JP5321490B2 - 微粒子分析方法 - Google Patents

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本発明は、微粒子分析方法に関し、特に、大気環境中を飛散する微粒子の粒子径の測定と、その成分分析とを行うために用いて好適なものである。
大気中を飛散する、直径が数μm以下の微粒子の粒径分布やその成分を明らかにすることができれば、その微粒子の発生源や、微粒子のその後の飛散履歴を特定することが可能となる。これにより、効率の良い環境対策を講じることができる。
粒子の直径(粒子径)が10μm以下の微粒子を浮遊粒子状物質(suspended particulate matter:SPM)と呼ぶ。この微粒子は大気中を長時間浮遊し、人間の体内にも侵入して疾病を引き起こすことが知られている。
特に粒径が2.5μm以下の微粒子(この粒子はPM2.5と呼ばれる)は、人体に対しその影響を強く及ぼすことが懸念されている。環境微粒子の無機成分の成分分析については、酸やアルカリ溶液に溶解させた微粒子に対して、誘導結合型プラズマ質量分析法(ICP-MS)を適用することにより評価することが一般的であった。一方、環境微粒子の有機成分の成分分析については、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)等を用いて評価することが一般的であった。しかしながら、特定時間に特定個所に降下する環境微粒子の排出源は、必ずしも一箇所とは限らない。そのため、環境微粒子一個一個を評価し、その成分と粒径とを明らかにすることができる分析法が必要となる。しかしながら、各微粒子一個一個を捕集したままで、その粒子径と成分とを測定する技術はこれまでなかった。
特許文献1には、電子ビームと集束イオンビームとを併用した微細部位解析装置が開示されている。特許文献1に記載の技術では、電子ビームにより非破壊で注目粒子を特定し、集束イオンビームによりその粒子の成分分析を行うことを可能にしている。
特開2008−39521号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、単一の微粒子を特定し、特定した微粒子の成分を分析するに過ぎない。また、走査型分析電子顕微鏡でも、前述したのと同様な微粒子に関する情報を抽出することが可能である。しかしながら、微粒子は中空のものが多く、その密度を求めるには、微粒子の内部構造と外部とを分離して測定可能な二次イオン質量分析法を基本とするシステムが必須である。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、各微粒子一個一個を捕集したままで、各微粒子一個一個の粒子径と成分とを精確に評価することができるようにすることを目的とする。
本発明の微粒子分析方法は、試料台に置かれた捕集基板上の微粒子に電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出する検出器と、前記微粒子に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、前記集束イオンビームを前記微粒子に照射することにより前記微粒子から放出される二次イオンを検出する分析計と、を有する装置を用いて微粒子を分析する微粒子分析方法であって、前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出した結果に基づいて、前記微粒子を特定することと、前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出した結果、または前記集束イオンビームの照射により前記微粒子から放出される全二次イオンを検出した結果、または前記集束イオンビームの照射により散乱される電子を検出した結果に基づいて、前記微粒子の粒子径を測定することと、前記集束イオンビームを前記微粒子に照射することにより前記微粒子を切断加工し、前記微粒子の切断面に前記集束イオンビームを照射することにより前記微粒子から放出される二次イオンを検出した結果に基づいて、前記微粒子の内部の成分および空隙を評価することを特徴とする。
本発明によれば、各微粒子一個一個を捕集したままで、各微粒子一個一個の粒子径と成分とを精確に評価することができる。
微粒子分析装置の概略構成の一例を示す図である。 微粒子の二次電子像の一例を示す図(写真)である。 二次イオン像の一例を示す図(写真)である。 アルカリ金属・アルカリ土類金属元素主体微粒子と、炭素系微粒子の粒径分布の一例を示す図である。 鉄を主成分とするSPM粒子の切断加工面の走査イオン像の一例を示す図(写真)である。 FIB(集束イオンビーム)とEB(電子ビーム)の位置関係と、大気浮遊粒子のSEM(二次電子像)とSIM(走査イオン像)の一例を示す図(写真)である。 大気浮遊粒子の走査イオン像と全二次イオン像の一例を示す図(写真)である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、微粒子分析装置の概略構成の一例を示す図である。図示のとおり、微粒子分析装置は、主に、試料台1と、集束イオンビーム照射器3と、電子ビーム照射器4と、質量分析計5と、二次電子検出器6と、を備えている。
試料台1は真空槽中にある。捕集基板7は、観察したい環境微粒子2(以下の説明では、必要に応じて、環境微粒子2を微粒子2と略称する)が試料台1の上に固定された状態で設置される。微粒子2の捕集は、市販のポータブルサンプラーやカスケードインパクタ等を利用することにより実現することができる。このとき、捕集基板7を該ポータブルサンプラーやカスケードインパクタ中に具備された濾紙上に設置するようにしてもよい。また、この際にポータブルサンプラーやカスケードインパクタ内の空気の流れを妨害しないように、捕集基板7の設置位置及び大きさを決定する必要がある。このようにすることによって、試料である微粒子2が分散される。
また、捕集基板7は、原子レベルでフラット(平滑)な表面を持つことが理想的である。例えば、シリコンウエハを捕集基板7として用いることが望ましい。シリコンウエハ以外でも、SiC、GaAs、サファイア、ガラス等の基板を捕集基板7として用いることができる。
本実施形態では、主に、粒子径が10μm以下の微粒子を測定対象とする。
集束イオンビーム照射器3と電子ビーム照射器4は、試料台1の任意の高さにおいて、微粒子2の表面の同一地点にビームを照射するように、試料台1に対して鉛直上方向に設置された質量分析計5を挟んで、左右対称な関係となる位置に設置される。本実施形態では、集束イオンビーム照射器3と電子ビーム照射器4は、水平に設置された試料台1に対して伏角が45°となる方向から、微粒子2にビームを照射するようにしている。
集束イオンビーム照射器3は、一般的に入手可能なものが利用でき、例えば液体金属であるガリウムイオン源からイオンビームを取り出し、微粒子2の表面において数10nmのレベルまでイオンビームを集束させることができる装置である。近年は、ガリウムイオン源の他にも、BiやAu等の集束イオン源も開発されており、これらの集束イオン源を使用することも可能である。集束イオンビーム照射器3の集束イオン源としてガリウムイオン源を用いた場合、微粒子2の表面において、集束イオンビーム照射器3から照射されたパルス状のGaイオンビームが、微粒子2の表面を構成する原子をスパッタリングする。これにより、微粒子2から二次イオンが発生する。このようにして発生した二次イオンは、質量分析計5により検出される。
質量分析計5は、飛行時間型質量分析計でも、四重極型質量分析計でも、二重収束型質量分析計でもよい。しかしながら、PM2.5のような小さな粒子径を持つ微粒子2を測定する際には、試料の損傷の激しい直流のイオンビームを用いる四重極型質量分析計や二重収束型質量分析計よりも、パルスイオンビームを用いる飛行時間型質量分析計を質量分析計5に用いた方が望ましい。
このように、集束イオンビームを走査して微粒子2に照射することにより微粒子2から放出される二次イオンを検出し、二次イオン像に基づいて微粒子2の質量を質量分析計5で分析することにより、微粒子2の成分を分析することができる。このとき、後述する電子ビーム照射器4による電子ビームの照射により散乱された電子を検出して得られた二次電子像が観察されたときと同一の視野で、二次イオン像を観察する。尚、前述した集束イオン源の代わりに集束性の高いガスイオン源、液体金属イオン源等を利用することが可能である。
また、微粒子2の表面の有機物を取り除き、飛散中における微粒子2の付着や酸化等の化学反応を観察したい場合もある。この場合には、1013〜1016イオン/cm2程度の、パルス化された集束イオンビームを集束イオンビーム照射器3から微粒子2に照射して、微粒子2の表面付着物を除去した後、前述したようにして二次イオン像を観察するのが望ましい。
電子ビーム照射器4は、集束イオンビーム照射器3と同様、或いはそれ以上に集束された集束電子ビームを、微粒子2の表面に照射する装置である。電子ビーム照射器4から電子ビームを走査しながら照射することにより発生した二次電子、つまり、電子ビームの照射により散乱された電子は、二次電子検出器6にて検出され、その検出結果に基づいて、二次電子像を観察することができる。
このようにして得られた二次電子像から、捕集基板7の表面の微粒子2を含む分析面を決定することができ、微粒子2の存在位置を正確に決定することができる。また、この二次電子像から、予め定められている、微粒子2の特徴的な形状及び大きさ等に基づいて、測定部位内の各微粒子2の粒子径を求めることができる。さらに、微粒子2の粒子径を求めるに際し、微粒子2の質量を求めることもできる。具体的には、まず、微粒子2が球であると仮定して、その体積を求める。そして、微粒子2の成分から微粒子2の素性を明らかにし、その素性に対する一般的な比重と微粒子2の体積とに基づいて、微粒子2の質量を求める。
微粒子2の存在位置と粒子径とを二次電子像からそのまま決定することは、非常に煩雑で、労力を費やす。現在では、市販の二値化プログラム(二次電子像を二値化して微粒子2とその他のものとを判別するためのプログラム)を用いて、捕集基板7の表面に存在する微粒子2の数と、それぞれの微粒子2の粒子径とを求めることが可能となってきている。しかしながら、PM2.5のような細かい微粒子2の数と粒子径とを、前述した二値化プログラムを用いて判別しようする場合、捕集基板7の表面粗度が大きい場合には、これらの判別が困難となる。
そこで、前述したように原子レベルでフラットなシリコンウエハを捕集基板7に用いることで、前述した二値化プログラムを用いても、これらの判別を容易に行うことができ、微粒子2の粒子径の決定を容易にすることができる。イオンビームの照射によって、捕集基板7の表面の電荷蓄積(チャージアップ)を避けるために、捕集基板7に用いるシリコンウエハは、より低抵抗のものであるのが好ましい。尚、鏡面仕上げしたステンレス基板を捕集基板7として用いても、前述したようにして微粒子2の位置や粒子径を測定することは可能である。しかしながら、鏡面仕上げしたステンレス基板を捕集基板7として用いる場合には、ステンレスの研磨きずが微粒子2の二値化において大きな妨害となる虞があることに留意する必要がある。
また、高電気絶縁性の微粒子2の成分分析を行うに際しては、前述したように、集束イオンビーム照射器3及び質量分析計5を用いて、微粒子2の質量を分析しているときに、電子ビーム照射器4により電子ビームを測定部位(微粒子2)に照射することで、電荷の補償を可能とする。しかしながら、電子ビーム照射器4は、電子ビームの照射により散乱された電子を二次電子検出器6で検出して得られる二次電子像を得る目的で設置されたものである。このため、電子ビームの集束性を考慮すると、数keVの加速電圧が必要となる。そこで、電荷の補償を目的とする場合は、電子ビーム照射器4ではなく、別途、加速電圧が小さい(100eV以下)低速の電子を発生可能な電子銃を利用するのが好ましい。
尚、以上のようにして、微粒子2の成分や、微粒子2の位置・粒子径や、微粒子2の空隙率の測定を行う処理は、例えば、質量分析計5及び二次電子検出器6に接続されたコンピュータ(CPU、ROM、RAM、HDD、ディスプレイ、各種のハードディスクを備えたコンピュータ)により実現することができる。
以上の通り、本実施形態では、同一装置にて、各微粒子2を捕集したままで、各微粒子2の一個一個の粒子径と成分とを明らかにすることができる。これにより、微粒子2の飛散距離や、飛散方向を予測し、排出源の多様性、寄与、及び飛散履歴を明らかすることを可能とする。人体への影響が懸念されるPM2.5の粒子の測定を行うには、捕集基板7の平坦性が重要となる。そこで、シリコンウエハを捕集基板7として用いることにより、数μmからサブμmの粒子径の微粒子2を明瞭に観察することができ、さらにその微粒子2の成分を決定することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、微粒子2の粒子径を測定するために、電子ビームを微粒子2に照射することにより散乱される電子を検出することにより行う場合について説明した。これに対し、本実施形態では、集束イオンビームを微粒子2に照射して微粒子2の粒子径を測定する場合について説明する。このように、本実施形態と第1の実施形態とは、微粒子2の粒子径を測定する方法が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
まず、集束イオン源としてパルスイオンビームを用いる。そして、この集束イオンビームを走査して微粒子2に照射することにより、微粒子2の表面から発生する全イオン種の二次イオンを検出して得られる全二次イオン像を二次電子検出器6で観察することにより、微粒子2の粒子径をほぼ非破壊で測定することができる。この全二次イオン像と、注目する元素の二次イオン像の観察から、微粒子2を構成する成分の情報を、微粒子2の粒子径の測定と同時に抽出することができる。
また、全二次イオン像では微粒子2の正確な粒径を求められない場合は、集束イオン源として直流のイオンビームを照射する。そして、集束イオンビーム照射器3が、直流のイオンビームを走査して微粒子2の表面に照射することで散乱される電子(二次電子)を検出して得られる走査イオン像を二次電子検出器6で観察することにより、微粒子2の粒子径を正確に確定できる。これは、二次イオンの信号量が元素の存在濃度に比例しないため、粒子の物理的形状を反映しない虞があるためである。その際は、物理的形状をほぼ再現する二次電子像である走査イオン像を観察する方が良い。この際は、微粒子2の粒子径の変化を抑えるために、観察時間を短時間にするか、観察する際のイオンビームの電流量を極力低減する必要がある。
このように、集束イオンビーム照射器3が、直流の集束イオンビームを微粒子2の表面にて走査することで散乱される電子(二次電子)を検出して得られる走査イオン像を二次電子検出器6で観察することができる。前述したように、集束イオンビーム照射器3からの集束イオンビーム照射と電子ビーム照射器4からの電子ビーム照射により得られる二次イオン像と二次電子像は鏡像関係となる。よって、微粒子2へのイオンビームの照射を極力抑制して、走査イオン像を観察すると同時に、二次イオン像を観察することで、完全に同一視野の微粒子2の成分分布と粒子径とを同時に得ることが可能であり、完全な同一地点での観察を可能とする。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、微粒子2の内部の情報として微粒子2の空隙率を求める場合について説明する。このように本実施形態では、第1、第2の実施形態に対し、空隙率を求める処理が追加されたものである。したがって、本実施形態の説明において、第1、第2の実施形態と同一の部分については、図1に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
微粒子2の内部の情報を取り出す場合は、特許文献1に示されるように、集束イオンビーム照射器3により、微粒子2を切断加工する。また、試料台1の着眼位置(測定対象の微粒子2が存在する位置)を中心に試料台1を(図1の上下方向を回転軸として)180°回転させることが可能な機器を試料台1に取り付けるようにする。
微粒子2の内部の空隙率を求めることは従来の電子線励起蛍光X線分析方法では不可能であった。従来の電子線励起蛍光X線分析では、情報の深さが1μm程度であり、サブミクロン単位の粒子径を有する微粒子の内部の空隙の情報を抽出することができないためである。本実施形態で用いる二次イオン質量分析法の表面における情報深さは数nmと非常に浅い。このため、微粒子2の極表面の情報のみを検出する。従って、切断加工した微粒子2の内部について元素マッピングを行うことで、微粒子2の表面と内部の情報を別々に観察することができる。
具体的には、まず、前述したようにして切断した微粒子2を、当該微粒子2を中心に回転させながら、集束イオンビームを、前述したようにして微粒子2に照射して、微粒子2の内部の情報を得るようにする。この際、電子ビームと、集束イオンビームとを切断面に対して垂直に入射されるようにするのが好ましい。そして、前述したように、集束イオンビームの照射により微粒子2から放出される二次イオンを検出し、その二次イオン像を観察した結果に基づいて、微粒子2の内部の成分分析を行う。また、この二次イオン像を観察した結果に基づいて、微粒子2の内部にある空隙の大きさ(面積)を求め、微粒子2と空隙が球であると仮定して、空隙の体積を微粒子2の体積で割ることにより微粒子2の空隙率を求める。
以上のようにすることで、各微粒子2一個一個の空隙率を明らかにすることができ、微粒子2の密度を求めることができる。
尚、前述した本発明の各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(実施例)
以下に本発明の実施例について説明する。以下の本発明の実施例は、図1に示された装置により実施された。
図2は、大気中から捕集した微粒子2に電子ビームを照射することにより散乱された電子を検出して得られた微粒子の二次電子像の一例を示す写真である。図2(a)で示される写真は、シリコンウエハを捕集基板7として用いた場合の微粒子の二次電子像である。この写真において、白い点がサブミクロン単位の粒子径であるSPM粒子を示し、黒い点がコンタミネーションである油滴を示している。図2(b)で示される写真は、鏡面仕上げしたステンレス基板を捕集基板7として用いた場合の微粒子の二次電子像である。この写真から、前述した通り、ステンレス基板を捕集基板7として用いるとステンレス基板の研磨きずが問題となることが分かる。
図3は、路上で採取した微粒子を載せたシリコンウエハ基板に集束イオンビームを照射することにより得られた二次イオン像の一例を示す写真である。図3に示す各写真の視野は、それぞれ20μmである。また、図3において、Cl、SO4が負イオン、その他は正イオンである。また、図3に示す同一部位にNa、Mg、K、Ca等のアルカリ金属、或いはアルカリ土類金属元素が存在し、それと同一の位置にClやSO4が存在する。尚、Na、Mg、K、Caの群とCl、SO4の群とで斑点の位置が微妙にずれているのは正イオンと負イオンとの違いであり、装置上の問題によるものである。以上のことから、捕集された0.5μmの粒子径の微粒子は主成分として、Na、Mg、K、Ca等のアルカリ金属、或いはアルカリ土類金属元素で構成されていることが分かる。また、これらの元素のほかに、NH4が検出された。NH4の分布状態から、アルカリ金属、アルカリ土類金属で構成された微粒子の外側にNH4塩が付着した構造であることが分かった。また、その塩が硫酸塩、或いは塩化物であることも検出できた。
図4は、同一地点で捕集された「『アルカリ金属・アルカリ土類金属元素で構成された微粒子』と『炭素系微粒子』」の粒径分布の一例を示す図である。図4において、黒のグラフは、炭素系微粒子の粒径分布を示し、灰色のグラフは、アルカリ金属・アルカリ土類金属元素で構成された微粒子の粒径分布を示す。また、図4の縦軸は、発生数(相対値)である。
炭素系微粒子の密度は、2.3g/cm3程度であり、アルカリ金属・アルカリ土類金属元素で構成された微粒子の密度は、3.7g/cm3程度である。同一地点で捕集された「『炭素系微粒子』と『アルカリ金属・アルカリ土類金属元素で構成された微粒子』の平均粒径は、炭素系微粒子で0.5μmであり、アルカリ金属・アルカリ土類金属元素で構成された微粒子の平均粒径で0.3μmである。このように成分の異なる粒子毎の粒度分布を構築することができる。この情報と単一粒子の内部の空隙率とを求めることで、発生源の特定が可能となるものと期待される。
図5は、集束イオンビームを照射して散乱される電子(二次電子)を検出して得られた、鉄を主成分とする単一のSPM粒子の内部に存在する空隙を観察した走査イオン像を示す写真である。この微粒子の粒子径は約3μmである。この微粒子を半分に切断して観察された空隙の大きさから、空隙率を求めた。また、この装置の走査イオン像の面分解能は約10nmであり、サブミクロン単位の粒子径を有する微粒子の空隙率を決定することも容易である。
このように電子ビームによる非破壊な観察と観察位置をSIMS(二次イオン質量分析)マッピングする技術は、粒子表面の損傷を全く与えない状態で観察することから優れた方法である。
しかしながら、図6で示すように、電子ビーム(EB)と集束イオンビーム(FIB)とが、180°方向に位置するため、観察像は鏡像の関係となる。微粒子を特定する際に、微粒子が表面の凹凸のあるところに存在する場合、電子ビームの照射により散乱された電子を検出して得られる二次電子像と、集束イオンビームを照射して発生したイオンを検出して得られる二次イオン像とが必ずしも一致しなくなる。これを避けるために、集束イオンビームを微粒子に照射することにより走査イオン像を得る際に、できるだけ粒子表面への集束インビームの照射量を低減するようにした。図7に、観察した大気浮遊粒子の走査イオン像(図7(a))と全二次イオン像(図7(b))を示す。この二つは完全に一致しており、この微粒子の粒子径は約30μmである。このように、微粒子を特定し、完全に一致した元素マッピングを観察することが可能となる。
以上のように、SPM粒子の成分毎の粒度分布を明らかにすることが可能である。また、粒子内部と表面とを分離して検出することで飛散中の履歴や空隙の観察による発生時の熱履歴に関する情報も抽出することができる。
1 試料台
2 試料(微粒子)
3 集束イオンビーム照射器
4 電子ビーム照射器
5 質量分析計
6 二次電子検出器
7 捕集基板

Claims (4)

  1. 試料台に置かれた捕集基板上の微粒子に電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出する検出器と、前記微粒子に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、前記集束イオンビームを前記微粒子に照射することにより前記微粒子から放出される二次イオンを検出する分析計と、を有する装置を用いて微粒子を分析する微粒子分析方法であって、
    前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出した結果に基づいて、前記微粒子を特定することと、
    前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出した結果、または
    前記集束イオンビームの照射により前記微粒子から放出される全二次イオンを検出した結果、または
    前記集束イオンビームの照射により散乱される電子を検出した結果
    に基づいて、前記微粒子の粒子径を測定することと、
    前記集束イオンビームを前記微粒子に照射することにより前記微粒子を切断加工し、前記微粒子の切断面に前記集束イオンビームを照射することにより前記微粒子から放出される二次イオンを検出した結果に基づいて、前記微粒子の内部の成分および空隙を評価することを特徴とする微粒子分析方法。
  2. 前記二次イオンを観察した結果に基づいて、前記微粒子の内部の成分分析を行い、
    前記二次イオンを観察した結果に基づいて、前記微粒子と前記微粒子の内部にある空隙の面積を求め、
    前記微粒子と前記微粒子の内部にある空隙とが球であると仮定して、前記微粒子の内部にある空隙の体積を前記微粒子の体積で割ることにより前記微粒子の空隙率を求めることを特徴とする、請求項1に記載の微粒子分析方法。
  3. 前記捕集基板が原子レベルで平滑な表面を有する基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の微粒子分析方法。
  4. 前記捕集基板がシリコンウエハであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の微粒子分析方法。
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