JP5330951B2 - 板状部材の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、板状部材の成形方法、特に、板状部材の表面に複数の凹部が形成される板状部材の成形方法に関する。
一般に、航空機の外板は、その最終成品形状に倣って成形された板状部材で構成される。通常、航空機の外板に使用されるワークの厚みは、例えば2〜4mm程度であり、このワークの表面に、0.5〜1mm程度の深さでほぼ全面に亘るポケットとよばれる比較的浅底の凹部が複数形成されて、外板部材の軽量化が図られている。図6は、このようなワークWの概略を説明する図であり、曲面Rを有するワークWの表面には、複数のポケット101が形成されている。
このような外板を成形する技術として、例えば、ポケットが形成された平板状ワークにショットピーニングを行って曲面を有する外板を成形する技術が知られている。この成形方法は、まず、3軸のミーリング加工機で、平板状のワークにポケットを形成し、続いて、ワークを複数のクリップで曲面を有するワーク支持板に固定し、ショットピーニング装置からショット材を投射して板状ワークをワーク支持板の曲面に倣った曲面に加工を行う。これにより、外板の最終成品形状に倣ったワーク支持板から板状ワークを取り外すと、ショット材が投射された板状ワークの表面の圧縮応力が開放されて、板状ワークが所望の形状に成形される(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1に記載された板状ワークの成形方法によると、ショット材が投射された板状ワークの表面が加工硬化したり、ショット材の投射にばらつきが生じて加工精度が低下したりすることで、品質の低下を招来することが懸念される。
一方、図7に示すように、プレス成形装置110のダイ111とパンチ112との間にワークWを設置し、ダイ111を下降させてダイ111とパンチ112との間でワークWを航空機の外板の最終形状に倣った形状にプレス成形した後に、板状ワークのポケット形成部分以外を耐薬品皮膜で被覆し、この板状ワークをエッチング液、マスカント液といったケミカルミーリング薬液中に浸して、耐薬品皮膜で被覆されていないポケット形成部分を溶解除去して外板を形成することもできる。
しかし、エッチング液、マスカント液といったケミカルミーリング薬液は有害物質を含んでおり、ワークWの洗浄処理及び洗浄処理の際のかかる薬液の廃棄処理に困難を伴い、環境に影響を及ぼす要因となることが懸念される。また、板状ワークのポケット非形成領域を耐薬品皮膜で被覆する必要があるので、板状ワークの成形工程が複雑化するとともに多くの作業工数を要することが懸念される。
また、上述のように、プレス成形装置110によって航空機の外板の最終形状に倣った形状にワークWをプレス成形した後に、その曲面に5軸のミーリング加工機を用いてポケットを切削形成することで外板を成形することが考えられる。
しかし、一般に、5軸のミーリング加工機による切削加工は、その制御が複雑で多くの作業工数を要し、かつ、5軸のミーリング加工機は高価であるので、板状ワークの成形コストが増大して外板の生産性が低下することが懸念される。
そこで、これらの不具合を解消すべく、3軸のミーリング加工機を用いて平板状のワークWにポケット101を形成した後、生産性に優れたプレス成形装置110によって航空機の外板の最終形状に倣った形状、例えば湾曲にワークWをプレス成形する成形方法が一般的に知られている。この成形方法によれば、プレス成形によってワークWが外板の最終形状として成形されるので、ショット材の投射による加工硬化及び加工精度の低下といった問題を生じることがない。また、3軸のミーリング加工機を用いることで、5軸のミーリング加工機を用いる場合に比べて成形コストを大幅に抑制することができるとともに、ケミカルミーリング薬液を用いたポケット形成に伴う薬液の廃棄処理の困難性及び二次公害の招来を回避することができる。
特開2003−25021号公報
上記した、3軸のミーリング加工機を用いて平板状のワークWにポケット101を形成した後、プレス成形装置110によって航空機の外板の最終形状に倣った湾曲形状にワークWをプレス成形する成形方法によると、図8で示すように、ワークWがプレス成形装置110でプレスされると、ワークWの中立面Cを境界として、ワークWの上部側に引張応力F+が付与され、ワークWの下部側に圧縮応力F−が付与され、板厚方向に異なる応力が生じる。ワークWは、ポケット101の形成部分において断面形状が不連続となっており、剛性が急激に変化しているので、ポケット101が形成されたワークWの下部側に付与される圧縮応力F−により、図9で示すように、ワークWの上面W1に、ポケット101の端縁に沿った折れ曲がりであるキンク102が発生することとなる。このキンク102が発生した場合、修正加工作業によって完全に除去することはできないので、品質の低下を招来することとなり、例えばこのワークWを航空機の外板に用いると、空力的な不具合が生じることが懸念される。
そこで、発明者は、キンク102の発生を抑制すべく、鋭意研究の結果、ワークWの中立面Cを境界として板厚方向に異なる応力が生じることに着目して、本発明をなすに至った。
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、生産性に優れて高品質に成形することができ、かつ製造コストを抑制することのできる板状部材の成形方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明による板状部材の成形方法は、一方の表面に凹面状の凹部が複数形成されるとともに湾曲した板状部材の成形方法において、平板状の板状部材に切削加工によって前記凹部を形成する凹部形成工程と、該凹部形成工程で凹部が形成された前記板状部材に板状冶具を積層して、前記板状冶具及び前記板状部材をプレス成形装置に載置して前記プレス成形装置で前記板状部材を湾曲成形するプレス成形工程と、を備え、前記プレス成形装置によるプレス成形によって発生する圧縮応力が作用する前記板状部材の圧縮応力発生側に前記板状冶具を積層することを特徴とする。
この発明によると、プレス成形の際に、凹部が形成された板状部材に板状冶具が積層されるので、板状部材と板状冶具とが積層された境界部分が形成される。そして、板状冶具は板状部材の圧縮応力発生側に積層されているので、かかる状態において、板状部材及び板状冶具をプレス成形装置によってプレスすると、板状部材への圧縮応力の付与が抑制されるとともに、板状部材に付与される引張応力が増大される。
その結果、板状部材の圧縮応力発生側への圧縮応力の作用が抑制されるので、板状部材がプレス成形装置によってプレスされても、その板状部材にキンクが形成されることがなく、平滑な曲面を有する高品質で生産性に優れた板状部材を成形することができる。
また、平板状の板状部材をミーリングによって凹部を機械的に加工することができるので、板状部材の加工性に優れるとともに、加工コストを抑制したうえで板状部材を成形することができる。
請求項2に記載の発明による板状部材の成形方法は、請求項1に記載の板状被加工物の成形方法において、前記板状部材の圧縮応力発生側と前記板状冶具とが積層されて前記板状部材の圧縮応力発生側と前記板状冶具との間に境界部分が形成され、前記プレス成形装置によるプレス成形によって前記境界部分を中立面として前記板状冶具側に前記圧縮応力が付与され、前記板状部材側に引張応力が付与されることを特徴とする。
この発明によると、板状部材と板状冶具を積層させるという簡易な手法によって、プレス成形装置によって成形される板状部材と板状冶具とを積層させた境界部分を、プレス成形がなされた際の内部応力の中立面として作用させることができる。これにより、板状部材側に付与される引張応力が増大されるとともに、板状冶具側に圧縮応力が付与されて、板状部材側への圧縮応力の作用が抑制される。その結果、板状部材におけるキンクの発生が抑制されるので、請求項1に係る発明の効果を効率的に達成することができる。
請求項3に記載の発明による板状部材の成形方法は、請求項1または2に記載の板状部材の成形方法において、前記板状冶具は、前記板状部材と略同一の板厚で形成されたことを特徴とする。
この発明によると、板状部材の板厚と板状冶具の板厚とを略同一とすることで、内部応力の中立面を分岐点とした引張応力と圧縮応力の大きさが略同一となり、板状部材への圧縮応力の作用が更に抑制される。
請求項4に記載の発明による板状部材の成形方法は、請求項1または2に記載の板状部材の成形方法において、前記板状冶具は、前記板状部材の板厚に対して板厚が増大されて形成されたことを特徴とする。
この発明によると、板状部材の板厚に対して板状冶具の板厚を増大させることで、板状冶具の板厚を板状部材の板厚と略同一とした場合と対比すると、板状部材に付与される引張応力が更に増大される。その結果、板状部材の圧縮応発生側への圧縮応力の作用が抑制されるので、請求項1に係る発明の目的を効率的に達成することができる。
請求項5に記載の発明による板状部材の成形方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状部材の成形方法において、前記板状冶具は、前記プレス成形装置により前記板状部材がプレス成形される際の曲げ剛性が前記板状部材と略同一であることを特徴とする。
この発明によると、板状部材と板状冶具の材料を同材料とすることで、材料の相違による応力分布のバラツキを抑制して、板状部材と板状冶具の曲げ剛性を均一にすることができる。
請求項6に記載の発明による板状部材の成形方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状部材の成形方法において、前記板状冶具及び前記板状部材は、アルミニウム合金で形成されたことを特徴とする。この発明によると、板状冶具及び板状部材を塑性変形性に優れるアルミニウム合金とすることで、板状部材の生産性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明による板状部材の成形方法は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の板状部材の成形方法において、前記プレス成形工程は、前記凹部が形成された前記板状部材の前記表面が前記板状冶具に積層されて前記プレス成形装置に載置されることを特徴とする。
この発明によると、凹部が形成された板状部材の表面に板状冶具を積層するという簡易な手法によって、板状部材にキンクが発生することを抑制することができる。従って、コストを低減した上で加工性のよい板状部材を得ることができる。
この発明によれば、プレス成形の際に、凹部が形成された板状部材に板状冶具が板状部材に積層されるので、板状部材と板状冶具とが積層された境界部分が形成される。そして、板状冶具は板状部材の圧縮応力発生側に積層されているので、かかる状態において、板状部材及び板状冶具をプレス成形装置によってプレスすると、板状部材への圧縮応力の付与が抑制されるとともに、板状部材に付与される引張応力が増大される。
その結果、板状部材の圧縮応力発生側への圧縮応力の作用が抑制されるので、板状部材がプレス成形装置によってプレスされても、その板状部材にキンクが形成されることがなく、平滑な曲面を有する高品質で生産性に優れた板状部材を成形することができる。
また、平板状の板状部材をミーリングによって凹部を機械的に加工することができるので、板状部材の加工性に優れるとともに、加工コストを抑制したうえで板状部材を成形することができる。
本発明の実施の形態における板状部材の成形方法で使用されるプレス成形装置の概略を説明する図である。 同じく、板状部材の成形方法を用いた板状部材の成形過程の概略を説明する図であり、(a)は成形前の板状部材の断面図、(b)は板状部材に凹部を形成する断面図、(c)は板状部材がプレス成形機によりプレスされている状態を示す断面図、(d)は成形された板状部材の概略を説明する断面図である。 板状部材の成形過程の概略を説明する図である。 3軸ミーリング加工機による凹部の形成過程を説明する図である。 板状部材に付与される応力の分布状態を説明する図である。 最終成品形状に倣って成形された板状部材の概略を説明する図である。 従来の板状部材の成形方法で使用されるプレス成形装置の概略を説明する図である。 従来の板状部材の成形方法によって板状部材に付与される応力の分布状態を説明する図である。 従来の板状部材の成形方法によって最終成品形状に倣って成形された板状部材の概略を説明する図である。
次に、本発明の実施の形態について、図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における板状部材の成形方法で使用されるプレス成形装置の概略を説明する図であり、図2(a)〜(d)は、本発明の実施の形態における板状部材の成形方法を用いた板状部材の成形過程の概略を説明する図であり、(a)は成形前の板状部材の断面図、(b)は板状部材に凹部を形成する断面図、(c)は板状部材がプレス成形装置によりプレスされている状態を示す断面図、(d)は成形された板状部材の概略を説明する断面図である。図3は、本実施の形態に係る板状部材の成形過程の概略を説明する図である。
まず、本発明の実施の形態に係る板状部材の成形方法で使用されるプレス成形装置の概略を説明する。
図1で示すように、プレス成形装置10は、板状部材となるワークWを支持するホルダ先端11cが形成されたブランクホルダ11、及び、互いに対向するダイ13とパンチ14とを備え、パンチ14の上面14a、ダイ13の下面13aには、成品の最終形状に倣った成形面が形成されている。そして、ブランクホルダ11及びパンチ14の上方に配置された上型を構成するダイ13が、上死点位置と下死点位置との間においてパンチ14と接離して移動して、ブランクホルダ11と協働してワークWを押圧保持し、かつパンチ14と協働してワークWを成形する。
ブランクホルダ11の上面11aには、上方に突出する突条の突起部11bが形成されている。そして、ダイ13のホルダ部分13bには、ブランクホルダ11の突起部11bと嵌合する凹溝状の突起嵌合部13cが形成される。
次に、本実施の形態に係る板状部材の成形方法について説明する。
図2(a)で示すように、ワークWは、上面W1及び下面W2を有するとともに2〜4mmの厚みを有するアルミニウム合金製であり、図2(b)〜(d)及び図3で示すように、凹部形成工程S1、プレス成形工程S2、外形トリミング工程S3を経て、成品の最終形状に倣った形状に成形される。
凹部形成工程S1では、図2(a)で示す加工及び成形前のワークWの上面W1側に、図2(b)で示すように、3軸ミーリング加工機(図示しない)に装着されたカッター120によって、凹部となるポケット101が複数形成される。
図4は、3軸ミーリング加工機による切削加工によって凹部の形成過程を説明する図である。図示のように、3軸ミーリング加工機に装着されたカッター120によるポケット101の形成は、カッター120がZ軸方向に沿って所定距離下降されるとともに、X軸及びY軸方向に交互に移動されて、ワークWの表面に沿って延在するポケット101が形成される。そして、カッター120がZ軸方向に沿って所定距離上昇されて、X軸またはY軸方向に所定距離移動されて、Z軸方向への下降及びX軸及びY軸方向の交互の移動が繰り返し実行されて、ワークWの表面の全面に亘って複数のポケット101が形成される。
ワークWの表面上に複数のポケット101が形成された後、プレス成形工程S2に移行する。プレス成形工程S2では、図1で示すように、プレス成形装置10のダイ13が上昇した上死点に位置する状態で、ブランクホルダ11のホルダ先端11c及びパンチ14の上部14aに、下面22及び上面21を有する板状であって、ワークWと同様に2〜4mmの厚みを有し、プレス成形装置10に載置されるワークWと同じ板厚またはそれ以上の板厚で板状冶具となるアルミニウム合金製のダミー材20を載置する。
その後、ホルダ先端11c及びパンチ14の上部14aに載置されたダミー材20の上面21に、ワークWを積層する。すなわち、ダミー材20の上面21に、ポケット101が形成されたワークWの圧縮応力発生側となる上面W1が接触して載置されて、積層されたワークWとダミー材20との間に境界部分が形成される。
ダミー材20の上面21に、ワークWの下面W2が接触されて載置された後、ダイ13を上死点位置から下降させる。そして、ブランクホルダ11のホルダ先端11cとダイ13のホルダ部分13bとによって、ワークWの外周部が押圧保持される。
更に、ダイ13を下降させて、ワークWの外周部が押圧保持された状態が維持されつつ、ブランクホルダ11がダイクッションによる付勢力に抗して押し下げられて成形面となるパンチ14の上面14aとダイ13によってワークWのクランプがなされ、図2(c)で示すように、ワークWのプレス成形が開始される。
このとき、ブランクホルダ11の突起部11bとダイ13の突起嵌合部13cとは、ワークWの外周部を介して嵌合されるので、ワークWがプレス成形によって位置ずれを生じることなくプレス成形装置10に押圧保持される。そして、ワークWが位置ずれを生じることなくプレス成形装置10に押圧保持されるので、ワークWの上面W1の全方向に引張応力F+が付与される。
ワークWがプレス成形される際に、ワークW及びダミー材20に付与される応力について、図5で示す板状部材の応力分布図を参照して説明する。
図示のように、プレス成形装置10によるワークWのプレス成形において、ワークWとダミー材20とが積層されて形成された境界部分が内部応力の中立面Cとして作用し、ダミー材20側に圧縮応力F−が付与され、中立面Cを介してワークW側に引張応力F+が付与される。すなわち、ダミー材20を介在させないでワークWのみをプレス成形した場合に、ワークWに発生する内部応力の中立面Cが、ワークWとダミー材20とが積層されて形成された境界部分に変位するので、ワークWに付与される引張応力F+が増大されるとともに、ダミー材20の上部側から下部側に圧縮応力F−が付与されて、ワークWの上部側への圧縮応力F−の作用が抑制される。
プレス成形の後、ダイ13が上死点位置まで上昇されてワークW及びダミー材20が離型可能な状態となり、このワークW及びダミー材20がプレス成形装置10から取り出される。そして、ダミー材20とワークWとの重ね合わせが解除される。
その後、外形トリミング工程S3に移行し、ワークWの外周部が切り離されて、図2(d)に示すように、ワークWは、成品の最終形状に倣った形状に成形される。
以上のような構成とすることにより、プレス成形の際に、ワークWにこのワークWとほぼ同じ板厚を有するダミー材20が重ね合わせられるので、ワークWとダミー材20とが積層された境界部分が形成される。かかる状態において、ワークW及びダミー材20をプレス成形装置10によってプレスすると、ワークWに作用する引張応力F+が増大され、中立面Cを境界としてダミー材20側に圧縮応力F−が作用する。
その結果、ワークW側への圧縮応力F−の作用が抑制されるので、ワークWがプレス成形装置10によってプレスされても、その上面W1にキンク102が形成されることがなく、平滑な曲面を有するワークWが得られる。従って、高品質で生産性に優れたワークWを成形することができる。その結果、例えば、上記工程によって成形されたワークWを航空機の外板に用いても、空力的な不具合が生じることがないので、航空機の航空性能の向上を図ることができる。
そして、ワークWとダミー材20を積層させるという簡易な手法によって、プレス成形装置10によって成形されるワークWとダミー材20とを積層させた境界部分を、プレス成形がなされた際の内部応力の中立面Cとして作用させることができる。これにより、ワークWに付与される引張応力F+が増大されるとともに、ダミー材20側に圧縮応力F−が付与されて、ワークWへの圧縮応力F−の作用が抑制される。その結果、ワークWの上面W1でのキンク102の発生が抑制される。
また、ワークWの板厚とダミー材20の板厚とを略同一とすることで、内部応力の中立面Cを分岐点とした引張応力F+と圧縮応力F−の大きさが略同一となり、ワークWへの圧縮応力F−の作用が更に抑制される。更に、ワークWの板厚に対してダミー材20の板厚を増大させると、ワークWに作用する引張応力F+が更に増大される。
また、ワークWとダミー材20の材料を同材料とする、本実施の形態ではアルミニウム合金とすることで、材料の相違による応力分布のバラツキを抑制して、ワークWとダミー材20の曲げ剛性を均一にすることができる。また、ダミー材20をアルミニウム合金とすることで、ワークWを成形した後のダミー材20の再利用も容易に図ることができる。
また、制御が複雑で多くの作業工数を要し、かつ高価な5軸のミーリング加工機を用いないで、3軸のミーリング加工機によってポケット101を形成することができるので、作業が容易化及び簡素化されて作業効率の向上が図られるとともに、ワークWを成形して成品化する際のコストを抑制することができる。
更に、ケミカルミーリング薬液を使用しないで、ワークWにポケット101を形成することができるので、有害物質を含む薬液の使用を抑制することができる。また、ケミカルミーリング薬液が付着したワークWの洗浄を行う必要がないので、有害な化学物質を含んだ洗浄水の廃棄処理を行う必要がなくなり、環境負荷を削減することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、ワークWが2〜4mmの厚みを有するアルミニウム合金である場合を例として説明したが、材料の厚み及び材質はこれに限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、ワークWの最終形状として下に凸となる形状であることを例として説明したが、上に凸となる形状であってもよい。この場合は、ワークWにおけるポケット101が形成された表面を上面W1としてプレス成形装置に載置し、ダミー材20の下面22をワークWの上面W1に接触させて載置することで、ワークWに付与される圧縮応力F−を抑制することが可能となり、ワークWにキンク102が発生することを防止することができる。
更に、上記実施の形態では、ポケット101を3軸ミーリング加工機で形成する場合を例として説明したが、フライス盤による切削加工等のその他の機械加工によってポケット101を形成することもできる。
10 プレス成形装置
11 ブランクホルダ
11b 突起部
11c ホルダ先端
13 ダイ
13c 突起嵌合部
14 パンチ
20 ダミー材(板状冶具)
21 上面(倣い面)
22 下面
S1 凹部形成工程
S2 プレス成形工程
S3 外形トリミング工程
W ワーク(板状部材)
W1 上面(圧縮応力発生側)
W2 下面

Claims (7)

  1. 一方の表面に凹面状の凹部が複数形成されるとともに湾曲した板状部材の成形方法において、
    平板状の板状部材に切削加工によって前記凹部を形成する凹部形成工程と、
    該凹部形成工程で凹部が形成された前記板状部材に板状冶具を積層して、前記板状冶具及び前記板状部材をプレス成形装置に載置して前記プレス成形装置で前記板状部材を湾曲成形するプレス成形工程と、を備え、
    前記プレス成形装置によるプレス成形によって発生する圧縮応力が作用する前記板状部材の圧縮応力発生側に前記板状冶具を積層することを特徴とする板状部材の成形方法。
  2. 前記板状部材の圧縮応力発生側と前記板状冶具とが積層されて前記板状部材の圧縮応力発生側と前記板状冶具との間に境界部分が形成され、
    前記プレス成形装置によるプレス成形によって前記境界部分を中立面として前記板状冶具側に前記圧縮応力が付与され、前記板状部材側に引張応力が付与されることを特徴とする請求項1に記載の板状部材の成形方法。
  3. 前記板状冶具は、
    前記板状部材と略同一の板厚で形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の板状部材の成形方法。
  4. 前記板状冶具は、
    前記板状部材の板厚に対して板厚が増大されて形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の板状部材の成形方法。
  5. 前記板状冶具は、
    前記プレス成形装置により前記板状部材がプレス成形される際の曲げ剛性が前記板状部材と略同一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状部材の成形方法。
  6. 前記板状冶具及び前記板状部材は、アルミニウム合金で形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状部材の成形方法。
  7. 前記プレス成形工程は、
    前記凹部が形成された前記板状部材の前記表面が前記板状冶具に積層されて前記プレス成形装置に載置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の板状部材の成形方法。
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