JP5315671B2 - 隠蔽層を有する包装袋 - Google Patents

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本発明は、隠蔽層を有する包装袋と該包装袋に使用される包装材料に関するものであり、特には、レーザによって設けられた印字情報を隠すための隠蔽層を有する包装袋と該包装袋に使用される包装材料に関する。
従来、菓子、冷凍食品、アイス等の食料品、電池、洗剤等多くの商品で販売促進のためのキャンペーンが行われている。このキャンペーンの媒体の一つとして中身を包装する袋等の包装体が用いられる。
そして、あらかじめ包装材料に、あたり、はずれ等に相当する文字、記号や絵柄等の情報を隠蔽層により隠蔽しておき、表側からは視認不可能だが裏側からは視認可能となるようにした包装材料が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
上記先行技術文献を示す。
実開昭61−146236号公報。
しかしこれらの技術では、印字等の情報を隠蔽するために、印字の上の部分のみに隠蔽層を設けており、また、隠蔽層は印字等の情報が透けないように黒色が使用されている。印字の上の部分のみに隠蔽層が設けられているので、横から情報が見えやすく、また、黒色なのでほかの表面の商品情報等の印刷に比較すると目立つとともに、デザイン的にもマイナスになるという問題がある。
また、あらかじめ印字した包装材料を使用するため、内容物充填の直前に印字することはできない。
さらに、隠蔽すべき文字・記号等の印字情報も、グラビア印刷、オフセット印刷等の通常の一般的な印刷方式を採用している。この印刷方式では同じ番号のような同一情報を大量に印字することはできるが、例えば、一つ一つの番号が異なるユニークナンバーのような情報を印字することはできない。
本発明は、隠蔽層を有する包装袋と該包装袋に使用される包装材料に関する以上のような問題に鑑みてなされたもので、ユニークナンバー、二次元バーコード等の印字情報をレーザにより形成させると共に、印字情報を隠蔽層で隠蔽することにより、外側からは視認不可能で、また、包装材料作製後で、内容物充填の直前に印字可能な、隠蔽層を有する包装袋と該包装袋に使用する包装材料を提供することを課題とする。
本発明の請求項1の発明は、少なくとも基材フィルム、隠蔽層、レーザ印字インキ層、シーラント層が順次設けられた包装材料からなり、前記レーザ印字インキ層には、シーラント層側からレーザにより印字情報が印字され、前記シーラント層が互いに向き合うよう
に重ね合わせてシールされている隠蔽層を有する包装袋であって、
前記レーザ印字インキ層の下側に文字・絵柄層が設けられていることを特徴とする隠蔽層を有する包装袋である。
このように請求項1記載の発明によれば、少なくとも基材フィルム、隠蔽層、レーザ印字インキ層、シーラント層が順次設けられた包装材料からなり、前記レーザ印字インキ層
に、シーラント層側からレーザにより、印字情報が印字され、前記シーラント層が互いに向き合うように重ね合わせてシールされているので、例えば、ユニークナンバー等の印字情報を包装材料の内部に直接表示させることができる。
また、シーラント層を積層した後の、例えば、内容物を包装袋に充填する直前に印字することが可能になるため、製品の増減にすぐに対応でき、従って、必要数量だけの出荷が可能で製品ロスが少なくなる。
また、基材フィルムとレーザ印字インキ層の間には隠蔽層が設けられているので、レーザ印字インキ層にレーザによって印字された文字や記号による印字情報は基材フィルム側からは視認することはできない。
さらに、レーザ印字インキ層の下側に文字・絵柄層が設けられているので、例えば、ユニークナンバー等の印字情報を外側からより確実に視認できなくすることができる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記隠蔽層とレーザ印字インキ層の間に白色下地層が設けられていることを特徴とする隠蔽層を有する包装袋である。
このように請求項2記載の発明によれば、隠蔽層とレーザ印字インキ層の間に白色下地層が設けられているので、レーザ印字インキ層にレーザによって印字された文字や記号による印字情報は、シーラント層側からより鮮明に視認することができる。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記白色下地層が基材フィルムの全面に設けられていることを特徴とする隠蔽層を有する包装袋である。
このように請求項3記載の発明によれば、白色下地層が基材フィルムの全面に設けられているので、どのような形状の包装形態にしても表側から印字情報を含めたレーザ印字インキ層が認識されることがない。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の発明において、前記基材フィルムの裏面(内面)又は表面(外面)には、文字・絵柄層が設けられていることを特徴とする隠蔽層を有する包装袋である。
このように請求項4記載の発明によれば、基材フィルムの裏面又は表面には、文字・絵柄層が設けられているので、必要に応じて包装袋に、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示等を行うことが出来る。
このように隠蔽層を設けた包装材料を用いて作製した種々の形態からなる本発明の隠蔽層を有する包装袋は、冷凍食品、アイス、その他の食品、あるいは一般雑貨等の包装袋として使用でき、ユニークナンバー等の識別文字からなる印字情報を外側から透かして見ることができず、包装袋を開封することにより初めてユニークナンバー等の印字情報を認識
することができる。
また、印字情報がQRコード等の二次元バーコードの場合、携帯電話等に読み取ることにより、容易に懸賞に応募することができ、不正して応募することを防止し、例えば、「あたり」、「はずれ」等の結果を瞬時に知ることができる。
隠蔽層を基材フィルムの全域に設けることでどのような袋形態にしても表面側から印字層を認識することはない。さらに、隠蔽層の上に白色下地層を設けることで、表側から隠蔽層が見えないため美粧性に優れる。
充填直前に印字ができるため、必要数量だけの出荷が可能となり製品ロスが少なくなる。追加情報を印字することもできるし、抹消することも可能となる。特定の販売エリア、店舗のみで販売する商品だけに印字することも可能になる。また、一度レーザ印字したものをつぶすことも、また、別の文字にすることも自在にできる。
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明の隠蔽層を有する包装袋に使用する包装材料(10)は、例えば、図1に示すように、少なくとも基材フィルム(11)、隠蔽層(12)、レーザ印字インキ層(13)、シーラント層(14)が順次設けられた構成からなるもので、シーラント層側からレーザにより、レーザ印字インキ層に文字、記号等による印字情報(15)を印字したものであり、さらに、例えば、図3に示すように、レーザ印字インキ層(13)の下側に文字・絵柄層(18)を設ける構成としたものである。そして、必要に応じて、基材フィルム(11)の裏面又は表面に、文字・絵柄層(17)を設けた構成とすることができる。
また、例えば、図2に示すように、隠蔽層(12)とレーザ印字インキ層(13)の間に白色下地層(16)を設けた構成とすることもできる
基材フィルム(11)としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネイト系樹脂、フッ素系樹脂、ビニロン、セロファン等の合成樹脂を主体とする各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
なお、一軸ないし二軸延伸されたポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムなどの延伸フィルム上に、酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの無機化合物の薄膜を物理蒸着あるいは化学蒸着などの蒸着法により20〜100nmの厚さに設けた無機化合物蒸着プラスチックフィルムやアルミニウム箔を使用した構成でレーザ照射を行うと、レーザ光の一部が蒸着層まで到達し、蒸着層が吹き飛ばされ本来のバリア性が低下する懸念があり、無機化合物蒸着プラスチックフィルムやアルミニウム箔は使用することができない。
また、必要に応じて、例えば、バリア性、耐寒性、耐熱性、耐ピンホール性、耐突き刺し性等を付与する目的で、基材フィルム(11)の内側に中間層(図示せず)を設けることができる。中間層は、基材フィルムとして記述した樹脂の中より任意に選択することができる。
隠蔽層(12)は、後記するレーザ印字インキ層(13)に印字されたユニークナンバー等の印字情報(15)を表側から視認することができなければ制限されず、例えば、通常のインキ組成物を使用してグラビア印刷、オフセット印刷、または、フレキソ印刷等の通常の印刷方法等により形成させることができ、黒色が有効である。隠蔽層(12)の絵柄は、格子模様、幾何学模様、全面ベタ等任意である。
そして隠蔽性を向上させるために黒色インキを重ね刷りしても良い。
印刷インキに用いる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、鉄黒等の無機顔料が使用でき、また、バインダーとしては、例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等を、これら樹脂の単体または混合物として用いることができる。
レーザ印字インキ層(13)は、外側からは視認させたくない、例えば、ユニークナンバー等の印字情報(15)を印字する層で、印字情報(15)は後記するシーラント層(14)側からレーザ光照射により形成される。
レーザ印字インキ層(13)は、隠蔽層(12)を形成させた基材フィルム(11)の隠蔽層面にレーザマーキング剤(例えば、Elbima Z117(東洋インキ製造株式会社製))を版深30μm、線数175L/inch程度のグラビア版を用いてグラビア印刷法により印刷して形成させることができる。
シーラント層(14)としては、熱により溶融し互いに熱融着し得るものであれば良く、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することができる。また、厚さとしては15〜70μm程度が好ましい。
白色下地層(16)は、隠蔽層(12)の上に形成され、レーザ照射によりレーザ印字インキ層(13)に形成させた印字情報(15)を際だたせて見せると共に、隠蔽層(12)の黒色を隠す(薄くする)ために設ける層で、隠蔽層を覆う程度に設けても良いが、基材フィルム(11)の全面に設けることにより、包装材料を包装袋に仕上げた際に、シール部分から印字情報(15)を含めたレーザ印字インキ層(13)を視認できなくする役割も担う。
白色下地層(16)は、例えば、通常のインキ組成物を使用してオフセット印刷あるいはグラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷、その他の通常の印刷方法により形成させることができ、白色が特に有効である。
文字・絵柄層(17)は、必要に応じて、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他の表示のために設ける、文字、絵柄、記号、図形等の任意の柄の印刷層で、基材フィルム(11)の裏面又は表面に設けるものである。
文字・絵柄層(17)を基材フィルム(11)の裏面に設ける場合には、文字・絵柄層の上に基材フィルム層が形成され、印刷層が保護されるので、衛生性に優れ、また、擦れ等によるインキ剥がれがないという利点を有する。また、通常は基材フィルムに部分的に
設けることが多いが、基材フィルムの全面に設けることもできる。
文字・絵柄層(17)は、例えば、通常のインキ組成物を使用してオフセット印刷あるいはグラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷、その他の通常の印刷方法により形成させることができる。
レーザ印字インキ層(13)の下側(内側)に設ける文字・絵柄層(18)は、外側か
ら視認させたくないユニークナンバー等の印字情報(15)をさらに確実に外側から見えないようにするためのもので、文字・絵柄層(17)と同等に、例えば、通常のインキ組成物を使用してオフセット印刷あるいはグラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷、その他の通常の印刷方法により形成させることができる。
こうして作製した文字・絵柄層(17)、隠蔽層(12)、白色下地層(16)、レーザ印字インキ層(13)等を形成させた基材フィルム(11)をシーラント層(14)と貼り合わせ、本発明の隠蔽層を有する包装袋用の包装材料(10)とするには、一般的に公知の貼り合わせ方法を用いて貼り合わせれば良い。
例えば、基材フィルム(11)の印刷層形成面とシーラント層(14)面を対向させ、ラミネート用接着剤を介して基材フィルム(11)とシーラント層(14)を積層するドライラミネート法、あるいは、基材フィルム(11)の印刷層形成面に、溶融押し出し接着性樹脂によるシーラント層(14)となる溶融押し出し樹脂層を積層する押し出しラミネート法等で貼り合わせることができる。
なお、上述の貼りあわせを行う場合、必要であれば、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理、その他の前処理を施して貼り合わせを行うことができる。
貼りあわせた包装材料(10)は、その内側となるシーラント層(14)面が互いに向き合うように対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、さらにその外周の周辺縁部を、例えば、側面シール、二方シール、三方シール、四方シール、封筒貼りシール、合掌貼りシール、平底シール、角底シール、その他のヒートシール形態によりヒートシールして本発明にかかる種々の隠蔽層を有する包装袋を作製することができる。例えば、図示したピロー状三方シール袋のほかに、三方シール袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ、口栓付きパウチ等である(図4参照)。
つぎに、包装材料のあるいは包装袋のシーラント層(14)側からレーザによりレーザ印字インキ層(13)に印字情報(15)を印字する場合のレーザ光源としては、レーザ印字インキ層(13)をElbima Z117(東洋インキ製造株式会社製)を用いて形成させた場合、例えばYVO4が好ましく使用でき、YVO4を光源とするレーザマーカとしては、例えば、MDV−9600(キーエンス株式会社製)が好ましく使用できる。
このようにして作製した本発明の文字・絵柄の隠蔽機能を有する包装材料を用いて作製した種々の形態からなる包装袋は、冷凍食品、アイス、その他の食品、あるいは一般雑貨等の包装袋として使用でき、消費者は、ユニークナンバー等の識別文字からなる印字情報を外側から透かして見ることはできず、包装袋を開封することにより初めてユニークナンバー等の印字情報を認識することができる。
また、印字情報がQRコード等の二次元バーコードの場合、携帯電話等に読み取ることにより容易に懸賞に応募することができ、不正して応募することを防止し、例えば「あたり」、「はずれ」等の結果を瞬時に知ることができる。
本発明の隠蔽層を有する包装袋に使用する包装材料の一参考例を示す断面説明図。である。 本発明の隠蔽層を有する包装袋に使用する包装材料の別の参考例を示す断面説明図である。 本発明の隠蔽層を有する包装袋に使用する包装材料の実施例を示す断面説明図である。 本発明の隠蔽層を有する包装袋の一参考例を示す断面説明図である。
符号の説明
1‥‥包装袋
10‥‥包装材料
11‥‥基材フィルム
12‥‥隠蔽層
13‥‥レーザ印字インキ層
14‥‥シーラント層
15‥‥印字情報
16‥‥白色下地層
17‥‥文字・絵柄層
18‥‥文字・絵柄層

Claims (4)

  1. 少なくとも基材フィルム、隠蔽層、レーザ印字インキ層、シーラント層が順次設けられた包装材料からなり、前記レーザ印字インキ層には、シーラント層側からレーザにより印字情報が印字され、前記シーラント層が互いに向き合うように重ね合わせてシールされている隠蔽層を有する包装袋であって、
    前記レーザ印字インキ層の下側に文字・絵柄層が設けられていることを特徴とする隠蔽層を有する包装袋。
  2. 前記隠蔽層とレーザ印字インキ層の間に白色下地層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の隠蔽層を有する包装袋。
  3. 前記白色下地層が基材フィルムの全面に設けられていることを特徴とする請求項2記載の隠蔽層を有する包装袋。
  4. 前記基材フィルムの裏面又は表面には、文字・絵柄層が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の隠蔽層を有する包装袋。
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