JP5320164B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
そこで本発明者は、特定の光熱硬化性樹脂と光重合開始剤と熱硬化剤とを含有する樹脂組成物に、平均粒子径が0.5〜2.0μmの無機充填剤粒子として吸油量の小さい含水珪酸マグネシウム粒子を特定量以上配合することにより、無機充填剤粒子の液晶への溶出を抑制することができる液晶表示素子用シール剤が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書において上記吸油量とは、JIS K 5110に準拠して測定されるアマニ油の吸油量を意味する。
上記含水珪酸マグネシウムとは、化学式[Mg3Si4O10(OH)2]で表され、SiO2約60%、MgO約30%と結晶水4.8%を主成分とする物質である。
上記含水珪酸マグネシウム粒子のうち、市販されているものとしては、SG−2000(日本タルク社製)等が挙げられる。
また、上記平均粒子径が0.5〜2.0μmである無機充填剤粒子は、吸油量が70mL/100g以下であれば、例えば、表面処理が施されたシリカ等からなる粒子を上記含水珪酸マグネシウム粒子とともに用いることもできる。
なお、本明細書においてガラス転移温度とは、特に限定しない限りは通常のDSC法により昇温速度10℃/分の条件で測定したものを意味する。
上記有機微粒子の粒子径は使用される目的により適宜選択されるが、液晶表示素子用シール剤に用いられる場合、好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は5μmである。
上記光熱硬化性樹脂は、全てのエポキシ基が(メタ)アクリル化されているフル(メタ)アクリル化エポキシ樹脂と、エポキシ基が残存している部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂とからなる。上記光熱硬化性樹脂は極性が高いため、上記無機充填剤粒子との相互作用が強く、上記無機充填剤粒子の液晶への溶出を抑制することができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
また、上記フル(メタ)アクリル化エポキシ樹脂はUVによる反応性を確実にするため、フルメタクリル化エポキシ樹脂であることが好ましい。更に、上記部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂は接着力の発現とUVによる反応性を両立することによる汚染低減に必要であることから、部分メタクリル化エポキシ樹脂であることが好ましい。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、YSLV−50TE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記エーテル型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、YSLV−80DE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、ESN−165S(東都化成社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611、(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されている化合物としては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されている樹脂としては、例えば、エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されている樹脂としては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記光重合開始剤は光を照射することによって活性ラジカルを発生するものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン等が挙げられる。これらの光反応開始剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
ただし、上記光重合開始剤は、選択した光熱硬化性樹脂の種類に合わせて、本発明の液晶表示素子用シール剤が該光熱硬化性樹脂の硬化凝集物を含有せず、かつ、波長365nmの光を1000mJ/cm2照射したときの上記光熱硬化性樹脂中のアクリル基の反応率が70%以上となるように、適宜最適な光重合開始剤を選択し、その添加量を決定することが好ましい。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。
上記芳香族アミンは特に限定されず、例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物は特に限定されず、例えば、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
上記イミダゾリン化合物は特に限定されず、例えば、2−メチルイミダゾリン等が挙げられる。
上記ジヒドラジド化合物は特に限定されず、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。
上記アミンアダクト類のうち、市販されているものとしては、例えば、アミキュアPN−23、アミキュアMY−24、アミキュアVDH(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記ポリフェノール化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、エピキュア170、エピキュアYL6065(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記ノボラック型フェノール樹脂のうち、市販されているものとしては、例えば、エピキュアMP402FPI(ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記E型粘度計は特に限定されず、例えば、ブルックフィールド社製「DV−III」等が挙げられる。
なお、本明細書において上記チクソトロピックスインデックスとは、25℃でE型粘度計を用いて測定した、[0.5rpmでの測定粘度/5.0rpmでの測定粘度]で表される値のことである。
本発明の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、「EXA−830CRP」)1000重量部、アクリル酸212重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール1.5重量部、反応触媒としてトリエチルアミン1.5重量部を空気を送り込みながら110℃で還流攪拌して5時間反応させた。得られた樹脂100重量部を反応物中のイオン性不純物を吸着させるためにクオルツとカオリンとの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シチリンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、酸価が0.8mgKOH/gのアクリル酸変性ビスフェノールFエポキシ樹脂(50%部分アクリル化エポキシ樹脂)を得た。
得られた50%部分アクリル化エポキシ樹脂20重量部、フルアクリル化エポキシ樹脂として100%アクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダイセルサイテック社製、「EB3700」、酸価0.3mgKOH/g)40重量部、シランカップリング剤(信越化学社製、「KBM403」)1重量部、光重合開始剤として2,2−ジエトキシアセトフェノン1重量部を100℃で溶融混練した後室温まで冷却し、含水珪酸マグネシウム粒子(日本タルク社製、「SG−2000」、平均粒子径1.0μm、吸油量50mL/100g)10重量部、熱硬化剤としてアジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「ADH」)3重量部を加えてセラミックス3本ロールにて分散させて液晶表示素子用シール剤を得た。
得られた液晶表示素子用シール剤100重量部にスペーサ微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」、平均粒子径5μm)1重量部を分散させ遠心脱泡機(アワトロンAW−1)にて脱泡し、2枚のITO及び配向膜付き基板の一方にシール剤の線幅が1mmになるようにディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴を基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、すぐにもう一方のガラス基板を貼り合わせ、シール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射して仮硬化した。次いで120℃で30分間加熱して本硬化を行い、液晶表示パネルを作製した。
タルク粒子の配合量を表1に示した量に調整したこと以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子用シール剤及び液晶パネルを作製した。
なお、実施例3において用いたその他の無機充填剤はAEROSIL 200(日本アエロジル社製、平均粒子径12nm)であり、実施例4において用いたシリカ粒子はKEP−100(日本触媒社製、平均粒子径1.0μm、吸油量50mL/100g)である。
粒子の種類、配合量を表1に示した量に調整したこと以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子用シール剤及び液晶パネルを作製した。
なお、比較例1、2において用いたシリカ粒子はKEP−100(日本触媒社製、平均粒子径1.0μm、吸油量50mL/100g)である。
50%部分アクリル化エポキシ樹脂を用いず、フルアクリル化エポキシ樹脂の配合量を56重量部とし、単官能アクリル樹脂としてEC−A(共栄社化学社製)を4重量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子用シール剤及び液晶パネルを作製した。
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子用シール剤及び液晶パネルについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
PETフィルムにテープで縦横が50mm×100mm、厚み100μmになるように枠を作り、その中に得られた液晶滴下工法用シール剤を入れ、さらにPETフィルムを重ね、100mW/cm2の紫外線を30秒間裏表面照射した。次いで、120℃で1時間加熱し、50mm×100mm×(厚み)100μm程度の大きさのシートを作製した。得られたシートの重量を測定し、121℃2気圧飽和水蒸気下で2時間放置した後、ただちに表面の付着水を拭き取り再び重量を測定し、前後の重量変化から吸水率を算出し、以下の基準で評価した。
○:吸水率が5%未満
×:吸水率が5%以上
実施例及び比較例で得られた液晶表示パネルについて、上下から圧力をかけて振動を加え、偏光顕微鏡(キーエンス社製、「VHX(本体)、VH−Z100(レンズ)」)によって500倍の倍率で観察することにより、シール剤と液晶の接する箇所における充填剤粒子の溶出を確認し、以下の基準で評価した。
○:溶出がない
×:溶出がある
実施例及び比較例で得られた液晶表示パネルの液晶とシール剤とが接触している近傍に振動若しくは圧力を複数回加えた後、偏光板を通して光抜けの有無を顕微鏡で確認し、以下の基準で評価した。
○:光抜けが発生していなかった
△:一部に光抜けが発生した
×:表示素子の周辺に光抜けが発生した
Claims (5)
- 光熱硬化性樹脂、光重合開始剤、平均粒子径が0.5〜2.0μmである無機充填剤粒子、及び、熱硬化剤を含有する液晶表示素子用シール剤であって、
前記光熱硬化性樹脂は、全てのエポキシ基が(メタ)アクリル化されているフル(メタ)アクリル化エポキシ樹脂と、エポキシ基が残存している部分(メタ)アクリル化エポキシ樹脂とからなり、かつ、(メタ)アクリル基とエポキシ基の当量比が4:6〜9:1であるものであり、
前記平均粒子径が0.5〜2.0μmである無機充填剤粒子は、吸油量が70mL/100g以下のものであり、かつ、含水珪酸マグネシウム粒子を80重量%以上含有する
ことを特徴とする液晶表示素子用シール剤。 - 光熱硬化性樹脂がメタクリル構造を有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
- 有機微粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤、及び/又は、請求項4記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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