JP5327447B2 - 圧電素子変位拡大機構及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置 - Google Patents

圧電素子変位拡大機構及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、表面テクスチャ加工装置のツーリング部に容易に取付け可能な圧電素子変位拡大機構及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置に関する。
近年、塗装の必要がなく環境負担が少ない等の理由から自動車のダッシュボード表面等の形成品表面にシボ加工と称される加工がされる傾向にある。しかしながら、シボ加工においては、シボ深さは約200μm程度の範囲で切削工具を上下動させつつXY方向に切削工具を移動させる必要がある。ところが、スピンドル等の加工装置の上下動は、切削工具を上下動させることを目的としているので、約200μm程度の上下動は、ボールネジ等の転がり軸へのダメージが問題となる。
そこで、加工装置の切削工具をシボ深さの範囲で上下動させる必要がある。
この種の微少上下動を得るために、圧電素子の変位を利用することが考えられるが、圧電素子の変位は、通常約25μm程度しか変位しないので、通常、圧電素子を用いる場合には、変位拡大機構が使用される。
従来、この種の圧電素子変位拡大機構としては、例えば、特開2007−166714号に開示のものが知られている。
特開2007−166714号に開示のものは、発明の名称「変位拡大装置」に係り、「高い共振周波数を維持し拡大変位量を増大することができるとともに、圧電素子の選択の自由度が向上した変位拡大装置を提供すること」を目的として(同公報明細書段落番号0012参照)、「圧電素子と、前記圧電素子の変位量を拡大する変位拡大機構と、を備え、前記変位拡大機構は、前記圧電素子を支持した支持部と、この支持部に隙間をおいて対向した可動部と、それぞれ前記支持部と可動部とを連結しているとともに前記圧電素子の変位に応じて変形する一対の平行なリンク部と、を有し、前記圧電素子は、前記一対のリンク部の外側で前記支持部に取り付けられ、前記リンク部の一方は、板ばねにより構成されている」構成とすることによって(同公報明細書段落番号0013参照)、「高い共振周波数を維持しつつ拡大変位量を増大することができるとともに、圧電素子の選択の自由度が向上した高剛性の変位拡大装置を提供する」との効果を奏することとしたものである(同公報明細書段落番号0014参照)。
しかしながら、上記の変位拡大機構は、その大きさがスピンドルツール部等の切削工具の先端に配置できるサイズではなく、シボ加工を目的とする加工装置のスピンドルツーリング部にそのままこの変位拡大機構を設けることはできない。
そこで、本願発明者らは、従来から存在する加工装置のスピンドルツール部等の切削具への装着を前提として、本発明は、このような従来装置への装着が容易で、かつ、表面テクスチャのシボ加工において操作容易なシボ加工を達成することができるシボ加工装置用変位拡大機構を必要とする。
このため、本発明では加工装置の着脱式ツーリング部に簡単に着脱可能で、ボールネジ等への転がり軸ダメージを生じることなく微少移動を可能とするため、駆動源に圧電素子を用いることを想定した。
しかしながら、圧電素子をそのまま使用する場合には、最大約25μm程度の変位しか取り出すことができない。そのため、上記のシボ加工を敢行する場合には、最大約200μm程度の範囲で切削工具を上下動させつつXY方向に移動することによって従来から使用される加工装置(例えば、モデリングマシン (MDX−650))が必要となる。
そこで、本発明に係る圧電素子変位拡大機構及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置は、加工装置の切削具であるスピンドルに替え、着脱式ツーリング部に簡単に着脱可能で、圧電素子を備え、当該圧電素子から所定の変位を得て、これを必要な変位に拡大して、その拡大された変位をシボ加工に応用可能な加工装置を提供しようとするものである。
特開2007−166714号
本発明に係る圧電素子変位拡大機構及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置は、加工装置の着脱式ツーリング部に簡単に着脱可能で、転がり軸を有することなく、駆動源に圧電素子を用いた圧電素子変位拡大機構の提供を目的とし、また、発生する圧電素子の変位を拡大することによって、加工装置の本来の主軸の上下動とは別に、付加的に微小移動を可能とする付加軸が配置されたシボ加工の表面テクスチャ加工装置の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本願請求項1に係る発明は、回転工具を含む加工装置の回転軸部に取付け可能な盤構造の圧電素子変位拡大機構であって、先端に切削工具を取り付けるスピンドルと、当該スピンドルに固定される可動盤と、加工装置のツーリング部に固定される圧電素子固定盤と、盤中心から放射状に所定の深さを有する切り欠き部を有し、圧電素子底部が前記切り欠き部から「Y」の距離だけ離れた位置で接し、前記切り欠き部の中心から「X」の距離だけ離れた周縁位置裏面が当該可動盤表面に接し、前記圧電素子固定盤に固定された圧電素子の変位を受けて、X/Y倍に拡大して前記可動盤に伝達する変位拡大盤と、前記可動盤裏面で前記圧電素子固定盤と所定の間隔で固定配置され、前記可動盤に接し、配置される弾性体突起で、前記変位拡大盤からの変位がないときに前記可動盤を復帰位置まで戻す弾性体支持盤と、からなることを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に係る圧電素子変位拡大機構において、前記圧電素子固定盤、前記変位拡大盤、前記弾性体支持盤のそれぞれには、その中心部に前記スピンドルを挿通するスピンドル貫通孔が設けられたことを特徴とする。
さらに、本願請求項3に係る発明は、前記請求項1に係る圧電素子変位拡大機構において、前記圧電素子固定盤、前記変位拡大盤、前記弾性体支持盤のそれぞれが透明樹脂材質によって成型されたものであることを特徴とする。
また、本願請求項4に係る発明は、表面テクスチャ加工装置であって、前記請求項1に係る圧電素子変位拡大機構と、制御PCと、ファンクションジェネレータと、圧電素子ドライバと、XYZ軸ステージとからなり、前記圧電素子ドライバと同期駆動する表面テクスチャ加工プログラムを前記制御PCに格納したことを特徴とする。
上記のような構成としたので、本発明に係る圧電素子変位拡大機構及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置は、加工装置の着脱式ツーリング部に簡単に着脱可能で、駆動源に圧電素子を用いた圧電素子変位拡大機構とすることができ、また、この圧電素子変位拡大機構を加工装置の着脱式ツーリング部に簡単に装着して、およそ約200μm程度の範囲で切削工具を上下動させつつXY方向に移動可能とするシボ加工用表面テクスチャ加工装置とすることができる。
図1は、本発明に係る圧電素子変位拡大機構1の概略を示す図、 図2は、本実施例1の圧電素子変位拡大機構1に使用される圧電素子2の概略を示す図、 図3は、前記圧電素子固定盤4の概略を示す図、 図4は、前記変位拡大盤3を裏から見た概略を示す図、 図5は、前記分割面17で二つに分かれた変位拡大盤部材3a、3bのうち、の一方の変位拡大盤部材3aを裏から見た図、 図6は、同変位拡大盤部材3aに前記圧電素子2を挿通した概略を示す図、 図7は、前記圧電素子2底部の半球12から前記圧電素子挿通孔18の底部に圧電素子変位が加えられることによって、当該変位拡大盤部材3の周縁位置の裏面に設けられた半球10に拡大される変位が発生することを示す図、 図8は、前記可動円盤7及びスピンドル8の概略を示す図、 図9は、前記弾性体支持盤6及びその上に配置される弾性体突起9a、9bの概略を示す図、 図10は、本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1に使用される弾性体の概略を示す図、 図11は、直流波形(−10〜+10)を前記圧電素子2に与え、その出力(v)並びに変位(μm)を測定した結果を示す図、 図12は、その電圧に対する変位のグラフ図、 図13は、周波数(1〜100)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の正弦波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図、 図14は、周波数(5、10)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の矩形波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図、 図15は、周波数(5〜50)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の三角波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図、 図16は、図15の波形写真を示す図、 図17は、直流波形(−10〜+10)を前記圧電素子2に与え、その出力(v)並びに変位(μm)を測定した結果を示す図、 図18は、その電圧に対する変位のグラフ図、 図19は、周波数(1〜100)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の正弦波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図、 図20は、図19の波形写真を示す図、 図21は、周波数(1〜10)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の矩形波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図、 図22は、図21の波形写真を示す図、 図23は、周波数(1〜50)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の三角波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図、 図24は、本発明に係る圧電素子変位拡大機構を利用する表面テクスチャ加工装置の実施例2のシステム概略を示す図、 図25は、前記制御PC内に格納される前記本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1を駆動するための動作フローを示す図、 図26は、シボ加工のライン切削プログラムの設定値の入力画面の例を示す図、 図27は、正弦波についての検証結果を示す図、 図28は、三角波についての検証結果を示す図、 図29は、矩形波についての検証結果を示す図、 図30(A)は、「自動車のダッシュボード」のシボ加工の例を示す図、同図30(B)は、「ノート形パソコンのボディー」のシボ加工の例を示す図、同図30(C)は、「革シボ」のシボ加工の例を示す図である。
本発明に係る圧電素子変位拡大機構及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置の発明について、それを実施するための形態である圧電素子変位拡大機構の実施例1及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置の実施例2のそれぞれについて図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る圧電素子変位拡大機構1の概略を示す図であり、加工装置MDX−650(図示外)のツーリング部に装着されているスピンドルを取り外し、替わりに着脱可能に構成される複数の円盤からなるものである。図1において、1は、圧電素子変位拡大機構を示し、符号2a、2bは、圧電素子、3は、変位拡大盤、4は、圧電素子固定盤、5は、マシン固定部、6は、弾性体支持盤、7は、可動円盤、8は、スピンドル、9a、9bは、弾性体突起、10a、10bは、前記変位拡大盤3の周縁裏面に突出する直径25mmの半球である。
なお、本実施例1における圧電素子変位拡大機構1は、二つの圧電素子2a、2b及びこの二つの圧電素子2a、2bからの変位を分割される二つの部材からなる変位拡大盤部材3a、3bからなることを特徴とし、上記圧電素子2a、2b及び変位拡大盤部材3a、3bは同じ材質、同じ形状のものである。よって、以降は、一つの圧電素子を示す場合には、「圧電素子2」、「変位拡大盤部材3」の如く記載して説明する。
該圧電素子変位拡大機構1は、上から順に内部に前記マシン固定部5、圧電素子固定盤4、圧電素子2a、2b、変位拡大盤3、可動円盤7、弾性体支持盤6が組み立てられるもので、加工装置(図示外)のツーリング部に着脱可能に取り付けられるものである。
図2は、本実施例1の圧電素子変位拡大機構1に使用される圧電素子2の概略を示す図であり、当該圧電素子2a、2bは、チタン酸ジルコン酸鉛(一般式:PbZr1−XTi)からなり、電圧がかかると伸縮する圧電素子で分解能に優れ、摩耗や劣化などがない特性を有する。本実施例1においては、nDimension Technologies社製圧電素子である高さ:44mm、直径:20.5mmφの製品NCZ−20を使用した。この圧電素子の特性は、伸び幅:20μm、位置決め精度±0.1nm、電圧範囲:−10〜+10(V)、最大出力:600M、剛性:20N/nmの仕様のものであり、図2に示すように、当該圧電素子2a、2bの底部には、そのほぼ中心位置が頂点となる直径20mmの半球12を使用した。なお、図2において、符号12は、前記圧電素子2a、2bの底部に設けられる前記半球12であり、13、13、・・・は、当該半球12を接合するネジである。
また、図3は、前記圧電素子固定盤4の概略を示す図であり、図3に示されるように、前記圧電素子固定盤4は、前記圧電素子2a、2bが配置される圧電素子取付け穴14a、14bが設けられ、中心部にスピンドル貫通孔15を有する。当該圧電素子固定盤4は、外径φ70でブッシュ11を収納するためにφ50、深さ20mmの窪みを有する。なお、該ブッシュ11は、前記圧電素子固定盤4の内部に配置され、前記スピンドル8の上端を固定する耐摩耗性に優れた、例えば、SUJ2(高炭素クロム軸受鋼)製の部材であり、前記圧電素子固定盤4に装着される底面φ48高さ42mm、中心に前記スピンドル8を貫通させる内径φ20の穴が開けられる。
図4は、前記変位拡大盤3を裏から見た概略を示す図であり、前記変位拡大盤3は、外径φ70で中心に内径φ21のスピンドル貫通孔15が設けられ、全体として、分割面17で大きく二つに分かれた同一形状の変位拡大盤部材3a、3bからなる。図5は、前記分割面17で二つに分かれた変位拡大盤部材3a、3bのうち、の一方の変位拡大盤部材3aをから見た図であり、図6は、同変位拡大盤部材3aに前記圧電素子2を挿通した概略を示す図である。
図4ないし図6において、符号10a、10bは、当該変位拡大盤部材3aの周縁位置の裏面に突出する直径25mmの前記半球であり、15は、前記スピンドル貫通孔、16a、16bは、前記変位拡大盤3において、その中心から放射状に所定の深さを有して設けられた切り欠き部、17は、前記分割面、18は、前記圧電素子2が挿入される圧電素子挿通孔、19は、前記切り欠き部16a、16bの裏面に設けられた切り溝である。
図4ないし図6に示すように、前記変位拡大盤部材3aは、中心から放射状に所定の深さを有する設けられた切り欠き部16a、16bを有し、また、当該切り欠き部16の裏面には、所定深さの切り溝19を有すると共に、その所定の周縁位置の裏面に突出する直径25mmの前記半球10を有する部材である。そして、前記切り欠き部16の近辺には、前記圧電素子2が挿入される圧電素子挿通孔18が設けられ、当該圧電素子挿通孔18の底部を前記圧電素子2の底部に設けられた前記半球12が接するように配置され、前記圧電素子2で発生した圧電素子の変位を当該変位拡大盤部材3に伝達する構造を有する。
また、図7は、前記圧電素子2底部の半球12から前記圧電素子挿通孔18の底部に圧電素子変位が加えられることによって、当該変位拡大盤部材3の周縁位置の裏面に設けられた半球10に拡大される変位が発生することを示す図である。すなわち、前記圧電素子2底部半球12の中心が、前記切り欠き部16の中心から「Y」の距離だけ離れ、一方、前記変位拡大盤部材3aの周縁位置裏面に設けられた半球10の中心が、前記切り欠き部16の中心から「X」の距離だけ離れた位置に配置されるとすると、この距離「X」、「Y」の比により、テコの原理により、変位が拡大され、前記半球10に発生する変位量が定まるものである。
なお、本実施例1においては、前記圧電素子2底部半球12を前記圧電素子2の円筒中に設けたが、これは、半球形状に限られるものではなく、前記圧電素子挿通孔18の底部内において、前記半球12の頂点に相当する突出部を前記切り欠き部16に近づけたり、また、遠ざけたりすることによって、前記「X」「Y」の比を変更することができる。
図8は、前記可動円盤7及びスピンドル8の概略を示す図である。当該可動円盤7素材としてはアルミニウム材質で外径φ70の形状からなり、前記スピンドル8に固定されており、前記可動円盤7が前記変位拡大盤部材3の裏面周縁半球10から変位を受けて当該可動円盤7が下方に押し下げられ、当該可動円盤7は前記スピンドル8と固定されているので、その結果、該スピンドル8が前記半球10の変位に伴って下方に押し下げられることとなる。本実施例1においては、取り付けるスピンドル8は、例えば、外径φ20、回転速度60,000min−1、スピンドル精度1μm以内、最大出力250W、重量230gのNSK(ナカニシ)製のEM20−S6000を用いた。
図9は、前記弾性体支持盤6及びその上に配置される弾性体突起9a、9bの概略を示す図である。図9において、15は、スピンドル貫通孔である。前記変位拡大盤3からの入力がない場合には、当該弾性体支持盤6の二つの弾性体突起9a、9bによって前記可動円盤7を上に押し上げる。また、当該弾性体支持盤6は、前記スピンドル8を通すために中央に内径φ21のスピンドル貫通孔15が設けられる。
なお、前記弾性体突起9a、9bは、数1に示されるバネ定数を有する材質で、図10に示す形状のものを使用した。
Figure 0005327447
このように本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1は、複数の円盤状の各部材が積層した構造を有し、前記表面テクスチャ加工装置等の加工装置のツーリング部の切削スピンドルを取り外し、このスピンドルに替え、容易に取付け可能な円盤構造の圧電素子変位拡大機構である。すなわち、本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1に使用される前記スピンドル8は、前記可動盤7に固定され、前記加工装置に駆動されて加工される。そして、前記スピンドル8の先端には切削工具が取り付けられる。
また、前記可動盤7以外の本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1の構成する各部材は、内部に前記スピンドル8が貫通する貫通孔15を有し、前記スピンドル8は、これらの貫通孔15に挿通される。その上で、本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1は、先端に前記弾性体支持盤6が固定配置され、その上に、前記可動盤7、その上に前記変位拡大盤3、その上に前記圧電素子固定盤4が配置され、全体として前記加工装置のツーリング部に固定配置される。
したがって、前記スピンドル8の先端に取り付けられる切削工具は、加工装置から駆動力を得て、被加工製品の表面加工を行うこととなる。一方、このスピンドル8に固定される可動盤7は、その上方に配置された変位拡大盤3からの変位(上下動)を得て、被加工製品の表面加工に際し、テクスチャ加工を可能とする。本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1は、前記変位拡大盤3の変位(上下動)をその上方に配置された圧電素子の変位を拡大して得ようというものであり、前記圧電素子の変位を前記変位拡大盤3で拡大して、その拡大された変位により、前記可動盤7を下に押し下げ、また、変位がないときには、前記弾性体支持盤6の弾性体突起9a、9bにより、前記可動盤7を上方に押し上げ復帰させることにより、前記スピンドル8の先端に取り付けられた切削工具を最大200μmの範囲で上下動させるものである。なお、前記圧電素子2に加えられる電圧・周波数に関しても、別途の表面加工プログラムにより、前記圧電素子2に入力されることとなる。
次に、上記のように構成された本実施例1に係る変位拡大機構1の変位応答性について検証した。
検証は、本実施例1に係る前記変位拡大機構1から、前記可動円盤7と前記スピンドル8及び前記弾性体支持盤6を外した場合と、前記可動円盤7と前記スピンドル8及び前記弾性体支持盤6を装着した場合の二つの場合に分けて検証した。
本実施例1に係る前記変位拡大機構から、前記可動円盤7と前記スピンドル8及び前記弾性体支持盤6を外した場合には、前記変位拡大盤3の裏面の半球10にアルミ板を水平になるように両面テープで固定し、当該アルミ板にレーザー変位計のレーザーを照射し、その移動変位を測定した。
図11から図16は、本実施例1に係る前記変位拡大機構から、前記可動円盤7と前記スピンドル8及び前記弾性体支持盤6を外した場合について、それぞれの周波数、電圧についての、直流電圧、正弦波、矩形波、三角波について検証を行った。図11は、直流波形(−10〜+10)を前記圧電素子2に与え、その出力(v)並びに変位(μm)を測定した結果を示す図である。図12は、その電圧に対する変位のグラフ図である。
図13は、周波数(1〜100)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の正弦波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図であり、下図にその波形写真を示す。図14は、同じく周波数(5、10)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の矩形波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図であり、下図にその波形写真を示す。図15は、同じく周波数(5〜50)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の三角波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図であり、図16にその波形写真を示す。
次に、本実施例1に係る前記変位拡大機構1に前記可動円盤7と前記スピンドル8及び前記弾性体支持盤6を装着した場合について、前記スピンドル8に刃を逆さに装着し、先端にアルミ板を水平になるように接着剤で固定し、そのアルミ板に先のレーザー変位計のレーザーを照射し、その移動変位を測定した。
図17から図23は、本実施例1に係る前記変位拡大機構1に前記可動円盤7と前記スピンドル8及び前記弾性体支持盤6を装着した場合について、それぞれの周波数、電圧についての、直流電圧、正弦波、矩形波、三角波について検証を行った。図17は、直流波形(−10〜+10)を前記圧電素子2に与え、その出力(v)並びに変位(μm)を測定した結果を示す図である。図18は、その電圧に対する変位のグラフ図である。
図19は、周波数(1〜100)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の正弦波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図であり、図20にその波形写真を示す。図21は、同じく周波数(1〜10)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の矩形波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図であり、図22にその波形写真を示す。図23は、同じく周波数(1〜50)(Hz)、電圧(1〜10)(V)の三角波を与え、その出力(V)並び変位(μm)を測定した結果を示す図であり、下図にその波形写真を示す。
この検証により、本実施例1に係る変位拡大機構1によれば、約25μmの圧電素子の変位を1.5倍の約40μmの変位に拡大できることが検証された。
次に、上記の実施例1に係る変位拡大機構1を利用して、これを表面テクスチャ加工装置に応用する本発明に係る圧電素子変位拡大機構を利用する表面テクスチャ加工装置の実施例2を図面に基づいて詳細に説明する。
図24は、本発明に係る圧電素子変位拡大機構を利用する表面テクスチャ加工装置の実施例2のシステム概略を示す図であり、図24において、1は、本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1、21は、制御PC、22は、ファンクションジェネレータ、23は、圧電素子ドライバ、24は、X、Yである。
本実施例2に係る表面テクスチャ加工装置によって、前述のシボ加工を行うものであり、本実施例2に係る表面テクスチャ加工装置システム20においては、図示外の一般的工作機械である加工装置(図示外)のツーリング部からスピンドルを外し、そのスピンドルに替え、前記本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1を装着して、本実施例2のシステムは完成する。しかしながら、前記本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1の前記スピンドル8の駆動は、当該加工装置(図示外)によって達成され、その加工装置の仕様は、例えば次のものである。電源(AC100から240V)、回転速度(5,000〜60,000min−1)、定格消費電流(1.8A)、最大出力(250W)、重量(2.8kg)。そして、本実施例2に係る表面テクスチャ加工装置システム20においては、切削工具のX、Y及びZ方向の制御は、前記制御PC21に格納された制御プログラムによって実施されるので、ここではその詳しい説明は省略する。
ただ、前記シボ加工に必要な最大100〜200μmの切削具の上下動に関しては、同制御PC内に別途格納される別途のプログラムによって実行されるため、前記制御プログラムに付け加えてシボ加工プログラムが実行される。したがって、そのシボ加工に必要なプログラムのシーケンスについて説明する。
図25は、前記制御PC内に格納される前記本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1を駆動するための動作フローを示す図であり、その動作は、次のようなフローによって達成される。
すなわち、(1)XYZ軸ステージの位置、電圧、周波数を前記制御PC21に入力、(2)前記制御PC21では、入力された電圧・周波数に対応させて必要な圧電素子2の駆動量を前記ファンクションジェネレータ22に出力する。(3)ファンクションジェネレータ22では、前記本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1のZ方向の移動信号を生成し、それを前記圧電素子ドライバ23に出力する。(4)前記圧電素子ドライバ23では、入力信号に応じて必要な電圧。周波数からなる信号を前記圧電素子2に出力する。(5)前記圧電素子2では、入力された信号に応じて、圧電素子2が伸縮変位する。(6)前記本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1では、圧電素子2の変位を約1.5倍程度に拡大してスピンドル8に伝達し、その先端に取り付けられた切削具で表面切削を行う。(7)前記X、Y、Z軸ステージ24では、前記スピンドル8位置を捕捉し、その結果を前記制御PCに送り、次の切削に備える。
図26は、シボ加工のライン切削プログラムの設定値の入力画面の例を示す図である。図26に示すように、本システム20によってシボ加工を実行するためには、(イ)X/Y軸の初期位置指定、(ロ)Z軸位置指定、(ハ)切削ライン間隔指定、(ニ)ステージの送り速度指定、(ホ)切削ライン本数指定、(ヘ)加工する波形の正弦波・三角波・矩形波の別を指定、(ト)一定量だけ波形を移動させるオフセット電圧指定等の入力によってシボ加工を実行する。なお、このシボ加工を実行するためのX−Y軸ステージの仕様としては、移動方向(X−Y軸2方向)、移動量(±5mm)、分解能(1μm)が要求される。
このようにして、各周波数・電圧について、正弦波・三角波・矩形波についての出力(V)及び変位(5μm/v)を検証した。
図27は、正弦波についての検証結果を示す図であり、図28は、三角波についての検証結果を示す図であり、図29は矩形波についての検証結果を示す図である。
このようにして得られるシボ加工の例について説明する。本実施例2に係る表面テクスチャ加工装置によって、シボ加工を行うことにより、例えば、図30(A)に示される「自動車のダッシュボードの例」のシボ加工や、同図30(B)に示される「ノート形パソコンのボディーの例」のシボ加工や、同図30(C)に示される「革シボの拡大図」等のシボ加工が可能となる。
上記本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1については、単に加工装置に装着可能として説明した。
しかし、本実施例1に係る圧電素子変位拡大機構1は、大学実験室内で生まれた発明に係るもので、学生実習において学生に理解容易なように、前述の各部材を原則としてアクリル樹脂により製作した。すなわち、本実施例3に係る圧電素子変位拡大機構30において、前記圧電素子固定盤4を透明アクリル樹脂からなる圧電素子固定盤31に、前記変位拡大盤3を透明アクリル樹脂からなる変位拡大盤32に、前記弾性体支持盤6を透明アクリル樹脂からなる弾性体支持盤33としたものである。なお、本実施例3においては、前記可動盤34は、前記半球10で押圧されるため強度不足・摩耗性を懸念して金属製の可動盤34としたが、これは、上述と同じようにアクリル樹脂製の可動盤としても良く、あるいは、アクリル製の両表面に金属円盤を別途貼り合わせたものであっても良いものである。
このように各部材を透明なアクリル樹脂部品とすることにより、例えば、内部の圧電素子の取付け、中心を走るスピンドル位置等が目視でき、機構構造を容易に理解可能となるものである。
本発明は、表面テクスチャ加工装置のツーリング部に容易に取付け可能な圧電素子変位拡大機構及びそれを利用する表面テクスチャ加工装置に利用できる。
1 変位拡大機構
2,2a、2b 圧電素子
3 変位拡大盤
3a、3b 変位拡大盤部材
4 圧電素子固定盤
5 マシン固定部
7 可動円盤
8 スピンドル
9a、9b 弾性体突起
10、10a、10b 半球
11 ブッシュ
12,12a、12b 半球
13 ネジ
14,14a、14b 圧電素子取付け穴
15 スピンドル貫通孔
16、16a、16b 切り欠き部
17 分割面
18 圧電素子挿通孔
19 切り溝
20 表面テクスチャ加工装置システム
21 制御PC
22 ファンクションジェネレータ
23 圧電素子ドライバ
24 XYZ軸ステージ
30 変位拡大装置
31 圧電素子固定盤
32 変位拡大盤
33 弾性体支持盤
34 可動盤

Claims (4)

  1. 回転工具を含む加工装置の回転軸部に取付け可能な盤構造の圧電素子変位拡大機構であって、
    先端に切削工具を取り付けるスピンドルと、
    当該スピンドルに固定される可動盤と、
    加工装置のツーリング部に固定される圧電素子固定盤と、
    盤中心から放射状に所定の深さを有する切り欠き部を有し、圧電素子底部が前記切り欠き部から「Y」の距離だけ離れた位置で接し、前記切り欠き部の中心から「X」の距離だけ離れた周縁位置裏面が当該可動盤表面に接し、前記圧電素子固定盤に固定された圧電素子の変位を受けて、X/Y倍に拡大して前記可動盤に伝達する変位拡大盤と、
    前記可動盤裏面で前記圧電素子固定盤と所定の間隔で固定配置され、前記可動盤に接し、配置される弾性体突起で、前記変位拡大盤からの変位がないときに前記可動盤を復帰位置まで戻す弾性体支持盤と、
    からなることを特徴とする圧電素子変位拡大機構。
  2. 前記圧電素子固定盤、前記変位拡大盤、前記弾性体支持盤のそれぞれには、その中心部に前記スピンドルを挿通するスピンドル貫通孔が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子変位拡大機構。
  3. 前記圧電素子固定盤、前記変位拡大盤、前記弾性体支持盤のそれぞれが透明樹脂材質によって成型されたものであることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子変位拡大機構。
  4. 前記請求項1に記載の圧電素子変位拡大機構と、制御PCと、ファンクションジェネレータと、圧電素子ドライバと、XYZ軸ステージとからなり、前記圧電素子ドライバと同期駆動する表面テクスチャ加工プログラムを前記制御PCに格納したことを特徴とする表面テクスチャ加工装置。
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