JP5328971B1 - 内燃機関の回生制動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電機の動作の結果として現れる発生電圧を取得し、これと出力電圧とを比較することで、出力開始タイミングをその発生前にエンジン制御装置が把握し、エンジンブレーキによる制動トルクとの合計制動トルクの急変を避ける内燃機関の回生制動システムを得る。
【解決手段】発電機2は、回転により交流を発電し、これを整流子により整流して出力端子6から直流を出力すると共に、整流前の電圧をエンジン制御装置4へ伝達し、エンジン制御装置4は、前記整流前の電圧と出力端子6から出力される電圧とから発電機2の出力開始タイミングを予測すると共に、発電機2の界磁電流により発電機2の発生トルクを制御し、更に、前記界磁電流を制御して、無発電状態の発電機2を発電状態にするとき、内燃機関1が発生する制動トルクを前記予測した出力開始タイミングを用いて調整する。
【選択図】図1

Description

この発明は、エンジン制御装置が発電機の出力を無発電から発電へ制御する場合において、発電機のトルク発生出力開始タイミングを予測し、そのタイミングにあわせて内燃機関のトルクを調整する内燃機関の回生制動システムに関するものである。
従来より、車両の減速時に車両の運動エネルギーを発電機で電力に変換し、蓄電装置へ充電することで、加速時などの発電を抑制し、結果として燃費を向上させる技術がある。最近では、エンジンブレーキによる制動トルクと、発電機による制動トルク(以下、回生トルクと称する。)を調整し、より減速時の発電量を増大させる技術が例えば特開平9−135502号公報(特許文献1)に開示されている。
この技術によれば、回生トルクを先に決定し、その分だけエンジンブレーキによる制動トルクを減じ、合計の制動トルクが回生トルクの大小に影響されないようにしている。これにより、ドライバーに減速違和感を生じさせず、かつ、希望どおりの回生トルクを設定することが可能となる。なお、発電機の発電量と回生トルクとは比例関係にあるので、回生トルクを設定することは、発電量を設定することと等価である。そして、発電量は、例えば発電機の界磁電流に依存するので、これをエンジン制御装置が決定し、指示することで、回生トルクを制御することができる。
上記について図11を用いて説明する。図11は、縦軸をアクセル開度とトルクとするタイミングチャートである。まず、時刻T4にて、ドライバーがアクセルをOFFしアイドルを指令する。アクセル開度に同調してスロットルバルブが閉まり、エンジンブレーキが少し遅れた時刻T3から発生し始める。次第にエンジンブレーキは増大し、ある値に到達する。このトルク変化がドライバーの期待する制動トルクの挙動であり、合計制動トルクで示す波形となる。このとき、エンジン制御装置は、蓄電装置の容量などから希望する発電量、即ち、回生トルクを決定し、合計制動トルクから回生トルクを減じることで、エンジンブレーキによる制動トルクを演算する。そして、目標となるエンジンブレーキによる制動トルクを実現するように、例えば電子制御スロットルの目標スロットル開度を制御し、同時に、目標となる回生トルクを実現するように、例えば発電機の界磁電流を制御する。
ところで、電子制御スロットルの目標スロットル開度を全閉、又はアイドル開度に変更してから、実際のエンジンブレーキによる制動トルクが変化し始めるまでには、遅れ時間D1がある。この遅れ時間D1は、吸気管の容量による遅れ時間、燃料カット制御への移行時間などのエンジン制御により生じる時間である。図11では、時刻T4にてアクセルOFFと同期してスロットル開度もアイドル開度となるが、D1だけ遅れてエンジンブレーキによる制動トルクが発生する。
同様に、発電機についても界磁電流を変更してから、実際の回生トルクが変化し始めるまでには遅れ時間D2がある。図11では、時刻T3にて回生トルクを発生させようとしても、D2だけ遅れて回生トルクが発生する。
上記遅れ時間D2について、そのメカニズムを以下に説明する。まず、システム構成を図12により説明する。内燃機関1の駆動軸と発電機2の回転軸は、連結手段としてのベルト3により動力が伝えられるように構成されている。内燃機関1は、エンジン制御装置4により制御され、例えば図示しない電子制御スロットルにより吸気量が制御されることで、出力トルクやエンジンブレーキによる制動トルクが制御される。
発電機2は、通信端子5によりエンジン制御装置4と接続されている。エンジン制御装置4は、目標界磁電流を発電機2へ送信し、発電機2は実測する実界磁電流と上記目標界磁電流が一致するようにフィードバック制御を行う。このようにして、エンジン制御装置4は発電機2の出力を制御する。
発電機2の出力端子6は、蓄電装置7とエンジン制御装置4に接続される。また、発電機2の出力電圧は、エンジン制御装置4が測定する。なお、出力電圧は上記方法の他に、発電機2自身が出力端子6の電圧を測定し、エンジン制御装置4へ送信する場合、あるいは蓄電装置7が出力電圧を測定し、エンジン制御装置4へ別に装備された通信ラインにより送信する場合などがある。
発電機2の内部構成を図13により説明する。図13において、発電機2の回転軸とともに回転するロータ8が、蓄電装置7から出力端子6を経由して供給される電力で磁束を発生し、その結果、ステータ9に交流が発生し、これが整流子10により整流され、出力端子6から直流となって蓄電装置7へ供給される。
一方、エンジン制御装置4では、前述のとおり、目標界磁電流を演算し、発電機2の通信端子5を経由して通信処理部11へ送信し、界磁電流制御部12において界磁電流フィードバック制御の目標値となる。界磁電流制御部12は、シャント抵抗やホール素子など図示しない回路で界磁電流を実測し、界磁電流の目標値と一致するように駆動素子13をフィードバック制御する。
次に、図14を用いてメカニズムを説明する。図14は、発電機2の界磁電流、電圧、トルクを縦軸とするタイミングチャートである。時刻T3で、無発電(界磁電流=0)からエンジン制御装置4が指示する界磁電流の目標値(破線)となるように発電機2は界磁電流を流そうとする。しかし、ロータ8のインダクタンスの影響で、実線で示すように、徐々にしか界磁電流の実値は増大しない。
界磁電流の増大につれて、ステータ9に発生する交流電圧も増大するが、整流子により整流される前の電圧が、蓄電装置7と接続されている出力端子6の電圧(以下、出力電圧と称する。)よりも低い間は、発電機2からの出力電流は0、つまり、回生トルクは0である。やがて、整流子により整流される前の電圧が出力電圧より大きくなり、発電機2から蓄電装置7に向けて電流が流れ始める。これを出力開始タイミングとすると、このときから回生トルクが発生することになる。このように、界磁電流の目標値を設定してから、回生トルクが発生するまでには、遅れ時間D2が存在する。なお、整流子により整流される前の電圧を、後述する整流回路で整流し、フィルタでノイズとリップルを除去した電圧を発生電圧と称することにする。
また、遅れ時間D2や、その要因である界磁電流や回生トルクの波形や時定数は、発電機2のインダクタンスや回転速度、出力電圧などに依存することになる。そして、これらは、更に、温度や磁気回路内のギャップなどに依存する。このようなばらつき要素があるため、エンジン制御装置4が界磁電流の目標値から想定する回生トルクに対し、実際の回生トルクはずれてしまう。実際の回生トルクのずれ方によって、トルクショックが小さい場合と大きい場合があり、以下、これを図15と図16により説明する。
図15は、縦軸をトルクとするタイミングチャートである。図11同様、アクセルOFFとなってからD1遅れた時刻T3にて、合計制動トルクは図11と同じ変化を始める。このとき、仮に、実際の回生トルクが図11に示す回生トルク量(図15では破線表示)より少なく、実線で示すL1の波形であったとする。すると、実際の合計制動トルクはL2の波形となり、図11での期待された合計制動トルク(図15では破線表示)の波形から小さい側へずれてしまう。しかし、合計制動トルクL2の波形の変化速度は急激ではなく、トルクショックは小さく、ドライバーに与える減速違和感は少ない。
図16は、図15と同様のタイミングチャートであるが、回生トルクの出力開始タイミングが、図11でのタイミングに比べて遅い場合を示している。即ち、実際の回生トルクがL3の波形であったとする。これは、図11に示す回生トルク量(図16では破線表示)より遅く発生するため、実際の合計制動トルクはL4の波形となり、図11での期待された合計制動トルク(図16では破線表示)の波形から小さい側へずれてしまう。この場合、図15と異なり、合計制動トルクL4の波形の変化速度は急激であり、トルクショックは大きく、ドライバーに与える減速違和感が大きい。
このように、回生トルクの演算では、出力開始タイミングを正確に推定することが重要となる。上記特許文献1では、この点に関する考慮がされていないため、図16に示すような大きなトルクショックが発生する問題がある。
このため、発電機の出力開始タイミングを推定する手法として、例えばエンジン制御装置が把握する発電機の状態パラメータを増やし、物理モデルや物理式による予測を正確に行うなどの手法を用いた出力開始タイミングの推定手法が考えられる。
例えば特開2009−60679号公報(特許文献2)では、発電機が、発電機の回転速度、温度、出力電圧、界磁電流などを測定し、エンジン制御装置へ通信する技術が開示されている。また、例えば特開2007−221901号公報(特許文献3)では、発電機が測定した出力電流を、エンジン制御装置へ通信する技術が開示されている。
特開平9−135502号公報 特開2009−60679号公報 特開2007−221901号公報
しかし、上記特許文献2の技術を適用し、発電機の回転速度や温度、あるいは界磁電流という状態パラメータを得たとしても、物理式や物理モデルなどによる予測の精度はあまり望めない。なぜなら、発電機の物理モデルには、相互インダクタンスなどの同定の難しい要素があるためである。その結果、図16に示す挙動を防止するほどの精度は得られない。
また、出力電圧を得たとしても、出力開始タイミングまでの出力電圧は、蓄電装置から供給される電圧であるため発電機の状態パラメータとはならず、出力電圧が変化した時は、出力開始タイミングであるから、それを制御装置が受信して、直後にエンジンブレーキによる制動トルクを変更しようとスロットル開度の目標値を変更しても、スロットル動作遅れ時間や、吸気管の容量によるエンジンブレーキの応答遅れ時間があるため、図16に示す問題を防ぐことは出来ない。その結果、出力開始タイミングを正確に推定できない。
また、上記特許文献3の技術を適用し、実測された出力電流を得たとしても、特許文献2の出力電圧同様、出力開始タイミングまでは出力電流は0の一定で、また、0以上の出力電流を検出した時が出力開始タイミングであるから、既にエンジンの制御は間に合わず、図16に示す急激なトルク変化を防ぐことはできない。
この発明は、このような点を解決するために提案されたものであり、物理モデルなどは用いず、発電機の動作の結果として現れる発生電圧を取得し、これと出力電圧とを比較することで、出力開始タイミングをその発生前にエンジン制御装置が把握し、エンジンブレーキによる制動トルクとの合計制動トルクの急変を避ける内燃機関の回生制動システムを得ることを目的とするものである。
この発明に係る内燃機関の回生制動システムは、車両に備えられた内燃機関と、前記内燃機関もしくは前記車両により回転される発電機と、前記内燃機関と前記発電機を制御するエンジン制御装置と、を備え、
前記発電機は、回転により交流を発電し、これを前記発電機が具備する整流子により整流して出力端子から直流を出力すると共に、整流前の電圧を前記エンジン制御装置へ伝達し、
前記エンジン制御装置は、前記整流前の電圧と前記出力端子から出力される電圧とから前記発電機の出力開始タイミングを予測すると共に、前記発電機の発生トルク、出力電圧、出力電流、界磁電流、或いはこれらと等価な操作量の少なくとも1つを操作量として前記発電機の発生トルクを制御し、更に、前記操作量を制御して、無発電状態の前記発電機を発電状態にするとき、前記内燃機関が発生する制動トルクを前記予測した出力開始タイミングを用いて調整する。
この発明に係る内燃機関の回生制動システムによれば、発電機の出力開始タイミング、即ち、回生トルク発生タイミングをエンジン制御装置が前もって正確に把握できるので、エンジンブレーキによる制動トルクを回生トルク発生タイミングと一致したタイミングとなるように制御でき、合計制動トルクの急変を避けることができる。
この発明の実施の形態1に係る発電機とエンジン制御装置の内部構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る発電機の出力開始タイミング計算の根拠を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1に係るエンジンと発電機によるトルク分担の調整方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係るエンジンブレーキの応答遅れ時間を算出する適合データの例を示す特性図である。 この発明の実施の形態1に係る合計制動トルク目標値を算出する適合データの例を示す特性図である。 この発明の実施の形態1に係る目標界磁電流を算出する適合データの例を示す特性図である。 この発明の実施の形態1に係る回生トルク収束値を算出する特性データの例を示す特性図である。 この発明の実施の形態1に係る目標スロットル開度を算出する適合データの例を示す特性図である。 この発明の実施の形態1に係る遅れ時間を算出する適合データの例を示す特性図である。 この発明の実施の形態1に係るエンジンと発電機によるトルク分担の調整方法を示すタイミングチャートである。 回生時のエンジンと発電機によるトルク分担の変化を示すタイミングチャートである。 従来の内燃機関の回生制動システムの構成を示す図である。 従来の発電機の内部構成を示す図である。 発電機の回生トルク発生の遅れ時間のメカニズムを示すタイミングチャートである。 回生時のエンジンと発電機によるトルク分担に内在する従来技術の課題を示すタイミングチャートである。 回生時のエンジンと発電機によるトルク分担に内在する従来技術の課題を示すタイミングチャートである。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の回生制動システムについて図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態1に係る内燃機関の回生制動システムを用いた発電機とエンジン制御装置の内部構成を示す図である。図中、従来装置と同一又は相当部分には従来装置と同一符号を付している。なお、内燃機関1、発電機2、エンジン制御装置4、蓄電装置7のシステム構成は従来装置と同様で、図12に示す構成となっている。また、以降の説明では、目標界磁電流により発電機2の出力を制御するが、他の場合として、発電機2のトルク、出力電圧、出力電流、或いはこれらと等価な操作量の少なくとも1つを操作量とする制御であればよい。
図1において、発電機2は、従来の発電機と同様、発電機2の回転軸とともに回転するロータ8が、蓄電装置7から出力端子6を経由して供給される電力で磁束を発生する。その結果、ステータ9に交流電圧が発生し、これが整流子10により整流され、出力端子6から直流電圧となって蓄電装置7へ供給される。
発電機2は、更に、ステータ9の任意の一相の電圧を、結線14にて整流回路15へ入力し、ここで直流電圧に変換する。次に、フィルタ16にてノイズとリップルの除去を行い、得られた電圧値(前述のとおり、これが発生電圧である。)を通信処理部11で所定のCANデータに変換し、このCANデータを通信端子5からエンジン制御装置4へ送信する構成となっている。なお、エンジン制御装置4と発電機2の間の通信方法は、上記のCANデータによる通信方式の他、シリアル通信、PWMのDUTY比による通信などにより構成される場合もある。
エンジン制御装置4では、発電機2から送信されたCANデータは、受信処理部17で受信され、発生電圧へ変換される。受信された時刻tでの発生電圧をVa(t)で表すこととする。この値は、出力開始時刻推定部18へ伝達される。また、発電機2の出力電圧は、直流電圧となって出力端子6からエンジン制御装置4へ伝達され、フィルタ19によるノイズ除去の後、出力電圧算出部20に伝達される。出力電圧算出部20では、所定処理周期ごとに出力電圧をA/D変換し、これを出力開始時刻推定部18へ伝達する。この時刻tでの出力電圧をVb(t)で表すこととする。
出力開始時刻推定部18では、時刻tと1処理周期前t−1における発生電圧Vaと出力電圧Vbから、2つの電圧が一致する時刻T1を推定する。これについて図2を用いて具体的に説明する。図2は、発生電圧Vaと出力電圧Vbのタイミングチャートで、現在時刻tまでは実線で、以降の将来時間を破線で推定している図となっている。このとき、発生電圧Vaと出力電圧Vbの線形補完が交わる時刻をT1と推定する。即ち、T1は次の式1となる。
T1=t+{Vb(t)−Va(t)}/〔{Vb(t−1)−Va(t−1)}
−{Vb(t)−Va(t)}〕 ・・・・・・式1
このT1が、回生トルクが実際に発生するタイミング、即ち、出力開始タイミングで、このT1を次の制動トルク制御部21へ伝達する。
制動トルク制御部21では、まず、エンジン回転速度と吸気管負圧から演算したドライバーの要求する合計制動トルクの目標値を演算する。更に、目標界磁電流と発電機回転速度から演算した回生トルクの収束値を演算する。これらから、ドライバーの要求する合計制動トルクの目標値から回生トルクの収束値を減算して、エンジンブレーキによる制動トルクを演算する。次に、エンジンブレーキによる制動トルクを生成するための目標スロットル開度を演算し、上記出力開始時刻推定部18で演算された時刻T1と、電子制御スロットルの応答遅れ時間や、吸気管の容量によるエンジンブレーキの応答遅れ時間を考慮して、上記目標スロットル開度を実現するように電子制御スロットル22のモータを駆動する。
図3は、上記の動作を実現するフローチャートである。この処理はエンジン制御装置4に設けられたマイクロコンピュータにより、所定処理周期ごとに実行される。現在の時刻をt、1処理周期前をt−1とし、スタートより開始する。
まず、ステップS1では、アクセル開度が0か否か、即ち、アクセルOFFであるか否かを判定する。アクセル開度が0の場合、即ち、アクセルOFFの場合は、ステップS2へ進み、0より大きい場合は、ステップS5へ進む。
ステップS2では、アクセル開度が0より大から0になった時刻をT4として保存する。つまり、アクセルOFFになった時刻をT4とする。また、遅れ時間D1は、吸気管の容量によるエンジンブレーキの応答遅れ時間と燃料カット制御への移行時間などのエンジン制御により生じる時間の2つの和として演算する。まず、吸気管の容量によるエンジンブレーキの応答遅れ時間は、吸気管負圧とエンジン回転速度をパラメータとする、予め適合されたデータ、例えば図4のデータから演算する。また、燃料カット制御への移行時間などのエンジン制御により生じる時間は、エンジン制御装置自身が把握している値である。
ステップS3では、アクセル開度が0となった時刻T4に、上記遅れ時間D1を加えた時刻(即ちT3)に到達したか否かが判定される。現在の時刻tが、これら以上、即ち、時刻T3へ到達した場合はステップS4へ進み、時刻T3に到達していない場合はステップS5へ進む。ステップS4では、時刻T3になった後、最初に1回だけ実行するステップS7からステップS12までをコントロールする処理を行う。即ち、初回フラグがリセットであればステップS6へ進み、セットであれば、ステップS13へ進む。
ステップS5では、ステップS1とステップS3から分岐した場合に、初回フラグをリセットして、次のアクセルOFF時での時刻T3に備える。ステップS6では、初回フラグをセットする。この処理は、ステップS7からステップS12までの処理を2回以上実行されるのを防ぐ処理である。
ステップS7では、合計制動トルク目標値TQ1を、吸気管負圧とエンジン回転速度をパラメータとする、予め適合されたデータ、例えば図5のデータから算出する。ステップS8では、目標界磁電流を、蓄電装置7の容量をパラメータとする、予め適合されたデータ、例えば図6のデータから算出する。ステップS9では、算出された目標界磁電流を発電機2へ通信で送信する。
ステップS10では、回生トルク収束値TQ2を、目標界磁電流と発電機回転速度をパラメータとする、予め測定しておいた発電機2の特性データ、例えば図7のデータから算出する。ステップS11では、エンジンブレーキによる制動トルクを、合計制動トルク目標値TQ1から回生トルク収束値TQ2を減算して求める。ステップS12では、目標スロットル開度TH1を、エンジンブレーキによる制動トルクとエンジン回転速度をパラメータとする、予め適合されたデータ、例えば図8のデータから算出する。
ステップS13からは、目標スロットル開度を上記で算出したTH1へ変更指示する時刻T2を算出する処理となる。ステップS13では、整流子10により整流される前の電圧である発生電圧Vaを発電機2から受信する。ステップS14では、エンジン制御装置4に接続されている発電機2の出力端子6の電圧をA/D変換して、出力電圧Vbを算出する。ステップS15では、発生電圧Va、出力電圧Vbに等しくなる時刻T1を、上記式1に従って算出する。
ステップS16では、スロットル目標開度を指示してからエンジンブレーキによる制動トルクが変化するまでの遅れ時間D3を、出力電圧Vbをパラメータとする、予め適合されたデータ、例えば図9のデータから算出する。ステップS17では、目標スロットル開度を指示する時刻T2を、時刻T1から遅れ時間D3を減じることで演算する。
ステップS18では、時刻T2から今の時刻tを減算し、その差が演算周期よりも短いか否かを判定する。もし、短い場合はステップS19へ進み、目標スロットル開度をTH1に設定し、エンドへ進む。もし、長い場合は次の演算周期で判定するため、目標スロットル開度の変更は行わず、そのままエンドへ進む。ステップS20は、ステップS5に続いて実施されるステップで、目標スロットル開度の演算は、アクセル開度などに依存して決定される通常の演算結果を反映し、エンドへ進む。
上記説明においては、発電機2からエンジン制御装置4への通信遅れ時間は考慮していないが、通信遅れ時間を考慮して、T2を演算してもよい。即ち、
T2=T1−D3−通信遅れ時間
とする。
上記図3に示すフローチャートに基づく処理により、変化するトルクなどの動作を、図10のタイミングチャートを用いて説明する。図11と同様、アクセルOFF(図10(a))と連動して、時刻T4でスロットル開度はアイドル開度になり(図10(g))、前述のとおり、時刻T3からエンジンブレーキによる制動が始まる(図10(e))。合計制動トルクの目標値TQ1は、吸気管負圧とエンジン回転速度をパラメータとする、予め適合されたデータ、例えば図5のデータから演算する。
また、同じ時刻T3にて、目標界磁電流を発電機2に指示する(図10(b))。この目標値は、蓄電装置7の容量をパラメータとする、予め適合されたデータ、例えば図6のデータから算出する。また、目標界磁電流とエンジン回転速度や車速から得られる発電機2の回転速度をパラメータとする、予め測定しておいた発電機2の特性データ、例えば、図7のデータから回生トルクの収束値TQ2を求めることができる(図10(d))。
これにより、エンジンブレーキによる制動トルクは、TQ1−TQ2と演算することができ(図10(e)、(f))、スロットルの流量特性、例えば図8のデータからスロットル目標開度TH1が演算できる(図10(g))。
また、時刻T3以降、発電機2の発生電圧Vaも得られるため、時刻T1が式1にて演算できる(図10(c))。また、出力電圧Vbから遅れ時間D3を、例えば図9のデータから演算し、スロットルの目標開度に上記TH1を指示する時刻T2を、時刻T1からD3を減じて演算する。
現在の時刻tに対し、上記時刻T2が、この演算周期よりも将来の時刻であれば、スロットルの目標開度は変更せず、アイドル開度に維持するが、もし、T2が直近の時刻であれば、スロットルの目標開度をTH1へ更新する(図10(g))。
このようにすることで、時刻T1にてエンジンブレーキによる制動トルクは減少し始め(図10(f))、代わりに回生トルクが上昇し(図10(d))、合計制動トルクは急激な変化をしないこととなる(図10(e))。即ち、回生トルクの発生するタイミングにあわせてエンジンブレーキによる制動トルクが調整されるため、合計制動トルクは常にドライバーの期待する値となる。
なお、上記説明においては、発電機2内の整流素子による電圧降下量、即ち、発生電圧Vaに対し影響する整流回路15の電圧降下量、及び出力電圧Vbに対し影響する整流子10の電圧降下量を考慮していないが、これらを考慮してより精度を向上させることもできる。
上記説明においては、合計制動トルク、回生トルクは、それぞれ時刻T3以降の初回に1回演算されるが、エンジンモデルや発電機モデルを用いた動的な値として演算することもできる。また、エンジンブレーキによる制動トルクから目標スロットル開度への演算も、エンジンモデルによる動的な値として演算することもできる。
また、図12では、発電機2はベルト3により駆動されるが、ギアなどの連結手段により内燃機関1の回転が伝達されるように構成される場合にもこの発明は適用できる。
更に、発電機2が内燃機関1とは直接結合されず、車両の運動エネルギーを、内燃機関1と発電機2のそれぞれで吸収する場合にもこの発明は適用できる。例えば、車両の前輪は内燃機関1により駆動、制動され、車両の後輪は発電機2とギアにより結合され、後輪の回転により発電、制動されるような構成においてもこの発明は適用できる。
以上説明のように、この発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 内燃機関、2 発電機、3 ベルト、4 エンジン制御装置、5 通信端子、6 出力端子、7 蓄電装置、8 ロータ、9 ステータ、10 整流子、11 受信処理部、12 界磁電流制御部、13 駆動素子、14 結線、15 整流回路、16 フィルタ、17 受信処理部、18 出力開始時刻推定部、19 フィルタ、20 出力電圧算出部、21 制動トルク制御部、22 電子制御スロットル

Claims (1)

  1. 車両に備えられた内燃機関と、前記内燃機関もしくは前記車両により回転される発電機と、前記内燃機関と前記発電機を制御するエンジン制御装置と、を備え、
    前記発電機は、回転により交流を発電し、これを前記発電機が具備する整流子により整流して出力端子から直流を出力すると共に、整流前の電圧を前記エンジン制御装置へ伝達し、
    前記エンジン制御装置は、前記整流前の電圧と前記出力端子から出力される電圧とから前記発電機の出力開始タイミングを予測すると共に、前記発電機の発生トルク、出力電圧、出力電流、界磁電流、或いはこれらと等価な操作量の少なくとも1つを操作量として前記発電機の発生トルクを制御し、更に、前記操作量を制御して、無発電状態の前記発電機を発電状態にするとき、前記内燃機関が発生する制動トルクを前記予測した出力開始タイミングを用いて調整することを特徴とする内燃機関の回生制動システム。
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