JP5329700B2 - 衝撃吸収体及びこれを用いた流下物捕捉装置 - Google Patents

衝撃吸収体及びこれを用いた流下物捕捉装置 Download PDF

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Description

この発明は衝撃吸収体及びこれを用いた流下物捕捉装置に関し、特に、津波や土石流等で発生した漂流物、流木、礫等の流下物を捕捉するために使用される、捕捉手段としてのワイヤー等に接続する衝撃吸収体及びこれを用いた流下物捕捉装置に関するものである。
図16は特許文献1で開示されたワイヤロープに接続する従来の衝撃吸収体を用いた防護柵の概略正面図である。
図を参照して、基礎アンカー52a、52bを備えた端部支柱51a、51bが両端に配置され、端部支柱51a、51b間には基礎アンカー54a、54bを備えた中間支柱53a、53bがほぼ一定間隔で配置されており、端部支柱51a、51bと中間支柱53a、54bとは、共に姿勢を保持するロープ55a〜55fによって保持されている。
ワイヤロープ56a〜56eは、端部支柱51a、51bに両端をコイルスプリング60を介して接続されている。また、これらのワイヤロープ56a〜56eには結合コイル57が外挿され、この結合コイル57によって金網58がワイヤロープ56a〜56eに固定されている。
図17は図16のワイヤロープの接続部分における切欠平面図である。
図を参照して、ワイヤロープ56は保持具59の端部に設置されたアイ部61と連結され、端部支柱51とストッパ63との間に介されるコイルスプリング60によって、図において左側に付勢され、その付勢力はナット64の位置によって調整される。即ち、ナット64を図において右側に移動させるとコイルスプリング60は圧縮され、付勢力が強くなり、図において左側に移動させると付勢力が弱くなる。そして、端部支柱51a、51bにおいて同様にコイルスプリング60によって付勢されているため、ワイヤロープ56はその両端の保持具59を介して引っ張られる向きの付勢力を受けて端部支柱51a、51bの間に架橋される。
このように、コイルスプリング60によりワイヤロープ56a〜56eの両端を端部支柱51a、51bの外側に向けて弾性付勢し、その弾性反力を利用して岩石等による衝撃を緩衝させている。そのため、端部支柱51a、51bにはワイヤロープ56a〜56eへの岩石等の衝突による衝撃が直接的に伝達されることがない。
図18は防護柵におけるワイヤロープに係る荷重−変位図であり、(1)は特許文献1に記載の従来技術によるものであり、(2)は特許文献1の発明によるものである。
尚、特許文献1に記載の従来技術は、ワイヤロープへの岩石等の衝突による衝撃が接続部に直接的に伝達されるものである。
図18の(1)を参照して、ワイヤロープが破断するとき、即ち、ワイヤロープに破断荷重Xが作用するとき、ワイヤロープへの衝撃は直接的に伝達されるため、特許文献1に記載の従来技術は、図の斜線部分で示すSのエネルギーを吸収したことになる。
次に図18の(2)を参照して、(1)の場合と同じ大きさの破断荷重Xが作用したとき、コイルスプリングの弾性反力による緩衝によって、特許文献1に記載の従来技術よりも変位量が増加し、図の斜線部分で示すSのエネルギーを吸収したことになる。
とSとを比較すると、吸収エネルギー量はS>Sである。従って、特許文献1で開示された発明は、従来技術よりも多くの岩石等の衝突による衝撃エネルギーを吸収できることになり、ワイヤロープや支柱への影響も少なくなると言える。
特開2002−54109号公報
上記のような従来の衝撃吸収体では、コイルスプリング等の弾性体による緩衝効果は期待できるが、弾性体の吸収エネルギー量に限界があり、ワイヤロープ等の連結部材に係る衝撃が大きくなると、ワイヤロープ等の連結部材が破断する虞がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ワイヤロープ等の連結部材に係る衝撃の負担を減少させ、かつ、吸収エネルギー量が更に大きい衝撃吸収体及びこれを用いた流下物捕捉装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、固定側に接続され、移動側のワイヤー等を介して加わる引張力による衝撃を緩和するための衝撃吸収体であって、ワイヤー等が接続される抵抗体と、抵抗体の周りに配置され、固定側に接続される固定手段と、抵抗体の端部と固定手段との間に設置され、引張力による抵抗体の移動につれて圧縮される弾性体とを備え、抵抗体に加わる引張力が所定値以上になった時、弾性体から抵抗体に作用する反力が低下するように、弾性体は抵抗体及び固定手段の少なくとも一方に係合し、弾性体は、抵抗体の端部が接する第1壁と固定手段の少なくとも一部が接する第2壁と側壁とを有する柱形状を有し、固定手段は、抵抗体に加わる引張力が所定値未満の時、少なくとも一部が弾性体の第2壁を圧縮し、抵抗体に加わる引張力が所定値以上になった時、少なくとも一部に沿って弾性体の側壁が移動するように、弾性体に係合するものである。
このように構成すると、抵抗体に加わる引張力が所定値以上になった時、弾性体から抵抗体に作用する反力が低下する。又、抵抗体に加わる引張力が所定値以上になった時、固定手段の少なくとも一部に沿って弾性体の側壁が移動する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、固定手段は、第2壁の対向する外縁部分に接する鍔部を含むものである。
このように構成すると、対向する鍔部に沿って弾性体の側壁は移動する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、鍔部は、第2壁の外縁全周に接するように配置されるものである。
このように構成すると、鍔部の内方の全面に沿って弾性体の側壁は移動する。
請求項4記載の発明は、流下物を捕捉する流下物捕捉装置において、請求項1から請求項3のいずれかに記載の衝撃吸収体により流下物の衝撃を吸収することを特徴とするものである。
このように構成すると、流下物捕捉装置は衝撃吸収体による作用を生じる捕捉装置となる。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、抵抗体に加わる引張力が所定値以上になった時、弾性体から抵抗体に作用する反力が低下するため、ワイヤー等に所定値以上の荷重をかけることなく、抵抗体に加わる引張力のエネルギーを更に吸収することが可能となる。又、抵抗体に加わる引張力が所定値以上になった時、固定手段の少なくとも一部に沿って弾性体の側壁が移動するため、弾性体の移動動作が安定する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、対向する鍔部に沿って弾性体の側壁は移動するため、スムースな弾性体の移動が可能となる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、鍔部の内方の全面に沿って弾性体の側壁は移動するため、よりスムースな弾性体の移動が可能となる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、流下物捕捉装置は衝撃吸収体による作用を生じる捕捉装置となるため、流下物を捕捉した時のワイヤー等への衝撃を吸収すると共に、一定条件下で再使用が可能となる。
この発明の第1の実施の形態による衝撃吸収体を使用した流下物捕捉装置を示した概略断面図である。 図1に示すX部の拡大図である。 図2で示したIII−IIIラインの断面図である。 図3で示したIV−IVラインの拡大断面図である。 図2で示した衝撃吸収体を支柱に直接連結させた流下物捕捉装置の概略断面図である。 この発明による衝撃吸収体の概念を示す概略断面図である。 連結部材に係る荷重−変位図である。 この発明の第2の実施の形態における衝撃吸収体の断面図である。 図8で示したIX−IXラインにおける断面図である。 この発明の第1の実施の形態による衝撃吸収体における実施例の概略図と寸法表である。 図10による衝撃吸収体における抵抗体の拡大した端部の概略図と寸法表である。 この発明の第1の実施の形態による実施例Aと実施例Bとを比較した荷重−変位図である。 この発明の第1の実施の形態による実施例Bと実施例Cとを比較した荷重−変位図である。 この発明の第1の実施の形態による実施例Bと実施例Dとを比較した荷重−変位図である。 この発明の第1の実施の形態による実施例Dと実施例Eとを比較した荷重−変位図である。 従来の防護柵の概略正面図である。 図16のワイヤロープの接続部分における切欠平面図である。 防護柵におけるワイヤロープに係る荷重−変位図である。
図1は、この発明の第1の実施の形態による衝撃吸収体を使用した流下物捕捉装置を示した概略断面図である。
図を参照して、流下物捕捉装置30は、地面5に設置された一対の支柱4a、4b間にワイヤー14a〜14cが衝撃吸収体10a、10bを介して架橋されている。ワイヤー14bは両端が衝撃吸収体10a、10bに接続されており、ワイヤー14a、14cは各々の一方の端部が衝撃吸収体10a、10bに、各々の他方の端部は支柱4a、4bに接続されている。
流下物捕捉装置30は、例えば漂流物、流木等が流下してきたとき、ワイヤー14bによって、流下物を捕捉するものであり、捕捉時のワイヤー14bへの衝撃は、衝撃吸収体10a、10bによって吸収される。
図2は図1に示すX部の拡大図であり、図3は図2で示したIII−IIIラインの断面図であって、(1)は連結部材に引張力が作用していない状態であり、(2)は連結部材に引張力が作用している状態である。また、図4は図3で示したIV−IVラインの拡大断面図である。
これらの図を参照して、衝撃吸収体10aは、支柱側のワイヤー等の連結部材14aと、捕捉部側のワイヤー等の連結部材14bと、ロッド形状を有し、一方の胴部32は連結部材14bに接続され、他方の端部31は拡大している剛性を有する抵抗体12と、円柱形状に形成され、抵抗体12の端部31と接する第1壁34と第1壁34と対向する第2壁36と側壁35とを有し、抵抗体12の胴部32を通すように貫通孔21が形成された、ゴム等の弾性体11と、円筒形状に形成され、連結部材14aと接続される第1壁41と弾性体11の第2壁36と接し弾性体11の固定手段となる第2壁43と弾性体11を覆うように形成された胴部42とを有し、抵抗体12の胴部32を通す開口22が形成された、剛性を有する外筒13とで構成されている。
図3の(1)を参照して、連結部材14bに引張力Fが作用したとき、抵抗体12は連結部材14bを介して引張力Fの方向へ移動するため、抵抗体12の端部34によって弾性体11は軸方向に圧縮され、弾性体11に反力が発生する。
次に、引張力Fが所定値以上になったとき、図3の(2)に示すように、抵抗体12の端部34が弾性体11の貫通孔21内に埋設し、引張力Fに対する反力は、主に弾性体11の貫通孔21と抵抗体12の端部31との摩擦力によって発生する。
上記の所定値及び引張力Fに対する上記の摩擦力による反力を、連結部材14a、14bの破断荷重以下に設定しているため、連結部材14a、14bには破断荷重以下の荷重のみ作用することになり、連結部材14a、14bが破断する虞がない。
又、上記の係合動作は、抵抗体12の胴部32が弾性体11の貫通孔21に沿って移動するため、安定したものとなる。更に、抵抗体12は弾性体11の貫通孔21内に沿って移動するため、この実施の形態による衝撃吸収体10aは、全体的にコンパクトですっきりとした構造となる。
更に、外筒13の胴部42は弾性体11の側壁35を覆うように形成されているため、弾性体11の側壁35全面が外方からの衝撃等から保護される。
更に、抵抗体12の端部31が貫通孔21に埋設すると、弾性体11は周方向に広がるように変形しようとするが、弾性体11の周方向への変形は、その変形量を考慮し外筒13の胴部35の内方寸法が設定されている。そのため、弾性体11の周方向に広がる変形は阻止され、弾性体11の貫通孔21と抵抗体12の端部31との摩擦力による反力が増加し、衝撃吸収体10aの吸収エネルギー量が安定して増加する。
更に、引張力Fのエネルギーの吸収は、弾性体11の変形によって効果を発揮するものであり、弾性体11の弾性限界と塑性限界とを考慮し、弾性限界を超えない範囲での変形に抑制するように設定しているため、繰り返し使用できる。
図5は図2で示した衝撃吸収体を支柱に直接連結させた流下物捕捉装置の概略断面図である。
尚、説明に当たっては、基本的には図1の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
図を参照して、衝撃吸収体10a、10bは、図2における外筒13を直接支柱4a、4bに固定させているものである。支柱4a、4bに衝撃吸収体10a、10bを直接固定させることで、支柱側の連結部材14a、14cは必要がなくなるため、連結部材を分断させて衝撃吸収体10a、10bに接続する必要がなくなる。
図6はこの発明による衝撃吸収体の概念を示す概略断面図であり、図7は連結部材に係る荷重−変位図であり、(1)は図18の(2)で示したような従来技術によるものであり、(2)はこの発明によるものである。
これらの図にあっては、aは従来技術を示しており、衝撃吸収体によるエネルギーの吸収は弾性体の圧縮による反力のみで吸収するものであり、bはこの発明の第1の実施の形態による衝撃吸収体で、抵抗体の拡大した端部の小さいものであり、cはこの発明の第1の実施の形態による衝撃吸収体で、抵抗体の拡大した端部の大きいものであり、dはこの発明の第1の実施の形態による衝撃吸収体で、抵抗体の拡大した端部の大きいものであり、引張力Fが所定値以上となった後の弾性体の周方向の変形を抑制する外筒によって覆われているものである。
また、図6の左側の図は引張力Fによる荷重が作用していない状態で、右側は所定値以上の引張力Fが作用した状態である。
図6のaと図7の(1)とを参照して、aの荷重−変位図では、抵抗体に引張力Fが作用すると、弾性体の圧縮による反力のみで引張力Fを緩衝しているため、連結部材に係る荷重が増加し続け、破断荷重Xになったとき、連結部材は破断する。連結部材が破断するまでの吸収エネルギー、即ち、aの衝撃吸収体の吸収エネルギー量は、図の斜線部分で示すSとなる。
次に、図7の(2)あっては、b、c、dのそれぞれは、所定値以上の荷重が作用するまでは、抵抗体の拡大した端部によって弾性体を圧縮し、所定値以上の荷重が作用すると、抵抗体の拡大した端部が弾性体の貫通孔に埋設し、弾性体による反力が低下するのは前述した通りである。所定値の荷重が作用したとき、即ち、抵抗体の拡大した端部が弾性体の貫通孔に埋設するときの変位を、各々L、L、Lで示している。これらの変位での荷重は、それぞれのケースで係る最大荷重である。そして、b、c、dのどのケースにおいても、連結部材に係る荷重は破断荷重X以下に設定されており、連結部材が破断する虞がないことがわかる。
次に、b、c、dのそれぞれのケースでの条件下における荷重−変位図の違いについて説明する。
bにおいては抵抗体の拡大した端部2は小さく、弾性体の貫通孔に埋設しやすくなっている。引張力Fが所定値以上になり、端部2が弾性体の貫通孔に埋設した後、弾性体の周方向への変形を抑制する手段はない。従って、bの衝撃吸収体に係る最大荷重は最も小さく、端部2の埋設後の摩擦力による反力も小さいため、bの衝撃吸収体の吸収エネルギー量は小さくなる。
cにおいては抵抗体の拡大した端部3は大きく、弾性体の貫通孔に埋設し難くなっている。引張力Fが所定値以上になり、端部3が弾性体の貫通孔に埋設した後、弾性体の周方向への変形を抑制する手段はない。従って、端部3の大きいcの衝撃吸収体は、端部3が弾性体の貫通孔に埋設するまでに要する荷重と変位とが、共にbに比べ大きくなっている。かつ、端部3が弾性体の貫通孔に埋設した後も、端部3は端部2よりも大きいため、比較的大きな摩擦力による反力が作用し、bに比べcの衝撃吸収体の吸収エネルギー量は大きくなる。
dにおいては抵抗体の拡大した端部3は大きく、弾性体の貫通孔に埋設し難くなっている。引張力Fが所定値以上になり、端部3が弾性体の貫通孔に埋設した後、弾性体の周方向への変形を抑制する手段として、外筒13が設けられている。従って、弾性体の周方向への変形が抑制されている点から、端部3に係る摩擦力が大きくなり、変位Lの方向へ移動するために要する荷重も大きくなる。従って、外筒13による効果から、端部3が弾性体の貫通孔に埋設した後の反力はb、cよりも大きく、dの衝撃吸収体の吸収エネルギー量は最も大きくなる。
次に、aとdとの衝撃吸収体における吸収エネルギー量の違いについて説明する。
aの衝撃吸収体における吸収エネルギー量Sについては前述した通りであり、dの衝撃吸収体においては連結部材が破断する虞がないため、連結部材の変位により吸収エネルギーが増加し続けるため、任意の変位Lにおける吸収エネルギー量Sと比較する。図7の(1)と(2)において比較すると、S>Sとなっている。また、dにおける変位Lの時点までは、aとdとはその変位図においての違いはほとんどない。即ち、弾性体を引張力Fの方向へ圧縮する動作にはa、dには違いがない。しかし、dの変位Lにおいて最大荷重が作用した後、端部2が弾性体の貫通孔に埋設することによって、最大荷重とほぼ同じ大きさの荷重が連結部材に係り続けるため、吸収エネルギー量はaと比べ大きくなる。
図8はこの発明の第2の実施の形態における衝撃吸収体の断面図であり、図3に対応するものであって、(1)は連結部材に引張力が作用していない状態であり、(2)は連結部材に引張力が作用している状態である。また、図9は図8で示したIX−IXラインにおける拡大断面図である。
これらの図を参照して、衝撃吸収体10aは、支柱側のワイヤー等の連結部材14aと、捕捉部側のワイヤー等の連結部材14bと、連結部材14bに接続され、円板形状に形成された剛性を有する抵抗体12と、円柱形状に形成され、抵抗体12と接する第1壁34と第1壁34と対向する第2壁36と側壁35とを有し、連結部材14bを通すように貫通孔21が形成された、ゴム等の弾性を有する弾性体11と、円筒形状に形成され、弾性体11の第2壁36の外縁に接し弾性体11の固定手段となる鍔部15と鍔部15と対向する位置に連結部材14aと接続される第1壁41と弾性体11の側壁35を覆うように形成された胴部42とを有する外筒13とで構成されている。
図8の(1)を参照して、連結部材14bに引張力Fが作用したとき、抵抗体12により弾性体11は軸方向に圧縮され、反力が発生する。
次に、引張力Fが所定値以上になったとき、図8の(2)に示すように、抵抗体12により圧縮された弾性体11は、弾性体11の第2壁36の外縁に接するように形成された鍔部15を通り抜け、弾性体11の側壁35が鍔部15に沿って引張力Fの方向へ移動する。このときの引張力Fに対する反力は、主に弾性体11の側壁35と鍔部15との摩擦力によって発生する。
そして、弾性体11の側壁35は外筒13の鍔部15に沿って移動するため、弾性体11の移動はスムースにおこなわれる。
又、上記の所定値及び引張力Fに対する上記の摩擦力による反力を、連結部材14a、14bの破断荷重以下に設定しているため、連結部材14a、14bが破断する虞がない。
更に、引張力Fのエネルギーの吸収は、弾性体11の変形によって効果を発揮するものであり、弾性体11の弾性限界と塑性限界とを考慮し、弾性限界を超えない範囲での変形に抑制するように設定しているため、繰り返し使用できる。
更に、上記の第2の実施の形態による衝撃吸収体を、図1と図5とに示した流下物捕捉装置30における衝撃吸収体10aとして使用しても良い。そして、上記の第2の実施の形態による衝撃吸収体10aを使用した流下物捕捉装置30は、流下物捕捉時のワイヤー等の連結部材14a〜14cへの衝撃が減少され、吸収エネルギー量も増加するものとなる。
尚、上記の第1の実施の形態では、弾性体11は円柱形状であるが、連結部材14bに作用する引張力が所定値以上となったとき、抵抗体12の端部31が弾性体11の貫通孔21に埋設する形状であれば良い。
又、上記の第1の実施の形態では、外筒13の胴部42は、弾性体11の側壁35を覆う形状であるが、抵抗体12の端部31の弾性体11の貫通孔21への埋設による弾性体11の変形時に、少なくとも弾性体11の側壁35の対向する部分に接するように包囲されていれば良い。
更に、上記の第2の実施の形態では、弾性体11の固定手段となる鍔部15は弾性体11の第2壁36の外縁全周に接しているが、弾性体11の第2壁36の対向する外縁部分に接していれば良い。
更に、上記の第2の実施の形態では、弾性体11の固定手段となる鍔部15は弾性体11の第2壁36の外縁全周に接しているが、引張力Fが所定値未満の時、少なくとも弾性体11の第2壁36を圧縮し、引張力が所定値以上となった時、鍔部15の一部に沿って弾性体11の側壁35が移動するように係合されていれば良い。
更に、上記の各実施の形態では、外筒13の第1壁41と胴部42とを有しているが、これらは必ずしも必要ではなく、図3で示した外筒13の第2壁43と、図8で示した外筒13の鍔部15とが、弾性体11の引張力への移動を阻止する固定手段となり得るものであれば良い。
更に、上記の各実施の形態では、抵抗体12の形状が特定されているが、上記所定値以上になった時、弾性体11から抵抗体12に作用する反力が低下するように、弾性体11と係合するものであれば良い。
更に、上記の各実施の形態では、弾性体11の弾性限界と塑性限界とを考慮し、弾性限界を超えない範囲での変形に抑制するように設定し、繰り返し使用できるようにしているが、弾性限界を超える範囲で変形するように設定しても良い。
更に、上記の各実施の形態では、弾性体11と抵抗体12と外筒13の固定手段となる部分とが特定の形状を有しているが、引張力が所定値以上となった時、弾性体11から抵抗体12に作用する反力が低下するように、弾性体11は抵抗体12及び外筒13の固定手段となる部分の少なくとも一方に係合するように形成されていれば良い。
図10はこの発明の第1の実施の形態による衝撃吸収体における実施例の概略図と寸法表であり、図11は図10による衝撃吸収体における抵抗体の拡大した端部の概略図と寸法表である。
実施例においてはA〜Eの5種類の衝撃吸収体によっての荷重−変位図を作成し、各々の特性によっての荷重−変位図の違いを比較した。また、各々の実施例における特徴については後述する。
尚、実施例における各構成要素の材質においては、抵抗体は鉄で作成されており、弾性体は天然ゴムと合成ゴム(SBR)とを1:1に混合したもので作成されており、外筒は鉄で作成されており、連結部材は鉄製ワイヤーで作成されている。
図12は実施例Aと実施例Bとを比較した荷重−変位図である。
実施例Aと実施例Bとの特徴の違いは、抵抗体の拡大した端部の大きさが異なっている点である。即ち、図11を参照して、実施例Aの抵抗体の拡大した端部の寸法は、図におけるe=35mm、f=35mm、g=5mm、h=30mmであり、実施例Bの抵抗体の拡大した端部の寸法は、図におけるe=40mm、f=30mm、g=10mm、h=30mmであり、実施例Bの抵抗体の拡大した端部のほうが実施例Aの抵抗体の拡大した端部よりも、抵抗体の軸の周方向における断面積が大きくなっている。
図12を参照して、実施例Aにおいては抵抗体の拡大した端部が弾性体の貫通孔に埋設しやすくなっているため、実施例Bと比較すると最大荷重と吸収エネルギー量とが共に小さい。実施例Bは実施例Aと比較すると吸収エネルギー量が大きく、実施例Bが有効であると言える。
図13は実施例Bと実施例Cとを比較した荷重−変位図である。
実施例Bと実施例Cとの特徴の違いは、抵抗体の拡大した端部の大きさが異なっている点である。即ち、図11を参照して、実施例Bの拡大した端部の寸法は、図におけるe=40mm、f=30mm、g=10mm、h=30mmであり、実施例Cの抵抗体の拡大した端部の寸法は、図におけるe=50mm、f=30mm、g=10mm、h=30mmであり、実施例Cの抵抗体の拡大した端部のほうが実施例Bの拡大した端部よりも、抵抗体の軸の周方向における断面積が大きくなっている。
図13を参照して、実施例Cは抵抗体の拡大した端部が弾性体の貫通孔に埋設せず、抵抗体の拡大した端部は弾性体を圧縮することのみによって、エネルギーを吸収している。従って、実施例Cにおける抵抗体の拡大した端部の大きさとその他の構成要素の寸法では、引張力Fが所定値以上になったときに弾性体による反力は低下しないため、有効ではない。
図14は実施例Bと実施例Dとを比較した荷重−変位図である。
実施例Bと実施例Dとの特徴の違いは、弾性体の貫通孔の直径が異なっている点である。即ち、図10を参照して、実施例Bの弾性体の貫通孔の直径cは34mmであり、実施例Dの弾性体の貫通孔の直径cは32mmであり、実施例Dの弾性体の貫通孔の直径のほうが小さくなっている。
図14を参照して、実施例Bと実施例Dとは、実施例Bの最大荷重による変位量までは実施例Bと実施例Dとによる違いは少ないが、所定値以上の荷重がかかり、抵抗体の拡大した端部が弾性体の貫通孔に埋設したあとの変位図に大きな違いが出ている。即ち、実施例Dにおいては抵抗体の拡大した端部が弾性体の貫通孔に埋設した後、弾性体の貫通孔を移動し続けるために要する荷重が増加し続けている。これは、弾性体の貫通孔が実施例Bの弾性体の貫通孔と比べ小さくなっているためである。従って、引張力Fが所定値以上となった後、反力が増加し続けるため、実施例Dにおける弾性体の貫通孔の大きさとその他の寸法の組合わせは有効ではない。
図15は実施例Dと実施例Eとを比較した荷重−変位図である。
実施例Dと実施例Eとの特徴の違いは、弾性体の周方向の直径が異なっている点である。即ち、図10を参照して、実施例Dの弾性体の周方向の直径bは56.5mmであり、実施例Eの弾性体の周方向の直径bは57.5mmであり、実施例Eの弾性体の周方向の直系のほうが大きくなっている。尚、弾性体を覆う外筒の内方の周方向の直径は、共に60mmである。
図15を参照して、実施例Eにおける荷重−変位図は、抵抗体の拡大した端部が弾性体の貫通孔に埋設せず、抵抗体の拡大した端部は弾性体を圧縮することのみによって、エネルギーを吸収している。従って、実施例Eにおける弾性体の周方向の直径の大きさとその他の構成要素の寸法では、引張力Fが所定値以上になったときに弾性体による反力は低下しないため、有効ではない。
4 支柱
10 衝撃吸収体
11 弾性体
12 抵抗体
13 外筒
14 連結部材
15 鍔部
21 空洞部
22 開口
30 流下物捕捉装置
31 端部
32、42 胴部
34、41 第1壁
35 側壁
36、43 第2壁
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (4)

  1. 固定側に接続され、移動側のワイヤー等を介して加わる引張力による衝撃を緩和するための衝撃吸収体であって、
    前記ワイヤー等が接続される抵抗体と、
    前記抵抗体の周りに配置され、前記固定側に接続される固定手段と、
    前記抵抗体の端部と前記固定手段との間に設置され、前記引張力による前記抵抗体の移動につれて圧縮される弾性体とを備え、
    前記抵抗体に加わる引張力が所定値以上になった時、前記弾性体から前記抵抗体に作用する反力が低下するように、前記弾性体は前記抵抗体及び前記固定手段の少なくとも一方に係合し、
    前記弾性体は、前記抵抗体の前記端部が接する第1壁と前記固定手段の少なくとも一部が接する第2壁と側壁とを有する柱形状を有し、
    前記固定手段は、前記抵抗体に加わる引張力が前記所定値未満の時、前記少なくとも一部が前記弾性体の前記第2壁を圧縮し、前記抵抗体に加わる引張力が前記所定値以上になった時、前記少なくとも一部に沿って前記弾性体の前記側壁が移動するように、前記弾性体に係合する、衝撃吸収体。
  2. 前記固定手段は、前記第2壁の対向する外縁部分に接する鍔部を含む、請求項1記載の衝撃吸収体。
  3. 前記鍔部は、前記第2壁の外縁全周に接するように配置される、請求項2記載の衝撃吸収体。
  4. 流下物を捕捉する流下物捕捉装置において、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の衝撃吸収体により前記流下物の衝撃を吸収することを特徴とする、流下物捕捉装置。
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