JP5327710B2 - 大型枠組構造物の溶接装置用の架台位置決め装置 - Google Patents
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Description
また、ロボット架台に位置決め機構を設ける場合には、ロボットをワーク上に置いた後に位置決めを行うために、段取り時間が長く掛かるなどの問題がある。
該溶接対象領域を跨いで溶接ロボットを逆さに吊り下げたロボット架台の脚部下端を着脱可能に大型枠組構造物に固定する大型枠組構造物の溶接装置用の架台位置決め装置であって、
前記ロボット架台は、上端部が水平部材を介して互いに剛接された3以上の脚部下端を有し、
前記架台位置決め装置は、前記パネルの上面に位置し前記脚部下端を支持する本体と、
前記脚部下端を本体に着脱可能に固定する脚部クランプと、
前記本体をトランスの側面からの所定の第1距離に位置決めするトランス方向位置決め部材と、
前記本体をロンジの側面からの所定の第2距離に位置決めするロンジ方向位置決め部材と、
前記本体を大型枠組構造物の一部に固定する本体固定装置とを備える、ことを特徴とする大型枠組構造物の溶接装置用の架台位置決め装置が提供される。
前記本体は、前記下端突起部が隙間を持って嵌合する突起部嵌合孔と、該下端突起部の下端又は支持プレートの下面を支持する支持面とを有し、
前記ロボット架台の各脚部下端は、下面が水平な支持プレートと、該支持プレートから下方に鉛直に延びる下端突起部とからなり、
前記本体は、前記下端突起部が隙間を持って嵌合する突起部嵌合孔と、該下端突起部の下端又は支持プレートの下面を支持する支持面とを有し、
前記脚部クランプは、該本体の上面に固定され、前記突起部嵌合孔に嵌合した支持プレートを着脱可能に固定するクランプ機構であり、
前記トランス方向位置決め部材は、本体に位置決め固定される構造を有しロンジに沿って水平に延びる水平パイプと、該水平パイプの先端に取付けられトランスとの隙間を微調整可能な構造を有するフットジャッキとからなり、
前記ロンジ方向位置決め部材は、本体にトランスに沿って水平に延び水平移動可能に取付けられた1対のガイドロッドと、該1対のガイドロッドの先端に固定されロンジの側面に当接するロンジ当接板と、該ロンジ当接板とロンジ側面との隙間を微調整可能な調整機構とからなり、
前記本体固定装置は、本体に固定され、ロンジに沿って上方に延び、先端がロンジのフェイス下面に当接して突っ張る高さ調整可能な構造を有するフットジャッキからなる。
前記本体の突起部嵌合孔は、前記矩形断面が隙間を持って嵌合する矩形断面孔である。
従って、この溶接ロボットにより大型の枠組構造物の交差部(溶接対象領域)を本溶接することができ、かつ本溶接が可能な溶接部位の制約が少なく、人手に頼る手溶接をほとんど不要にできる。
また、ロボット架台が、上端部が水平部材を介して互いに剛接された3以上の脚部下端を有し、各脚部下端を架台位置決め装置で大型枠組構造物の所定位置に位置決めするので、大型枠組構造物の所定位置にロボット架台を高い位置決め精度で設置することができる。
この図において、(A)はロンジの長さ方向から見た側面図、(B)はそのB−B矢視図である。
パネル1の大きさは、例えば10m×10m、20m×20m程度である。また、ロンジ2は、例えば高さ600〜800mm、第1間隔L1は、800〜1000mmである。さらにトランス3は、例えば高さ1800〜2000mm、第2間隔L2は、2000〜3000mmである。
なお、本発明において、大型枠組構造物は、この構成に限定されず、その他の構造であってもよい。
また、溶接対象領域4の具体的な溶接箇所は、図中に5で示す交差部である。なお、本発明の溶接箇所は、この例に限定されず、溶接対象領域4の内側であればよい。
天井フレーム17は、4本の柱16に4隅が固定され、水平支持架台12を下面に支持する。
逆吊多関節溶接ロボット22は、ロボットアーム23の先端に溶接ヘッド21を有する多関節ロボットであり、後述する水平移動台31に逆さに取付けられ、升目形状枠(溶接対象領域4)の短辺方向全域にわたり溶接ヘッド21を3次元的に数値制御して溶接する。
この場合、逆吊多関節溶接ロボット22のワーキングエリアは、図3の円弧A,Bと円弧Cで囲まれる領域であり、升目形状枠(溶接対象領域4)の短辺方向全域を完全にカバーしている。
この例において、1軸スライダ装置30は、直動ガイド32、ボールねじ34及びサーボモータ36からなる。
直動ガイド32は、例えばLMガイドであり、水平移動台31の下面を水平に維持したまま升目形状枠(溶接対象領域4)の長辺方向に沿って水平移動台31を案内する。
ボールねじ34は、例えば転造ボールネジであり、水平移動台31を升目形状枠(溶接対象領域4)の長辺方向に沿って駆動する。
サーボモータ36は、好ましくは減速器を介してボールねじ34を数値制御可能に回転駆動する。
この構成により、水平移動台31を升目形状枠(溶接対象領域4)の長辺方向に沿って数値制御して移動させることができる。
従って、この溶接ロボット20により大型の枠組構造物の交差部(溶接対象領域4)を本溶接することができ、かつ本溶接が可能な溶接部位の制約が少なく、人手に頼る手溶接をほとんど不要にできる。
さらに、1軸スライダ装置30により水平移動台31を升目形状枠内(溶接対象領域4)の長辺方向に沿って水平移動可能であるので、小型軽量の逆吊多関節溶接ロボット22で、升目形状枠内(溶接対象領域4)の長辺方向全域を溶接することができる。
さらに、1対のロンジ2と1又は1対のトランス3で囲まれた升目形状枠内を溶接対象領域4とする場合、1台の逆吊多関節溶接ロボット22と1台の1軸スライダ装置30で単一の溶接対象領域4の溶接箇所(交差部)の全体を本溶接できるので、大型ガントリ構造による従来のマルチロボット溶接装置と比較して制御が容易であり、複雑な制御システムを不要にできる。
さらに、逆吊多関節溶接ロボット22を天吊り(逆吊り)とし、1軸スライダ装置30を装備することで溶接時のロボットアーム23とワークとの干渉を回避すると共に、溶接可能範囲を広げ、ロンジ2とトランス3からなる升目形状の枠内を段取替え無しで溶接施工可能となる。
すなわち、本発明による各架台位置決め装置40は、溶接対象領域4を跨いで溶接ロボット20を逆さに吊り下げたロボット架台10の脚部下端15を着脱可能に大型枠組構造物に固定するようになっている。
ロボット架台10は、上端部が水平部材(水平支持架台12,天井フレーム17)を介して互いに剛接された3以上の脚部下端15を有する。
図5に示すように、各脚部下端15は、下面が水平な支持プレート15aと、支持プレート15aから下方に鉛直に延びる下端突起部15bとからなる。下端突起部15bは、この例では矩形断面であるが、本発明はこれに限定されない。
また、この例で、支持プレート15aにはこれを上下方向に貫通する複数(図で2つ)の雌ねじ孔が設けられ、この雌ねじ孔にアライメントボルト15cが螺合しており、このアライメントボルト15cにより、後述する本体41の上面との隙間を調整できるようになっている。
本体41の突起部嵌合孔41aは、この例では、下端突起部15bの矩形断面が隙間を持って嵌合する矩形断面孔であるが、本発明はこれに限定されない。
本体41のパネル1との当接面には、ワークにキズを付けないためにプラスティック材47(例えばMCナイロンプレート)が貼り付けられている。
水平パイプ44aは、例えばピン44cなどで本体41に位置決め固定される構造を有し、ロンジ2に沿って水平に延びる。フットジャッキ44bは、水平パイプ44aの先端に取付けられトランス3との隙間をねじにより微調整できる構造を有する。
この構成のトランス方向位置決め部材44により、本体41の突起部嵌合孔41aの中心位置をトランス3の側面からの所定の第1距離S1に位置決めすることができる。
1対のガイドロッド46aは、本体41にトランス3に沿って水平に延び水平移動可能に取付けられている。
ロンジ当接板46bは、1対のガイドロッド46aの先端に固定されロンジ2の側面に当接する。ロンジ当接板46bのロンジ2との当接面には、ワークにキズを付けないためにプラスティック材47(例えばMCナイロンプレート)が貼り付けられている。
調整機構46cは、例えば押しボルトなどであり、ロンジ当接板46bとロンジ側面との隙間をねじにより微調整可能になっている。
この構成のロンジ方向位置決め部材46により、本体41の突起部嵌合孔41aの中心位置をロンジ2の側面からの所定の第2距離S2に位置決めすることができる。
種々のワークに対応できるように、それぞれの方向の押し当てストロークはねじ等で可変に出来るようにする。
また、非鉄金属等のワークでも架台設置時にズレが生じないように、ロンジ2の天板裏面(フェイス2aの下面)と、パネル1との間で突っ張り固定が出来る本体固定装置48を有する。
さらに本発明による架台位置決め装置40とロボット架台10との間で、設置後の位置ズレを防止するためにロボット架台10の脚部下端15を本体41に固定する脚部クランプ42を有する。
まず、予めワークの所定位置に、ロンジ方向位置決め部材46をロンジ方向に、トランス方向位置決め部材44をトランス方向に、それぞれに押し当てるように架台位置決め装置40を設置する。
この設置後に、位置ズレ防止のためにロンジ天板裏面(フェイス2aの下面)とパネル間をフットジャッキ(本体固定装置48)で突っ張り固定する。
その後、ロボット架台10を架台位置決め装置40に設置する。必要に応じて、架台脚部に設置しているアライメントボルト15cでレベル調整をおこなった後、架台位置決め装置40とロボット架台10とをトグルクランプ(脚部クランプ42)で固定することで、ロボット架台10はワークに対して高精度に位置決め、固定される。
従って、この溶接ロボット20により大型の枠組構造物の交差部(溶接対象領域)を本溶接することができ、かつ本溶接が可能な溶接部位の制約が少なく、人手に頼る手溶接をほとんど不要にできる。
また、ロボット架台10が、上端部が水平部材を介して互いに剛接された3以上の脚部下端15を有し、各脚部下端15を本発明の架台位置決め装置40で大型枠組構造物の所定位置に位置決めするので、大型枠組構造物の所定位置にロボット架台を高い位置決め精度で設置することができる。
しかし、溶接ロボット20又は逆吊多関節溶接ロボット22に備えられた位置補正装置(例えば、ワークの溶接位置を検出するタッチセンサ、溶接箇所を倣う倣い装置、溶接箇所を学習する学習機能、等)により、上記ばらつき誤差を補正して正確に溶接を行うことができる。
また、ワークが鉄に限定される場合には、ロンジ天板裏面に突っ張り固定する代わりに、マグネットでの吸着固定してもよい。
また、ワークにキズを付けないために、設置位置決め治具とワークとの接触面はプラスティックとしているが、これを気にしない場合には、接触面をローラ等とすることで、より短時間に省力での設置位置決めが可能となる。
設置位置決め治具とロボット架台との固定は、トグルクランプによらずマグネット吸着やボルトによる固定等でも構わない。
4 溶接対象領域、5 交差部(溶接箇所)、
10 ロボット架台、12 水平支持架台、
14 門型フレーム、15 脚部下端、
15a 支持プレート、15b 下端突起部、
15c アライメントボルト、
16 柱、17 天井フレーム、
20 溶接ロボット、21 溶接ヘッド、
22 逆吊多関節溶接ロボット、23 ロボットアーム、
30 1軸スライダ装置、31 水平移動台、
32 直動ガイド、34 ボールねじ、36 サーボモータ、
40 架台位置決め装置、41 本体、
41a 突起部嵌合孔、41b 支持面、
42 脚部クランプ(クランプ機構)、44 トランス方向位置決め部材、
44a 水平パイプ、44b フットジャッキ、44c ピン、
46 ロンジ方向位置決め部材、46a ガイドロッド、
46b ロンジ当接板、46c 調整機構(押しボルト)、
47 プラスティック材、48 本体固定装置(フットジャッキ)
Claims (3)
- 水平に位置するパネルと、該パネルの上面に所定の第1間隔を隔てて配置された複数列のロンジと、該ロンジと直交しかつ前記パネルの上面に所定の第2間隔を隔てて配置された複数列のトランスとからなる大型枠組構造物の1対のロンジと1又は1対のトランスで囲まれた升目形状の枠内を溶接対象領域とし、
該溶接対象領域を跨いで溶接ロボットを逆さに吊り下げたロボット架台の脚部下端を着脱可能に大型枠組構造物に固定する大型枠組構造物の溶接装置用の架台位置決め装置であって、
前記ロボット架台は、上端部が水平部材を介して互いに剛接された3以上の脚部下端を有し、
前記架台位置決め装置は、前記パネルの上面に位置し前記脚部下端を支持する本体と、
前記脚部下端を本体に着脱可能に固定する脚部クランプと、
前記本体をトランスの側面からの所定の第1距離に位置決めするトランス方向位置決め部材と、
前記本体をロンジの側面からの所定の第2距離に位置決めするロンジ方向位置決め部材と、
前記本体を大型枠組構造物の一部に固定する本体固定装置とを備える、ことを特徴とする大型枠組構造物の溶接装置用の架台位置決め装置。 - 前記ロボット架台の各脚部下端は、下面が水平な支持プレートと、該支持プレートから下方に鉛直に延びる下端突起部とからなり、
前記本体は、前記下端突起部が隙間を持って嵌合する突起部嵌合孔と、該下端突起部の下端又は支持プレートの下面を支持する支持面とを有し、
前記脚部クランプは、該本体の上面に固定され、前記突起部嵌合孔に嵌合した支持プレートを着脱可能に固定するクランプ機構であり、
前記トランス方向位置決め部材は、本体に位置決め固定される構造を有しロンジに沿って水平に延びる水平パイプと、該水平パイプの先端に取付けられトランスとの隙間を微調整可能な構造を有するフットジャッキとからなり、
前記ロンジ方向位置決め部材は、本体にトランスに沿って水平に延び水平移動可能に取付けられた1対のガイドロッドと、該1対のガイドロッドの先端に固定されロンジの側面に当接するロンジ当接板と、該ロンジ当接板とロンジ側面との隙間を微調整可能な調整機構とからなり、
前記本体固定装置は、本体に固定され、ロンジに沿って上方に延び、先端がロンジのフェイス下面に当接して突っ張る高さ調整可能な構造を有するフットジャッキからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の架台位置決め装置。 - 前記ロボット架台の下端突起部は、矩形断面であり、
前記本体の突起部嵌合孔は、前記矩形断面が隙間を持って嵌合する矩形断面孔である、ことを特徴とする請求項1に記載の架台位置決め装置。
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