JP5320880B2 - 距離計測装置、距離計測方法および車両 - Google Patents

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Description

本発明は、照射光を被検物に照射して被検物までの距離情報を算出する距離計測技術、およびこの距離計測技術を用いる乗用車等の車両に関するものである。
光を検出対象領域に向けて照射し、被検物から鏡面反射および/または散乱によって戻される反射光をCCDなどの撮像装置で撮像し、その撮像情報を処理して、被検物までの距離や被検物の形状などを計測する距離(形状)計測装置が知られている。このような計測装置においては、照射した光が鏡面反射された場合、鏡面反射された光が、次に散乱を受けて多重反射光として撮像装置に入射すると、誤った距離情報が得られることがある。すなわち、多重反射光が存在すると、精度の高い距離情報を得ることが困難となる。
そこで、従来の空間コードを用いた距離(形状)計測装置においては、多重反射の影響を除去するために、照射工程において照射された計測光の照射角度に対して予め定められた空間コードを設定し、撮像情報中の空間コードの増減を判定することによって多重反射の有無を判定していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−193438号公報
しかしながら、上記従来技術では、多重反射と判定された場合、多重反射光によって得られる誤った距離情報を除去して、測定対象物までの距離を算出するのみであったため、鏡面反射率が大きくなる位置関係にあるような被検物までの距離を算出することができない。
本発明による距離計測装置は、検出領域に向けて複数の投光角度で計測光を照射する照射手段と、前記複数の投光角度にそれぞれ対応した反射光を撮像して複数の撮像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力される前記複数の撮像信号に基づいて、特定の計測地点からの反射光を検出し、検出された前記反射光の前記撮像手段への入射角度と前記複数の投光角度とに基づいて、前記特定の計測地点までの複数の距離を検出する距離検出手段と、前記複数の投光角度の計測光に応じてそれぞれ検出された反射光の各入射角度が同一であるにもかかわらず、前記距離検出手段により異なった距離が検出された場合には、鏡面反射が発生していると判定する判定手段と、前記判定手段で前記鏡面反射が発生していると判定されたときに、前記距離検出手段で検出された距離と、前記同一の入射角度が得られたときの第1および第2の投光角度とに基づいて、前記鏡面反射した被検物までの距離を算出する演算手段とを備えることを特徴とする。
本発明による車両は、上記の距離計測装置を備えた車両であって、前記投光手段が前記車両の前方を前記検出対象領域として光を照射し、前記撮像手段が前記車両の前方からの反射光を受光可能に搭載されていることを特徴とする。
本発明による距離計測方法は、検出領域に向けて複数の投光角度で計測光を照射する照射工程と、前記複数の投光角度にそれぞれ対応した反射光を撮像して複数の撮像信号を出力する撮像工程と、前記撮像工程において出力された前記複数の撮像信号に基づいて、特定の計測地点からの反射光を検出し、検出された前記反射光の前記撮像工程への入射角度と前記複数の投光角度とに基づいて、前記特定の計測地点までの複数の距離を検出する距離検出工程と、前記複数の投光角度の計測光に応じてそれぞれ検出された反射光の各入射角度が同一であるにもかかわらず、前記距離検出工程により異なった距離が検出された場合には、鏡面反射が発生していると判定する判定工程と、前記判定工程で前記鏡面反射が発生していると判定されたときに、前記距離検出工程で検出された距離と、前記同一の入射角度が得られたときの第1および第2の投光角度とに基づいて、前記鏡面反射した被検物までの距離を算出する演算工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、検出領域に投光した計測光が被検物で鏡面反射したことを判定するとともに、鏡面反射した被検物までの距離を算出するようにした。その結果、鏡面反射率が大きくなる位置関係にあるような被検物までの距離を正確に算出することができる。
[第1の実施形態]
図1〜図8を参照して本発明による距離計測装置の一実施形態について説明する。本実施形態による距離計測装置は、乗用車等の車両に備えられている。図1は、本実施形態の距離計測装置を搭載した車両MBを示す。距離計測装置は、第1および第2の投光装置1L,1Rと、撮像装置2と、図のコントロールユニットCUとを備えている。
第1および第2の投光装置1L,1Rは、車両MBのフロントバンパー3の左端部および右端部の近傍に設置されている。第1および第2の投光装置1L,1Rは、それぞれ、内部のレーザ光源からのレーザ光を、路面に垂直な方向に細長いスリット光として車両前方の検出対象領域に向けて左右方向に走査しながら照射する。検出対象領域への照射角度が読み取ることができる照射光であればスポット光でもよい。なお、第1および第2の投光装置1L,1Rは同一であり、車両前方の斜め左方向を投光装置1Lで投光し、車両前方の斜め右方向を投光装置1Rで投光し、それぞれの投光タイミングに同期して撮像装置2で撮像する。以下、第1および第2の投光装置1L,1Rを投光装置1として説明する。
なお、照射光はパルス光を用いることができ、所定の投光角度について1パルスで1枚の照射光画像を取得してもよいし、複数パルスで1枚の照射光画像を取得してもよい。
撮像装置2は、フロントガラスの上部中央付近、すなわちルーフ4の前端部中央裏側のルームミラー(不図示)の近傍に取り付けられたカメラを含む。この実施形態の距離計測装置では、投光装置1からスリット光を車両前方へ照射しながら、撮像装置2で車両前方を撮像する。撮像装置2は、投光装置1から照射された計測光による被検物からの反射光の輝度画像を撮像する。距離計測装置は、車両前方を検出対象領域として、検出対象領域内の被検物に検出用の光を投光して、その被検物からの反射光を検出する。本明細書では、反射光を、鏡面反射および/または散乱(拡散)によって戻される光を含むものとして説明する。
図2(A)は、撮像装置2のカメラ(以下、単に撮像装置2とする)で撮像された車両前方の画像例2Fを示す。図2(B)は図2(A)の車両前方の画像に対応する車外の配置を示す平面図である。図2(B)に示すように、投光装置1は、スリット状の計測光PL1を車両前方の左右方向および上下方向に走査しながら照射する。説明の便宜上、以下では計測光PL1を車両前方の斜め下方に向けて左右方向に走査するものとする。この場合、車両MBの前方および左右前方の車両(例えば右前方の車両MB1)や通行人(不図示)等が被検物である。路面は多重反射光の判定に供するだけであり、被検物ではない。なお、水平方向のスリット光を垂直方向に走査して検出対象領域を撮像してもよい。
図2(B)では、計測光PL1は路面上の点P1に照射されている。なお、説明の便宜上、図2(A)の視野2F内にも計測光PL1が表示されているが、実際には、計測光PL1は撮像装置2では撮像されず、点Pからの反射光によって点Pの像が撮像装置2により撮像される。
図3は、投光装置1および撮像装置2を用いる距離計測原理の説明図であり、この図3において、投光装置1から点P1に照射される計測光PL1と車両の幅方向との角度を投光角度αとする。また、路面上の点P1からの反射光LB1が撮像装置2に入射する際の車両の前方方向、すなわち、撮像装置2内の対物レンズの光軸に対する角度を撮像角度(入射角度とも呼ぶ)γ、投光装置1と撮像装置2との車両の幅方向の既知の距離をeとすると、三角測量の原理によって撮像装置2から点P1までの距離d1は、次式で計算できる。
図4は、投光装置1および撮像装置2の構成を示す。投光装置1は、レーザ光よりなる計測光PLを出力するレーザ光源(ラインレーザ)7と、計測光PLを走査するミラー8と、レーザ光源7のレーザ駆動部6と、ミラー8のミラー駆動部5とを備えている。ミラー駆動部5およびレーザ駆動部6には、図5のコントロールユニットCUから投光信号T1が入力される。投光信号T1に応じてレーザ駆動部6によりレーザ光源7が点灯される。投光信号T1に応じてミラー駆動部5により不図示のモータを介してミラー8が揺動される。ミラー8は、計測光PLの投光角度αiが所定の最小値α1から最大値αI(Iは2以上の整数で、i=1〜I)まで一定の角速度で変化するように駆動される。
図4において、撮像装置2は、対物レンズ11と、CCDまたはCMOSなどの多数の画素を2次元的に配列した撮像素子12とを有し、投光装置1から照射光を照射しつつ車両前方を撮像する。撮像装置2はまた、撮像素子12から出力される撮像信号をA/D変換するA/D変換器13と、A/D変換された撮像信号を記憶する画像メモリ14を含んで構成される。
撮像素子12の多数の画素は二次元的に配列されているが、図4においては、水平方向に配列された一列のJ個(Jは2以上の整数)の画素PXj(j=1〜J)のみを示している。以下の説明では、主に、一列の画素PXjの撮像信号sj(t)を処理するものとして説明するが、他の列の画素の撮像信号も同様に処理される。
図4においては、計測光PLが投光角度αiで点Pに照射され、点Pからの反射光LBが、対物レンズ11の光軸AXに対して角度γjで、すなわち撮像角度γjでj番目の画素PXjに入射している。同様に、計測光PLが例えば投光角度αhで点PAに照射された場合、点PAからの反射光LBAは、撮像角度γkでk番目の画素PXkに受光される。このように、各画素PXj毎に、それぞれ画素に受光する反射光の撮像角度γjが予め分かっている。なお、撮像装置2から点Pまでの距離に依存して、反射光の像の撮像素子12上での大きさが異なるが、例えば最も光量が大きい画素(ここではPXj)を特定することで、点Pからの反射光LBが入射する撮像角度γjを正確に求めることができる。
したがって、任意の投光角度αiで投光したタイミングで撮像されて生成された1枚の画像を取り込み、各列ごとに最大輝度を示す画素を特定し、特定された画素に予め割り当てられた撮像角度γjを決定し、その撮像角度γjと投光角度αiとを式(1)に代入することにより、点Pまでの距離d1を算出することができる。
撮像素子12は、投光信号T1と同期して図5のコントロールユニットCUから出力されるカメラコントロール信号T2により撮像を開始する。計測光PLが任意の投光角度αiに走査されたタイミングで撮像素子12が車両前方の検出対象領域を1枚撮像するごとに、撮像素子12の各画素PXjから読み出された撮像信号sj(t)はA/D変換器13を介して画像メモリ14に記憶される。撮像素子12の他の列の各画素からの撮像信号についても同様に処理され、画像メモリ14には、複数の投光角度αiにそれぞれ対応する複数枚の画像データが記憶される。このように、車両前方の検出対象領域の全域を計測光PLが走査しつつ、所定タイミングで撮像装置2が車両前方を撮像すると、各タイミングで取得される複数枚の画像データは各投光角度に対応付けられて画像メモリ14に記憶される。
このように計測光PLは投光角度αが次第に変化するような所定のパターンで検出対象領域内を照射する。検出対象領域内の種々の被検物までの距離を計測するためには、通常は計測光PLを投光角度αiがα1からαまで変化するように1回走査を行えばよい。
−コントロールユニットCU−
図5は、投光装置1および撮像装置2の動作を制御し、撮像装置2の撮像信号を処理して車両前方の被検物体を検出して出力するコントロールユニットCUを示す。コントロールユニットCUは、RAM、ROM、CPU、および周辺回路などを備えた制御回路であり、コンピュータのソフトウェアによって後述する各種処理を実行する。ASICやFPGAなどのハードウエア構成の論理回路を組合せて実現することも可能である。
コントロールユニットCUは、装置全体の動作を統括的に制御する駆動制御部31と、距離算出部32と、多重反射判定部33と、反射対象距離演算部34と、距離情報合成部35とを備えている。
駆動制御部31は、投光信号T1を投光装置1に、カメラコントロール信号T2を撮像装置2にそれぞれ送出する。駆動制御部31から撮像装置2にカメラコントロール信号T2が送信されると、撮像装置2は車両前方の撮像を開始する。駆動制御部31から投光装置1に対して投光信号T1が送信されると、投光装置1から計測光PLが射出されるとともに、ミラー8が揺動して計測光PLが車両前方を走査する。この計測光PLの走査に同期して撮像装置2で撮像して生成された撮像信号s(t)、すなわち、任意の投光角度αiで計測光PLが投光されたときに撮像されて生成された画像1枚分の撮像信号は画像メモリ14にいったん格納され、その後、距離算出部32に供給され、距離算出部32の撮像信号メモリに記録される。
駆動制御部31は、距離算出部32に対して投光情報信号T3を供給する。投光情報信号T3は計測光PLの投光角度αiの情報を有する。投光情報信号T3が距離算出部32に入力されると、その投光角度αiで撮像して画像メモリ14に格納されている1枚分の画像を表す撮像信号(画素信号列)を撮像信号メモリに取り込む。そして、投光角度αiに対応する画像データについて、各列毎の撮像信号(撮像信号sj(t)を一例として説明する)のうち、最も信号レベルの高い画素PXjを特定することで、その投光角度αiにおける被検物からの反射光の撮像装置2に対する撮像角度γjを求めることができる。これらの角度αiおよびγjを式(1)の投光角度αおよび撮像角度γに代入することによって、その画素PXj(撮像角度γj)で撮像される被検物までの距離d1jを求めることができる。
他の列の画素の撮像信号も一列の画素PXjの撮像信号sj(t)と同様に処理されるので、1枚の画像内に所定輝度以上の高い輝度を持つ複数の画素領域が抽出され、それぞれの距離が算出される。
ここで、図4の投光装置1から照射された計測光PLのほぼ全部が、例えば被検物上の第1点で鏡面反射した後、その鏡面反射した計測光のほぼ全部が同一または別の被検物上の第2点で散乱されて撮像装置2に入射する状況について説明する。すなわち、投光装置1からの計測光PLが複数の反射点を経て撮像装置2に撮像(受光)される状況である。計測光PLが投光装置1を出てから撮像装置2に入射するまでに1回以上、鏡面反射した反射のことを多重反射と呼び、複数の反射点を経て撮像装置2に撮像される反射光を多重反射光と呼ぶものとする。
上述した第1点で鏡面反射した多重反射光が存在すると、その第1点と撮像装置2の対物レンズの中心とを結ぶ軸上の画素、すなわち、本来であれば第1点からの反射光を受光する画素には、反射光がほとんど入射しない。したがって、第1点の本来の距離情報が式(1)から得られない。
距離算出部32では、任意の投光角度αiで投光された計測光により撮像した1枚の画像ごとに特定された各画素PXj(撮像角度γj)を用いて、式(1)を用いて被検物までの距離diをそれぞれ算出する。距離算出部32は、投光角度αiと、その投光角度αiに対応する1枚の画像から特定された画素PXj(撮像角度γj)と、対応して算出された距離diとを対応付けて、図6に示すようなテーブルを作成して記憶する。
図5のコントロールユニットCUの多重反射判定部33は、距離算出部32から供給される図6の距離情報テーブルのデータに基づいて、多重反射の有無を判定する。図6のテーブルの例では、投光角度α3とα15に対応して同一の画素PX6が記憶されているから、多重反射(1つ以上の鏡面反射)が発生していると判定する。反射対象距離演算部34は、多重反射判定部33の多重反射の有無の判定結果に基づいて、多重反射光の少なくとも一つの反射点までの距離を算出する。多重反射判定部33は、多重反射が無い画素PXj(撮像角度γj)については、その距離dの情報をそのまま距離情報合成部35に供給する。距離情報合成部35は、距離算出部32で得られる距離情報と反射対象距離演算部34で得られる距離情報とを合成する。
以下、多重反射光に対する距離検出原理、ならびにその際の多重反射判定部33、反射対象距離演算部34、および距離情報合成部35の動作につき詳細に説明する。多重反射光、その中でも特に1回目にほぼ鏡面反射した後に、2回目に散乱反射して撮像装置2に入射する多重反射光(2回反射光)を検出する際には、図7(B)および図7(D)に示す鏡面反射光の反射率(鏡面反射率RM)と散乱(拡散)による反射光の反射率(散乱反射率RS)との相違を利用する。
すなわち、図7(A)に示す入射角θiと反射角θrとが等しい鏡面反射光については、その反射率である鏡面反射率RMは、図7(B)に示すように、入射角θiが大きくなるほど高くなる。一方、図7(C)に示す入射角θiに対してほぼ全方向θsに反射する散乱(拡散)による反射光については、その反射率である散乱反射率RSは、図7(D)に示すように、入射角θiが小さいほど高くなる。なお、路面のような粗面では、散乱反射率は入射角θiによらずに全角度でほぼ一定とみなすことができる。
そして、左右のレーンを走行する車両の後部バンパーまたは対向車のフロントバンパーのような鏡面に近い反射部材は、車両MBからの計測光の入射角θiが図7(B)の所定範囲(鏡面反射率が小さい範囲)δθ内に入りやすくなる。従って、鏡面反射光が減少するため、その反射部材からの散乱反射光を十分に大きい光量で検出することができ、図5の距離算出部32において正確に距離を算出可能である。
一方、図8(A)の画像2Fに示すように、隣のレーンを走行中の車両MB1が本実施形態の車両MBに平行になっているような状況について説明する。この状況下では、車両MBから照射される計測光PL2は、車両MB1の鏡面に近い側面の反射点P3に図7(D)の所定範囲(散乱反射率が大きい範囲)δθ外の入射角で入射するため、その反射点P3からの散乱反射光は弱くなり殆どが鏡面反射する。このように鏡面反射した計測光PL3は、路面上の点P2で散乱反射して多重反射光として撮像装置2に入射するため、その点P2の像が撮像装置2で撮像されてしまう。なお、図8(A)の計測光PL2,PL3自体は撮像装置2には撮像されない。
図8(B)は図8(A)の車両前方の画像に対応する車外の配置を示す平面図である。図8(B)に示すように、投光装置1から照射された計測光PL2は、車両MB1の側面の反射点P3(第1の反射点または撮像装置2により近い反射点)で鏡面反射した後に、路面上の点P2(第2の反射点)で散乱反射して、多重反射光(ここでは2回反射光)LB2として撮像装置2に入射している。
この多重反射が生じているときの車両MB1の側面の反射点P3までの距離算出方法について図9(A)、(B)を参照して説明する。この場合、図4の投光装置1からの計測光PLは反時計周りに走査されるものとする。
図9(A)に示すように、計測光PL2の投光角度がα15となったときに、反射点P3および点P2において多重反射が生じ、点P2からの多重反射光LB2が撮像角度γ(これに対応する画素を画素PX6とする)で撮像装置2に入射するものとする。この場合、図6の距離情報テーブルでは、投光角度α15に対する最大画素値の画素は画素PX6(撮像角度γ)として記録される。また、撮像角度γおよび投光角度α15を用いて図5の距離算出部32によって式(1)から計算される距離をd2とすると、距離d2は次の(2)式で示されるようになり、図6の距離情報テーブルにおいて、投光角度α15に対する距離d2として記憶される。
距離d2は、図9(A)の反射点P3よりも手前の計測光PL2と多重反射光LB2とが交差する仮想的な点P4までの撮像装置2からの距離となる。
次に、計測光PL2をさらに反時計周りに走査すると、図9(B)に示すように、計測光PL1の投光角度がα3(>α15)となって、計測光PL1が同じ点P2(図9(A)の場合と自車両との相対位置が同じ点)に直接照射された時点でも、点P2からの散乱による反射光LB1が撮像角度γで撮像装置2に入射する。この場合、図6の距離情報テーブルでは、投光角度α3に対する最大画素値の画素は画素PX6(撮像角度γ)として記録される。また、撮像角度γおよび投光角度α3を用いて図5の距離算出部32によって式(1)から計算される距離をd1とすると、距離d1も図6の距離情報テーブルの距離diとして記録される。距離d1(>d2)は、図9(B)の計測光PL1と反射光PL3とが交差する点P2までの撮像装置2からの距離となる。
多重反射判定部33では、図6の示す距離情報テーブルの情報に基づいて、同じ画素PX6(撮像角度γ6)において対応する投光角度がα3とα15、または距離がd1とd2のように、投光角度データあるいは距離データが2つ以上ある場合に、当該画素に入射する反射光のいずれかに多重反射、すなわち1つ以上の鏡面反射が生じているものと判定する。さらに、多重反射判定部33では、距離算出部32で求められた距離d1,d2のうち、相対的に短い距離d2(小さい投光角度α15のときのデータ)が多重反射によって誤って計算された距離であると判定する。これは、検出される多重反射光が、例えば1回目に鏡面反射によって遠方に反射され、2回目の散乱反射によって撮像装置2に受光されることを意味している。
そして、多重反射判定部33は、多重反射が発生したときの投光角度α3,α15、撮像角度γ、および距離d1,d2の情報を反射対象距離演算部34へ送る。多重反射と判定されていない画素(撮像角度)の距離diの情報はそのまま距離情報合成部35に送られる。反射対象距離演算部34は、多重反射判定部33から送られてきた情報から、図9(B)の多重反射の1回目の反射点(より近い反射点)P3までの撮像装置2からの距離d4を次のように算出する。
本実施形態では、反射点P3のある面(車両MB1の側面)は、車両MBと平行であると仮定する。このとき、図9(B)の遠方の点P2までの計算済みの距離d1と、多重反射が生じていると判定された投光装置1からの計測光の2つの投光角度α3およびα15(α3)とを用いて、距離d4を次式(3)から求められる。なお、式(3)の算出に際して、計測光PLが反射点P3で鏡面反射(正反射)していることを利用している。
・・・(3)
この距離d4は、図6の距離情報テーブルにおいて、投光角度α15および距離d2に対応させて、反射対象距離drとして記憶される。多重反射を行う反射点P3までの距離d4が記憶された投光角度α15に関する距離情報は、図5の反射対象距離演算部34から距離情報合成部35に供給される。
距離情報合成部35においては、多重反射判定部33から送られてきた反射点までの距離情報diと、反射対象距離演算部34から送られてきた距離情報drを合成して、検出対象領域における被検物に関する距離情報を生成する。すなわち、多重反射光を発生しない被検物までの第1距離diと、多重反射光を発生した被検物までの第2距離drの情報を得ることができる。
なお、以上の説明では、右側のレーンを走行中の車両MB1の側面の反射点P3に投光装置1から投光角度α15で計測光を投射した場合について説明した。図10に示すように、車両MBの左側のレーンを走行中の車両MB2の側面の反射点P3Lに投光装置1からの投光角度αLの計測光PL2Lが照射された場合についても同様であり、以下、簡単に説明する。
図10において、反射点P3Lで鏡面反射された計測光PL3Lが路面上の点P2に達し、点P2で散乱された多重反射光LB2Lが撮像装置2に撮像角度γで入射する場合がある。その点P2は、投光装置1から投光角度α(<αL)で照射される計測光PL1が照射された場合にも、その反射光LB1が撮像装置2に同じ撮像角度γで入射する点である。
しかも、この場合には、投光角度αを用いる距離d1は図9(A)の例と同様に計算できるが、反射点P3Lに向かう計測光PL2Lと多重反射光LB2Lとは交差していない。従って、投光角度αLに関して式(1)を用いて距離d1を計算すると負の有り得ない値となる。そこで、図5の距離算出部32は距離が計算できないもの判定する。したがって、図6の距離情報テーブルにおいて、投光角度αに対する距離データとしてd1を記録するが、投光角度αLに関する距離データ記録欄には距離計算ができないことを示すエラー情報を記録する。
その後、その距離情報テーブルの内容に基づいて、多重反射判定部33では、投光角度αLで投光したときの最大輝度を示す画素(撮像角度)に関して多重反射が発生していると判定する。そして、反射対象距離演算部34では、式(3)のtanα3およびtanα15としてそれぞれ|tanαL|およびtanαを代入することで、図9の多重反射のより近い反射点P3Lまでの距離(図9(B)のd4に対応する距離)を算出できる。
次に、この第1の実施形態において検出対象領域内の被検物までの距離情報を求めるための動作の一例について図11のフローチャートを参照しつつ簡単に説明する。この動作は図5のコントロールユニットCU内の駆動制御部31によって制御される。
図11のステップS1において、図5の駆動制御部31から投光信号T1およびカメラコントロール信号T2が投光装置1および撮像装置2に入力され、図4の投光装置1による計測光PLの走査(投光)と撮像装置2による反射光LBの撮像とが同期して開始される。これによって、各投光角度αiごとに最大画素値を示す画素PXjを算出する。そして、ステップS3において、距離算出部32は、投光角度αiと、最大画素値を示す画素に対応付けられた撮像角度γjとを用いて式(1)により距離diを算出する。これらの情報は図6の距離情報テーブルとして記憶される。
ステップS5において、多重反射判定部33では、図6の距離情報テーブルを参照して多重反射の有無を判定する。この実施の形態では、
(a)異なる投光角度αiに対応する最大画素値を示す画素の中に同一の画素が存在するか、または
(b)同一の画素に対して異なる距離が算出されているか否か
により、多重反射の有無を判定する。多重反射がないとき、すなわち、多重反射光により最大画素値を示す画素がないときは、その距離情報テーブルの距離di(第1距離)のデータのみが距離情報合成部35に送られる。ステップS5において、多重反射があるときとき、すなわち、多重反射光により最大画素値を示す画素があるときは、その画素の情報のうち撮像角度γが反射対象距離演算部34に供給され、それ以外の画素の情報は距離情報合成部35に供給される。
そして、ステップS7において、反射対象距離演算部34では、多重反射光により最大画素値を示す画素について、式(3)を用いて1回目の反射のあった地点(真の反射点)までの距離dr(第2距離)を算出して距離情報合成部35に供給する。次のステップS9において、距離情報合成部35では、算出された多重反射地点の距離情報(第1距離)および多重反射のない距離情報(第2距離)を合成し、検出対象領域の距離情報を求める。
本実施形態の距離計測装置および車両によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態の距離計測装置によれば、多重反射判定部33によって反射光が鏡面反射光であると判定された場合、反射対象距離演算部34によって、計測光PLの投光角度の情報と、反射光を受光する画素PXjの情報とに基づいて、投光装置1から射出された計測光の第1回目の真の反射点までの距離情報を算出することができる。従って、従来計測できなかった鏡面反射率が大きくなる位置関係にあるような被検物までの距離の算出も可能となるため、検出対象領域内で正確な距離情報が得られる範囲が広がる。
(2)異なる投光角度で取得した複数枚の画像について、同一の画素が選択されて2つの距離が算出されている場合、多重反射光によって生成された画像信号を含んでいると判定するようにした。したがって、従来技術の距離計測装置のように、照射光に予め空間コードを割り当てた照射光を使用する必要がない。
(3)距離計測装置として不可欠の距離演算部の演算結果に基づいて、同一の画素に対して少なくとも二つの距離が算出されているか、一方の距離演算に対してエラー情報が記録されているかに基づいて多重反射の有無を判定するようにしたので、多重反射の有無を判定する特別のアルゴリムが不要となる。
(4)本実施形態の距離計測装置は、距離算出部32で求められる多重反射のない反射光の反射点までの距離情報(第1距離)と、反射対象距離演算部34で得られる多重反射光の最も近い反射点までの距離情報(第2距離)とを合成する距離情報合成部35をさらに備えている。従って、検出対象領域の全域に存在する複数の被検物までの距離を正確に計測できる。
(5)被検物が路面を走行中の車両であり、その多重反射光は、車両に続いて路面で反射された光である場合には、側方レーンを走行中の車両の側面からの多重反射光を確実に検出することが可能となり、多重反射光の反射点(車両)までの距離計測を幅広い環境下で行うことができる。
(6)上記の実施形態の車両MBによれば、上記の実施形態の距離計測装置を備え、その投光装置1が車両MBの前方を検出対象領域として計測光PLを照射し、撮像装置2が車両MBの前方からの反射光を受光可能に搭載されているため、多重反射光の影響を除いて、車両MBの前方の被検物までの距離を正確に計測できる。
[第2の実施形態]
図12〜図15を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。上記の第1の実施形態では、多重反射を生じる反射面(車両MB1の側面)が自車両MBと平行である例を示した(図8(B))。第2の実施形態では、多重反射を生じる反射面(車両MB1の側面)が自車両MBと平行でない場合でも、多重反射光の反射点までの距離を正確に計測できるようにしたものである。以下、図12〜図15において、図5、図7(B)、図8(B)、および図10に対応する部分には同一符号を付して、多重反射が生じる面が自車両MBと平行ではない場合について説明する。
図12は、本実施形態の距離計測装置のコントロールユニットCUAを示す。コントロールユニットCUAは、図5のコントロールユニットCUに対して多反射面推定部36が付加された点が異なっている。以下、反射面推定部36の動作およびこれに関連する反射対象距離演算部34の動作を主に説明する。なお、距離算出部32は図6に示すような距離情報テーブルを第1の実施形態と同様にして作成する。
図13は、本実施形態の距離計測装置が搭載された車両MBの右前方を別の車両MB1が、車両MBと非平行状態で走行している一例を示す平面図である。図13に示すように、投光装置1から車両MB1の側面の反射点P6に投光角度βで照射された計測光PL2は、反射点P6で鏡面反射して路面上の点P5に入射して散乱されて、多重反射光LBAとして撮像装置2に入射している。このとき、反射点P6の反射面は自車両MBと平行ではない。
第1の実施形態と同様に、多重反射光LB2の光路に沿って点P5および仮想的な点P7までの2つの距離が算出されるため、図12の多重反射判定部33は、図13の場合にも多重反射があると判定する。
図14は図13の状態を簡略化して示す図である。図14において、投光角度αとβの二つの投光角度で照射されて計測光で撮像した二枚の画像において、点P5で反射する反射光はともに撮像装置2の同一の画素に入射する。すなわち、投光角度α1〜αjまでの1スキャンにおいて撮像された複数枚の画像において、最大画素値を示す画素として同一の画素が特定される。図14では、この画素に入射する反射光の撮像角度をγで表している。この場合、第1の実施の形態で説明したように、2枚の画像において同一の撮像角度γで反射光を受光する同一の画素について、点P5(投光角度α)までの距離d1と、仮想的な点P(投光角度β)までの距離d2が算出されている。したがって、図12の多重反射判定部33は多重反射が発生していることを判定する。多重反射判定部33は、多重反射の発生の有無と、距離d1およびd2のうち大きい方の距離d1と、投光角度α,βを反射面推定部36および反射対象距離演算部34へ送る。
ここで、図13に示す状況下で多重反射が起きている場合を一例として反射面推定部36について説明する。図13に示すように、車両MB1の側面には計測光PL2が入射している。計測光PL2の入射角は大きいため、反射点P6では鏡面反射成分が強い。しかし、車両MB1の後部バンパーBB1においては投光装置1からの計測光の入射角は小さい。そのため、後部バンパーBB1においては散乱反射成分が大きく、計測光の反射光を直接検出することが可能となり、上述した式(1)を用いた三角測量により後部バンパーBB1までの距離を算出することができる。
そこで、反射面推定部36では、図6の距離情報テーブルを参照して、図13の状況下において多重反射の発生が判定された投光角度βに近い領域において、後部バンパーらしき反射物体を特定する。すなわち、高輝度が水平方向に延在する矩形上に分布する領域を後部バンパーBB1として特定する。その後、例えばその反射部材の両端付近の像を撮像した撮像装置2の画素に関する情報から、その両端付近での投光装置1からの計測光PLB1,PLB2の投光角度αB1,αB2、ならびに距離dB1およびdB2を特定する。そして、距離dB1とdB2の差と、距離dB1とdB2が算出された反射物体両端の間隔とに基づいて、反射面推定部36は、反射部材の傾斜角φを求めることができる。
なお、投光角度αB1〜αB2の間の距離情報も用いて、その反射部材(後部バンパーBB1)の傾斜角φの平均値を求めてもよい。さらに、車両MB1の多重反射が生じている反射点P6の面は後部バンパーBB1に直交しているものと仮定すると、反射点P6の面の傾斜角もφと推定される。この傾斜角φの情報は図12の反射対象距離演算部34に供給される。
反射対象距離演算部34は、図14において、路面上の点P5までの計算済みの距離d1、点P5の撮像角度γ、および間隔eとから、投光装置1と点P5との車両の幅方向の間隔hを計算した後、これを用いて傾斜している反射点P6までの距離d5を計算する。撮像角度γ、反射点P6の面の傾斜角φ、点P5およびP7までの計算済みの距離d1,d2、点P5およびP7に対する投光装置1からの計測光の投光角度α,β、および間隔eを用いて、距離d5は次式から計算できる。

算出された反射点P6までの距離d5の情報は図12の距離情報合成部35に送られ、これによって検出対象領域の距離情報、すなわち、多重反射光を発生しない被検物までの第1距離と、多重反射光を発生した被検物までの第2距離の情報を得ることができる。
この第2の実施形態において検出対象領域の距離情報を求めるための動作の一例について、図15のフローチャートを参照しつつ説明する。この動作は図12のコントロールユニットCUA内の駆動制御部31によって制御される。
図15のステップS1,S3は図11のステップS1、S3と同様であり、ステップS3において、距離算出部32は、投光角度αiと、最大画素値を示す画素に対応付けられた撮像角度γjとを用いて式(1)により距離diを算出する。これらの情報は図6の距離情報テーブルとして記憶される。ステップS51において、多重反射がないと判定されているときには、その距離情報テーブルの内容がそのまま距離情報合成部35に送られる。ステップS51において、多重反射があると判定されているときには、ステップS53に移行する。
ステップS53において、反射面推定部36は、多重反射した投光角度の近くに所定の後部バンパー状の反射部材があるかどうかを評価する。反射部材がないときには、多重反射した点の傾斜角を0であるとしてステップS57に移行する。一方、ステップS53において、反射部材がある場合には、ステップS55に移行して、反射面推定部36は上述のようにその反射部材の傾斜角φを求め、この傾斜角φを反射対象距離演算部34に送る。ステップS57において、反射対象距離演算部34は式(4)から多重反射した点までの距離を算出して距離情報合成部35に送る。そして、ステップS9において、距離情報合成部35では、算出された多重反射地点の距離情報および多重反射のない反射地点の距離情報を合成して、検出対象領域に存在する全ての被検物の距離情報を求める。
第2の実施形態の距離計測装置によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)多重反射判定部33において多重反射光が存在すると判定されたときに、多重反射光の反射点の近くに後部バンパーらしき矩形形状の反射部材を抽出し、その反射物体の平面視における傾斜角φを算出する。そして、多重反射した反射面の角度を傾斜角φとして、前方右レーンを走行する車両MB1の側面(傾斜面)上の反射点P6までの距離d5を算出する。従って、多重反射光を生成する計測光が入射する反射面の傾斜角をも考慮して、多重反射を起こす計測光の反射点P6までの距離d5をより高精度に計算できる。
車両の後部バンパーは、その形状が概ね矩形形状を呈しており、また、反射率が高いため、容易に検出が可能である。
以上説明した第2の実施形態は次のように変形して実施することができる。
(1)上記の第2の実施形態では被検物の反射面の傾斜角を推定し、反射点までの距離の算出を行ったが、撮像装置2による撮像情報から、以下のようにして、被検物の反射面の傾斜角の変化を検知することも可能である。
被検物の反射面の傾斜角が変化した場合、例えば図5の撮像装置2によって得られる像の中で、その反射面中の反射点(多重反射点)の像の輝度変化が生じる。これは反射面に対する計測光の入射角が変化して、鏡面反射成分が増減するためである。従って、撮像装置2の撮像情報から得られる反射光の輝度が減少している場合、反射面の傾斜角φは大きくなっていると推定できる。そのため、自車両MBの走行方向に所定の傾斜角で交差する面を持った被検物として検出可能となる。
一方、反射光の輝度が増加している場合、反射面の傾斜角φは小さくなる。これにより、反射面の傾斜角の変化を推定することが可能となり、反射面の角度変化の情報を得ることが可能となる。
(2)上記の第1および第2の実施形態では、本発明を車両に搭載した距離計測装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、例えば鉄道や船舶などの他の乗り物や、産業ロボット・警備ロボット・介護ロボットなどのロボット、あるいは産業機器などの移動する装置に搭載される計測装置に適用できる他、固定して使用される測定機器等(形状測定装置等を含む)にも適用することができる。
(3)投光装置から照射される光は、上記の実施形態で示した計測光PL(照射光)に限定されるものではなく、適用された機器、検出対象領域、および被検物に応じて最適の形態の光を照射すればよい。例えば、照射光を単に検出対象領域全体に照射するようにしてもよい。このようにすることで、多重反射光の反射点までの距離を算出することが可能となる。
さらに、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されない。また、上述した実施形態および変形例は組み合わせてもよい。
たとえば、本発明による距離計測装置は、複数の投光角度で計測光を検出領域に照射する照射装置と、検出領域からの反射光を撮像して撮像信号を出力する撮影装置と、撮像信号に基づいて鏡面反射が発生しているか否かを判定する判定部と、鏡面反射が発生していると判定されたときは第1の距離演算式(上記(式3))を使用して鏡面反射する被検物までの距離を演算、鏡面反射が発生していないと判定されたときは第2の距離演算式(上記(式2))を使用して散乱反射する被検物までの距離を演算する演算部とを備えるように構成することもできる。
なお、特許請求の範囲の構成要素と上述の実施形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、投光手段は投光装置1に、撮像手段は撮像装置2に、判定手段は多重反射判定部33に、演算手段は反射対象距離演算部34や距離算出部32に、傾斜角算出手段は反射面推定部36にそれぞれ対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項との対応関係になんら限定も拘束もされない。
本発明の第1の実施形態の距離計測装置が搭載された車両を示す斜視図である。 図2(A)は、第1の実施形態において、距離計測中のカメラの視野内の像の一例を示す図、図2(B)は、図2(A)の状態における車外の配置を示す平面図である。 三角測量による距離計測の原理を説明するための図である。 距離計測装置の光学系等の構成を示す図 その距離計測装置のコントロールユニットCUの構成を示すブロック図である。 距離情報テーブルを示す図である。 図7(A)は鏡面反射時の入射角と反射角との関係を示す図、図7(B)は鏡面反射率の一例を示す図、図7(C)は散乱(拡散)反射時の入射角と散乱角との関係を示す図、図7(D)は散乱反射率の一例を示す図である。 図8(A)は第1の実施形態において、多重反射光を検出中のカメラの視野内の像の一例を示す図、図8(B)は図8(A)の状態における車外の配置を示す平面図である。 図9(A)は多重反射光の光路の一例を示す図、図9(B)は多重反射光の2つの反射点、投光装置1からの計測光の投光角度、および撮像装置2による撮像角度の関係を示す図である。 多重反射光の別の例を示す平面図である。 第1の実施形態における距離計測動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の距離計測装置のコントロールユニットCUAの構成を示すブロック図である。 第2の実施形態において、多重反射光を検出中の車両の配置を示す平面図である。 第2の実施形態において、多重反射光の2つの反射点、投光装置1からの計測光の投光角度、撮像装置2による撮像角度、および反射点の傾斜角等の関係を示す図である。 第2の実施形態における距離計測動作の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 投光装置 2 撮像装置
12 撮像素子 31 駆動制御部
32 距離算出部 33 多重反射判定部
34 反射対象距離演算部 35 距離情報合成部
36 反射面推定部 CU,CUA コントロールユニット
PXj 画素

Claims (9)

  1. 検出領域に向けて複数の投光角度で計測光を照射する照射手段と、
    前記複数の投光角度にそれぞれ対応した反射光を撮像して複数の撮像信号を出力する撮像手段と、
    前記撮像手段から出力される前記複数の撮像信号に基づいて、特定の計測地点からの反射光を検出し、検出された前記反射光の前記撮像手段への入射角度と前記複数の投光角度とに基づいて、前記特定の計測地点までの複数の距離を検出する距離検出手段と、
    前記複数の投光角度の計測光に応じてそれぞれ検出された反射光の各入射角度が同一であるにもかかわらず、前記距離検出手段により異なった距離が検出された場合には、鏡面反射が発生していると判定する判定手段と、
    前記判定手段で前記鏡面反射が発生していると判定されたときに、前記距離検出手段で検出された距離と、前記同一の入射角度が得られたときの第1および第2の投光角度とに基づいて、前記鏡面反射した被検物までの距離を算出する演算手段とを備えることを特徴とする距離計測装置。
  2. 請求項1に記載の距離計測装置において、
    前記判定手段によって鏡面反射が発生していると判定した場合に、前記鏡面反射が発生している反射地点近傍の所定形状の反射部材を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記反射部材の傾斜角を算出する傾斜角算出手段とをさらに備え、
    第1および第2の投光角度で計測光を照射したときに前記距離検出手段で第1および第2の距離を検出したとき、
    前記演算手段は、前記第1および第2の投光角度と、前記距離検出手段により検出した前記第1および第2の距離と、前記傾斜角とに基づいて、鏡面反射光が発生した地点までの距離を算出することを特徴とする距離計測装置。
  3. 請求項1または2に記載の距離計測装置において、
    前記撮像手段は、2次元に配設された複数の画素を有する光電変換素子を有し、前記計測光の照射に同期して前記複数の画素から画素信号列を出力し、
    前記演算手段は、前記第1および第2の投光角度で前記計測光を投光して撮像されて取得した画像ごとに、前記画素信号列の中で輝度の高い画素値を出力する画素を特定する特定手段と、
    前記特定手段で特定された画素に入射する反射光の入射角度を決定する決定手段とをさらに備えることを特徴とする距離計測装置。
  4. 請求項3に記載の距離計測装置において、
    前記判定手段は、前記第1および第2の投光角度で前記計測光を投光したときに撮像して取得した複数の画像において、前記特定手段により同一の画素が複数回決定されている場合、前記鏡面反射が発生していると判定することを特徴とする距離計測装置。
  5. 請求項3に記載の距離計測装置において、
    前記判定手段は、前記第1および第2の投光角度で前記計測光を投光したときに撮像して取得した複数の画像において、前記特定手段により特定された同一の画素に対して異なる距離が算出されている場合に、前記鏡面反射が発生していると判定することを特徴とする距離計測装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の距離計測装置において、
    前記演算手段は、前記第1および第2の投光角度と、前記距離検出手段により検出した複数の距離のうちの、前記鏡面反射の発生が判定されていないときに検出された距離とに基づいて、三角測量の原理で前記鏡面反射光が発生した地点までの距離を演算することを特徴とする距離計測装置。
  7. 請求項2に記載の距離計測装置において、
    前記被検物は車両であり、前記反射部材は車両のバンパーであることを特徴とする距離計測装置。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の距離計測装置を備えた車両であって、
    前記投光手段が前記車両の前方を前記検出対象領域として光を照射し、
    前記撮像手段が前記車両の前方からの反射光を受光可能に搭載されていることを特徴とする車両。
  9. 検出領域に向けて複数の投光角度で計測光を照射する照射工程と、
    前記複数の投光角度にそれぞれ対応した反射光を撮像して複数の撮像信号を出力する撮像工程と、
    前記撮像工程において出力され前記複数の撮像信号に基づいて、特定の計測地点からの反射光を検出し、検出された前記反射光の前記撮像工程への入射角度と前記複数の投光角度とに基づいて、前記特定の計測地点までの複数の距離を検出する距離検出工程と、
    前記複数の投光角度の計測光に応じてそれぞれ検出された反射光の各入射角度が同一であるにもかかわらず、前記距離検出工程により異なった距離が検出された場合には、鏡面反射が発生していると判定する判定工程と、
    前記判定工程で前記鏡面反射が発生していると判定されたときに、前記距離検出工程で検出された距離と、前記同一の入射角度が得られたときの第1および第2の投光角度とに基づいて、前記鏡面反射した被検物までの距離を算出する演算工程とを備えることを特徴とする距離計測方法
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