続いて、本発明の一実施形態にかかる遊技機1並びに、基板ケースCについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、遊技機1を示す正面図である。図2は、遊技機1の内部構造を示す正面図である。図3(a)は、遊技機1において採用されている制御装置10を示す斜視図であり、同3(b)は、制御装置10において基板ケースCを封止するのに用いられている連結体85や連結体85〜87の外観を示す斜視図である。また、図4は、図3に示す制御装置10の分解斜視図である。図5は、ケースCを構成する本体15の受け構成部20近傍の構造を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA方向矢視図、(c)は(b)のB−B断面図、(d)は(b)のC−C断面図、(e)は(d)に図示する爪が受け構成部の外側に突出した状態を示す断面図である。図6は、ケースCを構成するカバー16の受け構成部50近傍の構造を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA方向矢視図、(c)は(b)のB−B断面図である。図7(a)は、連結片75を示す斜視図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。図8(a)は、ケース本体の断面図であり、図8(b)は(a)のA部拡大図である。図9は、制御装置10および台座Sの構成を示す正面図である。図10は、制御装置10をケース固定台座Sに固定した状態を示す断面図である。
図1に示すように、遊技機1は、いわゆるスロットマシンである。図2に示すように、遊技機1は、筐体2aと、これに対して開閉自在に取り付けられた前面扉2bとを有する。筐体2aの内部には、本実施形態の遊技機1の特徴的構成である基板ケースCを備えた制御装置10や、回胴3、メダル払出装置4に加え、各種センサ類やスイッチ類等、様々な機器類が収容されている。
一方、図1に示すように、前面扉2bの表面側(外側)、すなわち使用状態において遊技者側に向く面には、メダル投入口5aやメダル払出口5bに加え、遊技機1の操作用のボタン類が設けられている。具体的には、回胴3を停止させるためのストップボタン6aやメダル返却ボタン6bをはじめとする様々なボタン類や、回胴3の回転始動用のスタートレバー6c等が設けられている。さらに、前面扉2bの表面側には、演出用ランプ7aや画像表示部7b、回胴3を視認可能とするための表示窓7c、放音部7dといったような遊技機1の動作状態を表したり装飾を施すためのものや、受け皿8a、灰皿8bといったような付随的な構成物等が設けられている。
上記した制御装置10は、遊技機1の動作を司るものである。図3や図4に示すように、制御装置10は、ケース本体11と連結片75とを備えた基板ケースCを有する。制御装置10は、ケースCの内部に従来公知のCPUやROMをはじめとする電子部品類を実装した基板12や裏板13が収容されたものである。制御装置10は、ケース本体11を連結片75等を用いて封止し、内部に収容されている基板12やこれに実装されている電子部品類を外部から触れることができない状態とした上で、図2に示すように筐体2aの上方側に取り付けられた台座Sに固定されている。
制御装置10において採用されている基板ケースCを構成するケース本体11についてさらに詳細に説明すると、図3や図4に示すように、ケース本体11は、正面視がほぼ矩形で扁平な形状とされている。ケース本体11は、いわゆるインロー式の箱によって主要部が構成されている。具体的には、ケース本体11は、本体15(ケース構成体)とカバー16(ケース構成体)とが対をなして形成されるものであり、両者を組み合わせて構成されている。図8や図9に示すように、本体15およびカバー16は、その長手方向一端側に設けられたヒンジ部14において連結されている。そのため、ケース本体11は、ヒンジ部14を支点として本体15およびカバー16を近接離反させ、開閉することができる。
図4に示すように、本体15は、開口領域の形状がほぼ矩形でトレー状の部材であり、収容部17を中心として構成されている。収容部17は、基板12や裏板13を収容可能な程度の大きさとされている。本体15は、収容部17の長手方向一端側の側面17aに対して隣接する位置に複数(本実施形態では4つ)の受け構成部20を有する。また、収容部17の長手方向他端側の側面17bにヒンジ部14を構成するヒンジ構成体14aを有する。さらに、本体15は、側面17a,17bに対してほぼ垂直な側面17c,17dに、係合部19,19を有する。係合部19,19は、正面視がほぼ「コ」字型に屈曲した形状とされており、収容部17の開口端よりも上方、すなわち収容部17の底面から離れる方向に突出している。
図4や図5に示すように、受け構成部20は、開口形状が矩形で枡状の部分であり、接続部18を介して収容部17に接続されている。受け構成部20は、4面の内周面21〜24と底面25とで囲まれた空間を有する。内周面21〜24のうち、収容部17の側面17aと平行な内周面21,24に対してほぼ垂直な内周面22,23には、溝26,27が設けられている。図5(a),(b)に示すように、溝26,27は、それぞれ内周面22,23のほぼ中央において、受け構成部20の高さ方向、すなわち開口端側から底面25側に向かう方向に伸びている。図5(c)に示すように、溝26,27において受け構成部20の開口端側に近い位置に不連続部分があり、この不連続部分によって段部30,31が形成されている。また、受け構成部20は、収容部17の側面17aに対して平行な外周面32,33と、これらに対してほぼ垂直な外周面35、36を有する。
図5(b)に示すように、外周面32,33には、受け構成部20の外側に向けて突出した爪37,38が設けられている。爪37は、上述の側面17aに対向している外周面32に設けられたものであり、弾性を有し、常時は外周面32から外側に向けて突出している。そして、爪37に対して受け構成部20の外側から内側に向かう方向に押圧力を付与すると受け構成部20内に向けて没入した状態になる。この状態において爪37に作用している押圧力を解除すると、爪37は、受け構成部20の外側に向けて突出した状態に戻る。
一方、爪38は、上述の外周面33側に設けられている。爪38は、爪37と同様に弾性を有している。爪38は、常時は図5(d)に示すように外周面33を境として外側には突出しておらず、内周面24よりも受け構成部20の内側に向けて突出している。一方、爪38は、受け構成部20の内側から外側に向けて押圧されると、図5(e)のように外周面33を境として受け構成部20の外側に向けて突出した状態になる。
爪38の構造についてさらに詳しく説明すると、爪38は、当接部38aと、突出部38bとを有している。爪38は、受け構成部20の底面側(図示状態において下端側)にある固定端38cを支点として受け構成部20に対して片持ち状に支持されている。また、爪38は、固定端38cとは反対側の部分が自由端38dとされている。また、当接部38aに対して受け構成部20の内側から外側に向かう方向に押圧力が作用すると、爪38は、この押圧力の影響を受けて固定端38cを支点として外側に向けて撓み、やがて図5(e)のように突出部38bが受け構成部20の外側に向けて突出した状態になる。
図3や図4、図9に示すように、受け構成部20は、収容部17の側面17aに沿って4つ並べて設けられており、それぞれ大きさが相違している。受け構成部20のうち、最も小さなもの(以下、受け構成部20aとも称す)の開口領域の大きさは、後に詳述する連結片75の断面積の大きさとほぼ合致する。また、受け構成部20aよりも一回り大きな受け構成部20(以下、受け構成部20bとも称す)の内部空間の大きさ、すなわち開口領域の大きさや深さは、受け構成部20aの大きさとほぼ同一とされている。
同様に、受け構成部20bに対して隣接する位置に設けられた受け構成部20(以下、受け構成部20cとも称す)は、受け構成部20bよりも一回り大きく、残りの受け構成部20(以下、受け構成部20dとも称す)は、受け構成部20cよりも一回り大きい。そして、受け構成部20cの内部空間の大きさは、受け構成部20bや後に詳述するカバー16側の受け構成部50bの大きさとほぼ同等とされており、受け構成部20dの内部空間の大きさは、受け構成部20cや受け構成部50cの大きさとほぼ同等とされている。
一方、図3や図4に示すように、カバー16は、基板12や裏板13が取り付けられた本体15に対して被さるように取り付けられるトレー状の部材であり、覆蓋部40を中心として構成されている。また、カバー16は、上記した本体15と同様に、覆蓋部40の長手方向一端側の側面40aに対して隣接する位置に複数(本実施形態では4つ)の受け構成部50を有する。また、覆蓋部40の長手方向他端側の側面40bにはヒンジ構成体14bが設けられている。ヒンジ構成体14bは、本体15側に設けられたヒンジ構成体14aと組み合わさってヒンジ部14を構成するものである。
図4や図9に示すように、カバー16は、側面40a,40bに対してほぼ垂直な側面40c,40dを有し、これらに係合爪41,41や係合爪43,43が設けられている。係合爪41,41は、本体15に設けられた係合部19,19と係合するものである。係合爪43,43は、基板ケースCを後に詳述する台座S(図9参照)に固定する際に台座Sに設けられた側方係合部材91と係合するものである。
覆蓋部40は、上記した側面40a〜40dによって周囲が囲まれた部分である。また、図8に示すように、覆蓋部40は、本体15およびカバー16を重ね合わせた状態において、上記した収容部17に被さり、収容部17と組み合わさって内側に基板収容空間42を形成する部分である。図4や図8に示すように、覆蓋部40は、その長手方向一端側に1つのコネクタ取出口45を有し、他端側に3つのコネクタ取出口46〜48を有する。コネクタ取出口45〜48は、それぞれ基板12に複数設けられているコネクタ12aをケース本体11の外側に露出させるためのものである。
受け構成部50は、上記した本体15側に設けられた受け構成部20と大部分が同様の構成とされている。具体的には、図6(a),(b)に示すように、受け構成部50は、開口形状が矩形で枡状の形状とされており、接続部51を介して覆蓋部40の側面40aに接続されている。受け構成部50は、側面40aに対して平行な内周面52,53と、これに対してほぼ垂直な内周面54,55、並びに、天面56で囲まれた空間を有する。内周面52,53のほぼ中央には、受け構成部50の高さ方向に向けて伸びる溝60,61が設けられている。
図6(c)に示すように、溝60,61は、上記した受け構成部20側の溝26,27と同様に受け構成部50の開口端に近い位置に不連続部分があり、この不連続部分によって段部62,63が形成されている。また、受け構成部50は、側面40aに対して平行な外周面65,66と、これに対してほぼ垂直な外周面67,68とを有する。外周面66には外側に向けて突出した爪69が設けられており、外周面67,68には外側に向けて突出した爪70,71が設けられている。爪69,70,71は、上記した受け構成部20に設けられていた爪37と同様に弾性を有し、常時は外側に向けて突出した状態になっている。すなわち、爪69,70,71は、外周面66,67,68から離反する方向に突出した状態になっている。一方、爪69,70,71は、外周面66,67,68に対してほぼ垂直であり、受け構成部50の内側に向かう方向に押圧力を付与すると外周面67,68側に向けて撓み、受け構成部50の内側に向けて退入した状態になる。すなわち、爪69,70,71は、押圧力の付与したり解除したりすることにより外周面66,67,68から出没可能とされている。
受け構成部50は、上記した本体15に設けられた各受け構成部20に対応して設けられており、その大きさがそれぞれ異なる。具体的には、受け構成部50は、覆蓋部40の側面40aに沿って4つ並べて設けられている。各受け構成部50は、本体15およびカバー16を重ね合わせた際に、開口端が本体15側に設けられた各受け構成部20の開口端と付き合わせた状態となるように位置合わせして設けられている。また、各受け構成部50の開口領域の大きさは、本体15およびカバー16を重ね合わせた際に突き合わせ状態になる各受け構成部20のものとほぼ同一とされている。さらに具体的に説明すると、4つ設けられている受け構成部50のうち最も小さなもの(以下、受け構成部50aとも称す)は、受け構成部20aに対応して設けられたものである。受け構成部50aの開口領域の大きさは、後に詳述する連結片75の断面積の大きさとほぼ合致する。
受け構成部50aに対して隣接する位置に設けられた受け構成部50(以下、受け構成部50bとも称す)は、受け構成部50aよりも一回り大きい。受け構成部50bの内部空間の大きさ、すなわち受け構成部50bの深さや開口領域の大きさは、受け構成部50aや受け構成部20aの大きさとほぼ同一とされている。同様に、受け構成部50bに対して隣接する位置に設けられた受け構成部50(以下、受け構成部50cとも称す)は、受け構成部50bよりも一回り大きく、内部空間の大きさが受け構成部50bや受け構成部20bの外形の大きさとほぼ同等とされている。残りの受け構成部50(以下、受け構成部50dとも称す)は、受け構成部50cよりもさらに一回り大きく、その内部空間の大きさは、受け構成部50cや受け構成部20cの大きさとほぼ同等とされている。
上記したケース本体11を閉じた状態、すなわち本体15およびカバー16の開口端同士が突き合わさった状態になると、図8に示すように本体15側の収容部17と、カバー16側の覆蓋部40とが組み合わさって基板収容空間42が形成される。また、図3や図9に示すように、基板収容空間42内に収容されている基板12に固定されているコネクタ12aが、それぞれ覆蓋部40側に設けられた各コネクタ取出口45〜48から外部に露出した状態になる。一方、図3や図8に示すように、ケース本体11を閉じた状態とすると、本体15側の各受け構成部20a〜20dの開口端と、カバー16側の各受け構成部50a〜50dの開口端とが突き合わさった状態になり、内部にほぼ直方体状の空間を有する受け部80が形成される。
続いて、上記した基板ケースCを構成するケース本体11の封止方法および開封方法について説明する。ケース本体11を構成する本体15およびカバー16のそれぞれに、受け構成部20a〜20dおよび受け構成部50a〜50dが全て残っている状態(以下、第1開封状態とも言う)では、図7に示す連結片75を用い、これと受け構成部20a,50aとを係合させることでケース本体11を封止することができる。
ここで、連結片75についてさらに詳細に説明すると、図7に示すように、連結片75は、4面の外周面75a〜75dを有し、断面形状が略矩形で棒状の部材である。連結片75は、その一端側(図示状態で上端側)であって外周面75aおよびこれとは反対側にある外周面75cのほぼ中央の位置にそれぞれ爪76,77が設けられている。また、連結片75において爪76,77が設けられているのとは逆側の端部(図示状態では下端側)であって、外周面75bおよびこれとは反対側にある外周面75d、並びに、外周面75cのほぼ中央の位置には爪78,79,74が設けられている。また、連結片75の断面積は、受け構成部20a,50aの開口面積とほぼ同一である。そのため、第1開封状態において、爪76,77の設けられた側の端部を先頭にして連結片75をカバー16の受け構成部50a内に差し込むと、爪76,77が溝60,61に設けられた段部62,63を乗り越え、爪76,77と段部62,63とが係合した状態になる。これにより、連結片75が受け構成部50aに嵌り込み、抜けない状態になる。
一方、連結片75の爪78,79,74が設けられた側の端部は、爪74が設けられた外周面75cが受け構成部20aの内周面24側を向く姿勢として本体15側に設けられた受け構成部20a内に差し込まれる。この際、爪78,79は、それぞれ受け構成部20a内に形成された溝26,27内に沿って摺動し、爪74は、受け構成部20aの内周面24に沿って摺動する。爪78,79が段部30,31が設けられた位置に差し掛かると、爪78,79に押圧力が作用し、爪78,79が撓み、連結片75の外周面75b,75d側にへこんだ状態になる。この状態からさらに連結片78,79が受け構成部20a内に押し込まれると、やがて爪78,79が段部30,31を乗り越える。
爪78,79が段部30,31を越えるまで連結片75が押し込まれると、爪78,79に作用していた押圧力が解除され、爪78,79が弾性力によって連結片75の外側に向けて突出した状態に戻る。これにより、爪78,79が段部30,31に係合した状態になり、当該部位に連結構造が形成される。この結果、連結片75が受け構成部20aに嵌り込んで抜けない状態になる。このようにして連結片75が受け構成部20a,50aの組み合わせによって構成される受け部80aと係合した状態になると、受け構成部20a,50aの間に介在している連結片75によって本体15およびカバー16が互いに離反不可能な状態になり、ケース本体11が封止された状態(以下、第1封止状態とも言う)になる。
また、上述のようにして連結片75を受け構成部20a内に差し込むと、やがて連結片75に設けられた爪74が、受け構成部20aの外周面33に設けられた爪38の当接部38aに当たる。その後、さらに連結片75を受け構成部20aの底面25側に向けて押し込まれると、当接部38aの傾斜に沿って爪74が底面25側に摺動する。これにより、爪74から当接部38aに対して押圧力が作用する。爪38は、この押圧力の影響を受け、固定端38cを支点として受け構成部20aの外側に向けて撓む。これにより、爪38の突出部38bが受け構成部20aの外周面33から外側に向けて突出した状態になる。
上記したようにしてケース本体11が第1封止状態とされると、制御装置10は、筐体2aの上方側に設けられた台座Sに固定される。ここで、図9に示すように、台座Sは、正面視が略矩形で、ケース本体11よりもやや大きい程度の台座である。台座Sの長手方向一端側には、正面視が略「コ」字型の受け部係合部材90が設けられている。受け部係合部材90は、ケース本体11に設けられた受け部80a〜80dに対応して4つ(以下、それぞれを受け部係合部材90a〜90dとも称す)設けられている。また、台座Sには、2つの側方係合部材91が設けられている。受け部係合部材90a〜90dは、それぞれ制御装置10を台座Sに設置した場合にケース本体11の受け部80a〜80dが到来する位置に設けられている。側方係合部材91,91は、ケース本体11を構成するカバー16の側面40c,40dに設けられた係合爪43,43が到来する位置に設けられている。
受け部係合部材90a〜90dは、それぞれ台座Sに対してほぼ垂直に立ち上がっている。受け部係合部材90a〜90dは、受け部80a〜80dにあわせてそれぞれ大きさが相違しており、受け部80a〜80dの位置関係に対応して一列に並べて設けられている。また、各受け部係合部材90a〜90dには、係合凹部93(被係合部)が設けられている。
一方、図9や図10に示すように、台座Sの長手方向他端側には、嵌込口92が設けられている。嵌込口92は、ケース本体11の幅(短手方向の長さ)と同程度の開口幅を有しており、ケース本体11のヒンジ14が設けられた側の端部を差し込み可能とされている。
図10に示すように、制御装置10は、基板ケースCを構成するケース本体11の本体15側の面が台座S側を向く姿勢とし、各受け部係合部材90a〜90dに受け部80a〜80dが沿う姿勢とした上で、嵌込口92にケース本体11のヒンジ14側の端部を嵌め込むことで台座Sに設置される。これにより、ケース本体11のヒンジ14側の端部が嵌込口92にほぼ隙間なく嵌め込まれ、ケース本体11が支持された状態になる。その一方で、上述のように、第1封止状態においては、受け部80a〜80dのうち、連結構造を形成している受け部80aにおいては、外周面33から外側に向けて爪38の突出部38bが突出している。そのため、基板ケースCの固定に際して各受け部80a〜80dを台座Sに設けられた各受け部係合部材90a〜90dに沿って押し込むと、受け部80aから突出した爪38の突出部38bが受け部係合部材90aに設けられた係合凹部93に係合する。また、受け部80aを除く受け部80b〜80dについては、受け部80aとは異なり、爪38が突出していない。そのため、基板ケースCの固定に際して、受け部80b〜80dについては、受け部係合部材90b〜90dによってガイドされ、所定の位置に至る。さらに、ケース本体11の側面40c,40dにある係合爪43,43は、それぞれ台座Sの側方係合部材91,91と係合する。これにより、制御装置10の基板ケースCは、台座Sに対して位置決めされ、固定された状態になる。
上記したようにして台座Sに固定された後、制御装置10のメンテナンス等を行う場合は、基板ケースCを台座Sから取り外して実施される。第1封止状態にある基板ケースCを取り外す際は、内部に連結構造が形成されている受け部80aに相当する部分がケース本体11から切断される。これにより、受け部80aに相当する位置における基板ケースCと台座Sとの係合が解除される。詳細には上述するように基板ケースCと台座Sとの連結状態は、嵌込口92にケース本体11のヒンジ14側の端部を嵌め込まれていることと、受け部80b〜80dを受け部係合部材90b〜90dにガイドされていることだけで構成されている。すなわち、単に位置決めされているだけの状態になる。従って、受け部80aを1つ切断するだけで基板ケースCを台座Sから取り外すことができる。また、受け部80aを切断すると、他の受け部80a〜80dは単に受け構成部20b〜20dと受け構成部50b〜50dとが突き合わされた状態にあるに過ぎないためケース本体11が開封可能となる。従って、受け部80aを1つ切断するだけでケース本体11を開封することができることとなる。以上を換言すれば、連結構造が形成されている1つの受け部80a〜80dを切断するだけ基板ケースCと台座Sとの取り外しも基板ケースC自体の開封も同時に行うことが可能となる。さらに、開封のために受け部80aに相当する部分を切断すると、図3(b)に示すような連結体85が形成される。さらに詳細に説明すると、受け部80aを構成する受け構成部20a,50aは、それぞれ接続部18,51を介して本体15およびカバー16の主要部をなす収容部17や覆蓋部40と繋がっている。そのため、受け構成部20a,50aを繋いでいる接続部18,51を切断することにより、受け部80aに相当する部分がケース本体11から独立した状態になる。これにより、連結体85が形成される。
ここで、第1封止状態では、受け部80aにおいて連結構造が形成されており、これによりケース本体11が封止されている。しかし、残りの受け部80(以下、受け部80b〜80dとも称す)では連結構造が形成されておらず、単に受け構成部20b〜20dと受け構成部50b〜50dとが突き合わされた状態にあるに過ぎない。そのため、受け部80aを切断すると、ケース本体11を開封可能な状態(以下、第2開封状態とも言う)になる。
上記したようにして形成された連結体85は、連結片75を一回り大きくしたような形状とされており、第2開封状態にあるケース本体11を封止するための部材として活用することができる。具体的には、連結体85は、連結片75を芯として、この周囲に受け構成部20a,50aに相当するものが係合した状態になっている。そのため、連結体85は、受け構成部20a,50aの分だけ連結片75よりも外形が大きく、受け部80bの内部にほぼぴったりと納まる大きさとなっている。また、連結体85は、受け構成部20aに相当する部分に爪37,38を有し、受け構成部50aに相当する部分に爪69,70,71を有する。爪37,38や、爪69,70,71の位置関係は、それぞれ連結体85の内部に包含されている連結片75の爪74,76〜79の位置関係と同様とされている。そのため、連結片75を受け部80aに嵌め込み、係合させることができたのと同様に、連結体85は、第2開封状態においてケース本体11側に残っている受け部80b内に嵌め込んで係合させることができる。
そこで、第2開封状態においてケース本体11を封止する場合は、第1開封状態とする際に形成された連結体85をケース本体11側に残っているうちで最も小さい受け部80b内に嵌め込む。この際、連結体85の外殻を構成している受け構成部20a側の部分が受け部80bを構成する受け構成部50b内に嵌め込まれ、連結体85の外殻を構成している受け構成部50a側の部分が受け構成部20b内に嵌め込まれる。連結体85の一端側(受け構成部20a側)にある爪37,38が受け構成部50b内に形成されている段部62,63を乗り越え、連結体85の他端側(受け構成部50a側)にある爪70,71が受け構成部20b内に形成されている段部30,31を乗り越えるまで連結体85が差し込まれると、連結体85が受け構成部20b,50bと係合し、受け部80bの内側に連結構造が形成される。また、ケース本体11を再封止するために連結体85を受け部80bに嵌め込むと、連結体85に設けられた爪69により受け構成部20bに設けられた爪38が外側に向けて押し出され、突出した状態になる。これにより、ケース本体11が受け部80bにおいて封止された状態(以下、第2封止状態とも言う)になる。
ここで、上記したようにしてケース本体11を第2封止状態とした場合は、受け部80bにおいてのみ爪38が外側に突出しており、切断されずに残存している他の受け部80c,80dにおいて爪38は突出していない。また、第2封止状態においては、受け部80aが切断されているため、先の第1封止状態においてケース本体11の固定用として利用されていた受け部80aやこれに形成されていた爪38についても存在していない。そのため、第2封止状態では、受け部80bのみにおいて爪38が外側に向けて突出している。そのため、上述の第1封止状態におけるのと同様にして制御装置10の基板ケースCを台座Sに固定すると、受け部80bから突出した爪38が受け部係合部材90bに設けられた係合凹部93に係合する。一方、ケース本体11から切断されずに残っている他の受け部80c,80dについては、爪38が突出していないため、基板ケースCの固定に際して受け部係合部材90c,90dによってガイドされ、所定の位置に至る。また、ケース本体11に設けられた係合爪43,43は、台座Sに設けられた側方係合部材91,91と係合する。これにより、制御装置10の基板ケースCは、台座Sに対して位置決めされ、固定された状態になる。
ケース本体11は、第2封止状態としたケース本体11を台座Sに固定した後も、上述したのと同様の手法により順次ケース本体11の開封、封止や、台座Sに対する脱着を行うことができる。具体的には、第2封止状態にあるケース本体11は、連結構造が形成されている受け部80bを切断することで開封された状態(以下、第3開封状態とも言う)とすることができる。また、第3開封状態とする際に切断された受け部80b(以下、連結体86とも称す)は、上記した連結体85よりも一回り大きく、連結片75や連結体85と同様の位置関係で爪37,38や爪69〜71が外側に向けて突出している。そのため、連結体86を、第3開封状態においてケース本体11に残存している受け部80c内に嵌め込んで係合させることでケース本体11を封止可能である。また、このようにしてケース本体11を封止した状態(以下、第3封止状態とも言う)とすると、受け部80cの爪38が外側に突出した状態になる。そのため、第3封止状態では、受け部80cの爪38を、受け部係合部材90cに設けられた係合凹部93に係合させ、ケース部材Cを位置決め固定することができる。
また同様に、第3封止状態にあるケース本体11は、受け部80cを切断することで開封された状態(以下、第4開封状態とも言う)とすることができる。そして、第4開封状態とする際に切断された受け部80cに相当する部分は、次にケース本体11を封止する際にケース本体11に残存している受け部80dに嵌め込んで係合させるための連結体87として活用することができる。また、連結体87を受け部80dに嵌め込んでケース本体11を封止した状態(以下、第4封止状態とも言う)では、連結体87の爪69により、受け部80dに設けられた爪38が内側から外側に向けて押し出される。この爪38は、第4封止状態にあるケース部材Cを台座Sに固定する際に受け部80dに対応して設けられた受け部係合部材90の係合凹部93に係合する。第4開封状態とされたケース部材Cは、台座Sから取り外して受け部80dに相当する部分を切断することによりケース本体11が開封された状態(以下、第5開封状態とも言う)とすることができる。
上述のように、本実施形態で示した基板ケースCは、第1〜第4封止状態のそれぞれで、受け部80a〜80dのうち連結構造が形成されているものにおいて爪38が突出している。そのため、台座Sに基板ケースCを固定すると、受け部80a〜80dのそれぞれに設けられた爪38のうち、外側に向けて突出した爪38を受け部係合部材90の係合凹部93に係合させるだけで基板ケースCを台座Sにしっかりと固定できる。そのため、基板ケースCは、従来技術のもののようにネジ止め等する場合よりも、台座Sに対する取り付け作業性が高い。
上記した基板ケースCは、ケース本体11の封止のために連結構造を形成することによって係合可能となった爪38を、基板ケースCを台座Sに固定するために有効利用することができ、台座Sへの固定のために別途ネジ等の部品等を用意しなくてもよい。そのため、上記した基板ケースCを採用すれば、遊技機1の部品点数を最小限に抑制し、その分だけ遊技機1の製造コストを抑制することができる。
また、上述したように、遊技機1で採用されている基板ケースCでは、受け部80a〜80dに対して連結片75や連結体85〜87を連結させ、ケース本体11を封止状態とすることによって爪38が受け部80a〜80dの外側に突出し、台座Sの受け部係合部材90a〜90dと係合可能な状態になる。そのため、遊技機1では、ケース本体11が封止されていない状態では、爪38が受け部80a〜80dの外側に突出しておらず、台座Sの受け部係合部材90a〜90dに係合することができない。そのため、遊技機1では、ケース本体11を封止してはじめて基板ケースCを台座Sに正常に固定可能となる。従って、遊技機1では、ケース本体11が封止されていない状態のまま設置されるのを防止できる。
また、上記したように、本実施形態で採用されている基板ケースCのケース本体11は、第1〜第4封止状態においてケース本体11に残っている受け部80a〜80dのうち、内部で連結構造が形成されているものを切断するとケース本体11が第2〜第5開封状態になり、内部に収容されている基板12のメンテナンス等を行うことが可能になる。また、第2〜4開封状態とする際にケース本体から切断された受け部80a〜80cについては、特に分解等しなくてもそのまま次にケース本体11を封止するための連結体85〜87として活用することができる。
言い換えれば、ケース本体11に複数(本実施形態では4個)の受け部80が設けられており、ケース本体11に切断されずに残存しているn個の受け部80のうち、内部において連結片75や連結体85〜87と連結構造を形成しているものを切断することにより、切断した受け部80の数mだけケース本体11に残存している受け部80の数が減ると共に、ケース本体11が開封可能な状態になる。また、ケース本体11の開封のために受け部80を切断することにより、新たに連結体85〜87のいずれかを形成することができる。そして、このようにして新たに形成された連結体85〜87をケース本体11に残存しているn個の受け部80のうちの対応するものと係合させることにより、ケース本体11を再び封止することができる。そのため、制御装置10の基板ケースCは、ケース本体11の開封作業や封止作業を容易かつスムーズに行うことができる。なお、上記実施形態では、受け部80を4つ設けたものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、受け部80は複数設けられていればよい。
また、上記したように、基板ケースCは、ケース本体11の開封に伴って形成された連結体85〜87やこれに含まれている連結片75をそのまま次の封止作業に用いるため、一部の部材を破棄したり、分解、回収等する必要がない。そのため、基板ケースCは、ユーザーが制御装置10のメンテナンス等を行う際にケース本体11から切断して形成された連結体85〜87の要否を判断したり、連結体85〜87の分解や回収を行う必要がなく、メンテナンス等の作業効率が高い。
基板ケースCは、第1封止状態とするのに使用される連結体75に始まり、ケース本体11の封止に使用される連結体85〜87の断面積や外形の大きさが順を追って大きくなる。具体的には、第1封止状態とする際には、連結片75のみが受け部80aに嵌め込まれるが、第2〜第4封止状態とするのに使用される連結体85〜87は、受け構成部20a〜20cや受け構成部50a〜50cが連結片75の外周に多重に係合したものである。そのため、ケース本体11の開封、封止を繰り返すに連れ、封止に使用する連結片75や連結体85の断面積や外形が順を追って大きくなる。
その一方で、連結片75や連結体85〜87が嵌め込まれる受け部80a〜80dの内部空間の大きさ、すなわち受け構成部20a〜20dや受け構成部50a〜50dの開口面積および内部空間の大きさも、連結片75や連結体85の断面積や外形の大きさと同様に順次大きくなっている。言い換えれば、受け部80a〜80dは、それぞれ内部空間の大きさが異なっており、内部空間の大きさが連結片75や連結体85〜86を嵌め込み可能な大きさの受け部80(80a〜80cに相当)と、これよりも内部空間の大きさが大きく、前記した受け部80(受け部80a〜80cに相当)に該当する部分を切断して新たに形成される連結体85〜87を嵌め込み可能な大きさの受け部80(受け部80b〜80dに相当)とがある。そのため、基板ケースCのケース本体11を封止する場合、ユーザーは、複数(本実施形態では4つ)設けられた受け部80a〜80dから内部空間の大きさや開口面積の大きさが連結片75や連結体85〜87の大きさに見合ったものを選択すればよい。従って、制御装置10では、基板ケースCのケース本体11を封止する際に、ユーザーが連結片75や連結体85〜87を嵌め込むべき受け部80a〜80dの選択に迷うのを防止でき、ケース本体11の封止作業の作業効率を向上させることができる。
また、上記した構成とすれば、基板ケースCでは、ケース本体11を封止する際に連結片75や連結体85〜87を嵌め込むべき受け部80a〜80dを指定することができ、ユーザーが誤った受け部80a〜80dに連結片75や連結体85〜87を嵌め込むのを防止することができる。そのため、上記した構成によれば、ケース本体11の強度等を考慮して第1〜第4封止状態において最適な場所でケース本体11を封止可能なように受け部80a〜80dを配置することができる。
また、基板ケースCは、ケース本体11の長手方向一端側に一体的に形成されたヒンジ14を有し、これにより本体15およびカバー16が連結されている。そのため、基板ケースCは、長手方向他端側に設けられた受け部80a〜80dに連結片75や連結体85〜87を係合させるだけで封止することができる。なお、上記実施形態では、ケース本体11の一端側をヒンジ14によって連結することにより封止した構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、ケース本体11においてヒンジ14が設けられている部位にも受け部80に相当するものを設け、ケース本体11の両端において受け部80を用いた連結構造を形成して封止する構成としてもよい。また、このような構成とした場合は、ヒンジ14側に設けた受け部80に相当するものについても、受け部80a〜80dと同様に連結構造が形成された部分において突出した爪32が係合可能なように受け部係合部材90や係合凹部93を設け、ケース本体11の両端において台座S側に係合させることとしてもよい。なお、受け部80を設ける位置については、ケース本体11の長手方向の端部に限定されるものではなく、幅方向(短手方向)の一端側あるいは両端側に相当する位置であってもよい。
上記実施形態では、連結片75や連結体85〜87を受け部80a〜80dに嵌め込むことにより、各受け部80a〜80dに設けられた爪38が外側に突出し、これを台座S側に設けられた受け部係合部材90a〜90dの係合凹部93と係合可能な構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、上記実施形態では、連結片75や連結体85〜87を受け部80a〜80dに嵌め込むと上述したように爪38が外側に突出する代わりに、受け部80a〜80d側に凹部や溝等が形成される構成としてもよい。かかる構成とした場合は、受け部係合部材90a〜90d側に係合凹部93を設ける代わりに、受け部80a〜80d側の凹部や溝等に係合可能な突起や爪等を設けることにより、上記実施形態と同様に適度な強度で基板ケースCを台座Sに固定できる。
上記実施形態では、基板ケースCを構成するケース本体11の封止に際して利用される連結片75や連結体85〜87に外側に向けて突出した爪76〜79や爪37,38、爪70,71を設け、これらを受け部80内に形成された段部30,31や段部62,63に係合させて連結構造を形成するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、爪76〜79や爪37,38、爪70,71の代わりに凹部や孔を設ける一方、段部30,31や段部62,63に代えて前記した凹部や孔に係合する突起や爪を設けた構成としてもよい。また、受け部80内の段部30,31や段部60,61に代えて、爪76〜79や爪37,38、爪70,71が係合する孔や爪、突起等を設けた構成としてもよい。
また、上記実施形態では、連結片75や連結体85〜87と各受け部80との係合により形成される連結構造で一体化して基板ケースCのケース本体11を封止する構成を例示したが、本発明において連結構造を形成する形態はこれに限定されるものではなく、例えば嵌合や他の形態により連結構造を形成したものであってもよい。また、上記実施形態では、各受け部80において、受け構成体20,50が入れ子状に配されて係合するものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の形態で係合等して連結構造を形成するものであってもよい。
上記した基板ケースCは、ケース本体11に大きさの異なる複数(本実施形態では4つ)の受け部80a〜80dを設けたものであり、受け部80aに連結片75を嵌め込んで連結構造を形成したものを切断したり、受け部80a〜80cを切断して形成される連結体85〜87を用いてケース本体11を再封止可能なものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、図11に示す基板ケースDのように、ケース本体11に対して連結片75を嵌め込むことが可能な同一の大きさの受け部80aを複数設けた構成としてもよい。かかる構成の基板ケースDでは、ケース本体11の封止時に残存している受け部80aのうちの一つに連結片75を嵌め込んで係合させることでケース本体11を封止することができる。また、このような構成とした場合についても、連結片75を係合させ連結構造を形成した受け部80aにおいてのみ爪38が外側に向けて突出した状態になる。そのため、基板ケースDについても、上記した基板ケースCを採用した場合と同様に適度な強度で基板ケースDを台座Sに固定できる等の効果を得ることができる。
図11に示す基板ケースDでは、同一の大きさの受け部80aおよび連結片75を用いた構成とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大きさの異なる連結片75を複数準備し、各連結片75の大きさに合わせて、受け部80aの大きさを調整することも可能である。具体的には、上述の基板ケースCと同様に大きさの異なる受け部80a〜80dを設けると共に、各受け部80a〜80d毎に係合可能な大きさの連結片75を設けた構成としてもよい。
なお、上記実施形態で示した遊技機1は、いわゆるスロットマシンであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばパチンコ機に代表されるような他の種類の遊技機であってもよい。