JP5318589B2 - 基材レス両面粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、例えば光学用途で使用される基材レス両面粘着シートに関し、特に、高弾性率の粘着剤層に対しても剥離力を十分に重くすることが可能な重剥離フィルムを備えた基材レス両面粘着シートに関する。
基材レス両面粘着シートは、粘着剤層の両面それぞれに、軽剥離フィルム、重剥離フィルムが積層されて構成されるものである。上記粘着剤層は、粘着剤のみで構成され、支持体となる基材(芯材)を有さない。このような基材レス両面粘着シートは、軽剥離フィルムを剥離除去した後に、露出した粘着剤層を光学部材等の被着体に貼付し、次いで重剥離フィルムを剥離除去し、それにより露出した粘着剤層にさらに他の被着体を貼付し、被着体同士を接合するものである。
基材レス両面粘着シートの大きな問題として、軽剥離フィルムを剥離する際に、軽剥離フィルムに粘着剤が残る転着が挙げられる。従来、転着を抑制するために、MQレジン等の重剥離添加剤を重剥離フィルムの剥離剤層に添加し、重・軽剥離フィルムに剥離力差をつけることが行われている。
ところで、近年、例えば液晶表示装置等の光学用途で使用される粘着剤として、凝集力を高め耐久性を向上するために、高弾性率の粘着剤が使用されることがある(特許文献1参照)。しかし、高弾性率の粘着剤を使用した基材レス両面粘着シートは、重剥離フィルムの剥離剤層にMQレジン等の重剥離添加剤を添加しても、重剥離フィルムを十分に重剥離化できないという問題がある。特に、光学用途においては、透過する光を拡散できるように、微粒子を配合した光拡散粘着剤が用いられることがあるが、このような場合、粘着剤はさらに高弾性率となるため、重剥離フィルムの重剥離化がさらに困難となる。
特開2008−260813号公報
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、高弾性率の粘着剤層や、粘着剤に微粒子を配合した粘着剤層を有する基材レス両面粘着シートにおいて、軽剥離フィルムを剥離したときに粘着剤の転着が生じないように、軽・重剥離フィルムに十分な剥離力差を持たせることを目的とする。
本発明に係る基材レス両面粘着シートは、重剥離フィルム、粘着剤層、及び軽剥離フィルムがこの順に積層される基材レス両面粘着シートにおいて、重剥離フィルムが第1の剥離基材と、その第1の剥離基材の一方の面に形成された第1の剥離剤層とを有し、軽剥離フィルムが第2の剥離基材と、その第2の剥離基材の一方の面に形成された第2の剥離剤層とを有し、第1及び第2の剥離剤層それぞれが粘着剤層に接するように貼合されている。そして、第1の剥離剤層が、分子の末端及び/又は側鎖に炭素数2〜10のアルケニル基を備え、かつ分子の側鎖にアリール基を備えたオルガノポリシロキサンを含む剥離剤組成物を硬化被膜したものであることを特徴とする。
上記基材レス両面粘着シートは、粘着剤層を形成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、2MPa以上であるときに好適に使用されるものである。また、粘着剤層が、平均粒径0.1〜20μmの微粒子を含む場合に好適に使用されるものである。
剥離剤組成物はさらに、分子の末端及び/又は側鎖に炭素数2〜10のアルケニル基を備え、かつアリール基を有さないオルガノポリシロキサンを含んでいても良い。剥離剤組成物は、架橋剤として例えば、ケイ素原子と結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン含む。また、剥離剤組成物は、触媒として例えば白金族金属系化合物を含む。
本発明では、重剥離フィルムの剥離剤がアリール基を備えたオルガノポリシロキサン含むことにより、高弾性率の粘着剤層や、粘着剤に微粒子を配合した粘着剤層を備えた基材レス両面粘着シートにおいて、軽・重剥離フィルムに十分な剥離力差を持たせることができる。
以下本発明について、実施形態を用いてさらに詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る基材レス両面粘着シートは、重剥離フィルム、粘着剤で形成される粘着剤層、及び軽剥離フィルムがこの順に積層されて構成されたものである。基材レス両面粘着シートにおいて、重剥離フィルムは、第1の剥離基材と、その第1の剥離基材の一方の面に形成された第1の剥離剤層とを有するとともに、軽剥離フィルムは、第2の剥離基材と、その第2の剥離基材の一方の面に形成された第2の剥離剤層とを有し、第1及び第2の剥離剤層それぞれが粘着剤層に接するように貼り合わされている。
重剥離フィルムにおいて、第1の剥離剤層は、分子の末端及び/又は側鎖に炭素数2〜10のアルケニル基を備え、かつ分子の側鎖にアリール基を備えた直鎖状のオルガノポリシロキサン((I)成分)を主剤として含む剥離剤組成物を硬化被膜したものである。(I)成分における炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられるが、ビニル基、ヘキセニル基が特に好ましい。また、アリール基としては、フェニル基、トリル基等が挙げられるが、フェニル基が好ましい。
(I)成分としては、特に限定されるわけではないが、例えば下記に示す一般式(1)で示されるものが使用される。
R1 aR2 (3-a)SiO(R2SiO)m(RR1SiO)nSiR2 (3-b)R1 b・・(1)
一般式(1)において、a、b、m及びnは整数であるとともに、0≦a≦3、0≦b≦3、m≧1、n≧0、a+b+n≧2である。R1は上述したアルケニル基である。R2は炭素数1〜12、好ましくは1〜10のアルキル基であって、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等である。Rは上述したアリール基又はR2である。硬化性及び剥離性の観点から、R2のうち80mol%以上がメチル基であることが好ましい。
第1の剥離剤層を形成する剥離剤組成物は、上記(I)成分に加えて主剤として、分子の末端及び/又は側鎖に炭素数2〜10のアルケニル基を備え、かつアリール基を有さないオルガノポリシロキサン((II)成分)を含んでいても良い。本実施形態の重剥離フィルムは、少量の(II)成分で剥離剤層の表面エネルギーが大きく変化するため、(II)成分を含むことにより、剥離力を所望の値に設定しやすくなる。なお、(II)成分における炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられるが、ビニル基、ヘキセニル基が特に好ましい。
(II)成分としては、特に限定されるわけではないが、例えば下記一般式(2)で示されるものが使用される。
R1 cR2 (3-c)SiO(R2 2SiO)k(R2R1SiO)pSiR2 (3-d)R1 d・・(2)
一般式(2)において、c、d、k及びpは整数であって、0≦c≦3、0≦d≦3、k≧1、p≧0であり、c+d+p≧2である。R1は上記したアルケニル基である。R2は炭素数1〜12、好ましくは1〜10のアルキル基であって、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等である。R2のうち80mol%以上はメチル基であることが好ましい。
第1の剥離剤層を形成する剥離剤組成物において、オルガノポリシロキサン総量100質量部に対して、(II)成分は好ましくは1〜30質量部、特に好ましくは3〜20質量部含まれる。(II)成分を少量しか添加しないと、剥離力を十分にコントロールできず、また多すぎると重剥離フィルムを十分に重剥離化できない。また、オルガノポリシロキサン総量100質量部に対して、上記(I)成分は例えば70〜100質量部、好ましくは80〜97質量部含まれる。
上記剥離剤組成物に含まれるオルガノポリシロキサン(オルガノポリシロキサンを2成分以上含む場合はそれらの混合物)中のアリール基の数は、0.5×10-3〜3×10-3mol/gであることが好ましい。アリール基の数をこのような範囲とすることにより、重剥離フィルムを適切に重剥離化でき、重剥離フィルムの剥離力を後述する範囲に設定することが可能となる。なお、本明細書において、オルガノポリシロキサン中のアリール基等の有機基の数は、1H−NMRで分析して得られるスペクトルのピーク面積から求められたものである。但し、オルガノポリシロキサン混合物におけるアリール基の数は、各成分((I)、(II)成分)それぞれについて1H−NMRでアリール基の数を求めた後、混合比から計算した値である。
上記剥離剤組成物は、付加反応により硬化される場合、主剤であるオルガノポリシロキサンに加えて、架橋剤及び触媒を含むものである。また、上記剥離剤組成物には所望により、付加反応抑制剤、密着向上剤などが加えられていても良い。さらに、剥離剤塗布後の硬化工程で、加熱に加えて紫外線照射を行う場合、光開始剤が添加されていても良い。
架橋剤としては、例えばケイ素原子に結合した水素原子(ヒドロシリル基)を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの架橋剤が使用される。架橋剤の具体例としては、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)等が挙げられる。これら架橋剤が用いられる場合、架橋剤のヒドロシリル基と、オルガノシロキサンのアルケニル基との付加反応により硬化被膜が形成される。
架橋剤は、架橋剤に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、剥離剤組成物中のアルケニル基の数に対して、好ましくは1.0〜5.0(モル比)、より好ましくは1.2〜3.0(モル比)となるように添加される。上記モル比が1.0を下回ると組成物の硬化性が悪化し、5.0を超えると得られる重剥離フィルムの剥離力が重くなりすぎる虞がある。
また、触媒としては、例えば白金族金属系化合物が使用される。白金族金属系化合物の例としては、微粒子状白金、炭素粉末担体上に吸着された微粒子状白金、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、パラジウム、ロジウム触媒等が挙げられる。触媒は、付加反応型シリコーン樹脂及び架橋剤の合計量に対し、白金系金属として1〜1000質量ppm程度添加される。
第2の剥離剤層を形成する剥離剤組成物としては、軽剥離性を示すものであれば、公知の剥離剤が制限無く使用されるが、例えば、分子の末端及び/又は側鎖に炭素数2〜10のアルケニル基を備え、かつアリール基を有さないオルガノポリシロキサンに、上記架橋剤及び触媒が加えられたものが使用される。このオルガノポリシロキサンにおける炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられるが、ビニル基、ヘキセニル基が特に好ましい。このオルガノポリシロキサンの一例としては、特に限定されるわけではないが、例えば上記成分(II)で例示した一般式(2)のオルガノポリシロキサンが使用される。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば特開2008−260813号公報に記載されるような、(a)(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、(b)側鎖に重合性不飽和基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、及び(c)エネルギー線硬化型化合物を含む粘着性樹脂形成用混合物を硬化させてなるアクリル系粘着性樹脂成分((A)成分)と、平均粒径0.1〜20μmの微粒子((B)成分)とを含み、23℃における貯蔵弾性率(G’)が、2MPa以上である粘着剤が好ましい。
このように高い貯蔵弾性率を有する粘着剤は、凝集力が高く耐久性に優れるため、熱履歴を受けても粘着剤層に微発泡が生じにくく、光学用途、特に光学機能性フィルム用に好適に使用される。上記粘着性樹脂形成用混合物には、所望により光重合開始剤、架橋剤、シランカップリング剤等を含有させることができる。上記粘着剤は、例えば、粘着性樹脂形成用混合物と、微粒子とを含む粘着剤組成物に、エネルギー線を照射して硬化させるか、あるいは架橋剤による架橋と、エネルギー線照射による硬化とを施すことにより調製されるものである。
粘着剤の23℃における貯蔵弾性率(G’)は、貼付適正を考慮すると、より好ましくは2〜20MPa、特に好ましくは3〜15MPaである。なお、貯蔵弾性率(G’)は、厚さ30μmの粘着剤の層を積層し、8mmφ×3mm厚の円柱状の試験片を作製し、ねじり剪断法により、下記の条件で測定したものである。
測定装置:レオメトリック社製動的粘弾性測定装置「DYNAMIC ANALYZER RDAII」
周波数 :1Hz
温度 :23℃
上記(B)成分として用いられる微粒子は、透過する光を拡散し、例えば、液晶表示装置において表示パネル全体を均一な明るさにするために用いられるものである。微粒子の具体例としては、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料;アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機系の透明または白色顔料等を挙げることができる。これらの中で、シリコーンビーズ、エポキシ樹脂ビーズ、ポリメチルメタクリレートビーズが、(A)成分の粘着性樹脂成分に対する分散性が優れ、均一で良好な光拡散性が得られることから好ましい。また、微粒子としては、光拡散が均一な球状の微粒子が好ましい。
該微粒子の平均粒径が0.1μm未満であると光拡散性が低下し、平均粒径が20μmを超えると、液晶表示装置等において、画像のコントラストに悪影響を与え、ギラツキが発生する。以上の点より、平均粒径は上記範囲であることが好ましいが、該微粒子の平均粒径は1〜10μmの範囲がより好ましい。なお、微粒子の平均粒径は遠心沈降光透過法で測定した値である。測定には遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所製「CAPA−700」)を用い、微粒子1.2gとイソプロピルアルコール98.8gからなる液を十分に撹拌したものを測定用試料とした。粘着剤における上記微粒子の含有量は1〜40質量%の範囲であることが好ましい。1質量%以上であると、透過した光を均一に拡散でき、また、含有量が40質量%以下であると、粘着剤の所望の粘着力が確保される。
上記第1及び第2の剥離基材としては、特に限定されるわけではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム等が使用される。
基材レス両面粘着シートの作製方法の一例は、以下の通りである。まず、第1及び第2の剥離基材それぞれの上に、溶剤で希釈された剥離剤組成物を塗布・加熱乾燥し、さらに必要に応じて紫外線照射をして、硬化した第1及び第2の剥離剤層それぞれを形成し、軽剥離フィルム及び重剥離フィルムを得る。そして、これらのうち一方の剥離フィルムの剥離剤層の上に、溶剤で希釈した粘着剤組成物を塗布・加熱乾燥した後、必要に応じてエネルギー線を照射して硬化させた粘着剤層を形成し、次いで、他方の剥離フィルムを剥離剤層が粘着剤層に接するように重ね合わせて基材レス両面粘着シートを作製する。なお、エネルギー線照射は、他方の剥離フィルムを粘着剤層の上に重ね合わせた後に行っても良い。上記剥離剤組成物及び粘着剤組成物の塗布は、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の既存の方法によって行われる。
基材レス両面粘着シートにおいて、軽剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力は、1〜100mN/25mmであることが好ましく、10〜50mN/25mmであることがさらに好ましい。重剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力は、軽剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力より高く、50〜150mN/25mmであることが好ましく、50〜100mN/25mmであることがさらに好ましい。なお、これら剥離力は、下記で詳述するように、JIS−Z0237に準拠して測定されたものである。
重剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力をX[mN/25mm]、軽剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力をY[mN/25mm]とすると、X−Y≧20の関係を満足することが好ましい。本実施形態では、第1の剥離剤層の主剤がアリール基を有する(I)成分を有することにより、第1剥離剤層の表面エネルギーを高くすることができ、粘着剤層が高弾性率である場合や微粒子を含む場合であっても、重剥離フィルムの剥離力を十分に高くすることができる。したがって、重・軽剥離フィルムの剥離力差を上記のように大きくすることが可能であるので、軽剥離フィルムを粘着剤層から剥離するときに生じる粘着剤の転着を防止できる。
本発明について、以下実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例の構成に限定されるわけではない。
[実施例1]
まず第1の剥離基材としての厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に、下記配合1の剥離剤組成物を、乾燥後の塗布量が0.09g/mとなるようにマイヤーバーを用いて塗布し、130℃で30秒間加熱して硬化させた第1の剥離剤層を形成し、重剥離フィルムを得た。次に、第2の剥離基材としての厚さ38μmのPETフィルムの上に、下記配合2の剥離剤組成物を、乾燥後の塗布量が0.09g/mとなるようにマイヤーバーを用いて塗布し、130℃で30秒間加熱して硬化させた第2の剥離剤層を形成し、軽剥離フィルムを得た。その後、重剥離フィルムの第1の剥離剤層の上に、下記配合3の粘着剤組成物を、乾燥後の塗布厚さが15μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し、90℃で60秒間加熱乾燥後、下記条件で紫外線照射し、硬化した粘着剤層を形成した。粘着剤層を形成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率(G’)は9.75MPaであった。次いで、粘着剤層が形成された重剥離フィルムの上に、粘着剤層に第2の剥離剤層が接するように、軽剥離フィルムを重ねあわせて基材レス両面粘着シートを得た。
〈紫外線照射条件〉
紫外線照射装置(アイグラフィクス社製「ECS−401GX、高圧水銀ランプ(H04−L41)」)を使用し、照度210mW/cm、光量150mJ/cmであった。UV照度・光量計としては、アイグラフィックス社製「UVPF−36」を使用した。
[配合1]
ビニル基が7.36×10-5mol/gであり、フェニル基が1.27×10-3mol/gである分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン−メチルフェニルポリシロキサン共重合体((I)成分)95質量部と、ビニル基が1.40×10-4mol/gである分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン((II)成分)5質量部とを混合して、フェニル基含有量が1.21×10-3mol/gであるオルガノポリシロキサン混合物を得た。このオルガノポリシロキサン混合物に、架橋剤として分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンを、ヒドロシリル基数/ビニル基数=1.6となるように添加し混合した。この架橋剤が加えられた混合物に白金換算で、混合物合計に対して100質量ppmとなるように白金錯体を混合し、次いでトルエンで希釈して濃度2質量%の剥離剤組成物を得た。
[配合2]
ビニル基が1.40×10-4mol/gである分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンと、分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとを、ヒドロシリル基数/ビニル基数=1.6となるように混合した。次に、この混合物に白金換算で混合物合計に対して100質量ppmとなるように白金錯体を混合し、さらにトルエンで希釈して濃度2質量%の剥離剤組成物を得た。
[配合3]
アクリル系共重合体((a)成分)100質量部と、重合性アクリル系共重合体((b)成分)1質量部と、エネルギー線硬化型化合物((c)成分)30質量部と、光重合開始剤3.0質量部と、架橋剤0.3質量部と、シランカップリング剤0.2質量部との混合物に、シリコーンビーズ((B)成分)を、粘着剤全体に対して4.7質量%となるように添加し、さらに酢酸エチル溶液で希釈して濃度14質量%の粘着剤組成物を得た。
なお、配合3における上記各成分としては以下のものを使用した。
(a)成分:アクリル酸n−ブチル及びアクリル酸を、質量比95:5の割合で用い、常法に従って重合してなる、GPC法による重量平均分子量180万の共重合体
(b)成分:アクリル酸n−ブチル50質量部、メタクリル酸メチル20質量部及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル30質量部を常法に従って重合してなる、GPC法による重量平均分子量60万のアクリル系共重合体100質量部に、メタクリロイルオキシエチルイソシアナート27質量部を加え、反応させて得られたもの、GPC法による重量平均分子量60万
(c)成分:トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(多官能アクリレート系モノマー)、東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」
光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア500」
架橋剤:日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」
シランカップリング剤:信越化学工業社製、商品名「KBM−403」
(B)成分:真球状シリコーン微粒子(GE東芝シリコーン社製「トスパール145」、平均粒径4.5μm)
[実施例2]
配合1において、(I)成分を90質量部とし、(II)成分を10質量部とし、オルガノポリシロキサン混合物中のフェニル基含有量を1.14×10-3mol/gとした以外は、実施例1と同様にして基材レス両面粘着シートを作製した。
[比較例1]
第1の剥離剤層を形成するための剥離剤組成物として、配合1に代えて上記配合2の剥離剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして基材レス両面粘着シートを作製した。
[比較例2]
第1の剥離剤層を形成するための剥離剤組成物として、配合1に代えて下記配合4の剥離剤組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして基材レス両面粘着シートを作製した。
[配合4]
ビニル基が1.40×10-4mol/gである分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン50質量部と、ビニル基を備えたMQレジン50質量部とを混合し、次いで分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンを、ヒドロシリル基数/ビニル基数=1.6となるように添加した。次に、この混合物に白金換算でこの混合物の合計に対して100質量ppmとなるように白金錯体を混合し、さらにトルエンで希釈して濃度2質量%の剥離剤組成物を得た。
各実施例及び比較例で得られた基材レス両面粘着シートについて以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
(1)剥離力
JIS−Z0237に準拠して引張試験機を用いて、重剥離フィルム及び軽剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力を下記方法により測定した。
[重剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力X]
基材レス両面粘着シートから軽剥離フイルムを剥離して露出した粘着剤層に、厚さ50μmのPETフィルム(東レ社製、「ルミラーT60」)をラミネートした後、幅25mm、長さ200mmに裁断して試験片を作製した。試験片の重剥離フィルム側を金属板に両面粘着テープで固定し、上記PETフィルム及び粘着剤層を剥離速度300mm/分で180°方向に引っ張ることにより、重剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力Xを測定した。
[軽剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力Y]
基材レス両面粘着シートを幅25mm、長さ200mmに裁断して試験片を作製した。試験片の重剥離フィルム側を金属板に両面粘着テープで固定し、軽剥離フィルムを剥離速度300mm/分で180°方向に引っ張ることにより、軽剥離フィルムの粘着剤層に対する剥離力Yを測定した。
(2)転着検証
基材レス両面粘着シートの幅500mm長さ12mのロールから、軽剥離フィルムを剥離速度10m/分、剥離角度90°の条件で10m剥離したとき、軽剥離フィルムへの粘着剤の転着の有無を目視にて確認し、以下の評価基準で判定した。
○:軽剥離フィルムへの転着無し
×:軽剥離フィルムへの転着発生
Figure 0005318589

Claims (6)

  1. 重剥離フィルム、粘着剤層、及び軽剥離フィルムがこの順に積層される基材レス両面粘着シートにおいて、
    前記重剥離フィルムが第1の剥離基材と、前記第1の剥離基材の一方の面に形成された第1の剥離剤層とを有し、
    前記軽剥離フィルムが第2の剥離基材と、前記第2の剥離基材の一方の面に形成された第2の剥離剤層とを有し、
    前記第1及び第2の剥離剤層それぞれが前記粘着剤層に接するように貼合されており、
    前記第1の剥離剤層が、分子の末端及び/又は側鎖に炭素数2〜10のアルケニル基を備え、かつ分子の側鎖にアリール基を備えた直鎖状の第1のオルガノポリシロキサンを含む剥離剤組成物を硬化被膜したものであり、
    前記粘着剤層を形成する粘着剤の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、2MPa以上であり、
    前記重剥離フィルムの前記粘着剤層に対する剥離力をX[mN/25mm]、前記軽剥離フィルムの前記粘着剤層に対する剥離力をY[mN/25mm]とすると、Xが50〜100及びX−Y≧20の関係を満足することを特徴とする基材レス両面粘着シート。
  2. 前記剥離剤組成物に含まれるオルガノポリシロキサン中のアリール基の数は、0.5×10 -3 〜3×10 -3 mol/gであることを特徴とする請求項1に記載の基材レス両面粘着シート。
  3. 前記粘着剤層が、平均粒径0.1〜20μmの微粒子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の基材レス両面粘着シート。
  4. 前記剥離剤組成物はさらに、分子の末端及び/又は側鎖に炭素数2〜10のアルケニル基を備え、かつアリール基を有さない第2のオルガノポリシロキサンを含み、
    前記剥離剤組成物において、オルガノポリシロキサン総量100質量部に対して、前記第1のオルガノポリシロキサンは80〜97質量部含まれ、前記第2のオルガノポリシロキサンは3〜20質量部含まれることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の基材レス両面粘着シート。
  5. 前記剥離剤組成物が、架橋剤としてケイ素原子と結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンみ、
    前記架橋剤は、前記架橋剤に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、前記剥離剤組成物中のアルケニル基の数に対して1.0〜5.0(モル比)であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の基材レス両面粘着シート。
  6. 前記剥離剤組成物が、触媒として白金族金属系化合物を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の基材レス両面粘着シート。
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