JP5319738B2 - ハンマー - Google Patents

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Description

本発明は電気式ハンマー、特に砕壊ハンマーに関する。
そのようなハンマーは通常ハウジングと、ハンマの前面端部においてハウジングの穴を貫通して伸長するスピンドル(spindle)とを含んでいる。ハンマーは通常モータを具備しているインパクト機構(impact mechanism)を備えていて、そのモーターはスピンドル内にて往復ピストンを駆動し、さらにスピンドル内のラム(ram)及び砕壊物を空気クッション機構により駆動する。そのような機構は公知であってこれ以上説明はしない。スピンドルは、例えばドリル・ビット(drill bit)又はチーゼル・ビット(chisel bit)のようなビット(bit)のシャンク(shank)を、スピンドルの前面に挿入することを可能にしていて、ビットは軸方向移動するスピンドルの前面端部に保持され、ハンマーの運転においては、砕壊物(beat piece)により繰り返し衝打される。
以下のことは可能であって、あるハンマーがインパクトモード(impact modoe)及びドリリングモード(drilling mode)の組合わせで使用されていて、スピンドル、従ってそのスピンドルに挿入されたビットは、ビットが砕壊物に衝打されると同時に回転されているが、ほとんどのハンマーは単にインパクトモード又はいわゆる“チッピング(chipping)”モードで使うことが出来て(ハンマーが他のモードで使うことが出来ても、出来なくても)、ビットはスピンドルの回転なしで砕壊物により衝打される。このモードにおいて、ハンマーには通常ほぼ円筒状のドリル・ビットよりは平らなチーゼル・ビットが使用されていて、ハンマーのチーゼル・ビットの方位を運転中の使用面の異なる位置及び/又は方位に調節することはハンマーの操作員によりしばしば所望されることである。それゆえ、使用中にハンマーに対してビットを回転可能な多くの装置が提案されてきた。以下のことはわかっていて、ビットの方位を変更する場合、スピンドル自身の方位は変更される必要がある。というのはビットは、通常スピンドルに一つ又は二つの方位だけに接続出来るようになっているからである。
ハンマーの多くの設計が提案されていて、その設計においてスピンドルのビット方位が変更されているかも知れない。しかしながら、そのような設計は一般に以下の欠点があって、ハンマーがスピンドルロック機構を含んでいて、そのスピンドルロック機構は、スピンドルが所望位置に回転される以前に、部品をスピンドルにそって軸方向に動かすことにより作動される。従って、ビット方位の変更操作はより扱いにくいものとなり、操作員が工具ホルダーをある方位に動かし、続いてビットを回転する間、工具ホルダーをその位置に保持する必要がある。さらに、スピンドルロック機構は通常軸方向への移動に対して比較的大きな付勢力を必要としている。というのはハンマーが通常運転中に受ける衝撃はスピンドルの軸方向であってその機構はそのような衝撃にもちこたえなければならないからである。それゆえ、回転だけにより作動出来るスピンドルロック機構を使用することは、ハンマーにとって所望されることである。
一つの形態において、本発明はハンマーを提供していて、そのハンマーが、
(i)穴を有するハウジングと;
(ii)該ハウジングに配置されていて、該穴を貫通して該ハウジングの外へ伸長していて、どのような複数の方位においても自身の軸の周囲で回転可能なスピンドルと;
(iii)該スピンドルの周囲に配置されていて、該ハウジングの該穴に係合し、かつ係合をはずれて、少なくとも限られた範囲で該スピンドルに沿って該軸方向に移動することは出来るけれど、該スピンドルの周囲を回転することは出来なくて、自身が該穴に係合している場合、該スピンドルが該ハウジングに対して回転することを防止するロッキング用リングと;
を具備していて、さらに、
該スピンドルの周囲に配置されていて、該ハンマーの操作員により、該スピンドルの軸の周囲を、該ハウジングにおける穴からの該ロック用リングの係合はずれを防止するところの通常運転位置から、該ロック用リングが該ハウジングの穴から係合をはずれるところの第二位置へ、回転することが出来、それにより該スピンドルが該ハウジングに対して異なる方位で回転することを可能にしているグリップリングを付加的に具備している。
従って、ビットの方位が特に簡単な方法で変更出来るハンマーを構成することは可能であって:操作員はグリップリング(grip ring)を、スピンドルロックが、又は少なくとも解放出来る位置に回転し、続いてグリップリングを、わずかに大きな回転抵抗があるかも知れないけれど、ビットが正しい方位になるまで必要に応じてさらに回転する。好ましくは、グリップリングが通常運転位置に付勢されていて、ロック用リングの穴からの係合はずれが防止されている。好適な実施の形態において、操作員がグリップリングを解放すると、グリップリングはその付勢力で通常運転位置へ移動し、ビットが一たん正しい方位になればさらなる操作は必要ない。好適な実施の形態においてグリップリングの第二位置への回転は、グリップリングの一部を回転方向においてロック用リングに係合させることになり、第二位置を越えてのグリップリングのさらなる回転は、ロック用リングを回転させ、それによりスピンドルを回転させることになる。
前述したように、ロック用リングはスピンドルの周囲を回転出来ない(したがって、スピンドルを穴においてその方位にロックする)。ロック用リングはスピンドルの軸の周囲を回転することは可能であって、工具ビットの方位を変更する場合このように回転するけれど、ロック用リングが、スピンドルの軸の周囲を回転する場合、スピンドル自身を回転させる。このことは多くの手段により達成されてもよくて、本来的にはスピンドル及びロック用リングの係合部分を円形断面にしないことにより達成されてもよい。例えば、スピンドルが平らな外縁を有していてもよくて、又は例えば六角形断面のような多角形の外縁を有していてもよくて、又は多数の軸方向に伸長するスプライン(spline)の外縁を有していてもよいけれど、スピンドルの形状がどのようなものであっても、ロック用リングのボアー(bore)は相補的形状を有している。ロック用リングと同様に、グリップリングもスピンドルの軸の周囲を回転してもよい。しかしながら、ハンマーのある形態においては、グリップリングがスピンドルの周囲を少なくとも限られた範囲で回転してもよくて、すなわちグリップリングは、スピンドルそれ自身の回転なしで、スピンドルの軸の周囲を少なくとも限られた範囲で回転してもよい。ハンマーの一つの形態において、グリップリングの第二位置への回転は、グリップリングの一部を回転方向においてロック用リングに係合させることになり、第二位置を越えてのグリップリングのさらなる回転は、ロック用リングを回転させ、それによりスピンドルを回転させることになる。というのはロック用リングはスピンドルの周囲を回転出来ないからである。もしロック用リング及びグリップリングの一方が少なくとも一つの突起を有していて、その突起が、ロック用リング及びグリップリングの他の一方における穴又は凹部へ軸方向に伸長していれば、このことは可能となる。この場合穴又は凹部は、円周方向において突起より大きい範囲に伸長していてもよくて、グリップリングがロック用リングの回転なしに第二位置へ回転することを可能にしているけれども、グリップリングはロック用リングの回転だけを伴なって第二位置を越えて回転することを可能にしている。
ロック用リング及びグリップリングは少なくともグリップリングが軸方向においてロック用リングと隣接していて、かつ通常運転位置においてロック用リングを穴との係合状態に保持するべく形成されていてもよいけれども、グリップリングがある範囲に回転すると、隣接部品はお互いに離なれて、ロック用リングに作用する付勢力なしか又はそれに抗してのロック用リングの軸方向移動を可能にする。このことは例えば、ロック用リング及びグリップリングの一方における一つまたはそれ以上の軸方向突起により達成されてもよくて、その突起は、ロック用リング及びグリップリングの他の一方に係合されているけれども、グリップが回転すると円周方向にはずれて移動する。このように、グリップリングはスピンドルの周囲を通常運転位置から第二位置(ここまではロック用リングのどのような回転もなしで)へ回転されてもよくて、通常運転位置においてグリップリングはロック用リングをハウジングの穴との係合状態に保持し、従ってスピンドルをハンマーに対してある位置にロックしており、第二位置においてロック用リングは穴と係合しているけれど、グリップリングにより穴との係合状態を保持されてはいない。スピンドル周囲におけるブリップのさらなる回転は、ロック用リング従ってスピンドルを回転させる。このことにより、ロック用リングは穴との係合をはずれて移動しなければならない。このことは、少なくともロック用リング及びハウジングの一方に少なくとも一つの面を備えることにより達成されてもよくて、その面が、はす歯切りされていて(スピンドルの軸に対して円周方向に)、ロック用リング及びハウジングの他の一方に係合されており、はす歯切りされた面が、グリップリングによりスピンドルの軸の周囲を回転すると、ロック用リングを穴との係合からはずす。好ましくは、ロック用リング及び穴各々が、はす歯切りされた面を有していて、かつお互いに係合しており、ロック用リングを穴との係合からはずす。そのようなはす歯切りされた面は、例えば歯に形成されてもよくて、その歯が、ロック用リングとハウジングの穴とに備えられていて、通常運転位置においてお互いに係合している。
ハンマーのもう一つの形態において、ロック用リングはグリップ以外の手段、例えばばね手段により穴と係合されていてもよくて、スクリュー機構が備えられていて、グリップリングの回転はロック用リングをスピンドルの軸に沿って軸方向に穴との係合をはずして移動する。ハンマーのこの形態において、グリップリング及びロック用リングが少なくとも一つの面を備えていてもよくて、その面は、グリップリング及びロック用リングの他の一方の対応する面に係合していて、スピンドルの軸に対して円周方向にはす歯切りされていて、すなわち螺旋状の伸長部分を有していて、グリップリングが第二位置へ回転すると、その面はロック用リングを穴との係合からはずす。
グリップリングは多数の手段のどれかにより通常運転位置に付勢されてもよい。例えば、グリップリング及びロック用リングの部分との間で円周方向に伸長する、一つ又はそれ以上のばねが備えられてもよい。代りに、付勢リングが備えられてもよくて、その付勢リングは、スピンドルの周囲に配置されていて、グリップリングに向かって軸方向に付勢されていて、少なくともグリップリング及び付勢リングの一方が、少なくとも一つの面を有していて、その面は、グリップリング及び付勢リングの他の一方に軸方向に係合されていて、かつグリップリングが通常運転位置に付勢されるような方向に傾斜している。
しばしば、グリップリングがスピンドルに沿って軸方向に移動出来ないように配置されていて、通常の使用においてグリップリングが、ロック用リングにおけるスピンドルに沿っての軸方向前方への摺動を防止している場合、この要求は必要となるかも知れない。しかしながら、このことは本来的なことではなくて、ハンマーのある形態において、グリップリングのスピンドルに沿った軸方向の限られた移動は可能かも知れない(このことは一般に利点がないけれど)。例えばグリップリングが、ロック用リングを穴との係合をはずしてスピンドルに沿って軸方向に移動するために、グリップリングの穴に向けてのスピンドルに沿った軸方向の移動制限用のある手段を備えることが、一般に必要である。しかしながら、もしグリップ以外のある手段が、通常使用においてロック用リングを穴と係合して保持するべく使用されるならば、グリップリングの前進運動が可能となる。
スピンドルロック用機構がしばしば一体部品としてのハンマーを備えていて、特にハンマーがチッピングモードだけに使用されるべく設計されていて、機構においてハンマーの残り部分から取りはずしてもよい工具ホルダーの部分を構成することが可能である。従って、もう一つの形態において、本発明がハンマーのアタッチメント用工具ホルダーを提供していて、工具ホルダーが、
(i)穴を有するハウジングと;
(ii)該ハウジング部分に配置されていて、該穴を貫通して該ハウジング部分の外へ伸長していて、どのような複数の方位においても自身の軸の周囲で回転可能なスピンドルと;
(iii)該スピンドルの周囲に配置されていて、該ハウジング部分の該穴に係合し、かつ係合をはずれて、少なくとも限られた範囲で該スピンドルに沿って該軸方向に移動することは出来るけれど、該スピンドルの周囲を回転することは出来なくて、自身が該穴に係合している場合、該スピンドルが該ハウジング部分に対して回転することを防止するロッキング用リングと;
を具備していて、さらにハンマーが、
該スピンドルの周囲に配置されていて、該ハンマーの操作員により、該スピンドルの軸の周囲を、自身が該ハウジング部分における穴からの該ロック用リングの係合はずれを防止するところの通常運転位置から、該ロック用リングが該ハウジングの穴から係合をはずれるところの第二位置へ、回転することが出来、それにより該スピンドルが該ハウジングに対して異なる方位で回転することを可能にしているグリップリングを付加的に具備している。
工具ホルダースピンドルが通常、従来のロッキング要素装置手段によって、ハンマーのスピンドルに接続されていて、そのロッキング要素は二つのスピンドル間におけるどのような軸方向又は回転移動をも防止している。
図1は本発明におけるハンマーの工具ホルダー部分縦断面図である。 図2は図1における工具ホルダーの立面図である。 図3aは図1及び2における工具ホルダーのグリップリングを取りはずした立面図である。 図3bは図1及び2における代案の工具ホルダーのグリップリングを取りはずした立面図である。 図3cは図3bにおけるグリップが回転された場合の歯一式の相対的位置関係を示めしている。 図3dは図3bにおけるグリップが回転された場合の歯一式の相対的位置関係を示めしている。 図3eは図3bにおけるグリップが回転された場合の歯一式の相対的位置関係を示めしている。 図3fは図3bにおけるグリップが回転された場合の歯一式の相対的位置関係を示めしている。 図4は図1における線B−Bに沿って切断した工具ホルダーの断面図である。 図5は図1における工具ホルダーのグリップリングの斜視図である。 図6は図1におけるグリップリングの斜視図であって、工具ホルダーのロック用リングも合わせて示めす。 図7は図3における線C−Cで切断した図1〜6の工具ホルダーの断面図である。 図8は本発明の第二の形態におけるハンマーのホルダー部分の縦断面図である。 図9は図8における工具ホルダーの立面図である。 図10は図8における工具ホルダーのグリップリングを取りはずした立面図である。 図11は図8における線EEに沿って切断した工具ホルダーの断面図である。 図12は図8における線B−Bに沿って切断した工具ホルダーの断面図である。 図13は図8における線−DDに沿って切断した工具ホルダーの断面図である。 図14は図8における工具ホルダーのスプリングリングの斜視図である。 図15は図10における線C−Cに沿って切断した図8〜14の工具ホルダーの断面図である。 図16は本発明の第三の形態におけるハンマーのホルダー部分の縦断面図である。 図17は本発明の第四の形態におけるハンマーのホルダー部分の縦断面図である。 図18は図17の縦断面図の面に直交する面で切断した図17の第四の形態におけるハンマーのホルダー部分の縦断面図である。 図19aは図17及び図18における工具ホルダーに使用されているトーションばねの斜視図である。 図19bは図17及び図18における工具ホルダーに使用されているトーションばねの平面図である。
本発明における四つの形態が例として添付図面を参照して以下に説明される。
図1〜7において、砕壊用ハンマーが中にスピンドル2が配置されているハウジング1を有していて、そのスピンドルはハウジングに形成された穴を通って貫通していて、その端部において工具(図示されていない)のシャンク把持用の従来の形態の工具ホルダー3を備えていて、その工具は砕壊物からの衝撃に対して限られた範囲で移動可能な型式のものである〔SDSプラス(SDS Plus)又はSDS最大(SDS Max.)でもよいが、通常はより大きくて、例えば六角シャンク等〕。スピンドル2がハウジング1の中で自由に回転可能であって、その前面端において六角形断面外形を有している。材構は、ハウジング1の穴を出たところにスピンドルの周囲に配置されたロック用リング(locking ring)4を含んでいて、そのロック用リングはスピンドルを穴において一方位にロックする。ロック用リングが六角形の内部穴6を有していて、その穴を貫通してスピンドル2は摺動可能に仲長していて、ロック用リングがスピンドル2の軸方向に沿って移動することを可能にしているが、スピンドル周囲を回転することは出来ない。ロッキング用リング4が後方端部(すなわち、工具ホルダーから離れて)において、多数の歯8を有していて、その歯は穴を囲んで配置された対応する配列10に係合しており、それらの歯はお互いに一体化される。このように、ロック用リング4の回転、従って穴に対するスピンドル2の回転は、歯8及び10が係合している場合、阻止される。
グリップリング(grip ring)12はスピンドル2及びロック用リング4の周囲に配置されていて、ロック用リングの外径にほぼ等しい内径を有しており、ロック用リングの周囲を操作員により手動で回転されてもよい。しかしながら、グリップリング12が、比較的厚い肉厚をもち中央部分14と、よりうすい前面端部部分16を有していて、二つを接続する領域が、グリップリングの円周周囲に伸長している内部肩18を形成している。グリップリング12の円周部分を覆って、実際にはお互いに120°の方位にある三つの独立した領域にそって、内部肩18がスピンドル2とグリップリング12との軸に対して、円周方向においてはす歯切り(bevell)されていて、すなわち、これらの領域において、内部肩20はグリップリング12の内側円周にそって螺旋状に伸長している。ロック用リング4が外縁面にお互いに120度の角度で方位して配置された三つの脚22を有していて、各々の脚は、はす歯切りされた又は螺旋状に伸長する、グリップリング12の内部肩20の一つに係合しており、グリップリング12が(グリップリングの外周面上の矢印方向に)回転されると、ロック用リング4はスピンドル12に沿って軸方向にハウジングの穴の歯10との係合をはずれる。
装置がスピンドル2の周囲で伸長するコイルばね(coil spring)24を備えていて、コイルばねの一方の端部はスピンドルの凹部に配置されており、もう一方の端部はグリップリング12の内面における凹部に配置されている。このばねは、操作員が保持していない場合、グリップリング12をロック用リングに対して初期の方位へ回転するべく付勢している。さらにヘリカルスプリング(helical spring)26が備えられていて、軸方向付勢部材(axial biasing member)28に係合していて、その付勢部材をハウジングの穴の後方に押動している。付勢部材28が三つの脚30を有していて、各々の脚はロック用リングのラグ22の一方の前面端部と当接しており、ロック用リング4をハウジングの穴と係合させている。
操作において、チーゼルビット(chisel bit)のような完成バイト(tool bit)は工具ホルダーにどのような方位で挿入されてもよい。もしビットの方位の変更が所望されるなら、操作員はビットを単に握って、所望の方位になるまで回転し、そして手放なす。グリップリング12が回転されると、ロック用リング4のラグ22が、グリップリングの内部肩の螺旋面20をずり上がり、それにより歯8及び10を軸方向付勢部材28の力に抗して、お互い同士の係合からはずす。さらにグリップリング12の回転は、スピンドル2を回転し、工具ホルダー3に挿入されたビットを所望する方位に調節することを可能にしている。操作員によるグリップリング12の解放は、グリップリングをばね24の作用で反対方向に回転し、ロック用リング4が付勢部材28の作用で軸方向に摺動し、ハウジングの穴の歯10に係合することを可能にする。
図36は図3aに示めされる装置と同一の図で、同一の部品は同一の符号で示めされているが、歯8及び10一式はチャンファー端面を有する端部が形成されている。この装置において、グリップリング12が回転されると、ロック用リング4のラグ22がグリップリングの内部肩の螺旋面20をずり上り、それにより歯8及び10を軸方向付勢部材28の力に抗して、お互い同士の係合から部分的にはずし、歯8及び10一式の端部のチャンファー端面がお互いに図3cに示めされるように接近する。さらにグリップリング12が回転すると、接近した歯の端部のチャンファー端面がお互いに図3d及び3eに示めされるように乗り上げ、ロック用リングは穴に対して回転する。ロック用リング4の回転はスピンドル2を回転し、工具ホルダー3に挿入されたバイトを所望の方位に調節することを可能にしている。歯8及び9一式の端部が図3eに示めされるような位置に引き離なされ、さらに図3c及び3fに示めされる位置に共に移動される。一連の歯の端部がお互いに通り過ぎた後、歯一式は軸方向付勢部材28によりお互いに初期の位置にもどる際、ラチェットと同様のクリッキング音(ratchet like clicking noise)が発生され、ハンマーの操作員に一連のスピンドルの回転状態が生じていることを知らせる。操作員によるグリップリング12の解放は、グリップリングをばね24の作用で反対方向に回転し、ロック用リング4が付勢部材28の作用で軸方向に摺動し、歯10をハウジングの穴に係合する。
装置のもう一つの形態が図8〜15に示めされている。この形態におけるハンマーにおいて、前面が六角形の断面を有するスピンドル2がハンマーハウジングの穴を貫通して伸長していて、ハウジング内で自由に回転可能である。ロック用リング4が、スピンドル2の周囲に配置されていて、スピンドルをある方位に歯8の列により保持していて、その歯の列はハウジングの穴の対応する歯10と係合している。しかしながら、本形態におけるハンマーにおいて、歯8及び10ははす歯切りされた端面を有している。
グリップリング12がスピンドル2及びロック用リング4の周囲に伸長しているけれど、スピンドル用の六角形の穴を内部に有するかわりに、グリップリングは複雑な形状の穴46を有していて、最も簡単に説明すると、ほぼ六角形の形状であるけれど、小さな円形の部分又は六角形凹部50を各々の頂点において有している。穴のほぼ六角形形状はスピンドル2の断面と合っているけれど、円形部分又は六角形凹部50は、グリップリング12が、スピンドルの回転なしにスピンドル2の周囲を角度で約30度手動で回転することを可能としている。グリップリングは、スピンドルに沿って軸方向に摺動するのを、スナップリング(circlip)又はスナップ・リング(snap−ring)51により阻止されている。
グリップリング12が軸方向に伸長している三つのフィンガー(finger)52を備えていて、そのフィンガーはグリップリング外縁壁の内面に沿って配置されていて、グリップリングの周囲120度の角度で配置されている。図11に示めされるように、これらのフィンガー52がロック用リング4の横断面54に対して当接しているので、ロック用リング4のスピンドル2に沿った軸方向のどのような移動をも阻止している。しかしながら、三つの凹部56が、ロック用リング4の横断面54に備えられていて、ロック用リングの周囲に一つずつ120度の角度で配置されており、装置が図示されているような標準位置(normal position)にある場合、各々の凹部は一つのフィンガー52に対し約30度の角度だけ回転的に移動される。従って、グリップリング12の角度で30度の回転は(図13において反時計方向に、又は図14の矢印方向に)、フィンガー52を凹部56と一直線上に配列し、ロック用リング4のスピンドルに沿った軸方向の移動を可能とする。
第一の形態におけるハンマーと同様に、ばね24がグリップリング12に備えられていて、グリップリング12をその標準位置(図示されているように)に付勢していて、第二螺旋ばね26は付勢部材28をハウジング1の穴に向けて後方に向けて押動している。付勢部材28が三つの脚30を有していて、それらの脚は、グリップリング12の内部のスロット58を通って伸長していて、ばね26の力でロック用スリーブ4に係合し、ロック用リングを穴の歯10と係合させている。
この形態におけるハンマーにおいて、ロック用リング4は、グリップリング12が操作員により回転されるまで、ばね26力及び付勢部材28力でハウジングの穴の歯10と係合したままである。操作員がグリップリングを図14の矢印方向に角度で約30度回転してもよくて、グリップリングのフィンガー52はロック用リング4の凹部56と一直線の配列になる。グリップリング12のさらなる回転は、スピンドル2にトルクを作用する(円形部分又は六角形凹部分50の対向面がスピンドルの六角形に係合するので)。互いに噛合した歯8と10との端面がかさ歯切りされているので、スピンドルの従ってロック用リング4のこのトルクはロック用リング4をスピンドル2の軸方向に沿って前方に向けて押動し、かつハウジングの穴との係合をはずし、当然のことであるが、このトルクは、操作員がグリップを付勢部材28に作用するばね26の力に打ち勝つ十分な力で回転することによりもたらされる。操作員によるさらなるグリップリングの回転は、工具がハンマーにおいて所望するどのような方位に調節されることを可能とし、回転は、ロック用スリーブ歯8がハウジングの歯10と繰り返し係合し係合を外れるので、ラチェットと同様のクリッキングを伴なう。
本発明におけるさらなる実施の形態が図16に示めされている。この実施の形態における調節可能なスピンドルロック設計は、約10kgクラスの垂直砕打ハンマー用の工具ホルダーに特に適したものであって、その工具ホルダーに六角シャンク型の工具又はビットが取り付けられてもよい。この設計は、図1〜7に説明されたものと類似したものであって、図16に使用される符号は図1〜7に使用されたものと同一である。図16と図1〜7との実施の形態における違いが以下に説明される。
図16における工具ホルダ3に、工具ホルダーの前面外部スリーブ部分50が、取り付けられていて、工具ホルダーの中の六角型シャンクの、工具又はビットの調節に使用される。スリーブ部分50は非回転的にスピンドル12に取り付けられている。スピンドル2は六角形の断面形状を有している。単独のロッキング要素54が六角形断面形状のスピンドル2の中で六角形シャンクビット(図示されていない)をロックしている。ロッキング要素(54)がそのロック位置にロック用リング52により固定されている。ロック用リング52が、ほぼ六角形状の断面を有する内面52aを有していて、この手段によりロック用リング52は非回転的にスピンドル2に取り付けられている。ロック用リングの外表面52bが不規則な断面形状を有していて、その表面を覆ってスリーブ部分50が非回転的にはめ込まれており、スリーブ部分50はスピンドル2に対して非回転的である。スリーブ部分50は軸方向後方に向けて移動し、ロッキング要素54が、六角形シャンクの工具又はバイトの挿入及び取りはずしを可能とすべく、半径方向外側に向けて移動可能となっている。
図16に示めされる実施の形態において、スリーブ部分50がスピンドル2に非回転的に固定されているので、コイルばね24は、スリーブ部分50とグリップリング12との間を伸長出来て、グリップリング12をそのロック位置へ回転的に付勢している。このことは以下のことを意味していて、コイルばね24は、前述したように(特に図7及び15参照)、スピンドル2(小直径)からグリップリング12(大直径)に伸長されねばならないことはない。従って、前述の実施の形態におけるコイルバネ24を軸方向に支える軸方向付勢部材28は、もはや必要ない。図16の実施の形態において、コイルばね24は軸方向に沿って一定で比較的大きな直径を有していて、ロック用リング4を軸方向に付勢するためのヘリカルスプリング26が、コイルばね24の内部を伸長しており(ヘリカルスプリングはより小さな直径を有している)、ロック用リング4に直接係合していてもよくて、すなわち、ヘリカルスプリング26は軸方向付勢部材28を介してロック用部材4に係合されない。
図16における実施の形態において、コイルばね24が、スリーブ部分50に形成された軸方向凹部に固定された前面端部24aを有していて、さらにグリップリング12に備えられた軸方向凹部に固定された対向背面端部とを有している。このようにコイルばね24はグリップリングをロック位置に非回転的に付勢している。コイルばね24は、またスリーブ部分50を軸方向に付勢するべく作用していて、従ってロック用リング52を前方向のロック位置に付勢するべく作用している。
ハンマーのハウジング1が金属フランジ1を構成していて、そのフランジは図16に示めされるように工具ホルダー装置をハンマーハウジングの残りの装置に固定するために使用される。
図16におけるホルダー装置3は、工具ホルダ内部に固定された、工具における又はバイトにおける方位を調節するために、図1〜7における実施の形態において前述されたのと同様に操作されてもよい。もしビットの方位の変更が所望されるなら、操作員はビットを単に握って、所望の方位になるまで回転し、そして手放なす。グリップリング12が回転されると、ロック用リング4のラグ22が、グリップリングの内部肩の螺旋面20をずり上がり、それにより歯8及び10をばね26の力に抗して、お互い同士の係合からはずすようにする。さらにグリップリング12の回転は、スピンドル2を回転し、工具ホルダー3に挿入されたビットを所望する方位に調節することを可能にしている。操作員によるグリップリング12の解放は、グリップリングをばね24の作用で反対方向に回転し、ロック用リング4がばね26の作用で軸方向に摺動し、フランジ1の歯10に係合する。代りに、歯8及び10一式が図3aに基づいて設計されてもよくて、工具ホルダーはビット又は工具の変位を変更するために図3aにおいて前述されたように操作される。
本発明による工具ホルダーのさらなる実施の形態が図17〜19に示めされていて、その工具ホルダーは10kgクラスの水平式砕打ハンマーに特に適するもので、そのハンマーはSDS型工具ホルダー装置を使用している。その設計は図1〜7において前述された設計と類似したものであって、図17〜19に使用される符号は図1〜7に使用されたものと同一である。図17〜19と図1〜7との実施の形態における違いが以下に説明される。
図19a及びbに示めされる六角ばね25が、図1〜15に示めされる設計で使用されたコイルばね24と置き代えられていて、グリップスリーブ12をロック位置に回転付勢している。六角ばね25はコイルばね24と以下の点で異なっていて、その六角ばねは六角形状の内側断面形状により、スピンドル2に六角ばねの内面端部において非回転的に固定されている。この六角断面形状により、六角ばね25はスピンドル2の六角形状外面を覆って非回転的に取り付けられている。このことが、図1〜15(特に図7及び15参照)の実施の形態においてスピンドル内部に機械加工された、コイルばね24の内側端部が組立の間に取り付けられねばならない、穴の必要性を省いてる。図19a及びbに示めされるような六角ばね25を使用することは工具ホルダーの組み立てを簡単にしている。図19a及び19bに示めされる六角ばね25の設計は、また図1〜15に示めされる実施の形態におけるコイルばね24と置き代えて使用されてもよい。
図17〜19の実施の形態において、軸方向付勢部材28は、前面端部にフランジ62を有する六角形状断面チューブ60により置き代えられてもよい。ヘリカルスプリング26がこのフランジ62に軸方向に係合していて、スプリング26の付勢力はチューブ60を介してロック用リング4に作用する。チューブ60は六角形状スピンドル2を覆って非回転的に取り付けられている。図17〜19の実施の形態において付勢部材28の三つのフィンガー30が、チューブ60により置き代えられているので、ロック用リング4との接触面における接触面積は増加されて、従って摩耗が減少している。
ロック用リング4が前述と変わって、内部金属リング4aから形成されていて、そのリングを覆ってロック用歯8と、ラグ22と、六角形状リム4cとを具備するプラスチック部品が成形されており、その六角形状リムは前述の六角形状チューブ部品60の周囲で伸長している。チューブ部品60は、ロック用リングの金属部分4aに対して係合していて、相対的に耐摩耗性のあるプラスチック−金属の接触となっている。金属リング4aの使用は、プラスチック製ロック用リング4を補強している。金属リング4aが、周囲をプラスチック成形された半径方向外向きの歯(図示されていない)を有していて、ロック用リングを構成する、金属とプラスチックリングとの間の良好な留め金となっている。
六角ばね25の六角形状内側部分が、金属スピンドル2に直接ではなくて六角形リム4cの外面に取り付けられていて、すなわち金属−プラスチック境界面となっていて、相対的に耐摩耗境界面となっている。ばね25の内側部分の取り付け部分はまたより大きな直径においてである。というのはスピンドル2の外径がリム4cの外径より小さくて、この境界面での回転力は減少されているからである。六角ばね25の外面端部27はグリップスリーブ(grip sleeve)12における凹部の中へ取り付けられていて、グリップリング12をそのロック位置へ回転的に付勢している。
図17〜19におけるホルダー装置3は、工具ホルダ内部に固定された、工具における又はバイトにおける方位を調節するために、図1〜7における実施の形態において前述されたのと同様に操作されてもよい。もしビットの方位の変更が所望されるなら、操作員はビットを単に握って、所望の方位になるまで回転し、そして手放なす。グリップリング12が回転されると、ロック用リング4のラグ22が、グリップリングの内部肩の螺旋面20をずり上がり、それにより歯8及び10をチューブ60の力に抗して、お互い同士の係合からはずすようにする。さらにグリップリング12の回転は、スピンドル2を回転し、工具ホルダー3に挿入されたビットを所望する方位に調節することを可能にしている。操作員によるグリップリング12の解放は、グリップリングは六角ばね25の作用で反対方向に回転され、ロック用リング4がチューブ60の作用で軸方向に摺動し、フランジ1の歯10に係合する。代りに、歯8及び10一式が図3aに基づいて設計されてもよくて、工具ホルダーはビット又は工具の変位を変更するために図3aにおいて前述されたように操作される。
図1〜15と17〜19とにおいて前述された実施の形態において、ハンマーハウジングの一部である金属フランジ(1)は、工具ホルダー3をハンマーの主ハウジング(図示されていない)に取り付けるのに使用される。フランジ1cの後方端部が主ハンマーハウジングの前面部分に形成された円形凹部の中に合わせられ、複数のスクリューを用いてそこに固定されていて、そのスクリューは、フランジ1の複数の穴1aを貫通しており、主ハウジングの内面ねじ付きの穴に固定される。フランジが複数の冷却用フィン1bと一体に設計されていて、その冷却用フィンは過熱しがちなハンマー部分からの熱放散を強めている。フィン1bは、またフランジを主ハンマーハウジングに結合するスクリューのスクリューヘッドを保護している。スクリューヘッドは、隣接するフィン1bの間の空間に完全に入ってしまうので、砕壊物の衝撃から防護されている。
1 ハウジング
1b 冷却用フィン
2 スピンドル
3 工具ホルダー
4 ロック用リング
8 歯
10 歯
12 グリップリング
24 コイルばね
28 付勢部材

Claims (2)

  1. ハウジング及び工具ホルダーを有するハンマーにおいて、
    前記ハウジングは、前記工具ホルダーを前記ハウジングに接続するフランジ(1)と主ハンマーハウジングとを含み
    前記フランジの後方端部は、前記主ハンマーハウジングの前面部分に形成された円形凹部の中に合わせられ、複数のスクリューを用いてそこに固定され、
    前記フランジ(1)は、複数の冷却用フィン(1b)であって前記スクリューのスクリューヘッドを保護するようにも機能する冷却用フィン(1b)とともに形成されている、ハンマー。
  2. 前記フランジ(1)は複数の穴を有し、
    前記主ハンマーハウジングは内面ねじ付きの穴を有し、
    前記フランジの後方端部は、前記複数のスクリューを用いて前記円形凹部の中に固定され、該スクリューは、前記フランジの複数の穴を貫通しており、前記主ハンマーハウジングの内面ねじ付きの穴に固定される、請求項1に記載のハンマー。
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