JP5322943B2 - アレーアンテナ装置 - Google Patents

アレーアンテナ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5322943B2
JP5322943B2 JP2009537916A JP2009537916A JP5322943B2 JP 5322943 B2 JP5322943 B2 JP 5322943B2 JP 2009537916 A JP2009537916 A JP 2009537916A JP 2009537916 A JP2009537916 A JP 2009537916A JP 5322943 B2 JP5322943 B2 JP 5322943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
control line
variable
parasitic
directivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009537916A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009050883A1 (ja
Inventor
宗太郎 新海
渡 野口
弘之 万木
方彦 名越
昭彦 汐月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009537916A priority Critical patent/JP5322943B2/ja
Publication of JPWO2009050883A1 publication Critical patent/JPWO2009050883A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5322943B2 publication Critical patent/JP5322943B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/44Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the electric or magnetic characteristics of reflecting, refracting, or diffracting devices associated with the radiating element
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/12Supports; Mounting means
    • H01Q1/22Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles
    • H01Q1/2291Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles used in bluetooth or WI-FI devices of Wireless Local Area Networks [WLAN]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/52Means for reducing coupling between antennas; Means for reducing coupling between an antenna and another structure
    • H01Q1/528Means for reducing coupling between antennas; Means for reducing coupling between an antenna and another structure reducing the re-radiation of a support structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/06Arrays of individually energised antenna units similarly polarised and spaced apart
    • H01Q21/061Two dimensional planar arrays
    • H01Q21/062Two dimensional planar arrays using dipole aerials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q9/00Electrically-short antennas having dimensions not more than twice the operating wavelength and consisting of conductive active radiating elements
    • H01Q9/04Resonant antennas
    • H01Q9/16Resonant antennas with feed intermediate between the extremities of the antenna, e.g. centre-fed dipole
    • H01Q9/28Conical, cylindrical, cage, strip, gauze, or like elements having an extended radiating surface; Elements comprising two conical surfaces having collinear axes and adjacent apices and fed by two-conductor transmission lines
    • H01Q9/285Planar dipole

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)

Description

本発明は、電気的にビーム方向を切り替え可能である指向性可変なアレーアンテナ装置に関し、特にその指向性制御回路に関する。
IEEE802.11a/b/g規格に準拠した無線LANやBluetoothなど、無線技術を応用した機器が近年急速に普及している。IEEE802.11aやIEEE802.11gは、データの伝送速度が54Mbpsとされているが、最近では、さらに高速な伝送速度を実現するための無線方式の研究及び開発が盛んになっている。
無線通信システムの高速化を実現する技術の1つとして、MIMO(Multi−Input Multi−Output)通信システムが注目を集めている。これは、送信機側と受信機側の双方において複数のアンテナ素子を備え、空間多重した伝送路を実現することにより、伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成する技術であり、無線LANのみならず、携帯電話通信システムや、IEEE802.16e(WiMAX)など、次世代無線通信システムにおいて必須の技術とされる。
MIMO通信方式は、送信機において複数のアンテナ素子に送信データを分配して送出し、複数の仮想的なMIMOチャネルを利用して伝送し、受信機では複数のアンテナ素子により受信した信号から信号処理によって受信データを得るものである。一般的に、MIMO通信方式を使用した無線機器の場合、ダイポールアンテナやスリーブアンテナなど無指向性アンテナ素子が複数本使用される。この場合、アンテナ素子間の距離を十分に離す、又はそれぞれのアンテナ素子を別の方向に傾け異なる偏波の組み合わせにするといった工夫を行わない限り、互いのアンテナ素子間の相関が大きくなり、伝送品質が悪くなるといった問題があった。
この問題を解決するための従来技術として、例えば、特許文献1に記載された指向性適応型アンテナであるアレーアンテナ装置を使用することが考えられる。特許文献1のアレーアンテナ装置は、誘電体支持基板上に垂直に設置された半波長ダイポールアンテナの周囲を取り囲むように、3つのプリント配線基板が配置されて構成されている。半波長ダイポールアンテナへは、平衡型給電ケーブルを介して高周波信号が供給される。また、各プリント配線基板の裏面には、2つのプリントアンテナ素子(導体パターンにてなる素子)を一組として、2組の非励振素子(無給電素子)が平行に設けられており、各非励振素子において、2つのプリントアンテナ素子は所定の隙間を有して対向するように設けられている。各プリントアンテナ素子の対向側端部にはスルーホール導体が設けられ、プリント配線基板の表側の電極端子に接続されている。各非励振素子において、2つの電極端子間には可変容量ダイオードが実装され、各電極端子はさらに高周波阻止用高抵抗を介してペアケーブルに接続され、ペアケーブルは、当該アレーアンテナ装置の指向特性を制御するコントローラ(図示せず)の印加バイアス電圧端子DC+及びDC−に接続されている。コントローラからの印加バイアス電圧を切り替えることにより、非励振素子に接続された可変容量ダイオードのリアクタンス値が変化する。これにより、各非励振素子の電気長を、半波長ダイポールアンテナと比較して変化させ、当該アレーアンテナ装置の平面指向特性を変化させている。
特許文献1のアレーアンテナ装置のような指向性適応型アンテナをMIMO通信用アンテナとして採用し、アンテナ間の相関が発生しないよう、それぞれの指向性を設定することで、アンテナ間の距離を小さくすることが可能となる。
また、MIMO通信に指向性適応型アンテナを採用することで、次の二つの利点が考えられる。第1の利点として、受信側で電界レベルが弱い場合に、強い電波が到来してくる方向に指向性を向けることで、安定した電界レベルでの受信が可能となる。第2の利点として、壁や天井からの反射波によるフェージングが発生した場合、あるアンテナが直接波を受信し、他のアンテナが遅延時間の長い反射波を受信することにより、より効果のあるMIMO無線通信が可能となる。
特開2002−261532号公報。
特許文献1に記載の指向性適応型アンテナをMIMO通信システムに使用することにより、アンテナ間の相関の低減、通信品質の向上、受信電力の向上といった、前述した3つのメリットを享受し、アンテナ装置の占める領域を小さくすることができる。
しかしながら、前記従来の指向性適応型アンテナを近距離に配置した場合、無給電素子を制御する可変容量ダイオードに接続された直流電圧供給線路が、隣接したアンテナの指向性に影響を与え、所望の指向性切り替え特性が望めないという面で課題があった。
また、前記従来の指向性適応型アンテナでは、指向性を切り替えるスイッチング素子として可変容量ダイオードのリアクタンス変化を使用している。ところが、可変容量ダイオードなどの可変リアクタンス素子は、数GHz〜数十GHzのセンチメートル波領域においては、電圧に対するリアクタンス値の変動が起こらなくなり、従って指向性の切り替えが起こらないという課題があった。
本発明の目的は、前述した2つの従来の課題を解決するもので、アンテナ間の距離を近づけた場合や、数GHz〜数十GHzのセンチメートル波領域においても、「無指向に放射する状態」と「特定の方向にビームを持った状態」とを切り替えることができ、MIMO通信方式に適したアレーアンテナ装置を提供することにある。
本発明の態様に係るアレーアンテナ装置によれば、複数の可変指向性アンテナを備えたアレーアンテナ装置において、上記複数の可変指向性アンテナのそれぞれは、
給電アンテナ素子と、
上記給電アンテナ素子から所定方向に所定距離だけそれぞれ離隔するように上記給電アンテナ素子に対してそれぞれ並置され、第1の導体部分と第2の導体部分とをそれぞれ備えた少なくとも1つの無給電アンテナ素子と、
上記少なくとも1つの無給電アンテナ素子のそれぞれに設けられた一対の整流素子とを備え、上記一対の整流素子は上記第1の導体部分及び上記第2の導体部分の間に設けられ、両方の整流素子のアノードは互いに接続され、一方の整流素子のカソードは上記第1の導体部分に接続され、他方の整流素子のカソードは上記第2の導体部分に接続され、上記一対の整流素子は、バイアス電圧印加手段からバイアス電圧が印加されたときに上記無給電アンテナ素子を反射器として動作させ、
上記複数の可変指向性アンテナのそれぞれはさらに、
上記各整流素子を上記バイアス電圧印加手段に接続する制御線と、
上記各制御線において、当該制御線が接続された整流素子を備えた可変指向性アンテナとは異なる他の可変指向性アンテナと電磁的に結合した部分に所定間隔で設けられた少なくとも2つの第1のインダクタとを備え、
上記少なくとも2つの第1のインダクタを設ける間隔は、上記制御線における上記第1のインダクタ間の区間が上記可変指向性アンテナの動作周波数において実質的に共振しない長さに設定されることを特徴とする。
上記アレーアンテナ装置において、上記少なくとも2つの第1のインダクタを設ける間隔は、上記制御線における上記第1のインダクタ間の区間が上記可変指向性アンテナの動作波長の4分の1の整数倍とは異なる長さに設定されることを特徴とする。
また、上記アレーアンテナ装置の上記各制御線において、当該制御線が接続された整流素子を備えた可変指向性アンテナと電磁的に結合した部分に設けられた少なくとも1つの第2のインダクタをさらに備え、上記制御線における上記整流素子と上記第2のインダクタとの間の区間は、上記可変指向性アンテナの動作周波数において実質的に共振しない長さに設定されることを特徴とする。
さらに、上記アレーアンテナ装置はプリント配線基板上にパターン形成され、
上記複数の可変指向性アンテナのそれぞれは、上記給電アンテナ素子を挟むように設けられた2つの無給電アンテナ素子を備えたことを特徴とする。
またさらに、上記アレーアンテナ装置は複数のプリント配線基板上にパターン形成され、
上記複数の可変指向性アンテナのそれぞれは、上記複数のプリント配線基板のうちの少なくとも1つに設けられた少なくとも1つの無給電アンテナ素子を備えたことを特徴とする。
本発明のアレーアンテナ装置によれば、前記従来の課題を解決するために、無給電アンテナ素子の中央部に隙間を設け、一対の整流素子(例えばPINダイオード)をアノード端子が向かい合うように直列に装着し、アノード端子はバイアス電圧印加手段(コントローラ)のオン/オフ端子へ接続されるように、また、カソード端子はバイアス電圧印加手段のGND端子へ接続されるように、それぞれ制御線を介して接続することを特徴とする。また、制御線上において、制御線が可変指向性アンテナに電磁的に結合した部分において(好ましくは、隣接する可変指向性アンテナから最も距離が近い制御線上の点と、そこから所定の距離だけ離れた制御線上の2点の計3箇所に)、所定のインダクタンスを有するインダクタを所定間隔で挿入していることを特徴とする。インダクタ間の距離は、好ましくは、通信時の動作波長の4分の1の整数倍とは異なる長さにし、例えば動作波長の4分の1よりも短くする。
コントローラからの電圧がダイオードの動作電圧よりも低い場合、ダイオードは小容量キャパシタンスとインピーダンスの直列回路と等価となり、無給電アンテナ素子がアンテナの放射に影響を与えることはなく、電波は無指向に放射する。一方、コントローラからの電圧がダイオードの動作電圧よりも高い場合、ダイオードは導通状態となり、無給電アンテナ素子は反射器として作用する。この回路により、可変リアクタンス素子が機能しない高周波領域においても、MIMO向けアンテナの指向性切り替えが可能となる。
また、制御線上に配置したインダクタは、制御線の望ましくない共振を阻止する。インダクタ間の距離を動作波長の4分の1よりも短くすることにより、制御線の共振周波数は動作周波数よりも高くなる。このように構成することにより、制御線の共振が、隣接するアンテナの指向性に影響を及ぼすことを防ぐことが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るアレーアンテナ装置の概略構成を示す平面図である。 図1のアレーアンテナ装置の一部の詳細構成を示す透視図である。 本発明の第1の実施形態の実装例に係るプリント配線基板1を示す平面図である。 図3のプリント配線基板1の下面を示す透視図である。 本発明の第1の実施形態のシミュレーション結果であり、無給電アンテナ素子111,112への制御電圧をオフにしたときの可変指向性アンテナ100の指向特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態のシミュレーション結果であり、無給電アンテナ素子111への制御電圧をオンにしたときの可変指向性アンテナ100の指向特性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るアレーアンテナ装置の概略構成を示す上面図である。 図7のプリント配線基板1aの概略構成を示す平面図である。 図7のプリント配線基板1bの概略構成を示す平面図である。 図7のプリント配線基板1cの概略構成を示す平面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。明細書及び図面を通じて、同様の構成要素には同様の符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアレーアンテナ装置の概略構成を示す平面図である。図2は、図1の一部の詳細構成を示す透視図である。本実施形態のアレーアンテナ装置は、プリント配線基板1上に2組の可変指向性アンテナ100,200を備えて構成される。また、図1に示すようにXYZ座標を導入し、ここで、Y軸については、図1の手前から奥に向かう方向を正の向きであるとする。
可変指向性アンテナ100は、給電アンテナ素子である1つの半波長ダイポールアンテナ素子101と、2つの無給電アンテナ素子111,112とを備えて構成される。ダイポールアンテナ素子101は、プリント配線基板1の導体パターンとして形成された2つのストリップ形状の給電導体素子101a,101bから構成され、給電導体素子101a,101bは互いに所定間隔を有して一直線上に配置されている。各給電導体素子101a,101bの対向した側に設けた給電点102a,102bはそれぞれ、平衡型高周波ケーブル(図示せず。)を介して無線通信回路(図示せず。)と接続され、これによりダイポールアンテナ素子101を介して無線信号が送受信される。無給電アンテナ素子111,112は、ダイポールアンテナ素子101を挟むように、ダイポールアンテナ素子101が位置する直線に対して、通信時の動作波長の4分の1の距離だけ離れた平行線上にそれぞれ配置される。無給電アンテナ素子111もまた、プリント配線基板1の導体パターンとして形成された2つのストリップ形状の無給電導体素子111a,111bから構成され、無給電導体素子111a,111bは、互いに所定間隔を有して一直線上に配置されている。各無給電導体素子111a,111bの対向した側には、一対のPINダイオード121a,121bが設けられる。PINダイオード121aのカソード端子は無給電導体素子111aに接続され、PINダイオード121bのカソード端子は無給電導体素子111bに接続され、PINダイオード121a,121bのアノード端子は互いに接続される。PINダイオード121a,121bのアノード端子は、制御線131aを介して、制御電圧(すなわちバイアス電圧)を印加してアレーアンテナ装置の指向特性を制御するコントローラ(図示せず。)の印加バイアス電圧端子(DC端子)に接続され、PINダイオード121a,121bのカソード端子は、制御線131bを介して、コントローラの接地端子(GND端子)に接続される。従って、制御線131a,131bはそれぞれ、無給電アンテナ素子111制御用の直流電圧供給線路とGND線路である。
制御線131a上において、PINダイオード121a,121bのアノード端子に近接するように、高周波阻止用の、例えば数十nH程度のインダクタンスを有するインダクタ(コイル)141aが設けられ、制御線131a上にはさらに、数百オーム程度の電流制御用の抵抗151が設けられる。また、制御線131b上において、PINダイオード121a,121bのカソード端子に近接するように、高周波阻止用の、例えば数十nH程度のインダクタンスを有するインダクタ141c,141dが設けられる。ここで、インダクタ141a,141c,141dは、無給電アンテナ素子111にて励振した高周波信号が、制御線131a,131b上に漏洩することを防ぐ役割を持つ。制御線131a,131b上にはさらに、可変指向性アンテナ100又は他の可変指向性アンテナから放射される電波によって制御線131a,131bが共振し、この共振が可変指向性アンテナの放射に影響することを防止するために、例えば数nH程度のインダクタンスを有するインダクタを所定の間隔で設ける。図1の例では、制御線131a上のインダクタ141bと、制御線131b上のインダクタ141eとを設けた状態を示す。望ましくない共振を阻止するためのインダクタの設置方法についての詳細は後述する。
さらに、無給電素子112の側もまた、無給電アンテナ素子111の側と同様に構成される。無給電アンテナ素子112は、無給電アンテナ素子111の無給電導体素子111a,111bと同様に構成されて配置された、無給電導体素子112a,112bから構成される。各無給電導体素子112a,112bの対向した側には、無給電アンテナ素子111に接続されたPINダイオード121a,121bと同様に、一対のPINダイオード122a,122bが設けられ、PINダイオード122a,122bは、制御線132a,132bを介してアレーアンテナ装置のコントローラに接続される。制御線132a,132b上には、制御線131a,131b上のインダクタ141a乃至141e及び抵抗151と同様に、インダクタ142a乃至142e及び抵抗152が設けられる。
可変指向性アンテナ200もまた、可変指向性アンテナ100と同様に、1つのダイポールアンテナ素子201と、2つの無給電アンテナ素子211,212とを備えて構成され、無給電アンテナ素子211にはPINダイオード221a,221bが接続され、無給電アンテナ素子212にはPINダイオード222a,222bが接続される。PINダイオード221a,221bは、制御線231a,231bを介してアレーアンテナ装置のコントローラに接続され、PINダイオード222a,222bは、制御線232a,232bを介してアレーアンテナ装置のコントローラに接続される。制御線231a,231b上には、制御線131a,131b上のインダクタ141a,141c,141d及び抵抗151と同様に、インダクタ241a,241e,241f及び抵抗251が設けられる。また、制御線231a,231b上にはさらに、可変指向性アンテナ200又は他の可変指向性アンテナから放射される電波によって制御線231a,231bが共振し、この共振が可変指向性アンテナの放射に影響することを防止するために、制御線131a,131b上のインダクタ141b,141eと同様のインダクタを所定の間隔で設ける。図1の例では、制御線231a上のインダクタ241b,241c,241dと、制御線231b上のインダクタ241g,241h,241iとを設けた状態を示す。望ましくない共振を阻止するためのインダクタの設置方法についての詳細は後述する。また、制御線232a,232b上には、制御線231a,231b上のインダクタ241a乃至241i及び抵抗251と同様に、インダクタ242a乃至242i及び抵抗252が設けられる。本実施形態において、可変指向性アンテナ100,200の向き及び位置は、これら可変指向性アンテナ100,200の両方を無指向性で動作させたときにそれぞれの放射方向が互いに重なり合うことがないように決定される。図1の場合、各可変指向性アンテナ100,200の半波長ダイポールアンテナ素子101,201が、Z軸方向に平行に設けられるとともに、Z軸方向に関して異なる位置に配置され、それに応じて、無給電アンテナ素子111,112,211,212もまた、Z軸方向に平行に設けられるとともに、Z軸方向に関して異なる位置に配置される。これは、アンテナが互いに近づいたときにアンテナ間の相関性が高くなることにより、MIMO方式での通信品質が落ちることを避けるためである。別の一例として、図3及び図4に示したように3つの可変指向性アンテナ100,200,300を備えたアレーアンテナ装置の場合、そのうちの任意の2つの可変指向性アンテナの並ぶ方向が、他の2つの可変指向性アンテナの並ぶ方向とは異なるとともに、ダイポールアンテナ素子の向き(この場合はZ軸に平行な向き)とも異なるように配置されることが好ましい。
なお、図1の構成の場合、一方の可変指向性アンテナ200の制御線232a,232bが、他方の可変指向性アンテナ100の無給電アンテナ素子111の近傍を通ることになる。さらに、プリント配線基板1は両面基板として構成され、制御線131a,131b,132a,132b,231a,231b,232a,232bは、プリント配線基板1の両側にそれぞれ導体パターンとして設けられることが好ましい。本実施形態では、アレーアンテナ装置のコントローラのDC端子に接続された制御線131a,132a,231a,232aが、可変指向性アンテナ100,200と同じ側に設けられ、アレーアンテナ装置のコントローラのGND端子に接続された制御線131b,132b,231b,232bが、実質的に、その逆側に設けられる。
図2は、無給電アンテナ素子111と、それに近接した制御線232a,232bとを含む部分の拡大図である。ここで、制御線131aは、それぞれその一部となる制御線131aa〜131acから構成され、同様に、制御線131bは、制御線131ba〜131bgから構成され、制御線232aは、制御線232aa〜232adから構成され、制御線232bは、制御線232ba〜232bdから構成される。制御線131bb,131bc,131be〜131bgと、制御線232ba〜232bdとは、プリント配線基板1の裏側に設けられ、図2ではこれらを点線で示す。制御線131aaは、無給電アンテナ素子111の無給電導体素子111a,111bの間の位置に設けられる。無給電導体素子111aと制御線131aaとが近接した位置にそれぞれ設けられた電極端子E1a,E1bに、PINダイオード121aがハンダ付け等により実装され、同様に、無給電導体素子111bと制御線131aaとが近接した位置にそれぞれ設けられた電極端子E2a,E2bに、PINダイオード121bが実装される。ここで、各PINダイオード121a,121bのアノード端子が、制御線131aa上の電極端子E1b,E2bにそれぞれ接続される。制御線131aa,131abが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E3a,E3bに、インダクタ141aが実装され、制御線131ab,131acが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E4a,E4bに、抵抗151が実装される。制御線131acはさらに、アレーアンテナ装置のコントローラの印加バイアス電圧端子に接続されている。各電極端子E1a,E2aは、制御線131ba,131bdを介してスルーホール導体T1,T2にそれぞれ接続され、各スルーホール導体T1,T2は、プリント配線基板1の裏側まで貫通して、制御線131bb,131beにそれぞれ接続される。制御線131bb,131bcが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E5a,E5bに、インダクタ141cが実装され、制御線131be,131bfが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E6a,E6bに、インダクタ141dが実装される。さらに、制御線131bc,131bfはともに制御線131bgに接続され、制御線131bgは、アレーアンテナ装置のコントローラのGND端子に接続されている。前述のように、制御線131a,131b上において、可変指向性アンテナ100又は他の可変指向性アンテナから放射される電波によって制御線131a,131bが共振し、この共振が可変指向性アンテナの放射に影響することを防止するために、所定の間隔でインダクタを設ける。一方、制御線232a,232b上においても、可変指向性アンテナ200又は他の可変指向性アンテナから放射される電波によって制御線232a,232bが共振し、この共振が可変指向性アンテナの放射に影響することを防止するために、所定の間隔でインダクタを設ける。制御線232aにおいて、制御線232aa,232abが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E7a,E7bに、インダクタ242bが実装され、制御線232ab,232acが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E8a,E8bに、インダクタ242cが実装され、制御線232ac,232adが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E9a,E9bに、インダクタ242dが実装される。同様に、制御線232bにおいて、制御線232ba,232bbが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E10a,E10bに、インダクタ242gが実装され、制御線232bb,232bcが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E11a,E11bに、インダクタ242hが実装され、制御線232bc,232bdが対向する位置にそれぞれ設けられた電極端子E12a,E12bに、インダクタ242iが実装される。
以上のように構成されたアレーアンテナ装置の各可変指向性アンテナ100,200では、コントローラの制御電圧がオフの場合には、そのDC端子より電圧が印加されないので、各PINダイオード121a,121b,122a,122b,221a,221b,222a,222bは小容量キャパシタンスとインピーダンスの直列回路と等価となる。よって、無給電アンテナ素子111,112,211,212は励振されず、無給電アンテナ素子111,112,211,212が可変指向性アンテナ100,200の指向特性に影響しない。一方、コントローラが、例えば無給電アンテナ素子111への制御電圧をオンにする場合には、DC端子からの印加バイアス電圧を、制御線131aを介してPINダイオード121a,121bのアノード側に印加し、例えば0.8V程度のPINダイオード121a,121bの動作電圧よりも大きくすることによって、PINダイオード121a,121bは導通状態になる。この時、無給電アンテナ素子111は、ダイポールアンテナ素子101から放射される電波によって励振され、電波を再放射する。ダイポールアンテナ素子101と無給電アンテナ素子111との間隔は動作波長の4分の1であるので、無給電アンテナ素子111から再放射される電波は、ダイポールアンテナ素子101から放射される電波よりも位相が90度遅れたものとなる。2つの電波の重ね合わせにより、無給電アンテナ素子111よりも+X方向に向かう電波は打ち消され、ダイポールアンテナ素子101よりも−X方向に向かう電波は強められる。このように、無給電アンテナ素子111にバイアス電圧が印加されたとき当該無給電アンテナ素子111はダイポールアンテナ素子101に対して反射器として動作するので、可変指向性アンテナ100の指向特性を、−X方向にビームが向いた状態へと切り替えることができる。他の無給電アンテナ素子112,211,212をオンにする場合にも、同様に指向特性を制御することができる。
ところで、本実施形態のようにアンテナ間の相関を避けるように配置した場合、可変指向性アンテナ100には、可変指向性アンテナ200の制御線232a,232bが至近距離に配置され、このため、可変指向性アンテナ100と制御線232a,232bが電磁的に結合することになる。アンテナの近くに導体線路が配置された場合、アンテナから放射される電波によって、導体線路が励振され、アンテナの指向性を変化させる反射器として作用してしまうことが多い。各制御線232a,232b上のインダクタ242b〜242d,242g〜242iは、この現象を阻止する役割を持つ。以下、例として、制御線232aと、その上のインダクタ242b〜242dについて説明する。インダクタ242b〜242dは、制御線232a上において、制御線232aが可変指向性アンテナ100に電磁的に結合する部分に設けられる。これらのインダクタ242b〜242dは、好ましくは、隣接する可変指向性アンテナ100から最も距離が近い制御線232a上の点と、そこから所定の距離だけ離れた制御線232a上の2点の計3箇所に挿入される。可変指向性アンテナ100より放射された電波は、制御線232a上のインダクタ242b,242c間又はインダクタ242c,242d間で、制御線232ab,232acを励振させる。制御線232ab,232acの励振する周波数が通信時における可変指向性アンテナ100の動作周波数と同一の場合、その周波数において制御線232ab,232acは反射器として作用し、可変指向性アンテナ100の指向性に影響を与えてしまう。ここで、インダクタ242b,242c,242d間の距離を、可変指向性アンテナ100の動作周波数では実質的に共振しない長さに構成することにより、制御線232aの望ましくない共振を阻止する。詳しくは、インダクタ間の距離を、動作波長λの4分の1の整数倍(nλ/4)とは異なる長さ、例えばnλ/4に対して少なくとも10%長いか又は短い長さに構成する。好ましくは、インダクタ間の距離をnλ/4とは異なる長さにするとともに、さらに、動作波長λに対してλ/2未満の長さ、又はλ/4未満の長さに構成し、これにより、制御線232ab,232acの共振する周波数は可変指向性アンテナ100の動作周波数よりも高くなり、制御線232aの望ましくない共振を阻止することができる。以上の構成により、可変指向性アンテナ200の制御線232aが可変指向性アンテナ100の指向性に与える影響を低減することが可能となる。制御線232bと、その上のインダクタ242g〜242iも同様に構成され、制御線232bの望ましくない共振は阻止される。他の制御線131a,131b,132a,132b,231a,231bにおいても、隣接する他の可変指向性アンテナ(図示せず。)に近接してその可変指向性アンテナに電磁的に結合した部分に所定間隔でインダクタを設けることにより、当該制御線の望ましくない共振は阻止される。
好ましくは、各制御線上には、当該制御線が接続された可変指向性アンテナの放射に影響することを防止するために、その可変指向性アンテナに近接してその可変指向性アンテナに電磁的に結合した部分にインダクタを設ける。例えば、制御線131aでは、PINダイオード121a,121bまでの制御線131aの長さ(又はインダクタ141aもしくは抵抗151までの制御線131aの長さ)がnλ/4とは異なる長さ(例えばλ/4未満の長さ)になるようにインダクタ141bを設ける。これにより、可変指向性アンテナ100に近接して可変指向性アンテナ100に電磁的に結合した部分における制御線131aの長さは、可変指向性アンテナ100の動作周波数では実質的に共振しない長さになり、制御線131aの望ましくない共振を阻止することができる。他の制御線131b,132a,132b,231a,231b,232a,232bにおいても、当該制御線が接続された可変指向性アンテナに近接してその可変指向性アンテナに電磁的に結合した部分にインダクタを設けることにより、当該制御線の望ましくない共振は阻止される。
図3は、本発明の第1の実施形態の実装例に係るプリント配線基板1を示す平面図である。図4は、図3のプリント配線基板1の下面を示す透視図である。この実装例では、アレーアンテナ装置は、可変指向性アンテナ100,200と同様に構成されたもう1つの可変指向性アンテナ300を備えて構成される。可変指向性アンテナ300は、可変指向性アンテナ100,200と同様に、1つのダイポールアンテナ素子301と、2つの無給電アンテナ素子311,312とを備えて構成され、無給電アンテナ素子311,312にはPINダイオード(図示せず。)が接続され、アレーアンテナ装置のコントローラにより制御線331a,331b,332a,332bを介して制御される。各可変指向性アンテナ100,200,300の制御線は、プリント配線基板1上の端子群10にまで延伸され、コントローラに接続される。1つのプリント配線基板1上に多数の可変指向性アンテナを形成する場合には、制御線を設ける場所を確保するために、それらの可変指向性アンテナが一直線上に位置しないようにすることが好ましく、例えば、それらの可変指向性アンテナのうちの任意の2つの可変指向性アンテナの並ぶ方向が、他の2つの可変指向性アンテナの並ぶ方向とは異なるとともに、ダイポールアンテナ素子の向きとも異なるように配置されることが好ましい。そのような構成を採用することにより、可変指向性アンテナを配置する面積を削減することができ、例えば可変指向性アンテナ間の距離がλ/2以下になる程度に省面積化を達成することができる。
図5及び図6は、本発明の第1の実施形態のシミュレーション結果であり、図5は、無給電アンテナ素子111,112への制御電圧をオフにしたときの可変指向性アンテナ100の指向特性を示すグラフであり、図6は、無給電アンテナ素子111への制御電圧をオンにしたときの可変指向性アンテナ100の指向特性を示すグラフである。図5及び図6のシミュレーションは、図3及び図4のプリント配線基板1上に構成されたアレーアンテナ装置のうちの可変指向性アンテナ100に関して、その指向性を電波暗室で実測した結果を示す。特に、図6を参照すると、ダイポールアンテナ素子101に対して+X方向に位置した無給電アンテナ素子111を反射器として作用させることにより、ビームが−X方向に向かうことがわかる。また、無給電アンテナ素子111に代えて無給電アンテナ素子112への制御電圧をオンにした場合には、無給電アンテナ素子112が反射器として作用し、これによりビームは+X方向に向かう。
なお、本実施形態では、給電素子としてダイポールアンテナ素子101,201を用いた場合を示したが、水平面指向特性が無指向性に近いものであれば使用可能であるため、スリーブアンテナやコリニアアンテナを用いても、本実施形態と同様に動作するアレーアンテナ装置を実現できる。また、本実施形態では、プリント配線基板1上に2つの可変指向性アンテナ100,200又は3つの可変指向性アンテナ100,200,300を配置した例を示したが、4つ以上の可変指向性アンテナを配置してもよい。
以上説明したように、本実施形態のアレーアンテナ装置によれば、アノードで互いに接続された一対のPINダイオードを備え、さらに制御線上に所定間隔でインダクタを備えたことにより、数GHz〜数十GHzのセンチメートル波領域で動作させる場合や、可変指向性アンテナ間の距離を近づけた場合においても、「無指向に放射する状態」と「特定の方向にビームを持った状態」とを切り替えることができ、MIMO通信方式に適した指向性制御回路を備えたアレーアンテナ装置を提供することができる。
第2の実施形態.
図7は、本発明の第2の実施形態に係るアレーアンテナ装置の概略構成を示す上面図であり、図8乃至図10はそれぞれ、図7のプリント配線基板1a,1b,1cの概略構成を示す平面図である。本発明に係る実施形態のアレーアンテナ装置は、第1の実施形態のように1つのプリント配線基板1上に平面的に構成されることに限定されず、給電アンテナ素子を取り囲むように3つ以上の無給電アンテナ素子を3次元的に備えていてもよい。
図7に示すように、本実施形態のアレーアンテナ装置は、互いに平行に設けられた3つのプリント配線基板1a,1b,1c上に、2組の可変指向性アンテナ100A,200Aを備えて構成される。可変指向性アンテナ100Aは、給電アンテナ素子である1つの半波長ダイポールアンテナ素子101と、4つの無給電アンテナ素子111〜114とを備えて構成され、ダイポールアンテナ素子101は中間のプリント配線基板1b上に設けられ、無給電アンテナ素子111,112はプリント配線基板1a上に設けられ、無給電アンテナ素子113,114はプリント配線基板1c上に設けられる。本実施形態のアレーアンテナ装置を上から(Z軸方向から)見たときに、ダイポールアンテナ素子101を中心とする円上に、4つの無給電アンテナ素子111〜114が配置される。好ましくは、無給電アンテナ素子111〜114は、ダイポールアンテナ素子101が位置する直線に対して、通信時の動作波長の4分の1の距離だけ離れた平行線上に位置するように、それぞれ配置される。ダイポールアンテナ素子101は、第1の実施形態の場合と同様に構成され、無給電アンテナ素子111〜114は、第1の実施形態の無給電アンテナ素子111,112と同様に構成される。可変指向性アンテナ200Aもまた、可変指向性アンテナ100Aと同様に、1つのダイポールアンテナ素子201と、4つの無給電アンテナ素子211〜214とを備えて構成され、ダイポールアンテナ素子201は、第1の実施形態の場合と同様に構成され、無給電アンテナ素子211〜214は、第1の実施形態の無給電アンテナ素子211,212と同様に構成される。本実施形態においても、可変指向性アンテナ100A,200Aの向き及び位置は、アンテナ間の相関を防ぐため、第1の実施形態の可変指向性アンテナ100,200と同様に、これら可変指向性アンテナ100A,200Aの両方を無指向性で動作させたときにそれぞれの放射方向が互いに重なり合うことがないように決定される。各可変指向性アンテナ100A,200Aの半波長ダイポールアンテナ素子101,201が、Z軸方向に平行に設けられるとともに、Z軸方向に関して異なる位置に配置され、それに応じて、無給電アンテナ素子111〜114,211〜214もまた、Z軸方向に平行に設けられるとともに、Z軸方向に関して異なる位置に配置される。
本実施形態のアレーアンテナ装置の動作を、図7を参照して説明する。例えば可変指向性アンテナ100Aの無給電アンテナ素子111〜114への制御電圧が印加されない場合、ダイポールアンテナ素子101の指向性は、図7のXY面において無指向に広がる。指向性を+X方向に向けたい場合、無給電アンテナ素子112,113の制御端子へ電圧を印加する。これにより、無給電アンテナ素子112,113が励振されて、ダイポールアンテナ素子101の反射器として動作し、ダイポールアンテナ素子101よりも−X方向では電波の振幅が弱められ、+X方向では振幅が強められる。これにより、可変指向性アンテナ100Aの指向性は、+X方向を向くことになる。また、一方、無給電アンテナ素子112の制御端子のみに電圧を印加した場合、指向性は+Xかつ−Y方向を向くことになる。同様にして、励振させる(すなわち反射器として動作させる)無給電アンテナ素子の組み合わせを変えることで、8方向のいずれかへ指向性を向けることが可能である。
図8乃至図10からわかるように、ダイポールアンテナ素子101に隣接して、可変指向性アンテナ200Aの無給電アンテナ素子212の制御線232a,232bと、無給電アンテナ素子213の制御線233a,233bとが配置されている。アンテナの近くに導体線路を配置することで導体線路が励振され、アンテナの指向性に影響を与えることを防ぐため、第1の実施形態と同様にインダクタ242b〜242d,242g〜242i,243b〜243d,243g〜243iが設置される。可変指向性アンテナ100Aより放射された電波は、例えば制御線232a上のインダクタ242b,242c間又はインダクタ242c,242d間で、制御線232ab,232acを共振させる。ここで、インダクタ242b,242c,242d間の距離を、可変指向性アンテナ100Aの動作周波数では実質的に共振しない長さに構成することにより、制御線232aの望ましくない共振を阻止する。この構成により、可変指向性アンテナ200Aの制御線232aが可変指向性アンテナ100Aの指向性に与える影響を低減することが可能となる。他の制御線についても、以上の説明、及び第1の実施形態での説明と同様にインダクタを設けることにより、当該制御線の望ましくない共振は阻止される。
各可変指向性アンテナ100A,200Aにおいて、無給電アンテナ素子の個数は4つに限定されず、1本乃至3本の無給電アンテナ素子又は5本以上の無給電アンテナ素子を備え、それらの無給電アンテナ素子を複数のプリント配線基板のうちの少なくとも1つに配置した構成も可能である。
以上説明したように、本実施形態のアレーアンテナ装置によれば、アノードで互いに接続された一対のPINダイオードを備え、さらに制御線上に所定間隔でインダクタを備えたことにより、数GHz〜数十GHzのセンチメートル波領域で動作させる場合や、可変指向性アンテナ間の距離を近づけた場合においても、「無指向に放射する状態」と「特定の方向にビームを持った状態」とを切り替えることができ、MIMO通信方式に適した指向性制御回路を備えたアレーアンテナ装置を提供することができる。
また、説明した実施形態では、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子はいずれもダイポールアンテナ素子として構成した例を示したが、これらの素子は、接地導体上に設けられたモノポールアンテナ素子として構成されてもよい。また、各インダクタは、図2の電極端子にハンダ付け等により実装されるものに限定されず、プリント配線基板上の導体パターンとして構成されてもよい。
本発明に係る無線通信カード接続構造は、アンテナ近傍の導体が励振され、指向性に影響することを防ぐことが可能になるので、複数の可変指向性アンテナを近接して設置する方法として有用である。
1,1a,1b,1c…プリント配線基板、
10…端子群、
100,100A,200,200A,300…可変指向性アンテナ、
101,201,301…ダイポールアンテナ素子、
101a,101b,201a,201b…給電導体素子、
102a,102b,202a,202b…給電点、
111,112,113,114,211,212,213,214,311,312…無給電アンテナ素子、
111a,111b,112a,112b,113a,113b,114a,114b,211a,211b,212a,212b,213a,213b,214a,214b…無給電導体素子、
121a,121b,122a,122b,123a,123b,124a,124b,221a,221b,222a,222b,223a,223b,224a,224b…PINダイオード、
131a,131aa〜131ac,131b,131ba〜131bg,132a,132b,133a,133b,134a,134b,231a,231b,232a,232aa〜232ad,232b,232ba〜232bd,233a,233b,234a,234b…制御線、
141a〜141e,142a〜142e,143a〜143e,144a〜144e,241a〜241i,242a〜242i,243a〜243i,244a〜244i…インダクタ、
151,152,153,154,251,252,253,254…抵抗、
T1,T2…スルーホール導体、
E1a,E1b,E2a,E2b,E3a,E3b,E4a,E4b,E5a,E5b,E6a,E6b,E7a,E7b,E8a,E8b,E9a,E9b,E10a,E10b,E11a,E11b,E12a,E12b…電極端子。

Claims (5)

  1. 複数の可変指向性アンテナを備えたアレーアンテナ装置において、上記複数の可変指向性アンテナのそれぞれは、
    給電アンテナ素子と、
    上記給電アンテナ素子から所定方向に所定距離だけそれぞれ離隔するように上記給電アンテナ素子に対してそれぞれ並置され、第1の導体部分と第2の導体部分とをそれぞれ備えた少なくとも1つの無給電アンテナ素子と、
    上記少なくとも1つの無給電アンテナ素子のそれぞれに設けられた一対の整流素子とを備え、上記一対の整流素子は上記第1の導体部分及び上記第2の導体部分の間に設けられ、両方の整流素子のアノードは互いに接続され、一方の整流素子のカソードは上記第1の導体部分に接続され、他方の整流素子のカソードは上記第2の導体部分に接続され、上記一対の整流素子は、バイアス電圧印加手段からバイアス電圧が印加されたときに上記無給電アンテナ素子を反射器として動作させ、
    上記複数の可変指向性アンテナのそれぞれはさらに、
    上記各整流素子を上記バイアス電圧印加手段に接続する制御線と、
    上記各制御線において、当該制御線が接続された整流素子を備えた可変指向性アンテナとは異なる他の可変指向性アンテナと電磁的に結合した部分に所定間隔で設けられた少なくとも2つの第1のインダクタとを備え、
    上記少なくとも2つの第1のインダクタを設ける間隔は、上記制御線における上記第1のインダクタ間の区間が上記可変指向性アンテナの動作周波数において実質的に共振しない長さに設定されることを特徴とするアレーアンテナ装置。
  2. 上記少なくとも2つの第1のインダクタを設ける間隔は、上記制御線における上記第1のインダクタ間の区間が上記可変指向性アンテナの動作波長の4分の1の整数倍とは異なる長さに設定されることを特徴とする請求項1記載のアレーアンテナ装置。
  3. 上記各制御線において、当該制御線が接続された整流素子を備えた可変指向性アンテナと電磁的に結合した部分に設けられた少なくとも1つの第2のインダクタをさらに備え、上記制御線における上記整流素子と上記第2のインダクタとの間の区間は、上記可変指向性アンテナの動作周波数において実質的に共振しない長さに設定されることを特徴とする請求項1又は2記載のアレーアンテナ装置。
  4. 上記アレーアンテナ装置はプリント配線基板上にパターン形成され、
    上記複数の可変指向性アンテナのそれぞれは、上記給電アンテナ素子を挟むように設けられた2つの無給電アンテナ素子を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のアレーアンテナ装置。
  5. 上記アレーアンテナ装置は複数のプリント配線基板上にパターン形成され、
    上記複数の可変指向性アンテナのそれぞれは、上記複数のプリント配線基板のうちの少なくとも1つに設けられた少なくとも1つの無給電アンテナ素子を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のアレーアンテナ装置。
JP2009537916A 2007-10-19 2008-10-15 アレーアンテナ装置 Active JP5322943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009537916A JP5322943B2 (ja) 2007-10-19 2008-10-15 アレーアンテナ装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007272537 2007-10-19
JP2007272537 2007-10-19
JP2009537916A JP5322943B2 (ja) 2007-10-19 2008-10-15 アレーアンテナ装置
PCT/JP2008/002914 WO2009050883A1 (ja) 2007-10-19 2008-10-15 アレーアンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009050883A1 JPWO2009050883A1 (ja) 2011-02-24
JP5322943B2 true JP5322943B2 (ja) 2013-10-23

Family

ID=40567170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009537916A Active JP5322943B2 (ja) 2007-10-19 2008-10-15 アレーアンテナ装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8098199B2 (ja)
JP (1) JP5322943B2 (ja)
WO (1) WO2009050883A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010073429A1 (ja) * 2008-12-26 2010-07-01 パナソニック株式会社 アレーアンテナ装置
WO2011080903A1 (ja) 2009-12-28 2011-07-07 パナソニック株式会社 可変指向性アンテナ装置
US9793596B2 (en) 2013-03-15 2017-10-17 Elwha Llc Facilitating wireless communication in conjunction with orientation position
US20140349637A1 (en) * 2013-03-15 2014-11-27 Elwha LLC, a limited liability corporation of the State of Delaware Facilitating wireless communication in conjunction with orientation position
US9491637B2 (en) 2013-03-15 2016-11-08 Elwha Llc Portable wireless node auxiliary relay
US9681311B2 (en) 2013-03-15 2017-06-13 Elwha Llc Portable wireless node local cooperation
US9608862B2 (en) 2013-03-15 2017-03-28 Elwha Llc Frequency accommodation
FR3009898B1 (fr) * 2013-08-20 2015-08-14 Commissariat Energie Atomique Reseau antennaire
WO2017099853A2 (en) * 2015-08-19 2017-06-15 Phase Sensitive Innovations, Inc. Optically-fed antenna and optically fed antenna array
US10439282B2 (en) 2016-01-19 2019-10-08 Phase Sensitive Innovations, Inc. Beam steering antenna transmitter, multi-user antenna MIMO transmitter and related methods of communication
TWI678025B (zh) * 2016-03-16 2019-11-21 啟碁科技股份有限公司 智慧型天線及具有智慧型天線的無線通訊裝置
CN107221761B (zh) * 2016-03-22 2020-06-12 启碁科技股份有限公司 智能型天线及无线通信装置
CN110574234B (zh) 2017-04-27 2022-06-10 Agc株式会社 天线和mimo天线
TWI648912B (zh) * 2017-11-09 2019-01-21 泓博無線通訊技術有限公司 可控天線模組及具有可控天線模組的電子裝置
US11005178B2 (en) 2017-11-21 2021-05-11 Phase Sensitive Innovations, Inc. Antenna and antenna array configurations, antenna systems and related methods of operation
TWI671951B (zh) * 2018-03-09 2019-09-11 啟碁科技股份有限公司 智慧型天線裝置
US11431102B2 (en) * 2020-09-04 2022-08-30 Dell Products L.P. Pattern reflector network for a dual slot antenna

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5533372A (en) * 1978-08-30 1980-03-08 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Antenna device
JPS5556703A (en) * 1978-10-23 1980-04-25 Japan Radio Co Ltd Rotating directive antenna
WO1998042041A1 (fr) * 1997-03-18 1998-09-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Antenne a directivite variable et son procede de commande
JP2004128557A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Seiko Epson Corp 指向性切替えアンテナ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3820107B2 (ja) 2001-02-28 2006-09-13 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 アレーアンテナ装置
KR101074240B1 (ko) * 2004-01-30 2011-10-14 가부시키가이샤 고쿠사이 덴키 츠신 기소 기주츠 겐큐쇼 무선 신호를 고품질로 수신 가능한 수신기
JP2007221288A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Fujitsu Ltd アンテナ装置及び無線通信装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5533372A (en) * 1978-08-30 1980-03-08 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Antenna device
JPS5556703A (en) * 1978-10-23 1980-04-25 Japan Radio Co Ltd Rotating directive antenna
WO1998042041A1 (fr) * 1997-03-18 1998-09-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Antenne a directivite variable et son procede de commande
JP2004128557A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Seiko Epson Corp 指向性切替えアンテナ

Also Published As

Publication number Publication date
US8098199B2 (en) 2012-01-17
WO2009050883A1 (ja) 2009-04-23
JPWO2009050883A1 (ja) 2011-02-24
US20100231453A1 (en) 2010-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5322943B2 (ja) アレーアンテナ装置
JP5314704B2 (ja) アレーアンテナ装置
US8604994B2 (en) Antenna apparatus including feeding elements and parasitic elements activated as reflectors
CN110301069B (zh) 一种具有多极化方式的可配置天线阵列
US9799963B2 (en) Antenna system
CN107258037B (zh) 无线电子装置
JP6607260B2 (ja) 無線電子機器のための二重放射素子及び電力分配器のアレイを含むアンテナ
US8552913B2 (en) High isolation multiple port antenna array handheld mobile communication devices
US7869783B2 (en) Extended smart antenna system
JP4564868B2 (ja) アンテナ装置、無線モジュールおよび無線システム
CN109411876B (zh) 一种天线及通信设备
JP5514106B2 (ja) 可変指向性アンテナ装置
JP2008022123A (ja) アンテナ装置
JP4155092B2 (ja) ダイバーシチアンテナ装置およびそれを備えた通信機
JP6391886B2 (ja) アンテナ装置
JPH08186425A (ja) 小型アンテナおよびダイバーシチアンテナ
CN110277651B (zh) 智能型天线装置
JP2005203841A (ja) アンテナ装置
CN215184520U (zh) 一种双极化天线
JP2006319772A (ja) ダイバーシチ装置
JP4003797B2 (ja) 無線通信モジュール
Liao et al. A novel beam switching antenna using RF switches
JPH10107712A (ja) ダイバーシチ無線機
Niture et al. A Pattern Reconfigurable Antenna With Software Control For Wireless Application
Tang et al. Beam switching antenna for small cell applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5322943

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250