以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B方向から見た側面図、(C)は(A)の矢符C方向から見た側面図である。
本実施の形態に係る表示装置1は、表面実装型の発光装置である表面実装型発光装置10と、表面実装型発光装置10が実装された配線基板20と、表面実装型発光装置10の正面に配置されたレンズ部30と、レンズ部30の周囲を囲んで配置された枠体部40とを備える。配線基板20は、筐体50に取り付けられ、レンズ部30の正面側にひさし部60が配置されている。筐体50は、表示装置1が設置される電子機器への取り付けを容易にする係合部51を備えている。
本実施の形態では、表面実装型発光装置10は、縦16個(16行)、横16個(16列)のドットマトリックス状に配置され、合計で256個の表面実装型発光装置10が配線基板20に実装されている。また、ひさし部60は、縦方向の16行に対応させて16個配置されている。
上述したとおり、本実施の形態に係る表示装置1は、表面実装用の外部端子11(図3参照)を有する表面実装型発光装置10と、配線基板20とを備え、表面実装型発光装置10に対向して配置されたレンズ部30と、レンズ部30を囲んで配置された枠体部40とを備える。
したがって、表示装置1は、表面実装型発光装置10から発光された光を集光してレンズ部30の正面での光度を向上させることから、点灯、非点灯を明瞭に区別して表示することが可能となり、また、接続構造を簡単にして接続(実装)の作業性、信頼性を向上させ、薄型化することができる。
図2は、本発明の実施の形態に係る表示装置の製造工程の概要を示す工程図である。
本実施の形態に係る表示装置1は、次のステップS1ないしステップS7を主要な製造工程として製造される。
ステップS1:
表面実装型発光装置10(後述する図3参照。)を配線基板20(後述する図4参照。)に実装する。
ステップS2:
レンズアレイ40L(レンズアレイモジュール40m。後述する図9参照。)を配線基板20に取り付ける(後述する図10参照。)。レンズアレイモジュール40mは、枠体部40の取り付け単位として適宜の大きさに形成され、配線基板20に取り付けられる。
ステップS3:
配線基板20を筐体50に取り付ける(図10参照)。
ステップS4:
150℃、1時間の熱処理を施す。
ステップS5:
表面実装型発光装置10とレンズ部30との間の空間に合成樹脂(図10参照)を充填する。
ステップS6:
充填した合成樹脂を硬化して充填樹脂部38(図10参照)を形成する。
ステップS7:
枠体被覆部47(後述する図11参照。)を形成する。
ステップS8:
ひさし部60(後述する図12参照。)を取り付ける。
図3は、本発明の実施の形態に係る表示装置に実装される表面実装型発光装置を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B方向から透視的に見た状態の要部を示す透視側面図である。
表面実装型発光装置10は、表面実装用の外部端子11を有する。また、表面実装型発光装置10は、適宜の形状に形成されたパッケージ部12と、パッケージ部12に形成された凹部13とを備える。凹部13には、赤色(R)を発光する半導体発光素子14r、緑色(G)を発光する半導体発光素子14g、青色(B)を発光する半導体発光素子14bが搭載されている。
道路表示(特に文字によって注意を喚起する必要がある場合など)において、文字の色としては視認性の観点、注意喚起性の観点からオレンジ色、あるいは赤色が良く使用される。通常、オレンジ色は、赤色と緑色を混色させて生成される。したがって、赤色を中央に配置することによって視認性を向上させることができる。本実施の形態に係る表面実装型発光装置10では、中央に半導体発光素子14rを配置し、半導体発光素子14rの両側に半導体発光素子14g、半導体発光素子14bを配置して、視認性の向上を図っている。
半導体発光素子14r、半導体発光素子14g、半導体発光素子14bは、半導体基板を分割したチップ状態で凹部13の底面に搭載され、例えばワイヤを介して外部端子11に接続されている。凹部13には、透光性樹脂部15が充填され、半導体発光素子14r、半導体発光素子14g、半導体発光素子14bを外部環境から保護している。半導体発光素子14r、半導体発光素子14g、半導体発光素子14bは、それぞれ1個の場合を示すが、それぞれ複数を配置することも可能である。
なお、凹部13の開口形状は、図示したように矩形状とすることによって、発光パターンに横方向への広がりを持たせることができる。この構成によって、円形とした場合に比較して横方向への発光の広がりを持たせることができる。また、凹部13の開口形状を矩形状とすることによって、矩形状を有する保持部32(図5参照)に対する導光性を向上させて曲面部31の光強度を向上させ光取り出し効率を向上させることができる。
また、凹部13の開口形状は、レンズ部30の曲面部31(図5参照)に対して相似形とすることも可能である。つまり、発光パターンとなる凹部13の開口形状を曲面部31の外周形状に対向させることで、表面実装型発光装置10(凹部13の開口形状)と曲面部31との間での光結合の損失を低減することができる。
また、パッケージ部12の表面(凹部13の表面の外側)には、黒色部16が形成され、凹部13から放射される光の認識性(識別性)を向上させている。パッケージ部12は、配線基板20に対する表面実装が可能であれば良く、適宜の形状とすることが可能である。図3では、パッケージ部12の表面は平坦な状態として示したが、例えば、黒色部16の内側で透光性樹脂部15に多少のレンズ特性(凸形状)を持たせることも可能である。
上述したとおり、表示装置1に実装される表面実装型発光装置10は、互いに異なる発光色を有する複数の半導体発光素子14r、半導体発光素子14g、半導体発光素子14bを備える。したがって、表示装置1は、マルチカラーを表示することができる。つまり、半導体発光素子14r、半導体発光素子14g、半導体発光素子14bは、1組となってマルチカラーを表示する1画素を構成することができる。
図4は、図3に示した表面実装型発光装置を配線基板に実装した状態を部分的に拡大して示す部分拡大平面図である。
表面実装型発光装置10は、表面実装用の外部端子11を有することから、配線基板20の表面(表示面20d)にそのまま載置され実装(接続)される。なお、図4では、見易さを考慮して配線基板20(表示面20d)の部分(配線基板20の端部付近での表面実装型発光装置10の配置状態)のみを拡大して示す。
なお、表面実装型発光装置10は、表面実装型であることから、配線基板20での表面実装型発光装置10の高さは、表面実装型発光装置10のパッケージ部12の高さとなる。したがって、配線基板20の表示面20dに沿った薄型化が可能となる。
従来の表示装置で一般的に採用されている砲弾型LEDランプ(砲弾型発光装置)の高さは、リードの長さを考慮する必要があることから通常24mmである。したがって、砲弾型LEDランプを配線基板20に搭載したときの基板表面からの高さは、リードの長さを10mm差し引いて14mmとなる。これに対して、表面実装型発光装置10の高さは、例えば1.4mmとされている。したがって、表面実装型発光装置10を配線基板20に搭載したときの基板表面からの高さは、1.4mmとすることができる。つまり、表面実装型発光装置10を採用することによって表示装置1を薄型化することができる。
また、砲弾型LEDランプの重量は、例えば0.28g(グラム)であり、表面実装型発光装置10の重量は、例えば0.025g(グラム)である。したがって、表面実装型発光装置10を採用することによって、表面実装型発光装置10による重量は、従来例に比較して10分の1とすることができる。つまり、表面実装型発光装置10を採用することによって表示装置1を軽量化することができる。また、低価格化を実現することが可能となることから、表示装置1を道路情報表示装置に採用した場合は、道路建設に関する建設費を低減することができる。
配線基板20の平面形状は、例えば160mm×160mmの矩形(図1参照)であり、配線基板20の厚さは、例えば1mmである。また、16行×16列のドットマトリックス状で表示面20dに配置された表面実装型発光装置10は、縦方向の配置ピッチが10mm、横方向の配置ピッチが10mmである。なお、表面実装型発光装置10の配置は、ドットマトリックス状に限らず、適用される表示装置の表示仕様に応じて任意のパターンとすることができる。
配線基板20は、表面実装型発光装置10を配列して固定(接続)するための配線パターン(図示省略)を有する。つまり、表面実装型発光装置10の外部端子11は、半田などの導電性部材により、配線基板20(配線パターン)に対して電気的および機械的に接続される。また、表面実装型発光装置10へ配線パターンを介して電力を供給する駆動回路70(図10参照)が表示面20dの反対側の裏面20c(図10参照)に実装される。
配線基板20は、機械的強度が高く熱変形の少ないものが好ましい。具体的には絶縁性合成樹脂、セラミックス、ガラス、アルミニウム合金等を用いたプリント基板、すなわち、リジッド基板を好適に利用することができる。
表示面20dは、表示装置1の表示面に対応して配置される。したがって、コントラスト、防湿性、および絶縁性を向上させるために、配線基板20は、防湿性を備えた黒色系樹脂で形成することが好ましい。なお、配線基板20の表面(表示面20d)に、ソルダーレジスト、マーキングインキの形態で黒色系樹脂を塗布することも可能である。
図5は、本発明の実施の形態に係る表示装置に適用されるレンズ部の基本構成を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面図、(C)は(A)の矢符C−Cでの断面図である。
本実施の形態に係るレンズ部30の基本構成は、凸レンズとされて集光特性を有する曲面部31(曲面を有する曲面部31)と、曲面部31から枠体部40(図8参照)まで延長され曲面部31を保持する保持部32とを備える。したがって、表示装置1は、集光特性を確保した状態でレンズ部30と枠体部40とを高精度に形成することが可能となるので表示特性(表示精度)を向上させることができる。
保持部32は、配線基板20の側へ延長され枠体部40(図8参照)に当接するすそ部36を備える。したがって、レンズ部30と枠体部40とを容易に、かつ高精度に形成でき、また、充填樹脂部38(図10参照)を容易に、かつ高精度に形成することができる。
また、すそ部36は、保持部32の側に対して配線基板20の側ほど外側へ拡大されている。つまり、すそ部36の表面36sは、保持部32から配線基板20に向けて広がるように傾斜している。したがって、枠体部40とすそ部36との成形が容易となる。つまり、レンズ部30および枠体部40を2色成形方法によって一体に形成する場合、射出成形の金型に対する離型性を向上させることができる。なお、表面36sの傾斜角は、2度とされている。
すそ部36(レンズ部30)は、枠体部40に対する整合性を考慮して、枠状とされ、方向性を明確にするために適宜の角取り(面取り)が施されている。すそ部36の内側に表面実装型発光装置10が配置され、さらに合成樹脂が充填されて充填樹脂部38が形成される(図10参照)。すそ部36は、全方位に形成されていることが望ましいがこれに限るものではない。つまり、すそ部36は、枠体部40に対して位置決めできる構成であればよい。
レンズ部30のレンズ材質は、紫外線吸収剤含有ポリカーボネート(Polycarbonate)樹脂、つまり、透光性ポリカーボネート系の樹脂である。したがって、外光に含まれる紫外線がレンズ部30の内部に配置された表面実装型発光装置10(図10参照)に照射されることを防止することができる。なお、紫外線吸収剤として、サリチル酸フェニルを適用した。
紫外線吸収剤含有樹脂は、透光性樹脂材料としてのポリカーボネート樹脂に紫外線吸収剤を配合および分散して形成される。紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系等の各種有機系紫外線吸収剤を適用することができる。
レンズ材質としては、アクリル、ポリカーボネート等の成形加工が可能な樹脂材料を用いることが可能である。アクリルは、耐侯性に優れるが、耐衝撃性、耐熱性に難点があるほか、屈折率が1.49とポリカーボネートの1.59に比べて低く、同じ集光特性(レンズ特性)を持たせようとする場合は、ポリカーボネートに対してレンズ厚さが厚くなる。
ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性に優れるが、太陽光中に含まれる紫外線によって、透過率の低下、黄変等の問題が発生し耐侯性の点で劣る。耐侯性を改善するために、紫外線吸収剤を添加した耐侯性タイプのポリカーボネートがある。本実施の形態では、上述したとおり、耐候性タイプのポリカーボネートを適用した。
曲面部31は、直径6mm、高さ5.74mm(すそ部36を含む)、レンズ厚2.9mmとした。曲面部31の配線基板20に対向する内側面31rは、配線基板20に向けて凸状とされている。
保持部32は、合成樹脂(充填樹脂部38)を充填するときに注入口として適用される樹脂注入口34と、樹脂注入口34に対向して形成された樹脂排出口35とを備える。樹脂注入口34から合成樹脂を注入し、樹脂排出口35から過剰に供給された合成樹脂を排出することによってレンズ部30の内側(樹脂充填部38が形成される内部)に対するエアー抜きが可能となり、気泡の混入の無い充填樹脂部38を容易に、かつ高精度に形成することができる。したがって、樹脂注入口34および樹脂排出口35は、保持部32の平面上で相互に対向する位置に配置されることが望ましい。
保持部32は、平面視で円形の曲面部31の光軸に対して交差方向で鍔状に形成され、平面視で少なくとも4つの角部を有する多角形とすることが望ましい。保持部32を4角形以上の多角形とすることで、樹脂注入口34および樹脂排出口35を対角線上に配置された角部で相互に対向するように配置することが可能となり、高精度に形成することができる。
保持部32を平面視で円形とすると、樹脂注入口34および樹脂排出口35を高精度に対向させることが困難となり、形成したとしても配置がいびつとなり、合成樹脂の注入と排出を高精度に実施することができなくなる。なお、保持部32を配置しない状態ですそ部36を配置すると、実質上、樹脂注入口34および樹脂排出口35を形成することができない。
樹脂注入口34は、合成樹脂を注入する注入機のノズルの大きさに対応した大きさとされている。また、樹脂排出口35は、樹脂注入口34の幅に比較して幅広とすることで、合成樹脂に混入した空気を効率よく排出できる形状とされている。
本実施の形態では、レンズ部30は、射出成形で形成されてあり、保持部32を延長した外側位置に配置されて射出成形の金型のゲート部に対応するゲート対応部32gと、ゲート対応部32gと保持部32との間に形成された段差32sとを備える。
したがって、表示装置1は、枠体部40および保持部32を覆う枠体被覆部47(図11参照)を形成したとき、ゲート対応部32gに金型のゲート部の樹脂残りが生じていても保持部32に対する枠体被覆部47の平面性を確保することができる。
仮に段差32sが無い場合、ゲート対応部32gの樹脂残り(ゲート樹脂残り)があると、ゲート対応部32gの領域に枠体被覆部47が重ねて形成されたとき、ゲート対応部32gの上に重なった枠体被覆部47が盛り上がった状態となり枠体被覆部47の表面が平坦にならないで、コントラストのムラ・表示ムラ等を生じる恐れがある。
段差32sを設けることにより、ゲート対応部32gの樹脂残りの突き出し量が段差32sの高さより少ない場合は、枠体被覆部47を形成した場合、枠体被覆部47の表面を平坦に維持することができ、表示特性を向上させることができる。なお、段差は0.2mmである。
曲面部31は、保持部32との境界で保持部32と交差する方向に形成された外周端面31tを備える。また、外周端面31tは、曲面部31の側に比較して保持部32の側が外側へ拡大している。レンズの厚さは上述したとおり2.99mm、外周端面31tの高さは2.44mm、外周端面31tの傾斜角は5.2度(保持部32の側が曲面部31の頂面の側に比べて外側へ拡大している。)である。
外周端面31tの作用について説明する。本実施の形態では、曲面部31の相互間に配置された枠体部40を被覆して曲面部31の相互間の空間を被覆する枠体被覆部47(図11参照)が形成される。枠体被覆部47は、黒色樹脂(例えば黒色シリコーン樹脂)で形成され、曲面部31の相互間の空間を被覆することから、表示装置1のコントラスト比および防水性を向上させることができる。
外周端面31tが存在しない場合(曲面部31の曲面がそのままの状態で保持部32まで延長されている場合)、枠体被覆部47を形成すると枠体被覆部47(黒色シリコーン樹脂)が曲面部31に這い上がる恐れがある。また、曲面部31と枠体被覆部47の境界が明確にならず、枠体被覆部47の高さ、表面の平坦性の制御が困難となる。枠体被覆部47が曲面部31に這い上がりレンズ内部(表面実装型発光装置10)からの光を遮る恐れがある。
外周端面31tが存在しない場合、さらに、枠体被覆部47の表面に凹凸面が発生し、水はけ(特に屋外に設置した場合の雨水の水はけ)が十分にできない恐れがある。水はけが十分でないと、筐体50の内部に配置された駆動回路70などに悪影響するばかりでなく、レンズ部30(曲面部31)の表面に水分が溜まるなど、視認性を低下させる恐れがある。
本実施の形態に係る表示装置1(レンズ部30)は、外周端面31tを有することから、上述した表示特性、信頼性などでの問題を解消することができる。
上述したとおり、本実施の形態に係る表示装置1では、レンズ部30の保持部32は、合成樹脂の充填に適用される樹脂注入口34と、樹脂注入口34に対応して形成された樹脂排出口35とを備える。したがって、表示装置1は、充填樹脂部38を容易に、かつ高精度に形成することができる。
また、曲面部31は、保持部32との境界で保持部32と交差する方向に形成された外周端面31tを備える。したがって、表示装置1は、外周端面31tによって枠体被覆部47を規制することから、枠体被覆部47が曲面部31に重なることを防止し、枠体被覆部47による曲面部31の識別性(表示精度)を向上させることができる。
また、外周端面31tは、曲面部31の頂面の側に対して保持部32の側が外側へ拡大している。したがって、表示装置1は、枠体被覆部47を外周端面31tで確実に規制して曲面部31を高精度に画定することが可能となるので、表示精度をさらに向上させることができる。また、レンズ部30および枠体部40を2色成形方法によって一体に形成する場合、射出成形の金型に対する離型性を向上させることができる。
合成樹脂を注入する際には、表面実装型発光装置10の表面や、レンズ部30の内側面に付着した水分を、除去しておくことが望ましい。残留した水分は、合成樹脂を注入した後に気泡の発生原因となるからである。そこで、熱処理を施すことによって、水分を蒸発できる。しかし、水蒸気がレンズ部30と配線基板20とで密閉されていると、外部に放出できないので再び水分が付着する。
樹脂注入口34または樹脂排出口35は、表面実装型発光装置10とレンズ部30とに付着した水分の蒸発に適用される。したがって、合成樹脂を充填する前に、樹脂注入口34および樹脂排出口35から水分を外部に放出できる。つまり、気泡の発生原因となる水分を除去できるので、さらに充填樹脂部38の気泡が低減される。また、樹脂注入口34または樹脂排出口35によって、合成樹脂からの水分を蒸発できるので、充填樹脂部38の剥離などのような素子の破損を防止できる。
配線基板20を筐体50に取り付けた後、水分を蒸発させるために、150℃、1時間の熱処理を施す。なお、蒸発されるものは水分のみに限定されず、例えば、有機溶媒なども蒸発される。
次に、図6および図7に基づいて、図5に示すレンズ部30の実施例について説明する。
図6は、レンズ部の実施例1を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面図、(C)は(A)の矢符C−Cでの断面図である。図7は、レンズ部の実施例2を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面図、(C)は(A)の矢符C−Cでの断面図である。
保持部32は、表面実装型発光装置10とレンズ部30とに付着した水分の蒸発に適用される水分蒸発口39を備える。したがって、合成樹脂を充填する前に、水分蒸発口39から水分を外部に放出できる。つまり、気泡の発生原因となる水分を除去できるので、さらに充填樹脂部38の気泡が低減される。また、水分蒸発口39によって、合成樹脂からの水分を蒸発できるので、充填樹脂部38の剥離などのような素子の破損を防止できる。
図6に示す実施例1では、曲面部31と保持部32との間に水分蒸発口39が設けられている。複数の水分蒸発口39が、曲面部31の外周に沿って均等に配置されており、曲面部31は、それぞれの水分蒸発口39の間にある保持部32によって、保持されている。水分蒸発口39は、保持部32の外側から内側に向かって形成されている。
内側面31rが、配線基板20に向けて凸状とされているので、曲面部31と保持部32との境界領域には、水分が残留しやすい。したがって、水分が残留しやすい箇所に水分蒸発口39を設けることによって、さらに効率よく水分を除去することができる。
また、図7に示す実施例2では、水分蒸発口39は、段差32sに配置されている。水分蒸発口39は、保持部32の外側から内側に向かって形成されている。
段差32sの内側面は、配線基板20に向かって突出しているので、水分が残留しやすい。変形例2のような配置によっても、さらに効率よく水分を除去することができる。
図8は、本発明の実施の形態に係る表示装置に適用されるレンズ部および枠体部を2色成形して形成したレンズアレイモジュールの一部状態を拡大して示す拡大説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面図である。
図9は、図8に示したレンズアレイモジュールの全体を説明する説明図であり、(A)は平面図、(B)は(A)の矢符B方向から透視的に見た状態を示す透視側面図である。
枠体部40は、レンズ部30を8行×8列のドットマトリックス状に配置したレンズアレイモジュール40mとされてあり、マトリックス全体でレンズアレイモジュール40mを構成している。つまり、枠体部40は、レンズ部30を囲んで配置されレンズ部30の位置を確定する。また、レンズアレイモジュール40mは、64個のレンズ部30を組み込んでレンズアレイ40Lを構成する。それぞれのレンズ部30には、配線基板20に実装された表面実装型発光装置10が対応して配置される(図10参照)。
また、レンズアレイモジュール40mは、2色成形方法によって形成されている。したがって、レンズ部30(1次側)を透光性樹脂で成形した後、枠体部40(2次側)を黒色樹脂で成型することが可能となり、高精度のレンズアレイモジュール40mを効率的に形成することができる。つまり、レンズ部30および枠体部40(レンズアレイモジュール40m)を高精度に、かつ容易に形成することができ、レンズ部30が高精度に配置されたレンズアレイ40Lを形成することができる。
なお、レンズ部30と枠体部40とを個別に形成し、枠体部40にレンズ部30を接着剤で接着する形態の場合は、接着剤が樹脂注入口34および樹脂排出口35などに付着して形状不良を生じる恐れがある。また、接着剤が樹脂注入口34および樹脂排出口35に付着すると開口部を塞ぐことになり、接着剤を注入/排出することができなくなる。つまり、充填すべき樹脂量が不足して充填樹脂部38が形状不良となる。
したがって、レンズ部30および枠体部40を2色成形とすることによって、高精度に生産性良くレンズアレイモジュール40mを形成することができる。なお、必要に応じて、レンズ部30と枠体部40とを個別に形成し、枠体部40にレンズ部30をはめ込んで一体化することも可能である。
枠体部40は、充填樹脂部38(図10参照)を形成するときに樹脂排出口35から排出された合成樹脂を溜める樹脂溜め溝41を備える。したがって、表示装置1は、充填樹脂部38を形成したときに樹脂排出口35から溢れた合成樹脂をレンズ部30から分離して樹脂溜め溝41に収容することができるので、レンズ部30の光学特性への影響を防止することができる。
レンズアレイモジュール40mを形成する枠体部40は、相互に隣接する表面実装型発光装置10および充填樹脂部38を相互に遮光するために遮光性を持たせてあり、例えば黒色(カーボンブラック)ポリカーボネート樹脂、黒色シリコーン樹脂などの黒色樹脂で形成されている。なお、ポリカーボネート樹脂は、透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性などにおいて優れていることから、耐候性を向上させることができ、表示装置1が屋外に設置される場合に特に有効である。
樹脂溜め溝41は、充填樹脂部38を形成するために注入された合成樹脂があふれない最適な寸法とすれば良く、例えば、幅1mm、深さ1mmとした。
また、枠体部40は、樹脂溜め溝41より深く形成され樹脂溜め溝41に連結した樹脂溜め穴42を備える。したがって、表示装置1は、充填樹脂部38を形成する合成樹脂が過剰に供給されたときでも、樹脂溜め溝41を介して合成樹脂を樹脂溜め穴42へ収容するので、合成樹脂がレンズ部30(特に曲面部31)の光学特性を害することを確実に防止することができる。
レンズアレイモジュール40m(枠体部40)は、配線基板20に取り付ける際に位置決め手段および係合手段として作用する係合突起45を裏面側に備える。本実施の形態では、レンズアレイモジュール40m(レンズアレイ40L)を4枚組みとして配線基板20に取り付けることができる。つまり、表示装置1の全体で64×4=256個の表面実装型発光装置10およびレンズ部30が配置されている。
上述したとおり、本実施の形態に係る表示装置1では、保持部32は、配線基板20の側へ延長され枠体部40に当接するすそ部36を備える。したがって、表示装置1は、レンズ部30と枠体部40とを容易に、かつ高精度に形成することができ、また、充填樹脂部38を容易に、かつ高精度に形成することができる。
また、すそ部36は、配線基板20の側ほど外側へ拡大している。したがって、表示装置1は、枠体部40とすそ部36とを高精度に形成することが可能となる。
レンズアレイモジュール40m(枠体部40)は、配線基板20に取り付けるためのネジ穴40sを備える。つまり、レンズアレイモジュール40mは、ネジ(M2.6)によって配線基板20に取り付けられる。
また、レンズアレイモジュール40m(枠体部40)は、枠体部40を貫通する貫通溝40hを備える。貫通溝40hは、配線基板20に形成された配線パターン(配線基板20の両面を貫通して相互配線を施す貫通孔21(図10参照)に対応するランドパターン)に対応するように配置されている。したがって、配線基板20に形成された配線パターンは、貫通溝40hを介して高精度に認識されるので、レンズアレイモジュール40mは、配線基板20に対して高精度に位置合わせされる。
なお、充填樹脂部38を形成する合成樹脂が貫通溝40hにも同様に充填され溝充填樹脂部38hが形成される(図10参照)ので配線基板20が露出することはなく、防水上の問題は生じない。
図10は、本発明の実施の形態に係る表示装置の製造工程において、レンズアレイモジュールを取り付けた配線基板を筐体に取り付け、表面実装型発光装置とレンズ部との間に合成樹脂を充填して充填樹脂部を形成した状態を説明する説明図であり、(A)は側面状態を模式的に示す模式側面図、(B)は(A)の符号Bの領域を拡大して示す拡大断面図である。
先ず、配線基板20の表面(表示面20d)に表面実装型発光装置10を実装し、配線基板20の裏面20cに駆動回路70を実装する。その後、表面実装型発光装置10とレンズ部30とを対応させて、表示面20dにレンズアレイモジュール40m(レンズアレイ40L)を取り付ける。
枠体部40は、レンズ部30をドットマトリックス状に配置したレンズアレイモジュール40m(レンズアレイ40L)とされ、レンズアレイモジュール40m(レンズアレイ40L)は、取り付け単位として配線基板20に取り付けられている。したがって、表示装置1は、枠体部40の強度を確保し、レンズ部30の表面実装型発光装置10に対する位置精度を確保して信頼性と表示精度を向上させることができる。
つまり、表示装置1の表示面を複数(例えば、上述した4枚組)のレンズアレイモジュール40m(レンズアレイ40L)によって区分して配線基板20に取り付けることから、配線基板20に対する表面実装型発光装置10およびレンズ部30の位置ズレを抑制し、位置精度を確保して、表示精度を向上させることができる。
上述したとおり、表示装置1は、表面実装型発光装置10を駆動する駆動回路70を備え、駆動回路70は、配線基板20の表面実装型発光装置10が配置された表示面20dと反対側の裏面20cに実装されている。したがって、表示装置1は、表面実装型発光装置10を駆動する駆動回路70の実装(接続)を容易にし、信頼性を向上させることができる。なお、配線基板20の表示面20dに配置された表面実装型発光装置10と裏面20cに配置された駆動回路70とは、配線基板20に予め形成された貫通孔21を介して相互に接続される。
配線基板20の両面の配線パターンは、貫通孔21を介して接続されることから、表示面20dに配置された表面実装型発光装置10と、裏面20cに配置された駆動回路70とは、コンパクトに接続される。
レンズアレイモジュール40m(レンズアレイ40L)は、上述したとおり、配線基板20にネジ止めで固定され、あるいは、配線基板20に塗布された接着剤(例えばシリコーン樹脂)によって固定される。また、レンズアレイモジュール40mは、筐体50にネジ止めされる。
本実施の形態に係る表示装置1は、配線基板20に表面実装された表面実装型発光装置10と、表面実装型発光装置10に対向して配置されたレンズ部30と、レンズ部30の周囲を囲んで配置された枠体部40とを備え、表面実装型発光装置10とレンズ部30との間に、合成樹脂を充填して形成された充填樹脂部38を備え、合成樹脂は、透光性樹脂と消泡剤38pとを含有する。
したがって、消泡剤38pによって、充填樹脂部38の気泡が低減される。そのため、気泡によって生じる光の散乱を防止できるので、色度斑や輝度斑を抑制できる。また、充填樹脂部38の気泡が低減されることにより、気泡によって発生する充填樹脂部38とレンズ部30または表面実装型発光装置10との剥離を防止できるので、表示装置の信頼性を向上できる。
また、表示装置1は、表面実装型発光装置10の耐環境性(信頼性)を向上させ、表面実装型発光装置10とレンズ部30との間の空気層を除去して光の透過性(表示装置1の正面での光強度、つまり、表示特性)を向上させることができる。なお、充填樹脂部38を形成するとき過剰に供給された合成樹脂は、樹脂止め溝41に流出して溝充填樹脂部38rを形成する。
本実施の形態において、合成樹脂は、液状シリコーン樹脂(透光性樹脂)にシリコーン樹脂粒子(消泡剤38p)を分散させて形成されている。合成樹脂の混合比は、例えば、シリコーン樹脂粒子:液状シリコーン樹脂=60:100(重量比)とされる。
消泡剤38pによって、合成樹脂中に発生する気泡を不安定化し、破泡させることができる。消泡剤38pは、透光性樹脂に分散させる光拡散剤と異なるものである。光拡散剤は、光を拡散させる球状粒子であって、粒子径が20μm〜100μmである。消泡剤38pは、球状に限定されず、粒子径が光拡散剤より小さいものを用いる。
つまり、消泡剤の粒子の直径は、0.1μm〜20μmである。したがって、粒子の直径が0.1μm以上であれば、合成樹脂を剥離させる気泡を確実に消滅させることができる。また、粒子の直径が20μm以下であれば、合成樹脂を注入する際に、注入機のノズルが詰まることを防止できる。
消泡剤38pは、封止樹脂8に溶解しない粒体から構成することが好ましい。例えば、樹脂粒子、無機物質粒子、またはこれらの混合粒子群などである。
上述のように、消泡剤38pは、樹脂粒子からなる。したがって、透光性樹脂に溶解されない樹脂粒子を用いることによって、合成樹脂の機能を低下させることなく、表示装置の信頼性を向上させることができる。
上記の樹脂粒子は、エポキシ樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、イミド樹脂粒子、フェノール樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ノルボルネン樹脂粒子、ポリメチルペンテン樹脂粒子、非晶質ナイロン樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリアリレート樹脂粒子、ポリカーボネート樹脂粒子、エポキシ変成シリコーン樹脂粒子、および有機物変成シリコーン樹脂粒子から選ばれた少なくとも1つを含む。したがって、消泡剤に最適な樹脂粒子を用いることによって、表示装置1の特性又は用途に応じた充填樹脂部38を提供できる。
また、消泡剤38pは、無機物質粒子からなる構成とされていてもよい。したがって、透光性樹脂に溶解されない樹脂粒子を用いることによって、合成樹脂の機能を低下させることなく、表示装置の信頼性を向上させることができる。
上記の無機物質粒子は、シリカ粒子、石英粒子、ガラス粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、および水酸化アルミニウム粒子から選ばれた少なくとも1つを含む。したがって、消泡剤に最適な無機物質粒子を用いることによって、表示装置1の特性又は用途に応じた充填樹脂部38を提供できる。特に、無機物質粒子は、不定形で鋭い角を有する。そのため、無機物質粒子を消泡剤38pとして用いると、効率よく気泡を壊すことができる。
また、消泡剤38pと透光性樹脂とは、屈折率が略等しいことが望ましい。したがって、充填樹脂部38における光透過性を向上させることができるので、表面実装型発光装置10からの光の取り出し効率を高めることができる。本実施の形態に用いた材料の屈折率は、1.43または1.51であったが、これに限定されない。
また、消泡剤と透光性樹脂とは、線膨張係数が略等しいことが望ましい。したがって、ヒートサイクルによる消泡剤と透光性樹脂との剥離を防止できるので、本発明の信頼性を向上させることができる。本実施の形態に用いた材料の線膨張係数は、25*10-5/℃であったが、これに限定されない。
また、消泡剤38pと透光性樹脂とは、同系の合成樹脂材料からなることが望ましい。したがって、消泡剤38pと透光性樹脂との屈折率および線膨張係数の差を小さくするのに適している。
なお、消泡剤38pと透光性樹脂とは、異系の合成樹脂材料を用いてもよい。このような場合であっても、消泡剤38pと透光性樹脂との屈折率の差が小さくなるように、消泡剤38pと透光性樹脂とに適用する合成樹脂材料を適宜選択すればよい。
充填樹脂部38は、図5で説明したとおり、注入機(ポッティング)により合成樹脂を樹脂注入口34から注入して形成される。樹脂排出口35が樹脂注入口34に対向する位置に配置されているので、空気を抜きながら合成樹脂を充填することができる。
約1秒の注入時間で樹脂注入口34から注入した合成樹脂が樹脂排出口35から溢れた(排出された)ので、合成樹脂の注入時間は約1秒とした。樹脂排出口35から排出された合成樹脂は、樹脂溜め溝41および樹脂溜め穴42に吸収することが可能である。したがって、レンズ部30(曲面部31)に余分な合成樹脂が付着することは無い。
充填樹脂部38を形成する合成樹脂は、レンズ部30、表面実装型発光装置10、配線基板20、および枠体部40との密着性がよいことが求められる。具体的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが好適である。さらに密着性をあげるためには配線基板20の表面(表示面20d)、表面実装型発光装置10のパッケージ部12の表面、枠体部40などにプライマーを塗布し、その後、合成樹脂を注入すると密着性が向上する。
枠体部40に形成された貫通溝40hに対しても、充填樹脂部38を形成するときに使用された合成樹脂が充填される。樹脂注入口34への合成樹脂の注入と同様にして注入される。したがって、貫通溝40hには、溝充填樹脂部38hが形成される。
注入した合成樹脂は、例えば、常温で24時間放置して樹脂の硬化および気泡除去を行う。その後、硬化条件として80℃、45分の加熱処理を施して硬化させることによって充填樹脂部38が形成される。
上述したとおり、曲面部31の配線基板20に対向する内側面31r(図5参照)は、配線基板20に向けて凸状とされている。したがって、表面実装型発光装置10と曲面部31との間に残留する気泡をさらに低減できる。
なお、駆動回路70を裏面20cに配置した場合を示したが、レイアウトを変更すれば、駆動回路70を表示面20dに配置することも可能である。その際、駆動回路70は、いずれか一方のみの配置とすることが望ましい。
つまり、本発明に係る表示装置1では、表面実装型発光装置10を駆動する駆動回路70を備え、駆動回路70は、配線基板20の表面実装型発光装置10が配置された表示面20dあるいは反対側の裏面20cのいずれか一面のみに実装されていることが望ましい。
したがって、本発明に係る表示装置1は、駆動回路70を配線基板20の表示面20dのみに配置する場合に、表面実装型発光装置10および駆動回路70を同時に配線基板20へ実装することが可能となり、生産性を向上させることができる。また、本発明に係る表示装置1は、駆動回路70を配線基板20の裏面20cのみに配置する場合に、配線基板20を表示装置1の外形に合わせて形成し、表面実装型発光装置10を表示装置1の外形に合わせて配置することができる。
図11は、本発明の実施の形態に係る表示装置の製造工程において、枠体被覆部を形成した状態を説明する説明図であり、(A)は側面状態を模式的に示す模式側面図、(B)は(A)の符号Bの領域を拡大して示す拡大断面図である。
充填樹脂部38を形成した後、枠体部40を被覆する枠体被覆部47を形成する。つまり、表示装置1は、枠体部40を被覆する枠体被覆部47を備える。したがって、表示装置1は、枠体被覆部47が枠体部40を被覆することから、レンズ部30と枠体部40との境界を被覆することが可能となるので、レンズ部30(曲面部31)相互間の区別を明瞭化して表示精度を向上させ、また、耐環境性(防水性)を向上させることができる。
枠体被覆部47に適用される材料は、レンズ部30、枠体部40、筐体50などとの密着性がよいことが求められる。また、駆動回路70を保護するため、柔軟性や耐候性が要求される。したがって、枠体被覆部47の材料は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂から選択された少なくとも一種などを適用することができる。また、コントラストを向上させるために枠体被覆部47を形成する樹脂中に黒色(カーボンブラック)など暗色系の着色染料や着色顔料を含有させてもよい。さらに、熱伝導を向上させる目的で熱伝導部材を含有させてもよい。本実施の形態では、枠体被覆部47は、黒色(カーボンブラック)含有シリコーン樹脂で形成されている。
また、本実施の形態では、枠体被覆部47は、保持部32を被覆する。したがって、表示装置1は、枠体被覆部47が枠体部40と保持部32の両方を被覆することから、レンズ部30(曲面部31)相互間の区別をさらに明瞭化して表示精度をさらに向上させ、また、耐環境性をさらに向上させることができる。
枠体被覆部47を形成する被覆樹脂は、保持部32および枠体部40を被覆するようにレンズ部30(外周端面31t)相互間に供給される。外周端面31tの相互間に被覆樹脂を充填した後、例えば、常温で24時間放置して被覆樹脂を硬化する。その後、硬化条件として80℃、45分の加熱処理を施して硬化させることによって枠体被覆部47が形成される。
枠体被覆部47は、保持部32を被覆することから、樹脂注入口34、樹脂排出口35、水分蒸発口39を塞ぐことが可能となる。したがって、例えば、充填樹脂部38に偶発的に形成されたピンホールなどへ水が浸入することを防止することができる。また、充填樹脂部38および枠体被覆部47は、互いに重なるように形成されることから、偶発的に生じたピンホールを塞ぐことができるので、防水性が向上する。
上述したとおり、本実施の形態に係る表示装置1では、表面実装型発光装置10、駆動回路70、レンズアレイモジュール40m(レンズアレイ40L)が搭載された配線基板20は、筐体50に取り付けられる。
筐体50(外観ケース)は、枠体被覆部47を形成する被覆樹脂(例えば、シリコーン樹脂)との密着性が優れているものが好ましい。筐体50の材料としては、成形の容易性などからポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が好適である。本実施の形態では、筐体50は、ポリカーボネート樹脂で形成されている。
筐体50は、配線基板20の表示面20dにマトリックス状に配列された表面実装型発光装置10、配線基板20の裏面20cに搭載された駆動回路70、および配線基板20などを外部から機械的に保護する部材であり、所望の大きさに形成することができる。
図12は、本発明の実施の形態に係る表示装置の製造工程において、ひさし部を取り付けた状態を説明する説明図であり、(A)は側面状態を模式的に示す模式側面図、(B)は(A)の符号Bの領域を拡大して示す拡大断面図である。
各表面実装型発光装置10(レンズ部30、枠体部40)に対応させてひさし部60が配置される。ひさし部60は、枠体部40(レンズアレイモジュール40m)および枠体被覆部47の行方向に対応させて配置されている。つまり、ひさし部60は、図1で示したとおり、表示装置1が備える表面実装型発光装置10の16行に対応させて16個配置されている。ひさし部60を行方向で配置するのは、太陽光など垂直方向上部からの照射光(外来光)によって視認性が低下することを防止するためである。なお、ひさし部60は、遮光効率を向上させるために黒色系などで着色することが好ましく、黒色(カーボンブラック)ポリカーボネート樹脂を適用することができる。
ひさし部60の高さH1は10mmとし、垂直方向で最上段に配置されたひさし部60の高さH2は12.5mmとしている。ひさし部60の高さは、上下方向の視野角度として10度を確保し、太陽光の直射光が表面実装型発光装置10に直接照射されることをできるだけ抑制するようにして設計される。したがって、表示装置1は、視認性と遮光性の両方を有することが可能となる。
また、ひさし部60は、水抜きのために、筐体50(枠体被覆部47)との間に高さ1mm、幅4mmの水抜き部61を設けている。ひさし部60は、筐体50にネジ(図示せず)で取り付けられる。具体的には、ひさし部60は、配線基板20の裏面20cの側から枠体部40を介して筐体50にネジで固定される。
なお、ポリカーボネートは、透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性等において、高い物性を示す樹脂材料である。また、物性の優位性に比較して安価であり、本実施の形態でも、上述したとおり、黒色(カーボンブラック)ポリカーボネート樹脂を枠体部40、筐体50、ひさし部60など種々適用した。以下に、ポリカーボネートに対する変形例を説明する。
ポリカーボネートに紫外線反射剤を混合してもよい。この場合、太陽光が含む紫外線による部材(枠体部40、筐体50、ひさし部60など)の劣化を防止することができ、表示装置1の信頼性を向上させることができる。
紫外線反射剤含有樹脂は、ポリカーボネート樹脂または透光性樹脂材料としてのシリコーン樹脂に紫外線反射剤を配合、分散して樹脂とすることで形成される。紫外線反射剤としては、酸化ケイ素の微粉末および酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物の微粉末を適用することができる。
ポリカーボネートに赤外線反射剤をさらに適用してもよい。赤外線反射部材として、水酸化チタンを4価のチタン塩水溶液中で加熱し、篩い(ふるい)に通すことによってTi02の粉末を形成する。Ti02粉末をシリコーン樹脂中に混合、撹拌させることによって赤外線反射部材含有樹脂となるスラリーを得た。表面実装型発光装置10の開口部を除いて筐体50、配線基板20、および、ひさし部60に赤外線反射部材を適用することができる。