JP2019217609A - 圧電アクチュエータ及びマニピュレータ - Google Patents

圧電アクチュエータ及びマニピュレータ Download PDF

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Abstract

【課題】モータにより回転するとともに、圧電素子により軸方向に動く回転軸を有し、回転軸の回転力が圧電素子に伝わらず、かつモータにかかる軸方向の負荷を低減できる圧電アクチュエータ及びマニピュレータを提供する。【解決手段】圧電アクチュエータ50は、先端部にツール120が設けられる回転軸54と、回転軸54を回転させるモータ72と、回転軸54を回転可能に支持する少なくとも2つの転がり軸受60,62と、転がり軸受の内輪60a,62aの間に配置される内輪間座64と、内輪60a,62aと内輪間座64とを、回転軸54の軸方向に動かないように固定する固定部材56と、外輪62bに直接または間接的に当接する圧電素子68と、モータの軸72aと回転軸54とを接続するカップリング74と、を備え、カップリング74は、回転軸54の軸方向への変位量を吸収可能にモータの軸72aと回転軸54とを接続している。【選択図】図4

Description

本発明は、圧電アクチュエータ及びマニピュレータに関する。
従来から、マニピュレータ等の微細な作業を行う各種装置において、μm単位等の微細な位置決めを行うために、圧電素子を使用した圧電アクチュエータが使用されている。また、圧電アクチュエータは、微細加工を行う工作機械等で、超音波振動を発生させるのに使用されることもある。
このような圧電アクチュエータの一例として、例えば、特許文献1または特許文献2に記載の圧電アクチュエータ(超音波加工機、超音波ミリング装置)のように、圧電素子により軸(スピンドル、主軸)を軸方向に動かすとともに、モータにより軸(スピンドル、主軸)を回転させるものが知られている。
また、圧電アクチュエータの他の例として、例えば、特許文献3に記載のものが知られている。この圧電アクチュエータは、微小な操作対象物を操作するためのキャピラリを微動駆動するものであり、主には細胞等の微小な操作対象物を操作するのに用いられる。具体的には、例えば、細胞へのインジェクションを行うために用いられたりする。このため、軸(ピペット保持部材)は回転しないほうが望ましく、回り止め機構等により軸が回転しないように構成されている。このように回転しないように構成された軸については、モータ等により回転させることは通常考えにくい。換言すると、特許文献3に記載の圧電アクチュエータは、軸を回転させる本願発明の圧電アクチュエータとは、基本的な構成や生じる課題が全く異なるものである。
また、圧電アクチュエータの他の例として、例えば、特許文献4に記載のものが知られている。この圧電アクチュエータも、特許文献3に記載のものと同様に、微小な操作対象物を操作するためのキャピラリを微動駆動するものである。この圧電アクチュエータは、中空モータの回転を直線運動に変換して、圧電アクチュエータの先端部に設けられたキャピラリを軸方向に粗動させるとともに、圧電素子の力を利用してキャピラリを軸方向に微動させるものである。換言すると、操作対象物としての細胞等に実際に作用するキャピラリは回転しないようになっている。したがって、特許文献4に記載の圧電アクチュエータは、操作対象物に作用するツールを軸とともに回転させる本願発明の圧電アクチュエータとは、基本的な構成や生じる課題が全く異なるものである。
特開2009−028882号公報 特開2002−219606号公報 特開2013−240875号公報 特開2009−211024号公報
ところで、特許文献1や2に記載の圧電アクチュエータにおいては、軸の回転に伴って、圧電素子も回転するようになっている。このため、圧電素子への給電には、スリップリングや給電ブラシを利用しなければならず、耐久性やノイズ等の不安があるという問題があった。
また、特許文献4に記載の圧電アクチュエータにおいては、軸の回転に中空モータが用いられている。これに対し、モータの選択の幅を広げるためには、回転する軸を有するモータを適用可能とすることが望ましい。しかし、モータの軸と回転させたい回転軸とを直結したり、一体に成形してしまったりすると、回転軸が軸方向に動いたときに、モータに軸方向の負荷がかかってしまうという問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、モータにより回転するとともに、圧電素子により軸方向に動く回転軸を有し、回転軸の回転力が圧電素子に伝わらず、かつモータにかかる軸方向の負荷を低減できる圧電アクチュエータ及びマニピュレータを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の圧電アクチュエータは、先端部に、操作対象物に作用するツールが設けられる回転軸と、前記回転軸を回転させるモータと、前記回転軸を回転可能に支持する少なくとも2つの転がり軸受と、隣り合う前記転がり軸受の内輪の間に配置される内輪間座と、前記内輪と前記内輪間座とを、前記回転軸の軸方向に動かないように固定する固定部材と、前記隣り合う転がり軸受のうちの一方の外輪に直接または間接的に当接されて、前記軸方向に伸縮可能な圧電素子と、前記モータの軸と前記回転軸とを接続するカップリングと、を備え、前記カップリングは、前記回転軸の前記軸方向への変位量を吸収可能に前記モータの軸と前記回転軸とを接続していることを特徴とする。
また、本発明のマニピュレータは、前記構成の圧電アクチュエータを備えることを特徴とする。
本発明によれば、圧電素子が伸縮すると、転がり軸受の外輪に加わる圧電素子からの押圧力の変化により転がり軸受が変形し、回転軸が軸方向に微動する。また、モータが回転すると、この回転力が回転軸を介してツールに伝わり、ツールが回転する。また、回転軸は、転がり軸受の内輪と固定されているので、回転軸が回転したときに、転がり軸受の外輪は回転しない。したがって、回転軸が回転しても、外輪を直接または間接的に押圧する圧電素子には、この回転力は伝わらない。
また、カップリングが、回転軸の軸方向への変位量を吸収可能に、モータの軸と回転軸とを接続しているので、回転軸が圧電素子の伸縮により軸方向に動いた場合に、モータにかかる軸方向の負荷が低減される。さらに、モータの軸と回転軸とをカップリングにより接続することにより、モータの選択の幅が広がる。
また、本発明の前記構成において、前記固定部材は、前記隣り合う転がり軸受の内輪及び前記内輪間座と、前記回転軸との間に介装され、前記回転軸を着脱可能に保持する軸ホルダーであってもよい。
このような構成によれば、回転軸は、カップリングによりモータと接続され、軸ホルダーに着脱可能に保持されているので、圧電アクチュエータから容易に取り外すことができる。したがって、圧電アクチュエータの用途に応じて回転軸を交換したり、回転軸の劣化に応じて回転軸を交換したりすることが容易となる。
また、本発明の前記構成において、前記回転軸は、前記先端部に、前記ツールが着脱可能に取り付けられるツール取付部を有し、前記ツールは、前記ツール取付部に着脱可能に設けられていてもよい。
このような構成によれば、ツールは、ツール取付部に着脱可能に設けられるので、回転軸から容易に取り外すことができる。したがって、圧電アクチュエータの用途に応じてツールを交換したり、ツールの劣化に応じてツールを交換したりすることが容易となる。
また、本発明の前記構成において、前記ツールは、前記回転軸と一体に設けられていてもよい。
このような構成によれば、ツールと回転軸とが一体となっているので、ツール及び回転軸の先端部分の耐久性を高めることができる。
本発明の圧電アクチュエータ及びマニピュレータによれば、モータにより回転するとともに、圧電素子により軸方向に動く回転軸を有し、回転軸の回転力が圧電素子に伝わらず、かつモータにかかる軸方向の負荷を低減できる。
第1の実施の形態に係るマニピュレータシステムの要部を示す斜視図である。 同、マニピュレータシステムの概略構成を示す図である。 同、圧電アクチュエータを示す斜視図である。 同、圧電アクチュエータを示す断面図である。 同、マニピュレータシステムの制御ブロック図である。 同、マニピュレータシステムによる操作対象物の操作の一例を示すもので、(a)はツールで異物を採取する前を示す図であり、(b)はツールで異物を採取した後を示す図である。 第2の実施の形態に係る圧電アクチュエータを示す断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2は、本実施の形態に係るマニピュレータを使用したシステムを示す図である。マニピュレータシステム10は、操作の対象となる対象物(以下、操作対象物という)に人工操作を施すためのシステムである。マニピュレータシステム10は、顕微鏡ユニット12と、第一マニピュレータ14と、第二マニピュレータ16と、マニピュレータシステム10を制御するコントローラ18と、を備えている。顕微鏡ユニット12は、マニピュレータシステム10の左右方向中央部に配置されており、第一マニピュレータ14と第二マニピュレータ16とは、顕微鏡ユニット12を挟んで左右両側に分かれて配置されている。
顕微鏡ユニット12は、操作対象物を支持するテーブル20と、顕微鏡22と、カメラ24とを備えている。また、顕微鏡22は、テーブル20の直上に配置されている。また、カメラ24は、顕微鏡22と一体に設けられている。そして、テーブル20の上に置かれた物体は、顕微鏡22で拡大され、カメラ24で撮影されるようになっている。
第一マニピュレータ14は、顕微鏡ユニット12の右側(図2における右側)に設けられたアーム状となっている。また、第一マニピュレータ14は、圧電アクチュエータ50と駆動装置30とを備えている。また、第二マニピュレータ16は、顕微鏡ユニット12の左側(図2における左側)に設けられたアーム状となっている。また、第二マニピュレータ16は、支持ツール32と駆動装置34とを備えている。
駆動装置30,34は、圧電アクチュエータ50あるいは支持ツール32を支持するとともに、圧電アクチュエータ50あるいは支持ツール32を、図1に示すX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に、3次元的に移動させるものである。駆動装置30,34は、コントローラ18に接続されており、コントローラ18からの制御信号を受けて、圧電アクチュエータ50あるいは支持ツール32を移動させる。また、圧電アクチュエータ50は、コントローラ18に接続されており、コントローラ18からの制御信号を受けて、後述する回転軸54を微動させたり回転させたりする。
また、圧電アクチュエータ50と支持ツール32とはそれぞれ、その基端部側が駆動装置30,34に接続され支持されている。また、圧電アクチュエータ50と支持ツール32とは、この接続された基端部側を中心として、先端側が上下に揺動可能となっている。この基端部側を中心とした揺動は、作業者により手動で行われるようになっているが、後述する情報入力部140への操作に基づくコントローラ18からの制御信号により揺動するようになっていてもよい。
なお、本実施の形態においては、テーブル20も後述する情報入力部140への操作に基づくコントローラ18からの制御信号によってX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に3次元的に動くようになっているが、テーブル20は固定式のものであってもよく、手動で動かすものであってもよい。
次に、図3及び図4を参照しながら、圧電アクチュエータ50について説明する。なお、以下において、図4における左側(図3における左下側)を先端側(前側)といい、図4における右側(図3における右上側)を後端側(後側)という。
圧電アクチュエータ50は、ハウジング52と、回転軸54と、軸ホルダー56(中空部材)と、2つの転がり軸受60,62と、内輪間座64と、スペーサ66(カラー)と、圧電素子68と、間座70と、モータ72と、カップリング74と、を備えている。
なお、本実施の形態においては、モータ72は、ステッピングモータとなっているが、回転軸54を回転させることが可能であれば、その他のモータやその他の駆動源であってもよい。
ハウジング52は、ハウジング本体80と蓋82とを備えている。また、ハウジング本体80は、内周面が、円筒面状に形成されている。また、ハウジング本体80は、先端側と後端側とが開口している。また、蓋82は、ハウジング本体80の前端側に、ネジ84(締結具)によって取り付けられている。また、蓋82は、ハウジング本体80の内周面よりも径の小さい軸挿通孔82aを有している。
ハウジング本体80には、2つの転がり軸受60,62が収容されている。転がり軸受60,62は、それぞれ内輪60a,62aと、外輪60b,62bと、内輪60a,62aと外輪60b,62bとの間に挿入されたボール60c,62cと、を備えている。転がり軸受60,62は、各内輪60a,62aが軸ホルダー56を介して回転軸54の外周面に嵌合され、各外輪60b,62bがハウジング本体80の内周面に嵌合され、回転軸54をハウジング52に対して回転自在に支持している。換言すると、回転軸54は、転がり軸受60,62を介してハウジング52に支持されている。
回転軸54は、棒状(円柱状)となっている。なお、回転軸54は、中実であってもよく、中空であってもよい。回転軸54は、ハウジング52に挿通されており、蓋82の軸挿通孔82aを通って前方に延出した状態となっている。また、回転軸54と、ハウジング本体80の内周面と、軸挿通孔82aとは、同軸となっている。
軸ホルダー56は、略円筒状の軸ホルダー本体90と、クランピング92と、ロックナット94,96と、を備えている。そして、軸ホルダー56には、回転軸54が挿通されている。
クランピング92は、軸ホルダー本体90の先端側に、軸ホルダー本体90と一体に設けられている。クランピング92は、軸ホルダー本体90と同軸で、周方向の一部にスリット92aが形成された円筒状となっており、内側に回転軸54が挿通されるようになっている。また、クランピング92は締結具としてのネジ98を有しており、ネジ98が締められるとスリット92a部分の隙間が小さくなり、クランピング92の内径が狭まるようになっている。一方、ネジ98が緩められるとスリット92a部分の隙間が大きくなり、クランピング92の内径が広まるようになっている。そして、クランピング92のネジ98が締められることで、軸ホルダー56に回転軸54が固定され、クランピング92のネジ98が緩められることで、軸ホルダー56への回転軸54の固定が解かれるようになっている。
軸ホルダー本体90の外周面の先端側と後端側とには、ネジ加工が施されている。そして、先端側のネジ加工と後端側のネジ加工とに、ロックナット94,96がそれぞれ螺合している。また、ロックナット94とロックナット96との間には、転がり軸受60の内輪60a、内輪間座64、転がり軸受62の内輪62aが、先端側からこの順に配置されている。また、内輪60aと内輪間座64と内輪62aとは、隣接する部材どうしが互いに当接した状態となっている。そして、2つのロックナット94,96によって、回転軸54及び軸ホルダー56に対して、内輪60aと内輪間座64と内輪62aとが、回転軸54の軸方向に動かないように固定されている。
なお、内輪60a,62aと内輪間座64との、回転軸54への軸方向位置の固定は、軸ホルダー56を介さずに行ってもよい。すなわち、例えば、回転軸54の外周面にネジ加工を施し、このネジ加工にロックナット94,96を螺合させて内輪60a,62aと内輪間座64とを固定することとしてもよい。また、このような場合に、内輪60a,62a及び内輪間座64と回転軸54との間に、軸ホルダー56のような中空部材を介在させてもよいし、介在させずに内輪60a,62a及び内輪間座64を回転軸54に直接嵌合させてもよい。すなわち、本実施の形態においては、内輪60a,62a及び内輪間座64と回転軸54との間に介装された軸ホルダー56が、内輪60a,62a及び内輪間座64を、回転軸54に対して軸方向に動かないように固定する固定部材として機能しているが、例えば、ロックナット94,96のみを当該固定部材として使用する等してもよく、その他の方法により内輪60a,62aと内輪間座64とを、回転軸54の軸方向に動かないように固定してもよい。
後側の転がり軸受62の外輪62bの軸方向後端側には、略円筒状のスペーサ66が、転がり軸受60,62と同軸に配置されている。また、スペーサ66は、ハウジング本体80の内周面に正の隙間を持って嵌合している。また、スペーサ66は、後端側の内径が、先端側の内径よりも小さくなっている。また、スペーサ66の軸方向後端側には、略円筒状の圧電素子68が、転がり軸受60,62及びスペーサ66と同軸に配置されている。また、外輪62bとスペーサ66と圧電素子68とは、隣接する部材どうしが互いに当接した状態となっている。換言すると、圧電素子68は、スペーサ66を介して間接的に外輪62bと当接している。また、圧電素子68の後端側には、間座70が配置されている。
また、間座70は、その中央部にモータ72の軸72aが挿通される軸挿通孔70aを有している。また、間座70は、ハウジング52の蓋としても機能し、ハウジング本体80の後端に、ハウジング本体80の後側の開口を塞ぐようにして取り付けられている。具体的には、間座70は、図示しないネジ(締結具)によりハウジング本体80に固定されている。なお、間座70は、ハウジング本体80の軸方向後端側及び間座70にねじ加工を施して、両者を螺合することにより固定しても良いが、この場合、圧電素子68にねじりモーメントが生じる可能性がある。このため、間座70は、ネジ等により締結固定されることが好ましい。
また、間座70には、締結具としてのネジ102,102によって、モータ72が取り付けられている。そして、これにより、モータ72がハウジング52に対して固定されている。また、モータ72の軸72aは、間座70の軸挿通孔70aに挿通されている。
カップリング74は、略円筒状となっている。また、カップリング74の先端側の内周面には、回転軸54が嵌合しており、カップリング74の後端側の内周面には、モータ72の軸72aが嵌合している。そして、カップリング74と、回転軸54と、軸72aとは、同軸となっている。また、回転軸54の後端面と、モータ72の軸72aの先端面との間には、所定の隙間Gが形成されている。
モータ72の軸72aの回転は、カップリング74を介して回転軸54に伝わるようになっており、軸72aが回転すると回転軸54が回転する。また、回転軸54は、後述するように軸方向に変位するが、カップリング74は、この変位量を吸収可能に、モータ72の軸72aと回転軸54とを接続している。換言すると、カップリング74は、回転軸54が軸方向に変位した際に、モータ72の軸72aが軸方向に動かないように、軸72aと回転軸54とを接続している。
このような変位量の吸収は、軸方向に変形可能なカップリング74を用いることで実現される。具体的には、例えば、軸方向への弾性を有するカップリング74を用いることで実現される。このような構成によれば、回転軸54がモータ72側に向けて変位した際に、カップリング74が縮むことで、回転軸54の変位量がカップリング74に吸収される。また、回転軸54がモータ72とは逆側に向けて変位した際に、カップリング74が伸びることで、回転軸54の変位量がカップリング74に吸収される。
また、例えば、回転軸54をカップリング74に対して摺動可能にすることで軸方向への変位量を吸収してもよい。具体的には、例えば、回転軸54の外周面及びカップリング74の内周面の断面形状を互いに嵌合する多角形状等にすることで、回転軸54にモータ72の回転力を伝達しつつ、回転軸54をカップリング74に対して摺動可能とする等してもよい。
いずれの場合においても、回転軸54の後端面と軸72aの先端面との間に隙間Gが形成されていることにより、回転軸54の後端面と軸72aの先端面とが当接しないようにされている。換言すると、カップリング74内には、回転軸54の軸方向への移動量を吸収する空間が形成されている。
なお、モータ72の軸72aの回転に対して、回転軸54を精度よく回転させるためには、リジッドのカップリングで軸72aと回転軸54とを接続するか、軸72aと回転軸54とを一体的に成形してしまうことが望ましい。ただし、この場合、回転軸54が軸方向に変位した際にモータ72に軸方向の負荷がかかってしまう。したがって、この場合、軸72aが軸方向に変位可能なモータ72を使うことが望ましい。
以上のように、ハウジング本体80には、転がり軸受60,62、スペーサ66、圧電素子68が収容されており、ハウジング本体80の両端は、蓋82と間座70とによって塞がれている。また、間座70には、圧電素子68の後端面が当接している。また、蓋82には、転がり軸受60の外輪60bの前端面が当接している。また、蓋82は、転がり軸受60の内輪60a、回転軸54、軸ホルダー56には接しないようになっている。
ハウジング本体80への各部材の収容においては、後側から間座70、圧電素子68、スペーサ66、転がり軸受62、転がり軸受60と並べられた状態で、転がり軸受60の外輪60bの前端面とハウジング本体80の前端面との間に適切な差幅が生じるように各要素の軸方向寸法を設定することで、蓋82を閉めたときに、転がり軸受60と転がり軸受62とに、軸方向に沿った押圧力として予圧が付与されるとともに、圧電素子68にも予圧が付与される。これにより、転がり軸受60,62及び圧電素子68に所定の予圧が付与され、外輪60bと外輪62bとの間に軸方向間の距離としての隙間Pが形成される。
なお、転がり軸受60,62に付与する予圧は、回転軸54の回転を阻害しない程度の強さに設定されている。また、予圧(差幅)の調整は、例えば、スペーサ66等の長さを調整することにより行ってもよく、適当な厚さのシムを挿入することにより行ってもよい。
このように、高剛性のばね要素である転がり軸受60、62で予圧を負荷できるため、圧電素子68の予圧調整を容易に行うことができるとともに、高い応答性を達成できる。
また、圧電素子68はスペーサ66を介して転がり軸受62の外輪62bと接しているので、外輪62bと同じ径の圧電素子や、所定の予圧を付与可能な寸法の圧電素子といった、特別な形状の圧電素子を用いる必要がない。すなわち、図2の例では略円筒状とした圧電素子68を、棒状または角柱状としてスペーサ66の周方向に略等配となるように並べても良く、回転軸54を挿通する孔部を有した角筒状等としても良い。また、スペーサ66の形状を高精度とすれば、ハウジング52の内周面は転がり軸受60、62と嵌合する程度の精度で形成されているので、圧電素子68の個体差がある場合にも、転がり軸受62を均等に押圧することが可能となる。なお、圧電素子68と、外輪62bとは、スペーサ66を介さずに直接当接していてもよい。
なお、以下で「圧電素子が(略)同軸である」とは、単に円環状の圧電素子がある軸と中心軸を共有する場合のみを示すのではなく、圧電素子がある軸を中心とした円周上に略均等に配置されている場合や、ある軸が角筒の圧電素子の中心を通る場合等を含む。
圧電素子68は、リード線を介して制御回路としてのコントローラ18に接続されており、コントローラ18からの印加電圧に応じて回転軸54の長手方向(軸方向)に沿って伸縮するように構成されている。すなわち、圧電素子68は、コントローラ18からの印加電圧に応答して、回転軸54の軸方向に沿って伸縮し、回転軸54をその軸方向に沿って微動あるいは振動させるようになっている。
圧電素子68に印加する電圧の電圧波形としては、例えば、正弦波、矩形波、三角波などを用いることができる。また圧電素子68に電圧を印加する方法としては、作業者が後述するボタン144を押している間、信号波形を連続して出力する等してもよいし、バースト波形を使用してもよい。
本実施の形態においては、転がり軸受60、62のうち転がり軸受60の内輪60aと外輪60bとの相対的な変位量であって、圧電素子68の伸縮量の半分が回転軸54の変位量に設定されているため、圧電素子68には微動変位量の2倍の変位を与えるための制御電圧と初期設定電圧とを加算した微動用電圧を印加することになる。
例えば、圧電素子68に2xの伸びが生じたときには、この伸びによる押圧力は微動制御を行う前の予圧荷重に加えて転がり軸受62の外輪62bを押圧し、転がり軸受62の外輪62bを軸方向に2x移動させる。この際、外輪60b,62b間の隙間Pが2x分狭くなって圧電素子68の軸方向の伸びを吸収する。そして、この隙間Pの変位に伴って転がり軸受60、62が弾性変形し、転がり軸受60の内輪60aが外輪60bに対してx変位するとともに、転がり軸受62の内輪62aが外輪62bに対して−x(マイナスx)変位する。
逆に、圧電素子68が2x縮む(−2x変位する)と、転がり軸受62の外輪62bへの押圧力が減少し、転がり軸受62の外輪62bが−2x変位する。この際、外輪60b,62b間の隙間Pが2x分広くなる。そうすると、転がり軸受60、62の弾性変形がそれぞれxずつ減少するように、内輪60aと内輪62aとが、外輪60bと外輪62bとのそれぞれに対して変位する。
このように、隙間Pの変位2xを転がり軸受60、62がxずつ分けて吸収するので、転がり軸受60、62を互いに押圧する力がバランスしたときに、転がり軸受60、62の内輪60a、62aは、回転軸54とともに軸方向にx変位する。つまり、圧電素子68の伸縮量2xの半分が回転軸54の微動変位量xとなる。
なお、回転軸54の微動変位量は、例えば、数μm〜数十μmとすることが考えられるが、圧電アクチュエータ50の用途に応じて圧電素子68及び印加電圧を選択し、サブミクロンオーダー等で動かすようにしてもよい。
また、内輪間座64を介して前後に配置される転がり軸受はそれぞれ、本実施の形態のように1つずつではなく、複数あってもよい。また、必ずしも同種の転がり軸受や、同じ剛性の転がり軸受のみを圧電アクチュエータ50に用いなくてもよい。例えば、転がり軸受60の剛性を転がり軸受62の剛性よりも小さくすることで、圧電素子68の伸縮量に対する回転軸54の微動変位量を大きくすることができる。また、逆に、転がり軸受60の剛性を転がり軸受62の剛性よりも大きくすることで、圧電素子68の伸縮量に対する回転軸54の微動変位量を小さくすることができる。
回転軸54の先端部には、ツール取付部54aが形成されている。そして、ツール取付部54aには、ツール120が取り付け可能になっている。ツール120は、操作の対象となる操作対象物に実際に作用する部材であり、例えば、刃や、針や、ドリル、砥石、フライス(エンドミル)等である。ツール120は、圧電アクチュエータ50の用途に応じて選択される。また、本実施の形態においては、ツール120は、ツール取付部54aに着脱可能に取り付けられるようになっており、用途に応じて付け替えることが可能となっている。なお、ツール取付部54aへのツール120の取り付け機構については、各種の工具等において従来から用いられている機構から、用途に応じて適宜選択すればよい。
なお、ツール120と回転軸54とは、一体に構成されていてもよい。このようにすることで、回転軸54の先端部やツール120の耐久性を高めることができる。また、このような構成においても、回転軸54は、軸ホルダー56から取り外すことが可能となっているので、用途の変化や回転軸54の劣化等に応じて回転軸54を容易に交換することができる。
次に、コントローラ18によるマニピュレータシステム10の制御について図5を参照して説明する。図5は、マニピュレータシステムの制御系要部を示すブロック図である。
コントローラ18は、演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)及び記憶手段としてのハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのハードウエア資源を備え、所定のプログラムに基づいて各種の演算を行い、演算結果に従って各種の制御を行うように駆動指令を出力する。すなわち、コントローラ18は、第一マニピュレータ14の駆動装置30、圧電素子68、モータ72、第二マニピュレータ16の駆動装置34等を制御し、必要に応じて設けられたドライバやアンプ等を介してそれぞれに駆動指令を出力する。例えば、圧電素子68は、コントローラ18により制御される信号発生器130から発せられ、アンプ132で増幅された電圧信号により駆動される。
コントローラ18には、情報入力部140としてのジョイスティック142、複数のボタン144、キーボード、マウス等が接続されている。情報入力部140は、マニピュレータシステム10の各種装置を操作するためのもので、作業者によって操作されるものになっている。そして、情報入力部140は、作業者からの操作に応じた入力信号をコントローラ18に入力し、コントローラ18は、情報入力部140に対する作業者からの操作に応じた制御信号を、駆動装置30、34や圧電アクチュエータ50に出力するようになっている。
ジョイスティック142には、公知のものを用いることができる。ジョイスティック142は、基台と、基台から直立するハンドルとを有する。また、ジョイスティック142は、第一マニピュレータ14と第二マニピュレータ16とのそれぞれに対して1つずつ設けられている。そして、ジョイスティック142のハンドルを傾斜させることで、駆動装置30,34を駆動させ、圧電アクチュエータ50あるいは支持ツール32をX−Y軸方向に移動させることができるようになっている。また、ジョイスティック142のハンドルをねじることで駆動装置30,34を駆動させ、圧電アクチュエータ50あるいは支持ツール32をZ軸方向に移動させることができるようになっている。また、ボタン144は、ジョイスティック142に複数設けられており、圧電素子68の駆動に割り当てられたボタン144を押すことで圧電素子68を伸縮させ、モータ72の駆動に割り当てられたボタン144を押すことでモータ72を回転させることができるようになっている。
また、コントローラ18には液晶パネル等の表示部146が接続されている。また、表示部146には、カメラ24で取得した顕微鏡画像や各種制御用画面等が表示されるようになっている。そして、作業者は、テーブル20上に置かれた操作対象物を表示部146で観察しながら、作業を行うことができるようになっている。
なお、表示部146を介さず、顕微鏡22で拡大された操作対象物を直接観察するようになっていてもよい。また、表示部146は、タッチパネルとなっており、情報入力部140としても機能するものであってもよい。
また、コントローラ18は、第一マニピュレータ14及び第二マニピュレータ16を所定のシーケンスで自動的に駆動することも可能になっている。かかるシーケンス駆動は、所定のプログラムによるCPUの演算結果に基づいてコントローラ18が順次、それぞれに駆動指令を出力することで行われる。
また、圧電素子68には、圧電素子68の駆動のときにアンプ132から信号電圧が印加される一方、圧電素子68で発生する電圧に関する情報はコントローラ18に入力されるようになっている。
圧電素子は、ピエゾ素子ともいわれ、一般に、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する一方、機械エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。すなわち、圧電素子は、電圧を加えることで伸縮する一方、圧力を加えることで電圧を発生する。
本実施の形態では、圧電素子68は、ツール120の微動駆動のために設けられているが、ツール120が例えば後述するウェハ150に接触したとき、その接触による外力が圧電アクチュエータ50の回転軸54、転がり軸受60、62、スペーサ66等を介して圧電素子68に加わることにより発生する電圧に関する情報がコントローラ18に送られるようになっている。そして、コントローラ18は、圧電素子68に発生した電圧が例えば所定のレベルや電圧差以上となったときに、警告ランプ(図示せず)を光らせたりスピーカー(図示せず)から警告音を発したりして作業者に報知したり、ツール120の駆動を停止するように制御したりする。
ここで、マニピュレータシステム10の活用例として、マニピュレータシステム10を異物のサンプリングに使用する場合について図6を参照して説明する。当該マニピュレータシステム10は、半導体の製造工程において、ウェハ150(半導体ウェハ)上に発生した異物152(例えば、長さがμm単位の異物)を採取するために用いられる。また、当該マニピュレータシステム10においては、回転軸54のツール取付部54aには、ツール120としての刃120aが取り付けられている。
採取を開始する前の準備として、まず、テーブル20上にウェハ150を載置し、ウェハ150上の異物152が表示部146に表示されるように、ウェハ150の配置や顕微鏡ユニット12の設定を調整する。また、圧電アクチュエータ50及び支持ツール32をその基端部を中心に揺動させ、ウェハ150に対する角度を調整する。
ウェハ150は、公知の手段により、テーブル20に対して固定されるようになっている。例えば、ウェハ150を挟んで固定するクリップ等の固定手段がテーブル20に設けられていてもよく、ウェハ150を吸着して固定する固定手段がテーブル20に設けられていてもよい。
採取の準備が完了したら、操作対象物としての異物152の採取を開始する。作業者は、基本的に表示部146を見ながら採取を行うようになっており、図6は、このときの表示部146の表示を示すものである。
採取においては、まず、モータ72を回転させることで回転軸54の先端に設けられた刃120aを(図6(a)に示すR方向へ)回転させ、刃120aをウェハ150から異物152を剥がしとるのに適した角度に調整する。次いで、駆動装置30を駆動させ、刃120aが異物152の近傍に位置するように、圧電アクチュエータ50を移動させる。次いで、圧電素子68を微動させることで刃120aを回転軸54の軸方向(図6(a)に示すS方向)に微動させて異物152に刃120aを当て、異物152を刃120aに付着させる(図6(b)参照)。次いで、駆動装置30を駆動させ、ウェハ150から刃120aを遠ざけ、刃120aに付着した異物152を採取する。具体的には、例えば、ウェハ150から刃120aを遠ざけた後、ウェハ150に替えて採取用のシートをテーブル20に載せ、その後、当該シートに刃120aを当てて、当該シートに異物152を付着させることで異物152を取得する。
前述の手順において、刃120aを異物152に当てるだけでは刃120aに異物152がうまく付着しない場合には、次のような手順で異物152の採取を行う。まず、駆動装置34を駆動させて支持ツール32を移動させ、支持ツール32の先端で異物152を上方から押さえる。次いで、圧電素子68を微動させることで、異物152をはぎ取るように刃120aを動かし、異物152をウェハ150からはぎ取る。なお、この際に、モータ72で刃120aを回転させながら、圧電素子68で刃120aを微動させて、異物152をウェハ150からえぐり取るようにしてもよい。次いで、駆動装置30を駆動させ、ウェハ150から刃120aを遠ざけ、刃120aに付着した異物152を採取する。
以上のように、駆動装置30は、ツール120としての刃120aを粗動させる粗動機構として機能しており、圧電アクチュエータ50は、ツール120としての刃120aを微動及び回転させる微動機構及び回転機構として機能している。
なお、本実施の形態のマニピュレータシステム10においては、刃120aの回転量や微動量は、作業者が表示部146を介して目で確認しながら、ボタン144等の情報入力部140を操作して適宜調整するようになっている。具体的には、例えば、作業者がボタン144を押下している間モータ72が回転し、作業者がボタン144の押下をやめるとモータ72の回転が停止するようになっている。しかし、例えば、刃120aを所定角度回転させるためのプログラムや、刃120aを所定長さ微動させるためのプログラムをコントローラ18等に記憶しておき当該プログラムに基づいて刃120aを動かすようになっていてもよい。
本実施の形態の圧電アクチュエータ50によれば、圧電素子68が伸縮すると、転がり軸受62の外輪62bに加わる圧電素子68からの押圧力の変化により転がり軸受60,62が変形し、回転軸54が軸方向に微動する。また、モータ72が回転すると、この回転力が回転軸54を介してツール120に伝わり、ツール120が回転する。また、回転軸54は、転がり軸受60,62の内輪60a,62aと固定されているので、回転軸54が回転したときに、転がり軸受60,62の外輪60b,62bは回転しない。したがって、外輪62bにスペーサ66を介して間接的に当接する圧電素子68には、回転軸54が回転してもこの回転力が伝わらない。
また、カップリング74が、回転軸54の軸方向への変位量を吸収可能に、モータ72の軸72aと回転軸54とを接続しているので、回転軸54が圧電素子68の伸縮により軸方向に動いた場合に、モータ72に軸方向の負荷がかからない。さらに、モータ72と回転軸54とをカップリング74により接続しているので、モータ72や回転軸54の選択の幅が広がる。
また、回転軸54は、カップリング74によりモータ72と接続され、軸ホルダー56に着脱可能に保持されているので、圧電アクチュエータ50から容易に取り外すことができる。したがって、圧電アクチュエータ50の用途に応じて回転軸54を交換したり、回転軸54の劣化に応じて回転軸54を交換したりすることが容易となる。
また、ツール120は、ツール取付部54aに着脱可能に設けられるので、回転軸54から容易に取り外すことができる。したがって、圧電アクチュエータ50の用途に応じてツール120を交換したり、ツール120の劣化に応じてツール120を交換したりすることが容易となる。
なお、マニピュレータ及びマニピュレータシステムは、前述のものに限らず、主にはツール120を適宜選択することで他の用途に用いることが可能である。例えば、ツール120を砥石やフライスとし、操作対象物を研削したり切削したりするのに用いてもよい。また、ツール120をドリルとし、穴あけ加工に用いてもよい。また、ツール120を円板状のブレードとし、操作対象物の切断に用いてもよい。また、これらの場合に、圧電素子68は、微細な位置調整に用いてもよく、超音波振動を与えながら超音波加工をするのに用いてもよい。また、ツール120をホーンとし、操作対象物のホーンが接する部分に圧電素子68の振動による超音波振動を与え、超音波溶着をするのに用いてもよい。
すなわち、マニピュレータは、コントローラからの制御信号に基づいて圧電アクチュエータ50を制御し、回転軸54を軸方向に微動または振動させ、回転軸54を回転させることができるものであればよい。また、回転軸54の軸方向への微動または振動と、回転軸の回転とは、それぞれ独立して行われるようになっていてもよく、連動して行われるようになっていてもよい。
また、テーブル20の形態や、顕微鏡22の配置等は、マニピュレータ及びマニピュレータシステムの用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、穴あけ加工に用いる場合には、圧電アクチュエータ50の先端が下方を向くように配置し、顕微鏡が斜め下を向くように配置する等してもよい。
また、圧電アクチュエータ50のX−Y−Z軸方向における可動範囲は、マニピュレータ及びマニピュレータシステムの用途に応じて適宜選択すればよい。
(第2の実施の形態)
本実施の形態のマニピュレータシステムが、第1の実施の形態のマニピュレータシステムと主に異なる点は、圧電アクチュエータ50の回転軸54と軸ホルダー56とに係る部分なので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
本実施の形態における圧電アクチュエータ50においては、図7に示すように、第1の実施の形態の回転軸54と軸ホルダー本体90とが一体化されて回転軸200が構成されている。そして、回転軸200は、中空部材を介さずに、内輪60a,62a及び内輪間座64に直接嵌合している。
また、回転軸200の外周面の一部には、ネジ加工が施されている。なお、当該ネジ加工は、回転軸200の先端部と後端部は避けて施されている。そして、このネジ加工部に、ロックナット94,96が螺合している。また、ロックナット94とロックナット96との間には、転がり軸受60の内輪60a、内輪間座64、転がり軸受62の内輪62aが、先端側からこの順に配置されている。また、内輪60aと内輪間座64と内輪62aとは、隣接する部材どうしが互いに当接した状態となっている。そして、固定部材としての2つのロックナット94,96によって、回転軸200に対して、内輪60aと内輪間座64と内輪62aとが、回転軸200の軸方向に動かないように固定されている。
また、回転軸200の軸方向において、ロックナット94、転がり軸受60、内輪間座64、転がり軸受62及びロックナット96が配置された部分は、回転軸のその他の部分に比べ径が大きく(太く)なっている。より具体的には、当該配置部分は、回転軸200のカップリング74に挿入される部分や、当該配置部分とツール取付部54aとを繋ぐ部分よりも太くなっている。
なお、当該配置部分は、他の部分と同じ太さになっていてもよく、他の部分よりも細くなっていてもよい。
回転軸200の後端部は、カップリング74の先端側の内周面に嵌合している。また、カップリング74の後端側の内周面には、モータ72の軸72aが嵌合している。そして、カップリング74と、回転軸54と、軸72aとは、同軸となっている。また、回転軸54の後端面と、モータ72の軸72aの先端面との間には、所定の隙間Gが形成されている。
ハウジング本体80(圧電素子68)と間座70との間には第二間座210が設けられている。第二間座210は、筒状となっており、内周面が円筒面状となっている。そして、第二間座210の径方向中央部には、モータ72の軸72a、カップリング74または/及び回転軸200が挿通される軸挿通孔210aが形成されている。また、第二間座210と、間座70と、ハウジング本体80とは、図示しないネジ(締結具)により互いに固定されている。
また、第二間座210には、その外周面から内周面まで貫通する孔210bが形成されている。また、第二間座210の径方向内側であって、孔210bが形成された部分の内側には、カップリング74及びモータ72の軸72aが配置されている。換言すると、孔210bの外側から内側を見た場合にカップリング74の軸72aが挿入されている部分の外周面側が見えるようになっている。
孔210bは、カップリング74をモータ72の軸72aに固定する止めネジ(図示せず)を締めるためのものである。回転軸200とともにカップリング74を回転させることにより、当該止めネジの頭部が孔210bから見えるようになっている。そして、孔210bからドライバ等のネジを締める工具を挿入して、当該止めネジを締めることが可能となっている。そして、当該止めネジを締めることにより、カップリング74がモータ72の軸72aに対して固定される。このようにカップリング74とモータ72の軸72aまたは/及び回転軸200(回転軸54)とは、止めネジ等により固定されるものであってもよい。
第1の実施の形態の圧電アクチュエータ50においては、回転軸54は、ハウジング52に対して軸ホルダー56を介して固定されているため、軸ホルダー56と転がり軸受60,62とを互いに固定し、これらをハウジング本体80内に収容した後であっても、回転軸54の軸ホルダー56への固定を解くことにより、回転軸54を軸方向に動かすことが可能となっている。したがって、ハウジング52と軸ホルダー56と転がり軸受60,62と圧電素子68等とを一体化した後に、回転軸54を軸方向に動かし、回転軸54の後端部及びカップリング74を圧電素子68よりも後方へ突出させて、カップリング74とモータ72の軸72aとを固定する止めネジを締めることが可能となっている。
一方、第2の実施の形態の圧電アクチュエータ50は、軸ホルダー56を備えておらず、回転軸54を軸ホルダー56に対してずらすことができない。しかし、第2の実施の形態の圧電アクチュエータ50においては、ハウジング52と回転軸200と転がり軸受60,62と圧電素子68等とを一体化した状態において、カップリング74のモータ72の軸72aと接続される部分が、圧電素子68よりも後方に突出するようになっている。さらに、当該接続部分に対応する位置に孔210bが設けられている。そして、この孔210bからドライバ等を挿入し、カップリング74とモータ72の軸72aとを固定する止めネジを締めることが可能となっている。
本実施の形態の圧電アクチュエータ50によれば、回転軸200が軸ホルダー56と一体化され、回転軸200が転がり軸受60,62に直接固定される。したがって、回転軸200の先端の回転方向及び軸方向における動きの精度をより高めることができる。
なお、第二間座210は、間座70と一体的に成形されていてもよい。また、カップリング74をモータ72の軸72aに固定する止めネジを締めるための孔210bは、ハウジング52や間座70に設けられていてもよい。
14 第一マニピュレータ
50 圧電アクチュエータ
54 回転軸
54a ツール取付部
56 軸ホルダー(固定部材)
60,62 転がり軸受
60a,62a 内輪
60b,62b 外輪
64 内輪間座
66 スペーサ
68 圧電素子
72 モータ
72a 軸
74 カップリング
94,96 ロックナット(固定部材)
120 ツール

Claims (5)

  1. 先端部に、操作対象物に作用するツールが設けられる回転軸と、
    前記回転軸を回転させるモータと、
    前記回転軸を回転可能に支持する少なくとも2つの転がり軸受と、
    隣り合う前記転がり軸受の内輪の間に配置される内輪間座と、
    前記内輪と前記内輪間座とを、前記回転軸の軸方向に動かないように固定する固定部材と、
    前記隣り合う転がり軸受のうちの一方の外輪に直接または間接的に当接されて、前記軸方向に伸縮可能な圧電素子と、
    前記モータの軸と前記回転軸とを接続するカップリングと、
    を備え、
    前記カップリングは、前記回転軸の前記軸方向への変位量を吸収可能に前記モータの軸と前記回転軸とを接続していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記固定部材は、前記隣り合う転がり軸受の内輪及び前記内輪間座と、前記回転軸との間に介装され、前記回転軸を着脱可能に保持する軸ホルダーであることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記回転軸は、前記先端部に、前記ツールが着脱可能に取り付けられるツール取付部を有し、
    前記ツールは、前記ツール取付部に着脱可能に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記ツールは、前記回転軸と一体に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータを備えるマニピュレータ。
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