JP5327263B2 - タッチパネル付カラーフィルタ - Google Patents
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そのため、これらの問題点を解決するために、表示装置とタッチパネルの基材を共有させ、表示装置自体の厚みやコスト削減が可能にする試みが提案されている。この一つとして、透明基板の一方の表面上に静電容量型のタッチパネルが形成され、上記透明基板の他方の表面上にカラーフィルタが形成されたタッチパネル付カラーフィルタが提案されている。
このタッチパネル付カラーフィルタの製造においては、通常、表示性能への影響を低減するために、タッチパネルを上記透明基板上に形成した後に、その裏面にカラーフィルタを形成する手法が採られている。
しかしながら、この手法においては、カラーフィルタ製造時の搬送などにより、タッチパネル面にキズ・剥がれが発生し、断線や感度不良が起きるといった問題があった。
また、上記硬度層および密着層の厚みおよび硬度が上述の範囲内であることにより、耐スクラッチ性に優れたものとすることができる。すなわち、上記硬度層および密着層の厚みおよび鉛筆硬度が上述の範囲内であることにより、上記保護層表面の鉛筆硬度を4H以上または4H〜6Hの範囲とすることができる。
以下、本発明のタッチパネル付カラーフィルタおよびタッチパネル付カラーフィルタの製造方法について説明する。
まず、タッチパネル付カラーフィルタについて説明する。
本発明のタッチパネル付カラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板の一方の表面上に形成されたタッチパネルセンサ層および上記タッチパネルセンサ層上に形成された保護層を有するタッチパネルと、上記透明基板の他方の表面上に形成されたカラーフィルタと、を有するタッチパネル付カラーフィルタであって、上記保護層は、密着層用樹脂からなりパターン状に形成された密着層および硬度層用樹脂からなりパターン状に形成された硬度層がこの順に積層されたものであり、上記密着層の鉛筆硬度が2H以下であり、上記硬度層の鉛筆硬度が4H以上であり、上記密着層の厚みが、1.5μm以下であり、上記硬度層の厚みが、1.0μm以上であることを特徴とするものである。
また、この例においては、上記タッチパネルセンサ層10は、上記電極間絶縁層12の周囲の上記透明基板1上に形成された取り出し電極14を有するものであり、上記密着層21および硬度層22は上記取出し電極14が露出するようなパターン状に形成されている。また、上記密着層の鉛筆硬度が2H以下であり、上記硬度層の鉛筆硬度が4H以上であり、上記密着層の厚みが、1.5μm以下であり、上記硬度層の厚みが、1.0μm以上のものである。
なお、図1においては、説明の容易のため、上記電極間絶縁層12および保護層20については省略して示している。
特に、後述するように、タッチパネルの形成後にカラーフィルタを形成する場合、通常、上記カラーフィルタを構成する各色の着色層がフォトリソグラフィー法により形成される。この際に、各色の着色層の形成毎に、露光・現像・加熱処理が加えられ、その度に上記保護層を構成する材料が熱劣化等を受け、その材料の各性能が低下することになる。このため、上記材料が硬度および密着性の両者に極めて優れたものでないと、上記カラーフィルタの形成途中で硬度および密着性のいずれかまたは両者が所望の性能以下となり、保護層として機能しなくなる恐れがある。
しかしながら、上述のように本発明によれば、上記保護層を上記タッチパネルセンサ層との密着性に優れた密着層と上記タッチパネルの最表面に配置される硬度層とからなるものとすることにより、それぞれの層に適した材料を用いることができる。したがって、上記保護層を硬度および密着性の両者に優れたものとすることができ、上述のようなカラーフィルタ形成時の熱劣化等により性能が劣化したとしても、十分に高い性能を維持することができるのである。
なお、上記硬度層および密着層が上述の条件を満たすことにより耐スクラッチ性に優れたものとすることができる理由は以下のように推察される。
すなわち、通常、上記硬度層および密着層としては、上記硬度層の硬度が高く、両者の厚みが厚い方が耐スクラッチ性に優れたものとすることができるようにも思われる。しかしながら、上記密着層の厚みが厚すぎた場合には上記密着層が有する弾力性により、上記硬度層および密着層を含む保護層に先の尖った部材が押し付けられた際にその部位が局所的に変形し易いものとなり、上記保護層に覆われるタッチパネルセンサ層の各構成に圧力が伝わりこれにキズ等を生じることになると考えられる。
これに対して、上記硬度層および密着層が上述の条件を満たしている場合には、上記のように局所的に圧力が加わった場合であっても、上記密着層での変形幅が小さく、全体としてみると保護層の局所的な変形を防ぐことができる。これにより、優れた耐スクラッチ性を発揮することができるものと考えられる。
以下、本発明のタッチパネル付カラーフィルタの各構成について詳細に説明する。
本発明に用いられるタッチパネルは、上記タッチパネルセンサ層および保護層を有するものである。
本発明に用いられる保護層は、パターン状に形成された密着層および硬度層がこの順に積層されたものである。
このような保護層の鉛筆硬度としては、上記タッチパネルセンサ層を安定的に保護できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、4H以上であることが好ましく、なかでも、4H〜6Hの範囲内であることが好ましい。上記保護層の硬度が上述の範囲内であることにより、上記タッチパネルセンサ層を安定的に保護することができるからである。
本発明に用いられる密着層は、上記タッチパネルセンサ層上にパターン状に形成されたものである。また、上記密着層用樹脂からなるものである。
なお、硬度の測定方法は、ガラス基板上に密着層を形成し、JIS K 5600−5−4の規定に基づいて測定することができる。
なお、上記密着層の厚みとは、上記タッチパネルセンサ層の表面から上記密着層の表面までの距離をいうものである。
ここで、密着層の透過率はガラス上に形成した密着層を、標準の光C(JIS Z 8720(測色用標準イルミナント(標準の光)及び標準光源))を用い、JIS Z 8701(色の表示方法-XYZ表色系およびX10Y10Z10表色系)にて定められた式にて求めた、透過による物体色の三刺激値X,Y,ZのうちのY値を指すものである。このような透過率の測定方法としては、例えば、分光測色計を用いて測定することができ、より具体的には、オリンパス株式会社製、分光光度計OSP−SP2000を用いることができる。
このような感光性材料としては、感光性を有し、所望の密着性および透明性を有する密着層を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記密着層形成用ポリマーまたは密着層形成用多官能性モノマーを少なくとも含む密着層形成用組成物を用いてなるものとすることが好ましく、なかでも、上記密着層形成用組成物が上記密着層形成用ポリマーおよび密着層形成用多官能性モノマーの両者を含むものであることが好ましい。より密着性に優れた密着層を形成できるからである。
本発明においては、なかでも、グリシジル(メタ)アクリレートであることが好ましい。上記モノマーとして、上述の化合物を用いることにより、硬度により優れた保護層を形成可能とすることができるからである。
本発明に用いられる密着層形成用ポリマーに含まれる構成単位(2)の含有量としては、上記密着層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の5モル%〜40モル%の範囲内であることが好ましく、なかでも10モル%〜30モル%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、現像性に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、なかでも、炭素数が1〜12のアルキル基であることが好ましく、特に、炭素数が1〜8のアルキル基であることが好ましい。上記アルキル基が上記置換基であることにより、上記密着層形成用ポリマーを溶剤中での分散安定性に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、なかでも、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートであることが好ましい。上記モノマーとして、上述の化合物を用いることにより、上記密着層形成用ポリマーを溶剤中での分散安定性に優れたものとすることができるからである。
ここで、上記固形分中とは、上記密着層形成用組成物に含まれる溶剤以外の全ての成分をいうものである。
なお、上記エポキシ基含有化合物を上記構成単位(2)の一部に反応させることにより、上記構成単位(1)および構成単位(2)を有するものとすることができる。
本発明においては、なかでも、エポリードGT300、GT400、SPCA−35Xを好ましく用いることができる。密着性に優れた密着層を形成することができるからである。
なお、エポキシ当量は、JIS K 7236に基づいて求めることができる。
また、上記密着層用樹脂が非感光性材料からなるものである場合には、上記非感光性材料からなる塗膜を形成した後、レジストをパターン状に形成し、エッチングする方法を用いることができる。
本発明に用いられる硬度層は、上記硬度層用樹脂からなるものである。
なお、上記硬度層の厚みとは、上記密着層の表面から上記硬度層の表面までの距離をいうものである。
ここで、上記静摩擦係数の測定方法としては、精度良く測定できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、JIS K7125に規定する測定方法を用いることができる。また、ガラス上に製膜したレジストについて新東科学株式会社製 HEIDON トライボギア ミューズ TYPE:94iを用いて測定する方法を用いることができる。なお、スライダー(接触子)の材質は黄銅(ハードクローム処理)で40gのものを用い、検出器はボイスコイルモーターフォトセンサを使用する方法を用いることができる。
なお、上記表面粗さは、算術平均粗さRaを指すものであり、例えば、原子間力顕微鏡を用いて得られた画像を基に計算することで得ることができる。より具体的には、タカノ株式会社製、原子間力顕微鏡 AS−7BMにて測定し、その結果を基に算術平均粗さRaを求めることができる。
このような感光性材料としては、感光性を有し、所望の硬度および透明性を有する硬度層を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記硬度層形成用ポリマーまたは硬度層形成用多官能性モノマーを少なくとも含む硬度層形成用組成物を用いてなるものとすることが好ましく、なかでも、上記硬度層形成用組成物が上記硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーの両者を含むものであることが好ましい。より硬度に優れた硬度層を形成できるからである。
なお、上記構成単位(1)としては、不飽和二重結合を有するものであれば良く、上記「(a)密着層」の項に記載のものと同様とすることができる。
本発明に用いられる硬度層形成用ポリマーに含まれる構成単位(2)の含有量としては、上記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の10モル%〜25モル%の範囲内であることが好ましく、なかでも15モル%〜20モル%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、現像性に優れたものとすることができるからである。
なお、上記構成単位(2)としては、カルボキシル基を有するものであれば良く、上記「(a)密着層」の項に記載のものと同様とすることができる。
本発明においては、なかでも、上記構成単位(4)を含むことが好ましい。上記硬度5層を滑り性に優れたものとすることを可能とするからである。
なお、上記構成単位(3)としては、上記「(a)密着層」の項に記載のものと同様とすることができる。
このような硬度層形成用多官能性モノマーの上記官能基数としては、2以上であれば特に限定されるものではないが、5以上であることが好ましく、なかでも、5〜6であることが好ましい。上記官能基数が上述の範囲内であることにより硬度に優れたものとすることができるからである。
このような光重合開始剤、溶剤および添加剤ならびにこれらの含有量については、上記「(a)密着層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本発明に用いられるタッチパネルセンサ層は、上記透明基板上に形成されるものである。
このようなタッチパネルセンサ層としては、一般的なタッチパネルに用いられるものを使用することができ、例えば、上記透明基板上に形成され透明性を有する金属材料等からなる第1透明電極、上記第1透明電極上に形成される電極間絶縁層、上記電極間絶縁層上に形成され、透明性を有する金属材料等からなる第2透明電極を有するもの、すなわち、上記タッチパネルは、上記第1透明電極、電極間絶縁層、第2透明電極および保護層がこの順で積層したものを挙げることができる。また、上記透明基板上に形成される取出し電極を含むものである。
このような第1透明電極、電極間絶縁層、第2透明電極および取出し電極、ならびにその形成方法としては、一般的なタッチパネルに用いられるものと同様とすることができる。
具体的には、上記第1透明電極および第2透明電極を構成する金属材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物を挙げることができる。本発明においては、これらの金属酸化物が2種以上複合されてもよい。
また、取出し電極等の不透明電極材料としては、透明電極材料より高い電気伝導率を有する金属材料が用いられてもよい。例としては、アルミニウム、モリブデン、パラジウム、銀、クロム、銅等の金属及びそれらを主成分とする合金、あるいはそれら合金を含む積層体が挙げられる。
なお、上記電極は、上記金属材料からなるものである場合、その表面がUVオゾンや、酸素プラズマ等の表面処理等が施されたものであっても良いが、上述のように本発明に用いられる密着層は、上記電極材料との間で高い密着性を発揮するので、これらの処理を不要とすることができる。
本発明に用いられるカラーフィルタは、上記透明基板の他方の表面上に形成されるものである。
このようなカラーフィルタとしては、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置等に一般的に用いられるものと同様とすることができ、通常、上記透明基板上に形成され、開口部を有する遮光部、上記遮光部の開口部に形成される着色層、スペーサ、オーバーコート層、透明電極、配向膜等を有するものである。
このようなカラーフィルタの各構成および形成方法については一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができ、例えば、特開2010−014870号公報記載の内容と同様とすることができる。
本発明に用いられる透明基板は、上記タッチパネルおよびカラーフィルタを支持するものである。
このような透明基板を構成する材料としては、タッチパネルやカラーフィルタに用いられる透明基板と同様とすることができ、例えば、特開2010−014870号公報記載の内容と同様とすることができる。
本発明のタッチパネル付カラーフィルタは、上記透明基板、タッチパネルおよびカラーフィルタを少なくとも含むものであるが、必要に応じて、その他の構成を有するものであっても良い。
[合成例1]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)120質量部、メチルメタクリレート(MMA)10質量部、メタクリル酸(MAA)80質量部、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート10質量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を90℃まで昇温した。ついで、フラスコ内の内容物を90℃に維持しながら、βメルカプトプロピオン酸(BMPA)4質量部とジメチル 2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)0.1質量部添加し、重合を開始した。重合開始から1時間毎に2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)0.4質量部を計3回添加した。重合開始から6時間後、PGME50質量部を添加し、室温まで冷却した。
重合物を10時間程度放置した後、フラスコ内の酸素濃度が20%程度にもどっていることを確認した後、フラスコ内にメトキノン(MEHQ)0.1質量部とグリシジルメタクリレート(GMA)140質量部とPGME100質量部を追加し、95℃まで昇温した。ついで、フラスコの内容物を95℃に維持しながらトリエチルアミン(TEA)1質量部を添加してから7時間後、室温まで冷却した。冷却後、無水マレイン酸を22質量部とMEHQ0.3質量部、PGME10質量部を追加し、再度95℃まで昇温した。ついで、フラスコの内容物を95℃に維持しながら、ジメチルアミノピリジン(DMAP)1質量部を添加してから7時間後、PGME80質量部を添加し、室温まで冷却して、ポリマー(A)を得た。ポリマー濃度は38%であった。
得られた重合物の重量平均分子量は1.5万で、樹脂酸価は50mgKOH/gであった。二重結合の含有量は88モル%であった。
合成例1で仕込むモノマー量を、MMA10質量部から30質量部、MAA80質量部からMAA65質量部、GMA140質量部から110質量部へと変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(B)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は1.5万で、樹脂酸価は50mgKOH/gであった。二重結合の含有量は70モル%であった。
合成例1で仕込むモノマー量を、MMA10質量部から50質量部、MAA80質量部からMAA55質量部、GMA140質量部から100質量部へと変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(C)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は1.5万で、樹脂酸価は50mgKOH/gであった。二重結合の含有量は55モル%であった。
合成例1で仕込むモノマー量を、MMA10質量部から30質量部、MAA80質量部からMAA60質量部へと変更し、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート10質量部を加えなかった以外は、合成例1と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(D)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は1.5万で、樹脂酸価は50mgKOH/gであった。二重結合の含有量は70モル%であった。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、PGME120質量部、メチルメタクリレート(MMA)60質量部、メタクリル酸(MAA)40質量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら30分攪拌して窒素置換を行った後、フラスコの内容物を90℃まで昇温した。ついで、フラスコ内の内容物を90℃に維持しながら、BMPAを4質量部とジメチル 2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)0.1質量部添加し、重合を開始した。重合開始から1時間毎に2,2−アゾビス(2−メチルプロピネート)0.4質量部を計3回添加した。重合開始から6時間後、PGME50質量部を添加し、室温まで冷却した。
重合物を10時間程度放置した後、フラスコ内の酸素濃度が20%程度にもどっていることを確認した後、フラスコ内にMEHQ0.1質量部とGMA25質量部とPGME100質量部を追加し、95℃まで昇温した。ついで、フラスコの内容物を95℃に維持しながらTEAを1質量部添加してから7時間後、室温まで冷却して、ポリマー(E)を得た。ポリマー濃度は38%であった。
得られた重合物の重量平均分子量は2.7万で、樹脂酸価は130mgKOH/gであった。二重結合の含有量は17モル%であった。
合成例5で仕込むモノマー量を、MMA60質量部から40質量部、MAA40質量部からMAA65質量部、GMA25質量部から75質量部へと変更した以外は、合成例5と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(F)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は2.7万で、樹脂酸価は71mgKOH/gであった。二重結合の含有量は46モル%であった。
合成例5で仕込むモノマー量を、MMA60質量部から5質量部、MAA40質量部からMAA65質量部、GMA25質量部から93質量部へと変更した以外は、合成例5と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(G)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は2.7万で、樹脂酸価は35mgKOH/gであった。二重結合の含有量は81モル%であった。
合成例5で仕込むモノマー量を、MMA60質量部から40質量部、MAA40質量部からMAA80質量部、GMA25質量部から105質量部へと変更した以外は、合成例5と同様の操作を行い、ポリマー濃度38%のポリマー(H)を得た。
得られた重合物の重量平均分子量は2.7万で、樹脂酸価は47mgKOH/gであった。二重結合の含有量は56モル%であった。
以下に示す配合にてレジストA〜Jを調製した。
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーA 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーB 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPPA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)日本化薬製 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーC 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーD 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーA 含有量4質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 東亜合成株式会社製M408(DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート) 含有量14質量%
開始剤:製品名イルガキュア907、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量1質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーE 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 東亜合成株式会社製M408(DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート) 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーF 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 東亜合成株式会社製M408(DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート) 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーF 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーG 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 東亜合成株式会社製M408(DTMPTA;ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート) 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
溶媒:PGME 含有量80質量%
ポリマー:ポリマーH 含有量6質量%(固形分換算)
モノマー:化合物名 DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)日本化薬製 含有量7質量%
開始剤:製品名イルガキュア819、BASF社製 含有量1質量%
エポキシ樹脂: 製品名 GT401 ダイセル化学工業製 含有量6質量%
上記で得られたレジストA〜Eについて、それぞれITO電極基板上に乾燥後の厚みが1.5μmとなるようにスピンコートし、90℃ホットプレート上にて3分間静置(予備乾燥)し、下記の条件で露光を行った。次いで、現像液として、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒現像を行い、未硬化部の除去を行った。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して、硬度層の単層膜を形成した。
上記で得られたレジストF〜Jについて、それぞれITO電極基板上に乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにスピンコートし、90℃ホットプレート上にて3分間静置(予備乾燥)し、下記の条件で露光を行った。次いで、現像液として、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒現像を行い、未硬化部の除去を行った。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して、密着層の単層膜を形成した。
上記で得られたレジストFをITO電極基板上に乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにスピンコートし、90℃ホットプレート上にて3分間静置(予備乾燥)し、下記の条件で、露光を行った。次いで、現像液として、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒現像を行い、未硬化部の除去を行った。その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して、密着層を形成した。
露光機:プロキシミティアライナ露光機
マスク:クロムマスク
露光ギャップ:150μm
光源:超高圧水銀灯
露光量:50mJ/cm2
露光機:プロキシミティアライナ露光機
マスク:クロムマスク
露光ギャップ:150μm
光源:超高圧水銀灯
露光量:50mJ/cm2
硬度層に使用するレジストとしてレジストBを用いた以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
硬度層に使用するレジストとしてレジストDを用いた以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
密着層に使用するレジストとしてレジストGを用いた以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
密着層に使用するレジストとしてレジストHを用いた以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
密着層に使用するレジストとしてレジストIを用いた以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
密着層に使用するレジストとしてレジストJを用いた以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
硬度層の乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにスピンコートした以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
密着層の乾燥後の厚みが1.5μm、硬度層の乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにスピンコートした以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
硬度層に使用するレジストとしてレジストCを用いた以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
硬度層に使用するレジストとしてレジストEを用いた以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
密着層の乾燥後の厚みが2.0μm、硬度層の乾燥後の厚みが1.0μmとなるようにスピンコートした以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
密着層の乾燥後の厚みが1.5μm、硬度層の乾燥後の厚みが0.5μmとなるようにスピンコートした以外の条件は実施例1と同様にして、密着層および硬度層からなる保護層を形成した。
実施例および比較例で得られた基板について、ITO基板と保護層との密着性、および保護層表面の鉛筆硬度、静摩擦係数について評価を行った。結果を下記表1〜表3に示す。
密着性の評価方法はJIS K 5600-5-6により行った。また、評価については下記の基準にて判断した。
硬度の測定方法は、ITO電極基板上に形成した保護層について、JIS K 5600−5−4の規定に基づいて測定した。
ガラス上に製膜したレジストについて新東科学株式会社製 HEIDON トライボギア ミューズ TYPE:94iを用いて測定した。
ここで、比較例について詳細に検討した。その結果、比較例1〜4では、鉛筆硬度4H、5Hと良好だが、密着性が2〜4と劣る結果となった。不飽和二重結合含有量が55〜88モル%と大きく、モノマー官能基数が5,6と大きいことにより、硬化収縮が大きくなるため、密着性が劣るものになったと推察される。比較例5では、密着性が1と良いが、鉛筆硬度が2Hと劣る結果となった。不飽和二重結合含有量が88モル%と大きいが、モノマー官能基数が4と小さいことにより、硬度不足となったと推察される。比較例6〜8では、密着性が0、1と良いが、鉛筆硬度がH、2Hと不足した。不飽和二重結合含有量が50モル%未満と小さいため、モノマー官能基数が5,6であっても硬度不足となったと推察される。比較例9では、密着性が1と良いが、鉛筆硬度がHと不足した。不飽和二重結合含有量が81モル%と大きいが、モノマー官能基数が4であるため、硬度不足となったと推察される。比較例10では、密着性が2と低く、鉛筆硬度も2Hと不足した。不飽和二重結合含有量が56モル%と小さいため、モノマー官能基数が6であっても硬度不足となったと推察される。比較例1〜3、5と4の比較では、比較例4に対し、フッ素含有モノマーを添加した比較例1〜3、5は静摩擦係数が0.27〜0.35の範囲内と低くすることができ良好な結果とすることができた。比較例1〜4と比較例6〜9では、エポキシ樹脂30%添加の比較例6〜9にて、エポキシ樹脂5%添加の比較例1〜4より密着性が良好であった。
10 … タッチパネルセンサ層
11 … 第1透明電極
12 … 電極間絶縁層
13 … 第2透明電極
14 … 取り出し電極
20 … 保護層
21 … 密着層
22 … 硬度層
30 … タッチパネル
31 … 遮光部
32 … 着色層
40 … カラーフィルタ
50 … タッチパネル付カラーフィルタ
Claims (5)
- 透明基板と、
前記透明基板の一方の表面上に形成されたタッチパネルセンサ層および前記タッチパネルセンサ層上に形成された保護層を有するタッチパネルと、
前記透明基板の他方の表面上に形成されたカラーフィルタと、
を有するタッチパネル付カラーフィルタであって、
前記保護層は、密着層用樹脂からなる密着層および硬度層用樹脂からなる硬度層がこの順に積層されたものであり、
前記密着層の鉛筆硬度が2H以下であり、前記硬度層の鉛筆硬度が4H以上であり、前記密着層の厚みが、1.5μm以下であり、前記硬度層の厚みが、1.0μm以上であることを特徴とするタッチパネル付カラーフィルタ。 - 前記硬度層の静摩擦係数が、0.25〜0.37の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付カラーフィルタ。
- 前記密着層の前記タッチパネルセンサ層に対する密着力が、JIS K 5600-5-6で規定するクロスカット評価にてクロスカット部分で評価分類0または1であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタッチパネル付カラーフィルタ。
- 前記硬度層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーを含む硬度層形成用組成物を用いてなるものであり、
前記密着層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する密着層形成用ポリマーを含む密着層形成用組成物を用いてなるものであり、
前記硬度層形成用ポリマーの前記構成単位(1)の含有量が前記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の70モル%以上であり、
前記硬度層形成用多官能性モノマーの官能基数が、5以上であり、
前記密着層形成用ポリマーの前記構成単位(1)の含有量が前記密着層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の50モル%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のタッチパネル付カラーフィルタ。 - 前記硬度層用樹脂が、不飽和二重結合を有する構成単位(1)を有する硬度層形成用ポリマーおよび硬度層形成用多官能性モノマーを含む硬度層形成用組成物を用いてなるものであり、
前記密着層用樹脂が、密着層形成用多官能性モノマーを含む密着層形成用組成物を用いてなるものであり、
前記硬度層形成用ポリマーの前記構成単位(1)の含有量が前記硬度層形成用ポリマーを構成する全構成単位中の70モル%以上であり、
前記硬度層形成用多官能性モノマーの官能基数が、5以上であり、
前記密着層形成用多官能性モノマーの官能基数が、2〜4の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のタッチパネル付カラーフィルタ。
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