JP5323492B2 - 高結晶品質の合成ダイヤモンド - Google Patents

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Description

本発明は、高結晶品質の合成ダイヤモンドに関する。特に、本発明は、従来知られていない、特殊制御された点欠陥密度を伴う低水準の拡張欠陥密度を示す合成ダイヤモンド材料に関する。
本発明によるダイヤモンドの結晶完全度は、一連の合成、分析及び加工処理工程によって制御される。本明細書の文脈において、「結晶品質」と言う用語は、高結晶品質材料は低濃度の拡張欠陥を含むという、そのような転位及び積層欠陥等の拡張欠陥の濃度に関係する。本発明は、拡張欠陥密度が、特定の用途においてその他の利益を有してもよい点欠陥を持つ材料を意図的にドーピングすることに一致する方法を使用して制御され最小化されるダイヤモンドを提供する。
種々の方法によるダイヤモンドの合成はよく知られており、十分に確立されている。1つのそのような例は、高温高圧(HPHT)下でのダイヤモンドの合成である。ダイヤモンドのHPHT合成のために使用される2つの主要な方法が存在し、共に液体からのものである。1つの方法は温度勾配法であり、もう1つは同素体変換法である。温度勾配法では、結晶成長のための原動力は、炭素源材料及び成長する結晶間の温度差の結果としての両者の溶解度の差による過飽和である。高温領域に存在する炭素は、供給源材料と種晶を分ける溶媒/触媒材料を介して、低温領域に置かれている種晶に向かって移動する。そのような温度勾配法は、一般的に、米国特許第4034066号に記載されている。
溶液から合成されるほとんどすべてのダイヤモンドは窒素を含み、Ib型のダイヤモンドである。一般的に1ppm(100万当たりの部)より低い窒素含有量を有するIIa型ダイヤモンド材料を成長させる場合、出発材料からの窒素の除去が必要である。これは、窒素ゲッター(窒素獲得剤)を使用することにより一般的に達成される。窒素ゲッター又は窒素剤は、一般的に遷移金属のコバルト、鉄及びニッケルの溶融合金である溶媒/触媒に添加される。この窒素剤は、溶質として又は沈殿した窒化物若しくは炭窒化物として、金属溶融体で窒素を優先的に隔離する効果を有する。そのような作用剤は、一般的に、チタン、ジルコニウム及びアルミニウム等の元素である。
本出願人の係属中の南アフリカ特許出願第2004/9975号及び第2005/04019号は、IIa型ダイヤモンド基板が、{100}、{113}及び{115}の成長分域における結晶完全度が完全な拡張ダイヤモンド立方格子のそれに近づき、拡張欠陥密度が最小化されて成長することができることを教示している。そのような材料は、順次の化学蒸着(CVD)成長方法での基板としての使用を含めて、多数の潜在的用途を有する。
しかし、上記係属中の出願において教示されている通り、ダイヤモンドの合成方法には4つの重要な制限が残っている:
a)価格。窒素の導入を制御するためのゲッター(獲得剤)の使用は、HPHT材料の成長速度を減少させることがよく知られている。本発明は、HPHT IIa材料の成長をなお必要とするが、化学蒸着(CVD)ダイヤモンド合成方法において基板材料としてこれを使用することは、1つのプレートが何度使用されてもよい、即ち、CVD成長の後に、基板は再生され、再び成長させられてもよいことを意味する。更に、CVD方法は、高い線形成長速度並びに最初のHPHTプレートから高結晶完全度の更なるダイヤモンドプレートを複製することと一致してもよい。
b)HPHT合成の成長分域は、温度及び圧力等のパラメータで制御することができるが、高濃度の拡張欠陥を有する{111}成長分域が常に存在する。
c)いくつかの用途、例えば、ダイヤモンドの電子的性質を使用する用途において必要とされてもよい、P、B、N、Li、Na、Al、Si、S等のドーパントで、HPHT材料を制御しながらドープすることは非常に困難である。
d)HPHT方法を使用して、空間及びドーピング濃度の両方において鮮明な界面が存在する様に、1つのダイヤモンド内に、点欠陥密度を異にする2つ以上の層が存在してもよい多層サンプルを製造することは極めて困難である。
更に、HPHT合成方法を使用して、ドープされていないダイヤモンドの本来の性質を持つ材料を必要とするいくつかの用途で必要とされる範囲までホウ素等の不純物を除去することは極めて難しい。ある程度の範囲まではこれらの欠点は解消することができるが、高結晶品質ダイヤモンドを成長させるためのパラメータ空間は、単独の高圧高温成長の操作内でこれらすべての問題を制御することを極めて困難なものとする。
アニーリングは、一般的に、結晶ドメインサイズ及びドメインの完全度を改善するために、材料科学の分野ではよく知られている方法である。通常、アニーリングは、アニーリングが行われるダイヤモンド−グラファイト相空間のどの部分かに主として依存する増加した圧力を伴い又は伴わずに高温で行われる。例えば、米国特許第5908503号は、ダイヤモンドの結晶完全度を改善するために、一般的には、1100℃〜1600℃の温度及び低圧を使用し、非酸化雰囲気を使用する高温炉燃焼工程の使用を検討している。非酸化雰囲気は、処理中のダイヤモンド結晶の酸化及び損失を防ぐための必要条件である。
ダイヤモンドにおける拡張格子欠陥のアニーリングは炭素原子の拡散を必要とする。ダイヤモンド格子は非常に堅く結合した格子であり、拡散はある条件下を除いて制限される。温度を増加すると拡散は増加するが、圧力の増加は一般的に拡散を減少させる。Ib型ダイヤモンドでは、ダイヤモンド中の窒素のかなりの水準の存在が拡散を著しく高める。ある従来方法(V.D.Antsyginの論文、「光電子計測及びデータ処理(Optoelectronics Instrumentation and Data Processing)」(1998年)No.1、9頁)は、2100℃でのアニーリングで、BARS成長したIb型ダイヤモンドにおける結晶完全度についての改善を示しているが、Ib型及びIIa型における拡張欠陥及びアニーリングのメカニズムはまったく異なり、従来方法は、低窒素濃度を含むダイヤモンドの構造欠陥を除去することは極めて困難であることを教示している。
「BARS」は、高圧及び高温を適用するために使用される、ロシアで開発された装置の型の頭文字であり、これは、また、当業者によって「分割球体」方法とも言われている。
化学蒸着(CVD)により基板上でダイヤモンド等の材料を堆積又は成長させる方法は、現在十分に確立されており、特許及びその他の文献に広く記載されている。ダイヤモンドが基板上に堆積される場合、方法は、一般的に、解離によって、原子形態での水素又はハロゲン(例えば、F、Cl)及びC又は炭素含有基並びにその他の反応性種、例えば、CH、CF(ここで、xは1〜4であることができる)を与えることができるガス混合物を用意する工程を含む。更に、酸素を含む源が存在してもよく、同様に窒素のための源及びホウ素のための源が存在してもよい。多数の方法においては、不活性ガス、例えば、ヘリウム、ネオン又はアルゴン等がまた存在する。従って、一般的な源のガス混合物は、炭化水素C(ここで、x及びyは、それぞれ1〜10であることができる)又はハロカーボンCHal(ここで、x及びzは、それぞれ1〜10であることができ、yは0〜10であることができる)並びに場合により、次の1つ又は複数:CO(ここで、xは0.5〜2であることができる)、O、H及び不活性ガスを含む。それぞれのガスは、その自然の同位体比で存在してもよく、又は相対的同位体比が人為的に制御されてもよい;例えば、水素は重水素又は三重水素として存在してもよく、炭素は、12C又は13Cとして存在してもよい。源のガス混合物の解離は、マイクロ波、RF(ラジオ周波数)エネルギー、火炎、熱フィラメント又はジェットを基にした方法等のエネルギー源により引き起こされ、そのようにして生成された反応性ガス種は基板上へ堆積してダイヤモンドを形成することができる。
従来方法は、CVDダイヤモンドにおける転位が以下の3つの原因から生じることを教示している:CVD成長が生起する表面の転位からの連続、界面での新たな転位の核生成、及び成長中、特に転位密度が既に高い場合の転位増殖による。
CVDダイヤモンドは種々の基板上で製造されてもよい。基板の性質及び加工処理化学の詳細に依存して、多結晶又は単結晶CVDダイヤモンド(本発明の対象物)は製造されてもよい。優れた結晶品質及び制御された点欠陥濃度を有する単結晶ダイヤモンド材料の要求が存在する。そのようなダイヤモンドを創り出すための方法の更なる要求が存在する。
本発明は、X線トポグラフィーにより特徴付けられる拡張欠陥密度が、0.014cmを超える面積にわたって400/cm未満である、単結晶CVDダイヤモンド材料に関する。
本明細書で使用される「拡張欠陥」とは、「積層欠陥」及び/又は「転位」を意味し、これらの用語は当該技術分野においてよく知られている。例えば、ダイヤモンドにおける積層欠陥及び転位は、J.E.Fieldの編集による「天然及び合成ダイヤモンドの性質(The Properties of Natural and Synthetic Diamond)」、Academic Prress 1992年、215頁〜258頁において記載されている。
「積層欠陥」は、積層欠陥が1つ又は複数の転位で結合される点で転位に関係する。積層欠陥が表面を横切らない場合は、その境界は単独転位ループにより画定される。積層欠陥が表面を横切る場合は、この転位ループは破壊される。積層欠陥が2つの表面を横切る場合は、それは2つの転位により結合される。従って、拡張欠陥を数える場合、積層欠陥は1つ又は2つの転位に寄与するこれらによって数えられ、転位総数はすべての拡張欠陥を数えることで足りる。CVDダイヤモンドにおける拡張欠陥の支配的な型は、積層欠陥よりもむしろ転位である。
好ましくは、X線トポグラフィーで特徴付けられる拡張欠陥密度は、300/cm未満、好ましくは200/cm未満、好ましくは100/cm未満である。好ましくは、拡張欠陥密度は、0.1cmを超え、好ましくは0.25cmを超え、好ましくは0.5cmを超え、好ましくは1cmを超え、好ましくは2cmを超える面積にわたって特徴付けられる。
本発明のCVDダイヤモンド材料は、更に、0.1mmを超え、好ましくは0.5mmを超え、好ましくは1mmを超え、好ましくは3.4mmを超え、好ましくは8mmを超え、好ましくは27mmを超え、好ましくは64mmを超え、好ましくは125mmを超え、好ましくは512mmを超え、好ましくは1000mmを超える容量にわたって、1×10−5未満、好ましくは5×10−6未満、好ましくは2×10−6未満、好ましくは1×10−6未満の光学等方性、Δn、を有してもよい。
Δnは、屈折率n及びnの間の差である。Δnは、また、「復屈折」と呼ばれてもよい。Δnは、例えば、WO2004/046427において記載されている通りに計算される、測定されるサンプルの厚さにわたる復屈折の平均値である。Δnの値は、光学的遅れΔnL(ここで、Lは、Δnが測定される方向におけるサンプルの厚さである)から決定されてもよい。ΔnLは、復屈折結像システム(その一例は、Oxford Cryosystems、Long Hanborough、Oxford、UKで製造された「Metripol」である)を使用して、A.M.Glazer et al.、Proc.R.Soc.Lond.A、452(1996年)、2751頁〜2765頁に記載されている技術方法により測定されてもよい。
本発明の方法は、3つの直交方向において第1、第2及び第3の寸法を持つサンプルに対して、第1の寸法が好ましくは0.2mmを超え、好ましくは0.5mmを超え、好ましくは1mmを超え、好ましくは2mmを超え、好ましくは4mmを超える様なCVDダイヤモンドの製造を提供する。第2及び第3の寸法は、第1の寸法よりも大きく、好ましくは1mmを超え、好ましくは2mmを超え、好ましくは4mmを超え、好ましくは7mmを超え、好ましくは15mmを超える。3つの直交方向で測定される最大復屈折、Δn[最大]は、3つの直交方向の少なくとも1つに対して、好ましくは3つの直交方向の少なくとも2つに対して、好ましくは3つの直交方向の3つすべてに対して、1×10−5未満、好ましくは5×10−6未満、好ましくは2×10−6未満、好ましくは1×10−6未満である。
好ましくは、CVDダイヤモンド材料のX線ロッキングカーブ(rocking curve)の半値全幅(FWHM)は10アーク秒未満である。1アーク秒は1アーク分の1/60であり、1アーク分は1角度の1/60である。好ましくは、FWHMは、7アーク秒未満、好ましくは5アーク秒未満、好ましくは3アーク秒未満、好ましくは2アーク秒未満、好ましくは1.5アーク秒未満である。一般的に、ロッキングカーブのFWHMは、当該技術分野において良く知られている方法により、適当な{004}型反射に対して測定される。
好ましくは、単結晶CVDダイヤモンド材料は、上述の低い拡張欠陥密度を有することに加えて点欠陥密度も同時に制御されている。
本明細書で使用されるダイヤモンドにおける「点欠陥」とは、格子部位又は非格子部位上の水素若しくは炭素以外の原子である。成長環境への種の意図的な添加の結果生じる点欠陥は、また、「ドーパント」又は「ドーパント原子」と称されてもよい。成長環境への種の意図的ではない添加の結果生じる点欠陥は、また、「不純物」若しくは「不純物原子」と称されてもよい。原子が格子部位上にある場合の点欠陥は、また、「置換型欠陥」又は「置換型原子」又は「置換型不純物」と称されてもよい。原子が非格子部位上にある場合の点欠陥は、また、「間隙型欠陥」又は「間隙型原子」或いは「間隙型不純物」と称されてもよい。
好ましくは、本発明のCVDダイヤモンドは、X線及び/又は複屈折方法を使用して特殊な基準に対して選択されたその他のダイヤモンド材料上で成長させられる。基板として、拡張欠陥密度及び/又は上述(及び以下で更に詳細に説明される)の復屈折基準により選択された材料を使用することにより、優れた結晶品質を持つ材料だけではなく、制御された点欠陥の密度を含む材料を調製することも可能である。例えば、上で定義された様な復屈折(又は光学等方性)及び拡張欠陥密度を有することで特徴付けられる材料は、また、0.1ppb(10億当たりの部)〜10000ppm(100万当たりの部)の濃度範囲において、CVD成長方法に適合される窒素、ホウ素、リチウム、燐、ケイ素、硫黄等の点欠陥を含んでもよい。実際には、対象となるべき現に知られている用途に対しては、窒素濃度は、一般的に、10ppmより小さく、更に好ましくは、1ppmより小さく、最も好ましくは、0.01ppmより小さくなるように制御され、原子ホウ素濃度は、いくつかの用途に対しては10ppm未満でよいが、その他においては、100ppmより大きく、更に好ましくは、500ppmより大きく、最も好ましくは、2000ppmより大きくてよい。当業者にとっては、これらのドーパント及びこれらの濃度が、用途の性質によって異なる制限内まで制御されてもよいことは明らかである。
ダイヤモンドの様な強力に結合した結晶においては、積層欠陥は、結晶の面及び方向で極めて接近して配列される。ダイヤモンドにおける積層欠陥は、一般的に、{111}面上に在り、積層欠陥の縁部は、一般的に、<110>方向に近い。従って、(001)面に近い(即ち、およそ5°以内)、CVD成長のために使用される表面を伴って調製される基板では、積層欠陥は、表面にほぼ(即ち、およそ5°以内)平行な縁部のセグメントを有して存在してもよい。
順次CVDダイヤモンド成長のために使用される基板における積層欠陥が、成長のために順次に使用される基板の表面に実質的に平行な1つ又は複数のセグメントを有する場合、順次に成長したCVD層について3つの可能な効果が存在する。
第1の可能性は、積層欠陥セグメントが、成長前のエッチング工程に暴露されない表面より十分下にあって、そのような環境下では、CVDダイヤモンド成長は、その存在によって実質的に影響を受けないことである。
第2の可能性は、積層欠陥セグメントが、基板表面の研磨後に又は成長前のエッチングに暴露された後に、及び順次成長中に、成長のために順次に使用される基板の表面を横切り、CVDダイヤモンド層の中に積層欠陥として成長することである。これは、現在までに観察されていない効果である。
第3の可能性は、積層欠陥セグメントが、基板表面の研磨後に又は成長前のエッチングに暴露された後に、成長のために順次に使用される基板の表面を横切り、1つ又は複数の転位が、積層欠陥の暴露縁部上若しくはその付近で核生成され、CVDダイヤモンド層が成長するにつれて大体成長方向に伝播することである。
転位が、積層欠陥成長ではなく核生成される理由は分かっていないが、結晶構造の連続性を維持するための必要性により必要とされる可能性がある。
積層欠陥セグメントが成長前のエッチングに暴露され、1つ又は複数の転位が核生成される場合、核生成する転位の数は非常に多く、従って、これは極めて望ましくない状態である。従って、好ましくは、本発明の材料を作るために使用される基板は、CVD成長方法の成長前のエッチング段階中に暴露されてもよい積層欠陥の数が最少になることを確実にするために慎重に選択される。この点で、CVD成長方法の成長前のエッチング段階中に暴露されてもよい積層欠陥が存在しないことが特に好ましい。
CVD成長方法の成長前のエッチング段階中に暴露されてもよい積層欠陥の存在は、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行(即ち、およそ5°以内)な積層欠陥セグメントの直線の長さを1つの尺度として都合良く表示されてもよい。そのような測定は、X線トポグラフから、好ましくは、{111}反射を使用して行うことができる。積層欠陥が表面を横切るかどうかはX線トポグラフから常に明確ではないので、この分析方法は、成長のために使用される前記表面上に積層欠陥縁部の位置を投影する、上述の様に配列されているすべての積層欠陥セグメントを含む。
好ましくは、本発明の材料の成長のための基板として使用される材料は、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約1000cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約500cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板に対して実質的に平行な、約300cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約200cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約100cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約50cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約30cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約20cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約10cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約5cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約3cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約2cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約1cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約0.5cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約0.3cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約0.2cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約0.1cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約0.05cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約0.03cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約0.02cm未満の積層欠陥縁部の長さ、好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、約0.01cm未満の積層欠陥縁部の長さ、最も好ましくは、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される基板表面に対して実質的に平行な、0cmの積層欠陥縁部の長さを有する。
水素は、本発明のCVDダイヤモンドでは、本明細書で定義されている点欠陥としては特別に除外される。
既に定義されている点欠陥の濃度は、グロー放電質量分析(GDMS)又は二次イオン質量分析(SIMS)等の方法により決定されてもよく、ダイヤモンドに関わるその使用、特に、窒素及びホウ素等の不純物及びドーパントの濃度の測定のための使用は、WO01/96634に開示されている。
本発明のCVDダイヤモンドは、10000ppm(100万当たりの部)未満、好ましくは、1000ppm未満、好ましくは、100ppm未満、好ましくは、30ppm未満、好ましくは、10ppm未満、好ましくは、3ppm未満、好ましくは、1ppm未満、好ましくは、0.3ppm未満、好ましくは、0.1ppm未満の、上で定義された、制御された全体の点欠陥密度を有する。
本発明のCVDダイヤモンドは、好ましくは、10ppm未満、好ましくは、1ppm未満、好ましくは、0.1ppm未満、好ましくは、0.01ppm未満、好ましくは、1ppb未満、好ましくは、0.1ppb未満である様に制御された固体における窒素の濃度を有してもよい。
本発明のCVDダイヤモンドは、好ましくは、10ppm未満、好ましくは、3ppm未満、好ましくは、1ppm未満、好ましくは、0.1ppm未満、好ましくは、0.01ppm未満、好ましくは、1ppb未満、好ましくは0.1ppb未満である様に制御された固体におけるホウ素の濃度を有してもよい。
或いはまた、ある用途では、固体におけるホウ素の濃度が、好ましくは、1×1018原子/cmを超え、好ましくは、5×1018原子/cmを超え、好ましくは、1×1019原子/cmを超え、好ましくは、3×1019原子/cmを超え、好ましくは、1×1020原子/cmを超え、好ましくは、3×1020原子/cmを超える様に制御されたホウ素の濃度を有することが本発明のCVDダイヤモンドにとって望ましいこともある。
本発明のCVDダイヤモンドは、好ましくは、100ppm未満、好ましくは、10ppm未満、好ましくは、1ppm未満、好ましくは、0.1ppm未満、好ましくは、0.01ppm未満、好ましくは、1ppb未満、好ましくは0.1ppb未満である様に制御された燐の固体における濃度を有してもよい。
或いはまた、ある用途では、好ましくは、1×1018原子/cmを超え、好ましくは、5×1018原子/cmを超え、好ましくは、1×1019原子/cmを超え、好ましくは、3×1019原子/cmを超え、好ましくは、1×1020原子/cmを超える様に制御された燐の固体における濃度を有することが本発明のCVDダイヤモンドにとって望ましいこともある。
本発明のCVDダイヤモンドは、好ましくは、10ppm未満、好ましくは、1ppm未満、好ましくは0.1ppm未満、好ましくは0.01ppm未満、好ましくは1ppb未満、好ましくは0.1ppb未満である様に制御された硫黄の固体における濃度を有してもよい。
或いはまた、ある用途では、好ましくは、1×1018原子/cmを超え、好ましくは、5×1018原子/cmを超え、好ましくは、1×1019原子/cmを超え、好ましくは、3×1019原子/cmを超え、好ましくは、1×1020原子/cmを超える様に制御された硫黄の固体における濃度を有することが本発明のCVDダイヤモンドにとって望ましいこともある。
本発明のCVDダイヤモンドは、好ましくは、10ppm未満、好ましくは、1ppm未満、好ましくは、0.1ppm未満、好ましくは、0.01ppm未満、好ましくは、1ppb未満、好ましくは、0.1ppb未満である様に制御されたケイ素の固体における濃度を有してもよい。
本発明のCVDダイヤモンドは、好ましくは、10ppm未満、好ましくは、5ppm未満、好ましくは、2ppm未満、好ましくは、1ppm未満、好ましくは、0.5ppm未満、好ましくは、0.2ppm未満、好ましくは、0.1ppm未満、好ましくは、0.05ppm未満の、窒素、ホウ素、硫黄、燐及びケイ素の固体における全体の濃度を有してもよい。
本発明のCVDダイヤモンドは、10ppm未満、好ましくは、5ppm未満、好ましくは、2ppm未満、好ましくは、1ppm未満、好ましくは、0.5ppm未満、好ましくは、0.2ppm未満、好ましくは、0.1ppm未満、好ましくは、0.05ppm未満の、窒素、ホウ素、ケイ素、硫黄、燐及び水素以外の不純物又はドーパント由来の点欠陥密度を有してもよい。
成長方向に対して垂直のおよそ5°以内にある表面上の異なる場所で行われる少なくとも5つの測定にわたって平均化される場合の、窒素、ホウ素、燐、硫黄及びケイ素を含む任意の点欠陥(即ち、炭素でも水素でもない原子)の濃度の均一性は、好ましくは、任意の単独値が、好ましくは、平均値の±75%以内、更に好ましくは、平均値の±50%以内、最も好ましくは、平均値の±30%以内である。
いくつかの用途に対しては、本発明のCVD単結晶ダイヤモンド材料を含む層状化構造を作ることが有利であってもよい。例えば、複数のホウ素ドープした本来の(即ち、高純度)層を含む層状化構造は、ショットキーダイオードからMESFET(金属半導体電界効果トランジスタ(MEtal Semiconductor Field Effect Transistors))の範囲の電子装置の基礎を形成してもよい。
この方法で、本発明の単結晶CVDダイヤモンドは、序文で列挙したHPHT方法に付随した4つのすべての問題に対する解決手段を提供する。例えば、単結晶CVDダイヤモンドは、ホウ素を含むガス/化合物をCVD成長容器中へ導入することにより、ホウ素でドープすることができる。現在まで、この方法のホモエピタキシャル性は、CVD層における点欠陥密度は高い精度で制御することができるが、拡張欠陥濃度は基板の品質(特に、その拡張欠陥密度)及びその表面仕上げにより支配されたことを意味していた。
本発明は、同時に、制御された点欠陥密度及び低い拡張欠陥密度を持つ単結晶CVDダイヤモンド材料及び前記ダイヤモンドを製造するための方法である。
本発明は、低い拡張欠陥密度及び制御された点欠陥密度の両方を有するCVDダイヤモンドを生成するために、順次CVD成長のために低い拡張欠陥密度を持つダイヤモンド基板を製造するために高圧−高温(HPHT)方法を利用し、それによって、上で列挙された(a)〜(d)の現行の方法の4つの制限に対処する。
本発明によれば、0.014cmを超え、好ましくは、0.1cmを超え、更に好ましくは、0.25cmを超え、なお更に好ましくは、0.5cmを超え、なお更に好ましくは、なお1cmを超え、最も好ましくは2cmを超える面積にわたって、400/cmより下、好ましくは、300/cmより下、好ましくは、200/cmより下、最も好ましくは、100/cm未満の、X線トポグラフィーで特徴付けられる拡張欠陥密度を持つCVD材料が提供される。
ダイヤモンドのCVD合成では、転位の方向は、一般的に、成長の方向に近く、従って、成長方向に対して垂直に近い面は、普通、最も高い転位密度を含むことが期待される。好ましくは、拡張欠陥密度は、成長方向に対して垂直のおよそ5°以内に配向される面に対してX線トポグラフィーで特徴付けられる。
そのような低い転位の密度を持つ単結晶CVDダイヤモンドを作ることができるということは、これが界面において極めて低い水準の転位核生成を必要とすることからして驚くべきことである。本発明で測定される水準と比較して多い、界面におけるいくつかの転位核生成が常に存在するという一般の理解に反して、本発明は、極端に低い転位密度を持つ基板を使用することにより、界面における転位核生成の発生を大部分又は完全に阻止することができることを証明する。
本発明の更なる態様によれば、0.1mmを超え、好ましくは、0.5mmを超え、更に好ましくは、1mmを超え、更に好ましくは、3.4mmを超え、更に好ましくは、8mmを超え、更に好ましくは、27mmを超え、更に好ましくは、64mmを超え、更に好ましくは、125mmを超え、更に好ましくは、512mmを超え、更に好ましくは、1000mmを超える容量にわたって、1×10−5未満の、「Metripol」(商標)復屈折測定装置を使用して特徴付けられる光学等方性を持つCVD材料が提供される。
本発明のCVDダイヤモンドは、X線及び/又は複屈折方法を使用して特別な基準に対して選択されたその他のダイヤモンド材料上で成長させられる。基板として、拡張欠陥密度及び/又は上述の復屈折基準(以下で更に詳細に説明される)により選択された材料を使用することにより、優れた結晶品質を持つ材料だけではなく、制御された点欠陥の密度を含む材料を調製することも可能である。例えば、上で定義された様な復屈折(又は光学等方性)及び拡張欠陥密度を有するものとして特徴付けられる材料は、また、0.1ppb(10億当たりの部)〜10000ppm(100万当たりの部)の濃度範囲において、CVD成長方法に適合される窒素、ホウ素、リチウム、燐等の点欠陥を含んでもよい。実際には、対象となるべき現に知られている用途に対しては、窒素濃度は、一般的に、<10ppm、更に好ましくは、1ppmより小さく、最も好ましくは、0.01ppmより小さくなるまで制御され、原子ホウ素濃度は、いくつかの用途に対しては10ppm未満であってもよいが、その他においては、100ppmより大きく、更に好ましくは、500ppmより大きく、最も好ましくは、2000ppmより大きくてもよい。当業者にとっては、これらのドーパント及びこれらの濃度が、用途の性質によって異なる制限内まで制御されてもよいことは明らかである。
このCVD方法は、序文で列挙したHPHT方法に付随した4つのすべての問題に対する解決手段を提供する。例えば、単結晶CVDダイヤモンドは、いくらかのホウ素を含むガス/化合物をCVD成長容器中へ導入することにより、ホウ素でドープすることができる。しかし、現在まで、この方法のホモエピタキシャル性は、CVD層における点欠陥密度は高い精度で制御することができるが、拡張欠陥濃度は基板の品質(特に、その拡張欠陥密度)及びその表面仕上げにより支配されたことを意味していた。
本発明は、また、上述の単結晶ダイヤモンド材料を製造するための方法に関する。
特に、その上でCVD単結晶ダイヤモンドを成長させるための基板を選択する工程を含み、基板が次の少なくとも1つを有する、上で定義されたCVD単結晶ダイヤモンドを製造するための方法が提供される:
a.0.014cmを超える面積にわたって400/cm未満の、X線トポグラフィーで特徴付けられる拡張欠陥の密度;
b.0.1mmを超える容量にわたって1×10−5未満の光学等方性;及び
c.20アーク秒未満の、(004)反射に対するFWHM X線ロッキングカーブ幅。
好ましくは、本発明の単結晶CVDダイヤモンドがその上で成長させられる基板は、(a)〜(c)の基準の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つにより選択される。好ましくは、選択される基板は、基準(a)、好ましくは(b)、好ましくは(c)、好ましくは(a)及び(b)、好ましくは(a)及び(c)、好ましくは(b)及び(c)、好ましくは(a)、(b)及び(c)に合致する。
好ましくは、選択される基板は、300/cm未満、好ましくは、200/cm未満、好ましくは、100/cm未満の、X線トポグラフィーで特徴付けられる拡張欠陥の密度を有する。好ましくは、その面積にわたって拡張欠陥が特徴付けられる面積は、0.1cmを超え、好ましくは、0.25cmを超え、好ましくは0.5cmを超え、好ましくは、1cmを超え、好ましくは、2cmを超える。
好ましくは、選択される基板は、5×10−6未満、好ましくは、2×10−6未満、好ましくは、1×10−6未満の光学等方性を有する。好ましくは、0.5mmを超え、好ましくは、1mmを超え、好ましくは、3.4mmを超え、好ましくは、8mmを超え、好ましくは、27mmを超え、好ましくは、64mmを超え、好ましくは、125mmを超え、好ましくは、512mmを超え、1000mmを超える容量にわたっている。
好ましくは、選択される基板は、好ましくは、1mm×1mm以上、好ましくは、2mm×2mm以上、好ましくは、4mm×4mm以上、好ましくは、7mm×7mm以上、好ましくは、15mm×15mm以上の面積にわたって測定される、10アーク秒以下、好ましくは、7アーク秒以下、好ましくは、5アーク秒以下、好ましくは、3アーク秒以下、好ましくは、2アーク秒以下、好ましくは、1.5アーク秒以下のFWHMを持つ(004)X線ロッキングカーブを有する。
選択される基板は、好ましくは更に、1%以内まで、好ましくは0.5%以内まで、好ましくは0.2%以内まで、好ましくは0.1%以内まで、好ましくは0.05%以内まで、好ましくは0.02%以内まで、好ましくは0.01%以内まで、好ましくは0.005%以内までの、本発明の順次成長単結晶CVDダイヤモンドの格子パラメータに一致する格子パラメータを有する。
本発明の単結晶CVDダイヤモンドがその上で成長させられる基板を含む単結晶ダイヤモンドは、天然ダイヤモンド又は合成ダイヤモンドであってもよい。好ましくは、選択される基板は合成ダイヤモンドである。合成ダイヤモンド基板は、CVD方法、好ましくは高圧−高温(HPHT)方法により製造されてもよい。選択される基板は、CVDダイヤモンド、好ましくは1つのCVDダイヤモンドであってもよい。選択される基板は、高圧−高温ダイヤモンド、好ましくは1つの高圧−高温ダイヤモンドであってもよい。
本発明は、高圧−高温(HPHT)方法を利用して、順次CVD成長のために、低い拡張欠陥密度を持つダイヤモンド基板を製造する。この方法で、本発明は、低い拡張欠陥密度を持つCVDダイヤモンドを生成することができる。好ましくは、製造されるCVDダイヤモンドは、また、制御された点欠陥密度を有し、これによって、上で列挙された(a)〜(d)の現行の方法の4つの制限に対処する。
本発明の方法での使用のために選択される基板は:
・必要とされる方位の大きな面を持ち、型、形状、サイズ、形態、復屈折で推論される歪及びX線トポグラフィーで決定されてもよい拡張欠陥濃度を含んでもよい基準に対して所望の完全度を有する種を選択する工程、
・適当な支持体の表面に対して実質的に平行に配向された大きな面を持つ種(又は種の類)を、大きな面が、炭素栄養種の最大融剤の方向に対して実質的に正常であり、好ましい成長分域、好ましくは中心成長分域を生じる様な方法で取り付ける工程、
・HPHT環境における成長を、適当なサイズ及び高さの結晶が成長させられるのを確実にするのに十分な時間行う工程、
・結晶を回収する工程、
・X線又はその他の適当な方法を使用して、結晶における構造欠陥の場所及び最も高い結晶完全度の領域を確認する工程、
・場合により、高圧の条件下でこの結晶を高温でアニーリングする工程、
・種から十分に離れた名目上平行な面を持つスライス又はプレートを(X線又はその他の適当な特徴付けに基づいて)、プレートの面が、一般的に、種晶の大きな面に対して平行であり、元の種晶の好ましい面に由来する中心成長分域の割合を含み、プレートが、好ましい成長分域を横切る面積に相当する高結晶完全度の帯域を含む様に選択する工程、並びに
・前記選択したプレートを、機械的な又はレーザー鋸引き等の方法を使用して取り出す工程、及びラッピング又は水平回転円盤研磨(scaif polishing)等の方法を使用して表面を調製する工程、
・更に、高圧下の高温アニーリングによりこのプレートにおける高結晶完全度ダイヤモンドの帯域を拡張し、改善する工程、
・CVD成長のための鋳型又は基板として高結晶完全度のこの帯域を使用する工程、及び
・場合により、上述の工程の1つ又はいくつかの繰返しにより高結晶完全度の帯域において結晶品質を更に改善する工程
を含む方法を使用して成長させられてもよい。
本明細書で参照される「高結晶品質」、「高結晶完全度」及び「優れた結晶品質」と言う用語は、拡張欠陥密度、好ましくは、X線トポグラフィーで測定される拡張欠陥密度が400/cm未満である単結晶又は単結晶の領域を意味する。
好ましくは、選択される成長分域は、立方体(001)成長分域又は八面体(111)成長分域である。
使用されてもよいその他の成長分域は、(113)又は{113}及び(115)又は{115}である。
本発明の更なる態様によれば:
・必要とされる方位の大きな面を持ち、型、形状、サイズ、形態、復屈折で推論される歪及びX線トポグラフィーで決定されてもよい拡張欠陥濃度を含んでもよい基準に対して所望の完全度を有する種を選択する工程、
・適当な支持体の表面に対して実質的に平行に配向された大きな面を持つ種(又は複数の種)を、大きな面が、炭素栄養種の最大融剤の方向に対して実質的に正常であり、好ましい成長分域、好ましくは中心成長分域を生じる様な方法で取り付ける工程、
・HPHT環境における成長を、適当なサイズ及び高さの結晶が成長するのを確実にするのに十分な時間行う工程、
・結晶を回収する工程、
・X線又はその他の適当な方法を使用して、結晶における構造欠陥の場所及び最も高い結晶完全度の領域を確認する工程、
・場合により、高圧の条件下でこの結晶を高温でアニーリングする工程、
種から十分に離れたプレートを(X線又はその他の適当な特徴付けに基づいて)、プレートの面が、一般的に、種晶の大きな面に対して平行であり、元の種晶の好ましい面に由来する中心成長分域の割合を含み、プレートが、好ましい成長分域を横切る面積に相当する高結晶完全度の帯域を含む様に選択する工程、並びに
・前記選択したプレートを、機械的な又はレーザー鋸引き等の方法を使用して取り出す工程及びラッピング又は水平回転円盤研磨等の方法を使用して表面を調製する工程、
・更に、高圧下の高温アニーリングによりこのプレートにおける高結晶完全度ダイヤモンドの帯域を拡張し、改善する工程、
・CVD成長のための鋳型又は基板として高結晶完全度のこの帯域を使用する工程、及び
・場合により、上述の工程の1つ又はいくつかの繰返しにより高結晶完全度の帯域において結晶品質を更に改善する工程
を含む、ダイヤモンド結晶の成長方法が提供される。
好ましくは、選択される成長分域は、立方体(001)成長分域又は八面体(111)成長分域である。
好ましくは、支持体はセラミック担体(又は種パッド)である。
便宜上、本発明の方法においては、{001}成長分域が選択される場合、成長カプセルの温度勾配又は炭素濃度勾配の方向に対して最も接近して平行な<001>方向は、[001]方向、従って、これが、その面に対して結晶の(001)面として正常である面として定義される。
同様に、{111}成長分域が選択される場合、成長カプセルの温度勾配又は炭素濃度勾配の方向に対して最も接近して平行な<111>方向は、[111]方向、従って、これが、その面に対して結晶の(111)面として正常である面として定義される。
以前の研究は、CVD成長のためのダイヤモンド基板の格子パラメータを、順次CVDダイヤモンド成長のパラメータと正確に一致させることにより得られる特定の利益は存在しないことを示唆していた。Ib型基板の慎重な成長前の加工処理及びエッチングにより、適度に低く(例えば、10〜10cm−2)、Ib基板及びCVD層との間の格子パラメータ差とは明らかに相関関係にはない拡張欠陥密度を持つCVD材料の厚い層を成長させることは可能であった。しかし、慎重な基板表面調製、及び非常に低い拡張欠陥密度を持つ基板材料の選択とを組み合わせた場合、基板材料が、また、窒素不純物の低いもの(即ち、IIa型材料)である場合にはある利益が存在することが分かった。この理由は未だ不明であるが、基板の窒素含有量は、基板の加工処理損傷を除去し、成長のための基板表面を調製するために使用される成長前のエッチングの効果に著しい影響を有することが分かる。
本発明の方法では、IIa型ダイヤモンドは、好ましくは、温度勾配法により種晶上で成長させられる。
本発明の方法では、種は、好ましくは、良好な仕上げ(低い粗度及び低い表面損傷)のほぼ平らな表面及び正確な結晶面{001}に近い方位を持つ大きな面を有する。遂行されてもよく、そして共に提供される2つの方法が存在する。初めに、種晶は高結晶完全度の大きな結晶から鋸で切り取られてもよく、更に、それは、そのような結晶の単一の成長分域から鋸で切り取られるべきである。これは、例えば、米国特許第5908503号(Sumiya他)で主張されている。これは、また、立方体形態(すべての面{100})を持つ単独分域種と言われてもよい。実際には、この種は、一般的に鋸で切り取られねばならず、大きな面は、次に研磨されねばならない。必然的に、これは、順次HPHT成長方法の有効性が少なくなる結果となる、種晶に対する方位の間違い及び二次的表面損傷をもたらす。この困難性は、種が、先ず始めに、良好な品質の結晶の成長が開始できる前に(米国特許第4836881号、Satoh及びTsujiで検討された様に)、溶媒/触媒金属に部分的に溶解されねばならない状態をもたらす可能性がある。加工処理されるこの型の種は、また、X線トポグラフィー等の方法で決定される、適当に高結晶完全度の単結晶CVDダイヤモンドから採取されてもよい。
第2に、そして選択的に、種は、良好な完全度の1つ又は複数の大きな成長させた面の存在を達成するために成長させられた、0.5mm程度の小さなサイズの選択されたHPHT結晶であってもよい。大きなダイヤモンド結晶(例えば、1カラット以上)の成長中に、転位が、<110>方向に主に限定され、積層欠陥が{111}面に在る同様の方法では、微細な種からの小さな結晶の成長中に、そのような結晶中の転位が、{111}面の交差を表す8つのスポーク中にほとんど存在し、(001)成長分域中には比較的少ない転位が存在することが分かる。偏光光学顕微鏡で観察される高い歪は、一般的に{111}面の交差の線に沿うが、(001)立方体面を横切らない方向に転位の光線が存在すること、及び立方体面が高い完全度を有するために選択できることを示す。同様の方法で、高い完全度の八面体面は、検査により及び交差偏光光学顕微鏡の使用により選択されてもよい。
種は、加工処理、即ち成長する様に加工処理されてもよく、材料は、発生において合成のIb又はIIa(HPHT又はCVD)型であってもよく、好ましい選択は、低ストレス及びまた、少ない表面欠陥を有する又はまったく表面欠陥を有さない種である。これらの基準は、交差偏光光学顕微鏡又は類似の方法(例えば、Metripol)を使用してストレスに対して種を評価する等の慎重な選択により及び水平回転円盤研磨、プラズマ加工処理、又は反応性イオンエッチング(RIE)等の方法を使用して加工処理することにより一致させることができる。好ましい方法は、選択方法の使用を完全に近い結晶を選択するために行うことである。選択方法は、研磨用途のための結晶ダイヤモンドの製造で生成される大容量の結晶からの材料の加工処理中の部分で行われる。選択は以下の工程を基にする:
(1)不良及び割れた結晶を除くための形状仕分け工程、
(2)金属の異物を含む結晶を除くための磁気仕分け工程、
(3)一般的に500〜550ミクロンの狭いサイズ範囲を確実にするための篩分け工程、
(4)不良表面を除くための、好ましくは偏光光学顕微鏡を使用しての目視仕分け工程、
(5)適当な大きさ(001)の表面の選択工程。
そのようにして選択された種は、更に、温かい酸化性酸混合物の使用等のクリーニング方法を使用して加工処理されてもよい。
本発明の方法では、種は、2500℃程の高い温度で安定化圧力下でアニールされてもよい。
種についての上記要件は、種にとって適当な20000個の結晶でわずか1個と言う選択をもたらすことができる。
単結晶ダイヤモンド材料のHPHT合成では、HPHT成長ダイヤモンド種晶は、一般的に、種の大きな面が種パッドの表面の面に存在する様な方法で種パッド中へ加圧される。HPHT合成ダイヤモンド材料の合成及び特徴付けについての本発明者らの研究は、高結晶品質のHPHT成長ダイヤモンド材料を製造するためには、順次成長において、拡張欠陥(転位及び積層欠陥等)が、その大きな面に対して正常な伝播をしない様な結晶方位を有する大きな面を有する種から出発することが重要であることを本発明者らに教える。この条件が合致した場合、種表面で核生成するか又は種内から通り抜ける任意の拡張欠陥は、比較的に拡張欠陥のないままにして順次に成長した材料の中心領域から離れて伝播する。材料が、種晶の横寸法に比較して大きい厚さ(種晶の大きな面に対して正常な方向で測定して)まで成長した場合、成長する最後の材料は、種又はその表面から生じる拡張欠陥のない、種とは反対側に、比較的に大きな領域を有する(図1を参照されたい)。
構造欠陥の伝播の方向が、種晶の大きな面に対する正常に対して平行な小さな成分のみを有する場合は有利である。これらの成分が小さければ小さいほど、更に急速に、種から生じる拡張欠陥のない面積は、結晶が厚く成長するにつれて面積を増加する。
ダイヤモンド材料のHPHT合成のために使用される一般的な条件下で、転位は、<110>に近い方向で伝播する傾向にあり、積層欠陥は{111}面に存在する。
これは、例えば、{110}配向表面は、転位が種晶の{110}表面に対して正常な伝播をし、更に、2つの{111}積層欠陥面は、種晶の{110}表面に対して垂直であるので種晶の大きな面にとって不十分な選択であることを意味する。
{001}は種晶の大きな面にとっては比較的に良好な選択である。{001}面に存在する2つの<110>方向及びそれに対して45.0度の角度で2つが存在する。これは、種表面で核生成するか又は種内から通り抜ける転位は、結晶が厚く成長するにつれて成長の中心領域から離れた横道の外へ伝播することを意味する。正常な{001}表面は、それぞれの{111}積層欠陥面に関して35.3度の角度で存在し、従って、積層欠陥は、また、基板又はその表面から生じる転位及び積層欠陥が共にない成長の中心領域を残して、結晶が厚く成長するにつれて横道の外へ伝播する。
同様の主張は、{111}表面についての成長に対して適用することができる。<110>転位方向及び正常な{111}表面との間の角度は35.3度である。正常な{111}表面は、3つの{111}積層欠陥面に関して約19.5度の角度で存在する。従って、積層欠陥及び転位は共に、結晶が厚く成長するにつれて、種よりも上の中心領域から離れて伝播することが期待される。明らかに、積層欠陥に対する小さな角度は、高結晶品質の中心領域の面積が、{100}表面に対してよりも更にゆっくりと厚さを増加させることを意味する。
この教示は、転位及び積層欠陥等の拡張欠陥が高頻度で核生成しないダイヤモンド材料を成長させる能力と組み合わされねばならない。転位は、例えば、異物が結晶中に含まれる場合は成長材料内で核生成する可能性がある。本発明者らの研究は、積層欠陥の核生成の可能性は、その他の分域よりも<111>成長分域に対して高いことを示した。その理由で、{001}の大きな種面と一緒に、中心<001>成長分域及びそれを取り囲む任意の小さな分域(例えば、<511>及び<311>等)を、サンプルが厚く成長するにつれてできるだけ急速に拡張させる成長条件を選択することが更に有利である。これは、<111>分域内の積層欠陥及び転位核生成の効果を減少する。
順次CVDダイヤモンド成長のための基板としてこのHPHT材料の使用を含めた多数の用途にとっては、IIa型材料を有することが望ましい。窒素の必要とされる排除は、同時に、高い成長速度を達成すること及び低い結晶品質<111>分域の成長が最小化され、有効な面積の高い結晶品質の領域が最少可能時間で達成できる様な形態を制御することを困難にする。
高結晶品質の領域は、積層欠陥及び転位を直接画像化できるX線投影トポグラフィーを使用して直接確認することができる。いくつかの条件下では、DiamondView(商標)を使用してダイヤモンドを画像化することにより、高結晶品質材料の製造のための領域を選択することが可能である。この装置は、材料の点欠陥の低濃度で引き起こされる発光を励起するためにバンドギャップ放射線より上を使用する。これらの欠陥は、異なる速度で異なる成長表面上に導入され、これは、異なる成長分域からの光ルミネセンスに差を生じる。成長分域及び高結晶品質(上述の様な)の領域との間に相関関係が存在する限り、DiamondView(商標)は、低品質<111>成長分域を排除する高結晶品質プレートの製造のために、中心[001]成長分域及びそれを取り囲む小さな分域の選択を可能とするために使用することができる。
高結晶品質領域の面積は、<111>成長分域における積層欠陥の数を減らすためのHPHTアニーリング(2200℃で又はダイヤモンド安定化圧力下の高温で)により増加することができる。<111>成長分域の結晶品質がこの方法におけるアニーリングで改善された場合、サンプルを加工処理するための適当な面積を選択するために拡張欠陥を直接画像化するX線トポグラフィーを使用することが望ましい。DiamondView(商標)画像化は、<111>成長分域からの材料を含むことが望ましいので選択された面積を最適化するのにそれ程信頼できるものではない。
HPHTアニーリングによる積層欠陥の除去は、いくつかの物理的方法の1つ(又は組合せ)によるものであることができる。HPHTカプセルの内側のダイヤモンドサンプルにかかる圧力は、完全に静水圧(すべての方向で均等)であることはあり得ない。これは、1つの寸法のサンプル長さが、その他の2つの長さとは大きく異なる、本発明者らのカプセルでアニールされたいくつかのダイヤモンドサンプルが、亀裂癖を有することの事実により支持される。そこで、次は、積層欠陥が存在する{111}面上の分解剪断応力である可能性が存在する。積層欠陥は、一般的に、部分的転位で結合されているので、存在する剪断応力は、高温との組合せで、積層欠陥が除去される様な方法でこれらの転位を移動させることができる。これを起こすことのできる1つの方法は滑りによるものである:剪断力は、積層欠陥を含む{111}滑り面を横切る部分的転位の滑りを引き起こし、それによって格子中の異常を補正する。サンプルがまた高温であることは、恐らく滑り速度を増加し、従って、観察可能な効果を生み出す機会を増加する。圧力及び温度が、積層欠陥を結合する転位の運動を引き起こすことができるその他の方法は上昇によるものである:高温は、積極的に転位を移動させるのに必要とされる隙間又は裂け目の吸収又は放出の速度を増加する。この方法では、積層欠陥の境界が完全に収縮し、従って、欠陥を除去することを予見することができる。積層欠陥は結晶の準安定配列であり、従って、これらの除去は結晶の全エネルギーを低下させる。
成長し、アニールされたダイヤモンドは、その後、X線トポグラフィー及び/又は復屈折方法並びに判定基準を使用して更に精査にかけられる。この分析は、最も少ない数の欠陥を伴う面積を確認するために使用される。これを基にして、材料は単離され、加工処理され、化学蒸着成長のための基板材料として使用される。
固有の、B及びNをドープしたダイヤモンドを合成するためのCVD方法は、特許出願WO01/96633、WO01/96634、WO03/052174及びWO03/052177に詳細に説明されており、その内容は参照として本明細書に組み込まれる。これらの方法は、本発明の工程と組み合わせて、特別に制御された点欠陥を持ち、また優れた低い拡張欠陥濃度をも有する新たな材料の可能性を与える。
本発明で得られるCVD材料は、上述の工程のいくつか又はすべてを繰り返すことによって更に精製されてもよい。
本発明の方法の結果として、点欠陥濃度が材料の意図される用途によって制御され、拡張欠陥密度が、以前に可能と考えられた水準よりも下に減少されるCVDダイヤモンド材料が調製できる。
本発明による材料は、多数の用途で特別の使用を見出すことが理解される。
光学用途での使用
独特の要件の結果として、使用される材料について高い要求を置く光学装置の範囲が存在する。例としては、高い強烈なビームが、ある程度の隔離形態を与えることが要求される窓を邪魔されずに通過する必要があるレーザー窓、並びにその他の装置、例えば、光学反射鏡、回折格子及びエタロン等が挙げられる。
特定の用途によって、適当な材料の選択又は製造における役割を演じてもよい重要な性質としては、低い均一な復屈折、均一で高い屈折率、歪の関数としての低い誘導復屈折又は屈折率、低い均一な光吸収、低い均一な光散乱、高い光学(レーザー)損傷閾値、高熱伝導率(光学要素内の温度変動を最小化する)、高い平行度及び平面度と一緒に高い表面研磨を示すために加工処理される能力、機械的強度、耐摩耗性、化学的不活性、及び用途での信頼性となる材料パラメータの再現性が挙げられる。
一例として、復屈折性は材料の光学等方性の1つの尺度である。ダイヤモンドは立方体材料であり、定義によれば、これは、完璧なダイヤモンドが光学的に等方性(即ち、複屈折を示さない)であることを意味する。しかし、実際には、等方性は、格子中へ歪を導入する欠陥により乱される。歪が均質である場合、材料は光学的に均一のままである。そのような均一な歪は、窒素及び/又はホウ素欠陥が存在するが、ダイヤモンドの全体を通して均等に分布している、窒素又はホウ素を含むダイヤモンドにより導入されてもよい様な点欠陥の均一密度と関係する可能性がある。しかし、実際には、積層欠陥及び転位等の欠陥は、多くの場合、不均一歪を生じる。これらの型の欠陥の最小化は、本発明の方法により調製される材料で達成され、これによって意図した用途において改善された性能を与える材料を提供する。
電子用途での使用
ダイヤモンドの本来の性質は、ダイヤモンドを、或種極端な電子用途、特に、高出力、高周波、放射線硬度及び高温電子用途に関する用途に対して潜在的に有用な材料とする。これらの分野のそれぞれには、性能における究極の限界を表す2つの重要なパラメータが基本的に存在する。第1は、電流が材料を通して如何に容易に流れることができるかの1つの尺度であるキャリア移動度であり、第2は、電流キャリア源が存在しない場合にダイヤモンドが高電圧に如何に耐えることができるかである。キャリア移動度を最大にするためには、拡張及び点欠陥密度の両方が、キャリア散乱を最小にし、電流を最大にするために制御されることが重要である。本発明の方法は、同時に、拡張欠陥密度を最小化し、点欠陥密度を制御するのでこのパラメータの最大化にとって決定的なものである。転位等の拡張欠陥が、材料固有の限界より下で電圧破壊をもたらすことはその他の材料では良く知られている。再度、本発明の材料のための本発明の方法は、電圧の撃退を最大になるまで可能にする。特定の用途例としては、高電圧ダイオード及び高出力周波数電界効果トタンジスタが挙げられる。
その他の例の用途
本発明の材料が、その他の用途において多数の利益を有することは当業者には明らかである。例えば、材料又は応力における任意の不均一性が寿命を減少させた機械的摩耗用途等である。
いくつかのCVD方法は、数ミリメートル以上の厚さまでダイヤモンドの成長を可能にするが、一般的なIb型基板の使用は、本発明を使用して達成することのできる結晶完全度の水準の達成を可能としない。更に、成長する材料における構造欠陥の存在及び伝播に対してより一層敏感な、ダイヤモンド合成のためのいくつかのCVD方法が存在する。そのような方法では、構造欠陥は、ホモエピタキシャル成長が可能な厚さを最終的に制限しても、厚さと共に品質の漸進的損失を引き起こして、層が厚く成長するにつれて増加する可能性がある。そのような方法では、本発明で使用される基板等又は本発明のCVD材料から製造することのできる基板等の、できるだけ高い結晶完全度の基板を使用することが有利である。換言すれば、高い結晶完全度の基板の使用は、厚い高品質材料の合成のためのCVD方法の枠を広げる。
本発明の高い結晶完全度の合成ダイヤモンド材料は、また、宝石等の装飾用途にとっても価値のあるものであってもよい。
その他の用途としては、X線シンクロトロン放射線を観察及び制御する際の窓及び/又は検出器材料としての本発明の材料の使用が挙げられる。シンクロトロン放射線X線源で最も重要な傾向は、高輝度、即ち、ビーム光学要素において1平方ミリメートル当たり数百ワット程度の極めて高出力をもたらす、小さな立体角及び短いパルスにおける小さな光源サイズの外の高速光子流に向かっている。ビーム光学要素は一般的に窓、偏光子、フィルター及びモノクロメーターである。多分、高出力密度を蒙る要素は、最初のモノクロメーター結晶(普通、二重結晶設定で多くの場合液体窒素で冷却されている)並びに電源及びX線ビームで撃たれる最初のモノクロメーターとの間の窓である。現に好ましい材料、即ち、極めて高い結晶完全度に成長させることのできるケイ素を使用する場合、位相CT(holotomography)、X線光子相関分光法又は干渉性回折画像化の様な位相感応性画像化実験にとって重要なX線ビームの横断干渉性を保存する光学要素を形成することが可能である。ダイヤモンドは、結晶完全度(全体及び表面の両方)が改善できる場合は[G.Grubel、D.Abernathy、G.Vignaud、M.Sanchez del Rio and A.K.Freund、「ダイヤモンド二重結晶伝送モノクロメーター(A diamond double−crystal transmission monochromator)」、Rev.Sci.Instrum.67(9)1996年、1頁〜4頁]、その熱的性質及び損傷抵抗性の故に好ましい材料である。
HPHT合成方法中に、種晶の成長分域及び成長した結晶中の高完全度の領域との間にはある一致が存在することが分かった。
更に具体的に言えば、最も高い完全度の領域は、上部の水平に近い成長分域に相当する。本明細書で「上部」と言う用語は、種晶から最も遠く離れた成長結晶のその領域を意味し、「水平」と言う用語は、種晶の方位に対して実質的に平行な面及び/又は種晶の支持体の面を意味する。
構造欠陥の伝播の方向が、種晶の大きな面に対する正常に対して平行な小さな成分のみを有する場合は有利である。これらの成分が小さければ小さいほど、更に急速に、種から生じる拡張欠陥のない領域は、結晶が厚く成長するにつれて領域を増加する。
本発明者らは、ダイヤモンド材料のHPHT合成のために使用される一般的な条件下で、転位は、<110>に近い方向で伝播する傾向があり、積層欠陥は{111}面に存在することを見出した。
これは、例えば、{110}配向表面は、転位が種晶の{110}表面に対して正常な伝播をし、更に、2つの{111}積層欠陥面は、種晶の{110}表面に対して垂直であるので種晶の大きな面にとって不十分な選択であることを意味する。従って、低い拡張欠陥密度の領域は決して形成されない。
上記方法は、転位及び積層欠陥等の拡張欠陥が高頻度で核生成しないダイヤモンド材料を成長させる能力と組み合わされねばならない。転位は、例えば、異物が結晶中に含まれることになった場合は成長材料内で核生成する可能性がある。本発明者らの研究は、積層欠陥の核生成の可能性は、その他の成長分域よりも<111>成長分域に対して高いことを示した。この理由で、{001}の大きな面を持つ種を使用する場合は、中心<001>成長分域及びそれを取り囲む任意の小さな分域(例えば、<511>及び<311>等)を、サンプルが厚く成長するにつれてできるだけ急速に拡張させる成長条件を選択することが更に有利である。これは、<111>成長分域内の積層欠陥及び転位核生成の効果を減少する。
CVDダイヤモンド合成のための基板としての材料の使用を含めた多数の用途にとって、IIa型材料を有することが望ましい。窒素の必要とされる排除は、同時に、高い成長速度を達成すること及び最少可能時間で、有効な面積の高い結晶品質領域を得るために、低い結晶品質<111>成長分域での成長の範囲を最小化するための形態を制御することを困難にする。
高結晶品質の領域の場所は、積層欠陥及び転位を直接画像化することのできるX線投影トポグラフィーを使用して直接判断することができる。中心分域が、上で与えられた理由から高結晶品質であるという確信がある場合は、DiamondView(商標)を使用して材料を画像化することにより高結晶品質材料の製造のための領域を選択することが可能である。これは、材料の点欠陥の低濃度で引き起こされる発光を励起するためにバンドギャップ放射線より上を使用する。これらの欠陥は、異なる成長表面上に別々に導入され、これは、異なる成長分域からの光ルミネセンスに差を生じる。成長分域及び高結晶品質(上述の様な)の領域との間に相関関係が存在する限り、DiamondView(商標)は、低品質<111>成長分域を排除する高結晶品質プレートの製造のために、中心<001>成長分域及びそれを取り囲む小さな分域の選択を可能とするために使用することができる。
本発明者らは、高結晶品質領域の面積は、<111>成長分域における積層欠陥を除去するHPHTアニーリング(例えば、ダイヤモンド安定化圧力下の2200℃で)により増加することができることを示した。<111>分域の結晶品質がこの方法でのアニーリングにより改善された場合、サンプルを加工処理するための適当な面積を選択するために拡張欠陥を直接画像化するX線トポグラフィーを使用することが望ましい。DiamondView(商標)画像化は、<111>分域からの材料を含むことが望ましいので選択された面積を最適化するのにそれ程信頼できるものではない。
積層欠陥の除去は、いくつかの物理的方法の1つ(又は組合せ)によるものであることができる。カプセルの内側のダイヤモンドサンプルにかかる圧力は、完全に静水圧(すべての方向で均等)であることはあり得ない。これは、1つの寸法のサンプル長さが、その他の2つの寸法とは大きく異なる、本発明者らのカプセルでアニールされたいくつかのダイヤモンドサンプルが、亀裂癖を有することの事実により支持される。そこで、次は、積層欠陥が存在する{111}面上の分解剪断応力である可能性が存在する。積層欠陥は、一般的に、部分的転位で結合されているので、存在する剪断応力は、高温との組合せで、積層欠陥が除去される様な方法でこれらの転位を移動させることができる。これを起こすことのできる1つの方法は滑りによるものである:剪断力は、積層欠陥を含む{111}滑り面を横切る部分的転位の滑りを引き起こし、それによって格子中の異常を補正する。サンプルがまた高温であることは、恐らく滑り速度を増加し、従って、観察できる効果を生み出す機会を増加させる。圧力及び温度が、積層欠陥を結合している転位の運動を引き起こすことができるその他の方法は上昇によるものである:高温は、積極的に転位を移動させるのに必要とされる隙間又は裂け目の吸収又は放出の速度を増加する。この方法では、積層欠陥の境界が完全に収縮し、従って、欠陥を除去することを予見することができる。積層欠陥は結晶の準安定配列であり、従って、これらを除去すれば、全エネルギーは低下する。積層欠陥は結晶の準安定配列であり、従って、これらを除去することがエネルギー的に有利である。
種が、<001>結晶方向に相当する上部面を伴って使用される場合は、高完全度の帯域は、<001>成長分域にほとんど一致する。
好ましくは、成長結晶における高結晶完全度の所望の成長領域は、成長分域と紫外線発光により線引きされる様な、結晶における高完全度の帯域との間には一致が存在することが分かってはいるが、X線トポグラフィーにより選択される。
実際には、また、隣り合う<115>及び<113>成長分域は、<111>成長分域に比べて低い拡張欠陥の密度を有することもできることが分かる。
結晶の完全度及び最高品質領域の面積は、結晶の方位に対して平行な成長帯域の、上部の水平に近い領域でそのように高い結晶完全度を有する合成ダイヤモンド結晶をアニーリングすることにより増加されてもよい。
結晶成長条件は、水平に近い成長領域の成長を増すために選択されてもよく、それによって、高結晶完全度を有する成長領域の容量を増加する。
好ましくは、水平に近い成長領域の成長を増すために選択される結晶成長条件は、次の1つ又は複数である:圧力及び温度条件、当該技術分野で公知の添加剤又は添加剤類の使用、所望の成長分域に相当する大きな面を持つ大きな種の使用、又は成長するダイヤモンドの真下に放熱板インサートの使用。
成長領域は、一般的に、成長結晶の上部の、更に好ましくは水平に近い部分にある。好ましくは、本発明のこの態様による方法は、好ましい領域を選択するためにX線トポグラフィーを使用する工程を含む。これは、光ルミネセンス及び復屈折で観察される詳細と相関関係にあることが分かっている。理想的な条件下では、本発明の更なる態様においてこの中心領域だけを使用することが望ましい。しかし、この面積の限定されたサイズのために、いくつかの外側<111>成長分域を使用することが必要であってもよい。本発明者らが見出すこれらの成長分域における積層欠陥は、順次CVD層において転位を発生する。これらの積層欠陥は、高温アニーリング方法によりサイズを減少し、移動させ又は除去することさえできる。どの様にしてこれらが除去されるかの正確なメカニズムは明確ではないが、この方法は、ABCABCABCを与えるためにABCACABC欠陥を除去して、ダイヤモンドの密度の増加をもたらすことが考えられる。どの様にしてこれが生起するかの詳細なメカニズムは確かではない;しかし、非静水圧力が、この方法において重要な役割を演じる剪断力をもたらすアニーリングカプセル中に存在することが考えられる。
積層欠陥は、...ABCACABC...の様に積層配列を中断する構造において欠落面が存在する局在化領域からなり(ここで、欠落面は、配列がACである場合のB面である)又は...ABCABACABC...の様に積層配列を中断する構造において余分な面が存在する局在化領域からなる(ここで、余分な面は、配列がBACである場合のA面である)ことができる。両方の場合において、積層欠陥を除去することは、...ABCABCABC...に戻る積層配列をもたらす。
従来方法は、格子パラメータを一致させることの特別の利益は存在しなかったことを示唆している。Ib型基板の慎重な成長前の加工処理及びエッチングにより、適度に低い(10〜10cm−2)、そして基板とCVD層との間の格子パラメータ差に直接相関関係を持たない転位含有量を伴うCVD材料の厚い層を成長させることは可能であった。それは、この材料が、また、窒素不純物の低いものであった場合にだけ利益が存在することが分かった極めて低い転位密度を持つ基板材料を選択するための試みがなされた場合だけであった。このための理由は今なお不明であるが、基板の窒素含有量は、基板の加工処理損傷を除去し、成長のために基板表面を調製するために使用される成長前のエッチングの効果に著しい影響を有することは分かる。
本発明の好ましい実施形態では、IIa型ダイヤモンドは温度勾配法により種晶上で成長させられる。この種は、好ましくは、立方体形態(すべてが面{100})を持つ単独分域である。この種は加工処理、即ち成長する様に加工処理されてもよく、材料は、発生において合成のIb又はIIa(HPHT及びCVD)型であってもよい。好ましい選択は、表面欠陥を持たない低ストレスのIIa型である。これらの基準は、Metripol等を使用してストレスに対して種を判断する等の慎重な選択により満足させることができ、水平回転円盤研磨、プラズマ加工処理、反応性イオンエッチング(RIE)、誘導結合プラズマエッチング(ICP)、イオンビーム加工(IBM)等の方法を使用して加工処理することができる。本発明の1つの変形では、種は、安定化圧力下で、2400℃と言う高温でアニールされてもよい。
合成IIa型ダイヤモンドを製造する温度勾配法は、溶媒/触媒の塊で種晶から分離された炭素源の反応塊を用意する工程及び、カプセルの内容物を、温度勾配が、炭素源及びこの温度勾配の低い端で存在している種との間に確立されている様なダイヤモンドの安定範囲において高温の条件にかける工程を含む。窒素獲得剤は、成長ダイヤモンドの窒素含有量を減少させるために使用される。
単結晶ダイヤモンド材料のHPHT合成では、HPHT成長ダイヤモンド種晶は、一般的に、種の大きな面が種パッドの表面の面に存在する様な方法で種パッド中へ加圧される。HPHT合成ダイヤモンド材料の合成及び特徴付けについての本発明者らの研究は、高結晶品質のHPHT成長ダイヤモンド材料を製造するためには、順次成長において、拡張欠陥(転位及び積層欠陥等)が、その大きな面に対して正常な伝播をしない様な結晶方位を有する大きな面を有する種から出発することが重要であることを本発明者らに教える。この条件が合致した場合、種表面で核生成するか又は種内から通り抜ける任意の拡張欠陥は、比較的に拡張欠陥のないままにして順次に成長した材料の中心領域から離れて伝播する。材料が、種結晶の横寸法に比較して大きい厚さ(種晶の大きな面に対して正常な方向で測定して)まで成長した場合、成長する最後の材料は、種又はその表面から生じる拡張欠陥のない、種とは反対側に、比較的に大きな中心領域を有する(図1を参照されたい)。
これらの種は、HPHT、天然又はSC CVDダイヤモンドであってもよい。慎重な選択及び調製は、種が低ストレスであり(復屈折測定で実証される様に)、成長にとって低い損傷表面を有し、それによって成長が核生成することができることを確実にする。本発明の1つの態様では、この種はアニールされ、又は更に反復方法での最終目的物から製造される。
本発明の1つの好ましい形態では、炭素源及び溶媒/触媒は、できる限り、好ましくは1ppmより下に窒素含有量を減少させるために処理される。これは、例えば、高温、一般的には1100℃を超える高温、及び高真空、一般的には10−5mbarでの処理と、それに続く、HPHT合成方法中に窒素の再入を防ぐ作用をする適当な耐火金属容器でのカプセル化により達成できる。タンタル金属缶はそのような容器の一例である。
炭素源は、CVD、HPHT、天然ダイヤモンド又はグラファイトであってもよいダイヤモンドを含む当該技術分野で知られているものはどれでもよいが、好ましくはCVDダイヤモンドである。
溶媒/触媒は、当該技術分野で知られているものはどれでもよいが、好ましくは、コバルト、鉄若しくはニッケル又は2つ以上のそのような金属の組合せ或いは1つ又は複数のそのような金属を含む合金である。製造されたダイヤモンドでのIIa型特徴を確実にするためには、合金は、好ましくは、例えば、金属のジルコニウム、チタン、アルミニウム、及びセリウムから選択される少量成分を含む。更に、合金成分は、好ましくは、合金化前に調製され、金属の異物を除去する意味で、適当な透明度のダイヤモンド結晶の成長を確実にするために、当該技術分野において教育を受けた者にとって公知の方法により精製される。
HPHT方法は、5〜6GPaの圧力及び1260℃〜1600℃、更に好ましくは1280℃〜1330℃の温度で、加工処理中の圧力及び温度の安定化にとって適当なシステムで行われる。成長時間は、所望の結晶のサイズにより20〜30時間から200〜300時間の範囲であってもよいが、一般的には200時間である。
成長後、結晶は、溶媒/触媒金属の固化マトリックスから取り出され、結晶品質及び好ましい成長分域の行き渡り方、最も一般的には(001)又は立方体成長分域を示す内部形態の存在に対して選択される。0.1〜1ミリメートル厚の厚さのプレートが、鋸での切り取り方向が、プレートの寸法及び好ましい成長分域の存在を最大にするために選択される様に結晶から鋸で切り取られる。鋸での切り取りは、通常のダイヤモンドカミソリ刃、微細ダイヤモンド粒子で含浸した燐青銅円盤を使用して、又はレーザーが、一般的に、1064nmの波長で操作するネオジムYAGレーザーであるレーザーソーイングシステムにより行われてもよい。最後に、鋸で切り取られたプレートは、選択された種面から成長した好ましい分域を含む十分に画定された成長分域の存在に対して、DiamondView(商標)又は同等の紫外線蛍光顕微鏡を使用して検査される。
アニーリング方法を実施するためには、ダイヤモンドサンプルは、これらが充填媒体内に完全に封入される様な方法で、低剪断強度材料(アルカリハロゲン化物等)の円筒状円盤中へ緻密充填される。処理されるサンプルを含む円盤は、次いで、グラファイト容器内にカプセル化され、これは次に2つのタンタリウムカップ内に入れられる。
容器は、次いで、加圧室及び必要とされる極端に高い圧力及び温度条件の達成のための炉の機能を満たすために設計されているHPHT(高圧−高温)室に入れられる。
ベルト型のHPHTプレスは、アニーリング工程を実施するために使用することのできるHPHTシステムの一例である。しかし、その他のHPHTシステムもまたそれらが、必要な高圧及び高温条件を達成することができるのであれば使用できることは理解されるべきことである。しかし、剪断ストレス成分が極めて小さいストレス分野を与えるシステムは、既に開示された理由で適当なものではない可能性がある。
これらの構造を加熱するための一般的な条件は、6.0〜8.0GPa、好ましくは約7GPaの範囲の安定化圧力と、1600℃〜2500℃、好ましくは2200℃よりも大きな温度である。処理時間は、0.1〜48時間で変動してもよいが、好ましくは4時間である。アニーリングメカニズムは、カプセル中に存在する剪断力と関係する可能性があると思えるので、圧力及び温度の正確な詳細はサンプルの幾何学に依存する可能性があり、例えば、1つの寸法がその他の2つよりも非常に小さいアニーリングプレートは、アニーリングがもっと立方体の形状に適用される場合に対して異なる圧力及び温度条件を必要としてもよい。
本発明の重要な態様は、合成ダイヤモンド、更に具体的に言えば、IIa型合成ダイヤモンドの結晶完全度の改善である。合成IIa型ダイヤモンドの格子完全度の改善は、X線トポグラフィー、X線ロッキングカーブ幅測定、又は拡張欠陥若しくは転位及びX線トポグラフで可視的コントラストを与えるその他の欠陥の密度の直接的測定等の方法により測定することができる。これらの転位密度は、一般的に、画像面積の1平方センチメートル当たりの転位の単位で表示される。本発明に関する改善は、100,000転位/cmの水準から500転位/cmより下の水準までの減少である。ロッキングカーブ幅方法を使用すると、改善は、一般的に、およそ7アーク秒の値(ここで、1アーク秒は1アーク分の1/60であり、1アーク分は1角度の1/60である)から、1アーク秒である、ダイヤモンドの理論限界に近い値までの半値全幅での減少として表示される。
ダイヤモンドサンプルの構造欠陥含有量の予備研究は、X線セクショントポグラフィーを使用して行うことができる。X線トポグラフは、Marconi GX20回転陽極X線発生装置からのMo Kα放射線(波長:0.070926nm)を使用するllford L4原子核乳剤上で、0.25mmスリット幅で記録された。この波長で、<533>反射の使用は、ダイヤモンドサンプルが、X線ビームによりサンプル化される面が立方体{100}面に極めて近かった様に設定されることを可能にする。また、81.37°で、ブラッグの条件に対する2θがほとんど90°に近かったので、トポグラフを比較的少ない投影の歪みで記録するのを可能にした。
好ましくは、拡張欠陥密度は、例えば、Marconi GX20回転陽極X線発生装置からのMo Kα放射線(波長0.070926nmの)を使用するllford L4原子核乳剤上で、0.25mmスリット幅を使用して、個々の拡張欠陥のバーガーベクトル(Burgers vector)が決定できる又は個々の拡張欠陥が区別できる条件下で行われるX線トポグラフィーにより特徴付けられる様な、0.014cmを超える面積にわたって400/cm未満である。この測定は、適当な反射のトポグラフを使用して行われる。この測定を行うのに適していてもよい反射の例としては、{533}及び{111}が挙げられる。
ダイヤモンドサンプルの拡張欠陥含有量の更に詳細な研究のためには、X線投影トポグラフィーが実施できる。これは、サンプルの全容量にわたる転位含有量についての更に完全な情報を与える。この情報は、転位及びこれらの直線方向の空間分布を含む。異なるX線反射を使用して発生したトポグラフにおける個々の転位で引き起こされるコントラストの比較により、これらのバーガーベクトルに関して転位を特徴付けることもまた可能である。サンプル内の転位のバーガーベクトル分析のために、X線投影トポグラフは4つの異なる<111>反射のそれぞれに対して記録された。ダイヤモンドにおける転位は、一般的に、<110>方向に沿ってバーガーベクトルを有する。6つの異なる<110>方向は、2つの異なる種類の{111}面がそれに沿って交差する直線で与えられる。良好な接近に対して、転位は、これらのバーガーベクトルが、X線を回折する原子面に対して平行に存在する場合、与えられたトポグラフでは目に見えない。これは、異なる<111>反射を使用してそれぞれに発生した1組の4つのトポグラフに対して、与えられた転位は、転位が不在の2つのトポグラフに対する回折面の交差の線により与えられるバーガーベクトルを伴って、2つのトポグラフには存在し、その他の2つのトポグラフには不在であるべきことを意味する。
ダイヤモンド結晶の積層欠陥は{111}面に存在し、結晶の{111}原子面の歪みを生じる。4つの{111}反射のそれぞれに対してX線投影トポグラフを記録することにより、本発明者らは、従って、この結果が結晶におけるすべての積層欠陥からのコントラストを示すことを確信することができる。
{111}回折を使用することは、この研究において次の更なる利点を有した。それは強力な反射であり、4つの異なる{111}反射を使用して記録された、平行面(001)プレートサンプルの4つの同等の視野を可能にする。Mo Kα放射線では、個々のネジ切り転位をこれらの直線方向に近い方向で観察することを可能にする平面に近い視野を与える。
この方法で適用されるX線トポグラフィーは、本発明に対する関連性の次の結果を得ることを可能にした。HPHT合成で製造された成長させたダイヤモンド材料は、拡張構造欠陥(転位及び積層欠陥の両方)のその含有量を確認するために特徴付けられる。この方法では、高結晶完全度を示すサンプルが選択され、構造欠陥の最も低い含有量を示す領域が、順次CVDダイヤモンド合成のための基板にするために選択された。この方法で選択されたIIa型基板上で成長したCVDダイヤモンド層の品質は、基板の<111>成長分域中の積層欠陥がCVD成長のために存在した初期表面を破壊した場所で転位が核生成した事実により限定された。
CVD成長が、それを破壊する積層欠陥を有するダイヤモンド基板の表面上でホモエピタキシャルに生起する場合、成長が進行するにつれて、構造欠陥はCVD層中へ伝播し、そこから積層欠陥は基板表面に達する。基板に加工処理するのに適した材料を選択する場合は、従って、積層欠陥含有量及び空間分布を特徴付けるための単純な方法を有することが有利である。そのような方法は、サンプルが適切であるかだけではなく、基板を加工処理するためのサンプルにおける最善の領域についての情報を与えるべきである。
X線トポグラフィーは使用することができるが、この方法が利用できない又は時間がかりすぎる場合は、復屈折が、助けとなる情報を与えることができる。成長させたIIa型HPHT合成ダイヤモンドサンプルは、形態では立体−八面体となる傾向があり、積層欠陥は、<111>成長分域に限定される傾向にある。積層欠陥により引き起こされる復屈折は、サンプルの平行な平面側を通して、積層欠陥の面に対して平行な視野方向で見た場合に最も明瞭に見られる。{100}配向種(例えば)から成長した立体−八面体サンプルに対するそのような視野条件は、一対の{110}の窓が、種の面に対して垂直な、サンプルの反対側の上で研磨される場合に達成できる。{111}分域のすべてにおける積層欠陥を、交差偏光顕微鏡を使用してこれらの面に対して平行に見ることを一緒に可能にする2つのそのような一対の{110}の窓を研磨することは一般的に可能である。
サンプルが、交差偏光子を通してこの方法で見られる場合は、積層欠陥に関係する復屈折は、2つの偏光子が積層欠陥の面に対して45度にある場合に最も明瞭に見られる。更に、積層欠陥は、顕微鏡の焦点面が積層欠陥を貫通する場合に最も明瞭に見られることが分かった。顕微鏡の焦点面として見られる積層欠陥の復屈折の可視性での変形は、1つの窓からもう1つの窓までサンプルを通して走査されるので、積層欠陥の深さを判定することを可能にする。
HPHT合成IIa型ダイヤモンド材料が、2200℃で、ダイヤモンド安定化圧力下でアニールされた場合、積層欠陥の含有量は、上で詳しく説明したX線トポグラフィー方法で判定された通りに実質的に減少し、積層欠陥が最早初期成長表面を破壊しない{100}基板を製造することを可能にした。これは、取りも直さず、既に可能とされているよりも高い結晶品質のCVDダイヤモンド層を成長させることを可能にした。
同時に、X線トポグラフは、低い構造欠陥含有量のIIa型基板の使用で、CVD方法において、基板との界面で又は近辺で核生成する転位の数を著しく減少させることが可能であることを示した。
固有の、B及びNをドープしたダイヤモンドを合成するためのCVD方法は、特許出願WO01/96633、WO01/96634、WO03/052174及びWO03/052177において詳細に説明されていて、その内容は、参照として本明細書に組み込まれる。本発明の工程と組み合わせたこれらの方法は、特別に制御された点欠陥を持ち、非常に低い拡張欠陥密度を持つ新しい材料の合成を可能にする。
本発明の使用は、0.014、0.1、0.25、0.5、1及び2cmを超える面積にわたって400/cm、300/cm及び200/cm及び100/cm未満の、X線トポグラフィーで特徴付けられる拡張欠陥密度を持つCVDダイヤモンドをもたらした。
CVD層の構造欠陥含有量を減少させることは、構造欠陥が成長表面を破壊する場合、これらは、CVD成長表面の表面方位で偏りを引き起こす傾向があり、表面方位におけるこれらの偏りは、取りも直さず、ホウ素の導入効率の局所的変動、従って、ホウ素濃度の均一性の減少を引き起こすので、均一なホウ素含有量を持つ材料の成長を容易にする。
復屈折
等方性媒体、例えば、ストレスのないダイヤモンド等に対しては、屈折率は、入射光線の偏光の方向とは無関係である。ダイヤモンドサンプルが、成長中のストレス又は局所的欠陥のために或いは外部的に適用された圧力のために不均一にストレスを受けている場合は、屈折率は異方性である(即ち、材料は光学的に異方性になり得る)。偏光の方向を伴う屈折率の変動は、一般的な楕円形状を有する屈折率楕円体と呼ばれる表面で表されてもよい。任意の2つの楕円軸間の差が、3番目に沿う方向に向けられた光の線形復屈折である。これは、ストレスを受けていない材料の屈折率、ストレス及び材料の光弾性係数を含む関数として表示されてもよい。
多数の方法で材料の復屈折を測定することが可能である。例えば、復屈折は、偏光子及び補正光学要素が光路中に挿入されている通常の方法の偏光分析法LP−S−LA(線形偏光子−試料−線形検光子)を使用して測定されてもよいが、そのような方法の解像度は相対的に低い。
著しく高い解像度を持つ更に高性能の方法、RLP−S−CA(回転線形偏光子−試料−円形検光子)が開発されていて、サンプルは、回転されている偏光面を、直線的に偏光された光(好ましくは、単色の)の透過で照射される。異方性サンプルを通過した後、光は、偏光子及び1/4波長板からなる円形検光子で分析される。CCDカメラは、サンプルを画像化するのに使用され、そのデジタル出力は更なる加工処理にかけることができる。RLP−S−CAは、市販のシステム、「Metripol」(Oxford Cryosystems)として導入されていて、GB2310925に開示されている。RLP−S−CA、及び「Metripol」は、一定の波長での屈折率が、視野方向に対して垂直な面での偏光方向に如何に依存するかについての情報を与える。RLP−S−CAの説明及び特定の研究における「Metripol」の使用方法は、A.M.Glazer et al.in Proc.R.Soc.Lond.A(1996年)452、2751頁〜2765頁で与えられる。
Metropolで使用されるRLP−S−CA方法は、「遅軸」の方向、即ち、屈折率が最大である視野方向に対して垂直な面における偏光方向を決定する。それは、また、|sin δ|(ここで、δは、
δ=(2π/λ)ΔnL
(ここで、λは光の波長であり、Lは試料の厚さであり、Δnは、遅軸及び速軸に対して平行な偏光した光の屈折率間の差、即ち復屈折である)で与えられる位相偏移である)を測定する。ΔnLは「光学的遅れ」として知られている。ΔnLは材料の特定のサンプルの性質である(それは、サンプルの厚さに依存するので)。Δnは材料の性質である(それは、サンプルの厚さに依存しないので)。
L=0.6mm及びλ=589.6nmでの一次遅れに対しては、従って、sin δ=1及びΔnL=λ/4の場合、Δn=2.45×10−4と推論することができ、sin δ=0.5及びΔnL=λ/12の場合、Δn=0.819×10−4と推論することができる。
本発明の単結晶CVDダイヤモンドは、極小の厚さのフィルムよりはむしろ嵩高の材料であり、サンプル上のある一定の点から得られるΔnの値は、実際には、サンプルを通過する関連光路に沿ったΔnのすべての瞬間値の平均である。この区別をはっきりさせるために、Δnは、Δn[平均]として参照されてもよい。Δn[平均]は、光路に対して垂直な面積に対する平均値ではないことは明確にされるべきである。
Metripolで使用されるRLP−S−CA方法は、a)「遅軸」の方位、b)|sin δ|及びc)操作波長で復屈折の不存在下での材料の透過強度の空間変動を示す、3つの色コード化(これは偽色である)画像を生成する。
復屈折測定のためのサンプルは、厚さが既知の光学プレートとして調製され、少なくとも1.3mm×1.3mm、好ましくは少なくとも2.5mm×2.5mm、更に好ましくは少なくとも4mm×4mmの面積にわたって分析される。Metripolで使用されるRLP−S−CA方法により生成された|sin δ|画像は、次いで、分析され、分析面積の全体にわたって各枠(又は画像)における|sin δ|の最大値が記録される。サンプルの枠毎の最大|sin δ|値及び測定された厚さのセットから、Δn(これはΔn[最大]である)の最大値は、分析された面積の全体に対して決定することができる。
|sin δ|の挙動は材料の特定のプレートの性質であり、最大厚さの適用により有用な厚さのプレートに対して本明細書では制約される。材料の更に基礎的な性質は、sin δ情報を、遅軸及び速軸に対して平行な偏光された光の屈折率間の差、Δn[平均]のサンプルの厚さにわたって平均化された値まで戻して変換することにより得ることができる。
装置の解像度及びノイズは、|sin δ|の値、従って、例えば、「Metripol」で測定することのできる、最小の光学的遅れ、ΔnLに対して低い制限を設定する。これは、取りも直さず、このパラメータについての制限が試料の厚さに依存するけれども、測定可能な復屈折について低い制限を設定する。例として、550nmの波長の光に対して|sin δ|についての低い制限が0.03である場合、これは、厚さ500ミクロンのサンプルに対して、Δn=5.25×10−6の測定可能な復屈折についての低い制限に相当し、又は厚さ3500ミクロンのサンプルに対して、Δn=7.5×10−7の測定可能な復屈折についての低い制限に相当する。従って、一定のΔnを持つ材料の薄いサンプルは、現に可能な解像度限界より下の|sin δ|値を有することが可能であるが、厚いサンプルは測定可能である。
復屈折値は、容積測定を効果的に可能にする3直交方向で決定されてもよい。これは、球体光学等のいくつかの用途において特に重要である。以下で定義される制限は、測定及び3mm経路長の仮定を基にして計算される。
従って、本発明の方法は、3直交方向のそれぞれでの復屈折測定が:
1mm×1mmより大きい面積にわたって、更に好ましくは2mm×2mmを超える面積にわたって、更に好ましくは4mm×4mmを超える面積にわたって、なお更に好ましくは7mm×7mmを超える面積にわたって、最も好ましくは15mm×15mmを超える面積にわたって、Δn<2×10−6
1mm×1mmより大きい面積にわたって、更に好ましくは2mm×2mmを超える面積にわたって、更に好ましくは4mm×4mmを超える面積にわたって、なお更に好ましくは7mm×7mmを超える面積にわたって、最も好ましくは15mm×15mmを超える面積にわたって、Δn<5×10−6
1mm×1mmより大きい面積にわたって、更に好ましくは2mm×2mmを超える面積にわたって、更に好ましくは4mm×4mmを超える面積にわたって、なお更に好ましくは7mm×7mmを超える面積にわたって、最も好ましくは15mm×15mmを超える面積にわたって、Δn<1×10−6
の様なΔnの値を示す様なダイヤモンド材料の製造を提供する。
復屈折値が、特定の容量のダイヤモンドの3直交方向のそれぞれに対して一定の閾値より下にある場合は、本明細書の目的に対して、その容積は、その閾値より下の復屈折値を有するものと見なされる。
本発明の方法は、3直交方向において第1、第2及び第3の寸法を持つサンプルに対して、第1の寸法が1mmを超え、好ましくは2mmを超え、最も好ましくは4mmを超え、第2及び第3の寸法が第1の寸法よりも大きく、好ましくは1mmより大きく、好ましくは2mmより大きく、好ましくは4mmより大きく、好ましくは7mmより大きく、最も好ましくは15mmより大きく、3直交方向で測定される最大復屈折Δn[最大]が、3直交方向の少なくとも1つ、更に好ましくは3直交方向の少なくとも2つ、最も好ましくは3直交方向の3つすべてに対して、1×10−5未満、好ましくは5×10−6未満、好ましくは2×10−6未満、最も好ましくは1×10−6未満である様なダイヤモンドの製造を提供する。
従って、本発明の方法は、3直交方向のそれぞれでの復屈折測定が:
1mm×1mmより大きい面積にわたって、更に好ましくは2mm×2mmを超える面積にわたって、更に好ましくは4mm×4mmを超える面積にわたって、なお更に好ましくは7mm×7mmを超える面積にわたって、最も好ましくは15mm×15mmを超える面積にわたって、Δn[最大]<5×10−6
1mm×1mmより大きい面積にわたって、更に好ましくは2mm×2mmを超える面積にわたって、更に好ましくは4mm×4mmを超える面積にわたって、なお更に好ましくは7mm×7mmを超える面積にわたって、最も好ましくは15mm×15mmを超える面積にわたって、Δn[最大]<2×10−6
1mm×1mmより大きい面積にわたって、更に好ましくは2mm×2mmを超える面積にわたって、更に好ましくは4mm×4mmを超える面積にわたって、なお更に好ましくは7mm×7mmを超える面積にわたって、最も好ましくは15mm×15mmを超える面積にわたって、Δn[最大]<1×10−6
の様なΔn[最大]の値を示す様なダイヤモンド材料の製造を提供する。
X線ロッキングカーブ測定
X線ロッキングカーブ測定は、単結晶材料の長距離結晶品質を決定する方法である。X線ロッキングカーブ測定の方法は当該技術分野では良く知られていて、D.Keith Bowen及びBrian K.Tannerによる「高解像度X線回折法及びトポグラフィー(High Resolution X−ray Diffractometry and Topography)」の本に記載されている。
完全な単結晶、即ち、不純物原子、隙間、格子間原子又は拡張欠陥(転位又は積層欠陥等)を含まない結晶は、理論幅(「ダーウィン幅(Darwin Width)」)、マウント法で課せられる弾性曲率の量及び、多くの場合、「機器の広がり」又は「装置関数」として知られている、測定するために使用されるX線ビームの特徴(例えば、ビームの広がり、Δθ、及びX線エネルギーが選択される精度、Δλ/λ、等)で決定される、測定されるロッキングカーブ幅を有する。ダーウィン幅は、結晶の基礎物理及び基本的性質を使用するシミュレーションから決定することができる(例えば、「現代X線物理の原理(Elements of Modern X−ray Physics)」、J.Als−Nielsen and Des McMorrow、Wiley、2001年、173頁〜195頁を参照されたい)。「機器の広がり」又は「装置関数」は実験により決定されてもよい。サンプルの慎重な取付けは、弾性歪(これは、「ブロック状」の結晶よりはむしろウェハ形状結晶に多い問題である)をかけるのを避けるために必要である。
完全なダイヤモンド結晶に対しては、回折研究で使用される一般的なX線波長での{400}面に対する理論ロッキングカーブ半値全幅(FWHM)は、〜1アーク秒である。
実際の単結晶(これは、完全ではない結晶である)に対しては、ロッキングカーブは結晶欠陥の存在により広げられる。
全ロッキングカーブから機器の広がりを解析することは可能であり、その結果正確なロッキングカーブ幅を知ることができる。この適用で、ロッキングカーブ幅のすべての値が、任意の機器の広がり効果のデコンボリューション後に引用される。
ロッキングカーブ幅は、〜10−8のビームエネルギー解像度Δλ/λ(〜0.0023アーク秒の角度の広がりに相当する)及び〜0.2アーク秒のビームの広がりΔθを持つシンクロトロン源からのX線を使用して測定されてもよい。一般的に、サンプルの{400}面からの回折が選択される。一般的な結晶寸法と比較して、X線ビーム及び検出器の比較的に大きい面積は、多くの場合、ロッキングカーブ測定に寄与する結晶の全体容量をもたらす。
ロッキングカーブ測定に対して、測定される結晶は、一般的に、(004)面(即ち、結晶の大きな表面に対して平行な1組の面)が、回折(大雑把に言えば「反射」)のためのブラッグ条件を満たす様にビーム経路中に一列に並べられる。X線検出器は、回折されたビームが最大強度である所に配置される。
入射ビーム及び回折面との間の角度は、特定の面及び使用される波長に対するブラッグ角θである。θは、ブラッグ式:
nλ=2d(hkl)sinθ
(式中、nは整数(しばしば1)であり、λは入射X線放射線の波長であり、d(hkl)は、関連面(hkl)、この場合は(004)の面間隔である)により与えられる。回折面及び回折されたビームとの間の角度はまたθに等しい。
ロッキングカーブ測定は、一般的に、入射X線ビーム及び回折面に対して正常の両方に対して垂直な軸について、回折強度のピークから約30アーク秒までサンプルを傾斜させ、次いで、小さな角度増分(一般的には約0.01アーク秒)で回折条件を通過させることにより行われる。検出された回折X線の数は、各方位における固定滞留時間(これらは、一般的には、シンクロトロンX線源で約0.1〜10秒であり、選択される時間は、測定にかかる全時間と最終データのシグナル対ノイズ比との間の妥協である)中にカウントされる。各角度工程での回折シグナルの強度はロッキングカーブを作成するためにプロットされる;強度は通常ガウス分布を形成する。サンプルのために引用されるロッキングカーブ幅は、ピークの半値全幅(FWHM)である。
本発明のCVDダイヤモンドは、好ましくは1mm×1mmを超え、更に好ましくは2mm×2mmを超え、更に好ましくは4mm×4mmを超え、更に好ましくは7mm×7mmを超え、最も更に好ましくは15mm×15mmを超える面積、及び好ましくは0.2mmを超え、好ましくは0.5mmを超え、好ましくは1mmを超え、好ましくは2mmを超え、好ましくは3mmを超え、好ましくは4mmを超える厚さにわたって測定して、好ましくは10アーク秒以下、更に好ましくは7アーク秒以下、更に好ましくは5アーク秒以下、更に好ましくは3アーク秒以下、更に好ましくは2アーク秒以下、最も好ましくは1.5アーク秒以下の、(004)反射に対するロッキングカーブFWHMを有する。
本発明のCVDダイヤモンドの合成のための基板として使用されるダイヤモンド材料は、好ましくは1mm×1mmを超え、更に好ましくは2mm×2mmを超え、更に好ましくは4mm×4mmを超え、更に好ましくは7mm×7mmを超え、最も更に好ましくは15mm×15mmを超える面積にわたって測定して、20アーク秒以下、好ましくは10アーク秒以下、好ましくは7アーク秒以下、好ましくは5アーク秒以下、好ましくは3アーク秒以下、好ましくは2アーク秒以下、好ましくは1.5アーク秒以下の、(004)反射に対するロッキングカーブFWHMを有する。
本発明は、以下の4つの非限定的実施例を参照して説明される。
(実施例1)
本発明の方法を基にして、HPHTストーンを、成長させた合成IIa型HPHT種から温度勾配法を使用して低窒素濃度で成長させた。結晶が引き出された母集団を初めに機械的に分類し、改善された材料を得た。この分類は磁気選択で行い、金属異物を持つ結晶を除去した。結晶の形状ファクターを改善するために、振動テーブルを使用して形状選択による更なる分類を行った。篩サイズ間の小さいサイズ間隔を持つ篩分システムを使用して、更なる分類を行い、大体、550ミクロン以下で500ミクロン以上のサイズを持つ粒子を得た。最後に、上で概要を説明した工程で処理された少量の結晶を熟練工により検査して適当な結晶を選択し、(001)方位の様な好ましい方位を有する結晶の1つの好ましい面を選択した。選択は、結晶完全度、表面及び縁部の品質並びに、例えば、偏光光学顕微鏡で明らかにされる歪の不存在を基準にして行った。選択された種は、従って、その測定された復屈折、形状、形態及びサイズによる選択基準を満足させたので好ましいものであった。
上述の様に選択し調製した多数の種を、鉄及びコバルトの溶媒触媒を使用し、当該技術分野において公知であって、ダイヤモンド結晶での窒素摂取を防ぐ効果を有する添加剤を使用する、当該技術分野において公知の、IIa型ダイヤモンド結晶のHPHT(高圧−高温)合成で使用した。
HPHT方法は、5GPaの圧力で、1260℃〜1330℃の温度で実施した。成長時間は200時間であった。成長後、結晶を、溶媒/触媒金属の固化マトリックスから取り出し、結晶品質のために選択した。次いで、およそ3カラットの重さを持つ1つのそのようなHPHTダイヤモンドを、フーリエ変換赤外分光(FTIR)を使用して、IIa型であること及び100万分の2部(ppm)未満の窒素濃度を有することを確認した。このストーンの形態は、大きな面及び小さな面の両方を示したが、好ましい成長分域、最も一般的には(001)又は立方体成長分域の行き渡り方を示す外部形態を有していた。
低窒素濃度を有するこの好ましいストーンを、機械的鋸引き及び水平円盤研磨で、一般的に0.5mmの厚さを持つ3つのサンプルに加工処理した。これらのプレートの1つを更に検査した。プレートは、DiamondView(商標)又は同等の紫外線蛍光顕微鏡を使用して、選択された種面から成長した好ましい分域を含む、十分に画定された成長分域の存在に対して検査された。
サンプルを、シンクロトロンX線トポグラフィーを使用してアニーリング前に検査した(図3)。{001}プレートサンプルを、X線ビームに対して名目上平行な面に対して正常であって、{220}面が、X線検出器の方に向けてビームを回折する様にわずかに傾けてビーム中に置いた。図3の2つのシンクロトロントポグラフは、(200)及び(2−20)反射面で形成された。ビーム中のサンプルの小さな傾きは、比較的少量の投影歪みを生む。
更に、X線トポグラフを、サンプルが2200℃で1時間、ダイヤモンド安定化圧力下でHPHTアニールされた後に、実験室X線セットで記録した。図4の4つの{111}投影トポグラフを、4つの異なる{111}反射を使用して記録した。3つのトポグラフを回転することにより、それぞれの場合においてほぼ同じ視野のサンプルが見られる様にして、サンプルの特定領域から見られるコントラストの比較を容易にし、それぞれの場合においてわずかに異なる投影歪みの存在を確認した。
黒点はアニール後の画像上で明白であった。黒点は多分HPHT処理で生じた表面特徴で引き起こされる。これらの歪の領域はサンプルのバルクの中までは通らず、相当する材料は、従って、研磨仕上げすることができた。積層欠陥は、縁を取り入れている暗い台形及び三角形の特徴に相当する。コントラストは、格子変形の方向が回折面に存在する与えられたX線トポグラフの積層欠陥からは生じないが、組み合わされた一対の{220}シンクロトロンX線トポグラフ及び組み合わされた1組の{111}トポグラフは、共に、サンプルに存在するすべての積層欠陥を示すべきで、それが、多少なりともHPHTアニーリング処理が積層欠陥を変化させたかどうかの決定を可能にする。
画像は、積層欠陥サイズ及び位置が、アニーリング処理によって影響を受けたことを示した。領域は、積層欠陥がほとんど除去されている右側25%を除いて、上20%、下20%以内で明白であった。サンプルの下20%は、また、処理後は積層欠陥が比較的に存在しない。最初のアニール前のトポグラフの上に向かう道の5分の1が見える突出した積層欠陥は、明確な中心面積を下方に拡張することを可能にする処理で除去された。
(実施例2)
本発明の方法を基にして、HPHTストーンを、成長させた合成Ib型HPHT種から温度勾配法を使用して低窒素濃度で成長させた。結晶が引き出された母集団を初めに機械的に分類し、改善された材料を得た。この分類は磁気選択で行い、金属異物を持つ結晶を除去した。結晶の形状ファクターを改善するために、振動テーブルを使用して形状選択による更なる分類を行った。篩サイズ間の小さいサイズ間隔を持つ篩分システムを使用して、更なる分類を行い、大体、550ミクロン以下で500ミクロン以上のサイズを持つ粒子を得た。最後に、上で概要を説明した工程で処理された少量の結晶を熟練工により検査して適当な結晶を選択し、(001)方位の様な好ましい方位を有する結晶の1つの好ましい面を選択した。選択は、結晶完全度、表面及び縁部の品質並びに、例えば、偏光光学顕微鏡で明らかにされる歪の不存在を基準にして行った。選択された種は、従って、その測定された復屈折、形状、形態及びサイズによる選択基準を満足させたので好ましいものであった。
上述の様に選択し調製した多数の種を、鉄及びコバルトの溶媒触媒を使用し、当該技術分野において公知であって、ダイヤモンド結晶での窒素摂取を防ぐ効果を有する添加剤を使用する、当該技術分野において公知の、IIa型ダイヤモンド結晶のHPHT(高圧−高温)合成で使用した。HPHT方法は、5GPaの圧力で、1260℃〜1330℃の温度で実施した。成長時間はおよそ200時間であった。
成長後、結晶を、溶媒/触媒金属の固化マトリックスから取り出し、結晶品質のために選択した。次いで、2.6カラットの重さを持つ1つのそのようなHPHTダイヤモンドを、フーリエ変換赤外分光(FTIR)を使用して、IIa型であること及び100万分の2部(ppm)未満の窒素濃度を有することを確認した。このストーンの形態は、大きな面及び小さな面の両方を示したが、好ましい成長分域、最も一般的には(001)又は立方体成長分域の行き渡り方を示す外部形態を有していた。
低窒素濃度を有するこの好ましいストーンを、機械的鋸引き及び水平円盤研磨で、一般的に0.5mmの厚さを持つ3つのサンプルに加工処理した。これらのプレートの1つを更に検査した。プレートを、選択された種面から成長した好ましい分域を含む、十分に画定された成長分域の存在に対して、DiamondView(商標)装置又は同等の紫外線蛍光顕微鏡を使用して検査した。
最も大きい{100}成長分域を持つプレートをX線トポグラフィーで特徴付けして得られたトポグラフを図5で示す。このプレートの中心{100}成長分域は、極めて低い転位密度を有することが分かった。いくつかの{111}成長分域を含む外側の面積は、積層欠陥の高い密度を示した。
材料を、表面下の欠陥を最小にするために既に最適化された手順を利用して、順次CVDダイヤモンド成長方法のための基板として使用するのに適したプレートに変えるために順番にラッピング及び研磨にかけた。最適化は、暴露エッチング後に測定可能な欠陥の密度が、主に材料品質に依存し、一般的に10/mmより下である基板の日常の調製を可能にする、加工処理で導入される欠陥水準を決定するための暴露プラズマエッチングを含む方法を使用して行った。この方法により調製された基板を、次いで、化学蒸着(CVD)方法によるホモエピタキシャルダイヤモンドの順次合成のために使用する。
基板を、高温ダイヤモンド蝋付けを使用してタングステン基板上に載せた。これを、CVD合成反応器中に導入し、エッチング及び成長サイクルを開始した。更に具体的に言えば:
1)マイクロ波反応器に超純水ユースポイント清浄器を予め取り付けて、引き込みガス中の意図的ではない汚染物質種を80ppbより下に減少させた。
2)その場で、酸素プラズマエッチングを、O/Ar/Hの50/40/3000sccm(標準立方センチメートル毎秒)を使用して、230×10Pa及び753℃の基板温度で10分間行った。
3)これを、中断なしで、758℃の温度で10分間、ガス流からOを除去しながら水素エッチング中に移動させた。
4)これを、炭素源(この場合、CH)及びドーパントガスの添加による成長方法中へ移動させた。この例では、160sccmで流動するCHであった。
5)成長期間の完了により、そのホモエピタキシャル層を伴う基板を反応器から取り出した。
6)この成長層を、X線トポグラフィー及び復屈折方法で特徴付けした(図6〜8を参照されたい)。
7)3mm×3mm×1mmを超える容積にわたって測定した復屈折は1×10−5未満であった。
8)図8で示されるX線トポグラフは、転位がHPHT IIa型基板に存在する積層欠陥上で核生成したことを示すその結晶品質を確認した。3mm×3mmの面積にわたって平均した、これらの領域から離れた転位密度は100/cm未満であった。
(実施例3)
2つのHPHT IIa型基板を、発明の要旨並びに実施例1及び2での説明により調製した。基板A(3.42mm×3.26mm×0.53mmの寸法を持つ)を、{111}積層欠陥密度を減少させるために、2700Kで、安定化圧力下でアニールした。基板B(4.81mm×3.56mm×0.67mmの寸法を持つ)は、そのようなアニーリングにはかけなかった。次いで、基板A及びBを、次の反応器条件下でマイクロ波プラズマCVDシステムでの順次CVD堆積のために使用した:190Torrの圧力、光高温計を使用して測定して800℃〜860℃の基板温度、4050sccmのH、54sccmのAr、290sccmのCH、及び100万分の20部でHで希釈した10sccmのB。この様にして、両方の基板上に、およそ400μmの厚さを持つホウ素ドープしたCVDダイヤモンド層を堆積させた。基板A上で成長したCVDダイヤモンド層は「CVD層A」と称し、基板B上で成長したCVDダイヤモンド層は「CVD層B」と称する。
CVD反応器からこれらのサンプルを取り出して、サンプル縁部を加工処理した後、拡張欠陥含有量を、図9及び10で示される様に、X線トポグラフィーで特徴付けた。
図9及び10では、アニールした基板上で成長したCVD層Aは、アニーリングにかけなかった基板上で成長したCVD層Bに比べて低い拡張欠陥密度を有することを見ることができる。CVD層Bの場合では、X線トポグラフは、ネジ切り転位が、HPHT基板中の積層欠陥が成長界面を横切る領域におけるCVD層及びHPHT基板との間の界面で核生成したことを示す。そのような特徴は、基板のHPHTアニーリングの強力な有益効果を示すCVD層AのX線トポグラフからは実質的に欠けている。
CVD層における転位密度はX線トポグラフから測定され、CVD層Aでは200/cm未満であり、CVD層Bではおよそ1640/cmであることが分かった。
CVD層Aにおけるホウ素濃度及び均一性は、束縛及び自由励起子測定により決定された。電子照射下では、いくつかの材料は、エネルギーの赤外−可視−紫外範囲で光子を発する。これは、陰極発光(CL)として知られている。ダイヤモンドでは、ホウ素が存在すると、238nmに束縛励起子が観察される。CLで(UVにおいて)観察された自由励起子対束縛励起子のピーク積分強度の比を使用して、非補償型ホウ素の量の計算が決定できる。
自由励起子(バンドギャップエネルギーに近い)再結合強度は、CVD材料の純度の良好な指示を与える。ホウ素の様な不純物は、自由励起子(FE)の全体の強度に関係なく影響を及ぼし、また、CLスペクトルにおいて低エネルギー束縛励起子(BE)再結合特徴を生成することができる。低窒素サンプルの広範囲にわたる二次イオン質量分析法(SIMS)から、ホウ素(受容体−再結合)束縛励起子対自由励起子比の実験的関係が確立された。定数(SIMS実験で決定される)をかけ合わせた束縛/自由励起子比は、従って、CVDダイヤモンド層における非補償型ホウ素含有量を決定するのに使用することができる。
CVD層Aにおけるホウ素濃度は、名目上の直径が200nmの15kV入射電子ビーム及び77Kのサンプル温度を使用して、サンプルの縁部に対して大体平行な方向で400μm毎に分けられた42個の点で上記方法を使用して決定された。42個の測定点にわたる平均(即ち、算術平均)ホウ素濃度は、0.39ppmの標準偏差で、100万分の2.90部(ppm)と計算された。決定された最高値は3.69ppmで、平均値よりも27.3%高かった。記録された最低値は2.04ppmで、平均値より29.6%低かった。
アニールされた基板上で成長したCVD層は、従って、点欠陥密度(この場合は、意図的に添加されたホウ素)及び拡張欠陥密度が共に制御された例である。
(実施例4)
更なる実施例として、2つの基板(「基板C」及び「基板D」と称する)を、2つの大きなIIa型HPHT成長ダイヤモンドからX線方法により選択した。HPHT IIa型ダイヤモンドを、説明された方法により成長させた。これらのダイヤモンドを種々の定量、半定量及び定量復屈折方法(「Metripol」型の復屈折測定装置の使用を含めて)により特徴付けた。「基板E」と称する更なる基板を、また、大きな(3カラット超)Ib型HPHT合成ダイヤモンド(即ち、特別に調製され又は選択されたストーンではない)から製造した。
基板C、D及びEは、4.4mm×3.4mm×0.8mm、5.3mm×5.0mm×0.7mm、及び3.0mm×3.2mm×0.7mmの寸法をそれぞれに有していた。
基板Cは、2700Kの温度で、15分間、安定化圧力下でアニールされた。図11及び12は、アニーリング前及び後に撮影された基板CのX線トポグラフである。いくつかの積層欠陥は、アニール後の基板C中になお存在するが、大部分はアニールで除去された。
基板D及びEはアニールされなかった。
基板Dの{400}X線投影トポグラフは図13で示され、相当する復屈折画像は図14で示される。
比較のため、Ib型基板Eの復屈折画像が図15で示される。
フーリエ変換赤外分光(FTIR)測定を、3つの基板について、これらの窒素含有量を決定するために行った。基板Eはその中心成長分域においておよそ404ppmの窒素を含み、基板C及びDは、1ppm未満の窒素を含むことを示した。
この選択及び特徴付け工程の後に、基板C、D及びEを、次の反応器条件下で、マイクロ波プラズマCVD方法における基板として使用した:180Torrの圧力、800℃〜860℃の基板温度、3000sccmのH、40sccmのAr、165sccmのCH、及び100万分の100部でHで希釈した21sccmのN
成長させた材料を、レーザー鋸引きで基板から分離し、ブロック(以降、「CVD層C」、「CVD層D」及び「CVD層E」と称する、ここで、CVD層Cは、基板C等の上で成長させられた)に研磨した。
CVD層Dの寸法は、5.5mm×4.8mm×3.1mmであった。
復屈折の特徴付けは、HPHT IIa型基板C及びDを使用して製造した、CVD層C及びCVD層Dの歪の水準が、Ib型基板E上で成長したCVD層Eの歪の水準よりも非常に低かったことを示した。
CVD層Dの2つの垂直方向に対する歪水準の図16a及び16bのグレースケール復屈折マップは、復屈折測定装置(「Metripol」装置等)から得た(明るい影は、高い歪水準に相当する)。CVD層C、D及びEについての定量的復屈折測定は、3mm×3mm×1mmを超える(即ち、9mmを超える)容量にわたって、CVD層C及びCVD層Dの復屈折が1×10−5未満であるのに対して、CVD層Eに対しては1×10−4未満で1×10−5を超えることを示した。およそ1mm×1mm×1mmを超える(即ち、およそ1mmを超える)容量にわたるCVD層Dの測定された復屈折は、4×10−6未満であった。およそ1.5mm×1.5mm×1mmを超える(即ち、およそ2.25mmを超える)容量にわたるCVD層Cの測定された復屈折は、4×10−6未満であった。
復屈折測定は、アニールされたIIa型HPHT基板上で成長したCVD層Cが、アニールしなかったIIa型HPHT基板上で成長したCVD層Dよりも、大容量(大きさで2倍を超える)にわたって極端に低い復屈折を有し、これによってアニーリング方法の利益を証明していることを示す。
X線トポグラフ(図15及び図16)は、CVD層の転位が、HPHT IIa材料に存在する積層欠陥上で主に核生成したことを示す、CVD層C及びCVD層Dの結晶品質を確認した。3mm×3mmの面積にわたって平均した、これらの領域から離れた転位密度は400/cm未満であった。
比較では、基板E(Ib型基板)上で成長したCVD層Eは、1900/cmを超える非常に高い転位密度を示した。
本発明の方法により測定された、CVD層Dに対するFWHM X線ロッキングカーブ幅は1.92アーク秒であった。
HPHTで<100>配向種から成長した合成ダイヤモンドにおける成長分域の概念図である。この幾何学では、その積層欠陥及び拡張欠陥は、中心{100}の外側の成長分域に主に存在する。簡略化するために、{113}及び{115}等の小さな成長分域はこの実施例では無視される。 図1aと同じ概念図であるが、灰色の面積で示される高結晶完全度の帯域を持つ好ましい成長分域を介して切断したプレートを示す。 高純度及び低蛍光の中心領域(暗い領域)を示す横断面(成長は紙面の外にある)のDiamondView(商標)を使用して撮影したUV蛍光画像である。いくつかの例では、これは、最高結晶化度(即ち、最高結晶品質)を持つ帯域を選択する際の手助けのために使用することができる。しかし、低蛍光が最高結晶品質には相当しない場合の例が存在することは強調されるべきである。 アニーリング前の実施例1で説明されるプレートのシンクロトロンX線放射線源を使用して得られた{220}投影トポグラフである。最高結晶純度の帯域(即ち、最高結晶品質の帯域)は、プレートの中心近くで見出される中心の長方形である。暗い面積は、転位及び積層欠陥の高密度と関係している。 アニーリング前の実施例1で説明されるプレートのシンクロトロンX線放射線源を使用して得られた{220}投影トポグラフである。最高結晶純度の帯域(即ち、最高結晶品質の帯域)は、プレートの中心近くで見出される中心の長方形である。暗い面積は、転位及び積層欠陥の高密度と関係している。 2200℃で、安定化圧力でのアニーリング後の、実施例1で説明されるプレートの、1組の4つの{111}投影トポグラフである。積層欠陥及び可能な転位の密度は減少している。すべての画像に存在する黒点は、サンプル表面上のゴミ/損傷に関係している。 実施例2で使用されるHPHTプレートのシンクロトロンX線トポグラフである。 実施例2のHPHTプレート上で得られるCVDの復屈折画像である。元のHPHT IIa基板でこれらの面積における積層欠陥の高密度に相当する外側の面積における高ストレス(明るい領域)に注意されたい。 Metripol装置を使用する、実施例2で成長したCVD層の定量的復屈折画像である。HPHT IIaプレートで積層欠陥の元の位置に相当する外側の面積における高ストレスに注意されたい。均一な灰色面積(偽色画像から転換された)は、1×10−5未満の復屈折に相当する。 図4で特徴付けられたCVD層及びIIa HPHT基板の両方を示す3D X線トポグラフである。転位は、HPHT IIa基板で積層欠陥を開始するCVDで羽毛を着ける。図7で最低復屈折を示す領域に相当するCVDプレートの中心面積は本質的に積層欠陥がない。 高圧−高温アニーリング後であって、実施例3での条件を使用して、ホウ素ドープしたCVDダイヤモンド層で成長させられた後の基板Aの{111}X線トポグラフである。 実施例3での条件を使用して、ホウ素ドープしたCVD層で成長させられた後の基板Bの{111}X線トポグラフである。基板Bは、ホウ素ドープしたCVDダイヤモンド層で成長させられる前に高圧−高温アニールにはかけられなかった。 高圧−高温アニーリング前のHPHT IIa基板Cの{111}X線投影トポグラフィーである。 高圧−高温アニーリング後のHPHT IIa基板Cの{111}X線投影トポグラフィーである。 基板Dの{004}X線投影トポグラフである。 Metripol装置を使用して得た基板Dの復屈折画像である。復屈折の水準は極めて低い。画像は、黒が復屈折の不存在を示し、徐々に更に強まる色は、徐々に増す復屈折を示す点で半定量的である。 Metripol装置を使用して得た基板Eの復屈折画像である。基板Eは、その中心{100}成長分域に404ppmの窒素を含んでいた。基板Dにおけるよりも基板Eにおいて相当多くの復屈折が存在することを見ることができる。 成長方向に対して垂直な方向で測定した歪の大きさを示す、Metripol装置を使用して得たCVD層Dのグレースケール画像である。グレーの影が明るくなればなる程、歪は大きくなり、黒は低歪を示し、白は高歪を示す。 成長方向に対して平行な方向で測定した歪の大きさを示す、Metripol装置を使用して得たCVD層Dのグレースケール画像である。グレーの影が明るくなればなる程、歪は大きくなり、黒は低歪を示し、白は高歪を示す。 中心{100}成長分域における非常に低い転位密度を示す、CVD層Dの{004}X線投影トポグラフである。 CVD層Dに存在するよりも中心{100}成長分域での更に高い転位密度を示す、CVD層Eの{004}X線投影トポグラフである。

Claims (23)

  1. X線トポグラフィーにより特徴付けられる拡張欠陥密度が、0.014cmを超える面積にわたって400/cm未満であり、0.1ppm未満の固体における窒素の濃度を有する、単結晶CVDダイヤモンド材料。
  2. 0.1mmを超える容量にわたって1×10−5未満の光学等方性を更に有する、請求項1に記載の材料。
  3. (004)反射に対するX線ロッキングカーブが、10アーク秒未満の半値全幅(FWHM)を有する、請求項1又は2に記載の材料。
  4. 制御された点欠陥密度を有する、請求項1から3までのいずれかに記載の材料。
  5. 全点欠陥密度が10000ppm未満である、請求項4に記載の材料。
  6. 窒素濃度が0.01ppm未満である、請求項4又は5に記載の材料。
  7. ホウ素濃度が10ppm未満である、請求項4から6までのいずれかに記載の材料。
  8. ホウ素濃度が1×1018原子/cmを超える、請求項4から6までのいずれかに記載の材料。
  9. ケイ素濃度が10ppm未満である、請求項4から8までのいずれかに記載の材料。
  10. 硫黄濃度が10ppm未満である、請求項4から9までのいずれかに記載の材料。
  11. 硫黄濃度が1×1018原子/cmを超える、請求項4から9までのいずれかに記載の材料。
  12. 燐濃度が10ppm未満である、請求項4から11までのいずれかに記載の材料。
  13. 燐濃度が1×1018原子/cmを超える、請求項4から11までのいずれかに記載の材料。
  14. 窒素、ホウ素、ケイ素、硫黄、燐及び水素以外の不純物又はドーパント由来の点欠陥密度が10ppm未満である、請求項4から13までのいずれかに記載の材料。
  15. 窒素、ホウ素、ケイ素、硫黄又は燐を含むいずれかの点欠陥の濃度の均一性が、少なくとも5つの測定が成長方向に対して垂直の5°以内にある表面上の異なる場所で行われる場合に、行われる測定の平均値の±75%以内に測定されるいずれかの単独値がなるようになる、請求項4から13までのいずれかに記載の材料。
  16. (004)反射に対するX線ロッキングカーブが、1mm×1mmを超える面積にわたって、10アーク秒未満の半値全幅(FWHM)を有し、0.1ppm未満の固体における窒素の濃度を有する、0.2mmを超える厚さを有する単結晶CVDダイヤモンド材料。
  17. その上でCVD単結晶ダイヤモンドを成長させるための単結晶ダイヤモンド基板を選択する工程を含み、前記単結晶ダイヤモンド基板が、次のa〜cの少なくとも1つを有する、CVD単結晶ダイヤモンド材料の製造方法であって、該製造方法が、窒素濃度を制御して、0.1ppm未満の固体における窒素の濃度を有し、X線トポグラフィーにより特徴付けられる拡張欠陥密度が、0.014cmを超える面積にわたって400/cm未満である、CVD単結晶ダイヤモンドを製造する工程をさらに含む、上記製造方法:
    a.0.014cmを超える面積にわたって400/cm未満の、X線トポグラフィーで特徴付けられる拡張欠陥の密度;
    b.0.1mmを超える容量にわたって1×10−5未満の光学等方性;及び
    c.20アーク秒未満の、(004)反射に対するFWHM X線ロッキングカーブ幅。
  18. 前記基板が、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される前記基板表面に対して実質的に平行な、1000cm未満の積層欠陥縁部長さを有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記基板が、X線トポグラフィーで測定して、この基板表面の1cm当たり、成長のために使用される前記基板表面に対して実質的に平行な、0cmの積層欠陥縁部長さを有する、請求項17に記載の方法。
  20. 前記基板がIb型ダイヤモンドである、請求項17から19までのいずれかに記載の方法。
  21. 前記基板がIIa型ダイヤモンドである、請求項17から19までのいずれかに記載の方法。
  22. 前記基板が高温高圧(HPHT)ダイヤモンドである、請求項17から19までのいずれかに記載の方法。
  23. 前記基板がCVDダイヤモンドである、請求項17から19までのいずれかに記載の方法。
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