JP5319485B2 - 食品中のカドミウム測定方法及び測定装置 - Google Patents

食品中のカドミウム測定方法及び測定装置 Download PDF

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Description

この発明は、電気化学測定法で食品中のカドミウム濃度を測定する方法及び装置に関する。
カドミウムは土壌中、水中、大気中の自然界に広く分布していることから、ほとんどの食品中に環境由来のカドミウムが多少なりとも含まれている。過去、我が国においては、鉱山に汚染源とするカドミウム汚染地域が数多く存在し、イタイイタイ病の発生を契機に、カドミウム曝露に関する疫学調査が数多く実施された。
我が国の米中カドミウム濃度は、他国に比べて高い傾向にあり、図19に示すように、トータルダイエット調査(2005年)によれば、日本における米からのカドミウム摂取量は、食品全体の約半分を占めている。
食品衛生法では、1970年10月に玄米のカドミウム含有量は1.0ppm未満(精白米は0.9ppm未満)と定められ、玄米1.0ppm以上のカドミウム米の販売が禁止されている。また、0.4ppm以上1.0ppm未満の米は、政府買入れにより非食用として処理されてきた。
国際機関においては、2006年の第29回コーデックス委員会総会において、食品中のカドミウムの国際基準値として、精米が0.4mg/kg、海産二枚貝(カキ及びホタテガイを除く)及び頭足類(内臓を除去したもの)が2.0mg/kgが最終採択された。なお、穀類、小麦、野菜等の国際基準値は既に採択済みである。
このような国際的な評価を踏まえ、玄米を含めた食品における許容基準を国際基準に適合させることが求められており、2005年、厚生労働省は「食品からのカドミウム摂取の現状に係る安全性確保について」に係る食品健康影響評価を食品安全委員会に依頼した。そして、食品安全委員会では、2008年6月、カドミウムの許容週間摂取量を7μg/kg体重/週と結論した。これは、日本国内における米等の食品を経由したカドミウムの慢性的な経口曝露を受けている住民を対象とした疫学調査結果に基づき導き出されたものである。
農作物等の食品中のカドミウム濃度の公定分析法は、「農用地土壌汚染対策地域の指定要件に係るカドミウム量の検定の方法を定める省令」に定められている。この省令において、米や玄米中のカドミウム含有量の検定方法は、硝酸・硫酸で試料を加熱分解後、溶媒抽出して原子吸光光度計により農作物中の重金属含有量を測定すると定められている。図20に公定分析法に係る測定フロー図を示す。
また、一般的な米や玄米中のカドミウム含有量の測定方法として、原子吸光光度計の他に、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)、同位体希釈質量分析法(表面電離法)、同位体希釈質量分析法(ICP−MS)等の機器分析装置でも食品中のカドミウム測定が可能である。
しかしながら、「農用地土壌汚染対策地域の指定要件に係るカドミウム量の検定の方法を定める省令」に定める測定方法は、非常に煩雑で時間を要する。そこで、同方法の前段階に実施する調査として、重金属に汚染された農耕地、農作物の絞り込み(スクリーニング)を目的とした簡易な測定法として、蛍光X線分析装置を使用した方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
その他のカドミウム濃度の測定方法としては、電気化学的測定法を利用する方法(例えば、特許文献2)や、イムノクロマトグラフィー法を利用したバイオセンサーを利用する方法(例えば、特許文献3、4)、が提案されている。
電気化学測定法は、化学物質の変化を電気化学反応としてとらえ、電位、電流、電気量等を測定パラメータとして調べる方法である。
電気化学測定法の特長は簡便さであり、測定困難な化学量を測定が容易な電気量に直接変換でき、高感度の測定が可能なことである。さらに、測定機器が極めて安価であることもある。
イムノクロマトグラフィー法は、食品をミル型破砕機等で破砕した後、0.1モル/L程度の塩酸と混合し、必要に応じて遠心分離や濾過等で食品に由来する夾雑物を除去して得られた水溶液をカートリッジに通水して濃縮させる。そして、この濃縮液をカドミウムと反応する抗体と混合し、イムノクロマトグラフィーによりカドミウム濃度に応じた発色によりカドミウム濃度を測定する測定方法である。
特開2006−284378号公報 特開2005−49275号公報 特開2008−58207号公報 特開2004−323508号公報
上述のように、公定分析法に用いられる原子吸光光度計等の機器分析装置は、高価で、操作が煩雑であるため、専門の技術者でないと精度良く測定できない。つまり、公定分析方法は、図20に示すとおり、各種無機酸や有機化合物を使用するため、試料の調製操作も煩雑である。また、酸性ガスや有機溶媒等の揮散による分析技術者の健康被害も懸念される。
また、原子吸光光度計、誘導結合プラズマ発光分析装置、同位体希釈質量分析装置等の機器分析装置は、大型で、据置き型のため、食品の生産・流通の場で多数の検体を迅速に測定する用途には不向きである。さらに、公定分析法は測定結果が出るまでに約5日間かかり、その間、食品を倉庫等に保管しておかなくてはならないため生産の効率が悪い。
一方、蛍光X線分析装置は、溶液の測定ができないため溶出量試験ができない、炭化前後の質量測定により濃縮率を計算する必要がある、感度が低いため濃縮しないと測定できない、危険なX線を使用する等の問題を有している。
電気化学測定法において用いられる電極の種類は、作用電極、参照電極、対電極である。通常、電気化学反応の進行に伴って作用電極の汚染により電位が変化してしまう。そこで、水溶液中の重金属イオンの測定を行う場合には、参照電極に対する作用電極の電位を常に一定になるよう制御し、作用電極と対電極の間に流れる電流値の変化を測定する方式をとる。
通常、電極として水銀を使用する場合が多く、微量ではあるが、試料液中に水銀が溶出するため、試料水の廃棄に問題があった。
また、イムノクロマトグラフィー法を利用したバイオセンサーを利用する方法は、カドミウムを濃縮させる前処理が必要である、亜鉛、マンガン、銅等の金属の影響を受ける等の問題を有している。
さらに、イムノクロマトグラフィー法では、カドミウム単体での分子量が低いので免疫動物が抗体を作製できるように蛋白質との複合体を作製する必要があるが、この蛋白質との複合体を作製する操作が煩雑で専門家でないと作製できない。そして、抗体を作製するのに2ヶ月以上の日数が必要である。また、作製した抗体が市販されているが、かなり高価であるため、測定数が多い測定には莫大な費用がかかり、簡易測定の目的の一つである現場でのスクリーニングには不向きである。
上記課題を鑑みて、本発明は食品中のカドミウム濃度を高精度に測定ができる簡便なカドミウム濃度測定方法、及びカドミウム濃度測定装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成する本発明のカドミウム測定方法は、食品中のカドミウム測定方法であって、前記食品を灰化助剤を添加することなく、530℃〜630℃の温度で45分〜90分間強熱灰化し、前記強熱灰化した食品を酸と混合し、前記混合された混合液から溶液を分離し、前記溶液を電気化学測定法に供することを特徴としている。
この電気化学測定法は、水銀電極の代わりに銅電極を使用する水銀フリーのアノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリー法による測定法を用いている。
また、上記目的を達成する本発明のカドミウム測定装置は、食品中のカドミウムを測定する装置であって、前記食品を灰化助剤を添加することなく、530℃〜630℃の温度で45分〜90分間強熱灰化する強熱灰化手段と、前記強熱灰化手段により灰化された食品と酸を混合し、前記混合された混合液から分離された溶液を収納する手段と、前記溶液に、作用電極としての銅電極と、対電極を浸漬する手段と、前記作用電極と前記対電極との間に前記溶液中のカドミウムが前記作用電極上に析出する電圧を印加する手段と、前記作用電極と前記対電極との間に前記作用電極上に析出したカドミウムが溶出する電圧を印加する手段と、前記作用電極と前記対電極との間に流れる電流を検出する手段とを備えることを特徴としている。
以上の発明によれば、簡便な方法で食品中のカドミウム濃度を高精度に測定することができる。
本発明の実施形態に係るカドミウム測定方法のフロー図。 本発明の実施形態に係るカドミウム測定方法により標準添加法で求めた電位−電流特性曲線。 本発明の実施形態に係るカドミウム測定方法により求めた電位−電流特性曲線に基づく絶対検量線。 本発明の実施形態に係るカドミウム測定方法により標準添加法で求めたカドミウム標準液の電位−電流特性曲線、(a)カドミウム標準液(0.01mg/L)、(b)カドミウム標準液(0.03mg/L)、(c)カドミウム標準液(0.05mg/L)。 カドミウム標準液濃度と本発明に係るカドミウム測定方法による測定値の比較。 公定法と簡易分析法(強熱灰化処理を省き、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)により本発明の測定方法に準じた測定方法)による玄米標準試料の測定値比較。 簡易分析法(強熱灰化処理を省いた本発明による測定方法)により標準添加法で求めた玄米標準試料の電位−電流特性曲線。 強熱灰化温度がカドミウム濃度計測値に及ぼす影響。 強熱灰化時間がカドミウム濃度計測値に及ぼす影響。 電気化学計測時の溶液pH値がカドミウム濃度計測値に及ぼす影響。 玄米標準試料の保証値とカドミウム濃度計測値との比較。 有機物がカドミウム濃度計測値に及ぼす影響を調査するための測定フロー図。 標準添加法で求めた澱粉を添加したカドミウム標準液の電位−電流特性曲線。 アサリ中のカドミウム濃度の測定結果、(a)電位−電流特性曲線、(b)(a)に基づく絶対検量線。 ホタテ貝中のカドミウム濃度の測定結果、(a)電位−電流特性曲線、(b)(a)に基づく絶対検量線。 クルミ中のカドミウム濃度の測定結果、(a)電位−電流特性曲線、(b)(a)に基づく絶対検量線。 カシュウナッツ中のカドミウム濃度の測定結果、(a)電位−電流特性曲線、(b)(a)に基づく絶対検量線。 マカデミアンナッツ中のカドミウム濃度の測定結果、(a)電位−電流特性曲線、(b)(a)に基づく絶対検量線。 日本における食品毎のカドミウム摂取割合を示す図。 公定法によるカドミウム測定フロー。
本発明は、迅速に精度良く食品中のカドミウム濃度を測定する方法、及びカドミウム濃度測定装置に関するものであり、カドミウム濃度を測定する食品を、強熱灰化処理後、強熱灰化処理された食品を酸に溶解させ、その溶液を電気化学測定に供することを特徴としている。
玄米などの食品中において、鉄・カルシウム・マグネシウム・亜鉛・カドミウム等の不純物は、フィチン酸と結合してフィチン酸塩の形態で多く存在する。
フィチン酸は生体物質の一種で、組成式はC618246、分子量は660.08、種子など多くの植物組織に存在する主要なリンの貯蔵形態であり、キレート作用が強く、多くの金属イオンと強く結合する、
したがって、食品中に上記不純物がフィチン酸と結合してフィチン酸塩の形態で存在しており、本発明における測定対象物であるカドミウムを電気化学方法で測定する場合には、フィチン酸塩の形態で存在していると想定されるカドミウムを、フィチン酸塩を分解しカドミウム単独で分離する必要がある。
フィチン酸は、有機物であるため、加熱により容易に分解することができる。しかし、残った不純物類は不純物同士で結合した状態となり、カドミウムは分離できない。そこで、この不純物同士の結合をほどいてカドミウムを分離する必要がある。
そのために、強熱灰化処理する際、フィチン酸塩分解後にカドミウムと結合する可能性がある不純物中で最大融点を示す亜鉛の融点(419.6℃)以上に加熱下限温度を設定して、亜鉛とカドミウムが結合する前に溶融分離する必要がある。一方、加熱上限温度は、カドミウムの沸点(756.0℃)以下とすれば気化による損失を防げる。
本発明において、カドミウム濃度を測定する食品は、特に限定するものではない。例えば、国立医薬品食品衛生研究所が、地方衛生研究所と協力して行っている調査では、食品分類を「米・米製品」、「穀類・芋」「豆、豆加工品」、「緑黄色野菜」、「野菜・海藻類」、「魚介類」、「その他」に大分類しているがこの分類すべての食品を対象とする。
本発明に係るカドミウム濃度測定方法によれば、測定時間の短時間化だけを考慮するのであれば、高価で、大型の据置き型の機器分析装置(例えば、誘導結合プラズマ発光分析装置)により、公定法では約5日間かかる測定時間を約2時間に短縮できることが確認されている。
しかしながら、発明者らは汚染された農作物が市場に流通する危険をなくすために、高精度の測定が可能な電気化学測定法により現場でのオンサイト測定ができる簡便な測定方法を提供することを目的としている。そして、電気化学測定法で測定できる方法について鋭意研究した結果、図1に示す測定フローにより食品中のカドミウム濃度を迅速に測定できることを見いだした。
電気化学測定法は、電極上での酸化還元反応に伴う電流変化及び電圧変化を測定する非常にシンプルな方法であるにもかかわらず、高感度測定が可能で、消耗する部分がほとんどないという利点がある。
さらに、本発明の実施形態で例示するクーロメトリー法は、試料中の対象成分を全量検出する再現性に優れた技法であるため、国内外に汎用化が可能で、環境改善・社会経済的好循環に多大な貢献が期待される。
本発明に係る電気化学測定装置は、試料を強熱灰化する強熱灰化手段と、試料が導入されるセル(溶液を収納する手段)、作用電極、参照電極、対電極、及び作用電極の電位を制御する手段と、作用電極と対電極の間に流れる電流を測定する手段より構成される。
強熱灰化手段としては、試料を空気(または、酸素)気流化で加熱できるものであればよく、電気炉等が例示される。
作用電極の電位の制御手段は、既知のものを用いればよい。この電位制御手段により、電気化学反応の進行と共に作用電極が汚染され電位が変化しても、作用電極の電位が変化しないように常に参照電極に対する作用電極の電位を一定に保つことが可能となる。したがって、作用電極の電位を一定に保った状態で作用電極と対電極の間に流れる電流を測定することができる。
上記構成を有する電気化学測定装置において、高感度に電気化学測定を行うために、作用電極、参照電極、対電極、試料を測定するためのセル、及び電解液を最適化するとよい。
作用電極としては、銅電極の他、白金電極、金電極、炭素系電極を用いてもよい。
参照電極は、種類、安定性、使い易さを考慮して、周知の参照電極(例えば、標準水素電極等)から適当なものを選択して用いればよい。本発明では参照電極として、銀/塩化銀電極を用いた例を示す。
対電極は、種類、大きさ(表面積)を最適化するとよい。対電極としては、白金電極が用いられることが多いが、対電極は、白金電極に限るものではない。
また、電解液は、種類、溶存酸素の除去、濃度を最適化するとよい。例えば、試料水は一定量計量し、電解質及び緩衝液からなる専用試薬と混合し測定検液とする。セルは、測定に最適な、大きさ、形状を選択するとよい。
本発明に係る電気化学測定装置で行う電気化学測定法としては、例えば、アノーディック・ストリッピング・ポルタンメトリー法が挙げられる。アノーディック・ストリッピング・ポルタンメトリー法は、水溶液中の重金属イオンを電極上に還元濃縮し、濃縮した重金属物質を酸化溶出する際の電流値により重金属物質濃度を算出する方法であり、測定感度が高いという利点を有している。
図1を参照して、本発明に係るカドミウム濃度測定方法について説明する。
まず、ステップS1において、カドミウム濃度を測定する食品(以後、試料とする)を秤量し、粉砕する。粉砕手段は、試料に応じて適宜選択すればよく、穀類・種子等の粉砕にはコーヒーミル等を用いればよく、アサリ・ホタテ貝等を粉砕する場合には包丁等を用いればよい。
ステップS2では、粉砕した試料をカドミウム濃度を測定するために必要な量だけ秤量する。粉砕した試料が粉体である場合、篩にかけてもよい。篩の目の大きさは適宜選択可能である。
ステップS3では、ステップS2で秤量した粉砕された試料の強熱灰化処理を行う。
本発明における強熱灰化処理とは、試料を空気や酸素流下において、電気炉で600℃程度の温度で一定時間焼いて、水分や有機物(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン等)及び塩素等の低沸点無機物を分解または除去する処理のことをいう。
強熱灰化処理することにより、単に試料から有機物を灰化し除去することができるだけでなく、亜鉛の融点以上でカドミウムの沸点以下の温度で加熱することにより、カドミウム測定の妨げとなる不純物の結合がほどけて分離することができる。
ステップS4では、ステップS3で強熱灰化処理した試料を放冷後、酸と混合する。試料と混合する酸の種類は特に限定するものではなく、塩酸、希硫酸等、測定に用いる電極と反応しない酸を用いればよい。
ステップS5では、ステップS4で得られる混合液を振とうし、ステップS6で混合液を濾過する。濾過するために用いる濾紙等のフィルターの種類は、混合液の残渣除去できるものであればよく、適宜選択すればよい。
ステップS7では、ステップS6で得られた濾液を電気化学測定に供する。
電気化学測定においては、標準添加法を用いるとよい。例えば、検液のみでの測定に加え、標準液を2回添加し、3つの電位−電流特性曲線を求め、各波形におけるピーク面積を算出し、標準液の添加濃度に対して検量線を作成することで、検液中の濃度を算出することができる。具体的にピーク面積は、測定対象物質、測定対象物質濃度及び電極材料によって異なるが、本発明では、−0.62Vと−0.58Vの間の最小電流値と−0.5Vと−0.4Vの間の最小電流値を示す点を直線で結び、この直線と電位−電流特性曲線とで囲まれる面積を算出した。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明に係るカドミウム濃度測定方法について詳細に説明する。なお、本発明に係るカドミウム濃度測定方法及び、カドミウム濃度測定装置は、この実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
玄米標準試料として、独立行政法人国立環境研究所から3種類の既知カドミウム濃度の玄米標準試料を入手した。それぞれのカドミウム濃度は、0.023mg/kg、0.32mg/kg、1.82mg/kgであった。
玄米粉末標準試料は、米の微量元素を定量する際に、本試料を用いて測定値及び測定分析法の正確さが評価できることを目的として調製された環境標準試料である。本標準試料は、カドミウムの濃度が異なる3種類の試料(Cd低、中、高レベル)で一組となっている。玄米粉末標準試料は、元素含有量に関する標準試料であり、13元素に対して保証値(certified value)及び9元素に対して参考値(reference value)が定められている。
実施例1では、本発明に係る測定方法を用いて、玄米中のカドミウム濃度を測定した。図1を参照して、詳細に説明する。
独立行政法人国立環境研究所から標準玄米試料を入手した。この標準玄米試料は、既に、図1の測定フロー図のステップ1が完了している粉末状の試料である。この試料を1g秤量した(ステップS2)。
そして、ステップS2で秤量した粉砕された玄米を蒸発皿またはルツボに入れ、電気炉で強熱灰化処理を行った(ステップS3)。
さらに、ステップS3で強熱灰化処理した蒸発皿またはルツボをデシケータ内に移し、放冷後、50mLの蓋付きガラス容器に内容物を移し、1モル/Lの塩酸を20mL加えた(ステップS4)。
このガラス容器を振とう器で150rpmの速度で1時間振とうした(ステップS5)後、5Cのろ紙で濾過を行い(ステップS6)、濾液を必要量50mLのメスフラスコに入れて、2.5mLの酸薬液、2.5mLの試薬液の順番に添加した後、蒸留水で50mLにメスアップした。
これを北斗電工(株)製の電気化学測定装置FIELDER(型式:HOE−100)で電流値を計測した(ステップS7)。
以下に、ステップ7で用いた酸薬液及び試薬液の調製例を示す。
・酸薬液の調製法
濃塩酸120mLを蒸留水で1Lにメスアップして酸薬液を調製した。
・試薬液の調製法
塩化カリウム:223.65g
水酸化ナトリウム:57.14g
酢酸:8.6mL
酢酸ナトリウム:28.7g
以上を1Lのメスフラスコに入れて蒸留水で1Lにメスアップして試薬液を調製した。
電気化学測定装置は、作用電極として銅電極を、対電極は白金電極、参照電極は銀/塩化銀電極を使用した。
計測結果を図2、図3に示す。図2は電位−電流特性曲線、図3は標準添加法による絶対検量線である。図2の電位−電流特性曲線において、−0.53Vのピークがカドミウムのピークである。また、図2には、3種類の電位−電流特性曲線(0mg/L、0.02mg/L、0.04mg/L)が示されている。これは、標準添加法において標準となる溶液を100μL添加した際の試料液の電位−電流特性曲線を表示するものである(図4、7、13−18も同様)。
図4は、3種類のカドミウム標準液(0.01、0.03、0.05mg/L)を測定した電位−電流特性曲線で、−0.53Vのカドミウムのピークがカドミウム濃度の増加と共にピーク値が増大することがわかる。
図5は、カドミウム標準液濃度とFIELDERの計測値の関係を示したものである。R2は0.9933、回帰直線の傾きが0.9783で1に近い値を示しており、電気化学測定法でカドミウム濃度を精度良く測定できることを示している。
図6は、図1に示したカドミウム測定方法において、強熱灰化処理工程(ステップS3)を省いた測定方法で、独立行政法人国立環境研究所から入手した3種類の玄米標準試料を誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)で測定した結果である。
2は0.9978、回帰直線の傾きが0.9675で1に近い値を示しており、測定時間の短時間化だけを考慮するのであれば、高価で、大型の据置き型の機器分析装置により、公定法では約5日間かかる測定時間を約2時間に短縮できることを示している。
しかし、図1の強熱灰化処理工程を省いた測定フローは、電気化学測定法により玄米中のカドミウム濃度の測定ができなかった。これは、図7に示すように、カドミウムの検出ピークである−0.53Vにピークの差異が現れないので、標準添加法による正常な電位−電流特性曲線が得られないため絶対検量線が作成できず、カドミウム濃度が算出できなかったためである。
独立行政法人国立環境研究所から分譲された玄米標準試料は、カドミウム含有量が低濃度の試料(L:濃度0.023mg/kg)、中濃度の試料(M:濃度0.32mg/kg)、そして高濃度の試料(H:濃度1.82mg/kg)の3種類である。
これら3種類の玄米標準試料には、亜鉛、塩素、カリウム、臭素、水銀、セレン、ナトリウム、ルビジウム等が不純物として含まれており、これら不純物のいずれか、または、これら不純物が複合してカドミウム濃度測定の妨害となっていると考えられる。表1に玄米標準試料中に含まれるそれぞれの元素の含有量と融点及び沸点を示す。
Figure 0005319485
カドミウムの沸点は765℃であるので、765℃以上に加熱するとカドミウムは気化して空気中に飛散してしまう。したがって、亜鉛の融点以上でカドミウムの沸点以下の温度で加熱すれば、不純物の結合がほどけて分離できる可能性があると考えられる。
(1)カドミウム濃度測定における強熱灰化温度の影響
そこで、玄米標準試料(カドミウム濃度:1.82mg/kgを用いて、強熱灰化時間を60分として、強熱灰化温度を0、120、200、400、450、500、550、600、650、700、750、800、1000℃に変化してカドミウム濃度を計測した。計測結果を図8に示す。
図8より、強熱灰化温度を亜鉛の融点以上、カドミウムの沸点以下で行うと精度よくカドミウム濃度を測定できることがわかる。そして、強熱灰化温度を530〜630℃とすることでより精度よくカドミウム濃度を測定することができる。同一試料を機器分析装置のICPでも測定したが、本発明に係るカドミウム測定方法による測定結果を支持する結果であった。
(2)カドミウム濃度測定における強熱灰化時間の影響
玄米標準試料(カドミウム濃度:1.82mg/kg)を用い、強熱灰化温度を600℃として、強熱灰化時間を0、10、20、30、40、50、60、90、120、150、180分に変化してカドミウム濃度を計測した。結果を図9に示す。
図9から、強熱灰化時間は、45〜90分で行えば玄米中からほぼ100パーセントのカドミウムが抽出できることがわかる。
(3)カドミウム濃度測定における試験液のpHの影響
電気化学測定法では、試験液のpHが測定精度に大きく影響するので、カドミウムの溶出量試験に及ぼすpHの影響について試験した。試験方法を以下に示す。
まず、2.5mg/Lのカドミウム溶液を調製し、標準液とした。
2.5mg/Lカドミウム溶液の調製法は、カドミウム標準液1000mg/L、0.25mLと濃塩酸0.6mLを1モル/Lの塩酸で100mLにメスアップした。
試験液は、50mLメスフラスコに約25mLの蒸留水を入れ、これに2.5mg/Lカドミウム溶液を600μL添加した。これを必要量用意する。
それぞれのメスフラスコに、pHを調整するため、2Nの水酸化ナトリウムを0、50、100、200、300、400、500、600μL添加し、2.5mLの酸薬液、2.5mLの試薬液の順番に添加した後、50mLにメスアップした。
さらに、それぞれのメスフラスコに、2Nの水酸化ナトリウムを50μL添加した後、4Nの塩酸を20、50、100、200μL添加して、低pH溶液を調製した。
各試験液をFIELDER専用のセルに移し、電流値を測定し、カドミウム濃度を算出したカドミウム濃度測定結果を図10に示す。
調製された50mLの試験液は、2.5mg/Lカドミウム溶液を600μL添加しているので、カドミウム濃度は0.03mg/Lである。図10の測定結果では、pHが3.5以下または5.5以上になると真値から外れることを示している。したがって、本発明に係る電気化学測定法でカドミウム濃度を測定する場合には、pHは3.5〜5.5の間で測定すると精度よくカドミウム濃度を測定することがわかる。そして、pHを4.0〜5.0とするとより精度よく測定できることがわかる。
(4)電気化学測定法による玄米標準試料中のカドミウム濃度の測定
図1の測定フローで、独立行政法人国立環境研究所から入手した3種類の玄米標準試料を電気化学測定法で測定した結果を図11に示す。
2は0.9999、回帰直線の傾きが1.0459で1に近い値を示しており、十分な測定精度を有していることを示している。
(5)電気化学測定法によるカドミウム濃度の測定精度
図1の測定フローで、独立行政法人国立環境研究所から入手した玄米標準試料(カドミウム濃度:1.82mg/kg)を電気化学測定法で繰り返し測定した。
玄米標準試料は1g秤量し、1モル/Lの塩酸を20mL、濾液を4mL、強熱灰化温度を600℃、強熱灰化時間を1時間として測定した。カドミウム濃度の測定結果を表2に示す。表2に示すように、変動係数(CV)は4.7パーセントとなり、精度良くカドミウム濃度が測定できることを示している。
Figure 0005319485
(6)カドミウム濃度測定における有機物の影響
カドミウム濃度測定における有機物の影響を調べるために、図12に示す測定フロー図に従って、澱粉を混合したカドミウム標準液を調製し、カドミウム濃度測定を行った。カドミウム濃度測定結果を図13に示す。
カドミウムのピーク電圧は、銅電極を作用電極に使用した場合、−0.53Vであり、図13に示すように、この電圧に於けるピークが明確に測定されている。
したがって、測定対象となる溶液中に澱粉が混合していても、カドミウムのピークを阻害しないので、澱粉のような有機物を単に添加するだけならばカドミウム濃度測定に影響を及ぼさないといえる。
(7)各食品でのカドミウム濃度測定
本発明に係るカドミウム濃度測定装置により、各食品のカドミウム濃度を測定した結果を図14〜18に示す。
測定対象として、アサリ、ホタテ貝、クルミ、カシュウナッツ、マカデミアンナッツを選択し、図1の測定フローに従って各食品中のカドミウム濃度を測定した。なお、粉砕方法(ステップS1)は、各食品によって異なる方法を用いた。すなわち、アサリは、貝を剥いてまな板上で包丁を用いて細かくみじん切りにし、蒸しホタテ貝は、そのまままな板上で包丁を用いて細かくみじん切りにした。また、クルミ、カシュウナッツ、マカデミアンナッツは、市販されているミックスナッツから選別後、それぞれコーヒーミルで約10秒間粉砕した。それぞれの食品中のカドミウム濃度測定結果を表3に示す。なお、同一試料をICPで測定した結果も本発明に係るカドミウム測定方法による測定結果を支持する結果であった。
Figure 0005319485
表3に示すように、本発明に係るカドミウム濃度測定方法により、各種食品中のカドミウム濃度も測定できることがわかる。
以上述べたように、本発明に係るカドミウム濃度測定方法、及びカドミウム濃度測定装置によれば、食品中のカドミウムを専門知識と熟練を要する煩雑な操作や8種類以上の複数の試薬を使用せず、簡便に測定することができる。
また、食品中のカドミウム濃度を3時間程度の短時間で、精度よく測定することができる。
したがって、高価で、大型の据置き型の機器分析装置を使用せず、短時間に高精度の測定が可能な電気化学測定法により現場でのオンサイト測定が可能であるため、カドミウムに汚染された玄米等の農作物が市場に流通する危険を防止する用途をはじめとして種々利用できる。

Claims (5)

  1. 食品中のカドミウム測定方法であって、
    前記食品を灰化助剤を添加することなく、530℃〜630℃の温度で45分〜90分間強熱灰化し、
    前記強熱灰化した食品を酸と混合し、前記混合された混合液から溶液を分離し、
    前記溶液を電気化学測定法に供する
    ことを特徴とするカドミウム測定方法。
  2. 前記電気化学測定法は、アノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリーである
    ことを特徴とする請求項1に記載のカドミウム測定方法。
  3. 前記電気化学測定法に用いられる作用電極は、銅電極である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカドミウム測定方法。
  4. 前記溶液のpHを3.5から5.5に調整した
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカドミウム測定方法。
  5. 食品中のカドミウムを測定する装置であって、
    前記食品を灰化助剤を添加することなく、530℃〜630℃の温度で45分〜90分間強熱灰化する強熱灰化手段と、
    前記強熱灰化手段により灰化された食品と酸を混合し、前記混合された混合から分離された溶液を収納する手段と、
    前記溶液に、作用電極としての銅電極と、対電極を浸漬する手段と、
    前記作用電極と前記対電極との間に前記溶液中のカドミウムが前記作用電極上に析出する電圧を印加する手段と、
    前記作用電極と前記対電極との間に前記作用電極上に析出したカドミウムが溶出する電圧を印加する手段と、
    前記作用電極と前記対電極との間に流れる電流を検出する手段と、を備えた
    ことを特徴とするカドミウム測定装置。
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