JP5325083B2 - 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Description
さらに、このような低置換度のセルロースアシレート樹脂を含むフィルムは膜厚が薄い場合でも十分なレターデーションを発現することができることが判明した。そのため、熱緩和処理による製造コストの増加もなく、薄膜化できるため、位相差発現性の改善と同時に製造コストも下げることが可能となることが判明した。
また、延伸工程における延伸温度を低くし、かつ、熱緩和処理を省略できるため、使用環境に応じた寸度変化量が小さくなり過ぎることもなく、適切な寸度変化量を有する光学フィルムを得られることが判明した。
式(1) |ΔP1−ΔP0|<0.5°
(式(1)中、ΔP1は80℃、相対湿度90%の条件下で1時間熱処理した場合のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表し、ΔP0は熱処理前のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表す。)
[2] 60℃、相対湿度90%の条件下で24時間静置した場合のフィルム搬送方向の寸度変化率の絶対値とフィルム搬送方向に直交する方向の寸度変化率の絶対値のいずれか一方が0.5%以上であることを特徴とする[1]に記載の光学フィルム。
[3] 60℃、相対湿度90%の条件下で24時間静置した場合のフィルム搬送方向の寸度変化率の絶対値とフィルム搬送方向に直交する方向の寸度変化率の絶対値がともに0.5%以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 下記式(2)〜(4)を満たすことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
式(2) 20nm≦Re(590)≦200nm
(式(2)中、Re(590)は波長590nmにおける正面レターデーション値を表す。)
式(3) 70nm≦Rth(590)≦400nm
(式(3)中、Rth(590)は波長590nmにおける膜厚方向のレターデーション値を表す。)
式(4) Re(630)>Re(450)
(式(4)中、Re(630)は波長630nmにおける正面レターデーション値を表し、Re(450)は波長450nmにおける正面レターデーション値を表す。)
[5] 膜厚が20〜50μmであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[6] 全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含む低置換度層と、
該低置換度層の両方の面上に全アシル置換度が2.70を超えるセルロースアシレート樹脂を含む高置換度層を少なくとも1層ずつ有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光学フィルム(但し、各高置換度層の組成はそれぞれ独立であり、同一の組成であってもよい)。
[7] 全ての層がセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする[6]に記載の光学フィルム。
[8] 前記セルロースアシレート樹脂がセルロースアセテートであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[9] 全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含む未延伸フィルムをTg−50℃〜Tgの温度で延伸する工程を含み、前記延伸を開始するときの残留溶剤量が前記フィルム全体の質量に対して5質量%以上であることを特徴とする光学フィルムの製造方法(但し、Tgは光学フィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す。)
[10] 全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含むコア層用ドープと、全アシル置換度が2.70を超えるセルロースアシレート樹脂を含むスキン層用ドープを、前記コア層用ドープの両面に前記スキン層用ドープが積層されるように逐次流延または同時共流延して前記未延伸フィルムを形成することを特徴とする[9]に記載の光学フィルムの製造方法。
[11] 前記コア層用ドープの両面に前記スキン層用ドープが積層されるように同時共流延することを特徴とする[10]に記載の光学フィルムの製造方法。
[12] 全てのドープがセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする[9]〜[11]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
[13] 前記セルロースアシレート樹脂がセルロースアセテートであることを特徴とする[9]〜[12]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
[14] [9]〜[13]のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法で製造されたことを特徴とする光学フィルム。
[15] 偏光子と、[1]〜[8]および[14]のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚有することを特徴とする偏光板。
[16] [1]〜[8]および[14]のいずれか一項に記載の光学フィルムあるいは[15]に記載の偏光板を少なくとも1枚有することを特徴とする液晶表示装置。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本明細書中において、特に断りなくReとRthを用いている場合、これらReとRthは測定波長590nmにおける値をそれぞれ表す。
本発明の光学フィルム(以下、本発明のフィルムとも言う)は、全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含み、80℃、相対湿度90%の条件下で1時間熱処理した場合の遅相軸変化が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
式(1) |ΔP1−ΔP0|<0.5°
(式(1)中、ΔP1は80℃、相対湿度90%の条件下で1時間熱処理した場合のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表し、ΔPOは熱処理前のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表す。)
以下、本発明のフィルムの好ましい態様を参照しつつ、本発明を具体的に説明する。
本発明に用いられるセルロースアシレートは、アシル基の全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレートを少なくとも含む以外は、特に制限はない。アシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
本発明のフィルムは、60℃、相対湿度90%の条件下で24時間静置した場合のフィルム搬送方向の寸度変化率の絶対値とフィルム搬送方向に直交する方向の寸度変化率の絶対値のいずれか一方が0.5%以上であることが好ましい。前記寸法変化率の絶対値は0.5〜1.5%であることがより好ましく、0.5〜1.0%であることが特に好ましい。
本発明のフィルムは、60℃、相対湿度90%の条件下で24時間静置した場合のフィルム搬送方向の寸度変化率の絶対値とフィルム搬送方向に直交する方向の寸度変化率の絶対値がともに0.5%以上であることが好ましく、ともに0.5〜1.5%であることがより好ましく、ともに0.5〜1.0%であることが特に好ましい。
本発明のフィルムは、80℃、相対湿度90%の条件下で1時間熱処理した場合の遅相軸変化(以下、WET軸変化とも言う)が下記式(1)を満たす。
式(1) |ΔP1−ΔP0|<0.5°
(式(1)中、ΔP1は80℃、相対湿度90%の条件下で1時間熱処理した場合のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表し、ΔPOは熱処理前のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表す。)
なお、ここでいう熱処理とは、従来公知の製造方法における熱緩和処理を意味するものではない。
前記ΔP1とΔP0は、|ΔP1−ΔP0|<0.4°を満たすことが好ましく、|ΔP1−ΔP0|<0.3°を満たすことがより好ましい。
本発明のフィルムは、下記式(2)〜(4)を満たすことが好ましい。
式(2) 20nm≦Re(590)≦200nm
(式(2)中、Re(590)は波長590nmにおける正面レターデーション値を表す。)
式(3) 70nm≦Rth(590)≦400nm
(式(3)中、Rth(590)は波長590nmにおける膜厚方向のレターデーション値を表す。)
式(4) Re(630)>Re(450)
(式(4)中、Re(630)は波長630nmにおける正面レターデーション値を表し、Re(450)は波長450nmにおける正面レターデーション値を表す。)
このような波長分散特性を有することで、本発明のフィルムを液晶表示装置に組み込んだときに、液晶表示画面を黒表示した時に斜めから観察した際のカラーシフトの問題を解決することができる。
本発明のフィルムは、膜厚方向のレターデーションRthが100nm≦Rth≦300nmであることがより好ましく、100nm≦Rth≦250nmであることが特に好ましい。
ここで光学補償フィルムが2軸性であるとは光学補償フィルムのnx、nyおよびnz(nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。)がそれぞれ全て異なる場合であり、本発明の場合にはnx>ny>nzであることがさらに好ましい。
本発明のフィルムが2軸性の光学特性を示すということは液晶表示装置、特にVAモード液晶表示装置における斜め方向から観察した場合のカラーシフトの問題を低減する上で好ましい特性である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d 式(B)
なおこの際、パラメータとして平均屈折率nが必要になるが、これはアッベ屈折計((株)アタゴ社製の「アッベ屈折計2−T」)により測定した値を用いた。
本発明のフィルムは単層フィルムであっても、2層以上の積層構造を有していてもよいが、2層以上の積層構造を有していることが好ましい。
また、各層中におけるセルロースアシレートのアシル基置換度は均一であっても、複数のセルロースアシレートを一つの層に混在させてもよいが、各層中におけるセルロースアシレートのアシル基置換度は全て一定であることが光学特性の調整の観点から好ましい。
前記高置換度層に用いられるセルロースアシレートの総アシル置換度は、2.70を超え2.95以下であることが好ましく、2.73〜2.95であることがより好ましく、2.75〜2.95であることが特に好ましい。
本発明のフィルムが3層構造であるとき、両面の表面層に含まれるセルロースアシレートは同じアシル置換度のセルロースアシレートを用いることが、製造コストの観点から好ましい。
なお、接着剤または粘着剤を介して接着された複層構造のフィルムを製造するときに用いられる接着剤や粘着剤としては、例えば特開平11?295527号公報に記載がある。
本発明のフィルムは膜厚が20〜50μmであることが、製造コストを低減する観点から好ましく、30〜50μmであることがより好ましく、35〜50μmであることが特に好ましい。本発明のフィルムが積層フィルムである場合、フィルムの合計膜厚の範囲が上記好ましい範囲であることが好ましい。
前記低置換度層の平均膜厚は30〜50μmであることが好ましく、30〜48μmであることがより好ましく、30〜45μmであることが特に好ましい。
本発明のフィルムは、フィルム幅が700〜3000mmであることが好ましく、1000〜2800mmであることがより好ましく、1500〜2500mmであることが特に好ましい。
本発明のフィルム中には、添加剤として、非リン酸エステル系の化合物;レターデーション調整剤(レターデーション発現剤およびレターデーション低減剤);フタル酸エステル、リン酸エステル系の化合物などの可塑剤;炭水化物誘導体;紫外線吸収剤;酸化防止剤;無機微粒子(マット剤)などの添加剤を加えることもできる。以下、本発明のフィルムに用いることができる添加剤について詳細に説明する。
前記フィルムは、非リン酸エステル系の化合物の化合物を含むことが、湿熱耐久性時にフィルムから添加剤が泣き出す現象を抑えるため好ましい。
また、本明細書中、「非リン酸エステル系の化合物」とは、「エステル結合を有する化合物であって、該エステル結合に寄与する酸がリン酸以外である化合物」のことを言う。すなわち、「非リン酸エステル系の化合物」は、リン酸を含まず、エステル系である、化合物を意味する。
また、前記非リン酸エステル系の化合物は、低分子化合物であっても、ポリマー(高分子化合物)であってもよい。以下、ポリマー(高分子化合物)である非リン酸エステル系の化合物のことを、非リン酸エステル系ポリマーとも言う。
以下、本発明に用いられる非リン酸エステル系の化合物である高分子量添加剤について、その具体例を挙げながら詳細に説明するが、本発明で用いられる非リン酸エステル系の化合物である高分子量添加剤がこれらのものに限定されるわけでないことは言うまでもない。
本発明のポリエステル添加剤の両末端がカルボン酸やOH基とならないように、モノアルコール残基やモノカルボン酸残基で保護することが好ましい。
この場合、モノアルコールとしては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸等がある。これらの中でも好ましい芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、である。
該公報一般式(1)の化合物は、スルホニルクロリド誘導体とアミン誘導体との縮合反応により得ることができる。
上記添加量を30質量%以下とすることにより、セルロース系樹脂との相溶性を向上させることができ、白化を抑制させることができる。2種類以上のレターデーション低減剤を用いる場合、その合計量が、上記範囲内であることが好ましい。
前記可塑剤としては、セルロースアシレートの可塑剤として知られる多くの化合物も有用に使用することができる。可塑剤としては、リン酸エステル系化合物またはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステル系化合物の例には、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
本発明のフィルムは、レターデーション発現剤を含んでいてもよい。レターデーション発現剤を採用することにより、低延伸倍率で高いRe発現性を得られる。レターデーション発現剤の種類としては、特に定めるものではないが、棒状または円盤状化合物からなるものや、前記非リン酸エステル系の化合物のうちレターデーション発現性を示す化合物を挙げることができる。上記棒状または円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。
二種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
円盤状化合物としては、例えば欧州特許出願公開第0911656A2号明細書に記載の化合物、特開2003−344655号公報に記載のトリアジン化合物、特開2008−150592号公報[0097]〜[0108]に記載されるトリフェニレン化合物も好ましく用いることもできる。
棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol. Cryst. Liq. Cryst., 53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J. Am. Chem. Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J. Org. Chem., 40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
本発明のフィルムは、炭水化物誘導体を含んでいてもよい。炭水化物誘導体をセルロースアシレートフィルムに添加することにより、光学特性の発現性を損なわず、かつヘイズを上昇させることなく、フィルムの含水率を大幅に低減できる。
さらに、該セルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることにより、高温高湿下での偏光子の性能劣化を大幅に改良できる。
一般式(1)
(OH)p−G−(L1−R1)q(L2−R2)r
一般式(1)中、Gは単糖残基または、多糖類残基を表し、L1およびL2はそれぞれ独立に−O−、−CO−、−NR3−のいずれか一つを表し、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、R1およびR2の少なくとも一方は芳香環を有することが好ましい。p、qおよびrはそれぞれ独立に0以上の整数を表し、qおよびrの少なくとも一方は1以上の整数であり、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しい。
また、前記L1およびL2がそれぞれ複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、前記R1、R2およびR3がそれぞれ複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記qおよび前記rはそれぞれ独立に0以上の整数を表し、少なくとも一方は1以上の整数を表す。前記qおよびrの一方が0であることが好ましい。
また、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しいため、前記p、qおよびrの上限値は前記Gの構造に応じて一意に決定される。
また、前記炭水化物誘導体中の単糖ユニット当たりのヒドロキシル基の数(以下、ヒドロキシル基含率とも言う)は、1以下であることが好ましい。ヒドロキシル基含率を前記範囲に制御することにより、高温高湿経時における炭水化物誘導体の偏光子層への移動およびPVA-ヨウ素錯体の破壊を抑制でき、高温高湿経時における偏光子性能の劣化を抑制する点から好ましい。
前記炭水化物誘導体は、単糖または2〜5個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体であることが好ましく、単糖または2個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体であることがより好ましい。
前記単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、バルトペンタオース、ベルバルコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
本発明の光学フィルムの製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)は、全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含む未延伸フィルムをTg−50℃〜Tgの温度で延伸する工程を含み、前記延伸を開始するときの残留溶剤量が前記フィルム全体の質量に対して5質量%以上であることを特徴とする(但し、Tgは光学フィルムのガラス転移温度を表す。)。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。またここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより、それぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。
前記共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でも良い)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。図2に、共流延ギーサ3を用い、流延用支持体4の上に表層用ドープ1とコア層用ドープ2を3層同時に押出して流延する状態を断面図で示した。
本発明の製造方法では、製膜された未延伸フィルムをTg−50℃〜Tgの温度で延伸する工程を含み、前記延伸を開始するときの残留溶剤量が前記フィルム全体の質量に対して5質量%以上である。前述の本発明のフィルムの特徴は、このような条件での延伸処理によって付与することが可能となり、さらに本発明のフィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。
前記延伸温度はTg−50℃〜Tgであり、Tg−40℃〜Tg−5℃であることが好ましく、Tg−40℃〜Tg−10℃であることが特に好ましい。
本発明のフィルムの製造方法では、延伸を開始するときの残留溶剤量は前記フィルム全体の質量に対して5質量%以上であり、5〜40質量%であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましい。
なお、残留溶媒量は下記の式にしたがって求めた。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを測定したウェブを120℃で2時間乾燥させた時の質量である。
本発明の製造方法では、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、得られた光学フィルムを乾燥する工程を含むことが好ましい。
また、本発明は、偏光子と、本発明のフィルムを少なくとも一枚用いることを特徴とする偏光板にも関する。
本発明の偏光板は、偏光子と、該偏光子の片面に本発明のフィルムを有することが好ましい。本発明の光学補償フィルムと同様、本発明の偏光板の態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、上記した通り、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
本発明の偏光板の具体的な構成については、特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば、特開2008−262161号公報の図6に記載の構成を採用することができる。
本発明は本発明の偏光板を有する液晶表示装置にも関する。
本発明の液晶表示装置は液晶セルと該液晶セルの両側に配置された一対の偏光板を有する液晶表示装置であって、前記偏光板の少なくとも一方が本発明の偏光板であることを特徴とするIPS、OCBまたはVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば図1に記載の構成とした例を採用することができる。また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
(セルロースアシレートの調製)
特開平10−45804号公報、同08−231761号公報に記載の方法で、セルロースアシレートを合成し、その置換度を測定した。具体的には、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。この時、カルボン酸の種類、量を調整することでアシル基の種類、置換度を調整した。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、実施例1のコア層用セルロースアシレート溶液を調製した。
・セルロースアセテート(置換度2.45) 100.0質量部
・化合物A 15.0質量部
・メチレンクロライド 365.5質量部
・メタノール 54.6質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、実施例1のスキン層用セルロースアシレート溶液を調製した。
・セルロースアセテート(置換度2.79) 100.0質量部
・化合物A 15.0質量部
・メチレンクロライド 395.0質量部
・メタノール 59.0質量部
実施例13で用いたCAP2.50はセルロースアセテートプロピオネートを表す。
また、実施例13、比較例1および5はコア層用ドープのみを単層にて流涎したものである。
前記コア層用セルロースアシレート溶液を下記表2に記載の膜厚のコア層になるように、前記スキン層用セルロースアシレート溶液を下記表3に記載の膜厚のスキン層になるように、それぞれ流延した。得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、その後フィルム全体の質量に対する残留溶媒量が15〜30%の状態のときに下記表2に示した条件でテンターを用いて横延伸を開始した。その後にフィルムからクリップを外して下記表2に記載の乾燥温度で20分間乾燥させた。
また、得られたフィルムのTg(ガラス転移温度)を以下の方法から求めた。5mm×30mmのサンプルを、25℃60%RHで2時間以上調湿した後に動的粘弾性測定装置DVA−225(アイティー計測制御(株)社製)を用いて、つかみ間距離20mm、周波数1Hzで測定することによって得られる貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E”)が入れ替わるtanδの温度を求め、これをTgとした。得られた結果を下記表2に記載した。
実施例および比較例のフィルムの特性について、以下の測定および評価を実施した。
前述の方法により自動複屈折計KOBRA−WR(王子計測器(株)製)を用いて波長590nmにおいて3次元複屈折測定を行い、面内のレターデーションRe(590)、および傾斜角を変えてReを測定することで得られる膜厚方向のレターデーションRth(590)を求めた。ReおよびRthの値を下記表2に示した。
60℃相対湿度90%で24時間経過前後の寸度変化率、すなわち(L'−L0)/L0}×100%の値を、フィルム搬送方向およびそれに直交する方向において求めた。ここで、前記L0は60℃相対湿度90%で24時間経過させる前のフィルム長さ(単位:mm)を表し、前記L’は60℃相対湿度90%で24時間経過させ、さらに2時間調湿した後のフィルム長さ(単位:mm)を表す。また、用いたサンプルフィルムは30mm×120mmのものを用い、その他の条件は以下のとおりとした。
25℃、相対湿度60%の雰囲気下で2時間以上調湿後、自動ピンゲージ(新束科学(株)製)にて、フィルムの120mm辺に平行になるように6mmφの穴を100mm間隔に開け、間隔の原寸(L0)を最小目盛り1/1000mmまで測定する。そして上記条件で湿熱処理した後に、25℃、相対湿度60%の雰囲気下で2時間調湿後、パンチの間隔の寸法L’を測定する。
得られた結果を下記表2に示した。
下記式(1)で表される60℃相対湿度90%で24時間経過前後の遅相軸の変化量をフィルム搬送方向に直交する方向において求めた。
式(1) |ΔP1−ΔP0|<0.5°
(式(1)中、ΔP1は80℃、相対湿度90%の条件下で1時間熱処理した場合のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表し、ΔP0は熱処理前のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表す。)
前記ΔP1および前記ΔP0は、70mm×110mmのサンプルフィルムをフィルム搬送方向に直交する方向においてフィルム中央から1点、中央から端に向かって600mm間隔を開けた箇所で両端それぞれ1点ずつ、合計幅方向で3点切り出し、各サンプルフィルムの遅相軸のズレ量の最大値と、最小値の差を計算した。また、遅相軸の測定は、複屈折計(KOBRA DH、王子計測機器(株)製)を用いて行った。
得られた結果を下記表2に示した。なお、比較例1では初期遅相軸ズレが非常に大きく、液晶表示装置に組み込んだときの表示性能が悪かったため、WET軸変化量については評価を行わなかった。
一方、比較例1のフィルムは延伸温度を、本発明の範囲を超える温度として製造したものであり、得られるフィルムの寸度変化量が小さくなり過ぎてしまうことがわかった。比較例2のフィルムはセルロースアシレート樹脂の全アシル置換度を、本発明の範囲を超える値として製造したものであり、比較例2のフィルムでは得られるフィルムの遅相軸の変化量が大きくなってしまうことがわかった。比較例3および4のフィルムは延伸温度を、本発明の範囲を下回る温度として製造したものであり、得られるフィルムは遅相軸の変化量が大きくなってしまうことがわかった。比較例5のフィルムはセルロースアシレート樹脂の全アシル置換度を、本発明の範囲を下回る値としたものであり、得られるフィルムは光学フィルムの体をなさなかった。
上記で作製した各実施例および比較例の光学フィルムの表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光子を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理した各実施例および比較例の光学フィルムと、同様のアルカリ鹸化処理したフジタックTD80UL(富士フイルム社製)を用意し、これらの鹸化した面が偏光子側となるようにして偏光子を間に挟んで貼り合わせ、各実施例および比較例の光学フィルム、偏光子、TD80ULがこの順に貼り合わせてある偏光板をそれぞれ得た。この際、各光学フィルムのMD方向およびTD80ULの遅相軸が、偏光子の吸収軸と平行になるように貼り付けた。
VAモードの液晶TV(LCD−40MZW100、三菱(株)製)の表裏の偏光板および位相差板を剥がして、液晶セルとして用いた。図1(上方がフロント側)の構成のように、外側保護フィルム(不図示)、偏光子11、下記表に記載の各実施例および比較例の光学フィルム14(リア側のセルロースアシレートフィルム)、液晶セル13(上記のVA液晶セル)、下記表に記載の各実施例および比較例のフィルム15(フロント側のセルロースアシレートフィルム)、偏光子12および外側保護フィルム(不図示)をこの順に粘着剤を用いて貼り合わせ、各実施例および比較例(実施例5、比較例2以外)の液晶表示装置を作製した。この際、上下の偏光板の吸収軸が直交するように貼り合わせた。実施例5、比較例2では、フロント側(視認側)のセルロースアシレートフィルム15は富士フイルム製の“フジタックTD80UF”を、リア側には本発明の光学フィルムまたは比較例の光学フィルム14をそれぞれ使用した以外は同様にして、液晶表示装置を作成した。
作製した液晶表示装置の透過率の視野角依存性を測定した。あおり角は正面から斜め方向へ10°ごとに80°まで、方位角は水平右方向(0°)を基準として10°ごとに360°まで測定した。
その結果、黒表示時の輝度は正面方向からあおり角が増すにつれ、漏れ光透過率も上昇し、あおり角70°近傍でコントラストが悪化することもわかった。
正面の黒表示透過率を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:良好。
△:わずかに低下。
×:低下。
××:著しく低下。
得られた結果を下記表3に記載した。
また、WET環境での表示性能評価として、60℃相対湿度90%で100時間静置したパネルの視野角コントラストの評価を行った。
○:視野角コントラストの変化がわずかであり、良好。
△:視野角コントラストの変化が大きい。
×:視野角コントラストの変化が非常に大きい。
得られた結果を下記表3に記載した。
2 コア層用ドープ
3 共流延ギーサ
4 流延用支持体
11 偏光子
12 偏光子
13 液晶セル
14 各実施例および比較例のセルロースアシレートフィルム(但し、実施例5、比較例2では光学異方性フィルム(フジタックTD80UF)を使用)
15 各実施例および比較例のセルロースアシレートフィルム
Claims (16)
- 全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含み、
80℃、相対湿度90%の条件下で1時間熱処理した場合の遅相軸変化が下記式(1)を満たすことを特徴とする光学フィルム。
式(1) |ΔP1−ΔP0|<0.5°
(式(1)中、ΔP1は80℃、相対湿度90%の条件下で1時間熱処理した場合のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表し、ΔP0は熱処理前のフィルム幅方向において、フィルム搬送方向と遅相軸のなす角の最大値と最小値の差を表す。) - 60℃、相対湿度90%の条件下で24時間静置した場合のフィルム搬送方向の寸度変化率の絶対値とフィルム搬送方向に直交する方向の寸度変化率の絶対値のいずれか一方が0.5%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
- 60℃、相対湿度90%の条件下で24時間静置した場合のフィルム搬送方向の寸度変化率の絶対値とフィルム搬送方向に直交する方向の寸度変化率の絶対値がともに0.5%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 下記式(2)〜(4)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
式(2) 20nm≦Re(590)≦200nm
(式(2)中、Re(590)は波長590nmにおける正面レターデーション値を表す。)
式(3) 70nm≦Rth(590)≦400nm
(式(3)中、Rth(590)は波長590nmにおける膜厚方向のレターデーション値を表す。)
式(4) Re(630)>Re(450)
(式(4)中、Re(630)は波長630nmにおける正面レターデーション値を表し、Re(450)は波長450nmにおける正面レターデーション値を表す。) - 膜厚が20〜50μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含む低置換度層と、
該低置換度層の両方の面上に全アシル置換度が2.70を超えるセルロースアシレート樹脂を含む高置換度層を少なくとも1層ずつ有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルム(但し、各高置換度層の組成はそれぞれ独立であり、同一の組成であってもよい)。 - 全ての層がセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする請求項6に記載の光学フィルム。
- 前記セルロースアシレート樹脂がセルロースアセテートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含む未延伸フィルムをTg−50℃〜Tgの温度で延伸する工程を含み、
前記延伸を開始するときの残留溶剤量が前記フィルム全体の質量に対して5質量%以上であることを特徴とする光学フィルムの製造方法(但し、Tgは光学フィルムのガラス転移温度(単位:℃)を表す。) - 全アシル置換度が2.30〜2.70のセルロースアシレート樹脂を含むコア層用ドープと、全アシル置換度が2.70を超えるセルロースアシレート樹脂を含むスキン層用ドープを、前記コア層用ドープの両面に前記スキン層用ドープが積層されるように逐次流延または同時共流延して前記未延伸フィルムを形成することを特徴とする請求項9に記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記コア層用ドープの両面に前記スキン層用ドープが積層されるように同時共流延することを特徴とする請求項10に記載の光学フィルムの製造方法。
- 全てのドープがセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
- 前記セルロースアシレート樹脂がセルロースアセテートであることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
- 請求項9〜13のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法で製造されたことを特徴とする光学フィルム。
- 偏光子と、請求項1〜8および14のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも1枚有することを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜8および14のいずれか一項に記載の光学フィルムあるいは請求項15に記載の偏光板を少なくとも1枚有することを特徴とする液晶表示装置。
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