JP5320904B2 - 検査システム - Google Patents

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Description

本発明は、検査システムに関するものである。特に、車載用ミリ波レーダ装置に適用して好適な検査システムに関するものである。
従来、一つの製品に対して複数の項目を検査する検査システムの一例として、特許文献1に示される検査システムがあった。この検査システムは、車載用ミリ波レーダ装置における性能の検査に適したものであり、出力検査項目を検査するための第一検査ユニットと、周波数検査項目を検査するための第二検査ユニットと、距離検査項目を検査するための検査ユニットを第三検査ユニットと、相対速度検査項目を検査するための第四検査ユニットと、方位補正項目を検査するための第五検査ユニットと、方位検査項目を検査するための第六検査ユニットと、各検査ユニット間を予め規定された経路に従って、車載用ミリ波レーダ装置を搬送する搬送装置とから構成されている。
また、第一検査ユニットは、電波暗箱、受信用アンテナ、パワーメータを備える。第二検査ユニットは、電波暗箱、受信用アンテナ、スペクトラムアナライザを備える。第三検査ユニット及び第四検査ユニットは、電波暗箱、ターゲット模擬装置を備える。第五検査ユニット及び第六検査ユニットは、電波暗箱、リフレクタを備える。
特開2008−145177号公報
上記特許文献1に示される検査システムは、検査項目毎に検査ユニットが必要であると共に、検査項目がかわるたびに車載用ミリ波レーダ装置を別の検査ユニットに搬送する必要があったので、コストアップが生じるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、コストダウンできる検査システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の検査システムは、電波を送受信することにより得られる検出結果に基づき、電波を反射した物標に関する物標情報を求めるレーダ装置に対し、予め規定された複数の検査項目で検査を実行することにより、レーダ装置の性能を検査する検査システムであって、検査に必要な検査機器が設けられた複数の検査ユニットと、複数の検査ユニットの夫々に複数のレーダ装置の夫々を搬送して、複数の検査ユニットの夫々に複数のレーダ装置の夫々を配置する搬送手段と、複数の検査ユニットに対して共通に設けられ、検査ユニット毎に設けられる複数の導波管を介して連結されるものであり、検査機器で実行する検査とは異なる検査に必要な共通検査機器と、複数の検査ユニットのうち共通検査機器での検査を実行する検査ユニットを切り替える切替手段とを備えることを特徴とするものである。
このように、複数の検査ユニットに共通の共通検査機器を設けて、この共通検査機器での検査を実行する検査ユニットを切り替えることによって、共通検査機器専用の検査ユニットを削減することができると共に、レーダ装置の搬送回数も減らすことができるので、コストダウンできる。
例えば、請求項2に示すように、切替手段は、複数の導波管のうち共通検査機器に連結する導波管を切り替えるスイッチを含むようにしてもよい。また、請求項3に示すように、切替手段は、複数の導波管のうち共通検査機器に連結する導波管を切り替える開閉装置を含むようにしてもよい。
しかしながら、このように導波管を用いた場合、導波管毎の電波ロスが異なることがある。導波管毎の電波ロスが異なると、検査ユニット毎の検査精度にばらつきが生じる可能性がある。
そこで、導波管毎の電波ロスを揃えるためには、請求項4に示すように、複数の導波管の長さは全て同じ長さにすると好ましい。
このように、複数の導波管の長さを全て同じ長さとすることによって、導波管毎の電波ロスを揃えることができる。したがって、検査ユニット毎の検査精度を揃えることができるので、いずれの検査ユニットを用いて検査しても同等の精度で検査を行なうことができる。
また、請求項5に示すように、複数の導波管又は切替手段と共通検査機器の間には、複数の導波管における各導波管による電波ロスを調整するためのアンプとアッテネータとを含むようにしてもよい。
このようにすることによって、アンプの増幅量とアッテネータの減衰量とを調整することで導波管毎の電波ロスを揃えることができる。したがって、検査ユニット毎の検査精度を揃えることができるので、いずれの検査ユニットを用いて検査しても同等の精度で検査を行なうことができる。
また、請求項に示すように、複数の検査ユニットに設けられる検査機器はレーダ装置から送信された電波を反射するリフレクタ、共通検査機器はレーダ装置から送信された電波を受信し、受信した電波に時間遅延を加える遅延手段と、受信した電波の周波数を変換する周波数変換手段とを備えたターゲット模擬装置を採用するようにしてもよい。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における検査システムの概略構成を示す構成図である。図2は、本発明の実施の形態における検査システムの導波管を示す構成図である。図3は、本発明の実施の形態における検査システムで検査を実施する場合のタームチャートである。
本実施の形態の検査システムにおいては、検査対象のレーダ装置として、車載用のミリ波レーダ装置70を採用して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、検査対象がレーダ装置であれば本発明の目的は達成できる。また、本実施の形態の検査システムにおいては、4台のミリ波レーダ装置70を同時に検査できるように、4つの検査ユニット11〜14を用いる例を採用して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の検査ユニットを用いるものであれば本発明の目的は達成できる。
ミリ波レーダ装置70は、車両に搭載され、送信アンテナからミリ波帯域の電波(いわゆるCW波や、周波数変調されたFMCW波、以下、レーダ波とする)を送信し、物標(例えば、ガードレール等の路側物や、路上を走行する他の車両等の障害物)が反射したレーダ波を複数の受信アンテナを介して受信することにより、物標の情報(以下、ターゲット情報とする)を取得する周知のものである。ターゲット情報としては、ミリ波レーダ装置70と物標との距離(以下、検出距離とする)、ミリ波レーダ装置70と物標との相対速度(以下、検出相対速度とする)、及び物標が位置する方向(以下、検出方向とする)をなど含むものである。
このようなミリ波レーダ装置70を検査する検査システムで検査される検査項目としては、ミリ波レーダ装置70から送信されるレーダ波の特性を検査する特性検査項目と、ミリ波レーダ装置70がターゲット情報を正確に取得しているか否かを検査する障害物検出検査項目が挙げられる。
そして、特性検査項目としては、ミリ波レーダ装置70から送信されるレーダ波の出力が予め規定された規定出力範囲内であるか否かを検査する出力検査項目と、ミリ波レーダ装置70から送信されるレーダ波の周波数帯が予め規定された規定周波数帯の範囲内であるか否かを検査する周波数検査項目とがある。
また、障害物検出検査項目としては、ミリ波レーダ装置70で取得されるターゲット情報のうち、検出距離について検査する距離検査項目、検出相対速度について検査する相対速度検査項目、物標の位置に応じて本来検出されるべき方向に、検出方向を補正する方位補正項目、検出方向について検査する方位検査項目が挙げられる。
このような検査項目のうち、共通検査機器を用いて実行する検査項目は、出力検査項目、周波数検査項目、距離検査項目、相対速度検査項目である。一方、リフレクタ114を用いて実行する検査項目は、方位補正項目、方位検査項目である。なお、以降、共通検査機器を用いて実行する検査を共通検査、リフレクタ114を用いて実行する検査をリフレクタ検査とも称する。
検査システムは、図1に示すように、ミリ波レーダ装置70の性能を検査するために必要な検査機器であるリフレクタ114が設けられた複数の検査ユニット11〜14と、各検査ユニット11〜14間を予め規定された経路に従って、ミリ波レーダ装置70を搬送する搬送装置113とを備えている。さらに、本実施の形態における検査システムは、複数の検査ユニット11〜14に対して複数の第1〜第4導波管21〜24、連結導波管25を介して共通に設けられるものであり、リフレクタ114で実行する検査とは異なる検査に必要な共通検査機器であるターゲット模擬装置40、パワーセンサー51(パワーメータ52)、スペクトラムアナライザ60と、複数の検査ユニット11〜14のうち共通検査機器での検査を実行する検査ユニットを切り替えるスイッチ30(切替手段)とを備える。
検査ユニット11〜14は、全て同じ構成をなすものであり、検査を実施する時に、ミリ波レーダ装置70を収納する電波暗箱111を備える。この電波暗箱111は、内部に空洞を有し、一端に開口(以下、開口が形成されている一端を開口端とし、開口が形成されていない他端を閉塞端とする)が形成された直方体のケースと、ケースの内壁に固定されノイズ等の検査に不要な電波を吸収する電波吸収体112とからなる周知のものである。検査ユニット11〜14(各電波暗箱111)は、ミリ波レーダ装置70の電波の送信方向に対して略平行に配置される。
電波暗箱111の開口端には、搬送装置113によって検査対象であるミリ波レーダ装置70が脱着可能な状態で配置される。搬送装置113は、例えば、各検査項目での検査を実施するために検査ユニット11〜14毎に予め設定された配置位置にミリ波レーダ装置70を配置する複数の把持機構と、順番に各検査ユニット11〜14にミリ波レーダ装置70が配置されるように、予め規定されたプログラムに従って、把持機構を移動させる移動機構とを備えている。そして、把持機構は、ミリ波レーダ装置70を把持する把持アームと、把持アームを所望の角度に回動させる回動部と、把持アームに把持されたミリ波レーダ装置70が配置位置に配置されるように伸縮自在に構成された伸縮アームなどで構成することができる。なお、搬送装置113に関しては、特開2008−145177に記載されているので図面などは省略する。
電波暗箱111の閉塞端には、ミリ波レーダ装置70から送信されたレーダ波をそのレーダ波の入射方向に反射するリフレクタ(例えば、コーナーキューブリフレクタ)114と、ミリ波レーダ装置70から送信されたレーダ波を受信する受信アンテナ115と、後ほど説明するターゲット模擬装置40からのレーダ波をミリ波レーダ装置70に送信する送信アンテナ116が設けられる。
リフレクタ114は、電磁波を反射する3枚の金属板により、頂角が90度となるように形成された三角錐の部材であり、配置位置に配置されたミリ波レーダ装置70が位置する方向を反射方向とするように、その頂角が電波暗箱111の閉塞端に固定されている。なお、リフレクタ114を用いた検査項目に関しては、特開2008−145177に記載されているので詳しい説明は省略する。
受信アンテナ115と送信アンテナ116とは、第1〜第4導波管21〜24と連結導波管25、及びスイッチ30とを介して、ミリ波レーダ装置70で検出されるべき物標を模擬するターゲット模擬装置40と連結している。つまり、第1〜第4導波管21〜24と連結導波管25は、検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40との間におけるレーダ波の経路となる。また、第1〜第4導波管21〜24と連結導波管25とはスイッチ30を介して連結されている。
ここで、第1〜第4導波管21〜24と連結導波管25に関して説明する。なお、第1〜第4導波管21〜24は、同等の構成であるため説明を簡略化するために第1導波管21のみに関して説明する。
第1導波管21は、図2に示すように、受信アンテナ115に連結された第1受信用導波管215と、送信アンテナ116に連結された第1送信用導波管216とを備える。そして、第1受信用導波管215は、スイッチ30を介してターゲット模擬装置40に連結された受信用連結導波管255に連結される。一方、第1送信用導波管216は、スイッチ30を介してターゲット模擬装置40に連結された送信用連結導波管256に連結される。スイッチ30は、メカ式スイッチでも電子式スイッチ(例えばPINスイッチ)でも採用することができる。
なお、複数の検査ユニット11〜14のうち共通検査機器での検査を実行する検査ユニットを切り替える切替手段としては、例えば、受信アンテナ115及び送信アンテナ116とミリ波レーダ装置70との間に設けられる開閉装置などを用いてもよい。開閉装置は、金属板(受信アンテナ115及び送信アンテナ116側)に電波吸収体(ミリ波レーダ装置70側)が設けられ、受信アンテナ115及び送信アンテナ116とミリ波レーダ装置70との間で開閉可能な状態で配置されるものを採用することができる。検査を実行する検査ユニットにおける開閉装置は、開扉して、受信アンテナ115でミリ波レーダ装置70からの電波を受信可能、かつ、送信アンテナ116でミリ波レーダ装置70への電波を送信可能な状態とする。一方、検査を実行しない検査ユニットにおける開閉装置は、閉扉して、受信アンテナ115でミリ波レーダ装置70からの電波を受信不可能、かつ、送信アンテナ116でミリ波レーダ装置70への電波を送信不可能な状態とする。つまり、共通検査を行なう検査ユニットの開閉装置のみを開扉し、その他の検査ユニットの開閉装置は閉扉する。
しかしながら、このように第1〜第4導波管21〜24と連結導波管25を用いた場合、第1〜第4導波管21〜24毎に第1〜第4導波管21〜24による電波ロスが異なることがある。第1〜第4導波管21〜24毎の電波ロスが異なると、検査ユニット11〜14毎の検査精度にばらつきが生じる可能性がある。そこで、第1〜第4導波管21〜24における電波ロスを調整するためのアンプ211とアッテネータ212を連結導波管25(受信用連結導波管255)に設ける。このようにすることによって、アンプ211の増幅量とアッテネータ212の減衰量とを調整することで第1〜第4導波管21〜24毎の電波ロスを揃えることができる。したがって、検査ユニット11〜14毎の検査精度を揃えることができるので、いずれの検査ユニット11〜14を用いて検査しても同等の精度で検査を行なうことができる。
なお、本実施の形態においては、アンプ211、アッテネータ212は、連結導波管25に設ける例を用いて説明したが、第1導波管21に設けるようにしても本発明の目的は達成できるものである。つまり、アンプ211、アッテネータ212は、検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40とを繋ぐ第1〜第4導波管21〜24及び連結導波管25に設けていればよく、検査ユニット11〜14とスイッチ30との間(第1〜第4導波管21〜24)、スイッチ30とターゲット模擬装置40との間(連結導波管25)のいずれに設けても本発明の目的は達成できるものである。
また、導波管毎の電波ロスを揃えるためには、第1〜第4導波管21〜24の長さは全て同じ長さにしてもよい。このように、第1〜第4導波管21〜24の導波管の長さを全て同じ長さとすることによっても導波管毎の電波ロスを揃えることができる。したがって、検査ユニット11〜14毎の検査精度を揃えることができるので、いずれの検査ユニット11〜14を用いて検査しても同等の精度で検査を行なうことができる。
ターゲット模擬装置40は、外部からの入力を受け付ける外部入力部と、受信アンテナ115で受信したミリ波レーダ装置70から送信されたレーダ波に時間遅延を加える信号遅延部と、受信したレーダ波を減衰(もしくは、増幅)させるアンプと、受信したレーダ波の周波数を変換する周波数変換部などを備える。そして、信号遅延部で時間遅延が加えられたレーダ波(以下、遅延レーダ波とする)、アンプで減衰されたレーダ波、周波数変換部で周波数が変換されたレーダ波(以下、シフトレーダ波とする)を送信アンテナ116からミリ波レーダ装置70に送信する。
このようなターゲット模擬装置40では、信号遅延部で、外部入力部を介して入力された物標までの距離に相当する分の時間遅延を加えた遅延レーダ波を生成し、アンプでレーダ波を減衰させることにより、ミリ波レーダ装置70で検出されるべき検出距離(以下、模擬距離とする)を模擬する。また、ターゲット模擬装置40の周波数変換部で、レーダ波の周波数を、外部入力部を介して入力された物標との相対速度に相当する分だけシフトさせることにより、ミリ波レーダ装置70で検出されるべき検出相対速度(以下、模擬検出相対速度とする)を模擬する。
つまり、ターゲット模擬装置40を用いた検査では、遅延レーダ波をミリ波レーダ装置70に返送することにより、遅延レーダ波を受信したミリ波レーダ装置70に検出距離を検出させ、そのミリ波レーダ装置70で検出された検出距離が、模擬距離から予め規定された範囲内(即ち、予め規定された精度の範囲内)であるか否かを検査する。また、シフトレーダ波をミリ波レーダ装置70に返送することにより、シフトレーダ波を受信したミリ波レーダ装置70に検出相対速度を検出させ、そのミリ波レーダ装置70で検出された検出相対速度が、模擬検出相対速度から予め規定された規定範囲内(即ち、予め規定された精度の範囲内)であるか否かを検査する。
また、ターゲット模擬装置40に連結されたパワーセンサー51では、受信アンテナ115で受信したレーダ波の受信電力を検出して、その検出されたレーダ波の出力が、予め規定された規定出力帯の範囲内であるか否かを検査する。ターゲット模擬装置40に連結されたスペクトラムアナライザ60では、受信アンテナ115で受信したレーダ波の周波数帯を検出して、その検出されたレーダ波の周波数帯が、予め規定された規定周波数の範囲内であるか否かを検査する。
ここで、このような検査システムの動作の一例について説明する。
各検査ユニット11〜14では、ミリ波レーダ装置70が搬送装置113にて搬送されて電波暗箱111に配置されると、リフレクタ検査である方位補正項目、方位検査項目の検査を行なう。リフレクタ検査が終わると、共通検査である出力検査項目、周波数検査項目、距離検査項目、相対速度検査項目の検査を行なう。そして、共通検査が終了すると、ミリ波レーダ装置70が搬送装置113にて電波暗箱111から取り外されて、検査が終了していない別のミリ波レーダ装置70が搬送装置113にて搬送されて電波暗箱111に配置される。
そして、本実施の形態における検査システムは、このような複数の検査ユニット11〜14を用いてミリ波レーダ装置70の検査を行なうものである。
まず、検査ユニット11の電波暗箱111に搬送装置113にてミリ波レーダ装置70を配置して、検査ユニット11でのリフレクタ検査を開始する。次に、検査ユニット11でのリフレクタ検査の開始から所定時間後、検査ユニット12の電波暗箱111に搬送装置113にて別のミリ波レーダ装置70を配置して、検査ユニット12でのリフレクタ検査を開始する。次に、検査ユニット12でのリフレクタ検査の開始から所定時間後、検査ユニット13の電波暗箱111に搬送装置113にて別のミリ波レーダ装置70を配置して、検査ユニット13でのリフレクタ検査を開始する。次に、検査ユニット13でのリフレクタ検査の開始から所定時間後、検査ユニット14の電波暗箱111に搬送装置113にて別のミリ波レーダ装置70を配置して、検査ユニット14でのリフレクタ検査を開始する。つまり、検査ユニット11〜14間で所定の時間ずらしてリフレクタ検査を開始する。なお、検査ユニット11〜14間で所定の時間ずらす時間は、共通検査に要する検査時間程度である。
そして、最初にリフレクタ検査を開始した検査ユニット11でのリフレクタ検査が終了すると、スイッチ30を制御して、検査ユニット11に連結された第1導波管21のみがターゲット模擬装置40に連結されるようにする。このようにして、検査ユニット11で共通検査を開始する。次に、検査ユニット12でのリフレクタ検査が終了すると、スイッチ30を制御して、検査ユニット12に連結された第2導波管22のみがターゲット模擬装置40に連結されるようにする。このようにして、検査ユニット12で共通検査を開始する。次に、検査ユニット13でのリフレクタ検査が終了すると、スイッチ30を制御して、検査ユニット13に連結された第3導波管23のみがターゲット模擬装置40に連結されるようにする。このようにして、検査ユニット13で共通検査を開始する。次に、検査ユニット14でのリフレクタ検査が終了すると、スイッチ30を制御して、検査ユニット14に連結された第4導波管24のみがターゲット模擬装置40に連結されるようにする。このようにして、検査ユニット14で共通検査を開始する。
このように、スイッチ30を制御して、第1〜第4導波管21〜24からターゲット模擬装置40に連結する一つの導波管を切り替え制御する。換言すると、検査ユニット11〜14から共通検査機器での検査を実行する検査ユニットを切り替え制御する。したがって、本実施の形態における検査システムでは、検査ユニット11〜14のいずれか一つ(例えば、検査ユニット11)で共通検査機器での検査を実行し、残りの検査ユニット(例えば、検査ユニット1〜14)でリフレクタ114を用いた検査を行なう。なお、上述のように、各検査ユニット11〜14でのリフレクタ検査の開始時間が共通検査に要する検査時間程度ずれているので、共通検査の待ち時間がなく効率よく検査を行なうことができる。
そして、検査ユニット11での共通検査が終了すると、搬送装置113にてミリ波レーダ装置70を電波暗箱111から取り外して、その電波暗箱111に搬送装置113にて未検査のミリ波レーダ装置70を配置して、検査ユニット11でのリフレクタ検査を開始する。次に、検査ユニット12での共通検査が終了すると、搬送装置113にてミリ波レーダ装置70を電波暗箱111から取り外して、その電波暗箱111に搬送装置113にて未検査のミリ波レーダ装置70を配置して、検査ユニット12でのリフレクタ検査を開始する。次に、検査ユニット13での共通検査が終了すると、搬送装置113にてミリ波レーダ装置70を電波暗箱111から取り外して、その電波暗箱111に搬送装置113にて未検査のミリ波レーダ装置70を配置して、検査ユニット13でのリフレクタ検査を開始する。次に、検査ユニット14での共通検査が終了すると、搬送装置113にてミリ波レーダ装置70を電波暗箱111から取り外して、その電波暗箱111に搬送装置113にて未検査のミリ波レーダ装置70を配置して、検査ユニット14でのリフレクタ検査を開始する。
なお、上述のようなスイッチ30、ミリ波レーダ装置70、搬送装置113の動作は、例えば、図示しないコンピュータがメモリに予め記憶されたプログラムに基づいてスイッチ30、ミリ波レーダ装置70、搬送装置113に指示信号を出力することなどによって実施することができる。
このように、複数の検査ユニット11〜14に共通の共通検査機器(ターゲット模擬装置40など)を設けて、この共通検査機器での検査を実行する検査ユニット11〜14を切り替えることによって、共通検査機器(ターゲット模擬装置40など)用の検査ユニットを削減することができると共に、ミリ波レーダ装置70の搬送回数も減らすことができるのでコストダウンできる。
次に、検査システムの変形例1に関して図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態における検査システムの変形例1の概略構成を示す構成図である。図4は上述の実施の形態における図1に対応する図面である。変形例1の検査システムにおいては、上述の検査システムと同等な構成に関しては図4に図1と同じ符号を付与して以下での詳しい説明を省略する。また、パワーセンサー51、パワーメータ52、スペクトラムアナライザ60に関しては、上述の実施の形態と同様であるため図4への図示も省略している。
上述の実施の形態においては、検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40とを連結する第1〜第4導波管21〜24、連結導波管25を用いる例を採用して説明したが、変形例1においては、受信アンテナ45、送信アンテナ46を用いて連結するものである。つまり、受信アンテナ45、送信アンテナ46が検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40との間におけるレーダ波の経路となる。
電波暗箱111は、閉塞端の一部に設けられる窓部118と、その窓部118に対向する位置に設けられる開閉装置117とを備える。窓部118は、電波暗箱111の閉塞端の一部であり、上述の実施の形態において受信アンテナ115、送信アンテナ116が設けられている部分(リフレクタ114の隣)に設けられる。開閉装置117は、電波暗箱111に配置された状態のミリ波レーダ装置70と窓部118との間に設けられる。なお、開閉装置117は、金属板(受信アンテナ115及び送信アンテナ116側)に電波吸収体(ミリ波レーダ装置70側)が設けられものを採用することができる。
そして、ターゲット模擬装置40は、電波暗箱111の閉塞端に対向する位置に受信アンテナ45、送信アンテナ46が設けられる。また、ターゲット模擬装置40は、電波暗箱111の閉塞端に対向する位置に設けられ、複数の電波暗箱111(検査ユニット11〜14)の配列方向に延びるレール82上をモータなどによってスライド移動可能な台座81に設けられる。このレール82は、電波暗箱111に配置された状態のミリ波レーダ装置70のレーダ波の送信方向に対して略平行に配置された複数の電波暗箱111(検査ユニット11〜14)の閉塞端に対向する位置に、上記レーダ波の送信方向に対して略垂直に設けられる。また、レール82は、両端に配置される検査ユニット(例えば、検査ユニット11と14)間の間隔よりも長いものである。
そして、各検査ユニット11〜14で共通検査を実行する場合は、共通検査を行なう検査ユニット(例えば、検査ユニット13)のところまでターゲット模擬装置40を搭載した台座81をスライド移動させて、ターゲット模擬装置40と共通検査を行なう検査ユニットとを対向させる。具体的には、ターゲット模擬装置40の受信アンテナ45、送信アンテナ46が、その共通検査を行なう検査ユニットの窓部118に配置されるように台座81をスライド移動させる。このとき、電波暗箱111(窓部118)とターゲット模擬装置40に設けられた受信アンテナ45、送信アンテナ46とは密接して配置される。さらに、この台座81のスライド移動と共に、共通検査を行なう検査ユニットの開閉装置117のみを開扉する(切替手段)。
なお、上述のような台座81、開閉装置117の動作は、例えば、図示しないコンピュータがメモリに予め記憶されたプログラムに基づいて台座81、開閉装置117に指示信号を出力することなどによって実施することができる。
このようにしても、複数の検査ユニット11〜14に共通の共通検査機器(ターゲット模擬装置40など)を用いた検査システムを構成することができる。したがって、共通検査機器(ターゲット模擬装置40など)用の検査ユニットを削減することができると共に、ミリ波レーダ装置70の搬送回数も減らすことができるのでコストダウンできる。
また、変形例1の検査システムの場合、各検査ユニット11〜14の電波暗箱111(窓部118)とターゲット模擬装置40に設けられた受信アンテナ45、送信アンテナ46とが密接して配置されることになる。したがって、各検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40との間の空間における電波ロスは少なく、かつ略均等になるため、電波ロスを揃えるためにアンプやアッテネータを設けたりする必要がない。
なお、必ずしも各検査ユニット11〜14の電波暗箱111(窓部118)とターゲット模擬装置40に設けられた受信アンテナ45、送信アンテナ46とを密接して配置する必要はない。各検査ユニット11〜14の電波暗箱111(窓部118)とターゲット模擬装置40に設けられた受信アンテナ45、送信アンテナ46とを間隔を設けて配置してもよい。ただし、各検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40との間の空間における電波ロスが均等でない場合は、各検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40との間の空間における電波ロスが揃うよう、各検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40の受信アンテナ45、送信アンテナ46との間にアンプやアッテネータを設けると好ましい。
また、変形例1においては、開閉装置117は、電波暗箱111に配置された状態のミリ波レーダ装置70と窓部118との間に設けられる例を採用して説明したが、電波暗箱111の外側の窓部118に対向する位置(窓部118とターゲット模擬装置40の受信アンテナ45、送信アンテナ46との間)に設けるようにしてもよい。
次に、検査システムの変形例2に関して図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態における検査システムの変形例2の概略構成を示す構成図である。図5は上述の実施の形態における図1に対応する図面である。変形例2の検査システムにおいては、上述の検査システムと同等な構成に関しては図5に図1と同じ符号を付与して以下での詳しい説明を省略する。また、パワーセンサー51、パワーメータ52、スペクトラムアナライザ60に関しては、上述の実施の形態と同様であるため図5への図示も省略している。
上述の実施の形態においては、検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40とを連結する第1〜第4導波管21〜24、連結導波管25を用いる例を採用して説明したが、変形例2においては、検査ユニット11〜14に設けられた送信アンテナ2105、受信アンテナ2106を有する第1〜第4導波管210,220,230,240と、ターゲット模擬装置40に設けられた受信アンテナ45、送信アンテナ46とを用いて連結するものである。つまり、検査ユニット11〜14に設けられた第1〜第4導波管210,220,230,240(送信アンテナ2105、受信アンテナ2106)とターゲット模擬装置40に設けられた受信アンテナ45、送信アンテナ46及びこれらの間の空間が検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40との間におけるレーダ波の経路となる。
電波暗箱111は、閉塞端の一部に設けられる第1〜第4導波管210,220,230,240と、その第1〜第4導波管210,220,230,240に対向する位置に設けられる開閉装置117とを備える。第1〜第4導波管210,220,230,240は、電波暗箱111の閉塞端の一部であり、受信アンテナ115、送信アンテナ116が設けられている部分(リフレクタ114の隣)に設けられる。つまり、受信アンテナ115、送信アンテナ116と送信アンテナ2105、受信アンテナ2106とは、第1〜第4導波管210,220,230,240を介して連結している。開閉装置117は、電波暗箱111に配置された状態のミリ波レーダ装置70と受信アンテナ115、送信アンテナ116との間に設けられる。
そして、ターゲット模擬装置40は、電波暗箱111の閉塞端側を向く一つの側面に受信アンテナ45、送信アンテナ46が設けられる。また、ターゲット模擬装置40は、電波暗箱111の閉塞端側に設けられた検査室90内に、電波暗箱111から間隔をおいて設けられ、地面に対して垂直な回転軸を中心にモータなどによって回動可能な台座83に設けられる。つまり、この台座83は、電波暗箱111に配置された状態のミリ波レーダ装置70のレーダ波の送信方向に対して略平行に配置された複数の電波暗箱111(検査ユニット11〜14)の閉塞端側に、複数の電波暗箱111と間隔を隔てて設けられる。
そして、各検査ユニット11〜14で共通検査を実行する場合は、ターゲット模擬装置40を搭載した台座83を回動させて、ターゲット模擬装置40と共通検査を行なう検査ユニット(例えば、検査ユニット11)とを対向させる。つまり、ターゲット模擬装置40の受信アンテナ45、送信アンテナ46が、その共通検査を行なう検査ユニット(例えば、検査ユニット11)に設けられた送信アンテナ2105、受信アンテナ2106と対向するように台座83を回動させる。さらに、この台座83の回動と共に、共通検査を行なう検査ユニットの開閉装置117のみを開扉する(切替手段)。
なお、上述のような台座83、開閉装置117の動作は、例えば、図示しないコンピュータがメモリに予め記憶されたプログラムに基づいて台座83、開閉装置117に指示信号を出力することなどによって実施することができる。
このようにしても、複数の検査ユニット11〜14に共通の共通検査機器(ターゲット模擬装置40など)を用いた検査システムを構成することができる。したがって、共通検査機器(ターゲット模擬装置40など)用の検査ユニットを削減することができると共に、ミリ波レーダ装置70の搬送回数も減らすことができるのでコストダウンできる。
また、このように変形例2の場合、検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40に設けられた受信アンテナ45、送信アンテナ46との間の空間毎にその空間による電波ロスが異なることがある。その空間毎の電波ロスが異なると、検査ユニット11〜14毎の検査精度にばらつきが生じる可能性がある。そこで、変形例2においても、各検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40との間には、空間による電波ロスを調整するためのアンプとアッテネータとを設けるようにしてもよい。このようにすることによって、アンプの増幅量とアッテネータの減衰量とを調整することで検査ユニット11〜14とターゲット模擬装置40に設けられた受信アンテナ45、送信アンテナ46との間の空間毎の電波ロスを揃えることができる。したがって、検査ユニット11〜14毎の検査精度を揃えることができるので、いずれの検査ユニット11〜14を用いて検査しても同等の精度で検査を行なうことができる。
また、上述の実施例及び変形例1、変形例2においては、検査ユニット11〜14(電波暗箱111)は、ミリ波レーダ装置70のレーダ波の送信方向に対して略平行に配置される例を採用して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図6に示す変形例3のように、例えば、ターゲット模擬装置40を囲うように検査ユニット11〜14(電波暗箱111)を配置してもよい。この場合、変形例2に示すように、ターゲット模擬装置40をモータなどで回動する台座などに搭載して、その台座を回動させることによってターゲット模擬装置40を検査ユニットと対向させるようにしてもよい。
なお、変形例3の検査システムにおいては、上述の検査システムと同等な構成に関しては図6に図1と同じ符号を付与して詳しい説明を省略する。また、パワーセンサー51、パワーメータ52、スペクトラムアナライザ60に関しては、上述の実施の形態と同様であるため図6への図示も省略している。
本発明の実施の形態における検査システムの概略構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態における検査システムの導波管を示す構成図である。 本発明の実施の形態における検査システムで検査を実施する場合のタームチャートである。 本発明の実施の形態における検査システムの変形例1の概略構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態における検査システムの変形例2の概略構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態における検査システムの変形例3の概略構成を示す構成図である。
符号の説明
11 第1検査ユニット、12 第2検査ユニット、13 第3検査ユニット、14 第4検査ユニット、21 第1導波管、22 第2導波管、23 第3導波管、24 第4導波管、25 連結導波管、30 スイッチ、40 ターゲット模擬装置(共通検査機器)、45 受信アンテナ、46 送信アンテナ、51 パワーセンサー、52 パワーメータ、60 スペクトラムアナライザ、70 ミリ波レーダ装置、81 台座、82 レール、83 回動部、90 検査室、111 電波暗箱、112 電波吸収体、113 搬送装置、114 リフレクタ(検査機器)、115 受信アンテナ、116 送信アンテナ、117 開閉装置、118 窓部、211 アンプ、212 アッテネータ、215 第1受信用導波管、216 第1送信用導波管、2105 送信アンテナ、2106 受信アンテナ

Claims (6)

  1. 電波を送受信することにより得られる検出結果に基づき、当該電波を反射した物標に関する物標情報を求める複数のレーダ装置に対し、予め規定された複数の検査項目で検査を実行することにより、前記レーダ装置の性能を検査する検査システムであって、
    検査に必要な検査機器が設けられた複数の検査ユニットと、
    前記複数の検査ユニットの夫々に前記複数のレーダ装置の夫々を搬送して、前記複数の検査ユニットの夫々に前記複数のレーダ装置の夫々を配置する搬送手段と、
    前記複数の検査ユニットに対して共通に設けられ、当該検査ユニット毎に設けられる複数の導波管を介して連結されるものであり、前記検査機器で実行する検査とは異なる検査に必要な共通検査機器と、
    前記複数の検査ユニットのうち前記共通検査機器での検査を実行する検査ユニットを切り替える切替手段と、
    を備えることを特徴とする検査システム。
  2. 記切替手段は、前記複数の導波管のうち前記共通検査機器に連結する導波管を切り替えるスイッチを含むことを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
  3. 記切替手段は、前記複数の導波管のうち前記共通検査機器に連結する導波管を切り替える開閉装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
  4. 前記複数の導波管の長さは全て同じ長さであることを特徴とする請求項2又は3に記載の検査システム。
  5. 前記複数の導波管又は前記切替手段と前記共通検査機器の間には、前記複数の導波管における各導波管による電波ロスを調整するためのアンプとアッテネータとを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の検査システム。
  6. 前記複数の検査ユニットに設けられる検査機器は前記レーダ装置から送信された電波を反射するリフレクタを含み、前記共通検査機器は前記レーダ装置から送信された電波を受信し、受信した電波に時間遅延を加える遅延手段と、受信した電波の周波数を変換する周波数変換手段とを備えたターゲット模擬装置を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれか一項に記載の検査システム。
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