の製造方法においては、図1Bに示すように、複数枚の原紙32a,32bの幅広積層体34に対して凸エンボスロール20を押圧し、幅広積層体34における衛生用紙の両側縁部に対応する部分(側縁部対応部22A,22B)に凸模様24A,24Bに由来する斜線状のラインエンボス38を断続的に形成することにより、複数枚の原紙32a,32bを積層した状態で結合(プライボンディング)する。
エンボスの形成方法は、前記のような凸エンボスロールを用いることを除き、特に限定されるものではない。但し、図1Cに示すように、長手方向に向かって送り出された幅広積層体34を凸エンボスロール20と受けロール35との間に挟みこんで押圧し、斜線状のラインエンボス38を断続的に形成する方法であることが好ましい。
本発明の製造方法では、図1Bに示すように、斜線状のラインエンボス38はマルチプライ衛生用紙1の側縁部10に相当する部分に、側縁E,Eに相当する部分に沿うように形成する。エンボスの幅、形成位置について特に制限はない。なお、「ラインエンボス」とは、凸エンボスロールの凸模様に由来する直線状又は曲線状のエンボス模様を意味する。
ラインエンボスの長さ、幅は特に限定されるものではない。但し、前記長さを1〜10mmとすることが好ましく、2〜8mmとすることが更に好ましい。また、前記幅を0.5〜2mmとすることが好ましく、0.8〜1.2mmとすることが更に好ましい。なお、すべてのエンボスの形状が同一である必要はなく、異なる形状を有するエンボスが組み合わされていてもよい。
「エンボス」の方式は、前記のような凸エンボスロールを用いることを除き特に限定されるものではない。例えば、凸エンボスロールと対になる受けロールとして、凸模様と相補的な凹模様が形成された凹エンボスロールを用いるマッチドスチールエンボス等を挙げることができる。但し、他のエンボス加工方法と比較して、形成されるエンボスが崩れ難いという理由から、受けロールとして金属ロール等の表面がゴムで被覆されたラバーロールを用いるラバースチールエンボスが好ましい。
[2−2]切り分け工程:
「切り分け工程」は、原紙の積層体を衛生用紙の製品幅に切り分ける工程である。衛生用紙の製造においては、図1Cに示すように、長尺の原紙32a,32bを大径に巻回してなる原紙ロール31a,31bから原紙32a,32bを連続的に供給しながら積層体を形成することが多い。そのような方法を採用している場合には、図1Bに示すように、切り分け工程40において製品幅Wに切り分けられた長尺積層体44が形成されることになる。
既に説明したように、この切り分け工程はプライボンディング工程の後に行ってもよいし、プライボンディング工程に先立って行ってもよい。図1Bに示す方法は、プライボンディング工程30の後に切り分け工程40を行った例であり、斜線状のラインエンボス38が断続的に形成された長尺積層体44を得ている。一方、プライボンディング工程に先立って切り分け工程を行った場合は、斜線状のラインエンボスが形成されていない長尺積層体を得ることになる。
切り分けの手段について特に制限はない。例えば、丸刃又はバンドソーを備えたカッターにより切り分ける方法等を採用することができる。カッターとしては、マルチブレードソー、丸刃ソー、テーブル式マルチブレードソー等を好適に用いることができる。
図1B及び図1Cに示す方法の切り分け工程40においては、丸刃46を備えたスリッター42を用いて、ラインエンボス38が複数箇所に形成された幅広積層体34を、2列に配置された斜線状のラインエンボス38の間隙部(マルチプライ衛生用紙1の側縁E1,Eに対応する線)に沿って切り分け(切断線43)、切断線43に沿って斜線状のラインエンボス38が形成された長尺積層体44を複数組形成している。図1Cに示すように、スリッター42とアンビルロール41との間に幅広積層体34を挟み込むことにより、幅広積層体34が製品幅に切り分けられる。プライボンディング工程に先立って切り分け工程を行う場合でも、図1B及び図1Cに示す切り分け方法と同様の方法を採用することができる。
[2−3]裁断工程:
プライボンディング工程、切り分け工程を経て得られる、エッジエンボスが形成された長尺積層体を製品長さに裁断することにより、所定の幅及び長さのマルチプライ衛生用紙を得ることができる。
裁断の方法について特に制限はない。例えば、切り分け工程と同様に、丸刃又はバンドソーを備えたカッターを用いて裁断することができる。図1Bに示す方法の裁断工程50では、長尺積層体44をそのまま製品長さLに裁断することにより(裁断線52)、エッジエンボス8Aが形成された、製品幅W及び製品長さLのマルチプライ衛生用紙1を得ている。
但し、ティシュペーパー用のマルチプライ衛生用紙の場合であれば、前記長尺積層体を折り畳んだ後に裁断する方法により、複数のマルチプライ衛生用紙を製造することが一般的である。前記のような折り畳み及び裁断は、折板式加工機、ロータリーシリンダー式加工機等の折り畳み加工機を用いることにより簡便に行うことができる。
例えば、折板式加工機(「多連機」とも称される。)を用いた場合には、複数組の長尺積層体を折り重ねて長尺ティシュ束を形成し、その後、長尺ティシュ束を製品長さに裁断する方法により、折り畳まれた状態で製品幅に裁断されたマルチプライ衛生用紙を製造することができる。
また、ロータリーシリンダー式加工機(「インターフォールダー」とも称される。)を用いた場合には、シリンダーを回転させながら、2組の長尺積層体を交互に折り重ねた後、カットする操作を繰り返していくことにより、折り畳まれた状態で製品幅に裁断されたマルチプライ衛生用紙を製造することができる。
これらの方法で製造されたマルチプライ衛生用紙は、例えば箱詰めされたカートン入りティシュ等として製品化される。
[3]ロール状衛生用紙への適用:
本発明のマルチプライ衛生用紙の製造方法は、ロール状衛生用紙(トイレットペーパー、キッチンタオル等)の製造にも適用することができる。「ロール状衛生用紙」とは、端部が芯管に対して固定された長尺衛生用紙が、その芯管に対してロール状に巻き取られてなるものをいう。
前記のようなロール状衛生用紙の場合でも、図1B及び図1Cに示す方法と同様に、ラインエンボス38が断続的に形成された長尺積層体44の先端を製品幅Wの芯管に固定し、製品長さ分だけ巻き取った後、終端を巻き取られた長尺積層体44のロール表面に固定してもよい。
但し、本発明の製造方法をロール状衛生用紙に適用する場合には、以下の方法を採用することが好ましい。
[3−1]プライボンディング工程:
まず、図1B及び図1Cに示す方法と同様に、幅広積層体34に斜線状のラインエンボス38を断続的に形成することにより、複数枚の原紙32a,32bを積層した状態で結合するプライボンディング工程30を行う。これにより、製品幅Wの複数倍の幅を有し、既にプライボンディングがなされた幅広積層体34を形成する。
[3−2]ログ形成工程:
次いで、この幅広積層体の先端を幅広積層体の幅に対応する長さを有する長尺芯管に固定し、幅広積層体を製品長さ分だけ長尺芯管に巻き取る。更に、幅広積層体の終端を巻き取られてロール状となった幅広積層体の表面に固定する。これにより、幅広のロール状衛生用紙であるログを得る。
「長尺芯管」は、ロール状衛生用紙の巻き芯となる部材であり、通常、ボール紙等の厚紙からなる紙管が用いられる。ロール状衛生用紙の種類により異なるが、外径35〜50mmφ、厚さ0.5〜1.5mmの紙管が好適に用いられる。この長尺芯管としては、一時に複数個のロール状衛生用紙を製造できるように、ロール状衛生用紙の幅の10〜30倍の長さを有するものが用いられる。
幅広積層体始端の長尺芯管への固定(「ピックアップ」と称される。)及び幅広積層体終端のロール状幅広積層体表面への固定(「テールシール」と称される。)は水溶性接着剤等の接着剤を用いて行うことができる。水溶性接着剤は、コーター塗布、スプレー噴霧等の方法で長尺芯管等に対して付着させればよい。
幅広積層体の巻き取りはワインダー等の巻き取り装置により行うことができる。巻取り長さはロール状衛生用紙の種類によって異なる。例えば、ロール状トイレットペーパーの場合であれば25〜90m、ロール状キッチンタオルの場合であれば10〜20mとすることが一般的である。
[3−3]切り分け工程:
最後に、幅広のロール状衛生用紙であるログを製品幅に切り分けて、マルチプライ衛生用紙であるロール状衛生用紙を得る。ログの切断は、ログソー(丸刃)、バンドソー(平刃)等、従来公知の切断刃を使用して行うことができる。刃の厚さとしては、2〜10mmのものが好適に用いられる。製品幅はロール状衛生用紙の種類によって異なる。例えば、ロール状トイレットペーパーの場合であれば105〜114mm、ロール状キッチンタオルの場合であれば210〜228mmとすることが一般的である。
このように製造されたマルチプライ衛生用紙は、例えばガセットチューブ袋等に袋詰めされたトイレットペーパー、キッチンタオル等として製品化される。
本発明のマルチプライ衛生用紙の製造方法は、ティシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオル等の家庭用衛生用紙を製造する方法として好適に用いられる。
1,100:マルチプライ衛生用紙、2a,2b,2c,2d:原紙、6:側縁部、8A,8B:エッジエンボス、10:側縁部、12:中央部、20:凸エンボスロール、22A,22B:側縁部対応部、24A,24B:凸模様、26:凸部、28A:中央部対応部、30:プライボンディング工程、31a,31b:原紙ロール、32a,32b:原紙、33a,33b:押さえロール、34:幅広積層体、35:受けロール、38:ラインエンボス、40:切り分け工程、41:アンビルロール、42:スリッター、43:切断線、44:長尺積層体、46:丸刃、50:裁断工程、52:裁断線、W:製品幅、W:製品幅に相当する幅、W,W:幅、L:製品長さ、E,E,E,E:側縁。

Claims (4)

  1. 複数枚の衛生用紙が積層された状態で結合されたマルチプライ衛生用紙の製造方法であって、
    凸エンボスロールとして、ロールの外周面のうち前記衛生用紙の両側縁部に対応する側縁部対応部に、前記衛生用紙の幅方向中心線に対応する中心線対応線を対称軸とする線対称な斜線状で、かつ、ロール川上側からロール川下側に向かうにつれて前記対称軸との間隔が広がる斜線状の凸模様が断続的に形成されたものを用い、
    複数枚の原紙の積層体に対して前記凸エンボスロールを押圧し、前記積層体における前記衛生用紙の両側縁部に相当する側縁部相当部に前記凸模様に由来する斜線状のラインエンボスを断続的に形成することにより、前記複数枚の原紙を積層した状態で結合するプライボンディング工程を備え
    前記凸エンボスロールとして、一の凸模様の終端より当該凸模様に隣接する他の凸模様の始端の方がロール川上側に位置し、前記一の凸模様と前記他の凸模様とがロールの回転方向に一部重複するように配置される関係が順次繰り返されて、前記凸模様が断続的に形成されたものを用いるマルチプライ衛生用紙の製造方法。
  2. 前記凸エンボスロールとして、前記対称軸に対する傾斜角度が30〜60°の斜線状の凸模様が断続的に形成されたものを用いる請求項1に記載のマルチプライ衛生用紙の製造方法。
  3. 前記積層体として、前記衛生用紙の製品幅の複数倍の幅を有する幅広積層体を用い、前記幅広積層体に対して前記ラインエンボスを形成した後、前記幅広積層体を前記衛生用紙の製品幅に切り分ける請求項1又は2に記載のマルチプライ衛生用紙の製造方法。
  4. 前記積層体として、前記衛生用紙の製品幅に切り分けられた製品幅積層体を用い、前記製品幅積層体に対して前記ラインエンボスを形成する請求項1又は2に記載のマルチプライ衛生用紙の製造方法。
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