JP5326732B2 - 交流電動機の機械角推定方法及び機械角推定装置 - Google Patents

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本発明は、例えば位置センサレス駆動される交流電動機の駆動システムにおいて、極数が異なる2以上の電動機につきそれぞれ推定される回転子または可動子の電気角に基づいて回転子または可動子の機械角を推定する方法及び推定装置に関するものである。
なお、本発明は、回転形電動機及びリニアモータの両方に適用可能であるが、以下では回転形電動機に適用した場合について説明するものとする。
図4は、位置センサを有する交流電動機駆動システムの概略的な構成図である。
サーボシステムを代表として、交流電動機の回転子の機械的位置(回転角度)を制御する用途は多い。一例としては、ロボットアームが挙げられる。以下、回転子の機械的位置を制御する電動機駆動システムを「位置サーボ」と称する。
位置サーボでは、図4に示すように、通常は交流電動機Mの回転子に位置センサ11を取り付け、この位置センサ11から出力される位置信号から回転子の機械的位置を検出する。そして、上記位置信号を制御回路20に入力してインバータ等の電源装置30を制御するフィードバック制御によって回転子の機械的位置を所定の位置に制御している。
また、電動機Mが同期電動機である場合、位置センサ11は回転子の機械的位置を制御するためだけでなく、回転子の磁極位置を検出して、ケーブル13上の電流センサ12により得た電動機Mの通流電流を適切に制御するためにも用いられている。
上述した位置サーボ技術については周知であるため、ここでは詳細な説明を割愛する。
次に、図5は交流電動機の位置センサレス駆動システムの概略的な構成図である。
前述した位置センサ11には、コストや対振動性、取付スペースや配線数の増加等の問題がある。このため、図5に示すように、位置センサを用いずに電動機を駆動する、いわゆる位置センサレス駆動システムが開発、実用化されている。
この位置センサレス駆動システムは、電動機Mの通流電流または印加電圧の少なくとも一方の指令値、検出値または推定値に基づき、制御回路20が回転子の位置を推定演算し、その位置推定値に基づいて電動機を制御するものである。なお、図5は電動機Mの通流電流を用いて回転子の位置を推定する例である。
この種の位置センサレス駆動システムに関する先行技術文献は多数存在しており、例えば特許文献1に係る「永久磁石同期電動機の制御装置」がある。
しかし、現在いわゆる「位置センサレス制御」と称される技術は、回転子の位置として電気角を推定するものであり、機械角を推定するものではない。
ここで、電動機の回転子の機械角及び電気角について考察する。以下では、4極機の同期機を例に取って説明する。
4極機の場合には、図6に示す如く、回転子の機械角1周期当たり2回の電気角が繰り返す。この繰り返し回数は、一般に、極対数(極数の1/2)に一致する。2回の電気角は互いに区別がつかないため、電気角の情報しか得られない場合には、機械角の情報は原理的に得られない。
また、位置センサを用いずに磁極センサ(ホール効果を利用したセンサ等)を用いる場合にも、磁極センサの検出信号は機械角ではなく電気角に対応するため、状況は同じである。
一方、最近では、非特許文献1に記載されているように、非誘導機の回転子のスロット位置を電気的に推定して非誘導機をセンサレス駆動する技術も提案されているが、これについても複数存在する回転子のスロット位置の見分けはつかないため、状況は同じであり、スロット位置に基づいて回転子の機械角を推定することは不可能である。
特許第3591414号公報(図1〜図5等)
清武博文,篠原勝次,下むぎ卓也,「スロット高調波による誘導電動機速度センサレスベクトル制御の速度範囲とトルク特性」,電気学会研究会資料,交通・電気鉄道 半導体電力変換合同研究会,TER−06−12/SPC−06−59,pp.65−70,2006年3月
従って、例えばロボットアーム等において回転子や可動子の機械角情報が必要である場合には、電気角を検出して駆動するシステムでは足りず、機械角を検出するためのリミットセンサ等の付加的な装置によってこの不足を補う必要がある。
そこで、本発明の解決課題は、回転子または可動子の位置として電気角を検出または推定して制御に用いる交流電動機の駆動システムにおいて、付加的な装置を用いることなく、回転子または可動子の機械角を推定することができる交流電動機の機械角推定方法及び機械角推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る機械角推定方法は、回転子同士または可動子同士が機械的に連結されていると共に極数が互いに異なる複数台の交流電動機と、これらの電動機の回転子または可動子の位置を示す電気角を求めて各電動機を制御する制御手段と、を備えた電動機駆動システムにおいて、
前記制御手段によりそれぞれ求めた1台の電動機の電気角と他の電動機の電気角とが同一の機械角に対応する時に、当該機械角を前記回転子または可動子の機械角として推定するものである。
請求項2に係る機械角推定方法は、請求項1に記載した交流電動機の機械角推定方法において、極数が互いに異なる複数台の電動機の極対数の公約数が1のみであることを特徴とする。
請求項3に係る機械角推定方法は、請求項1または2に記載した交流電動機の機械角推定方法において、前記制御手段が、各電動機の印加電圧及び通流電流に基づいて、各電動機の回転子または可動子の電気角を推定するものである。
請求項4に係る機械角推定方法は、請求項1または2に記載した交流電動機の機械角推定方法において、前記制御手段が、各電動機に高周波電圧を印加することにより流れる高周波電流、または、高周波電流を通流することにより生じる高周波電圧に基づいて、各電動機の回転子または可動子の電気角を推定するものである。
請求項5に係る機械角推定方法は、請求項1または2に記載した交流電動機の機械角推定方法において、交流電動機が永久磁石電動機であり、前記制御手段が、前記永久磁石電動機に取り付けられた磁極センサの出力信号に基づいて、電動機の回転子または可動子の電気角を推定するものである。
なお、請求項6に記載するように、前記制御手段が、請求項3または請求項4または請求項5に記載した電気角の推定方法を混在させて、複数台の電動機の回転子または可動子の電気角をそれぞれ推定しても良い。
また、本発明に係る機械角推定装置は、請求項7に記載するように、回転子同士または可動子同士が機械的に連結されていると共に極数が互いに異なる複数台の交流電動機を備えた電動機駆動システムにおいて、前記電動機の回転子または可動子の位置を示す電気角を求めて各電動機を制御する制御手段と、前記制御手段によりそれぞれ求めた1台の電動機の電気角と他の電動機の電気角とが同一の機械角に対応する時に、当該機械角を前記回転子または可動子の機械角として推定する機械角導出手段と、を備えたものである。
請求項8に係る機械角推定装置は、請求項7に記載した機械角推定装置において、前記制御手段が、各電動機の印加電圧及び通流電流に基づいて、各電動機の回転子または可動子の電気角を推定するものである。
請求項9に係る機械角推定装置は、請求項7に記載した機械角推定装置において、前記制御手段が、各電動機に高周波電圧を印加することにより流れる高周波電流、または、高周波電流を通流することにより生じる高周波電圧に基づいて、各電動機の回転子または可動子の電気角を推定するものである。
請求項10に係る機械角推定装置は、請求項7に記載した機械角推定装置において、交流電動機が永久磁石電動機であり、前記制御手段が、前記永久磁石電動機に取り付けられた磁極センサの出力信号に基づいて、電動機の回転子または可動子の電気角を推定するものである。
本発明によれば、リミットセンサ等の付加的な装置を用いなくても、電動機駆動システムの制御回路等において各電動機の電気角に基づきソフトウェアにて共通の機械角を推定することができる。これにより、回路構成の簡略化、配線数の減少、及びコストの低減が可能になる。
本発明の第1実施形態が適用される駆動システムの構成図である。 図1の機械角導出・制御部における機械角導出原理の説明図である。 図1の機械角導出・制御部における機械角導出原理の説明図である。 本発明の第2実施形態が適用される駆動システムの構成図である。 位置センサを有する交流電動機の駆動システムの概略的な構成図である。 交流電動機の位置センサレス駆動システムの概略的な構成図である。 4極機における回転子の機械角及び電気角を説明するための図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態が適用される駆動システムの構成図である。図1において、MA,MBは、位置センサレス駆動され、または磁極センサの検出信号に基づいて駆動される第1,第2の電動機であり、これらの回転子は連結軸50により連結されている。なお、電動機MA,MBの極数は異なっている。
30A,30Bは各電動機MA,MBを駆動するインバータ等の電源装置であり、それぞれ制御回路20A,20Bによって内部の半導体スイッチング素子等が制御されるようになっている。また、電源装置30A,30Bと電動機MA,MBとの間のケーブル13A,13Bには電流センサ12A,12Bが設けられ、その出力信号である各電流検出値は制御回路20A,20Bにそれぞれ入力されている。
制御回路20A,20Bは、各電流検出値に基づき、回転子位置として電気角をそれぞれ推定演算し、これらの電気角を機械角導出・制御部40に出力する。ここで、回転子位置である電気角の推定方法は、例えば前述した特許文献1に記載された方法を用いても良く、他の方法を用いても良い。いずれにしても、電気角の導出方法は本発明の要旨ではないため、詳述を省略する。
機械角導出・制御部40では、制御回路20A,20Bにより求められた電気角に基づいて電動機MA,MBの回転子の機械角を導出すると共に、これらの機械角を内部または外部からの位置指令値と突き合わせて位置サーボのフィードバック信号として用いることにより速度指令値を作成し、制御回路20A,20Bに出力する。制御回路20A,20Bは、上記速度指令値に従い、電動機MA,MBの回転子が所定の位置に駆動されるように電源装置30A,30Bに対する電源制御信号をそれぞれ作成する。
上記構成において、電動機MA、電流センサ12A、ケーブル13A、制御回路20A及び電源装置30Aは第1の電動機駆動システムを構成し、電動機MB、電流センサ12B、ケーブル13B、制御回路20B及び電源装置30Bは第2の電動機駆動システムを構成している。
図2A,図2Bは、機械角導出・制御部40における機械角導出原理の説明図であり、図2Aは電動機MA,MBのうちの一方が4極機、他方が6極機の場合、図2Bは一方が8極機、他方が12極機の場合について、それぞれ各電動機の電気角と機械角とを対比して示してある。なお、電動機MA,MBの出力軸は連結されているので、図2A,図2Bのそれぞれにおいて、電動機MA,MBの機械角は共通である。これらの図では、2台の電動機の電気角の0°の位置を異ならせてあるが、勿論、0°の位置が一致していても良い。
まず、図2Aに示す4極機と6極機との組み合わせの場合、機械角1周期において、電動機MA,MBの2つの電気角の同じ組合せが繰り返すことはない。例えば、4極機の電気角がθE1である時、6極機の電気角はθE2またはθE3であり得るが、θE1とθE2との組み合わせ、θE1とθE3との組み合わせは、機械角1周期内でそれぞれ1つだけ存在する。
言い換えれば、電動機MA,MBの2つの電気角の組合せから、機械角を一意に導出することができる。
すなわち、図2Aにおいて、4極機の電気角がθE1である時、機械角としてはθM1及びθM2の2つの可能性がある。しかし、6極機の電気角は、機械角がθM1の場合にはθE2、機械角がθM2の場合にはθE3となるため、4極機の電気角と併せて6極機の電気角を参照することにより、機械角を一意に特定することができる。つまり、4極機の電気角がθE1であって6極機の電気角がθE2であれば、対応する両機共通の機械角はθM1であり、4極機の電気角がθE1であって6極機の電気角がθE3であれば、対応する両機共通の機械角はθM2である。
なお、図2Aにおける符号θ,θEP4,θEP6については後に説明する。
このように、第1,第2の電動機駆動システムにおいて得られる各回転子の電気角から機械角を導出する手段(機械角導出・制御部40)を設けることにより、両回転子に共通する機械角を導出することができ、これを位置サーボのフィードバック信号として用いることができる。
次に、図2Bに示す8極機と12極機との組み合わせの場合には、機械角1周期において、電動機MA,MBの2つの電気角の同じ組合せが2回存在する。例えば、8極機の電気角がθE1であって12極機の電気角がθE2である場合が機械角1周期内に2回存在し、それぞれの機械角は、180°間隔のθM1,θM3である。
つまり、電気角から機械角を推定する場合に180°毎の不確実性が生じる。それでもなお、各電動機について自己の電気角だけを用いて機械角を推定する場合には、8極機の場合には90°毎、12極機の場合には60°毎の不確実性があるため、本実施形態のように電動機MA,MBの2つの電気角を用いて機械角を推定する方法によれば、不確実性が改善されることが分かる。
すなわち、図2Bにおいて、8極機の電気角がθE1の場合、機械角にはθM1,θM2,θM3,θM4の4つの可能性がある。ここで12極機の電気角を参照すると、機械角がθM1,θM3の場合にはθE2、機械角がθM2,θM4の場合にはθE3となる。従って、絶対的な機械角は特定できないものの、4つあった可能性を2つに絞ることができる。よって、例えば位置決めのための回転子の回転角度が機械角で180°以内である場合には、8極機と12極機との組合せでも位置決めを行うことが可能である。
以上のように、本実施形態によれば、電気角のみの検出または推定により不足する情報を補って、位置サーボに必要な回転子の機械角の情報を得ることができる。
なお、機械角と電気角との対応が一旦判明すれば、その後は機械角と電気角との相対的な関係が保持されるため、駆動システムの電源投入時に2つの電気角から初期機械角を割り出し、その後は何れか一方の電気角の情報に基づいて機械角の情報を逐次更新することもできる。
機械角は、次のような単純な演算によって導出可能であり、これは、例えば制御用ソフトウェアにより瞬時に計算することができる。
例えば、図2Aにおいて、検出または推定された4極機の電気角θEP4及び6極機の電気角θEP6から機械角θを導出する過程は、以下の通りである。
まず、4極機では、機械角1周期当たり2回の電気角が繰り返されるので、電気角θEP4は数式1により表される。また、6極機では、機械角1周期当たり3回の電気角が繰り返されるので、電気角θEP6は数式2により表される。
[数1]
θEP4=2θ+α
[数2]
θEP6=3θ+β
数式1,数式2において、α,βは機械角に対する既知のオフセット値である。
検出または推定されたθEP6からθEP4を引くと、数式3が得られる。
[数3]
θEP6−θEP4=3θ+β−(2θ+α)=θ+β−α
数式3を変形すると、数式4となる。
[数4]
θ=θEP6−θEP4+α−β
数式4の右辺は検出値、推定値あるいは既知の値であるため、数式4により機械角θを導出することができる。
なお、図2A,図2B及び上記数式に示したように、2つの電動機MA,MBの電気角は0°の位置がずれていても問題ない。また、図2A,図2Bでは一方の電動機の電気角と機械角の0°の位置が一致しているものの、これは本発明の必須要件ではない。電動機MA,MBの出力軸が連結されているので、電気角のずれは固定値となり、これを予め検出しておき、制御装置に搭載される記憶装置に記録しておけば良い。
以上の説明から帰納的に検討すると、機械角1周期内で機械角を確実に導出するための要件は、極数の異なる2つの電動機について、極対数の公約数が1のみであることと言える。この条件により、機械角1周期における2つの電気角の同じ組合せによる繰り返しがなくなり、2つの電気角に基づく機械角の導出を一意に行えることになる。
ここで、本発明の要旨は、制御回路により推定した各電動機の電気角に基づいて両電動機MA,MBに共通する機械角を推定することにあるため、どのような駆動システムのもとで電動機の電気角を推定するかは特に限定されるものではない。
例えば、図1における第1,第2の電動機駆動システムの何れか一方または双方を、電動機の印加電圧及び通流電流に基づいて回転子位置を推定する位置センサレス駆動システムとして構成しても良い。
すなわち、電動機の印加電圧及び通流電流の指令値または検出値に基づいて回転子の電気角を推定演算する方法は、例えば、センサレス駆動システムに関するT. Aihara, A. Toba, T. Yanase, A. Mashimo, K. Endoによる文献 "Sensorless Torque Control of Salient-Pole Synchronous Motor at Zero-Speed Operation"(IEEE Transactions of Power Electronics, vol. 14, no. 1, pp. 202-208,1999年1月)に記載されている。従って、図1における制御回路20A,20Bの一方または双方がこの公知技術を利用して回転子の電気角を推定し、これらの電気角を用いて機械角を推定することができる。
なお、上記文献では、電動機の電圧に基づいて電気角を推定しているため、電動機の電圧が低くなる低速領域(停止時を含む)では性能が劣化する懸念があるが、中高速域では本発明を実用上、十分に適用可能である。
また、図1における第1,第2の電動機駆動システムの一方または双方を、電動機の突極性を利用して回転子位置を推定する位置センサレス駆動システムとして構成することもできる。
すなわち、電動機に高周波電圧を印加した際に流れる高周波電流、または、電動機に高周波電流を通流したときに生じる高周波電圧を検出し、これらの高周波電流検出値または高周波電圧検出値に基づいて回転子の電気角を演算する方法が、例えば特許第3312472号公報に係る磁極位置検出装置として知られている。
この公知技術は、回転子の突極性、つまり回転子の位置に依存して電動機の巻線のインダクタンスが変化することを利用して回転子位置を割り出すものである。この場合、電動機が同期電動機である場合には、突極性は磁極に対応しているため得られるのは電気角に過ぎず、機械角の情報は単体では得られない。しかし、本発明を適用することによって機械角の情報が得られるようになる。
このように回転子の突極性を利用する場合には、電動機の速度がゼロでも電気角を推定でき、結果として機械角を導出できるという効果がある。
なお、前記の非特許文献1に開示されている誘導機の位置センサレス駆動技術では、回転子のスロット毎に繰り返す位置情報が得られるため、一般的な同期機の極数よりも更に不確実性が高まる。しかし、前述した説明における「極数」を「回転子スロット数」と読み換えて類推すれば、本発明の実施形態と同様の原理に基づいて回転子の機械角を導出可能であることが理解できる。
更に、図1における第1,第2の電動機駆動システムの一方または双方を、永久磁石同期電動機の磁極位置(電気角)を磁極センサにより検出する、いわゆるDCブラシレスモータの駆動システムとして構成することも可能である。
図3は、本発明の第2実施形態に係るDCブラシレスモータの駆動システムの構成図であり、PMA,PMBは永久磁石同期電動機、14A,14Bは磁極センサ、21A,21Bは制御回路、31A,31Bは電源装置である。
この種の駆動システムにおいても、磁極センサ14A,14Bによる磁極位置検出値に基づいて制御回路21A,21Bから得られる情報は機械角ではなく電気角であるため、本発明により機械角導出・制御部40が機械角を導出可能である。
DCブラシレスモータでは、いわゆる位置センサレス制御ではなく、磁極位置を検出して確実に回転子の電気角を導出する場合がある。このため、磁極センサ自体やその信号線のコストは無視できないが、電気角の値の信頼性が高いという特徴があり、この電気角を用いて本発明により機械角を導出すれば、その信頼性も必然的に高くなるものである。
ここで、上述した各種の駆動システムによる複数の電気角の推定方法を混在させることも可能である。具体的には、第1,第2の電動機駆動システムとして、電動機の印加電圧及び通流電流を利用する位置センサレス駆動システム、電動機の突極性を利用する位置センサレス駆動システム、磁極センサを用いたDCブラシレスモータの駆動システムを混在させ、各駆動システムにより各電動機の電気角を推定して機械角を導出することができる。
これにより、駆動システムの全体的な設計自由度を高めることができる。
なお、請求項7〜9に係る機械角推定装置は、例えば図1における制御回路20A,20B及び機械角導出・制御部40によって実現され、請求項10に係る機械角推定装置は、例えば図3における制御回路21A,21B及び機械角導出・制御部40によって実現されるものである。
MA,MB:交流電動機
PMA,PMB:永久磁石同期電動機
12A,12B:電流センサ
13A,13B:ケーブル
14A,14B:磁極センサ
20A,20B,21A,21B:制御回路
30A,30B,31A,31B:電源装置
40:機械角導出・制御部
50:連結軸

Claims (10)

  1. 回転子同士または可動子同士が機械的に連結されていると共に極数が互いに異なる複数台の交流電動機と、これらの電動機の回転子または可動子の位置を示す電気角を求めて各電動機を制御する制御手段と、を備えた電動機駆動システムにおいて、
    前記制御手段によりそれぞれ求めた1台の電動機の電気角と他の電動機の電気角とが同一の機械角に対応する時に、当該機械角を前記回転子または可動子の機械角として推定することを特徴とする交流電動機の機械角推定方法。
  2. 請求項1に記載した交流電動機の機械角推定方法において、
    極数が互いに異なる複数台の電動機の極対数の公約数が1のみであることを特徴とする交流電動機の機械角推定方法。
  3. 請求項1または2に記載した交流電動機の機械角推定方法において、
    前記制御手段が、各電動機の印加電圧及び通流電流に基づいて、各電動機の回転子または可動子の電気角を推定することを特徴とする交流電動機の機械角推定方法。
  4. 請求項1または2に記載した交流電動機の機械角推定方法において、
    前記制御手段が、各電動機に高周波電圧を印加することにより流れる高周波電流、または、高周波電流を通流することにより生じる高周波電圧に基づいて、各電動機の回転子または可動子の電気角を推定することを特徴とする交流電動機の機械角推定方法。
  5. 請求項1または2に記載した交流電動機の機械角推定方法において、
    交流電動機が永久磁石電動機であり、
    前記制御手段が、前記永久磁石電動機に取り付けられた磁極センサの出力信号に基づいて、電動機の回転子または可動子の電気角を推定することを特徴とする交流電動機の機械角推定方法。
  6. 前記制御手段が、請求項3または請求項4または請求項5に記載した電気角の推定方法を混在させて、複数台の電動機の回転子または可動子の電気角をそれぞれ推定することを特徴とする交流電動機の機械角推定方法。
  7. 回転子同士または可動子同士が機械的に連結されていると共に極数が互いに異なる複数台の交流電動機を備えた電動機駆動システムにおいて、
    前記電動機の回転子または可動子の位置を示す電気角を求めて各電動機を制御する制御手段と、
    前記制御手段によりそれぞれ求めた1台の電動機の電気角と他の電動機の電気角とが同一の機械角に対応する時に、当該機械角を前記回転子または可動子の機械角として推定する機械角導出手段と、
    を備えたことを特徴とする交流電動機の機械角推定装置。
  8. 請求項7に記載した交流電動機の機械角推定装置において、
    前記制御手段が、各電動機の印加電圧及び通流電流に基づいて、各電動機の回転子または可動子の電気角を推定することを特徴とする交流電動機の機械角推定装置。
  9. 請求項7に記載した交流電動機の機械角推定装置において、
    前記制御手段が、各電動機に高周波電圧を印加することにより流れる高周波電流、または、高周波電流を通流することにより生じる高周波電圧に基づいて、各電動機の回転子または可動子の電気角を推定することを特徴とする交流電動機の機械角推定装置。
  10. 請求項7に記載した交流電動機の機械角推定装置において、
    交流電動機が永久磁石電動機であり、
    前記制御手段が、前記永久磁石電動機に取り付けられた磁極センサの出力信号に基づいて、電動機の回転子または可動子の電気角を推定することを特徴とする交流電動機の機械角推定装置。

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