JP5316631B2 - 光送信装置、光受信装置、およびそれらを含む光通信システム - Google Patents
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Description
本発明は、光送信装置、光受信装置、およびそれらを含む光通信システムに係わり、特に、PSK変調を利用して光信号を送信する光送信装置、そのような光送信装置からの光信号を受信する光受信装置、およびそれらを含む光通信システムに係わる。
近年、光伝送システムの大容量化と長距離化に向けた光送信装置の実用開発が待望されている。特に、大容量化及び長距離化に適合した光変調方式を採る光送信装置の実システムへの導入期待が高まっている。その期待に応えるために、DPSK(Differential Phase Shift Keying)やDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)といった位相変調方式を用いた光伝送システムが想定されている。
現実の光変調方式として、陸上や海底で実稼働しているNRZ(Non-Return-to-Zero)変調方式やRZ(Return-to-Zero)変調方式が知られている。そして、これらの変調方式を用いた光伝送システムでは、光伝送信号の安定化ための送信装置の構成部品に対する安定化技術が非常に重要になる。例えば、NRZ変調方式での、LN(Lithium Niobate)変調器の動作点ドリフトによる伝送信号劣化を防ぐための自動バイアス制御(ABC:Automated Bias Control)回路があげられる。(特許文献1参照)
また、複数の光変調部を有する光SSB(Single Side-Band)光変調器に対して、変調器の通常動作中に、各光変調部の直流バイアスを適正に補正することが可能な光変調器のバイアス制御方法もある。(特許文献2参照)
一方、DQPSK信号を受信する光受信機の一例が特許文献3に記載されている。特許文献3に記載の光受信機は、マッハツェンダ干渉計を構成する1組の導波路の一方に光信号の位相をπ/4だけシフトさせる構成を有している。
図86は、NRZ用ABC回路を有する従来のNRZ変調方式を採る光送信装置の構成を示すブロック図である。図86において従来のNRZ変調方式を採る光送信装置は、半導体レーザ(LD)111、NRZのデータ信号DATAを変調電極に入力して位相変調を行うMZ(Mach-Zehnder)変調器等からなる位相変調器221と、位相変調器221の出力光の一部をモニタすることにより、データ信号DATAに重畳されている低周波信号を検波して位相変調器221のバイアスティ(図示せず)に制御信号を印加して動作点のずれを補償するNRZ用ABC回路550から構成されている。
しかし、上記NRZ変調方式を採る従来の光送信装置におけるABC回路は、MZ変調器の動作点のずれを補償するバイアス制御を行っているだけで、将来性が期待されているDQPSKなどの位相変調方式において必要な位相シフト部の位相シフト量をモニタする手段を備えていない。このため、図86に示す従来の技術は、DQPSKなどの位相変調方式には適用できなかった。また、DQPSKなどの位相変調方式を採る光送信装置全体を考慮して位相ずれやDCドリフトをトータルで制御しようとする発想がないという課題があった。
さらに、特許文献3に記載されている光受信機においては、光信号の位相をπ/4だけシフトさせる必要があるが、光デバイスの経年劣化等によりその精度が低下することに対する対策がなされていなかった。
本発明の目的は、位相変調器を含む光送信装置において、位相シフトおよびDCドリフトなどを適切に制御できる構成を提供することである。
本発明の他の目的は、光送信装置全体として、位相シフト部、位相変調器、および強度変調器における位相シフトやDCドリフトなどを適切に制御できる構成を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、変調光信号を受信する光受信装置において、受信信号を復調するために必要な位相シフトを適切に制御できる構成を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は、位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあって入力光の位相変調を行うデータ変調部と、低周波信号の重畳を行う電極とを有し、適正な位相差の低周波信号を生成し分岐した前記光導波路上で前記電極に前記低周波信号の重畳を可能にする低周波重畳手段と、分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値,パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段を備える。
本発明の他の態様の光送信装置は、データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を位相変調するデータ変調部と、上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号の平均光パワーをモニタするモニタ手段と、上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、を有する。
本発明の光受信装置は、位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、上記電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する演算回路と、上記演算回路に接続され、例えばシンボル周波数よりも低い信号成分を通過させるフィルタのようなシンボル周波数の整数倍の周波数を除く連続した周波数成分の少なくとも一部を透過させるフィルタと、上記フィルタから出力される信号に基づいて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、を有する。
本発明によれば、光送信装置を構成する構成要素の温度変化、経時変化などに起因する適正な位相差からの位相ずれなどの変動を適正な位相差になるように制御を行うことで出力光信号の品質安定化を図ることができる。
また、受信光信号を復調するために必要な位相シフトを適切に制御できるので、受信特性の劣化を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光通信システムの構成を示す図である。図1に示す光通信システム1000は、光送信装置1010、光受信装置1020、およびそれらの間を接続する伝送路光ファイバ1030を備える。光送信装置1010は、データ生成部1011および変調器1012を備える。データ生成部1011は、送信すべきデータを生成する。変調器1012は、データ生成部1011が生成するデータを利用して変調光信号を生成する。なお、変調方式は、特に限定されるものではないが、例えば、DQPSKである。光受信装置1020は、伝送路光ファイバ1030を介して伝送される光信号を復調してデータを再生する。伝送路光ファイバ1030上には、光アンプまたは光中継器が設けられていてもよい。
図1は、本発明の実施形態に係る光通信システムの構成を示す図である。図1に示す光通信システム1000は、光送信装置1010、光受信装置1020、およびそれらの間を接続する伝送路光ファイバ1030を備える。光送信装置1010は、データ生成部1011および変調器1012を備える。データ生成部1011は、送信すべきデータを生成する。変調器1012は、データ生成部1011が生成するデータを利用して変調光信号を生成する。なお、変調方式は、特に限定されるものではないが、例えば、DQPSKである。光受信装置1020は、伝送路光ファイバ1030を介して伝送される光信号を復調してデータを再生する。伝送路光ファイバ1030上には、光アンプまたは光中継器が設けられていてもよい。
図2は、DQPSK(または、QPSK)変調の原理を説明する図である。DQPSK変調では、2ビットのデータ(data1、data2)が1つのシンボルとして送信される。このとき、各シンボルには、データ(data1、data2)の組合に応じて対応する位相が割り当てられる。図2に示す例では、シンボル(0,0)に対して「π/4」が割り当てられ、シンボル(1,0)に対して「3π/4」が割り当てられ、シンボル(1,1)に対して「5π/4」が割り当てられ、シンボル(0,1)に対して「7π/4」が割り当てられる。よって、光受信装置は、受信光の位相を検出することによりデータを再生できる。
上述の位相変調を実現するためには、連続(CW:Continuous Wave)光を2分岐した一方の分岐光をデータdata1で位相変調し、他方の分岐光をデータdata2で位相変調する。そして、このとき、データdata1に対して割り当てる位相と、データdata2に対して割り当てる位相とが互いに「π/2」だけシフトされる。すなわち、DQPSK変調においては、π/2位相シフトを発生させるデバイスが必要である。
図3は、DQPSK変調における通信品質の劣化について説明する図である。DQPSK変調の光送信装置は、上述したように、π/2位相シフトを発生させるデバイスを備える。しかし、経年変化等により、位相シフト量が「π/2」からずれると、図3に示すように、位相平面上における各シンボルの位置もずれてしまい、光受信装置において誤ってデータを認識する可能性が高くなってしまう。すなわち、DQPSK変調方式の通信品質を向上させるためには、光送信装置の変調器が備えるπ/2位相シフトデバイスの精度を高く保つことが重要である。
<<光送信装置>>
<第1の実施形態>
図4は、本発明の実施形態に係るRZ−DQPSK変調方式を用いた光送信装置の全体構成を示す概略ブロック図である。図4において、RZ−DQPSK光変調送信装置は、入力信号とクロック信号発生部120からのクロック信号を受けMZ(Mach-Zehnder)変調器200に対し駆動信号を生成する駆動信号発生部110と、駆動信号発生部110およびRZ強度変調器300にクロック信号を供給するクロック信号発生部120と、CW(Continuous Wave)光を生成するCW光源115と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部220と、複数の変調電極を第1のアーム及び第2のアームに備え該電極にDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を入力するための端子を有するMZ変調器200と、MZ変調器200の出力をRZパルス化するためのRZ強度変調器300とを備えて構成される。なお、MZ変調器200は、各アームのドリフトを補償するためのバイアス信号を受けるバイアス入力部230、240を有する。また、RZ強度変調器300は、ドリフトを補償するためのバイアス信号を受けるバイアス入力部330を有する。なお、駆動信号発生部110の構成および動作については、例えば、特表2004−516743号公報等に記載されている。
<第1の実施形態>
図4は、本発明の実施形態に係るRZ−DQPSK変調方式を用いた光送信装置の全体構成を示す概略ブロック図である。図4において、RZ−DQPSK光変調送信装置は、入力信号とクロック信号発生部120からのクロック信号を受けMZ(Mach-Zehnder)変調器200に対し駆動信号を生成する駆動信号発生部110と、駆動信号発生部110およびRZ強度変調器300にクロック信号を供給するクロック信号発生部120と、CW(Continuous Wave)光を生成するCW光源115と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部220と、複数の変調電極を第1のアーム及び第2のアームに備え該電極にDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を入力するための端子を有するMZ変調器200と、MZ変調器200の出力をRZパルス化するためのRZ強度変調器300とを備えて構成される。なお、MZ変調器200は、各アームのドリフトを補償するためのバイアス信号を受けるバイアス入力部230、240を有する。また、RZ強度変調器300は、ドリフトを補償するためのバイアス信号を受けるバイアス入力部330を有する。なお、駆動信号発生部110の構成および動作については、例えば、特表2004−516743号公報等に記載されている。
さらに、実施形態の光送信装置は、CW光源115の波長変動やMZ変調器200における動作点ずれ(DCドリフト)を補償するために2×Vπ対応ABC制御器500、およびRZ強度変調器300おける動作点ずれ(DCドリフト)を補償するためにVπ対応ABC制御器600が設けられている。ここで、CSRZ変調を行う場合には、Vπ対応ABC制御器600に代わりに、2Vπ対応ABC制御器を設ければよい。なお、2Vπ対応ABC制御器の構成および動作については、例えば、特開2000−162563号公報に詳しく記載されている。
本発明の実施形態に係る光送信装置においては、位相シフト部220による位相シフト量が適正値(例えば、π/2の奇数倍、言い換えると入力光のλ/4の奇数倍)となるように、位相シフト部制御400がバイアス制御(図4に示す(1)参照)を行う。また、ABC制御器500、600は、ABC制御(図4に示す(2)、(3)、(4)参照)によりDCドリフトを補償する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る光送信装置の第1の構成を示す概略ブロック図である。図5において本実施形態に係る光送信装置は、クロック信号発生部120と、クロック信号発生部120からのクロック信号を受けてDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部110と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム21、22の該当端子に入力するデータ変調部20およびデータ変調部20の両アーム後段に配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極23、24からなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部120からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(ただし、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 第1の電極23に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 を第2の電極24に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、中心周波数が2f0 (高調波の1つ)である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2を位相比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部12の位相が適正値(例えばπ/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段と、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部12の位相シフト量を制御する位相差制御手段とを備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から光信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。
なお、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
上記構成の光送信装置において、半導体レーザ(LD)11は、CW光を生成する。このCW光は、2分岐され、一方の分岐光はデータ変調部20の上アーム21に導かれ、他方の分岐光は位相シフト部12を介して下アーム22に導かれる。ここで、位相シフト部12による位相シフト量は、フィードバック制御により「nπ/2(nは、0及び4の倍数を除く自然数)」に制御される。
電極23、24は、それぞれアーム21、22の出力側に接続される導波路にバイアスを加えるために設けられている。電極23、24は、導波路の結晶方位を考慮して、例えばXカットまたはZカットで形成される。ここで、電極23には、低周波信号発生器1が生成する低周波信号がそのまま与えられる。一方、電極24には、移相器2を用いてその低周波信号の位相を「nπ/2(nは、0及び4の倍数を除く自然数)」シフトさせた信号が与えられる。なお、低周波信号発生器1が生成する低周波信号は、例えば正弦波信号または矩形波信号であり、その振幅は、送信される光信号に悪影響を与えない程度に充分に小さいものとする。
データ変調部20により生成される光信号は、強度変調器31に導かれるが、その一部が分岐されて低速受光器3に導かれる。ここで、光信号は、例えば、光スプリッタにより分岐される。ただし、本発明において光信号の「分岐」は、光スプリッタで分岐する構成に限定されるものではなく、Y分岐における漏れ光を低速受光器3に導くようにしてもよい。なお、MZ変調器の漏れ光をモニタする技術については、例えば、特開平10−228006号公報に記載されている。また、アーム21、22の出力側導波路を「X分岐」で結合した場合は、そのX分岐の一方を強度変調器31に導くと共に、そのX分岐の他方を低速受光器3に導くようにしてもよい。なお、X分岐光変調器については、例えば、特開2001−244896号公報に記載されている。
図6は、移相器2においてn=1とした場合の位相シフト部モニタ成分変動のシミュレーション結果を示す波形図である。なお、「n=1」とは、図5において電極23、24に与えられる低周波信号の位相がπ/2だけシフトしている状態に相当する。
このシミュレーションでは、位相シフト部12の位相を0°〜180°の間でπ/4ずつ変化させて、電気スペクトル、f0 成分、2f0 成分が観測される。この結果、位相シフト部12の位相が「90°」すなわち「π/2」に接近しているとき、下記の特徴が得られた。
(1)f0 成分の電気スペクトルを顕著に検出される。
(2)f0 成分のパワーが最大になる。
(3)2f0 成分のパワーが最小になる。
(1)f0 成分の電気スペクトルを顕著に検出される。
(2)f0 成分のパワーが最大になる。
(3)2f0 成分のパワーが最小になる。
なお、位相シフト部12により与えられる位相シフト量が「π/2」よりも小さいとき(図6では、45°)と、その位相シフト量が「π/2」よりも大きいとき(図6では、135°)とでは、2f0 成分信号の位相が互いに反転している。
したがって、f0 成分のパワーが最大になるように位相シフト部12に与えるバイアス電圧をフィードバック制御すれば、位相シフト部12により与えられる位相シフト量を「π/2」に保持することができる。あるいは、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部12に与えるバイアス電圧をフィードバック制御すれば、位相シフト部12により与えられる位相シフト量を「π/2」に保持することができる。なお、これらのフィードバック制御において、2f0 成分信号の位相をモニタすることにより、バイアス電圧を大きくすべきなのか、小さくすべきなのかを判断することができる。
図7は、移相器2においてn=2とした場合の位相シフト部モニタ成分変動のシミュレーション結果を示す波形図である。なお、「n=2」とは、図5において電極23、24に与えられる低周波信号の位相がπだけシフトしている状態に相当する。n=2の場合のシミュレーション結果は、n=1の場合と同じであった。すなわち、n=2であっても、上記特徴(1)〜(3)が得られた。また、位相シフト部12の位相が45°の場合と135°の場合とで、2f0 成分の位相が反転する。
図8は、移相器2においてn=3とした場合の位相シフト部モニタ成分変動のシミュレーション結果を示す波形図である。なお、「n=3」とは、図5において電極23、24に与えられる低周波信号の位相が3π/2だけシフトしている状態に相当する。n=3の場合のシミュレーション結果は、n=1、2の場合と同じであった。すなわち、n=3であっても、上記特徴(1)〜(3)が得られた。また、位相シフト部12の位相が45°の場合と135°の場合とで、2f0 成分の位相が反転する。なお、nが5以上の自然数(4の倍数を除く)であっても、n=1〜3のときと同様の結果が得られる。
図6〜図8に示すシミュレーションにおいて、電気スペクトルは、低速受光器3の出力に相当する。また、f0 成分は、低速受光器3の出力に含まれているf0 成分である。さらに、2f0 成分は、低速受光器3の出力に含まれている2f0 成分である。
このように、図5に示す光送信装置においては、電極23、24を介して変調光信号に低周波信号を重畳する際に、一方の電極に与える低周波信号の位相と他方の電極に与える低周波信号との位相差をnπ/2(nは、自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう制御する。また、低速受光器3、バンドパスフィルタ4、位相比較器5等を利用して出力光信号に含まれている2f0 成分を同期検波により抽出する。そして、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部12をフィードバック制御することにより、位相シフト部12の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つ。これにより、出力光信号の品質安定化を図ることができる。
なお、上述の実施例では、低周波信号の周波数f0 の2倍の周波数成分をモニタしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、変調光信号に重畳すべき低周波信号のn次高調波(nは、2以上の自然数)を利用してフィードバック制御を行うことも可能である。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る光送信装置の第2の構成を示す概略ブロック図である。図9では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図5に示す光送信装置では、低周波信号の周波数の2倍成分(2f0 )のパワーをモニタしてフィードバック制御を行った。これに対して、図9に示す光送信装置では、低周波信号の周波数f0 のピークパワーをモニタしてフィードバック制御を行う。このため、この光送信装置は、周波数f0 を通過させるBPF7、およびBPF7の出力のピークパワーを検出するピークパワー検出器8を備える。なお、図9に示す光送信装置の他の構成は、基本的に、図5に示した光送信装置と同じである。
すなわち、図9に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム21、22の該当端子に入力するデータ変調部20およびデータ変調部20の両アーム後段に配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極23、24を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第1の電極23に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 を第2の電極24に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数がf0 である帯域通過フィルタBPF7および帯域通過フィルタBPF7の出力のピークパワーを検出するピークパワー検出器8からなるモニタ手段を備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(ピークパワー検出器8)の出力に基づいて位相シフト部12の位相シフト量を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD))3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
変調光信号に含まれている周波数f0 の光パワーのシミュレーション結果は、図6〜図8に示した通りである。すなわち、位相シフト部12による位相シフト量が「π/2」に近づくにつれて周波数f0 のピークパワーが大きくなる。
このように、図9に示す光送信装置においては、電極23、24を介して変調光信号に低周波信号を重畳する際に、一方の電極に与える低周波信号の位相と他方の電極に与える低周波信号との位相差をnπ/2(nは、自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう制御する。また、低速受光器3、バンドパスフィルタ7、ピークパワー検出期8を利用して出力光信号に含まれているf0 成分のピークパワーを検出する。そして、f0 成分のピークパワーが最大になるように位相シフト部12をフィードバック制御することにより、位相シフト部12の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つ。これにより、出力光信号の品質安定化を図ることができる。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る光送信装置の第3の構成を示す概略ブロック図である。図10では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図10に示す光送信装置は、図5に示す制御機能(2f0 を利用してバイアス電圧を生成する構成)および図9に示す制御機能(f0 を利用してバイアス電圧を生成する構成)を併せ持っている。そして、制御装置(cont)9は、双方の制御機能により得られるバイアス電圧を利用(例えば、平均値を利用)して位相シフト部12による位相シフト量を制御する。ただし、制御装置9は、いずれか一方の制御機能に従って位相シフト量を制御するようにしてもよい。
すなわち、図10に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム21、22の該当端子に入力するデータ変調部20およびデータ変調部20の両アーム後段に配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極23、24を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第1の電極23に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0を第2の電極24に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較する位相比較器5からなる第1のモニタ手段と、低速受光器(PD)3、通過周波数がf0 である帯域通過フィルタBPF7および帯域通過フィルタBPF7から出力される信号のピークパワーを検出するピークパワー検出器8からなる第2のモニタ手段と、第1のモニタ手段(位相比較器5)の出力を監視し同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部12の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号をバイアス制御信号として位相シフト部12に出力し、また、第2のモニタ手段(ピークパワー検出器8)のパワー変動をモニタし、そのパワーがピークとなるように位相シフト部12にバイアス制御を行う制御装置CONT9とを備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
変調光信号に含まれている周波数f0 の光パワーのシミュレーション結果は、図6〜図8に示した通りである。すなわち、位相シフト部12による位相シフト量が「π/2」に近づくにつれて周波数f0 のピークパワーが大きくなり、また、周波数2f0 のパワーが小さくなる。
このように、図10に示す光送信装置においては、変調光信号に含まれているf0 成分および2f0 成分の双方を利用して位相シフト部12の位相シフト量を制御するので、位相シフト部12による位相シフト量をより高い精度で適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。これにより、さらに出力光信号の品質安定化を図ることができる。
図11は、本発明の第1の実施形態に係る光送信装置の第4の構成を示す概略ブロック図である。図11では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図11に示す光送信装置においては、低周波信号f0 が電極25に与えられる。これにより、データ変調部20のアーム21から出力される光信号に低周波信号f0 が重畳される。また、移相器2を利用して低周波信号f0 の位相をnπ/2(ただし、nは自然数で0及び4の倍数を除く)シフトさせることにより得られる信号は、位相シフト部12を制御するためのバイアス電圧(DCBias)に重畳される。なお、図11に示す光送信装置の他の構成は、基本的に、図5に示した光送信装置と同じである。
すなわち、図11に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム21、22の該当端子に入力するデータ変調部20およびデータ変調部20の第1のアーム21後段に配置され低周波信号の重畳を行う電極25を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を電極25に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 を位相シフト部12のバイアス入力部に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部12の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部12を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図11に示す光送信装置では、低周波信号を重畳する位置が図5に示す光送信装置と異なっている。しかし、図11に示す構成であっても、図6〜図8に示した特性が得られる。すなわち、位相シフト部12による位相シフト量がnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくにつれて、2f0 成分が小さくなる。
したがって、図11に示す光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部12をフィードバック制御することにより、位相シフト部12の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。そして、このようなフィードバック制御により、出力光信号の品質安定化を図ることができる。
なお、第1の実施形態の光送信装置は、図11に示す構成においてf0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
<第2の実施形態>
第1の実施形態の光送信装置は、データ変調部20の前段に位相シフト部12が設けられている。これに対して、第2の実施形態の光送信装置は、データ変調部40の後段に位相シフト部13が設けられている。データ変調部40の後段に位相シフト部13を配置することにより、第1の実施形態と比べて、図6〜図8に示したf0 成分および2f0 成分の振幅が大きくなる。よって、第2の実施形態では、第1の実施形態に比べてf0 成分および2f0 成分検出が容易であり、位相シフト量の制御の精度が向上する。
第1の実施形態の光送信装置は、データ変調部20の前段に位相シフト部12が設けられている。これに対して、第2の実施形態の光送信装置は、データ変調部40の後段に位相シフト部13が設けられている。データ変調部40の後段に位相シフト部13を配置することにより、第1の実施形態と比べて、図6〜図8に示したf0 成分および2f0 成分の振幅が大きくなる。よって、第2の実施形態では、第1の実施形態に比べてf0 成分および2f0 成分検出が容易であり、位相シフト量の制御の精度が向上する。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る光送信装置の第1の構成を示す概略ブロック図である。図12に示す光送信装置の構成は、基本的には、図5に示した光送信装置と同じである。ただし、図12に示す光送信装置においては、データ変調部40の後段に位相シフト部13が配置されている。なお、図12では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図12に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム41、42の該当端子に入力するデータ変調部40、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部13およびデータ変調部40の第1のアーム41の後段および位相シフト部13の後段にそれぞれ配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極43、44を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第1の電極43に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 を第2の電極44に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部13の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部13をバイアス制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図12に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。ただし、図12に示す光送信装置は、データ変調部40の後段に位相シフト部13を設けた構成なので、上述したように、f0 成分および2f0 成分の振幅が大きくなる。
したがって、図12に示す光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部13をフィードバック制御することにより、位相シフト部13の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る光送信装置の第2の構成を示す概略ブロック図である。図13に示す光送信装置の構成は、基本的には、図9に示した光送信装置と同じである。ただし、図13に示す光送信装置においては、データ変調部40の後段に位相シフト部13が配置されている。なお、図13では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図13に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム41、42の該当端子に入力するデータ変調部40、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部13およびデータ変調部40の第1のアーム41の後段および位相シフト部13の後段にそれぞれ配置された低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極43、44を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第1の電極43に、また移相器2によりnπ/2(ただし、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 を第2の電極44に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数がf0 である帯域通過フィルタBPF7および帯域通過フィルタBPF7から出力されるパワーがピークであるかを検出するピークパワー検出器8からなるモニタ手段を備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(ピークパワー検出器8)の出力に基づいて位相シフト部13を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図13に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、f0 成分のパワーが最大になるように位相シフト部13をフィードバック制御することにより、位相シフト部13の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る光送信装置の第3の構成を示す概略ブロック図である。図14に示す光送信装置の構成は、基本的には、図10に示した光送信装置と同じである。ただし、図14に示す光送信装置においては、データ変調部40の後段に位相シフト部13が配置されている。なお、図14では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図14に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム41、42の該当端子に入力するデータ変調部40、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部13およびデータ変調部40の第1のアーム41の後段および位相シフト部13の後段にそれぞれ配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極43、44を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第1の電極43に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 を第2の電極44に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較する位相比較器5からなる第1のモニタ手段と、上記低速受光器(PD)3、通過周波数がf0 である帯域通過フィルタBPF7および帯域通過フィルタBPF7から出力されるパワーがピークであるかを検出するピークパワー検出器8からなる第2のモニタ手段と、第1のモニタ手段(位相比較器5)の出力を監視し同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部13の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号をバイアス制御信号として位相シフト部13に出力し、また、第2のモニタ手段(ピークパワー検出器8)のパワー変動をモニタしパワーがピークとなるように位相シフト部13にバイアス制御を行う制御装置CONT9とを備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図14に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になり、且つ、f0 成分のパワーが最大になるように位相シフト部13をフィードバック制御することにより、位相シフト部13の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る光送信装置の第4の構成を示す概略ブロック図である。図15に示す光送信装置の構成は、基本的には、図11に示した光送信装置と同じである。ただし、図15に示す光送信装置においては、データ変調部40の後段に位相シフト部13が配置されている。なお、図15では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図15に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム41、42の該当端子に入力するデータ変調部40、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部13およびデータ変調部40の第1のアーム41の後段に配置され低周波信号の重畳を行う電極45を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を電極45に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0を位相シフト部13のバイアス入力部に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部13の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段を備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部13を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図15に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部13をフィードバック制御することにより、位相シフト部13の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
なお、第2の実施形態の光送信装置は、図15に示す構成においてf0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
<第3の実施形態>
第3の実施形態の光送信装置では、データ変調を行うMZ変調器において光信号に低周波信号が重畳される。この構成においても、f0 成分および2f0 成分について図6〜図8に示した特性が得られる。なお、以下の説明では、2f0 成分を利用してフィードバック制御を行う構成を示すが、第3の実施形態においても、f0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
第3の実施形態の光送信装置では、データ変調を行うMZ変調器において光信号に低周波信号が重畳される。この構成においても、f0 成分および2f0 成分について図6〜図8に示した特性が得られる。なお、以下の説明では、2f0 成分を利用してフィードバック制御を行う構成を示すが、第3の実施形態においても、f0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
図16は、本発明の第3の実施形態に係る光送信装置の第1の構成を示す概略ブロック図である。この光送信装置においては、データDATA1およびデータDATA2にそれぞれ低周波信号が重畳される。なお、図16では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図16に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12およびプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム27、28の該当端子に入力するMZ(Mach-Zehnder)型変調器26を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 をMZ型変調器26の第1のアーム27のデータ信号DATA1の入力端子に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 をMZ型変調器26の第2のアーム28のデータ信号DATA2の入力端子に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部12の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部12をバイアス制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図16に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部12をフィードバック制御することにより、位相シフト部12の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
図17は、本発明の第3の実施形態に係る光送信装置の第2の構成を示す概略ブロック図である。図17に示す光送信装置の構成は、基本的には、図16に示す光送信装置と同じである。ただし、図17に示す光送信装置においては、MZ変調器のDCバイアス信号に低周波信号が重畳される。なお、図17では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120については図示を省略している。
図17において本実施形態に係る光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12およびプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2の入力端子の他にバイアス入力部を第1及び第2のアーム27、28に備え、データ信号DATA1、DATA2を該当端子に入力するとともに低周波信号f0 を第1及び第2のアーム27、28の該当端子に位相を異ならせて入力するMZ(Mach-Zehnder)型変調器26を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 をMZ型変調器26の第1のアーム27のバイアス入力部に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 をMZ型変調器26の第2のアーム28のバイアス入力部に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部12の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部12を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図17に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部12をフィードバック制御することにより、位相シフト部12の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態の光送信装置の構成は、基本的には、第3の実施形態の光送信装置と同じである。ただし、第4の実施形態の光送信装置の構成においては、MZ変調器(データ変調部)の後段に位相シフト部13が設けられている。なお、第4の実施形態を示す図18および図19においては、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
第4の実施形態の光送信装置の構成は、基本的には、第3の実施形態の光送信装置と同じである。ただし、第4の実施形態の光送信装置の構成においては、MZ変調器(データ変調部)の後段に位相シフト部13が設けられている。なお、第4の実施形態を示す図18および図19においては、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図18は、本発明の第4の実施形態に係る光送信装置の第1の構成を示す概略ブロック図である。図18に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム47、48の該当端子に入力するMZ型変調器46および光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部13を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 をMZ型変調器46の第1のアーム47のデータ信号DATA1の入力端子に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 をMZ型変調器46の第2のアーム48のデータ信号DATA2の入力端子に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部13の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部13を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図18に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部13をフィードバック制御することにより、位相シフト部13の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
図19は、本発明の第4の実施形態に係る光送信装置の第2の構成を示す概略ブロック図である。図19に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2の入力端子の他にバイアス入力部を第1及び第2のアーム47、48に備え、データ信号DATA1、DATA2を該当端子に入力するとともに低周波信号f0 を第1及び第2のアーム47、48の該当端子に位相を異ならせて入力するMZ型変調器46および光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部13を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 をMZ型変調器46の第1のアーム47に設けられたバイアス入力部に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 をMZ型変調器46の第2のアーム48に設けられたバイアス入力部に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部13の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部13を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図19に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部13をフィードバック制御することにより、位相シフト部13の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
なお、第4の実施形態においても、f0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
<第5の実施形態>
第5の実施形態の光送信装置においては、光信号に低周波信号を重畳するための電極がデータ変調部の前段に配置されており、さらにその電極の前段に位相シフト部が配置されている。なお、第5の実施形態を示す図20においては、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
第5の実施形態の光送信装置においては、光信号に低周波信号を重畳するための電極がデータ変調部の前段に配置されており、さらにその電極の前段に位相シフト部が配置されている。なお、第5の実施形態を示す図20においては、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図20は、本発明の第5の実施形態に係る光送信装置の構成を示す概略ブロック図である。図20に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12、データ変調部20の両アーム前段に配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極23、24およびプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム21、22の該当端子に入力するデータ変調部20を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第1の電極23に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 を第2の電極24に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部12の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部12を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図20に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部12をフィードバック制御することにより、位相シフト部12の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
なお、第5の実施形態においても、f0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
<第6の実施形態>
第6の実施形態の光送信装置においては、光信号に低周波信号を重畳するための電極がデータ変調部の前段に配置されており、また、データ変調部の後段に位相シフト部が配置されている。なお、第6の実施形態を示す図21においては、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
第6の実施形態の光送信装置においては、光信号に低周波信号を重畳するための電極がデータ変調部の前段に配置されており、また、データ変調部の後段に位相シフト部が配置されている。なお、第6の実施形態を示す図21においては、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図21は、本発明の第6の実施形態に係る光送信装置の構成を示す概略ブロック図である。図21に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、データ変調部40の両アーム前段に配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極43,44、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム41,42の該当端子に入力するデータ変調部40および光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部13を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1と低周波信号f0 の位相をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相する移相器2を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第1の電極43に、また移相器2によりnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相した低周波信号f0 を第2の電極44に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2fo である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部13の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて位相シフト部13を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。また、移相器2は、低周波で動作するため、相対的な位相差量を適正な固定値として有するものであってもよい。
図21に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部13をフィードバック制御することにより、位相シフト部13の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
なお、第6の実施形態においても、f0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
<第7の実施形態>
第1〜第6の実施形態の光送信装置においては、1組の光信号の一方に低周波信号が重畳され、他方の光信号にはその低周波信号の位相を所定値だけシフトさせた信号が重畳される。これに対して第7および第8の実施形態の光送信装置においては、1組の光信号の一方のみに低周波信号が重畳される。低周波信号は、図22に示す例では、位相シフト部12のバイアス入力端子を介して与えられるが、低周波信号を重畳するために設けられる電極を介して与えられてもよいし、データ信号DATA1またはデータ信号DATA2に重畳されてもよいし、データ変調部の一方のアームのバイアス端子を介して与えられてもよい。なお、1組の光信号の一方のみに低周波信号が重畳される構成であっても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られることについて、シミュレーションにより確認している。
第1〜第6の実施形態の光送信装置においては、1組の光信号の一方に低周波信号が重畳され、他方の光信号にはその低周波信号の位相を所定値だけシフトさせた信号が重畳される。これに対して第7および第8の実施形態の光送信装置においては、1組の光信号の一方のみに低周波信号が重畳される。低周波信号は、図22に示す例では、位相シフト部12のバイアス入力端子を介して与えられるが、低周波信号を重畳するために設けられる電極を介して与えられてもよいし、データ信号DATA1またはデータ信号DATA2に重畳されてもよいし、データ変調部の一方のアームのバイアス端子を介して与えられてもよい。なお、1組の光信号の一方のみに低周波信号が重畳される構成であっても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られることについて、シミュレーションにより確認している。
図22は、本発明の第7の実施形態に係る光送信装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、図22では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図22に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12、データ変調部20の両アーム前段に配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極23、24およびプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム21、22の該当端子に入力するデータ変調部20を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第2の電極23または24に与える、または低周波信号f0 を加算器14を介して位相シフト部12のバイアス入力部に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部12の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて加算器14を介して位相シフト部12を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。
図22に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部12をフィードバック制御することにより、位相シフト部12の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
なお、第7の実施形態においても、f0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
<第8の実施形態>
第8の実施形態の光送信装置の構成は、基本的には、第7の実施形態の光送信装置と同じである。ただし、第8の光送信装置においては、データ変調部40の後段に位相シフト部13が設けられ、また、低周波信号を重畳するための電極が必要な場合にはその電極はデータ変調部40の後段に配置される。
第8の実施形態の光送信装置の構成は、基本的には、第7の実施形態の光送信装置と同じである。ただし、第8の光送信装置においては、データ変調部40の後段に位相シフト部13が設けられ、また、低周波信号を重畳するための電極が必要な場合にはその電極はデータ変調部40の後段に配置される。
図23は、本発明の第8の実施形態に係る光送信装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、図23では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図23に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム41、42の該当端子に入力するデータ変調部40、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部13およびデータ変調部40の両アーム後段に配置され低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極43,44を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、数kHz程度(数MHzも可)の低周波信号f0 を発生する低周波信号発生器1を有し、低周波信号発生器1からの低周波信号f0 を第2の電極43または44に与える、または低周波信号f0 を加算器14を介して位相シフト部13のバイアス入力部に重畳する低周波重畳手段と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して低周波信号を取り出す低速受光器(PD)3、通過周波数が2f0 である帯域通過フィルタBPF4、低周波信号発生器1からの周波数を2逓倍する逓倍器6および逓倍器6の出力φ1とBPF4の出力φ2の位相を比較し、同相の場合には「+」信号、また逆相の場合には「−」信号を発生し、位相シフト部13の位相が適正値(例えば、π/2の奇数倍)にあるときには略0信号を出力する位相比較器5からなるモニタ手段とを備えている。さらに、図示していないがモニタ手段(位相比較器5)の出力に基づいて加算器14を介して位相シフト部13を制御する位相差制御手段を備えている。なお、低速受光器(PD)3に代えて強度変調器31の出力側から低周波信号を取り出すように低速受光器(PD)3’を配置してもよい。
図23に示す光送信装置においても、f0 成分および2fo 成分について図6〜図8に示す特性が得られる。したがって、この光送信装置においても、2f0 成分のパワーが最小になるように位相シフト部13をフィードバック制御することにより、位相シフト部13の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保つことができる。
なお、第8の実施形態においても、f0 成分を利用してフィードバック制御を行ってもよいし、f0 成分および2f0 成分の双方を利用してフィードバック制御を行ってもよい。
<第9の実施形態>
上述した第1〜第8の実施形態の光送信装置は、光信号に低周波信号を重畳した状態で変調器出力パワーまたは送信装置出力パワーの変動成分をモニタし、位相シフト部の位相シフト量を適正値(例えば、π/2の奇数倍)になるように制御する構成である。これに対して第9の実施形態に係る光送信装置では、低周波信号を重畳することなく、二乗検波機能を備えたRF(Radio Frequency)パワーモニタで変調器出力パワーまたは送信装置出力パワーの変動成分をモニタし位相シフト部の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)になるように制御するものである。
上述した第1〜第8の実施形態の光送信装置は、光信号に低周波信号を重畳した状態で変調器出力パワーまたは送信装置出力パワーの変動成分をモニタし、位相シフト部の位相シフト量を適正値(例えば、π/2の奇数倍)になるように制御する構成である。これに対して第9の実施形態に係る光送信装置では、低周波信号を重畳することなく、二乗検波機能を備えたRF(Radio Frequency)パワーモニタで変調器出力パワーまたは送信装置出力パワーの変動成分をモニタし位相シフト部の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)になるように制御するものである。
図24は、本発明の第9の実施形態に係る光送信装置の構成を示す概略ブロック図である。図24では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図24に示す光送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12およびプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1と第2のアームの該当端子に入力するMZ型変調器35を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐して位相シフト部12の適正値(例えば、π/2の奇数倍)からのずれを見るために電気信号を取り出す受光器(PD)51と、受光器(PD)51の出力信号を二乗検波しピークパワーの変動をモニタするRFパワーモニタ52を備えている。さらに、図示していないがRFパワーモニタ52の出力に基づいて位相シフト部12を制御する位相差制御手段を備えている。なお、受光器(PD)51に代えて強度変調器31の出力側から電気信号を取り出す受光器(PD)51’を配置してもよい。また、受光器51は、例えば、データ信号の速度に追従可能が高速応答フォトダイオードにより実現される。
図25(a)は、位相シフト部の位相シフト量と出力光信号波形の関係を示すシミュレーション結果である。また、図25(b)は、位相シフト部の位相シフト量と出力光信号のピークパワーの関係を示すグラフである。このように、位相シフト部12の位相シフト量が「π/2」であるときに、出力光信号のピークパワーが最小となる。すなわち、出力光信号のピークパワーが最小になるようにフィードバック制御を行えば、位相シフト部12の位相シフト量を「π/2」に保持することができる。
このように、第9の実施形態に係る光送信装置は、二乗検波機能を備えたRFパワーモニタを用いて光信号のピークパワーの変動をモニタし、そのモニタ結果に応じて位相シフト部をバイアス制御することで、位相シフト部の位相を適正値(例えば、π/2の奇数倍)に保って出力光信号の品質安定化を図ることができる。
<第10の実施形態>
第1〜第9の実施形態は、位相シフト部の位相シフト量のみを適正値に保持するための制御を行う構成である。これに対して第10の実施形態では、光送信装置全体として動作の安定化を図る構成を示す。
第1〜第9の実施形態は、位相シフト部の位相シフト量のみを適正値に保持するための制御を行う構成である。これに対して第10の実施形態では、光送信装置全体として動作の安定化を図る構成を示す。
図26は、DMPSK変調(但しM=2n )を利用した光送信装置の全体構成を示すブロック図である。「n=2」の場合は、4値を伝送できるDQPSK変調となる。図26は、DMPSK変調の一例として、DQPSK変調方式を採る光変調送信装置の全体構成を示す。なお、図26では、図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図26に示す光変調送信装置は、クロック信号発生部と、クロック信号発生部からのクロック信号を受けDQPSK用にプリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を生成する駆動信号発生部と、半導体レーザ(LD)11と、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部12、プリコードされたデータ信号DATA1、DATA2を第1及び第2のアーム21、22の該当端子に入力するデータ変調部20およびデータ変調部20の両アーム後段に配置され位相シフト部制御部70からの低周波信号の重畳を行う第1及び第2の電極23、24を備えてなる位相変調器と、該位相変調器からの出力光をクロック信号発生部からのクロック信号を受けて強度変調する強度変調器31と、分岐された前記光導波路を合波した後に分岐点1から分岐して位相変調器の干渉、DCドリフトなどの変動成分をモニタし、かつ強度変調器31の出力側の分岐点2から光信号を分岐して強度変調器のDCドリフト成分をモニタし、位相シフト部制御部70、2Vπ対応ABC制御部80及びVπ対応ABC制御部90にモニタ出力を供給するモニタ部61と、モニタ部61からのモニタ出力に基づいて位相シフト部12のバイアス(図中の制御信号(1)参照)を制御する位相シフト部制御部70と、モニタ部61からのモニタ出力に基づいてデータ変調部20の第1のアーム21に設けられたバイアス入力部にバイアス制御(図中の制御信号(2)参照)を行い且つデータ変調部20の第2のアーム22に設けられたバイアス入力部にバイアス制御(図中の制御信号(3)参照)を行う2Vπ対応ABC制御部80と、モニタ部61からのモニタ出力に基づいて強度変調器31のバイアス入力部にバイアス制御(図中の制御信号(4)参照)を行うVπ対応ABC制御部90を備えている。なお、分岐点1からの分岐をせずに分岐点2から分岐を行ってすべてモニタするようにしても良い。
上記光送信装置において、第1〜第9の実施形態と同様に、光信号に低周波信号を重畳する場合には、モニタ部61は、f0 成分および/または2f0 成分のパワーをモニタする。そして、そのモニタ結果に応じたフィードバック制御により、位相シフト部制御部70、2Vπ対応ABC制御部80、Vπ対応ABC制御部90は、それぞれ、対応するバイアス電圧を生成する。これにより、光送信装置全体として、安定的な動作が実現される。なお、強度変調器31がCSRZ変調を行う場合は,Vπ対応ABC制御部90の替わりに2Vπ対応ABC制御部を用いればよい。
図27は、図26に示した制御方式の第1の具体例を示す図である。なお、図27では図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図27に示す方式では、制御信号(1)〜(4)に対して同じ周波数の低周波信号が重畳される。そして、制御信号(1)〜(4)について時分割でバイアス制御および低周波信号のモニタが行われる。ここで、低周波信号を生成する信号生成器は、切替制御部62に内蔵されており、切替スイッチ63を介して順番に位相シフト部制御部70、2Vπ対応ABC制御部81、82、Vπ対応ABC制御部90に与えられる。
図27において、位相シフト部12を制御するときは、低周波信号が位相シフト部制御部70を介して位相シフト部12に与えられるように切替スイッチ63が切り替えられる。このとき、制御信号(2)〜(4)は固定しておく。モニタ部61は、光信号に重畳されている低周波信号をモニタする。そして、そのモニタ結果に応じて位相シフト部12が制御される。位相シフト部12の制御が終了すると、低周波信号が2Vπ対応ABC制御部81を介してデータ変調部20のアーム21に与えられるように切替スイッチ63が切り替えられる。このとき、制御信号(1)(3)(4)は固定しておく。モニタ部61は、光信号に重畳されている低周波信号をモニタする。そして、そのモニタ結果に応じてデータ変調部20のアーム21におけるDCドリフトを制御する。以下同様に、データ変調部20のアーム22におけるDCドリフトの制御、および強度変調器31におけるDCドリフトの制御が行われる。なお、図27には示していないが低周波信号の重畳については、上記した第1〜第8の実施形態として示した方法を用いることができる。このとき,強度変調器31がCSRZ対応の場合は,Vπ対応ABC制御部90の替わりに2Vπ対応ABC制御部を用いればよい。
図28は、図26に示した制御方式の第2の具体例を示す図である。なお、図28では図5に示す駆動信号発生部110およびクロック信号発生部120は省略されている。
図28に示す方式では、制御信号(1)〜(4)に対して互いに異なる周波数の低周波信号が重畳される。そして、制御信号(1)〜(4)についてバイアス制御および低周波信号のモニタが同時に行われる。すなわち、図28に示すように、制御信号(1)〜制御信号(4)に対して、それぞれ、周波数f0 〜周波数f3 の低周波信号が重畳される。ここで、この方式においては、一括制御部64が位相シフト部制御部70、2Vπ対応ABC制御部81、82、Vπ対応ABC制御部90を制御する。また、周波数f0 〜周波数f3 の低周波信号を生成する信号生成器は、例えば、一括制御部64に内蔵されている。
なお、上記第2の具体例の変更例として、第1の具体例で示した切替制御部を備え、異なる周波数の低周波信号の重畳を時分割に行い、制御信号(1)〜(4)についてモニタとバイアス制御を時分割で行うようにしてもよい。さらに、上記第1及び第2の具体例の変更例として、制御信号(1)〜(4)のうち、いくつかを同じ周波数信号で、残りを異なる低周波信号によって重畳を行い、制御信号(1)〜(4)についてモニタとバイアス制御を時分割と同時制御を組み合わせて行うようにしてもよい。
<第11の実施形態>
第11の実施形態では、第10の実施形態と同様に、光送信装置全体として動作の安定化を図る構成を示す。ただし、第11の実施形態は、DMPSK変調(M=2n )の中のDBPSK変調(すなわち、n=1)を採用した光送信装置である。
第11の実施形態では、第10の実施形態と同様に、光送信装置全体として動作の安定化を図る構成を示す。ただし、第11の実施形態は、DMPSK変調(M=2n )の中のDBPSK変調(すなわち、n=1)を採用した光送信装置である。
図29はCSRZ(Carrier Suppressed Return-to-Zero)−DPSK変調方式を用いる光変調送信装置のブロック図である。図29に示す光送信装置105は、入力信号とクロック信号発生部112からのクロック信号を受けMZ変調器113に対し駆動信号を生成する駆動信号発生部111と、駆動信号発生部111とCSRZ強度変調器130にクロック信号を供給するクロック信号発生部112と、CW光源115と、複数の変調電極を備え該電極に設けられた入力端子にデータ信号DATA1、DATA2を入力するよう構成されたMZ変調器113と、光信号をCSRZパルス化するためのCSRZ強度変調器130と、光信号に重畳された低周波信号成分をモニタするモニタ部(図示せず)からのモニタ出力に基づいてMZ変調器113のバイアス入力端125をバイアス制御(図中の制御信号(1)参照)する2Vπ対応ABC制御部150と、上記モニタ出力に基づいてCSRZ強度変調器130のバイアス入力端135をバイアス制御(図中の制御信号(2)参照)する2Vπ対応ABC制御部140を備えている。なお、MZ変調器113は、片側の変調電極にバイアス入力端125を有し、また、CSRZ強度変調器130は、バイアス入力端135を有する。
このように、第11の実施形態の光送信装置は、光信号に重畳された低周波信号成分をモニタするモニタ部(図示せず)からのモニタ出力に基づいて、MZ変調器及びCSRZ強度変調器のバイアスずれに対して制御信号(1)、(2)を用いてバイアス制御を行って光送信装置全体を安定的に動作させることができる。
図30は、図29に示す光送信装置における変動制御方式の第1の実施例を示す図である。図30では、図29に示す駆動信号発生部111およびクロック信号発生部112については図示を省略している。
図30に示す方式では、同じ周波数の低周波信号が時分割で重畳される。また、2Vπ対応ABC制御部160は、分岐点2から分岐した光信号を時分割でモニタする。そして、2Vπ対応ABC制御部160からMZ変調器113のバイアス入力端125及びCSRZ強度変調器130のバイアス入力端135に、図中の制御信号(1)、(2)に示すように、時分割でバイアス制御が行われる。
図31は、図29に示す光送信装置における変動制御方式の第2の構成例を示す図である。図31では、図29に示す駆動信号発生部111およびクロック信号発生部112については図示を省略している。
図31に示す方式では、互いに異なる周波数の低周波信号が重畳される。そして、2Vπ対応ABC制御部150は、分岐点1から分岐した光信号をモニタし、MZ変調器113のバイアス入力端125に、図中の制御信号(1)に示すバイアス制御を行う。また、2Vπ対応ABC制御部140は、2Vπ対応ABC制御部150の動作と並行に、分岐点2から分岐した光信号をモニタし、CSRZ強度変調器130のバイアス入力端135に、図中の制御信号(2)に示すバイアス制御を行う。
なお、図31では分岐点1、2から分岐した光信号がそれぞれ2Vπ対応ABC制御部150、140に導かれる構成であるが、図30に示すように分岐点2から分岐した光信号が2Vπ対応ABC制御部150、140の双方に導かれるようにしてもよい。
図32は、図30に示した第1の構成の具体例を示す図である。図32では、図29に示す駆動信号発生部111およびクロック信号発生部112については図示を省略している。
図32において、2Vπ対応ABC制御部160として、低周波信号f0 を発生させる低周波信号発生器127、138をバイアス入力端125、135の近傍に配置し、低速受光器(PD)171、通過周波数がf0 である帯域通過フィルタBPF172、低周波信号発生器127、138の出力位相とBPF172の出力位相とを比較することによりMZ変調器113におけるバイアスずれ及びCSRZ強度変調器130におけるバイアスずれに係るモニタする位相比較器173、およびモニタ出力に基づいてバイアス制御を行う制御装置CONT175を備える。ここで、低周波信号の重畳およびバイアス制御は、それぞれ時分割で行われる。
図33は、図31に示した第2の構成の具体例を示す図である。図33では、図29に示す駆動信号発生部111およびクロック信号発生部112については図示を省略している。ただし、図33では、1つの2Vπ対応ABC制御部がMZ変調器113およびCSRZ強度変調器130を制御するものとする。
図33においては、低周波信号f0 を発生させる低周波信号発生器127がバイアス入力端125の近傍に配置され、低周波信号f1 を発生させる低周波信号発生器137がバイアス入力端135の近傍に配置される。そして、2Vπ対応ABC制御部は、低速受光器(PD)161と、通過周波数がf0 である帯域通過フィルタBPF162と、低周波信号発生器127の出力位相とBPF162の出力位相とを比較してMZ変調器113におけるバイアスずれをモニタする位相比較器164と、通過周波数がf1 である帯域通過フィルタBPF163と、低周波信号発生器137の出力位相とBPF163の出力位相とを比較してCSRZ強度変調器130におけるバイアスずれをモニタする位相比較器165と、位相比較器164、165のモニタ結果に応じてMZ変調器113およびCSRZ強度変調器130を制御する制御装置168を備える。
図34は、図30〜図33に示したMZ変調器113におけるバイアスと検出される低周波信号の関係を示す図である。図34に示すように、MZ変調器113におけるバイアスが適切であれば、出力光信号から抽出されるf0 成分が最小となり、バイアスずれ発生すると、f0 成分は大きくなる。なお、バイアスが+側にずれた場合と−側にずれた場合とで、抽出される信号の位相が反転する。よって、f0 成分が最小となるようにフィードバック制御を行えば、MZ変調器113におけるバイアスを適切に制御できる。
図35は、図30〜図33に示したCSRZ強度変調器130におけるバイアスと検出される低周波信号の関係を示す図である。図35に示すように、CSRZ強度変調器130におけるバイアスが適切であれば、出力光信号から抽出されるf1 成分が最小となり、バイアスずれ発生すると、f1 成分は大きくなる。なお、バイアスが+側にずれた場合と−側にずれた場合とで、抽出される信号の位相が反転する。よって、f1 成分が最小となるようにフィードバック制御を行えば、CSRZ強度変調器130におけるバイアスを適切に制御できる。
図36は、図30に示す光送信装置の変形例であり、CSRZ強度変調器130の代わりにRZ強度変調器130aが設けられている。この場合、分岐点2で分岐された光信号に含まれるf0 成分は、モニタ部130bにおいてモニタされる。そして、MZ変調器113にバイアスを与える2Vπ対応ABC制御部130cおよびRZ強度変調器130aにバイアスを与えるVπ対応ABC制御部130dは、それぞれモニタ部130bによるモニタ結果を参照する。この構成によれば、2Vπ対応ABC制御部130cおよびVπ対応ABC制御部130dによって1つのモニタ部が共用される。
上述したように、位相シフト部12、13は、データ変調部の1組の光導波路間に適正な位相差(例えば、π/2の奇数倍)を与えることができる。他の実施の形態として、たとえば、分岐された光導波路上に薄膜ヒータなどを配置し光導波路の温度を変化させること、あるいは圧電素子などを配置して適切な電圧を印加して光導波路に応力を加えことにより、光導波路の屈折率を変化させることができる。その結果、分岐した光導波路間に適切な位相差を与えるよう制御することが可能になる。
さらに、前述の実施形態において、位相シフト部12、13は、一方の光導波路に配置されているが、分岐された光導波路の双方に配置してもよい。この場合、分岐された光導波路に配置される位相シフト部(電極、薄膜ヒータ、圧電素子)への印加電圧、温度などを非対称にすることにより相対的な位相差を適切に与えることができる。
さらに、上述の実施例では、主に、DQPSK変調について説明したが、本発明の制御は、QPSK変調にもそのまま適用可能である。また、本発明は、2n PSK(n≧3)あるいはQAMにも適用可能である。ただし、本発明をこれらの変調方式に適用する場合には、例えば、データ変調部に入力されるデータ信号として4値以上の多値データを用いるようにする。
次に、上述した位相シフト量の調整の精度を向上させる技術について説明する。
DQPSK変調においては、上述したように、1組の光信号間に「π/2」の位相差を与える位相シフト部が必要である。そして、位相シフト部による位相シフト量を調整するために、その位相シフト部に与えるバイアス電圧がフィードバック制御される。ここで、フィードバック制御に使用するパラメータをモニタする回路の小型化/低コスト化を図るためには、安価な低速フォトダイオードを利用して変調光信号の時間平均光パワーをモニタする構成が望ましい。ところが、DQPSK変調では、上記位相差が「π/2」からずれたとしても、平均光パワーの変化は小さく、DCドリフトの検出および調整が容易ではない。
DQPSK変調においては、上述したように、1組の光信号間に「π/2」の位相差を与える位相シフト部が必要である。そして、位相シフト部による位相シフト量を調整するために、その位相シフト部に与えるバイアス電圧がフィードバック制御される。ここで、フィードバック制御に使用するパラメータをモニタする回路の小型化/低コスト化を図るためには、安価な低速フォトダイオードを利用して変調光信号の時間平均光パワーをモニタする構成が望ましい。ところが、DQPSK変調では、上記位相差が「π/2」からずれたとしても、平均光パワーの変化は小さく、DCドリフトの検出および調整が容易ではない。
そこで、下記の第12および第13の実施形態において、位相シフト部のDCドリフトに対して出力光信号の平均光パワーの変化を大きくするための構成を示す。
<第12の実施形態>
DQPSK変調においては、図2を参照しながら説明したように、各シンボルは、2ビットのデータ(DATA1、DATA2)から構成されている。そして、データDATA1は「0」または「π」が割り当てられる。また、データDATA2は「π/2」または「3π/2」が割り当てられる。よって、各シンボル(00、10、11、01)は、それぞれ「π/4」「3π/4」「5π/4」「7π/4」により表される。
DQPSK変調においては、図2を参照しながら説明したように、各シンボルは、2ビットのデータ(DATA1、DATA2)から構成されている。そして、データDATA1は「0」または「π」が割り当てられる。また、データDATA2は「π/2」または「3π/2」が割り当てられる。よって、各シンボル(00、10、11、01)は、それぞれ「π/4」「3π/4」「5π/4」「7π/4」により表される。
第12の実施形態においては、図37に示すように、データDATA1は「0」又は「π+α」が割り当てられる。一方、データDATA2は「φ」又は「φ+π+β」が割り当てられる。ここで、「φ」は、位相シフト部による位相シフト量であり、理想的には「π/2」である。また、「α」および「β」は、第12の実施形態において付加される位相である。
データDATA1に対応する信号点A、B、およびデータDATA2に対応する信号点C、Dは、位相平面上では下記のように表される。
これに対して第12の実施形態の光送信装置によれば、「α」および「β」がゼロでないので、上記(1)式において「φ」を含む項が残ることになる。よって、位相シフト量がπ/2からずれると、それに応じて平均光パワーPave も変化する。すなわち、平均光パワーPave をモニタすることで位相シフト部による位相シフト量の変化を容易に検出することができる。
「α」および「β」は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、「α」および「β」は、正の位相であってもよいし、負の位相であってもよい。したがって、第12の実施形態において「位相を付加する」とは、位相を正方向に回転させること、および負方向に回転させることの双方を含む。なお、「α」および「β」は、通信品質の低下が許容範囲内となる範囲で決定される必要がある。
図38〜図40は、第12の実施形態の第1〜第3の実施例である。ここでは、図37を参照しながら説明した「α」および「β」を付加するための構成のみを示す。なお、半導体レーザ11、位相シフト部13、データ変調部40、駆動信号発生部110については、上述した通りである。また、位相制御回路201は、データ変調部40から出力される変調光信号の平均光パワーをモニタし、そのモニタ結果に応じて位相シフト部13による位相シフト量を制御する。
第1の実施例においては、各MZ変調器にデータ信号電圧を与えるための1組の電極のうちの一方を、そのMZ変調器の出力側の結合導波路に達するように形成する。図38に示す例では、電極202、203がそれぞれY分岐に達するように形成されている。MZ変調器の電極202、203を上述のように形成すると、データ信号の論理値が変化したときに、MZ変調器において光信号の周波数が瞬時的に変化し、いわゆるチャープが発生する。この結果、図37に示す位相αおよび位相βが生成される。なお、MZ変調器の電極を延ばすことによりチャープを発生させる技術は、例えば、特開平7−199133号公報に詳しく記載されている。
第2の実施例では、MZ変調器に与えられる1組のデータ信号の振幅を互いに異ならせる。図39に示す例では、データ信号DATA1は、減衰素子211を介してMZ変調器の一方の電極に与えられると共に、データ信号DATA2は、減衰素子212を介してMZ変調器の他方の電極に与えられる。ここで、減衰素子211による減衰量(減衰1)および減衰素子212による減衰量(減衰2)は、互いに異なっている。これにより、第1の実施例と同様に、データ信号の論理値が変化したときにチャープが発生し、図37を参照しながら説明した位相αが生成される。また、データ信号DATA2についても同様であり、減衰3、減衰4を互いに異ならせることにより、位相βが生成される。
なお、減衰1〜4を得るための減衰素子は、電気信号を搬送するための金属パターンであってもよい。この場合、減衰量は、金属パターンの幅あるいは長さを変えることにより調整可能である。
第3の実施例では、MZ変調器に与えられる1組のデータ信号のタイミングを互いに異ならせる。図40に示す例では、データ信号DATA1は、遅延素子221を介してMZ変調器の一方の電極に与えられると共に、データ信号DATA2は、遅延素子222を介してMZ変調器の他方の電極に与えられる。ここで、遅延素子221による遅延量(遅延1)および遅延素子222による遅延量(遅延2)は、互いに異なっている。これにより、第1の実施例と同様に、データ信号の論理値が変化したときにチャープが発生し、図37を参照しながら説明した位相αが生成される。また、データ信号DATA2についても同様であり、遅延3、遅延4を互いに異ならせることにより、位相βが生成される。
なお、遅延1〜4を得るための遅延素子は、電気信号を搬送するための金属パターンであってもよい。この場合、遅延量は、金属パターンの長さを変えることにより調整可能である。
<第13の実施形態>
変調光信号の平均光パワーPave は、第12の実施形態において説明したように、上記(1)式により表される。しかし、上記(1)式は、データ信号のマーク率が均等であることを前提としている。すなわち、上記(1)式は、4種類のシンボル値(00、10、11、01)が等しい頻度で発生することを前提としている。
変調光信号の平均光パワーPave は、第12の実施形態において説明したように、上記(1)式により表される。しかし、上記(1)式は、データ信号のマーク率が均等であることを前提としている。すなわち、上記(1)式は、4種類のシンボル値(00、10、11、01)が等しい頻度で発生することを前提としている。
これに対して、第13の実施形態では、データ信号のマーク率が不均等化される。そして、データ信号のマーク率が不均等化することにより、第12の実施形態と実質的に同じ効果が得られる。
図41は、第13の実施形態の原理を説明する図である。第13の実施形態において、データDATA1には「0」又は「π」が割り当てられる。また、データDATA2には「φ」又は「φ+π」が割り当てられる。ここで、「φ」は、位相シフト部による位相シフト量であり、理想的には「π/2」である。
データDATA1に対応する信号点A、B、およびデータDATA2に対応する信号点C、Dは、位相平面上では下記のように表される。
図42は、データ信号のマーク率を制御する方法の概要を説明する図である。なお、マーク率の制御は、例えば、駆動信号発生部の中で行われる。
データ信号(入力信号列)は、スクランブラ251によって、そのマーク率が均等化される。これにより、各シンボル(00、10、11、01)の出現確率は、概ね均等に制御される。なお、データ信号のマーク率を均等化する技術は、公知の技術である。
冗長ビット付加部252は、スクランブラ251によってスクランブルされたデータ信号に対して冗長ビットを付加する。このとき、Nビットのデータ信号に対してMビットの冗長ビットが付加される。よって、データレートは、(N+M)/N倍になる。なお、冗長ビットとしては、特定のシンボル(例えば、「00」および「11」)を発生させる値が使用される。これにより、変調光信号の平均光パワーPave は、位相シフト量φの関数となり、平均光パワーをパラメータとして位相シフト部をフィードバック制御できる。
なお、第12および第13の実施形態として示した機能は、それぞれ、第1〜第8の実施形態の光送信装置に適用することもできるし、低周波信号を利用しない光送信装置にも適用することができる。
<第14の実施形態>
第1〜第8の実施形態の光送信装置装においては、上述したように、光信号に低周波信号を重畳し、変調器の出力光に含まれるf0 成分および/または2f0 成分をモニタすることにより、位相シフト部12、13の移相量が調整される(位相調整ABC)。また、位相変調器のDCドリフトの制御(2×Vπ対応ABC)およびRZ変調器のDCドリフトの制御(Vπ対応ABC)も行われる。これらの制御を図43にまとめて示す。
第1〜第8の実施形態の光送信装置装においては、上述したように、光信号に低周波信号を重畳し、変調器の出力光に含まれるf0 成分および/または2f0 成分をモニタすることにより、位相シフト部12、13の移相量が調整される(位相調整ABC)。また、位相変調器のDCドリフトの制御(2×Vπ対応ABC)およびRZ変調器のDCドリフトの制御(Vπ対応ABC)も行われる。これらの制御を図43にまとめて示す。
図44は、RZ変調器(図4に示すRZ強度変調器300)のVπ対応ABC制御について説明する図である。Vπ対応ABC制御では、変調器の駆動信号に低周波信号f0 が重畳される。そして、変調器の出力光に含まれるf0 成分がモニタされる。このとき、変調器のバイアス電圧が適切に調整されていれば、検出されるf0 成分がゼロまたは極小になる。これに対して、バイアス電圧が適正値からずれてDCドリフトが発生すると、変調器の出力光からf0 成分が検出される。よって、Vπ対応ABC回路は、変調器の出力光から検出されるf0 成分を最小化するように、バイアス電圧をフィードバック制御する。これにより、バイアス点が常に最適点に保持される。また、バイアス点が正側にずれた場合に検出されるf0 成分の位相と、バイアス点が負側にずれた場合に検出されるf0 成分の位相とは、互いに反転している。よって、この位相の極性をモニタすることにより、バイアス電圧を増加させるべきか減少させるべきかを容易に知ることが可能である。
図45は、位相変調器(図4に示すMZ型光変調器200)が備えるIアーム/Qアームの2×Vπ対応ABC制御について説明する図である。2×Vπ対応ABC制御も、基本的にはVπ対応ABC制御と同様に、f0 成分を最小化するフィードバック制御によりバイアス点が最適点に保持される。また、2×Vπ対応ABC制御においても、Vπ対応ABC制御と同様に、バイアス点のずれの方向に応じて、検出されるf0 成分の位相が変化する。
位相シフト部12、13の移相量を調整するための位相調整ABCにおいては、図6〜図8に示すように、f0 成分が最大になるように、或いは2f0 成分が最小になるように、バイアス電圧がフィードバック制御される。これにより、位相シフト部12、13の移相量が最適値に保持される。しかし、位相調整ABCにおいては、バイアス点が極大点と極小点の中間に設定されるので、位相シフト部12、13の移相量が「π/2」からずれても、変調器の出力光から検出されるf0 成分の振幅の変化は小さい。
図46は、検出される低周波信号(すなわち、f0 成分または2f0 成分)についての比較結果をまとめた図である。ここでは、光信号に重畳される低周波信号(パイロット信号)の周波数は、1.1kHzである。そして、自動バイアス制御においては、図46の項目4として記載されている「AC成分の振幅」がモニタされる。ところが、位相制御ABCにおいて検出されるAC成分の振幅は、DCドリフトを補償する際に検出されるAC成分の振幅と比べて非常に小さい。図46に示す例では、位相制御ABCにおいて検出される電流振幅は、1nA程度である。したがって、位相シフト部12、13の移相量の調整は、位相変調器あるいはRZ変調器のDCドリフトを補償するための制御と比較して困難である。
また、位相シフト部12、13の移相量の調整においては、図6〜図8に示すように、位相シフト部の移相量が正側にずれた場合に検出されるf0 成分の位相と、その移相量が負側にずれた場合に検出されるf0 成分の位相とは、互いに同じである。よって、この点においても、位相シフト部12、13の移相量の調整は、DCドリフトを補償するための制御と比較して困難である。そこで、第14の実施形態においては、これらの問題点を解決する構成を示す。
図47は、第14の実施形態の光送信装置の構成を示す図である。図47において、1組の位相変調器を含むデータ変調部10、および強度変調器31の構成および動作は、基本的には、第1〜第8の実施形態と同じである。なお、低速受光器3(あるいは、低速受光器3’)の入力光パワーは、例えば−10dBm程度である。バイアス電圧は、例えば±30V以上である。低周波信号の振幅は、バイアス電圧に対して十分に小さく、例えば約100mV(0.05Vπ程度)である。
図47において、バイアス生成部281は、バイアス制御部283からの指示に従ってバイアス信号を生成し、位相シフト部12に与える。ここで、バイアス信号は、例えば、所定の範囲内の直流電圧信号である。低周波信号発生器1は、周波数f0 の低周波信号を生成する。この低周波信号は、バイアス信号に重畳される。よって、この低周波信号も位相シフト部12に与えられる。この結果、データ変調部10の出力光は、f0 成分を含むことになる。
低速受光器3は、データ変調部10の出力光の分岐光に対応する電流を生成する。I/V変換器3aは、低速受光器3により生成される電流信号を電圧信号に変換する。バンドパスフィルタ7は、その中心周波数がf0 であり、I/V変換器3aの出力信号をフィルタリングする。ロックインアンプ282は、低周波信号発生器1が生成する低周波信号を利用した同期検波によりバンドパスフィルタ7の出力信号の振幅を検出し、その検出値を一定の利得で増幅して出力する。そして、バイアス制御部283は、検出された振幅値に基づいて、バイアス生成部281に対して指示を与える。
なお、上述の実施形態と同様に、データ変調部10の出力光をモニタする低速受光器3の代わりに、強度変調器31の出力光をモニタする低速受光器3’を利用してもよい。また、位相シフト部12は、データ変調部10の一方のアームのみに設けられてもよいし、双方のアームに設けられてもよい。
図48は、第14の実施形態における移相量調整方法の概要を説明する図である。ここでは、ある時点において位相シフト部12にバイアス電圧Vbiasが与えられているものとする。
まず、期間1において、「Vbias」と「Vbias−ΔV」との間で振動するバイアス信号を位相シフト部12に与え、その状態で同期検波を行う。この同期検波により得られる振幅値Vdet1を保持する。なお、「ΔV」は、低周波信号の振幅である。続いて、期間2において、「Vbias」と「Vbias+ΔV」との間で振動するバイアス信号を位相シフト部12に与え、その状態で同期検波を行う。同様に、この同期検波により得られる振幅値Vdet2を保持する。そして、「Vdet1」と「Vdet2」とを比較し、その結果に応じてバイアス電圧Vbiasを制御する。
ここで、位相シフト部12の移相量を最適化するためには、検出される振幅値を最大にする必要がある。そうすると、「Vdet1<Vdet2」であるときは、バイアス制御部283は、期間1の状態よりも期間2の状態の方が最適移相量に近いと判断し、バイアス電圧を上昇させる旨の指示を生成する。一方、「Vdet1>Vdet2」であるときは、バイアス制御部283は、期間2の状態よりも期間1の状態の方が最適移相量に近いと判断し、バイアス電圧を低下させる旨の指示を生成する。以降、期間1および期間2の制御を繰り返すことにより、位相シフト部12の移相量が適正値π/2に収束することになる。なお、「Vdet1」および「Vdet2」が互いに等しければ、位相シフト部12の移相量が適正値π/2であるものと判断し、バイアス電圧はそのまま保持される。
図49は、低周波信号の振幅と検出されるf0 成分との関係を示す図である。ここでは、バイアス電圧が約8.6Vのときに位相シフト部12の移相量が最適化されている。また、ここでは、検出されるf0 成分の振幅は、ロックインアンプ282の出力信号として表されている。そして、低周波信号として、100mV〜400mVの矩形波信号が使用されている。
図49に示すように、低周波信号の振幅を大きくすると、データ変調部10の出力光から検出されるf0 成分の振幅も大きくなる。ただし、低周波信号の振幅を大きくし過ぎる、通信品質が劣化するので、注意が必要である。また、この実施形態では、ロックインアンプ282から出力される1組の信号(図48に示すVdet1およびVdet2)を互いに比較することによりバイアス電圧の上昇/低下を判断するので、DCドリフトを補償する際にf0 成分信号の位相の極性を利用してバイアス電圧を制御する構成と同等の調整精度が得られる。
図50は、第14の実施形態による効果について説明する図である。ここでは、低周波信号として振幅が400mVの矩形波が使用されたときのロックインアンプの出力振幅を示している。
図50(a)は、第1の実施形態等において、変調器の出力光から検出される2f0 成分の振幅を示している。なお、第1の実施形態等においては、上述したように、移相量のずれ方向が変わっても、変調器の出力から得られるf0 成分信号の位相は変化しない。一方、第1の実施形態等においては、移相量のずれ方向が変わったときに、変調器の出力から得られる2f0 成分信号の位相は変化する。よって、第14の実施形態と対比すべき方式として、位相をモニタすることにより移相量のずれ方向を検出できる2f0 成分を利用する方式を取り上げる。
第1の実施形態等においては、上述したように、2f0 成分の極小値を検出するフィードバック制御が行われる。しかし、移相量の最適点に近い領域では、2f0 成分の振幅は非常に小さい。よって、ノイズの影響により、移相量の制御の精度が低下するおそれがある。また、ロックインアンプのロックイン時間も長くなるおそれがある。
図50(b)は、第14の実施形態において、変調器の出力光から検出されるf0 成分の振幅を示している。第14の実施形態においては、f0 成分の極大値を検出するフィードバック制御が行われる。よって、移相量の最適点に近い領域では、f0 成分の振幅は十分に大きい。したがって、ノイズが発生する環境下でも、移相量の制御の精度が高い。また、ロックインアンプのロックイン時間も短い。
このように、第14の実施形態によれば、変調器の出力光から得られるf0 成分信号の位相をモニタすることにより移相量を増やすべきか減らすべきかを容易に検出でき、且つ、移相量の調整制度が高くなる。
図51は、第14の実施形態における移相量調整方法のフローチャートである。また、図52は、図51に示すフローチャートの参考図である。なお、ここでは、現在のバイアス電圧を「Vpresent」と呼ぶことにする。
ステップS1では、バイアス制御部283の指示に従ってバイアス電圧Va が生成され、そのバイアス電圧が位相シフト部12に印加される。「Va 」は、「Vpresent」よりも所定値だけ低い電圧である。ステップS2では、バイアス電圧Va に低周波信号が重畳される。ステップS3では、f0 成分についての同期検波により、データ変調部10の出力光に含まれているf0 成分の振幅が検出される。そして、ステップS1〜S3を所定時間継続して実行することにより、同期検波値Pa が得られる。
ステップS4では、バイアス制御部283の指示に従ってバイアス電圧Vc が生成され、そのバイアス電圧が位相シフト部12に印加される。「Vc 」は、「Vpresent」よりも所定値だけ高い電圧である。ステップS5では、バイアス電圧Vc に低周波信号が重畳される。ステップS6では、f0 成分についての同期検波により、データ変調部10の出力光に含まれているf0 成分の振幅が検出される。そして、ステップS4〜S6を所定時間継続して実行することにより、同期検波値Pc が得られる。
ステップS7では、ステップS1〜S6により得られた同期検波値Pa および同期検波値Pc を比較することにより、バイアス電圧の変化方向の極性を検出する。ここで「極性」は、バイアス電圧を上昇させるべきか低下させるべきかを表す。このとき、同期検波値Pa よりも同期検波値Pc の方が大きければ「極性:+」と判断される。一方、同期検波値Pa よりも同期検波値Pc の方が小さければ「極性:−」と判断される。
ステップS8では、同期検波値Pa と同期検波値Pc との差分が誤差範囲内か否かを調べる。そして、この差分が誤差範囲内であれば、バイアス電圧Vpresentが最適値またはほぼ最適値に調整されているものとみなし、処理を終了する。一方、上記差分が誤差範囲を超えていれば、ステップS9において、上述のようにして検出された極性に従ってバイアス電圧Vpresentを変更する。すなわち、「極性:+」であれば、バイアス電圧Vpresentを所定量だけ上昇させる、「極性:−」であれば、バイアス電圧Vpresentを所定量だけ低下させる。
上記ステップS1〜S9を繰り返し実行することにより、データ変調部10の出力光に含まれているf0 成分が最大化されるようにバイアス電圧が制御され、位相シフト部12の移相量が適正値π/2に調整される。
なお、「Vc −Vpresent」および「Vpresent−Va 」は、低周波信号の振幅よりも大きくてもよいし、低周波信号の振幅よりも小さくてもよいし、低周波信号の振幅と同じであってもよい。また、ステップS9における変化量は、一定であってもよいし、同期検波値Pa と同期検波値Pc との差分に応じて決定されてもよい。
このように、第14の実施形態によれば、DQPSK光送信装置およびRZ−DQPSK光送信装置において必須のπ/2遅延要素の移相量を容易に精度よく調整することができる。また、10Gbps程度の光送信装置で使用される従来の自動バイアス制御回路と同程度のサイズで40Gbps程度の光送信装置の移相量調整回路を実現できる。したがって、国際的に標準化されているMSA(Multi Source Agreement)規格に沿ったサイズで40Gbps程度の高速トランスポンダを提供できる。
<<光受信装置>>
次に、本発明に係わる光受信装置について説明する。
次に、本発明に係わる光受信装置について説明する。
<DQPSK受信装置>
図53は、本発明の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。この光受信装置は、DQPSK変調された光信号を受信して復調する。ここで、光信号により伝送されるデータの速度は、例えば、43Gbpsであり、シンボルレートは21.5Gである。
図53は、本発明の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。この光受信装置は、DQPSK変調された光信号を受信して復調する。ここで、光信号により伝送されるデータの速度は、例えば、43Gbpsであり、シンボルレートは21.5Gである。
図53において、入力される光信号は、分岐されて第1の経路および第2の経路に導かれる。第1および第2の経路には、それぞれ干渉計301(301a、301b)が設けられている。干渉計301は、例えば、マッハツェンダ型遅延干渉計である。干渉計301は、それぞれ第1のアームおよび第2のアームを備える。ここで、干渉計301の第1のアームは、それぞれ、光信号を1シンボル時間だけ遅延させる。ただし、干渉計301aの第2のアームは、光信号の位相を「+π/4」だけシフトさせ、干渉計301bの第2のアームは、光信号の位相を「−π/4」だけシフトさせる。なお、第2のアームの位相シフト量は、それぞれバイアス電圧により制御される。
受光回路302(302a、302b)は、対応する干渉計301から出力される光信号を電気信号に変換する。ここで、受光回路302は、それぞれ1組のフォトダイオード(ツインフォトダイオード)から構成されている。そして、干渉計301から出力される1組の光信号がその1組のフォトダイオードに与えられると、受光回路302は、その1組のフォトダイオードにより生成される電流の差分を表す差動受信信号を出力する。
なお、受光回路302は、1組の受光器により生成される電流の差分に相当する差電流を出力する。そして、トランスインピーダンスアンプ(TIA:Trans Impedance Amplifier)305は、その差電流を電圧信号に変換し、差動受信信号として出力する。ただし、以下の説明においては、特に断らない限り、受光回路302の出力信号とTIA305の出力信号とを区別しないこととする。また、「受光回路」は、受光回路302およびTIA305を含む概念として使用することがある。
再生回路(CDR:Clock Data Recovery)303(303a、303b)は、対応する受光回路302の出力信号からクロック信号およびデータ信号を再生する。そして、マルチプレクサ304は、再生回路303a、303bの出力信号を多重化する。これにより、復調されたデータが得られる。なお、この光受信装置の構成および動作については、例えば、特表2004−516743号公報に記載されている。
上記構成の光受信装置において受信した光信号からデータを再生するためには、各干渉計301の第2のアームの位相シフト量が正確に「+π/4」または「−π/4」に調整されている必要がある。そこで、以下では、この位相シフト量を調整するための構成および動作について説明する。
<第1の実施形態>
図54は、第1の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第1の実施形態の光受信装置は、二乗回路311、フィルタ312、モニタ部313、位相制御回路314を備える。なお、第1の経路および第2の経路に設けられる構成は、基本的に同じなので、以下では第2の経路については省略する。
図54は、第1の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第1の実施形態の光受信装置は、二乗回路311、フィルタ312、モニタ部313、位相制御回路314を備える。なお、第1の経路および第2の経路に設けられる構成は、基本的に同じなので、以下では第2の経路については省略する。
図55は、受光回路302から出力される差動受信信号の波形を示す図である。図56は、その差動受信信号のアイダイアグラ(アイパターン)を示す図である。ここで、第2のアームにおける位相シフト量が正確に「π/4」であれば、差動受信信号の波形は、図55(a)に示すように安定しており、図56(a)に示す開口の広いアイダイアグラムが得られる。ところが、その位相シフト量が「π/4」からずれると、差動受信信号の波形は、図55(b)に示すように不安定になり、アイダイアグラムの開口は図56(b)に示すように狭くなってしまう。なお、図55(b)および図56(b)は、位相シフト量が「π/4+Δ(Δ=30度)」である場合のシミュレーション結果である。
二乗回路311は、受光回路302から出力される差動受信信号を二乗する。二乗回路311は、特に限定されるものではないが、例えば、ギルバートセルを含むアナログ掛け算回路により実現される。この場合、アナログ掛け算回路を用いて差動受信信号を互いに掛け合わせることにより差動受信信号の二乗信号が得られる。
図57は、二乗回路311から出力される二乗信号の波形を示す図である。図58は、その二乗信号のスペクトルを示す図である。第2のアームにおける位相シフト量が正確に「π/4」であれば、二乗信号は、図57(a)に示すように、シンボル周期で概ね一定の値が出現する波形となる。よって、この場合、二乗信号のスペクトルにおいては、図58(a)に示すように、シンボル周波数成分(ここでは、21.5GHz)およびその高調波成分のみが現われる。一方、その位相シフト量が「π/4」からずれると、二乗信号は、図57(b)に示すように、ランダムな周期で様々な値が出現する波形となる。よって、この場合、二乗信号のスペクトルは、図58(b)に示すように、様々な周波数成分を含むことになる。
フィルタ312は、シンボル周波数の整数倍の周波数を除く連続した周波数成分の少なくとも一部を透過させるフィルタ、すなわち、例えばシンボル周波数(ここでは、21.5GHz)よりも低い周波数を通過させるローパスフィルタ(または、帯域通過フィルタ)であり、二乗回路311から出力される二乗信号をフィルタリングする。モニタ部313は、フィルタ312の出力信号のパワーをモニタする。そして、位相制御回路314は、モニタ部313のモニタ結果に応じて、干渉計301の第2のアームの位相シフト量を制御する。位相シフト量は、例えば、第2のアームに与えるバイアス電圧により制御される。
上記構成において、第2のアームにおける位相シフト量のずれがゼロであれば(すなわち、位相シフト部による位相シフト量が正確に「π/4」であれば)、二乗信号はシンボル周波数成分およびその高調波成分のみを含んでいる。この場合、モニタ部313により検出されるパワーは、ゼロに近い状態になる。一方、位相シフト量のずれが発生すると、二乗信号は、様々な周波数成分(特に、シンボルレートよりも低い周波数成分)を含んでいる。この場合、モニタ部313により検出されるパワーは、ずれ量に応じた値になる。したがって、モニタ部313により検出されるパワーを最小化するようにフィードバック制御を行えば、位相シフト量が「π/4」に収束することになる。
図59は、図54に示す光受信装置の変形例を示す図である。図59に示す光受信装置の構成は、基本的には、図54に示した光受信装置と同じである。ただし、この光受信装置は、二乗回路311の代わりに絶対値回路315が設けられている。
絶対値回路315は、受光回路302から出力される差動受信信号を全波整流する。なお、絶対値回路315は、特に限定されるものではないが、例えば、複数のダイオードを接続した全波整流回路、あるいはオペアンプを利用して形成される全波整流回路により実現される。
フィルタ312、モニタ部313、位相制御回路314は、基本的に、図54に示す光受信回路と同じである。そして、この光受信装置においても、モニタ部313により検出されるパワーを最小化するようにフィードバック制御を行えば、位相シフト量が「π/4」に収束する。
<第2の実施形態>
図60は、第2の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第2の実施形態の光受信装置は、低周波信号を利用して位相シフト量を調整する構成である。
図60は、第2の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第2の実施形態の光受信装置は、低周波信号を利用して位相シフト量を調整する構成である。
図60において、低周波発振器321は、数kHz〜数MHz程度の低周波信号を生成する。以下では、この低周波信号の周波数を「f0 」と呼ぶことにする。この低周波信号は、低周波重畳回路322を介して干渉計301の第2のアームに与えられる。このため、第2のアームにおける位相シフト量は、この低周波信号の電圧に応じて周期的に変化することとなる。したがって、干渉計301から出力される光信号あるいは受光回路302から出力される差動受信信号は、f0 成分を含むことになる。
掛け算回路323は、上述した二乗回路311と同様に、受光回路302から出力される差動受信信号を互いに掛け合わせる。フィルタ324は、周波数2f0 を通過させるローパスフィルタであり、二乗回路311の出力信号をフィルタリングする。検出部325は、低周波信号を利用した同期検波により、フィルタ324の出力からf0 成分及び/又は2f0 成分を検出する。そして、位相制御回路326は、検出部325による検出結果に応じて、干渉計301の第2のアームの位相シフト量を制御する。位相シフト量は、例えば、第2のアームに与えるバイアス電圧により制御される。なお、掛け算回路323とフィルタ324との間には、掛け算回路323の出力信号の振幅またはパワーをモニタするモニタ部が設けられるが、図60においては省略されている。
図61は、第2の実施形態の光受信装置の動作原理を説明する図である。図61(a)は、第2のアームにおける位相シフト量と干渉計301の出力の光パワー(相対値)の関係を示している。ここで、横軸は、「π/4」からのずれを表している。そして、位相制御回路326により制御される位相シフト量が正確に「π/4」であれば、低周波信号が重畳されたときの位相シフト量は、光パワーが極小値となる点を跨ぐようにして振動することになる。したがって、この場合、図61(b)に示すように、2f0 成分が生成される。一方、位相シフト量が「π/4」からずれると、低周波信号が重畳されたときの位相シフト量は、光パワーが極小値となる点から離れた領域で振動することになる。したがって、この場合、図61(c)に示すように、2f0 成分は生成されず、f0 成分のみが得られる。このとき、f0 成分信号の位相は、位相シフト量が正側にすれた場合と負側にずれた場合とでは、互いに反転している。
第2の実施形態の光受信装置は、上記動作原理を利用して、第2のアームにおける位相シフト量を最適化する。すなわち、位相制御回路326は、検出部325により検出される2f0 成分のパワーが最大になるように、フィードバック制御を行う。あるいは、検出部325により検出されるf0 成分のパワーが最小になるように、フィードバック制御を行う。これにより、第2のアームにおける位相シフト量が「π/4」に収束する。このとき、f0 成分信号の位相をモニタすることにより、位相シフト量を増やすべきか減らすべきかを容易に判断することができる。
<第3の実施形態>
図62は、第3の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第3の実施形態の光受信装置は、受信信号についての統計処理を利用して位相シフト量を調整する。
図62は、第3の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第3の実施形態の光受信装置は、受信信号についての統計処理を利用して位相シフト量を調整する。
図62において、高速サンプリング回路331は、受光回路302から出力される差動受信信号をサンプリングする。サンプリングタイミングは、再生回路303により生成されるクロック信号およびサンプリング信号処理回路332からのトリガ信号に従う。具体的には、サンプリングは、例えば、シンボル周期あるいはシンボル周期の整数倍の周期で行われる。
サンプリング信号処理回路332は、サンプリングにより得られた各サンプリング値の発生頻度を求める。そして、位相制御回路333は、サンプリング信号処理回路332により得られる発生頻度情報に応じて、干渉計301の第2のアームの位相シフト量を制御する。位相シフト量は、例えば、第2のアームに与えるバイアス電圧により制御される。
図63(a)および図63(b)は、高速サンプリング回路331によるサンプリング動作の例を示している。ここでは、シンボル周期の3倍の周期でサンプリングが行われている。そして、位相シフト量が正確に「π/4」であれば、図63(a)に示すように、サンプリングにより得られる信号電圧値は、1つの正の値(+0.7)および1つの負の値(−0.7)のみである。これに対して、位相シフト量が「π/4」からずれると、図63(b)に示すように、サンプリングにより4以上の信号電圧値が得られる。この例では、4値(+1.1、+0.3、−0.3、−1.1)が得られている。図63(c)および図63(d)は、サンプリング信号処理回路332による処理結果の例であり、それぞれ図63(a)および図63(b)に対応している。
第3の実施形態の光受信装置は、上記動作原理を利用して、第2のアームにおける位相シフト量を最適化する。すなわち、位相制御回路333は、信号電圧値のばらつきが小さくなるように(例えば、信号電圧値が特定の2値に収束するように)フィードバック制御を行う。これにより、第2のアームにおける位相シフト量が「π/4」に収束する。
<DPSK(DBPSK)光受信装置>
図64は、DPSK変調信号を受信する光受信装置の構成を示す図である。図64において、入力される光信号は、干渉計341に導かれる。干渉計341は、例えば、マッハツェンダ型遅延干渉計であり、第1のアームおよび第2のアームを備える。ここで、干渉計341の第2のアームは、光信号に対して1ビット遅延を与える。なお、第2のアームにおける遅延時間は、第1のアームを介して光信号が伝搬される時間と第2のアームを介して光信号が伝搬される時間との差分であり、バイアス電圧により制御される。
図64は、DPSK変調信号を受信する光受信装置の構成を示す図である。図64において、入力される光信号は、干渉計341に導かれる。干渉計341は、例えば、マッハツェンダ型遅延干渉計であり、第1のアームおよび第2のアームを備える。ここで、干渉計341の第2のアームは、光信号に対して1ビット遅延を与える。なお、第2のアームにおける遅延時間は、第1のアームを介して光信号が伝搬される時間と第2のアームを介して光信号が伝搬される時間との差分であり、バイアス電圧により制御される。
受光回路342は、干渉計341から出力される光信号を電気信号に変換する。受光回路342は、図53に示した受光回路302と同じであり、光信号に対応する差動受信信号を出力する。ただし、この差動受信信号のビットレートは、43Gbpsである。再生回路343は、受光回路342の出力信号からクロック信号およびデータ信号を再生して出力する。
上記構成の光受信装置において受信した光信号からデータを再生するためには、干渉計341の第2のアームの遅延時間が正確に「1ビット」に調整されている必要がある。すなわち、遅延時間が正確に「1ビット」に調整されていれば、図65(a)に示すような広い開口を持ったアイダイアグラム(アイパターン)が得られるが、遅延時間が「1ビット」からずれると、図65(b)に示すようにアイダイアグラムの開口が狭くなる。アイダイアグラムの開口が狭くなると、ビット誤りが発生する確率が高くなってしまう。以下では、第4および第5の実施形態として、DBPSK光受信装置において上記遅延時間を調整するための構成および動作について説明する。
<第4の実施形態>
図66は、第4の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。図66において、二乗回路351は、受光回路342から出力される差動受信信号を互いに掛け合わせることにより二乗信号を生成する。なお、二乗回路351は、基本的に、第1の実施形態の二乗回路311と同じである。モニタ部352は、二乗信号を積分することにより、その平均値を得る。遅延量制御回路353は、モニタ部352により得られた平均値に応じて、干渉計341の第2のアームの遅延時間を制御する。遅延時間は、例えば、第2のアームに与えるバイアス電圧により制御される。
図66は、第4の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。図66において、二乗回路351は、受光回路342から出力される差動受信信号を互いに掛け合わせることにより二乗信号を生成する。なお、二乗回路351は、基本的に、第1の実施形態の二乗回路311と同じである。モニタ部352は、二乗信号を積分することにより、その平均値を得る。遅延量制御回路353は、モニタ部352により得られた平均値に応じて、干渉計341の第2のアームの遅延時間を制御する。遅延時間は、例えば、第2のアームに与えるバイアス電圧により制御される。
図67は、差動受信信号の波形を示す図である。また、図68は、差動受信信号を二乗することにより得られる二乗信号の波形を示す図である。遅延時間が適切に調整されていれば、図67(a)および図68(a)に示すように、差動受信信号およびその二乗信号の振幅は大きくなる。よって、この場合、二乗信号の平均パワーは大きな値となる。これに対して遅延時間ずれは発生すると、図67(b)、図67(c)、図68(b)、図68(c)に示すように、差動受信信号およびその二乗信号の振幅は小さくなってしまう。すなわち、この場合、二乗信号の平均パワーは小さくなる。
図69は、遅延時間のずれ量と二乗信号の平均パワーとの関係を示す図である。図69に示すように、遅延時間の「ずれ量δ」がゼロのときに二乗信号の平均パワーが最大になる。そして、「ずれ量δ」が大きくなるにつれて二乗信号の平均パワーが小さくなっていく。ただし、二乗信号の平均パワーは、「ずれ量δ」に対して周期的に変化する。
第4の実施形態の光受信装置は、上記動作原理を利用して、第2のアームにおける遅延時間を最適化する。すなわち、遅延量制御回路353は、モニタ部352により得られる二乗信号の平均パワーが最大になるように、フィードバック制御を行う。これにより、第2のアームにおける遅延時間が「1ビット」に収束する。
図70は、図66に示す光受信装置の変形例を示す図である。図70に示す光受信装置の構成は、基本的には、図66に示した光受信装置と同じである。ただし、この光受信装置は、二乗回路351の代わりに絶対値回路354が設けられている。なお、二乗回路351の代わりに絶対値回路354を設ける構成および動作については、基本的に、第1の実施形態において説明した通りである。
<第5の実施形態>
図71は、第5の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。図71において、低周波発振器361、低周波重畳回路362、掛け算回路363、検出部364の動作は、基本的に、第2の実施形態と同じである。すなわち、干渉計341の第2のアームに低周波信号f0 が与えられ、検出部364は、f0 成分及び/又は2f0 成分を検出する。そして、遅延量制御回路365は、検出部364の検出結果に応じて、干渉計341の第2のアームの遅延時間を制御する。
図71は、第5の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。図71において、低周波発振器361、低周波重畳回路362、掛け算回路363、検出部364の動作は、基本的に、第2の実施形態と同じである。すなわち、干渉計341の第2のアームに低周波信号f0 が与えられ、検出部364は、f0 成分及び/又は2f0 成分を検出する。そして、遅延量制御回路365は、検出部364の検出結果に応じて、干渉計341の第2のアームの遅延時間を制御する。
図72は、第5の実施形態の光受信装置の動作原理を説明する図である。図72(a)は、第2のアームにおける遅延時間と干渉計341の出力の光パワー(相対値)の関係を示している。ここで、横軸は、「1ビット」からのずれを表している。そして、遅延量制御回路365により制御される遅延時間が正確に「1ビット」であれば、図72(b)に示すように、2f0 成分が生成されることになる。一方、遅延時間が「1ビット」からずれると、図72(c)に示すように、2f0 成分は生成されず、f0 成分のみが得られる。
第5の実施形態の光受信装置は、上記動作原理を利用して、第2のアームにおける遅延時間を最適化する。すなわち、遅延量制御回路365は、検出部364により検出される2f0 成分のパワーが最大になるように、フィードバック制御を行う。あるいは、検出部364により検出されるf0 成分のパワーが最小になるように、フィードバック制御を行う。これにより、第2のアームにおける遅延時間が「1ビット」に収束する。
<第6の実施形態>
図73は、第6の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。図54等に示す構成では、TIA305の出力信号が二乗回路311に導かれる。これに対して、第6の実施形態においては、受光回路302の後段にTIA305aおよびTIA305bが接続されている。ここで、受光回路302の出力電流は、所定の比率で分岐され、TIA305aおよびTIA305bに与えられる。そして、TIA305aの出力信号は、主信号として再生回路303へ送られる。一方、TIA305bの出力信号は、モニタ信号として二乗回路311に送られる。なお、遅延干渉計301の位相シフト部の移相量を制御する方法は、図54に示す構成と同じである。
図73は、第6の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。図54等に示す構成では、TIA305の出力信号が二乗回路311に導かれる。これに対して、第6の実施形態においては、受光回路302の後段にTIA305aおよびTIA305bが接続されている。ここで、受光回路302の出力電流は、所定の比率で分岐され、TIA305aおよびTIA305bに与えられる。そして、TIA305aの出力信号は、主信号として再生回路303へ送られる。一方、TIA305bの出力信号は、モニタ信号として二乗回路311に送られる。なお、遅延干渉計301の位相シフト部の移相量を制御する方法は、図54に示す構成と同じである。
このように、本発明の光受信装置は、TIA305の前段で分岐された電流信号をモニタ信号として位相シフト部を制御するようにしてもよい。この構成は、第1〜第5の実施形態にも適用可能である。
<第7の実施形態>
図74は、受光回路の出力電流の波形を示す図である。なお、図74(a)および図74(b)は、図54に示す受光回路302を構成する1組の受光器PD1およびPD2の出力電流波形のシミュレーション結果を示している。
図74は、受光回路の出力電流の波形を示す図である。なお、図74(a)および図74(b)は、図54に示す受光回路302を構成する1組の受光器PD1およびPD2の出力電流波形のシミュレーション結果を示している。
図54において、遅延干渉計301は、互いに相補的な1組の光信号を出力する。このため、1組の受光器PD1、PD2の出力電流は、図74(a)および図74(b)に示すように、互いに位相の反転した波形となる。したがって、以下では、一方の受光器(以下、受光器PD1と呼ぶ)について検討する。
受光器PD1の出力電流は、遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量が正確に「π/4」に調整されていれば、2値(約0.9mA、約0.15mA)のうちのいずれか一方の値になる。ところが、位相シフト量が「π/4+22.5度」になると、受光器PD1の出力電流は、4値(約1.0mA、約0.75mA、約0.35mA、約0.05mA)のうちのいずれか1つ値になる。さらに、位相シフト量が「π/4+45度」になると、受光器PD1の出力電流は、3値(約1.1mA、約0.5mA、ゼロ)のうちのいずれか1つ値になる。
図75は、受光器PD1の出力電流の二乗の時間平均パワーを示す図である。このグラフは、シミュレーションにより得られたものである。また、横軸は、遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量が「π/4」であるときを基準とした「ずれ量」を表している。
図75に示すように、受光器PD1の出力電流の二乗の時間平均パワーは、遅延干渉計301の位相シフトの位相シフト量が「π/4」であるときに最小になる。したがって、この時間平均パワーが最小になるようにフィードバック制御を行えば、遅延干渉計301の位相シフトの位相シフト量は適正値π/4に収束する。
図76は、第7の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第7の実施形態の光受信装置の基本構成は、図54に示す第1の実施形態と同じである。ただし、第7の実施形態においては、受光回路302を構成する受光器PD1、PD2に接続されている負荷抵抗の両端電圧を利用して位相シフト量を調整するためのフィードバック制御を行う。
図76において、受光器PD1には、負荷抵抗R1を介して所定のDC電圧であるバイアス1が与えられている。同様に、受光器PD2には、負荷抵抗R2を介して所定のDC電圧であるバイアス2が与えられている。したがって、受光器PD1、PD2により生成される電流は、それぞれ、負荷抵抗R1、R2の両端電圧をモニタすることにより検出することができる。
受光器PD1、PD2により生成される電流の波形は、図74に示すように、互いに位相が反転した波形となる。よって、受光器PD1、PD2により生成される電流の二乗の平均値は、互いに同じになる。この結果、第7の実施形態のフィードバック制御系は、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2のうちの一方の両端電圧の二乗信号を利用する。即ち、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2のうちの一方の両端電圧の二乗値が最小になるように、遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量を調整する。これにより、位相シフト量が適正値π/4に収束する。
なお、第7の実施形態において、二乗回路311の代わりに絶対値回路315を用いてもよい。また、フィードバック制御系は、負荷抵抗R1、R2双方の両端電圧を利用してもよい。さらに、負荷抵抗R1、R2を介して流れる電流からDC成分を除去するためのDCカットコンデンサC1、C2を設けるようにしてもよい。さらに、受光回路301とTIA305との間の信号線を接地する抵抗R3、R4を設けてもよい。さらに、第7の実施形態の構成は、DBPSK光受信装置にも適用可能である。
<第8の実施形態>
図77は、第8の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第8の実施形態の光受信装置の基本構成は、図60に示す第2の実施形態と同じである。ただし、第8の実施形態においては、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧を利用してフィードバック制御が行われる。すなわち、f0 成分を利用する場合には、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧の二乗信号をモニタし、その二乗信号に含まれているf0 成分が最小になるように位相シフト量が調整される。また、2f0 成分を利用する場合には、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧の二乗信号をモニタし、その二乗信号に含まれている2f0 成分が最大になるように位相シフト量が調整される。
図77は、第8の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第8の実施形態の光受信装置の基本構成は、図60に示す第2の実施形態と同じである。ただし、第8の実施形態においては、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧を利用してフィードバック制御が行われる。すなわち、f0 成分を利用する場合には、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧の二乗信号をモニタし、その二乗信号に含まれているf0 成分が最小になるように位相シフト量が調整される。また、2f0 成分を利用する場合には、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧の二乗信号をモニタし、その二乗信号に含まれている2f0 成分が最大になるように位相シフト量が調整される。
なお、f0 成分または2f0 成分を利用して位相シフト量を調整する方法の原理は、図61を参照しながら説明した通りである。また、モニタ部327は、図60においては省略されているが、二乗回路311の出力信号の振幅またはパワーをモニタする。
図78は、第8の実施形態の光受信装置の変形例である。図78に示す光受信装置においても、図77に示す光受信装置と同様に、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧を利用してフィードバック制御が行われる。ただし、図78に示す光受信装置のフィードバック制御系では、f0 成分および2f0 成分の双方が利用される。
図61を参照しながら説明したように、モニタ部327により得られる2f0 成分は、位相シフト量が「π/4」であるときに最大になる。したがって、検出部372は、フィルタ371により得られる2f0 成分信号の振幅またはパワーを求める。そして、位相制御部375は、検出部372により得られる2f0 成分が最大になるように遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量を調整する。一方、モニタ部327により得られるf0 成分信号の位相は、遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量が正側にずれている場合と負側にずれている場合とで互いに反転する。したがって、位相比較部374は、フィルタ373により得られるf0 成分信号の位相を同期検波により検出する。そして、位相制御部375は、2f0 成分を利用して位相シフト量を調整する際に、f0 成分信号の位相を参照して、その位相シフト量を増やすべきか減らすべきかを認識する。
なお、第8の実施形態においても、DCカットコンデンサC1、C2、抵抗R3、R4を設けるようにしてもよい。また、第8の実施形態の構成も、DBPSK光受信装置に適用可能である。
<第9の実施形態>
図79は、第9の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第9の実施形態の光受信装置の基本構成は、図54に示す第1の実施形態と同じである。ただし、第9の実施形態の光受信装置においては、第1の実施形態の二乗回路311、フィルタ312、モニタ部313、位相制御回路314の代わりに、リミッタアンプ381、モニタ部382、位相制御部383を備える。
図79は、第9の実施形態の光受信装置の構成を示す図である。第9の実施形態の光受信装置の基本構成は、図54に示す第1の実施形態と同じである。ただし、第9の実施形態の光受信装置においては、第1の実施形態の二乗回路311、フィルタ312、モニタ部313、位相制御回路314の代わりに、リミッタアンプ381、モニタ部382、位相制御部383を備える。
リミッタアンプ381は、受光回路302により生成される電流信号を増幅する。尚、受光回路302から出力される電流信号は、この実施例では、TIA305により電圧信号に変換された後にリミッタアンプ381に与えられる。また、リミッタアンプ381の飽和特性については後で説明する。モニタ部382は、リミッタアンプ381の出力信号の平均パワーをモニタする。そして、位相制御部383は、モニタ部382の出力に基づいて、遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量を調整する。
図80は、受光回路302の出力電流の波形を示す図である。なお、図80(a)は受光器PD1の出力電流の波形であり、図80(b)は受光器PD2の出力電流の波形であり、図80(c)は受光回路302の差動出力電流(すなわち、受光器PD1、PD2の出力電流の差分)の波形である。また、これらの波形は、電圧に換算して表されている。
図80(a)〜図80(c)に示すように、最大ピーク電流は、遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量に応じて変化する。具体的には、最大ピーク電流は、遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量が「π/4」であるときに最も小さい。そして、その位相シフト量が「π/4」からずれると、それに伴って最大ピーク電流が大きくなっていく。例えば、差動出力電流の振幅は、図80(c)に示すように、「π/4」のときは約1.5mV、「π/4+22.5度」のときは約2.0mV、「π/4+45度」のときは約2.4mVになっている。なお、受光回路302の出力電流の平均値は、位相シフト部の位相シフト量によらず一定であるものとする。
図81は、リミッタアンプ381の動作を説明する図である。なお、「Vin-0」は、位相シフト量が「π/4」であるときのリミッタアンプ381の入力信号の最大ピークレベルを表し、「Vout-0」は、「Vin-0」が入力されたときのリミッタアンプ381の出力レベルを表す。また、「Vin-Δ」は、位相シフト量が「π/4」から「Δ」だけずれたときのリミッタアンプ381の入力信号の最大ピークレベルを表し、「Vout-Δ」は、「Vin-Δ」が入力されたときのリミッタアンプ381の出力レベルを表す。さらに、リミッタアンプ381は、図81(a)に示すように、入力電圧が閾値Vth以下の領域では入力信号を線形増幅し、入力電圧が閾値Vthを超えた領域では利得が飽和するものとする。
第9の実施形態の光受信装置では、位相シフト部の位相シフト量が「π/4」であるときのリミッタアンプ381の入力信号の最大ピークレベルが「閾値Vth」に一致または概ね一致するように設定される。そうすると、リミッタアンプ381の入力信号は、図81(b)に示すように、すべて線形増幅される。これに対して、位相シフト量が「π/4」からずれると、リミッタアンプ381の入力信号の最大ピークレベルが閾値Vthを超える。そうすると、閾値Vthを超える部分は、リミッタアンプ381の飽和領域に属するので、図81(c)に示すように、利得が小さくなる。すなわち、この場合、リミッタアンプ381の出力信号の振幅は、線形増幅されたと仮定した場合と比較して、制限されることになる。
ここで、受光回路302の出力電流の平均値は、位相シフト部の位相シフト量によらず一定である。したがって、リミッタアンプ381の出力信号の振幅が制限されると、リミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワーが低下することになる。すなわち、位相シフト量が「π/4」からずれると、そのずれ量に応じてリミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワーが低下することになる。
図82は、リミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワーを示す図である。上述したように、位相シフト部の位相シフト量が「π/4(ずれ=0)」であれば、リミッタアンプ381の入力信号はすべて線形増幅される。これに対して、位相シフト量が「π/4」からずれると、リミッタアンプ381の出力信号の振幅は、利得飽和により制限される。したがって、リミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワーは、図82に示すように、位相シフト量が「π/4(ずれ=0)」であるときに最大になる。
位相制御部383は、上述の特性を利用して遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量を調整する。すなわち、位相制御部383は、リミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワー(または、平均振幅)を最大にするフィードバック制御により、位相シフト部の位相シフト量を調整する。これにより、位相シフト量が正確に「π/4」に調整される。
図83〜図85は、第9の実施形態の光受信装置の変形例を示す図である。図83に示す光受信装置においては、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧を利用して位相シフト量が調整される。すなわち、負荷抵抗R1または負荷抵抗R2の両端電圧がリミッタアンプ381に入力される。そして、位相制御部383は、図79を参照しながら説明した通り、リミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワーが最大になるように位相シフト部の位相シフト量を調整する。なお、受光回路に接続される負荷抵抗の両端電圧を利用してフィードバック制御を行う動作は、第8の実施形態において説明した通りである。
図84に示す光受信装置においては、低周波信号f0 を利用して位相シフト量が調整される。即ち、低周波発振器321により生成される低周波信号が低周波重畳回路322を介して干渉計301の位相シフト部に与えられる。ここで、リミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワーは、図82に示すように、位相シフト部の位相シフト量が「π/4」であるときに最大になる。このため、位相シフト部の位相シフト量が「π/4」になると、リミッタアンプ381の出力信号に2f0 成分が含まれるようになる。従って、f0 成分を利用する場合には、リミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワーをモニタし、その平均パワー信号に含まれているf0 成分が最小になるように位相シフト量が調整される。また、2f0 成分を利用する場合には、リミッタアンプ381の出力信号の時間平均パワーをモニタし、その平均パワー信号に含まれている2f0 成分が最大になるように位相シフト量が調整される。なお、f0 成分または2f0 成分を利用して位相シフト量を調整する方法については、図61または図72を参照しながら説明した通りである。
図85に示す光受信装置においては、図84に示す光受信装置と同様に、低周波信号を利用して位相シフト量が調整される。ただし、この光受信装置では、f0 成分および2f0 成分の双方が利用される。すなわち、位相制御部375は、検出部372により得られる2f0 成分が最大になるように遅延干渉計301の位相シフト部の位相シフト量を調整する。このとき、位相制御部375は、2f0 成分を利用して位相シフト量を調整する際に、f0 成分信号の位相を参照して、その位相シフト量を増やすべきか減らすべきかを認識する。f0 成分および2f0 成分の双方を利用して位相シフト量を調整する方法は、図78を参照しながら説明した通りである。
なお、図84または図85に示す構成において、TIA305の出力信号の代わりに受光回路302に接続する負荷抵抗R1またはR2の両端電圧がリミッタアンプ381に与えられるようにしてもよい。
また、上述の実施例では、リミッタアンプ381の飽和特性を利用して閾値Vthを超える信号部分がカットされる構成であるが、本発明はこれに限定されるものではない、すなわち、本発明の第9の実施形態は、位相シフト量が「π/4」であるときの受光回路302の出力信号の振幅を閾値とし、受光回路302の出力信号をその閾値レベルに制限するリミッタ回路を有する構成を含むものとする。
<<光送信装置/光受信装置のバリエーション>>
位相シフト部の位相シフト量(光送信装置においては「π/2」、光受信装置においては「π/4」)は、例えば、光導波路の屈折率を変化させることにより調整される。この場合、光導波路の屈折率は、例えば、光導波路の近傍に薄膜ヒーター等を配置して光導波路の温度を変化させること、あるいは圧電素子などを配置して適切な電圧を印加して光導波路に応力を加えこと、または電圧を印加して電気光学効果(ポッケルス効果)を誘発することにより調整される。
位相シフト部の位相シフト量(光送信装置においては「π/2」、光受信装置においては「π/4」)は、例えば、光導波路の屈折率を変化させることにより調整される。この場合、光導波路の屈折率は、例えば、光導波路の近傍に薄膜ヒーター等を配置して光導波路の温度を変化させること、あるいは圧電素子などを配置して適切な電圧を印加して光導波路に応力を加えこと、または電圧を印加して電気光学効果(ポッケルス効果)を誘発することにより調整される。
上述の実施形態において、位相シフト部は、一方の光導波路のみに配置してもよいし、1組の光導波路の双方に配置してもよい。後者の場合、1組の光導波路に配置される位相シフト部(電極、薄膜ヒータ、圧電素子など)への印加電圧、温度などを非対称にすることにより相対的な位相差を与えることができる。
上述の実施例では、主に、DQPSK変調について説明したが、本発明の制御は、QPSK変調にもそのまま適用可能である。また、本発明は、2n PSK(n≧3)あるいはQAMにも適用可能である。ただし、本発明をこれらの変調方式に適用する場合には、例えば、データ変調部に入力されるデータ信号として4値以上の多値データを用いるようにする。
変調器としてLN(LiNbO3)変調器を用いた場合、LN変調器には偏波依存性があるので、光源と変調器との間、および変調器間の接続には、偏波保持ファイバを用いることが望ましい。なお、偏波保持ファイバを用いる構成は、基本的に、すべての実施形態に適用されることが望ましい。
前述の光受信装置にリミッタアンプを用いる例を示したが、リミッタアンプの代わりにリミッタ機能を有する素子を用いてもよい。このリミッタ素子の出力信号を増幅する場合には、リミッタアンプよりも低速度の増幅器を使用することができる。
本発明は、上述した光送信装置についての第1〜第14の実施形態、光受信装置の第1〜第9の実施形態に加えて、以下の構成を備えるものである。
(付記1)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を変調するデータ変調部と、
所定の位相差を有する第1および第2の低周波信号をそれぞれ上記第1および第2の光信号に重畳する重畳手段と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号に重畳されている上記低周波信号または上記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値、位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、
を有する光送信装置。
(付記2)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を変調するデータ変調部と、
低周波信号を上記第1の光信号または第2の光信号の一方に重畳する重畳手段と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号に重畳されている上記低周波信号または上記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値、位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、
を有する光送信装置。
(付記3)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあって入力光の位相変調を行うデータ変調部と、低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し分岐した前記光導波路上で前記電極に前記低周波信号の重畳を可能にする低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記4)
前記位相シフト部を前記データ変調部の前段又は後段に配置したことを特徴とする付記3に記載の光送信装置。
(付記5)
前記モニタ手段は、光受光器から低周波信号の2倍の周波数信号を抽出し同期検波する同期検波手段又は光受光器から低周波信号と同じ周波数信号を抽出しピークパワーを検出するピークパワー検出手段からなる付記3に記載の光送信装置。
(付記6)
前記モニタ手段は、前記同期検波手段及び前記ピークパワー検出手段を備えてなる付記5に記載の光送信装置。
(付記7)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、前記位相シフト部が置かれた光導波路と異なる光導波路にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し前記電極と前記位相シフト部のバイアス入力端に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記8)
前記位相シフト部を前記データ変調部の前段又は後段に配置したことを特徴とする付記7に記載の光送信装置。
(付記9)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し前記データ変調部の前記データ入力部に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記10)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部とバイアス入力部を有するデータ変調部とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し前記バイアス入力部に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記11)
前記位相シフト部を前記データ変調部の前段又は後段に配置したことを特徴とする付記9または10に記載の光送信装置。
(付記12)
前記モニタ手段は、光受光器から低周波信号の2倍の周波数を抽出し同期検波する同期検波手段からなる付記9または10に記載の光送信装置。
(付記13)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、該データ変調部の前段にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し前記電極に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記14)
前記位相シフト部を前記電極の前段又は前記データ変調部の後段に配置したことを特徴とする付記13に記載の光送信装置。
(付記15)
前記モニタ手段は、光受光器から低周波信号の2倍の周波数を抽出し同期検波する同期検波手段又は光受光器から低周波信号と同じ周波数を抽出しピークパワーを検出するピークパワー検出手段からなる付記13に記載の光送信装置。
(付記16)
前記低周波重畳手段は移相器を含み、該移相器は発振された低周波信号をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相することを特徴とする付記3〜15のいずれか1つの付記に記載の光送信装置。
(付記17)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、該データ変調部の前段又は後段にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
低周波信号を生成し前記位相シフト部のバイアス入力端又は前記位相シフト部が置かれた光導波路と同じ光導波路に置かれた前記電極、または前記位相シフト部が置かれた光導波路と異なる光導波路に置かれた前記電極に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記18)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部とを有し、
分岐した前記光導波路を結合した後に分岐して光信号を電気信号に変換する光受光器と、
前記光受光器からの電気信号を二乗検波しピークパワー変動をモニタする高速パワーモニタと、
該高速パワーモニタのモニタ出力に基づいて前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記19)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部と、前記位相変調器からの光出力信号を受ける強度変調器を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、該データ変調部の後段にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
分岐した前記光導波路を結合した後に分岐して重畳された低周波信号を抽出し前記低周波信号の周波数のパワー最大値、前記低周波信号の周波数の2倍の周波数のパワー最小値、前記低周波信号の周波数の2倍の周波数の位相のいずれかをモニタするモニタ手段と、
前記電極に適正な位相差の低周波信号を重畳し、前記モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部をバイアス制御する位相シフト部制御手段と、
前記データ変調部の各アームに低周波信号を重畳し前記モニタ手段からの出力に基づいて前記データ変調部をバイアス制御する第1および第2の自動バイアス制御手段と、
前記強度変調器に低周波信号を重畳し前記モニタ手段からの出力に基づいて前記強度変調器をバイアス制御する第3の自動バイアス制御手段と、
前記モニタ手段におけるモニタ並びに前記位相シフト部制御手段、前記第1〜第3の自動バイアス制御手段における制御を時分割で行わせるために切替スイッチを有する切替制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記20)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部と、前記位相変調器からの光出力信号を受ける強度変調器を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、該データ変調部の後段にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
前記電極に適正な位相差の第1の低周波信号を重畳し、前記モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部をバイアス制御する位相シフト部制御手段と、
前記データ変調部の各アームに第2及び第3の低周波信号を重畳し前記モニタ手段からの出力に基づいて前記データ変調部をバイアス制御する第1および第2の自動バイアス制御手段と、
前記強度変調器に第4の低周波信号を重畳し前記モニタ手段からの出力に基づいて前記強度変調器をバイアス制御する第3の自動バイアス制御手段と、
前記モニタ手段におけるモニタ並びに前記位相シフト部制御手段、前記第1〜第3の自動バイアス制御手段における制御を同時に行わせる一括制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記21)
データ信号を入力し位相変調を行う位相変調器と、該位相変調器からの光出力信号を受け強度変調を行う強度変調器と、前記位相変調器及び前記強度変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
前記位相変調器及び前記強度変調器に低周波信号を重畳し、前記モニタ手段からの出力に基づいて前記位相変調器及び前記強度変調器をバイアス制御する自動バイアス制御手段と、
前記モニタ手段におけるモニタ及び前記自動バイアス制御手段におけるバイアス制御を時分割で行わせる制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記22)
データ信号を入力し位相変調を行う位相変調器と、該位相変調器からの光出力信号を受け強度変調を行う強度変調器と、前記位相変調器及び前記強度変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
分岐した前記光導波路を合波した後に分岐して重畳された第1の低周波信号を抽出し前記第1の低周波信号の周波数をモニタし、位相、パワーの各パラメータに着目してモニタする第1のモニタ手段と、
前記位相変調器に第1の低周波信号を重畳し、前記第1のモニタ手段からの出力に基づいて前記位相変調器をバイアス制御する第1の自動バイアス制御手段と、
前記強度変調器の出力側から分岐し重畳された第2の低周波信号を抽出し前記第2の低周波信号の周波数をモニタし、位相、パワーの各パラメータに着目してモニタする第2のモニタ手段と、
前記強度変調器に第2の低周波信号を重畳し、前記第2のモニタ手段からの出力に基づいて前記強度変調器をバイアス制御する第2の自動バイアス制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記23)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を位相変調するデータ変調部と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号の平均光パワーをモニタするモニタ手段と、
上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、を有し、
上記データ変調部は、上記データ信号に従って決まる位相に所定の位相を加える位相付加手段を有する
ことを特徴とする光送信装置。
(付記24)
上記データ変調部は、マッハツェンダ変調器であり、
上記位相付加手段は、上記マッハツェンダ変調器の一方の導波路に電圧を与えるための電極をそのマッハツェンダ変調器の出力側の結合導波路まで形成することにより実現される
ことを特徴とする付記23に記載の光送信装置。
(付記25)
上記データ変調部は、マッハツェンダ変調器であり、
上記位相付加手段は、上記マッハツェンダ変調器に与えられる1組のデータ信号の振幅を互いに異ならせる減衰手段である
ことを特徴とする付記23に記載の光送信装置。
(付記26)
上記データ変調部は、マッハツェンダ変調器であり、
上記位相付加手段は、上記マッハツェンダ変調器に与えられる1組のデータ信号のタイミングを互いに異ならせる遅延手段である
ことを特徴とする付記23に記載の光送信装置。
(付記27)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
上記データ信号のマーク率を調整するマーク率調整手段と、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記マーク率が調整されたデータ信号を利用して上記第1および第2の光信号を位相変調するデータ変調部と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号の平均光パワーをモニタするモニタ手段と、
上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、
を有する光送信装置。
(付記28)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を変調するデータ変調部と、
上記位相シフト部の移相量を調整するためのバイアス電圧を生成するバイアス生成部と、
上記バイアス電圧に低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号に重畳されている上記低周波信号の周波数成分を検出する検出手段と、
第1のバイアス電圧が生成されたときの上記検出手段による検出値と第2のバイアス電圧が生成されたときの上記検出手段による検出値との比較結果に基づいて、上記バイアス生成部が生成するバイアス電圧を制御する制御手段、
を有する光送信装置。
(付記29)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する演算回路と、
上記演算回路に接続され、シンボル周波数の整数倍の周波数を除く連続した周波数成分の少なくとも一部を透過させるフィルタと、
上記フィルタから出力される信号に基づいて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記30)
上記受光回路は、上記干渉計から出力される光信号に対応する電流を生成する受光器、およびその受光器が生成する電流を電圧信号に変換する変換器を備え、
上記演算回路は、上記変換器から出力される電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する
ことを特徴とする付記29に記載の光受信装置。
(付記31)
上記受光回路は、上記干渉計から出力される光信号に対応する電流を生成する受光器、その受光器が生成する電流の第1の部分を電圧信号に変換する第1の変換器、およびその受光器が生成する電流の第2の部分を電圧信号に変換する第2の変換器を備え、
上記第1の変換器の出力信号からデータが再生され、
上記演算回路は、上記第2の変換器から出力される電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する
ことを特徴とする付記29に記載の光受信装置。
(付記32)
上記受光回路は、上記干渉計から出力される光信号に対応する電流を生成する受光器、およびその受光器に接続される負荷抵抗を備え、
上記演算回路は、上記負荷抵抗の両端電圧として得られる電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する
ことを特徴とする付記29に記載の光受信装置。
(付記33)
上記受光回路は、上記干渉計から出力される1組の光信号に対応する電流を生成する1組の受光器、およびその1組の受光器にそれぞれ接続される1組の負荷抵抗を備え、
上記演算回路は、上記1組の負荷抵抗のうちの一方の両端電圧として得られる電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する
ことを特徴とする付記29に記載の光受信装置。
(付記34)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記第2のアームに低周波信号を与える低周波信号生成部と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号から抽出される上記低周波信号または上記低周波信号の高調波信号のパワーまたは位相の少なくとも一方に基づいて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記35)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
シンボル周期またはその整数倍の周期で上記電気信号をサンプリングするサンプリング手段と、
上記サンプリング手段により得られるサンプリング値の分布に基づいて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記36)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号の振幅が閾値レベルを超えるときはその電気信号の振幅を制限するリミッタ回路と、
上記リミッタ回路の出力信号の平均パワーに応じて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記37)
上記リミッタ回路は、入力信号の振幅が閾値レベル以下であるときは線形増幅を行い、入力信号の振幅がその閾値レベルを超えると利得が飽和する増幅器であり、
上記増幅器の閾値レベルは、上記位相シフト量が最適値に調整されたときの上記受光回路の出力信号の振幅と一致または略一致する
ことを特徴とする付記36に記載の光受信装置。
(付記38)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光を伝搬する第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光を1ビット遅延させる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する演算回路と、
上記演算回路の出力に基づいて上記第2のアームの遅延時間を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記39)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光を伝搬する第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光を1ビット遅延させる第2のアームを備える干渉計と、
上記第2のアームに低周波信号を与える低周波信号生成部と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号から抽出される上記低周波信号または上記低周波信号の高調波信号のパワーに基づいて上記第2のアームの遅延時間を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記40)
付記1〜28のいずれか1つの付記に記載の光送信装置と、
上記光送信装置から送信される光信号を受信する光受信装置、
を有する光通信システム。
(付記41)
光送信装置と、
上記光送信装置から送信される光信号を受信する付記29〜37のいずれか1つの付記に記載の光受信装置、
を有する光通信システム。
(付記1)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を変調するデータ変調部と、
所定の位相差を有する第1および第2の低周波信号をそれぞれ上記第1および第2の光信号に重畳する重畳手段と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号に重畳されている上記低周波信号または上記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値、位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、
を有する光送信装置。
(付記2)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を変調するデータ変調部と、
低周波信号を上記第1の光信号または第2の光信号の一方に重畳する重畳手段と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号に重畳されている上記低周波信号または上記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値、位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、
を有する光送信装置。
(付記3)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあって入力光の位相変調を行うデータ変調部と、低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し分岐した前記光導波路上で前記電極に前記低周波信号の重畳を可能にする低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記4)
前記位相シフト部を前記データ変調部の前段又は後段に配置したことを特徴とする付記3に記載の光送信装置。
(付記5)
前記モニタ手段は、光受光器から低周波信号の2倍の周波数信号を抽出し同期検波する同期検波手段又は光受光器から低周波信号と同じ周波数信号を抽出しピークパワーを検出するピークパワー検出手段からなる付記3に記載の光送信装置。
(付記6)
前記モニタ手段は、前記同期検波手段及び前記ピークパワー検出手段を備えてなる付記5に記載の光送信装置。
(付記7)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、前記位相シフト部が置かれた光導波路と異なる光導波路にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し前記電極と前記位相シフト部のバイアス入力端に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記8)
前記位相シフト部を前記データ変調部の前段又は後段に配置したことを特徴とする付記7に記載の光送信装置。
(付記9)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し前記データ変調部の前記データ入力部に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記10)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部とバイアス入力部を有するデータ変調部とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し前記バイアス入力部に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記11)
前記位相シフト部を前記データ変調部の前段又は後段に配置したことを特徴とする付記9または10に記載の光送信装置。
(付記12)
前記モニタ手段は、光受光器から低周波信号の2倍の周波数を抽出し同期検波する同期検波手段からなる付記9または10に記載の光送信装置。
(付記13)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、該データ変調部の前段にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
適正な位相差の低周波信号を生成し前記電極に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記14)
前記位相シフト部を前記電極の前段又は前記データ変調部の後段に配置したことを特徴とする付記13に記載の光送信装置。
(付記15)
前記モニタ手段は、光受光器から低周波信号の2倍の周波数を抽出し同期検波する同期検波手段又は光受光器から低周波信号と同じ周波数を抽出しピークパワーを検出するピークパワー検出手段からなる付記13に記載の光送信装置。
(付記16)
前記低周波重畳手段は移相器を含み、該移相器は発振された低周波信号をnπ/2(但し、nは自然数で0及び4の倍数を除く)に近づくよう移相することを特徴とする付記3〜15のいずれか1つの付記に記載の光送信装置。
(付記17)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、該データ変調部の前段又は後段にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
低周波信号を生成し前記位相シフト部のバイアス入力端又は前記位相シフト部が置かれた光導波路と同じ光導波路に置かれた前記電極、または前記位相シフト部が置かれた光導波路と異なる光導波路に置かれた前記電極に前記低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
該モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記18)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部とを有し、
分岐した前記光導波路を結合した後に分岐して光信号を電気信号に変換する光受光器と、
前記光受光器からの電気信号を二乗検波しピークパワー変動をモニタする高速パワーモニタと、
該高速パワーモニタのモニタ出力に基づいて前記位相シフト部を制御する位相差制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記19)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部と、前記位相変調器からの光出力信号を受ける強度変調器を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、該データ変調部の後段にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
分岐した前記光導波路を結合した後に分岐して重畳された低周波信号を抽出し前記低周波信号の周波数のパワー最大値、前記低周波信号の周波数の2倍の周波数のパワー最小値、前記低周波信号の周波数の2倍の周波数の位相のいずれかをモニタするモニタ手段と、
前記電極に適正な位相差の低周波信号を重畳し、前記モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部をバイアス制御する位相シフト部制御手段と、
前記データ変調部の各アームに低周波信号を重畳し前記モニタ手段からの出力に基づいて前記データ変調部をバイアス制御する第1および第2の自動バイアス制御手段と、
前記強度変調器に低周波信号を重畳し前記モニタ手段からの出力に基づいて前記強度変調器をバイアス制御する第3の自動バイアス制御手段と、
前記モニタ手段におけるモニタ並びに前記位相シフト部制御手段、前記第1〜第3の自動バイアス制御手段における制御を時分割で行わせるために切替スイッチを有する切替制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記20)
位相変調器と、該位相変調器を駆動する駆動信号発生部と、前記位相変調器からの光出力信号を受ける強度変調器を備える光送信装置において、
前記位相変調器は、光導波路上で分岐された一方の入力光を他方の入力光に対し適正な位相差となるよう位相差を付与する位相シフト部と、分岐した光導波路上にあってデータ入力部を有するデータ変調部と、該データ変調部の後段にあって低周波信号の重畳を行う電極とを有し、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
前記電極に適正な位相差の第1の低周波信号を重畳し、前記モニタ手段からの出力に基づいて適正な位相差となるよう前記位相シフト部をバイアス制御する位相シフト部制御手段と、
前記データ変調部の各アームに第2及び第3の低周波信号を重畳し前記モニタ手段からの出力に基づいて前記データ変調部をバイアス制御する第1および第2の自動バイアス制御手段と、
前記強度変調器に第4の低周波信号を重畳し前記モニタ手段からの出力に基づいて前記強度変調器をバイアス制御する第3の自動バイアス制御手段と、
前記モニタ手段におけるモニタ並びに前記位相シフト部制御手段、前記第1〜第3の自動バイアス制御手段における制御を同時に行わせる一括制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記21)
データ信号を入力し位相変調を行う位相変調器と、該位相変調器からの光出力信号を受け強度変調を行う強度変調器と、前記位相変調器及び前記強度変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
分岐した前記光導波路を結合した後に重畳された前記低周波信号または前記低周波信号の高調波信号についてパワー最大値、パワー最小値および位相の少なくとも1つをモニタするモニタ手段と、
前記位相変調器及び前記強度変調器に低周波信号を重畳し、前記モニタ手段からの出力に基づいて前記位相変調器及び前記強度変調器をバイアス制御する自動バイアス制御手段と、
前記モニタ手段におけるモニタ及び前記自動バイアス制御手段におけるバイアス制御を時分割で行わせる制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記22)
データ信号を入力し位相変調を行う位相変調器と、該位相変調器からの光出力信号を受け強度変調を行う強度変調器と、前記位相変調器及び前記強度変調器を駆動する駆動信号発生部を備える光送信装置において、
分岐した前記光導波路を合波した後に分岐して重畳された第1の低周波信号を抽出し前記第1の低周波信号の周波数をモニタし、位相、パワーの各パラメータに着目してモニタする第1のモニタ手段と、
前記位相変調器に第1の低周波信号を重畳し、前記第1のモニタ手段からの出力に基づいて前記位相変調器をバイアス制御する第1の自動バイアス制御手段と、
前記強度変調器の出力側から分岐し重畳された第2の低周波信号を抽出し前記第2の低周波信号の周波数をモニタし、位相、パワーの各パラメータに着目してモニタする第2のモニタ手段と、
前記強度変調器に第2の低周波信号を重畳し、前記第2のモニタ手段からの出力に基づいて前記強度変調器をバイアス制御する第2の自動バイアス制御手段
を備えたことを特徴とする光送信装置。
(付記23)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を位相変調するデータ変調部と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号の平均光パワーをモニタするモニタ手段と、
上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、を有し、
上記データ変調部は、上記データ信号に従って決まる位相に所定の位相を加える位相付加手段を有する
ことを特徴とする光送信装置。
(付記24)
上記データ変調部は、マッハツェンダ変調器であり、
上記位相付加手段は、上記マッハツェンダ変調器の一方の導波路に電圧を与えるための電極をそのマッハツェンダ変調器の出力側の結合導波路まで形成することにより実現される
ことを特徴とする付記23に記載の光送信装置。
(付記25)
上記データ変調部は、マッハツェンダ変調器であり、
上記位相付加手段は、上記マッハツェンダ変調器に与えられる1組のデータ信号の振幅を互いに異ならせる減衰手段である
ことを特徴とする付記23に記載の光送信装置。
(付記26)
上記データ変調部は、マッハツェンダ変調器であり、
上記位相付加手段は、上記マッハツェンダ変調器に与えられる1組のデータ信号のタイミングを互いに異ならせる遅延手段である
ことを特徴とする付記23に記載の光送信装置。
(付記27)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
上記データ信号のマーク率を調整するマーク率調整手段と、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記マーク率が調整されたデータ信号を利用して上記第1および第2の光信号を位相変調するデータ変調部と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号の平均光パワーをモニタするモニタ手段と、
上記モニタ手段の出力に基づいて上記位相シフト部を制御する位相差制御手段、
を有する光送信装置。
(付記28)
データ信号に対応する変調光信号を送信する光送信装置であって、
入力光を分岐することにより得られる第1の光信号および第2の光信号が光導波路上で予め決められた位相差を有するように上記第1および第2の光信号の少なくとも一方の位相を制御する位相シフト部と、
上記光導波路上で上記データ信号を利用して上記第1および第2の光信号を変調するデータ変調部と、
上記位相シフト部の移相量を調整するためのバイアス電圧を生成するバイアス生成部と、
上記バイアス電圧に低周波信号を重畳する低周波重畳手段と、
上記データ変調部により変調された第1および第2の光信号を結合することにより得られる変調光信号に重畳されている上記低周波信号の周波数成分を検出する検出手段と、
第1のバイアス電圧が生成されたときの上記検出手段による検出値と第2のバイアス電圧が生成されたときの上記検出手段による検出値との比較結果に基づいて、上記バイアス生成部が生成するバイアス電圧を制御する制御手段、
を有する光送信装置。
(付記29)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する演算回路と、
上記演算回路に接続され、シンボル周波数の整数倍の周波数を除く連続した周波数成分の少なくとも一部を透過させるフィルタと、
上記フィルタから出力される信号に基づいて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記30)
上記受光回路は、上記干渉計から出力される光信号に対応する電流を生成する受光器、およびその受光器が生成する電流を電圧信号に変換する変換器を備え、
上記演算回路は、上記変換器から出力される電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する
ことを特徴とする付記29に記載の光受信装置。
(付記31)
上記受光回路は、上記干渉計から出力される光信号に対応する電流を生成する受光器、その受光器が生成する電流の第1の部分を電圧信号に変換する第1の変換器、およびその受光器が生成する電流の第2の部分を電圧信号に変換する第2の変換器を備え、
上記第1の変換器の出力信号からデータが再生され、
上記演算回路は、上記第2の変換器から出力される電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する
ことを特徴とする付記29に記載の光受信装置。
(付記32)
上記受光回路は、上記干渉計から出力される光信号に対応する電流を生成する受光器、およびその受光器に接続される負荷抵抗を備え、
上記演算回路は、上記負荷抵抗の両端電圧として得られる電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する
ことを特徴とする付記29に記載の光受信装置。
(付記33)
上記受光回路は、上記干渉計から出力される1組の光信号に対応する電流を生成する1組の受光器、およびその1組の受光器にそれぞれ接続される1組の負荷抵抗を備え、
上記演算回路は、上記1組の負荷抵抗のうちの一方の両端電圧として得られる電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する
ことを特徴とする付記29に記載の光受信装置。
(付記34)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記第2のアームに低周波信号を与える低周波信号生成部と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号から抽出される上記低周波信号または上記低周波信号の高調波信号のパワーまたは位相の少なくとも一方に基づいて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記35)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
シンボル周期またはその整数倍の周期で上記電気信号をサンプリングするサンプリング手段と、
上記サンプリング手段により得られるサンプリング値の分布に基づいて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記36)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号の振幅が閾値レベルを超えるときはその電気信号の振幅を制限するリミッタ回路と、
上記リミッタ回路の出力信号の平均パワーに応じて上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記37)
上記リミッタ回路は、入力信号の振幅が閾値レベル以下であるときは線形増幅を行い、入力信号の振幅がその閾値レベルを超えると利得が飽和する増幅器であり、
上記増幅器の閾値レベルは、上記位相シフト量が最適値に調整されたときの上記受光回路の出力信号の振幅と一致または略一致する
ことを特徴とする付記36に記載の光受信装置。
(付記38)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光を伝搬する第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光を1ビット遅延させる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する演算回路と、
上記演算回路の出力に基づいて上記第2のアームの遅延時間を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記39)
位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光を伝搬する第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光を1ビット遅延させる第2のアームを備える干渉計と、
上記第2のアームに低周波信号を与える低周波信号生成部と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号から抽出される上記低周波信号または上記低周波信号の高調波信号のパワーに基づいて上記第2のアームの遅延時間を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
(付記40)
付記1〜28のいずれか1つの付記に記載の光送信装置と、
上記光送信装置から送信される光信号を受信する光受信装置、
を有する光通信システム。
(付記41)
光送信装置と、
上記光送信装置から送信される光信号を受信する付記29〜37のいずれか1つの付記に記載の光受信装置、
を有する光通信システム。
1 低周波信号発生器
2 移相器
3 低速受光器
4 帯域通過フィルタ
5 位相比較器
6 逓倍器
7 帯域通過フィルタ
8 ピークパワー検出器
9 制御装置(CONT)
11 半導体レーザ(LD)
12、13 位相シフト部
14 加算器
20、40 データ変調部
21、41 第1のアーム
22、42 第2のアーム
23、43 第1の電極
24、44 第2の電極
26、46 MZ型変調器
31 強度変調器
201、202 電極
211、212 減衰素子
221、222 遅延素子
281 バイアス生成部
282 ロックインアンプ
283 バイアス制御部
301(301a、301b)、341 干渉計
302(302a、302b)、342 受光回路
305(305a、305b) トランスインピーダンスアンプ(TIA)
311、351 二乗回路
312 フィルタ
313、352 モニタ部
314、326、333 位相制御回路
315、354 絶対値回路
321、361 低周波発信器
325、364 検出部
331 高速サンプリング回路
332 サンプリング信号処理回路
353、365 遅延量制御回路
381 リミッタアンプ
1000 光通信システム
1010 光送信装置
1020 光受信装置
2 移相器
3 低速受光器
4 帯域通過フィルタ
5 位相比較器
6 逓倍器
7 帯域通過フィルタ
8 ピークパワー検出器
9 制御装置(CONT)
11 半導体レーザ(LD)
12、13 位相シフト部
14 加算器
20、40 データ変調部
21、41 第1のアーム
22、42 第2のアーム
23、43 第1の電極
24、44 第2の電極
26、46 MZ型変調器
31 強度変調器
201、202 電極
211、212 減衰素子
221、222 遅延素子
281 バイアス生成部
282 ロックインアンプ
283 バイアス制御部
301(301a、301b)、341 干渉計
302(302a、302b)、342 受光回路
305(305a、305b) トランスインピーダンスアンプ(TIA)
311、351 二乗回路
312 フィルタ
313、352 モニタ部
314、326、333 位相制御回路
315、354 絶対値回路
321、361 低周波発信器
325、364 検出部
331 高速サンプリング回路
332 サンプリング信号処理回路
353、365 遅延量制御回路
381 リミッタアンプ
1000 光通信システム
1010 光送信装置
1020 光受信装置
Claims (1)
- 位相変調光信号を受信して復調する光受信装置であって、
入力光の第1の分岐光をシンボル時間だけ遅延させる第1のアームおよび上記入力光の第2の分岐光の位相を所定量だけシフトさせる第2のアームを備える干渉計と、
上記干渉計から出力される光信号を電気信号に変換する受光回路と、
上記電気信号の二乗信号または絶対値信号を生成する演算回路と、
上記演算回路に接続され、シンボル周波数の整数倍の周波数を除く連続した周波数成分の少なくとも一部を透過させるフィルタと、
上記フィルタから出力される信号を最小化するように上記第2のアームの位相シフト量を制御する制御手段、
を有する光受信装置。
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