JP4213170B2 - 車両用発電機の制御装置 - Google Patents

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この発明は、発電動作中における出力電流と負荷トルクを推定する機能を有する車両用発電機の制御装置に関するものである。
従来の車両用発電機の制御装置は、発電動作時において、車両用発電機の出力電流を推定する手段として、特許文献1および特許文献2では、車両用発電機の回転速度と界磁電流に基づいて出力電流をマップ化しておき、界磁電流と回転速度より出力電流マップを参照することで求めている(たとえば、特許文献1参照)。
また、負荷トルクの推定値は、特許文献2では、出力電流と回転速度に基づいて負荷トルクをマップ化しておき、あらかじめ回転速度と界磁電流から算出した出力電流推定値と回転速度より上記負荷トルクマップを参照することで求めている(たとえば、特許文献2参照)。
ところが、たとえば、界磁電流、回転速度、直流電圧、モータジェネレータ温度および制御装置温度が一定の状態で、同期整流発電が停止状態から運転状態に変化した場合、出力電流推定値および負荷トルクは、段階的にステップ状態で変化する。
これに対して、出力電流および負荷トルクは、車両用発電機や整流回路などの総合インダクタンス成分によって、漸次的に変化することので、推定値との間に偏差が生じる。
したがって、特許文献1または特許文献2のように界磁電流、回転速度出力電流および負荷トルクを算出すると、電源の電圧変化による車両用発電機の発電電圧と電源電圧との電位差の変化や、同期整流発電の運転状態または停止状態における電力変換部の電圧損失の差や、車両用発電機の温度変化による電機子巻線の抵抗変化や、制御装置の温度変化による電力変換部の抵抗変化による影響で、推定値の算出精度が低下する可能性がある。
また、回転速度の急変化や、同期整流発電の停止状態から運転状態への過渡時、または運転状態から停止状態への過渡時においては、推定精度が低下する可能性がある。
特許第3719176号公報 特開2005−192308号公報
従来の車両用発電機の制御装置では、界磁電流、回転速度出力電流および負荷トルクを算出した場合に、電源の電圧変化による車両用発電機の発電電圧と電源電圧との電位差の変化や、同期整流発電の運転状態または停止状態における電力変換部の電圧損失の差や、車両用発電機の温度変化による電機子巻線の抵抗変化や、制御装置の温度変化による電力変換部の抵抗変化による影響で、推定値の算出精度が低下するうえ、回転速度の急変化や、同期整流発電の停止状態から運転状態への過渡時、または運転状態から停止状態への過渡時において推定精度が低下するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、出力電流および負荷トルクを高精度に算出することのできる車両用発電機の制御装置を得ることを目的とする。
この発明による車両用発電機の制御装置は、交流電力を直流電力に変換する電力変換部および電力変換部を制御するコントローラからなる制御装置と、動力伝達手段を介して内燃機関の回転軸に接続されるとともに、制御装置により制御される車両用発電機と、制御装置を介して車両用発電機に接続された電源とを備え、コントローラは、車両用発電機の界磁巻線に流れる界磁電流を検出する界磁電流検出手段と、車両用発電機の回転速度を検出する回転速度検出手段と、電力変換部により整流された直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、界磁電流、回転速度および直流電圧に基づいて、車両用発電機の出力電流および負荷トルクの推定値を算出する出力電流/負荷トルク推定手段とを有する車両用発電機の制御装置において、電力変換部は、車両用発電機の各相に接続されたダイオードおよびスイッチング素子を有し、電流の流れているダイオードに逆並列接続されたスイッチング素子をONして車両用発電機による同期整流発電を行い、コントローラは、同期整流発電の運転状態または停止状態を検出する発電状態検出手段を有し、出力電流/負荷トルク推定手段は、同期整流発電の運転状態または停止状態に応じた推定値マップと、推定値マップを切り換えて推定値を出力するマップ参照値切換部とを含み、同期整流発電の運転状態または停止状態に応じて推定値を補正するものである。

この発明によれば、出力電流および負荷トルクを高精度に推定(算出)することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用発電機の制御装置を示す回路ブロック図であり、固定子に3相の電機子巻線を有する巻線界磁式の同期機(以下、「モータジェネレータ」という)を車両用発電機として用い、バッテリ(電源)を充電する車両用発電システムに適用した場合の全体構成を示している。
図1において、車両用発電機の制御装置が適用されるシステムは、車両(図示せず)に搭載された内燃機関8と、内燃機関8の駆動/発電を行うモータジェネレータ1と、モータジェネレータ1を制御する制御装置2と、制御装置2に接続されたバッテリ3と、内燃機関8を制御する内燃機関制御装置26と、バッテリ3の電力収支などを管理するBMU(Battery Management Unit:電力管理手段)27と、CANバス25とを備えている。
モータジェネレータ1は、電機子巻線4と、回転子の界磁巻線5と、回転子の位置を検出する回転子位置検出手段6と、モータジェネレータ温度検出手段7とにより構成されている。
モータジェネレータ1の回転子は、動力伝達手段9を介して、内燃機関8の回転軸に接続されている。
電機子巻線4は、電力供給線を介して、制御装置2のU相端子、V相端子、W相端子に接続されている。
界磁巻線5は、一方の端子が制御装置2の界磁端子に接続され、他方の端子が接地されており、制御装置2から界磁電流iが供給されることにより磁界を形成し、電機子巻線4に電圧を誘起させるために必要な鎖交磁束を発生させる。
回転子位置検出手段6は、たとえばレゾルバからなり、モータジェネレータ1の回転速度NMGを示す検出情報を制御装置2に入力する。
また、モータジェネレータ温度検出手段7は、たとえばサーミスタからなり、モータジェネレータ1の温度TMGを示す検出情報を制御装置2に入力する。
制御装置2は、直流電力および交流電力を相互に変換する電力変換部10と、マイクロプロセッサを備えたコントローラ11と、界磁巻線5に流れる電流iを断続させるためのスイッチング素子12と、スイッチング素子12がOFFのときに界磁電流iを還流させる還流ダイオード13と、界磁電流iを検出する電流検出手段14と、モータジェネレータ1から電力変換部10を通して出力される直流電圧Vdcを検出する電圧検出手段15と、制御装置温度TINVを検出する制御装置温度検出手段16とにより構成されている。
制御装置2の+端子とバッテリ3の+端子との間は、電力供給線を介して接続されており、制御装置2の−端子およびバッテリ3の−端子は、ともに接地されている。
電力変換部10は、ダイオードが逆並列に接続されたスイッチング素子UH、VH、WH、UL、VL、WLをブリッジ接続した回路と、平滑コンデンサCとにより構成されている。
電力変換部10を構成するスイッチング素子UH、VH、WH、UL、VL、WLおよび界磁電流iを断続するスイッチング素子12は、MOS−FETにより構成されている。
コントローラ11は、制御手段17と、電圧変換手段18と、界磁電流変換手段19と、回転速度変換手段20と、モータジェネレータ温度変換手段21と、制御装置温度変換手段22と、出力電流/負荷トルク推定手段23と、通信I/F24とにより構成されている。
電圧変換手段18は、電圧検出手段15からの検出信号をバッテリ電圧Vdcに変換して制御手段17および出力電流/負荷トルク推定手段23に入力する。
また、界磁電流変換手段19は、界磁電流検出手段14からの検出信号を界磁電流iに変換し、回転速度変換手段20は、回転子位置検出手段6からの検出信号を回転速度NMGに変換し、モータジェネレータ温度変換手段21は、モータジェネレータ温度検出手段7からの検出信号をモータジェネレータ温度TMGに変換し、制御装置温度変換手段22は、制御装置温度検出手段16からの検出信号を制御装置温度TINVに変換し、各変換情報を出力電流/負荷トルク推定手段23に入力する。
出力電流/負荷トルク推定手段23は、各変換手段18〜22からの変換情報Vdc、i、NMG、TMG、TINVに基づいて、出力電流Idcおよびモータジェネレータ1の負荷トルクTrqを推定する。
通信I/F24は、CANバス25を介して内燃機関制御装置26およびBMU27に接続されており、発電電圧指令値Vdc*を受信するとともに、出力電流/負荷トルク推定手段23で算出された出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^を送信する。
制御手段17は、制御装置2に接続されたバッテリ3の電圧Vdcが所定の発電電圧指令値Vdc*と一致するように、電力変換部10およびスイッチング素子12を制御するとともに、出力電流/負荷トルク推定手段23に対して同期整流実行信号SSRを出力して同期整流発電制御(後述する)を実行する。
この場合、電力変換部10においては、モータジェネレータ1の各相に接続されたダイオードおよびスイッチング素子UH、VH、WH、UL、VL、WLのうち、電流の流れているダイオードに逆並列接続されたスイッチング素子がONされて、モータジェネレータ1による同期整流発電を行う。
また、コントローラ11は、同期整流発電の運転状態または停止状態を検出する発電状態検出手段(図示せず)を有し、同期整流発電の運転時にONレベルとなる同期整流実行信号SSRを生成する。
コントローラ11内の出力電流/負荷トルク推定手段23は、モータジェネレータ1の運転状態または停止状態を示す同期整流実行信号SSRに応じて、出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^を補正するようになっている。
さらに、コントローラ11は、モータジェネレータ1および制御装置2の少なくとも一方の温度情報を検出する温度検出手段(モータジェネレータ温度検出手段7およびモータジェネレータ温度変換手段21、制御装置温度検出手段16および制御装置温度変換手段22)を有し、出力電流/負荷トルク推定手段23は、温度情報に基づいて出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^を補正するようになっている。
ここで、モータジェネレータ1および制御装置2の通常動作について説明する。
制御装置2は、回転子位置検出手段6および回転速度変換手段20より検出されたモータジェネレータ1の回転速度NMGが所定の回転速度を超えたことを検知すると、内燃機関8が始動した状態と判定し、発電電圧指令値Vdc*とバッテリ電圧Vdcとが一致するように、スイッチング素子12に対する界磁デューティ信号を出力することにより、界磁巻線5に電圧を印加して界磁電流iを制御する。
界磁電流iが流れると、電機子巻線4に誘起される電圧によって電機子巻線4に電流が流れる。
電機子巻線4に流れる電流は、電力変換部10により交流電流から直流電流に変換され、バッテリ3に出力電流Idcとして供給される。これにより、モータジェネレータ1からの発電制御が行われる。
また、制御手段17は、電力変換部10内のダイオードからなる全波整流回路による全波整流発電中に、電流の流れているダイオードに逆並列に接続されたスイッチング素子をONさせることにより、それまでダイオードに流れていた電流を、ダイオードよりもON抵抗の小さいスイッチング素子に流す。これにより、電力変換部10における損失を低減して発電効率を向上させている。以降、この発電方法を「同期整流発電」と称する。
同期整流発電は、3相電流検出手段(図示せず)を用いて電流の流れているダイオードを検出し、そのダイオードに逆並列接続されたスイッチング素子をON/OFFするタイミングを決定することにより行われる。
ところが、ダイオードに流れる電流が小さい場合には、スイッチング素子をON/OFFすべきタイミングを検出することが困難なので、同期整流発電を実行するのに十分な大きさの3相電流が流れているか否かを判定し、同期整流発電の実行および停止を行う。
なお、ここでは詳細な説明は省くが、同期整流発電の実行および停止判定は、回転速度NMG、界磁電流i、3相電流などを用いて行われる。
また、上述したように、同期整流発電実行中は、出力電流/負荷トルク推定手段23に対して同期整流実行信号SSRを出力する。
以上のように、車両用発電機の制御装置は、動力伝達手段9を介して内燃機関8の回転軸に接続されたモータジェネレータ(車両用発電機)1と、電力変換部10およびコントローラ11からなる制御装置2と、制御装置2を介してモータジェネレータ1に接続されたバッテリ(電源)3とを備えている。
また、コントローラ11は、界磁電流iを検出する界磁電流検出手段(界磁電流検出手段14、界磁電流変換手段19)と、回転速度NMGを検出する回転速度検出手段(回転子位置検出手段6、回転速度変換手段20)と、整流された直流電圧(バッテリ電圧)Vdcを検出する直流電圧検出手段(電圧検出手段15、電圧変換手段18)と、直流電圧Vdc、界磁電流i、回転速度NMG、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVに基づいて、車両用発電機の出力電流Idcおよび負荷トルクTrqの推定値dc^、Trq^を算出する出力電流/負荷トルク推定手段23と、コントローラ11を内燃機関制御装置26およびBMU27に接続する通信I/F24とを有する。
出力電流/負荷トルク推定手段23は、直流電圧Vdcに応じた補正量を乗算して回転速度NMGを補正する回転速度補正手段を含み、回転速度補正手段により補正された回転速度NMG’と界磁電流iとに基づいて、推定値Idc^、Trq^を算出する。
さらに、出力電流/負荷トルク推定手段23は、推定値Idc^、Trq^に対してフィルタ処理を施す1次遅れフィルタ104(後述する)を含み、1次遅れフィルタ104を通して推定値Idc^、Trq^を補正するようになっている。
以下、図2を参照しながら、発電動作時における出力電流/負荷トルク推定手段23による出力電流推定値Idc^の算出処理について詳細に説明する。
図2は出力電流/負荷トルク推定手段23の具体的構成例を示す機能ブロック図であり、主として出力電流推定値Idc^の算出処理手段を示している。
図2において、出力電流/負荷トルク推定手段23は、電圧補正部101と、マップ参照値切換部102と、温度補正部103と、1次遅れフィルタ104と、同期整流発電停止中の出力電流推定値マップ105と、同期整流発電実行中の出力電流推定値マップ106とを備えている。
電圧補正部101は、回転速度NMGにバッテリ電圧Vdc=14V(以下、「基準電圧Vref」という)を乗算する乗算器28と、乗算器28の算出値をバッテリ電圧Vdcで除算する除算器29とにより構成されており、基準電圧Vrefおよびバッテリ電圧Vdcで補正した回転速度情報を出力する。
すなわち、電圧補正部101は、マップ参照用の回転速度NMGに対してバッテリ電圧Vdcに応じた補正量(=1/Vdc)を乗算し、電圧補正後の回転速度(以下、「電圧補正後回転速度」という)NMG’を算出する。
出力電流推定値マップ105、106は、界磁電流iと電圧補正後回転速度NMG’とに対応したマップデータIdc^1、Idc^2、Idc^3を有し、各出力電流Idc^1、Idc^2、Idc^3の大小関係は、Idc^1<Idc^2<Idc^3となっている。
ただし、同期整流発電停止中の出力電流推定値マップ105内のデータ値よりも、同期整流発電実行中の出力電流推定値マップ106内のデータ値の方が、全体的に大きい値に設定されている。
出力電流推定値マップ105は、基準電圧Vref(=14V)において、同期整流発電停止中での界磁電流iおよび電圧補正後回転速度NMG’に基づき、出力電流Idc^をマップ化している。
また、出力電流推定値マップ106は、基準電圧Vrefにおいて、同期整流発電実行中での界磁電流iおよび電圧補正後回転速度NMG’に基づき、出力電流Idc^をマップ化している。
マップ参照値切換部102は、同期整流発電の停止中または実行中に応じて、接点を切り換えて、出力電流推定値Idc^を出力する。
すなわち、マップ参照値切換部102は、同期整流実行信号SSRの有無によって同期整流発電が実行中であるか停止中であるかを判定し、同期整流発電停止中(同期整流実行信号SSRが無し)/同期整流発電実行中(同期整流実行信号SSRが有り)のいずれの出力電流推定値マップ参照値を、出力電流推定値Idc^として採用するかを選択する。
温度補正部103は、出力電流推定値Idc^に対する温度補正係数マップ107と、除算器30とにより構成されている。
温度補正係数マップ107は、モータジェネレータ温度TMGと制御装置温度TINVとに対応したマップデータkGain_Idc1、kGain_Idc2、kGain_Idc3を有し、各温度補正係数kGain_Idc1、kGain_Idc2、kGain_Idc3の大小関係は、kGain_Idc1<kGain_Idc2<kGain_Idc3となっている。
温度補正係数マップ107は、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの少なくとも一方に基づき、温度補正係数kGain_Idcをマップ化している。
除算器30は、マップ参照値切換部102を通過した出力電流推定値Idc^に温度補正係数kGain_Idcを除算し、補正後の出力電流推定値Idc^を1次遅れフィルタ104に入力する。
すなわち、温度補正部103は、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVのうちの少なくとも一方を用いて温度補正係数kGain_Idcを算出し、この係数値をマップ参照値(出力電流推定値Idc^)に乗算する。
1次遅れフィルタ104は、時定数として、車両用発電システム全体の時定数が設定されている。
次に、出力電流推定値Idc^に関する第1の算出手順として、図2内の電圧補正部101および出力電流推定値マップ105、106による処理について説明する。
まず、電圧補正部101は、回転速度NMGに対して、基準電圧Vrefおよびバッテリ電圧Vdcに基づく電圧補正を行い、電圧補正後回転速度NMG’を算出する。
このときの電圧補正処理は、以下の式で表される。
Figure 0004213170
ここで、図3を参照しながら、上記電圧補正式の導出手順について詳細に説明する。
図3はモータジェネレータ1および電力変換部10(整流回路)を示す等価回路図である。
図3において、モータジェネレータ1の誘起電圧Eは、電機子巻線4に流れる電機子電流Iと、電機子巻線4のインダクタンスLおよび抵抗Rrとにより決定する。
また、電力変換部10の整流回路の出力電圧Vは、整流器等価回路の電圧降下Vおよび整流器等価回路の抵抗Rと、電機子巻線や整流回路などの総合インピーダンスZとにより決定する。
よって、電力変換部10の整流回路の出力電圧Vは、以下のベクトル式(1)で表される。
Figure 0004213170
なお、発電時においては、力率がおよそ「1」であり、整流器等価回路の電圧降下Vおよび整流器等価回路の抵抗Rとして、整流器全体の電圧低下(=V+I)をも考慮すれば、式(1)は、以下の式(2)のように表すことができる。
Figure 0004213170
ただし、式(2)において、誘起電圧EおよびリアクタンスXは、比例定数K、磁束Φ、回転速度N、ロータ極対数p、電機子巻線4のインダクタンスLを用いて、以下の式(3)、式(4)で与えられるものとする。
Figure 0004213170
よって、式(3)、式(4)を上記式(2)に代入して整理すれば、以下の式(5)が得られる。
Figure 0004213170
式(5)の整流器出力電圧VをV’に変えた場合に、式(5)と同じ電機子電流Iを発電するときの回転速度をN’とすると、同様に式(5)が成り立つから、式(5)の右辺第1項の( )内の値は、電圧を変えた場合と等しいものとして、以下の式(6)が成り立つ。
Figure 0004213170
式(6)において、抵抗R、Rおよび電圧降下Vは、一般に小さいことから無視でき、R=0、V=0、R=0と見なすことができる。
したがって、式(6)は、以下の式(7)のように近似することができる。
Figure 0004213170
この結果、バッテリ電圧Vdcかつ回転速度NMGの場合に、電機子電流Iと同等の電流を基準電圧Vref(=14V)で得るための電圧補正後回転速度NMG’は、前述の式すなわち以下の式(8)から得られることになる。
Figure 0004213170
ここでは、基準電圧Vref=14[V]とし、基準電圧Vrefの条件にて出力電流推定値マップ105、106を作成している。
以上のように、式(8)で与えられる電圧補正後回転速度NMG’で出力電流推定値マップ105、106を参照することにより、出力電流推定値Idc^に対して電圧補正を施すことができる。
たとえば、バッテリ電圧Vdc=15[V]、回転速度NMG=3000[r/min]の場合、出力電流推定値マップ105、106を参照するための回転速度NMG’は、式(8)に基づく以下の式で表される。
Figure 0004213170
次に、第2の算出手順として、マップ参照値切換部102の処理について説明する。
マップ参照値切換部102は、同期整流実行信号SSRが入力されない場合には、同期整流発電停止中の出力電流推定値マップ105からの参照値を出力電流推定値(温度補正前の値)として選択する。
また、マップ参照値切換部102は、同期整流実行信号SSRが入力されている場合には、同期整流発電実行中の出力電流推定値マップ106からの参照値を出力電流推定値として選択する。
次に、第3の算出手順として、温度補正部103の処理について説明する。
温度補正部103は、マップ参照値切換部102で選択された出力電流推定値(温度補正前の値)に対して、以下のように温度補正を追加する。
まず、出力流推定値用温度補正係数マップ107は、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの少なくとも一方に基づいて、温度補正係数kGain_Idcを取得する。
続いて、乗算器30は、出力電流推定値(温度補正前の値)と温度補正係数kGain_Idcとを乗算して、以下の式のように、出力電流推定値Idc^を算出する。
dc^=出力電流推定値(温度補正前の値)×kGain_Idc
最後に、乗算器30は、上記の式で求めた出力電流推定値Idc^を1次遅れフィルタ104に入力する。
以上のように、第1〜第3の算出手順によって、出力電流推定値Idc^を求めることができる。
次に、図4を参照しながら、発電動作時における出力電流/負荷トルク推定手段23による負荷トルク推定値Trq^の算出処理について詳細に説明する。
図4は出力電流/負荷トルク推定手段23の具体的構成例を示す機能ブロック図であり、主として負荷トルク推定値Trq^の算出処理手段を示している。
図4において、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
負荷トルク推定値マップ108、109は、前述の出力電流推定値マップ105、106にそれぞれ対応しており、マップデータ値が負荷トルク推定値Trq^1、Trq^2、Trq^3に置き換わったのみである。
すなわち、基準電圧Vrefにおいて、同期整流発電停止中の負荷トルク推定値マップ108は、同期整流発電停止中での界磁電流iおよび回転速度NMGに基づき、負荷トルクTrq^をマップ化し、同期整流発電実行中の負荷トルク推定値マップ109は、同期整流発電実行中での界磁電流iおよび回転速度NMGに基づき負荷トルクTrq^をマップ化している。
この場合も、負荷トルク推定値マップ108内のデータ値よりも、負荷トルク推定値マップ109内のデータ値の方が、全体的に大きい値に設定されている。
また、温度補正部113および温度補正係数マップ117は、前述の温度補正部103および温度補正係数マップ107にそれぞれ対応しており、温度補正係数マップ117内のマップデータ値(温度補正係数)がkGain_Trq1、kGain_Trq2、kGain_Trq3に置き換わったのみである。
すなわち、温度補正部113内の温度補正係数マップ117は、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの少なくとも一方に基づいて温度補正係数kGain_Trqを算出し、乗算器30は、マップ参照値に対して温度補正係数kGain_Trqを乗算補正する。
マップ参照値切換部102は、前述と同様に、同期整流実行信号SSRの有無により同期整流発電が実行中であるか停止中であるかを判定し、負荷トルク推定値マップ108、109のうちのいずれの負荷トルク推定値マップ参照値を負荷トルク推定値Trq^として採用するかを選択する。
図4において、まず、電圧補正部101は、負荷トルク推定Trq^に関連する回転速度NMGに対して電圧補正処理を施す。
ここで、負荷トルクTrqは、出力電流Idcにほぼ比例するので、負荷トルク推定値Trq^の電圧補正処理は、前述の出力電流推定値の場合と同様に実行すればよい。
したがって、電圧補正部101は、回転速度NMGに対して前述の式(8)による電圧補正を行い、電圧補正後回転速度NMG’を得る。
次に、負荷トルク推定値マップ108、109は、電圧補正後回転速度NMG’および界磁電流iに基づき、同期整流発電の有無に応じた負荷トルク推定Trq^をそれぞれ算出する。
続いて、マップ参照値切換部102は、同期整流実行信号SSRが入力されない場合には、負荷トルク推定値マップ108の参照値を選択し、同期整流実行信号SSRが入力されている場合には、負荷トルク推定値マップ109の参照値を選択して、負荷トルク推定値(温度補正前の値)とする。
次に、温度補正部103は、マップ参照値切換部102で選択された負荷トルク推定値(温度補正前の値)に対して、温度補正を施す。
すなわち、温度補正部103内の温度補正係数マップ117は、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの少なくとも一方に基づき、温度補正係数マップ117を参照して、負荷トルク推定値Trq^に対する温度補正係数kGain_Trqを得る。
乗算器30は、マップ参照値切換部102で選択された負荷トルク推定値(温度補正前の値)に温度補正係数kGain_Trqを乗算し、以下の式のように、負荷トルク推定値Trq^を算出する。
Trq^=負荷トルク推定値(温度補正前の値)×温度補正係数kGain_Trq
最後に、乗算器30は、上記式で求めた負荷トルク推定値Trq^を1次遅れフィルタ104に入力する。
以上の算出手順によって、負荷トルク推定値Trq^を求めることができる。
以上のように、この発明の実施の形態1では、電圧補正部101で回転速度NMGに電圧補正を施した後、出力電流Idc^および負荷トルクTrq^の各推定値マップ105、106、108、109を参照し、同期整流発電の停止/実行状態に応じてマップ参照値切換部102でマップ参照値を切り換え、温度補正部103、113で温度補正する。
すなわち、補正手段として、電源電圧(バッテリ電圧)の影響に対する補正は、電圧に応じた補正量を乗算した回転速度NMG’と界磁電流iとに基づいて行われる。
また、同期整流発電の状態に対する補正は、回転速度NMG’および界磁電流iに基づく出力電流および負荷トルクの各マップデータを、同期整流発電実行中の場合と同期整流発電停止中の場合とでそれぞれ用意し、同期整流発電の実行/停止状態に応じてマップ参照値を切り換えることで行われる。
さらに、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの影響に対する補正は、出力電流および負荷トルクの各マップ参照値に対し、各温度情報から算出した補正係数を乗算して、最終的な出力電流Idc^および負荷トルクTrq^を算出することにより行われる。
したがって、この発明の実施の形態1によれば、回転速度NMGおよび界磁電流iから出力電流および負荷トルクを推定(算出)する際に、バッテリ電圧Vdc(直流電圧)も推定に用いているので、出力電流Idc^および負荷トルクTrq^の推定精度を向上させることができる。
たとえば、界磁電流iおよび回転速度NMGが一定であっても、バッテリ電圧Vdc(直流電圧)が変化すると出力電流Idcおよび負荷トルクTrqが変化するが、直流電圧に応じた補正係数を回転速度NMGに乗算して電圧補正後回転速度NMG’とし、電圧補正後回転速度NMG’および界磁電流iを用いることにより、出力電流Idc^および負荷トルクTrq^の推定精度を向上させることができる。
また、界磁電流i、回転速度NMGおよびバッテリ電圧Vdc(直流電圧)が一定であっても、同期整流発電実行中と同期整流発電停止中とでは、スイッチング素子(FET)の電圧損失が異なることから出力電流および負荷トルクも異なるが、同期整流発電の状態に応じて補正することにより、出力電流Idc^および負荷トルクTrq^の推定精度を向上させることができる。
また、界磁電流i、回転速度NMGおよびバッテリ電圧Vdc(直流電圧)が一定であっても、モータジェネレータ1および制御装置2の温度が変化すると、出力電流推定値および負荷トルク推定値も変化するが、モータジェネレータ1および制御装置2の温度情報に応じた補正を施すことにより、出力電流Idc^および負荷トルクTrq^の推定精度を向上させることができる。
また、一般に、同期整流発電の状態が停止から実行へ変化するときなどの過渡時においては、電機子巻線4のインダクタンス成分L(図3参照)などにより、出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^の精度が低下するが、車両用発電システム全体の時定数を有する1次遅れフィルタ104を設けて、出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^を1次遅れフィルタ104に入力することにより、過渡時における推定精度を向上させることができる。
また、出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^は、CANバス25を介して内燃機関制御装置26およびBMU27に送信されているので、上記算出処理で求めた推定値を制御装置2およびBMU27で用いることができる。
したがって、制御装置2において出力電流推定値Idc^を用いることにより、制御装置2に電流センサなどを設ける必要がないので、コストを削減するとともに制御装置2を小型化することができる。
同様に、BMU27は、出力電流推定値Idc^を用いることにより、電力収支管理制御を実現することができる。
さらに、内燃機関制御装置26において、負荷トルク推定値Trq^を用いることにより、トルク検出手段などを用いることなく、高性能な内燃機関出力制御を実現することができる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1(図2、図4)では、各推定値マップ105、106、108、109の前段に電圧補正部101を挿入し、バッテリ電圧Vdcに応じた補正量を推定値マップ参照用の回転速度NMGに乗算したが、図5および図6に示すように、マップ参照値切換部102の後段に電圧補正部111を挿入し、バッテリ電圧Vdcに応じた補正量をマップ参照値(暫定推定値)Idc^_MAP、Trq^_MAPに乗算してもよい。
図5および図6はこの発明の実施の形態2に係る出力電流/負荷トルク推定手段23の具体的構成を示す機能ブロック図であり、それぞれ、出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^を求める場合を示している。
図5および図6において、前述(図2、図4参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図5、図6内の電圧補正部111は、前述の電圧補正部101に対応している。
また、各推定値マップ115、116、118、119は、前述の各推定値マップ105、106、108、109にそれぞれ対応しており、各マップ横軸が電圧補正前の回転速度NMGである点のみが前述と異なる。
なお、この発明の実施の形態2に係る車両用発電機の制御装置の全体構成は図1に示した通りであり、出力電流/負荷トルク推定手段23の一部機能が前述と異なるのみである。
この場合、出力電流/負荷トルク推定手段23は、回転速度NMGおよび界磁電流iのみに基づいて、出力電流Idcおよび負荷トルクTrqの暫定推定値(Idc^_MAP、Trq^_MAP)算出する暫定出力電流/負荷トルク推定手段(各推定値マップ115、116、118、119、マップ参照値切換部102)を含み、直流電圧Vdcに応じた補正量を暫定推定値(Idc^_MAP、Trq^_MAP)に乗算して各推定値Idc^、Trq^を算出する。
次に、図5を参照しながら、この発明の実施の形態2による発電動作時での出力電流推定値Idc^の算出処理について説明する。
図5において、同期整流発電停止中の出力電流推定値マップ115は、基準電圧Vrefにおいて、同期整流発電停止中での界磁電流iおよび回転速度NMGに基づき、出力電流Idc^をマップ化している。
同様に、同期整流発電実行中の出力電流推定値マップ116は、基準電圧Vrefにおいて、同期整流発電実行中での界磁電流iおよび回転速度NMGに基づき、出力電流Idc^をマップ化している。
また、温度補正部103において、出力電流推定値Idc^に対する温度補正係数マップ107は、前述と同様に、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの少なくとも一方に基づき、温度補正係数kGain_Idcをマップ化している。
まず、回転速度NMGおよび界磁電流iに基づいて、出力電流推定値マップ115および出力電流推定値マップ116を参照する。
続いて、マップ参照値切換部102は、同期整流実行信号SSRの有無に応じて同期整流発電が実行中であるか停止中であるかを判定し、同期整流発電停止中(SSRが無し)/実行中(SSRが有り)のいずれかの出力電流推定値マップ参照値を出力電流推定値マップ参照値Idc^_MAP(暫定推定値)として採用するかを選択する。
すなわち、マップ参照値切換部102は、同期整流実行信号SSRが入力されない場合には、同期整流発電停止中の出力電流推定値マップ115の参照値を選択し、同期整流実行信号SSRが入力されている場合には、同期整流発電実行中の出力電流推定値マップ116の参照値を選択し、出力電流推定値マップ参照値Idc _MAPとして出力する。
次に、電圧補正部111は、前述と同様に、バッテリ電圧Vdcに応じた補正量を出力電流推定値マップ参照値Idc^_MAPに乗算し、出力電流推定値マップ参照値Idc^_MAPに対して電圧補正を施す。
このとき、界磁電流iおよび回転速度NMGが一定の条件において、出力電流Idcはバッテリ電圧Vdcにほぼ反比例するので、基準電圧Vrefで作成された出力電流推定値マップ参照値Idc^_MAPをバッテリ電圧Vdcで補正する場合、電圧補正後出力電流推定値Idc^’は、バッテリ電圧Vdc、出力電流推定値マップ参照値Idc^_MAPを用いて、以下の式(9)のように表される。
Figure 0004213170
したがって、電圧補正部111は、出力電流推定値マップ参照値Idc^_MAPに対して式(9)の電圧補正を施すことにより、電圧補正後出力電流推定値Idc^’を得ることができる。
また、温度補正部103は、前述と同様に、電圧補正後出力電流推定値Idc^’に対して温度補正を施す。
すなわち、温度補正部103内の温度補正係数マップ107は、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの少なくとも一方を用いて温度補正係数kGain_Idcを算出する。
また、乗算器30は、電圧補正後出力電流推定値Idc^’に温度補正係数kGain_Idcを乗算し、と温度補正係数kGain_Idcから、以下の式により出力電流推定値Idc^を算出する。
dc^=出力電流推定値Idc^’×kGain_Idc
最後に、1次遅れフィルタ104は、温度補正後の出力電流推定値Idc^に対して1次遅れフィルタ処理を施した後、最終的な出力電流推定値Idc^を、通信I/F24およびCANバス25(図1参照)を介して、内燃機関制御装置26およびBMU27に入力する。
以上の処理手順によっても、前述の実施の形態1と同様に、出力電流推定値Idc^を求めることができる。
次に、図6を参照しながら、この発明の実施の形態2による発電動作時での負荷トルク推定値Trq^の算出処理について説明する。
図6において、同期整流発電停止中の負荷トルク推定値マップ118は、基準電圧Vrefにおいて、同期整流発電停止中での界磁電流iおよび回転速度NMGに基づき、負荷トルクTrq^をマップ化している。
同様に、同期整流発電実行中の負荷トルク推定値マップ119は、基準電圧Vrefにおいて、同期整流発電実行中での界磁電流iおよび回転速度NMGに基づき、負荷トルクTrq^をマップ化している。
また、負荷トルク推定値Trq^に対する温度補正係数マップ117は、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの少なくとも一方に基づき、温度補正係数kGain_Trqをマップ化している。
まず、回転速度NMGおよび界磁電流iに基づき、負荷トルク推定値マップ118および負荷トルク推定値マップ119を参照し、マップ参照値切換部102は、同期整流実行信号SSRの有無に応じて、同期整流発電停止中(SSRが無し)/実行中(SSRが有り)のいずれかの負荷トルク推定値マップ参照値を負荷トルク推定値マップ参照値Trq^_MAP(暫定推定値)として採用するかを選択する。
すなわち、マップ参照値切換部102は、同期整流実行信号SSRが入力されない場合には、同期整流発電停止中の負荷トルク推定値マップ118の参照値を選択し、同期整流実行信号SSRが入力されている場合には、同期整流発電実行中の負荷トルク推定値マップ119の参照値を負荷トルク推定値マップ参照値Trq^_MAPとして選択する。
次に、電圧補正部111は、負荷トルク推定値マップ参照値Trq^_MAPに対して、バッテリ電圧Vdcに応じた補正量を乗算して電圧補正を施す。
このとき、負荷トルクTrqは出力電流Idcにほぼ比例することから、出力電流推定値Idc^の場合と同様の補正処理を実行すればよいので、負荷トルク推定値マップ参照値Trq^_MAPの電圧補正式は、以下の式(10)により与えられる。
Figure 0004213170
したがって、電圧補正部111は、負荷トルク推定値マップ参照値Trq^_MAPに対して式(10)の電圧補正を施すことにより、電圧補正後負荷トルク推定値Trq^’を得ることができる。
また、温度補正部113は、電圧補正後負荷トルク推定値Trq^’に対して、温度補正を施す。
すなわち、温度補正部103において、温度補正係数マップ117は、モータジェネレータ温度TMGおよび制御装置温度TINVの少なくとも一方を用いて温度補正係数kGain_Trqを算出する。
また、乗算器30は、電圧補正後負荷トルク推定値Trq^’に温度補正係数kGain_Trqを乗算し、以下の式により温度補正後の負荷トルク推定値Trq^を算出する。
Trq^=Trq^’×kGain_Trq
最後に、1次遅れフィルタ104は、温度補正後の負荷トルク推定値Trq^に対して1次遅れフィルタ処理を施した後、最終的な負荷トルク推定値Trq^を、通信I/F24およびCANバス25(図1参照)を介して、内燃機関制御装置26およびBMU27に入力する。
以上の処理手順によっても、前述の実施の形態1と同様に、負荷トルク推定値Trq^を求めることができる。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、同期整流発電の停止/実行状態に応じてマップ参照値切換部102でマップ参照値を切り換え、回転速度NMGおよび界磁電流iに基づくマップ参照値(出力電流および負荷トルクの各暫定推定値Idc^_MAP、Trq^_MAP)を求めた後、電圧補正部111により、マップ参照値(暫定推定値)にバッテリ電圧Vdc(直流電圧)に応じた補正量を乗算して電圧補正を施し、温度補正部103、113で温度補正を施すことにより、前述と同様に、出力電流Idc^および負荷トルクTrq^の推定精度を向上させることができる。
また、車両用発電システム全体の時定数を有する1次遅れフィルタ104を設け、出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^を1次遅れフィルタ104に入力することにより、過渡時における推定精度を向上させることができる。
さらに、前述と同様に、内燃機関制御装置26およびBMU27において、出力電流推定値Idc^および負荷トルク推定値Trq^を用いることにより、コストダウンおよび制御装置2の小型化を実現することができる。
この発明の実施の形態1に係る車両用発電機の制御装置を示す回路ブロック図である。 図1内の出力電流/負荷トルク推定手段による出力電流推定値の算出手段を具体的に示す機能ブロック図である。 図1内のモータジェネレータおよび電力変換部(整流回路)を示す等価回路図である。 図1内の出力電流/負荷トルク推定手段による負荷トルク推定値の算出手段を具体的に示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る出力電流/負荷トルク推定手段による出力電流推定値の算出手段を具体的に示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る出力電流/負荷トルク推定手段による負荷トルク推定値の算出手段を具体的に示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 モータジェネレータ(車両用発電機)、2 制御装置、3 バッテリ(電源)、4 電機子巻線、5 界磁巻線、6 回転子位置検出手段、7 モータジェネレータ温度検出手段、8 内燃機関、9 動力伝達手段、10 電力変換部、11 コントローラ、12、UH、VH、WH、UL、VL、WL スイッチング素子、14 界磁電流検出手段、15 電圧検出手段、16 制御装置温度検出手段、17 制御手段、18 電圧変換手段、19 界磁電流変換手段、20 回転速度変換手段、21 モータジェネレータ温度変換手段、22 制御装置温度変換手段、23 出力電流/負荷トルク推定手段、26 内燃機関制御装置、27 BMU、28、30 乗算器、29 除算器、101、111 電圧補正部、102 マップ参照値切換部、103、113 温度補正部、104 1次遅れフィルタ、105、115 出力電流推定値マップ(同期整流発電停止中)、106、116 出力電流推定値マップ(同期整流発電実行中)、107、117 温度補正係数マップ、108、118 負荷トルク推定値マップ(同期整流発電停止中)、109、119 負荷トルク推定値マップ(同期整流発電実行中)、111 電圧補正部、i 界磁電流、Idc 出力電流、Idc^ 出力電流推定値、Idc^_MAP 出力電流推定値マップ参照値(暫定推定値)、NMG 回転速度、NMG’ 電圧補正後回転速度、SSR 同期整流実行信号、Trq 負荷トルク、Trq^ 負荷トルク推定値、Trq^_MAP 負荷トルク推定値マップ参照値(暫定推定値)、TMG モータジェネレータ温度、TINV 制御装置温度、Vdc バッテリ電圧(直流電圧)。

Claims (4)

  1. 交流電力を直流電力に変換する電力変換部および前記電力変換部を制御するコントローラからなる制御装置と、
    動力伝達手段を介して内燃機関の回転軸に接続されるとともに、前記制御装置により制御される車両用発電機と、
    前記制御装置を介して前記車両用発電機に接続された電源とを備え、
    前記コントローラは、
    前記車両用発電機の界磁巻線に流れる界磁電流を検出する界磁電流検出手段と、
    前記車両用発電機の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記電力変換部により整流された直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、
    前記界磁電流、前記回転速度および前記直流電圧に基づいて、前記車両用発電機の出力電流および負荷トルクの推定値を算出する出力電流/負荷トルク推定手段と
    を有する車両用発電機の制御装置において、
    前記電力変換部は、
    前記車両用発電機の各相に接続されたダイオードおよびスイッチング素子を有し、
    電流の流れている前記ダイオードに逆並列接続された前記スイッチング素子をONして前記車両用発電機による同期整流発電を行い、
    前記コントローラは、前記同期整流発電の運転状態または停止状態を検出する発電状態検出手段を有し、
    前記出力電流/負荷トルク推定手段は、
    前記同期整流発電の運転状態または停止状態に応じた推定値マップと、
    前記推定値マップを切り換えて前記推定値を出力するマップ参照値切換部とを含み、
    前記同期整流発電の運転状態または停止状態に応じて前記推定値を補正することを特徴とする車両用発電機の制御装置。
  2. 前記出力電流/負荷トルク推定手段は、
    前記直流電圧に応じた補正量を乗算して前記回転速度を補正する回転速度補正手段を含み、
    前記回転速度補正手段により補正された回転速度と前記界磁電流とに基づいて、前記推定値を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用発電機の制御装置。
  3. 前記出力電流/負荷トルク推定手段は、
    前記回転速度および前記界磁電流のみに基づいて、前記車両用発電機の出力電流および負荷トルクの暫定推定値を算出する暫定出力電流/負荷トルク推定手段を含み、
    前記暫定推定値に前記直流電圧に応じた補正量を乗算して前記推定値を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用発電機の制御装置。
  4. 前記コントローラは、前記車両用発電機および前記制御装置の少なくとも一方の温度情報を検出する温度検出手段を有し、
    前記出力電流/負荷トルク推定手段は、前記温度情報に基づいて前記推定値を補正することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用発電機の制御装置。
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