JP5316441B2 - 電子部品の製造方法及び電子部品 - Google Patents
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Description
本発明は、電子部品の製造方法及び電子部品に関する。
近年、電子機器の高機能化及び小型化の要求に伴い、電子材料における接続端子間の狭ピッチ化がますます進む方向にある。これに伴い、微細な配線回路における端子間接続も高度化している。端子間の接続方法としては、例えば、ICチップを回路基板に電気的に接続する際に異方性導電接着剤又は異方性導電フィルムを用いて多数の端子間を一括で接続するフリップチップ接続技術が知られている。異方性導電接着剤又は異方性導電フィルムは、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤に導電性粒子を分散させたフィルム又はペーストである(例えば、特開昭61−276873号公報(特許文献1)及び特開2004−260131号公報(特許文献2)参照)。これを接続すべき電子部材の間に配置して熱圧着することにより、対向する多数の端子間を一括で接続することができ、接着剤中の樹脂により隣接する端子間の絶縁性を確保することを可能にする。
しかし、導電性粒子の凝集を制御することは非常に難しく、(1)導電性粒子と端子、或いは、導電性粒子同士が十分に接触せずに対向する端子間の一部が導通しない場合や、(2)対向する端子間(導通性領域)以外の樹脂中(絶縁性領域)に導電性粒子が残存してリーク電流が発生し、隣接端子間の絶縁性が十分に確保できない場合があった。このため、従来の異方性導電接着剤や異方性導電フィルムでは、端子間の更なる狭ピッチ化に対応することが困難な状況である。
このような状況の下、接続端子間において良好な電気的接続と隣接端子間において高い絶縁信頼性を得ることを可能にする導電接続材料の提供が求められている。さらに、異方性導電接着剤や異方性導電フィルムを用いて、対向する端子間を接続した後、樹脂を硬化する際、硬化後の硬化性樹脂組成物の硬化物中に、空隙(ボイド)が発生するという問題があった。
本発明者らは、上記従来技術における問題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、導電性粒子に代えて半田箔又は錫箔を用いることで、半田又は錫の端子間への凝集が容易になり、樹脂中に半田又は錫が残存することを抑制できることを見出した。さらに、加圧流体により加圧しながら、硬化性樹脂組成物の硬化を行うことにより、硬化物中に空隙が発生し難くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明者らは、上記従来技術における問題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、導電性粒子に代えて半田箔又は錫箔を用いることで、半田又は錫の端子間への凝集が容易になり、樹脂中に半田又は錫が残存することを抑制できることを見出した。さらに、加圧流体により加圧しながら、硬化性樹脂組成物の硬化を行うことにより、硬化物中に空隙が発生し難くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。
(1)支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ前記硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材
料を加熱する加熱工程と、加圧流体により加圧しながら、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる加圧硬化工程と、を順に行うことを特徴とする電子部品の製造方法、
(2)支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、加圧流体により加圧しながら、前記導電接続材料の加熱と、前記硬化性樹脂組成物の硬化を同時に行う加熱兼加圧硬化工程と、を順に行うことを特徴とする電子部品の製造方法、
(3)前記加圧流体がガスである、(1)又は(2)に記載の電子部品の製造方法、
(4)前記加圧流体が空気又は窒素であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(5)処理対象物を圧力容器内に設置し、該圧力容器内を前記加圧流体により加圧しながら、該処理対象物を加熱することにより、前記加圧硬化工程又は前記加熱兼加圧硬化工程を行うことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(6)前記加圧硬化工程又は前記加熱兼加圧硬化工程において、前記加圧流体の加圧力が、0.1〜10MPaであることを特徴とする(1)〜(5)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(7)前記硬化性樹脂組成物が、フラックス機能を有する化合物を含むものである(1)〜(6)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(8)前記フラックス機能を有する化合物が、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する(7)に記載の電子部品の製造方法
(9)前記導電接続材料が、硬化性樹脂組成物層/金属箔層/硬化性樹脂組成物層からなる積層構造を含む、(1)〜(8)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(10)前記導電接続材料が、硬化性樹脂組成物層/金属箔層からなる積層構造を含む、(1)〜(8)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(11)(1)〜(10)のいずれか1項に記載の製造方法により製造されることを特徴とする電子部品。
(1)支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ前記硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材
料を加熱する加熱工程と、加圧流体により加圧しながら、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる加圧硬化工程と、を順に行うことを特徴とする電子部品の製造方法、
(2)支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、加圧流体により加圧しながら、前記導電接続材料の加熱と、前記硬化性樹脂組成物の硬化を同時に行う加熱兼加圧硬化工程と、を順に行うことを特徴とする電子部品の製造方法、
(3)前記加圧流体がガスである、(1)又は(2)に記載の電子部品の製造方法、
(4)前記加圧流体が空気又は窒素であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(5)処理対象物を圧力容器内に設置し、該圧力容器内を前記加圧流体により加圧しながら、該処理対象物を加熱することにより、前記加圧硬化工程又は前記加熱兼加圧硬化工程を行うことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(6)前記加圧硬化工程又は前記加熱兼加圧硬化工程において、前記加圧流体の加圧力が、0.1〜10MPaであることを特徴とする(1)〜(5)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(7)前記硬化性樹脂組成物が、フラックス機能を有する化合物を含むものである(1)〜(6)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(8)前記フラックス機能を有する化合物が、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する(7)に記載の電子部品の製造方法
(9)前記導電接続材料が、硬化性樹脂組成物層/金属箔層/硬化性樹脂組成物層からなる積層構造を含む、(1)〜(8)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(10)前記導電接続材料が、硬化性樹脂組成物層/金属箔層からなる積層構造を含む、(1)〜(8)いずれか1項に記載の電子部品の製造方法、
(11)(1)〜(10)のいずれか1項に記載の製造方法により製造されることを特徴とする電子部品。
本発明によれば、導電接続材料として導電性粒子に代えて半田箔又は錫箔を用いることで、半田又は錫の端子間への凝集が容易になり、硬化性樹脂組成物中に半田又は錫が残存することを抑制でき、さらに、加圧流体により加圧しながら、硬化性樹脂組成物の硬化を行うことにより、硬化物中に空隙が発生し難くなる電子部品の製造方法及び電子部品を提供することができる。
本発明の電子部品の製造方法は、支持体と被着体との隙間を埋めるための硬化性樹脂組成物を、加圧流体で加圧しながら、硬化させる工程を有するが、硬化性樹脂組成物の加圧硬化及び支持体と被着体との電気的接続を行う時期により、以下の形態例がある。
本発明の第一の形態の電子部品の製造方法は、支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ前記硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、加圧流体により加圧しながら、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる加圧硬化工程と、を順に行う電子部品の製造方法である。
本発明の第二の形態の電子部品の製造方法は、支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、加圧流体により加圧しながら、前記導電接続材料の加熱と、前記硬化性樹脂組成物の硬化を同時に行う加熱兼加圧硬化工程と、を順に行う電子部品の製造方法である。
以下、本発明の電子部品の製造方法及び電子部品を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の電子部品の製造方法を説明するのに先立って、本発明の電子部品の製造方法により製造された電子部品について説明する。
図1は、本発明の電子部品の製造方法により製造された電子部品の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す電子部品1は、被着体(半導体チップ)20と、被着体20を支持する支持体(基板)10と、複数の導電性を有するバンプ(端子)70とを有している。
支持体10は、絶縁基板であり、例えばポリイミド・エポキシ・シアネート・ビスマレイミドトリアジン(BTレジン)等の各種樹脂材料で構成されている。この支持体10の平面視形状は、通常、正方形、長方形等の四角形とされる。
支持体10の上面(一方の面)には、例えば、銅等の導電性金属材料で構成される端子11が、所定形状で設けられている。
また、支持体10には、その厚さ方向に貫通して、図示しない複数のビア(スルーホール:貫通孔)を有し、これらビア内に接続端子が形成されている。
このビア内に形成された接続端子は、それぞれ、一端(上端)が端子11の一部に電気的に接続され、他端(下端)は、支持体10の下面(他方の面)から突出して設けられたバンプ70に接続されている。
バンプ70は、ほぼ球形状(Ball状)をなし、支持体10の下面に形成された補強層71にその一部(上側)が取り囲まれたような構成をなしている。
また、支持体10上には、配線パターン40が形成されている。この配線パターン40に、接続部81を介して、被着体20が有する端子21が電気的に接続されている。
また、被着体20と、支持体10との間の間隙には、各種樹脂材料で構成される封止材が充填され、この封止材の硬化物により、封止層80が形成されている。この封止層80は、被着体20と、支持体10との接合強度を向上させる機能や、前記間隙への異物や水分等の浸入を防止する機能を有している。
図1は、本発明の電子部品の製造方法により製造された電子部品の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す電子部品1は、被着体(半導体チップ)20と、被着体20を支持する支持体(基板)10と、複数の導電性を有するバンプ(端子)70とを有している。
支持体10は、絶縁基板であり、例えばポリイミド・エポキシ・シアネート・ビスマレイミドトリアジン(BTレジン)等の各種樹脂材料で構成されている。この支持体10の平面視形状は、通常、正方形、長方形等の四角形とされる。
支持体10の上面(一方の面)には、例えば、銅等の導電性金属材料で構成される端子11が、所定形状で設けられている。
また、支持体10には、その厚さ方向に貫通して、図示しない複数のビア(スルーホール:貫通孔)を有し、これらビア内に接続端子が形成されている。
このビア内に形成された接続端子は、それぞれ、一端(上端)が端子11の一部に電気的に接続され、他端(下端)は、支持体10の下面(他方の面)から突出して設けられたバンプ70に接続されている。
バンプ70は、ほぼ球形状(Ball状)をなし、支持体10の下面に形成された補強層71にその一部(上側)が取り囲まれたような構成をなしている。
また、支持体10上には、配線パターン40が形成されている。この配線パターン40に、接続部81を介して、被着体20が有する端子21が電気的に接続されている。
また、被着体20と、支持体10との間の間隙には、各種樹脂材料で構成される封止材が充填され、この封止材の硬化物により、封止層80が形成されている。この封止層80は、被着体20と、支持体10との接合強度を向上させる機能や、前記間隙への異物や水分等の浸入を防止する機能を有している。
図1に示すような電子部品1は、例えば、以下のようにして製造することができる。
以下、本発明の電子部品の製造方法について説明する。
本発明の電子部品の製造方法は、支持体と被着体との隙間を埋めるための硬化性樹脂組成物を、加圧流体で加圧しながら、硬化させる工程を有するが、硬化性樹脂組成物の加圧硬化及び支持体と被着体との電気的接続を行う時期により、製造方法が異なる。
本発明の電子部品の製造方法は、支持体と被着体との隙間を埋めるための硬化性樹脂組成物を、加圧流体で加圧しながら、硬化させる工程を有するが、硬化性樹脂組成物の加圧硬化及び支持体と被着体との電気的接続を行う時期により、製造方法が異なる。
支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ前記硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、加圧流体により加圧しながら、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる加圧硬化工程と、を順に行う電子部品の製造方法を第1実施形態とし、
支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、加圧流体により加圧しながら、前記導電接続材料の加熱と、前記硬化性樹脂組成物の硬化を同時に行う加熱兼加圧硬化工程と、を第2実施形態として、それぞれの形態ごとに説明する。
支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、加圧流体により加圧しながら、前記導電接続材料の加熱と、前記硬化性樹脂組成物の硬化を同時に行う加熱兼加圧硬化工程と、を第2実施形態として、それぞれの形態ごとに説明する。
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態の電子部品の製造方法は、接合される支持体の第一の端子と被着体の第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ前記硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、加圧流体により加圧しながら、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる加圧硬化工程とを含む。
本発明の第1実施形態の電子部品の製造方法は、接合される支持体の第一の端子と被着体の第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、前記金属箔の融点以上であり、且つ前記硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、加圧流体により加圧しながら、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる加圧硬化工程とを含む。
以下、各工程について詳細に説明する。
(1−a)配置工程
先ず、図2に示すように、端子11が設けられた支持体10と端子21が設けられた被着体20とを、端子11と端子21とが対向するように位置合わせし、これらの端子間に、金属箔110と金属箔110の両面に設けられた硬化性樹脂組成物120とからなる導電接続材料30を配置する。この時、導電接続材料30はロールラミネータ又はプレス等の装置を使用し、図(3−a)および(3−b)に示すように、あらかじめ支持体10又は被着体20の片側、あるいは、図(3−c)に示すように支持体10及び被着体20の双方に熱圧着されていてもよい。また、前記端子11及び21の表面は、電気的な接続を良好にするために、必要により、洗浄、研磨、めっき及び表面活性化などの処理を施してもよい。
(1−a)配置工程
先ず、図2に示すように、端子11が設けられた支持体10と端子21が設けられた被着体20とを、端子11と端子21とが対向するように位置合わせし、これらの端子間に、金属箔110と金属箔110の両面に設けられた硬化性樹脂組成物120とからなる導電接続材料30を配置する。この時、導電接続材料30はロールラミネータ又はプレス等の装置を使用し、図(3−a)および(3−b)に示すように、あらかじめ支持体10又は被着体20の片側、あるいは、図(3−c)に示すように支持体10及び被着体20の双方に熱圧着されていてもよい。また、前記端子11及び21の表面は、電気的な接続を良好にするために、必要により、洗浄、研磨、めっき及び表面活性化などの処理を施してもよい。
(1−b)加熱工程
加熱工程では、前記配置工程において端子間に配置した導電接続材料を、金属箔の融点以上で加熱する。加熱温度は、金属箔の融点以上であればよく、例えば加熱時間を短くするなど、加熱時間を調整することによって、半田又は錫が硬化性樹脂組成物中を移動できる範囲すなわち「硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない」範囲であれば、その上限は特に制限されない。加熱温度は、金属箔の融点より5℃以上高い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましく、20℃以上高い温度がさらに好ましく、30℃以上高い温度が
特に好ましい。
加熱工程では、前記配置工程において端子間に配置した導電接続材料を、金属箔の融点以上で加熱する。加熱温度は、金属箔の融点以上であればよく、例えば加熱時間を短くするなど、加熱時間を調整することによって、半田又は錫が硬化性樹脂組成物中を移動できる範囲すなわち「硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない」範囲であれば、その上限は特に制限されない。加熱温度は、金属箔の融点より5℃以上高い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましく、20℃以上高い温度がさらに好ましく、30℃以上高い温度が
特に好ましい。
加熱温度は、使用する金属箔及び硬化性樹脂組成物の組成などによって適宜選択することができるが、100℃以上が好ましく、130℃以上がより好ましく、140℃以上が特に好ましく、150℃以上が最も好ましい。接続しようとする基板などの熱劣化を防止するためには、加熱温度は260℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、240℃以下が特に好ましい。
このような温度で前記導電接続材料を加熱すると、金属箔110が溶融し、溶融した半田又は錫が硬化性樹脂組成物120中を移動できるようになる。硬化性樹脂組成物がフラックス機能を有する化合物を含む場合、硬化性樹脂組成物に含まれるフラックス機能を有する化合物の還元作用により、半田又は錫の表面酸化膜が除去されるため、半田又は錫は濡れ性が高められた状態であり、金属結合が促されて対向する端子間に凝集しやすくなる。他方、フラックス機能を有する化合物の還元作用により端子11及び21の表面酸化膜も除去されて濡れ性が高められているため、半田又は錫との金属結合が容易になる。その結果、図4に示すように、前記端子間には導電性領域130が形成され、端子11と端子21とが電気的に接続される。他方、導電性領域の周囲には硬化性樹脂組成物が充填されて絶縁性領域140が形成される。その結果、隣接する端子間の絶縁性が確保され、隣接する端子間のショートを防止することが可能となる。
本発明の接続方法においては、対向する端子間の距離を近づけるように加圧して加熱してもよい。例えば、図2中の支持体10及び被着体20が対向する方向に公知の熱圧着装置などの手段を用いて加熱及び加圧することにより、対向する各端子間の距離を一定に制御することができ、対向する端子間の電気的な接続信頼性を高めることが可能となる。
さらに、加圧又は加熱する際に超音波や電場などを加えたり、レーザーや電磁誘導などの特殊加熱を適用してもよい。
さらに、加圧又は加熱する際に超音波や電場などを加えたり、レーザーや電磁誘導などの特殊加熱を適用してもよい。
(1−c)加圧硬化工程
本発明の接続方法においては、前記加熱工程で導電性領域130と絶縁性領域140とを形成した後、硬化性樹脂組成物を加圧硬化させて絶縁性領域140を固定する。これにより、前記端子間の電気的信頼性及び機械的接続強度を十分に確保することができる。特に本発明の接続方法においては、高絶縁抵抗値を有する硬化性樹脂組成物を使用しているため、絶縁性領域の絶縁性をより十分に確保することができる。
本発明の接続方法においては、前記加熱工程で導電性領域130と絶縁性領域140とを形成した後、硬化性樹脂組成物を加圧硬化させて絶縁性領域140を固定する。これにより、前記端子間の電気的信頼性及び機械的接続強度を十分に確保することができる。特に本発明の接続方法においては、高絶縁抵抗値を有する硬化性樹脂組成物を使用しているため、絶縁性領域の絶縁性をより十分に確保することができる。
図5に示すように、前記加熱工程(1−b)において電気的に接続された支持体10及び被着体20を、加圧オーブン8中に設置し、加圧流体の導入口9より、加圧流体7を導入して、加圧オーブン8内を、加圧流体7で加圧しながら、加熱することにより、硬化性樹脂組成物を硬化させる。このことにより、導電性領域130又は絶縁性領域140の機械的強度を高めることができる。
加圧硬化工程(1−c)に係る加圧流体とは、加圧するために用いられる流体の意味であり、特に制限されないが、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、空気等のガスが好ましく、安価な点で、空気又は窒素が好ましい。また、加圧硬化工程(1−c)に係る加圧流体として、液体を用いることもできる。
加圧硬化工程(1−c)において、加圧流体で前記加熱工程(1−b)において電気的に接続された支持体10及び被着体20を加圧する際の加圧力は、0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜5MPaである。加圧硬化工程(1)において、加圧流体で前記加熱工程(1−b)において電気的に接続された支持体10及び被着体20を加圧する際の加圧力が上記範囲にあることにより、硬化物中に空隙(ボイド)が発生し難くなる。
なお、本発明において、加圧流体で加圧するとは、前記加熱工程(1−b)で電気的に接続された支持体10及び被着体20の雰囲気の圧力を、大気圧より加圧力分だけ高くすることを指す(加圧硬化工程(1)、及び加熱兼加圧硬化工程(2))。
加圧硬化工程(1)において、前記加熱工程(1−b)で電気的に接続された支持体10及び被着体20の加熱温度は、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上の温度であればよく、適宜選択されるが、通常100〜250℃、好ましくは150〜200℃である。加圧硬化工程(1)において、前記加熱工程(1−b)で電気的に接続された支持体10及び被着体20の加熱時間は、硬化性樹脂組成物の種類により、適宜選択されるが、通常、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間である。
加圧硬化工程(1−c)において、加圧流体により加圧しながら、硬化性樹脂組成物を硬化させる方法としては、例えば、圧力容器内に、加熱する処理対象物(加圧硬化工程(1)では、前記加熱工程(1−b)において電気的に接続された支持体10及び被着体20)を設置し、次いで、圧力容器内に、加圧流体を導入して加圧しつつ、処理対象物を加熱する方法、更に、具体的には、加圧オーブン中に、処理対象物を設置し、加圧オーブン内に加圧用のガスを導入しつつ、加圧オーブンで処理対象物を加熱する方法が挙げられる。
このように、本発明の第1実施形態の電子部品の製造方法は、電子部品の製造方法における支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、支持体と被着体とを電気的に接続する工程として、配置工程(1−a)と、加熱工程(1−b)と、加圧硬化工程(1−c)とを順に行う電子部品の製造方法である。
本発明の第1実施形態の電子部品の製造方法に係る支持体10及び被着体20としては、表1に示す組み合わせが挙げられる。
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態の電子部品の製造方法は、接合される支持体の第一の端子と被着体の第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、加圧流体により加圧しながら、前記導電接続材料の加熱と、前記硬化性樹脂組成物の硬化を同時に行う加熱兼加圧硬化工程とを含む。
以下、各工程について詳細に説明する。
本発明の第2実施形態の電子部品の製造方法は、接合される支持体の第一の端子と被着体の第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、加圧流体により加圧しながら、前記導電接続材料の加熱と、前記硬化性樹脂組成物の硬化を同時に行う加熱兼加圧硬化工程とを含む。
以下、各工程について詳細に説明する。
(2−a)配置工程
本発明の第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様にして、支持体の第一の端子と被着体の第二の端子との間に、導電接続材料を配置することができる。
本発明の第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様にして、支持体の第一の端子と被着体の第二の端子との間に、導電接続材料を配置することができる。
(2−b)加熱兼加圧硬化工程
本発明の第2実施形態の電子部品の製造方法に係る加熱兼加圧硬化工程(2−b)は、(2−b1)加圧流体により加圧しながら、支持体、被着体及び導電接続材料を、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上の温度で加熱して、硬化性樹脂組成物の硬化を行いつつ、その硬化過程の途中で、硬化性樹脂組成物の硬化のための加圧雰囲気中で、金属箔の融点以上で加熱することにより、第一の端子と第二の端子との電気的接続と、硬化性樹脂組成物の加圧硬化とを同時に行う工程、又は(2−b2)加圧流体により加圧しながら、支持体、被着体及び導電接続材料を、金属箔の融点以上で加熱することにより、第一の端子と第二の端子との電気的接続を行い、次いで、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上の温度で加熱して、硬化性樹脂組成物の硬化を行う工程である。なお、加熱兼加圧硬化工程(2−b)において、第一の端子と第二の端子との電気的接続を行うための加熱温度は、前記第1実施形態の加熱工程(1−b)の説明と同様である。
本発明の第2実施形態の電子部品の製造方法に係る加熱兼加圧硬化工程(2−b)は、(2−b1)加圧流体により加圧しながら、支持体、被着体及び導電接続材料を、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上の温度で加熱して、硬化性樹脂組成物の硬化を行いつつ、その硬化過程の途中で、硬化性樹脂組成物の硬化のための加圧雰囲気中で、金属箔の融点以上で加熱することにより、第一の端子と第二の端子との電気的接続と、硬化性樹脂組成物の加圧硬化とを同時に行う工程、又は(2−b2)加圧流体により加圧しながら、支持体、被着体及び導電接続材料を、金属箔の融点以上で加熱することにより、第一の端子と第二の端子との電気的接続を行い、次いで、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上の温度で加熱して、硬化性樹脂組成物の硬化を行う工程である。なお、加熱兼加圧硬化工程(2−b)において、第一の端子と第二の端子との電気的接続を行うための加熱温度は、前記第1実施形態の加熱工程(1−b)の説明と同様である。
加熱兼加圧硬化工程(2−b)に係る加圧流体は、加圧硬化工程(1−c)に係る加圧流体と同様である。
加熱兼加圧硬化工程(2−b)において、加圧流体で支持体、被着体及び導電接続材料を加圧する際の加圧力は、0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜5MPaである。加熱兼加圧硬化工程(2−b)において、加圧流体で支持体、被着体及び導電接続材料を加圧する際の加圧力が上記範囲にあることにより、硬化物中に空隙(ボイド)が発生し難くなる。
加熱兼加圧硬化工程(2−b)では、金属箔の融点が硬化性樹脂組成物の硬化温度以下の場合、(2−b1)加圧流体により加圧しながら、支持体、被着体及び導電接続材料を、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上の温度で加熱して、硬化性樹脂組成物の硬化を行いつつ、その硬化過程の途中で、硬化性樹脂組成物の硬化のための加圧雰囲気中で、金属箔の融点以上で加熱することにより、第一の端子と第二の端子との電気的接続と硬化性樹脂組成物の加圧硬化とを同時に行う。この場合、加圧流体により加圧しながら、支持体、被着体及び硬化性導電接続材料を、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上の温度で加熱して、硬化性樹脂組成物の硬化を行う際の加熱温度は、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上であればよく、通常、100〜250℃、好ましくは150〜200℃であり、また、加熱時間は、硬化性樹脂組成物の種類により適宜選択されるが、通常、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間である。
また、金属箔の融点が硬化性樹脂組成物の硬化温度より高い場合、(2−b2)加圧流体により加圧しながら、支持体、被着体及び導電接続材料を、金属箔の融点以上の温度で加熱することで、金属箔が溶融し、溶融した金属箔が選択的に、対向する第一の端子と第二の端子の間に凝集し、第一の端子と第二の端子との電気的接続が可能となる。次いで、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上の温度で加熱して、硬化性樹脂組成物の硬化を行う。この場合、加圧流体により加圧しながら、支持体、被着体及び導電接続材料を、第一の端子と第二の端子との電気的接続を行うために加熱する際の加熱温度は、前記第1実施形態の加熱工程(1−b)の説明と同様である。また、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上で加熱して、硬化性樹脂組成物の硬化を行う際の加熱温度は、硬化性樹脂組成物の硬化温度以上であればよく、通常、100〜250℃、好ましくは150〜200℃であり、また、加
熱時間は、硬化性樹脂組成物の種類により適宜選択されるが、通常、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間である。
熱時間は、硬化性樹脂組成物の種類により適宜選択されるが、通常、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間である。
加熱兼加圧硬化工程(2−b)において、加圧流体により加圧しながら、対向する端子間の電気的接続させると同時に、硬化性樹脂組成物を硬化させる方法としては、例えば、図6において、加圧流体7を導入して、加熱オーブン8内を加圧しながら、加熱オーブン8中で、支持体10、被着体20及び導電接続材料30とを加熱する過程の途中で、加熱オーブン8内に設置されたプレス機で、被着体20の上から荷重を負荷する方法が挙げられる。具体的には、加熱オーブン8中に、プレス機を設置し、このプレス機に、支持体10、被着体20及び導電接続材料30を取り付ける。次いで、加圧流体7を導入して、加圧オーブン8内を加圧する。そして、加圧流体7で加圧しながら、加圧オーブン8内の温度を硬化性樹脂組成物120の硬化温度以上の温度、例えば、180℃で、例えば、60分間加熱して、硬化性樹脂組成物120の硬化を行っている間のいずれかの時期に、例えば、180℃加圧雰囲気下での加熱開始後10分後に、180℃加圧雰囲気中で、加熱オーブン8内に設置されたプレス機で、プレス面の温度を金属箔の融点以上の温度、例えば、230℃にして、例えば、15秒間被着体20の上から荷重を負荷して、半田接続を行う方法が挙げられる。つまり、加熱兼加圧硬化工程(2−b)において、加圧流体により加圧しながら、対向する端子間の電気的接続を行うと同時に、硬化性樹脂組成物を硬化させるとは、硬化性樹脂組成物の硬化を行っている過程のどこかで、加熱加圧雰囲気下のままで、対向する端子間の電気的接続を行うことが挙げられる。
本発明の第一の形態の電子部品の製造方法では、加圧硬化工程(1−c)又は加熱兼加圧硬化工程(2−b)において、加圧流体で加圧しながら、硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、硬化性樹脂組成物中の空隙(ボイド)が、押し潰されるようにして、樹脂の硬化が進行するので、硬化物中に空隙(ボイド)が発生し難くなる。更に、加圧硬化工程(1−c)又は加熱兼加圧硬化工程(2−b)では、加圧流体により、支持体、被着体及び導電接続材料に、全方向から均等に圧力が加えられるため、硬化性樹脂組成物の溶融物が、支持体と被着体との隙間から周囲へブリードするのを防ぐことができる。
次に、本発明に係る導電接続材料について説明する。
本発明に係る導電接続材料は、硬化性樹脂組成物と半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される。その形態は、硬化性樹脂組成物層と金属箔層とからなる多層構造を有する積層体であり、硬化性樹脂組成物層及び金属箔層は各々一層であっても複数層であってもよい。導電接続材料の積層構造は特に制限されなく、硬化性樹脂組成物層と金属箔層との二層構造(硬化性樹脂組成物層/金属箔層)でもよいし、硬化性樹脂組成物層あるいは金属箔層の何れか又は両方を複数含む三層構造又はそれ以上の多層構造でもよい。なお、硬化性樹脂組成物層又は金属箔層を複数用いる場合、各層の組成は同一でもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る導電接続材料は、硬化性樹脂組成物と半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される。その形態は、硬化性樹脂組成物層と金属箔層とからなる多層構造を有する積層体であり、硬化性樹脂組成物層及び金属箔層は各々一層であっても複数層であってもよい。導電接続材料の積層構造は特に制限されなく、硬化性樹脂組成物層と金属箔層との二層構造(硬化性樹脂組成物層/金属箔層)でもよいし、硬化性樹脂組成物層あるいは金属箔層の何れか又は両方を複数含む三層構造又はそれ以上の多層構造でもよい。なお、硬化性樹脂組成物層又は金属箔層を複数用いる場合、各層の組成は同一でもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る導電接続材料の一実施形態では、金属箔の表面酸化膜を、フラックス機能を有する化合物で還元する観点から、金属箔層の上下層は硬化性樹脂組成物層であることが好ましい。例えば、三層構造(硬化性樹脂組成物層/金属箔層/硬化性樹脂組成物層)が好ましい。この場合、金属箔層の両側にある硬化性樹脂組成物層の厚みは、同一でもよく、異なっていてもよい。硬化性樹脂組成物層の厚みは、接続しようとする端子の導体厚みなどによって適宜調整すればよい。
以下、本発明に係る導電接続材料を構成する硬化性樹脂組成物及び金属箔についてそれぞれ説明する。
(1)硬化性樹脂組成物
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、室温で液状又は固形状のいずれの形態であってもよい。ここで「室温で液状」とは、室温(25℃)で一定の形態を持たない状態を意味する。ペースト状も液状に含まれる。
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、室温で液状又は固形状のいずれの形態であってもよい。ここで「室温で液状」とは、室温(25℃)で一定の形態を持たない状態を意味する。ペースト状も液状に含まれる。
本発明に係る硬化性樹脂組成物として、硬化性樹脂組成物を用いる。本発明で用いる硬化性樹脂組成物としては、加熱又は化学線を照射することにより硬化するものなどが挙げられる。
本発明で用いる硬化性樹脂組成物には、硬化性樹脂のほか、必要に応じて、フィルム形成性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フラックス機能を有する化合物、シランカップリング剤などが含まれる。
(i)硬化性樹脂
本発明で用いる硬化性樹脂は、通常、半導体装置製造用の接着剤成分として使用できるものであれば特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)、ジアリルフタレート樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂(ポリイミド前駆体樹脂)、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。特に、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。中でも、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるという観点からエポキシ樹脂を用いることが好ましい。これらの硬化性樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いる硬化性樹脂は、通常、半導体装置製造用の接着剤成分として使用できるものであれば特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)、ジアリルフタレート樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂(ポリイミド前駆体樹脂)、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。特に、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。中でも、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるという観点からエポキシ樹脂を用いることが好ましい。これらの硬化性樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化性樹脂の含有量は硬化性樹脂組成物の形態に応じて適宜設定することができる。 例えば、硬化性樹脂組成物が液状の場合、硬化性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、20重量%以上がさらに好ましく、25重量%以上がさらにより好ましく、30重量%以上がなお好ましく、35重量%以上が特に好ましい。また、100重量%未満が好ましく、95重量%以下がより好ましく、90重量%以下がさらに好ましく、75重量%以下がさらにより好ましく、65重量%以下がなお好ましく、55重量%以下が特に好ましい。
硬化性樹脂組成物が固形状の場合は、硬化性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましく、20重量%以上が特に好ましい。また、90重量%以下が好ましく、85重量%以下がより好ましく、80重量%以下がさらに好ましく、75重量%以下がさらにより好ましく、65重量%以下がなお好ましく、55重量%以下が特に好ましい。
硬化性樹脂の含有量が前記範囲内にあると端子間の電気的接続強度及び機械的接着強度を十分に確保することができる。
硬化性樹脂組成物が固形状の場合は、硬化性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましく、20重量%以上が特に好ましい。また、90重量%以下が好ましく、85重量%以下がより好ましく、80重量%以下がさらに好ましく、75重量%以下がさらにより好ましく、65重量%以下がなお好ましく、55重量%以下が特に好ましい。
硬化性樹脂の含有量が前記範囲内にあると端子間の電気的接続強度及び機械的接着強度を十分に確保することができる。
本発明では、室温で液状及び室温で固形状のいずれのエポキシ樹脂を使用してもよい。室温で液状のエポキシ樹脂と室温で固形状のエポキシ樹脂とを併用してもよい。硬化性樹脂組成物が液状の場合には、室温で液状のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、硬化性樹脂組成物が固形状の場合には、液状及び固形状のいずれのエポキシ樹脂を使用してもよいが、固形状のエポキシ樹脂を使用する場合はフィルム形成性樹脂を適宜併用することが好ましい。
室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが好ましく挙げられる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂とを併用してもよい。
室温で液状のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜300g/eqが好ましく、160〜250g/eqがより好ましく、170〜220g/eqが特に好ましい。前記エポキシ当量が上記下限未満になると硬化物の収縮率が大きくなる傾向があり、反りが生じることがある。他方、前記上限を超えると、フィルム形成性樹脂を併用した場合に、フィルム形成性樹脂、特にポリイミド樹脂との反応性が低下する傾向にある。
室温で液状のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜300g/eqが好ましく、160〜250g/eqがより好ましく、170〜220g/eqが特に好ましい。前記エポキシ当量が上記下限未満になると硬化物の収縮率が大きくなる傾向があり、反りが生じることがある。他方、前記上限を超えると、フィルム形成性樹脂を併用した場合に、フィルム形成性樹脂、特にポリイミド樹脂との反応性が低下する傾向にある。
室温(25℃)で固形状のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂、4官能エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、固形3官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが好ましい。これらのエポキシ樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
室温で固形状のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜3000g/eqが好ましく、160〜2500g/eqがより好ましく、170〜2000g/eqが特に好ましい。
室温で固形状のエポキシ樹脂の軟化点は、40〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましく、60〜100℃が特に好ましい。前記軟化点が前記範囲内にあると、タック性を抑えることができ、容易に取り扱うことが可能となる。
室温で固形状のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜3000g/eqが好ましく、160〜2500g/eqがより好ましく、170〜2000g/eqが特に好ましい。
室温で固形状のエポキシ樹脂の軟化点は、40〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましく、60〜100℃が特に好ましい。前記軟化点が前記範囲内にあると、タック性を抑えることができ、容易に取り扱うことが可能となる。
(ii)フィルム形成性樹脂
固形状の硬化性樹脂組成物を使用する場合、前記硬化性樹脂とフィルム形成性樹脂とを併用することが好ましい。本発明で用いるフィルム形成性樹脂としては、有機溶媒に可溶であり、単独で製膜性を有するものであれば特に制限はない。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれのものも使用することができ、また、これらを併用することもできる。具体的に、フィルム形成性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂(飽和ポリエステル樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロンなどが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂が好ましい。フィルム形成性樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
固形状の硬化性樹脂組成物を使用する場合、前記硬化性樹脂とフィルム形成性樹脂とを併用することが好ましい。本発明で用いるフィルム形成性樹脂としては、有機溶媒に可溶であり、単独で製膜性を有するものであれば特に制限はない。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれのものも使用することができ、また、これらを併用することもできる。具体的に、フィルム形成性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂(飽和ポリエステル樹脂)、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロンなどが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂が好ましい。フィルム形成性樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸及びその誘導体の重合体、又は(メタ)アクリル酸及びその誘導体と他の単量体との共重合体を意味する。「(メタ)アクリル酸」などと表記するときは、「アクリル酸又はメタクリル酸」などを意味する。
本発明で用いる(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸−2−エチルヘキシルなどのポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチルなどのポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリアクリルアミド、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニ
トリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体などが挙げられる。中でも、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミドが好ましい。これらの(メタ)アクリル系樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
トリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体などが挙げられる。中でも、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミドが好ましい。これらの(メタ)アクリル系樹脂は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるフェノキシ樹脂の骨格は、特に制限されないが、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールFタイプ、ビフェニルタイプなどが好ましく挙げられる。
本発明で用いるポリイミド樹脂としては、繰り返し単位中にイミド結合を持つ樹脂であれば特に制限されない。例えば、ジアミンと酸二無水物を反応させ、得られたポリアミド酸を加熱、脱水閉環することにより得られるものが挙げられる。
前記ジアミンとしては、例えば、3,3’−ジメチル−4,4’ジアミノジフェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)―1,1,3,3―テトラメチルジシロキサンなどのシロキサンジアミンが挙げられる。ジアミンは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、前記酸二無水物としては、3,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。酸二無水物は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリイミド樹脂は、溶剤に可溶なものでも、不溶なものでもよいが、他の成分と混合する際のワニス化が容易であり、取扱性に優れている点で溶剤可溶性のものが好ましい。特に、様々な有機溶媒に溶解できる点でシロキサン変性ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
本発明で用いるフィルム形成性樹脂の重量平均分子量は8,000〜1,000,000が好ましく、8,500〜950,000がより好ましく、9,000〜900,000がさらに好ましい。フィルム形成性樹脂の重量平均分子量が上記の範囲であると、製膜性を向上させることが可能で、且つ、硬化前の導電接続材料の流動性を抑制することができる。なお、フィルム形成性樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
本発明においては、このようなフィルム形成性樹脂として市販品を使用することができる。さらに、本発明の効果を損ねない範囲で、フィルム形成性樹脂に、可塑剤、安定剤、無機フィラー、帯電防止剤や顔料などの各種添加剤を配合したものを使用してもよい。
本発明に用いられる導電接続材料において、前記フィルム形成性樹脂の含有量は、使用する硬化性樹脂組成物の形態に応じて適宜設定することができる。
例えば、固形状の硬化性樹脂組成物の場合には、フィルム形成性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることが特に好ましい。また、50重量%以下であることが好ましく、45重量%以下であることがより好ましく、40重量%以下であることが特に好ましい。フィルム形成性樹脂の含有量が前記範囲内にあると溶融前の
硬化性樹脂組成物の流動性を抑制することができ、導電接続材料を容易に取り扱うことが可能となる。
例えば、固形状の硬化性樹脂組成物の場合には、フィルム形成性樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることが特に好ましい。また、50重量%以下であることが好ましく、45重量%以下であることがより好ましく、40重量%以下であることが特に好ましい。フィルム形成性樹脂の含有量が前記範囲内にあると溶融前の
硬化性樹脂組成物の流動性を抑制することができ、導電接続材料を容易に取り扱うことが可能となる。
(iii)硬化剤
本発明で用いる硬化剤としては、フェノール類、酸無水物及びアミン化合物が好ましく挙げられる。硬化剤は、硬化性樹脂の種類などに応じて適宜選択することができる。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂との良好な反応性、硬化時の低寸法変化及び硬化後の適切な物性(例えば、耐熱性、耐湿性など)が得られる点で硬化剤としてフェノール類を用いることが好ましく、硬化性樹脂の硬化後の物性が優れている点で2官能以上のフェノール類がより好ましい。また、このような硬化剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いる硬化剤としては、フェノール類、酸無水物及びアミン化合物が好ましく挙げられる。硬化剤は、硬化性樹脂の種類などに応じて適宜選択することができる。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂との良好な反応性、硬化時の低寸法変化及び硬化後の適切な物性(例えば、耐熱性、耐湿性など)が得られる点で硬化剤としてフェノール類を用いることが好ましく、硬化性樹脂の硬化後の物性が優れている点で2官能以上のフェノール類がより好ましい。また、このような硬化剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、ビフェノール、ビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、トリスフェノール、テトラキスフェノール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などが挙げられる。中でも、エポキシ樹脂との反応性が良好であり、硬化後の物性が優れている点でフェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂が好ましい。
硬化剤の含有量は、使用する硬化性樹脂や硬化剤の種類及び後述するフラックス機能を有する化合物が硬化剤として機能する官能基を有する場合、その官能基の種類や使用量によって適宜選択することができる。
例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合、硬化剤の含有量は硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.1〜50重量%が好ましく、0.2〜40重量%がより好ましく、0.5〜30重量%が特に好ましい。硬化剤の含有量が前記範囲内にあると端子間の電気的接続強度及び機械的接着強度を十分に確保することができる。
例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合、硬化剤の含有量は硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.1〜50重量%が好ましく、0.2〜40重量%がより好ましく、0.5〜30重量%が特に好ましい。硬化剤の含有量が前記範囲内にあると端子間の電気的接続強度及び機械的接着強度を十分に確保することができる。
(iv)硬化促進剤
本発明で用いる硬化促進剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物が挙げられる。
本発明で用いる硬化促進剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物が挙げられる。
硬化促進剤の含有量は、使用する硬化促進剤の種類に応じて適宜設定することができる。
例えば、イミダゾール化合物を使用する場合には、イミダゾール化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.003重量%以上がより好ましく、0.005重量%以上が特に好ましい。また、1.0重量%以下が
好ましく、0.7重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下が特に好ましい。イミダゾール化合物の含有量が前記下限未満になると硬化促進剤としての作用が十分に発揮されず、硬化性樹脂組成物を十分に硬化できない場合がある。他方、イミダゾール化合物の含有量が前記上限を超えると、硬化性樹脂組成物の硬化が完了する前に半田又は錫が端子表面に十分に移動せず、絶縁性領域に半田又は錫が残り絶縁性が十分に確保できない場合がある。また、導電接続材料の保存安定性が低下する場合がある。
例えば、イミダゾール化合物を使用する場合には、イミダゾール化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.003重量%以上がより好ましく、0.005重量%以上が特に好ましい。また、1.0重量%以下が
好ましく、0.7重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下が特に好ましい。イミダゾール化合物の含有量が前記下限未満になると硬化促進剤としての作用が十分に発揮されず、硬化性樹脂組成物を十分に硬化できない場合がある。他方、イミダゾール化合物の含有量が前記上限を超えると、硬化性樹脂組成物の硬化が完了する前に半田又は錫が端子表面に十分に移動せず、絶縁性領域に半田又は錫が残り絶縁性が十分に確保できない場合がある。また、導電接続材料の保存安定性が低下する場合がある。
(v)フラックス機能を有する化合物
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、フラックス機能を有する化合物を含むことが好ましく、端子及び金属箔の表面酸化膜などの金属酸化膜を還元することができ、金属箔の端子間への凝集を容易にすることができる。例えば、フラックス機能を有する化合物としては、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、カテコール、p−tert−アミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノールなどのフェノール性水酸基を含有するモノマー類、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂などのフェノール性水酸基を含有する樹脂が挙げられる。
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、フラックス機能を有する化合物を含むことが好ましく、端子及び金属箔の表面酸化膜などの金属酸化膜を還元することができ、金属箔の端子間への凝集を容易にすることができる。例えば、フラックス機能を有する化合物としては、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、カテコール、p−tert−アミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノールなどのフェノール性水酸基を含有するモノマー類、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂などのフェノール性水酸基を含有する樹脂が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸などが挙げられる。前記脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物などが挙げられる。前記脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などが挙げられる。前記芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテートなどが挙げられる。
前記脂肪族カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ピメリン酸などが挙げられる。中でも、下記式(1):
HOOC−(CH2)n−COOH (1)
(式(1)中、nは1〜20の整数である。)
で表される脂肪族カルボン酸が好ましく、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸がより好ましい。
HOOC−(CH2)n−COOH (1)
(式(1)中、nは1〜20の整数である。)
で表される脂肪族カルボン酸が好ましく、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸がより好ましい。
芳香族カルボン酸の構造は特に制限されないが、下記式(2)又は(3)で表される化合物が好ましい。
[式中、R1〜R5は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、R1〜R5の少なくとも一つは水酸基である。]
[式中、R6〜R20は、それぞれ独立して、1価の有機基であり、R6〜R20の少なくとも一つは水酸基又はカルボキシル基である。]
芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレートニ酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−2−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸などのナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;ジフェノール酸などが挙げられる。
これらの中でも、本発明では、フラックス機能を有するだけでなく、硬化性樹脂の硬化剤として作用する化合物であることが好ましい。すなわち、本発明で用いるフラックス機能を有する化合物としては、金属箔及び端子などの金属の表面酸化膜を還元する作用を示し、且つ、硬化性樹脂と反応可能な官能基を有する化合物を用いることが好ましい。該官能基は、硬化性樹脂の種類によって適宜選択する。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、該官能基は、カルボキシル基、水酸基及びアミノ基などのエポキシ基と反応可能な官能基が好ましい。フラックス機能を有する化合物が硬化剤としても作用することで、金属箔及び端子などの金属の表面酸化膜を還元して金属表面の濡れ性を高め、導
電性領域の形成を容易にすると共に、導電性領域を形成した後は、硬化性樹脂に付加して樹脂の弾性率又はTgを高めることができる。また、フラックス機能を有する化合物が硬化剤として作用することで、フラックス洗浄が不要となり、フラックス成分が残存することによるイオンマイグレーションの発生を抑制することができるといった利点がある。
電性領域の形成を容易にすると共に、導電性領域を形成した後は、硬化性樹脂に付加して樹脂の弾性率又はTgを高めることができる。また、フラックス機能を有する化合物が硬化剤として作用することで、フラックス洗浄が不要となり、フラックス成分が残存することによるイオンマイグレーションの発生を抑制することができるといった利点がある。
このようなフラックス機能を有する化合物としては、カルボキシル基を少なくとも1つ有していることが好ましい。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、該化合物としては、脂肪族ジカルボン酸又はカルボキシル基とフェノール性水酸基とを有する化合物などが挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、脂肪族炭化水素基にカルボキシル基が2個結合した化合物が好ましく挙げられる。脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和の非環式であってもよいし、飽和又は不飽和の環式であってもよい。また、脂肪族炭化水素基が非環式の場合には直鎖状でも分岐状でもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、脂肪族炭化水素基にカルボキシル基が2個結合した化合物が好ましく挙げられる。脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和の非環式であってもよいし、飽和又は不飽和の環式であってもよい。また、脂肪族炭化水素基が非環式の場合には直鎖状でも分岐状でもよい。
このような脂肪族ジカルボン酸としては、前記式(1)においてnが1〜20の整数である化合物が好ましく挙げられる。前記式(1)中のnが上記範囲内であると、フラックス活性、接着時のアウトガス、導電接続材料が硬化した後の弾性率及びガラス転移温度のバランスが良好なものとなる。特に、導電接続材料の硬化後の弾性率の増加を抑制し、被接着物との接着性を向上させることができることから、nは3以上が好ましい。また、弾性率の低下を抑制し、接続信頼性をさらに向上させることができることから、nは10以下が好ましい。
前記式(1)で示される脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸などが挙げられる。中でも、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデンカン二酸が好ましく、セバシン酸が特に好ましい。
前記カルボキシル基とフェノール性水酸基とを有する化合物としては、サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)などの安息香酸誘導体;1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸などのナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;ジフェノール酸などが挙げられる。中でも、フェノールフタリン、ゲンチジン酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸が好ましく、フェノールフタリン、ゲンチジン酸が特に好ましい。
フラックス機能を有する化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、いずれの化合物も吸湿しやすく、ボイド発生の原因となるため、フラックス機能を有する化合物を使用前に予め乾燥させておくことが好ましい。
フラックス機能を有する化合物の含有量は、使用する硬化性樹脂組成物の形態に応じて適宜設定することができる。
例えば、硬化性樹脂組成物が液状の場合、フラックス機能を有する化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上が特に好ましい。また、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下が特に好ましい。
固形状の硬化性樹脂組成物の場合には、フラックス機能を有する化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上が特に好ましい。また、50重量%以下が好ましく、40重量%以下が
より好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下が特に好ましい。
フラックス機能を有する化合物の含有量が上記範囲内であると、金属箔及び端子の表面酸化膜を電気的に接合できる程度に除去することができる。さらに、硬化時に、樹脂に効率よく付加して樹脂の弾性率又はTgを高めることができる。また、未反応のフラックス機能を有する化合物に起因するイオンマイグレーションの発生を抑制することができる。
例えば、硬化性樹脂組成物が液状の場合、フラックス機能を有する化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上が特に好ましい。また、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下が特に好ましい。
固形状の硬化性樹脂組成物の場合には、フラックス機能を有する化合物の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上が特に好ましい。また、50重量%以下が好ましく、40重量%以下が
より好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下が特に好ましい。
フラックス機能を有する化合物の含有量が上記範囲内であると、金属箔及び端子の表面酸化膜を電気的に接合できる程度に除去することができる。さらに、硬化時に、樹脂に効率よく付加して樹脂の弾性率又はTgを高めることができる。また、未反応のフラックス機能を有する化合物に起因するイオンマイグレーションの発生を抑制することができる。
(vi)シランカップリング剤
本発明で用いるシランカップリング剤としては、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤などが挙げられる。シランカップリング剤を添加することにより、接合部材と導電接続材料との密着性を高めることができる。シランカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるシランカップリング剤としては、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤などが挙げられる。シランカップリング剤を添加することにより、接合部材と導電接続材料との密着性を高めることができる。シランカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、接合部材や硬化性樹脂などの種類に応じて適宜選択することができる。例えば、シランカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上が特に好ましく、また、2重量%以下が好ましく、1.5重量%以下がより好ましく、1重量%以下が特に好ましい。
本発明で用いる硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損ねない範囲で、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、滑剤、充填剤、帯電防止剤及び顔料などを配合してもよい。
本発明において、前記硬化性樹脂組成物は、上記各成分を混合・分散させることによって調製することができる。各成分の混合方法や分散方法は特に限定されず、従来公知の方法で混合、分散させることができる。
また、本発明においては、前記各成分を溶媒中で又は無溶媒下で混合して液状の硬化性樹脂組成物を調製してもよい。このとき用いられる溶媒としては、各成分に対して不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(DAA)などのケトン類;ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ニ塩基酸エステル(DBE)、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)、ジメチルカーボネート(DMC)などが挙げられる。また、溶媒の使用量は、溶媒に混合した成分の固形分濃度が10〜60重量%となる量であることが好ましい。
本発明に係る硬化性樹脂組成物として、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、エポキシ樹脂10〜90重量%、硬化剤0.1〜50重量%、フィルム形成性樹脂5〜50重量%及びフラックス機能を有する化合物1〜50重量%を含むものがより好ましい。また、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、エポキシ樹脂20〜80重量%、硬化剤0.2〜40重量%、フィルム形成性樹脂10〜45重量%及びフラックス機能を有する化合物2〜40重量%を含むものがさらに好ましい。また、硬化性樹脂組成物の全重量に対して、エポキシ樹脂35〜55重量%、硬化剤0.5〜30重量%、フィルム形成性樹脂15〜40重量%及びフラックス機能を有する化合物3〜25重量%を含むものが特に好ましい。
本発明に係る導電接続材料において硬化性樹脂組成物層の各々の厚みは、特に制限されないが、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が特に好ましい
。また、硬化性樹脂組成物層の厚みは、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が特に好ましい。硬化性樹脂組成物層の厚みが前記範囲内にあると、隣接する端子間の間隙に硬化性樹脂組成物を十分に充填することができ、硬化性樹脂組成物の硬化後、固化後の機械的接着強度及び対向する端子間の電気的接続を十分に確保することができ、接続端子の製造も可能にすることができる。
。また、硬化性樹脂組成物層の厚みは、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が特に好ましい。硬化性樹脂組成物層の厚みが前記範囲内にあると、隣接する端子間の間隙に硬化性樹脂組成物を十分に充填することができ、硬化性樹脂組成物の硬化後、固化後の機械的接着強度及び対向する端子間の電気的接続を十分に確保することができ、接続端子の製造も可能にすることができる。
本発明に係る導電接続材料が硬化性樹脂組成物層を複数含む場合、各硬化性樹脂組成物層の組成は同一でもよいし、用いる樹脂成分の種類や配合処方の違いなどにより異なっていてもよい。硬化性樹脂組成物層の溶融粘度や軟化温度などの物性も同一でもよいし異なっていてもよい。例えば液状の硬化性樹脂組成物層と固形状の硬化性樹脂組成物層とを組み合わせて用いてもよい。
(2)金属箔
本発明において金属箔層は、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔で構成される層である。金属箔層は平面視で硬化性樹脂組成物層の少なくとも一部に形成されていればよく、硬化性樹脂組成物層の全面に形成されていてもよい。
本発明において金属箔層は、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔で構成される層である。金属箔層は平面視で硬化性樹脂組成物層の少なくとも一部に形成されていればよく、硬化性樹脂組成物層の全面に形成されていてもよい。
金属箔層の形状は特に制限されなく、一定の形状が繰り返しパターン状に形成されていてもよいし、形状が不規則であってもよい。規則的な形状と不規則な形状とが混在していてもよい。図7は、金属箔層の形状の一例を示す平面模式図である。硬化性樹脂組成物層160の上に様々な形状をもつ金属箔層150が形成されている。金属箔層の形状としては、例えば、図7に示されるような点線の抜き模様状(a)、縞模様状(b)、水玉模様状(c)、矩形模様状(d)、チェッカー模様状(e)、額縁状(f)、格子模様状(g)又は多重の額縁状(h)などが挙げられる。これらの形状は一例であり、目的や用途に応じてこれらの形状を組み合わせたり、変形させて用いることができる。
本発明の一実施態様において、接続しようとする電極が被着体の接続面全体に配置されているようなフルグリッド型の被着体を接続する場合、硬化性樹脂組成物の全面にシート状の金属箔を形成することが好ましい。
また、接続しようとする電極が被着体の接続面の周辺部に配置されるようなペリフェラル型の被着体を接続する場合、金属箔を有効に利用する観点、及び、隣接する電極間に金属箔を残存させないという観点から、硬化性樹脂組成物の少なくとも一部に繰り返しパターン状の金属箔を形成することが好ましい。このとき、金属箔の形状は電極のピッチや形態等によって適宜選択することができる。
本発明に使用する金属箔は、特に制限はないが、錫(Sn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、アンチモン(Sb)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)及び銅(Cu)からなる群から選択される少なくとも2種以上の金属の合金、又は錫単体からなることが好ましい。
これらのうち、溶融温度及び機械的物性を考慮すると、金属箔は、Sn−Pbの合金、鉛フリー半田であるSn−Biの合金、Sn−Ag−Cuの合金、Sn−Inの合金、Sn−Agの合金などのSnを含む合金からなる半田箔がより好ましい。Sn−Pbの合金を用いる場合、錫の含有率は、30重量%以上100重量%未満が好ましく、35重量%以上100重量%未満がより好ましく、40重量%以上100重量%未満が特に好ましい。また、鉛フリー半田の場合の錫の含有率は、15重量%以上100重量%未満が好ましく、20重量%以上100重量%未満がより好ましく、25重量%以上100重量%未満が特に好ましい。例えば、Sn−Pbの合金としては、Sn63−Pb(融点183℃)
、鉛フリー半田としては、Sn−3.0Ag−0.5Cu(融点217℃)、Sn−3.5Ag(融点221℃)、Sn−58Bi(融点139℃)、Sn−9.0Zn(融点199℃)、Sn−3.5Ag−0.5Bi−3.0In(融点193℃)、Au−20Sn(融点280℃)、等が好ましく挙げられる。
、鉛フリー半田としては、Sn−3.0Ag−0.5Cu(融点217℃)、Sn−3.5Ag(融点221℃)、Sn−58Bi(融点139℃)、Sn−9.0Zn(融点199℃)、Sn−3.5Ag−0.5Bi−3.0In(融点193℃)、Au−20Sn(融点280℃)、等が好ましく挙げられる。
金属箔は、接続しようとする電子部材や半導体装置の耐熱性に応じて適宜選択すればよい。例えば、半導体装置における端子間接続においては、半導体装置の部材が熱履歴により損傷するのを防止するため、融点が330℃以下(より好ましくは300℃以下、特に好ましくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下)である金属箔を用いることが好ましい。また、端子間接続後の半導体装置の耐熱性を確保するためには、融点が100℃以上(より好ましくは110℃以上、特に好ましくは120℃以上)である金属箔を用いることが好ましい。なお、金属箔の融点は、示差走査熱量計(DSC)により測定することができる。
金属箔の厚みは、対向する端子間のギャップ、隣接する端子間の離隔距離などに応じて適宜選択することができる。例えば、半導体装置における半導体チップ、基板、半導体ウエハなどの各接続端子間の接続の場合、金属箔の厚みは、0.5μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が特に好ましく、また、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。金属箔の厚みが前記下限未満になると半田又は錫不足により未接続の端子が増加する傾向にあり、他方、前記上限を超えると半田又は錫余剰により隣接端子間でブリッジを起こし、ショートしやすくなる傾向にある。
金属箔の作製方法としては、例えば、インゴットなどの塊から圧延により作製する方法、硬化性樹脂組成物層へ直接蒸着、スパッタ、めっきなどにより金属箔層を形成する方法が挙げられる。また、繰り返しパターン状の金属箔の作製方法としては、例えば、金属箔を所定のパターンに打抜く方法、エッチングなどにより所定のパターンを形成する方法、また、遮蔽板やマスクなどを使用することにより蒸着、スパッタ、めっきなどで形成する方法が挙げられる。
金属箔の含有量は、導電接続材料の全重量に対して、5重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上が特に好ましい。また、100重量%未満が好ましく、80重量%以下がより好ましく、70重量%以下が特に好ましい。金属箔の含有量が上記下限未満になると半田又は錫不足により未接続の端子が増加する場合がある。他方、金属箔の含有量が上記上限を超えると半田又は錫余剰により隣接端子間でブリッジを起こしやすくなる。
あるいは、金属箔の含有量を導電接続材料に対する体積比率で定義してもよい。例えば、金属箔の含有量は、導電接続材料に対して1体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましく、10体積%以上が特に好ましい。また、90体積%以下が好ましく、80体積%以下がより好ましく、70体積%以下が特に好ましい。金属箔の含有量が上記下限未満になると半田又は錫不足により未接続の端子が増加する場合がある。他方、金属箔の含有量が上記上限を超えると半田又は錫余剰により隣接端子間でブリッジを起こしやすくなる。
本発明において導電接続材料の形態は、硬化性樹脂組成物の形態などに応じて適宜選択することができる。例えば、硬化性樹脂組成物が液状の場合は、金属箔の両面に硬化性樹脂組成物を塗布したもの、ポリエステルシート等の剥離基材上に硬化性樹脂組成物を塗布し、所定温度で半硬化(Bステージ化)等の目的で乾燥、製膜させた後に金属箔を張り合わせてフィルム状にしたもの等を導電接続材料として供することができる。硬化性樹脂組
成物が固形状の場合は、有機溶剤に溶解した硬化性樹脂組成物のワニスをポリエステルシート等の剥離基材上に塗布し、所定の温度で乾燥させた後に金属箔を張り合わせ、又は、蒸着などの手法を使いフィルム状に形成したものを導電接続材料として供することができる。
成物が固形状の場合は、有機溶剤に溶解した硬化性樹脂組成物のワニスをポリエステルシート等の剥離基材上に塗布し、所定の温度で乾燥させた後に金属箔を張り合わせ、又は、蒸着などの手法を使いフィルム状に形成したものを導電接続材料として供することができる。
また、本発明の導電接続材料及びこれに用いられる金属箔は、端子との接触を高めるためにエンボス加工を施したものを用いることもできる。
本発明の導電接続材料の厚みは、特に制限されないが、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が特に好ましく、また、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が特に好ましい。導電接続材料の厚みが前記範囲内にあると隣接する端子間の間隙に硬化性樹脂組成物を十分に充填することができる。また、樹脂成分の硬化後又は固化後の機械的接着強度及び対向する端子間の電気的接続を十分に確保することができる。また、目的や用途に応じた接続端子の製造も可能にすることができる。
次に、導電接続材料の製造方法について説明する。
本発明で用いる硬化性樹脂組成物が25℃で液状の場合、例えば、金属箔を液状の硬化性樹脂組成物に浸漬させ、金属箔の両面に液状の硬化性樹脂組成物を付着させて、本発明の導電接続材料を製造することができる。硬化性樹脂組成物の厚み制御が必要な場合は、液状の硬化性樹脂組成物に浸漬させた金属箔を一定の間隙を有するバーコーターを通過させる方法や液状の硬化性樹脂組成物をスプレーコーター等により吹き付ける方法により作製することができる。
本発明で用いる硬化性樹脂組成物が25℃で液状の場合、例えば、金属箔を液状の硬化性樹脂組成物に浸漬させ、金属箔の両面に液状の硬化性樹脂組成物を付着させて、本発明の導電接続材料を製造することができる。硬化性樹脂組成物の厚み制御が必要な場合は、液状の硬化性樹脂組成物に浸漬させた金属箔を一定の間隙を有するバーコーターを通過させる方法や液状の硬化性樹脂組成物をスプレーコーター等により吹き付ける方法により作製することができる。
また、本発明で用いる硬化性樹脂組成物が25℃でフィルム状の場合は、例えば、次のようにして導電接続材料を製造することができる。まず、有機溶剤に溶解した硬化性樹脂組成物のワニスをポリエステルシート等の剥離基材上に塗布し、所定の温度で乾燥させ製膜させてフィルム状の硬化性樹脂組成物を作製する。次に、剥離基材上に製膜させた硬化性樹脂組成物を2枚準備し金属箔を挟んで熱ロールでラミネートすることで、金属箔の上下に硬化性樹脂組成物を配置した時、硬化性樹脂組成物/金属箔/硬化性樹脂組成物からなる3層の導電接続材料を作製することができる。また、上述のラミネート方式により、金属箔の片面に硬化性樹脂組成物を配置することで硬化性樹脂組成物/金属箔からなる2層の導電接続材料を作製することができる。
また、巻重状の金属箔を使用する場合は、金属箔をベース基材として、金属箔の上下又は片側に前記フィルム状の硬化性樹脂組成物を熱ロールでラミネートすることで、巻重状の導電接続材料を得ることもできる。さらに、巻重状の金属箔を使用する場合、金属箔の上下又は片側に、ワニス状の硬化性樹脂組成物を直接塗布し、溶剤を揮散させることにより巻重状の導電接続材料を作製することができる。
パターン状の金属箔を使用して導電接続材料を作製する場合、剥離基材上に金属箔を配置し、金属箔側から金型で金属箔をハーフカットし、余分な金属箔を除去することによりパターン状の金属箔を作製し、前記フィルム状の硬化性樹脂組成物を熱ロールでラミネートすればよい。パターン状の金属箔の両面に硬化性樹脂組成物を設ける場合は、前記剥離基材を剥がし、硬化性樹脂組成物が形成された面とは反対側のパターン状の金属箔の面に、フィルム状の硬化性樹脂組成物をさらにラミネートすればよい。
なお、導電接続材料の製造方法は上記方法に制限されない。導電接続材料の製造方法は、目的や用途に応じて当業者が適宜選択することができる。
なお、導電接続材料の製造方法は上記方法に制限されない。導電接続材料の製造方法は、目的や用途に応じて当業者が適宜選択することができる。
1 電子部品
7 加圧流体
8 加圧オーブン
9 加圧流体の導入口
10 支持体
11 第一の端子
20 被着体
21 第二の端子
30 導電接続材料
70 バンプ
71 補強層
80 封止層
81 接続部
110 金属箔
120 硬化性樹脂組成物
130 導電性領域
140 絶縁性領域
150 金属箔層
160 硬化性樹脂組成物層
7 加圧流体
8 加圧オーブン
9 加圧流体の導入口
10 支持体
11 第一の端子
20 被着体
21 第二の端子
30 導電接続材料
70 バンプ
71 補強層
80 封止層
81 接続部
110 金属箔
120 硬化性樹脂組成物
130 導電性領域
140 絶縁性領域
150 金属箔層
160 硬化性樹脂組成物層
Claims (11)
- 支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、
接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、
前記金属箔の融点以上であり、且つ前記硬化性樹脂組成物の硬化が完了しない温度で前記導電接続材料を加熱する加熱工程と、
加圧流体により加圧しながら、前記硬化性樹脂組成物を硬化させる加圧硬化工程と、
を順に行うことを特徴とする電子部品の製造方法。 - 支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子とを、半田又は錫を用いて接合して、該支持体と該被着体とを電気的に接続する電子部品の製造方法であって、
接合される該第一の端子と該第二の端子との間に、硬化性樹脂組成物と、半田箔又は錫箔から選ばれる金属箔とから構成される積層構造を有する導電接続材料を配置する配置工程と、
加圧流体により加圧しながら、前記導電接続材料の加熱と、前記硬化性樹脂組成物の硬化を同時に行う加熱兼加圧硬化工程と、
を順に行うことを特徴とする電子部品の製造方法。 - 前記加圧流体がガスである、請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法。
- 前記加圧流体が空気又は窒素であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 処理対象物を圧力容器内に設置し、該圧力容器内を前記加圧流体により加圧しながら、該処理対象物を加熱することにより、前記加圧硬化工程又は前記加熱兼加圧硬化工程を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 前記加圧硬化工程又は前記加熱兼加圧硬化工程において、前記加圧流体の加圧力が、0.1〜10MPaであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 前記硬化性樹脂組成物が、フラックス機能を有する化合物を含むものである請求項1〜6いずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 前記フラックス機能を有する化合物が、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を有する請求項7に記載の電子部品の製造方法。
- 前記導電接続材料が、硬化性樹脂組成物層/金属箔層/硬化性樹脂組成物層からなる積層構造を含む、請求項1〜8いずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 前記導電接続材料が、硬化性樹脂組成物層/金属箔層からなる積層構造を含む、請求項1〜8いずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法により製造されることを特徴とする電子部品。
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