JP5314769B2 - 熱源ユニット消費電力按分システム - Google Patents

熱源ユニット消費電力按分システム Download PDF

Info

Publication number
JP5314769B2
JP5314769B2 JP2011547112A JP2011547112A JP5314769B2 JP 5314769 B2 JP5314769 B2 JP 5314769B2 JP 2011547112 A JP2011547112 A JP 2011547112A JP 2011547112 A JP2011547112 A JP 2011547112A JP 5314769 B2 JP5314769 B2 JP 5314769B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
heat source
usage
refrigerant
source side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011547112A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011080803A1 (ja
Inventor
雅裕 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Europe NV
Original Assignee
Daikin Europe NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Europe NV filed Critical Daikin Europe NV
Publication of JPWO2011080803A1 publication Critical patent/JPWO2011080803A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5314769B2 publication Critical patent/JP5314769B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F3/00Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems
    • F24F3/06Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems characterised by the arrangements for the supply of heat-exchange fluid for the subsequent treatment of primary air in the room units
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F11/00Control or safety arrangements
    • F24F11/30Control or safety arrangements for purposes related to the operation of the system, e.g. for safety or monitoring
    • F24F11/46Improving electric energy efficiency or saving
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B13/00Compression machines, plants or systems, with reversible cycle
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2313/00Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for
    • F25B2313/007Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for three pipes connecting the outdoor side to the indoor side with multiple indoor units
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2313/00Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for
    • F25B2313/023Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for using multiple indoor units
    • F25B2313/0231Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for using multiple indoor units with simultaneous cooling and heating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本発明は、熱源ユニット消費電力按分システム、特に、熱源ユニットに複数の利用ユニットを接続して構成されており冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能なヒートポンプシステムにおける熱源ユニット消費電力按分システムに関する。
従来より、特許文献1(特開2006−343052号公報)に示す空気調和装置がある。この空気調和装置(ヒートポンプシステム)は、圧縮機と、室外熱交換器(熱源側熱交換器)とを有する室外機(熱源ユニット)に、室内熱交換器(利用側熱交換器)を有する複数の室内機(利用ユニット)を接続して構成されている。このヒートポンプシステムは、各利用ユニットを冷却運転(冷却運転)又は加熱運転(加熱運転)に設定して、冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能である。
上記従来のヒートポンプシステムを集合住宅やビル等に設置する場合には、利用ユニットを使用するユーザーが同一でない。このため、複数の利用ユニットに共通に設けられている熱源ユニットの消費電力を、ユーザー間において共同で負担する必要がある。しかし、ユーザーによって利用ユニットの能力、使用頻度又は設定温度等が異なるため、熱源ユニットの消費電力を各ユーザーが公平に負担するためには、専用の熱源ユニット消費電力按分システムが必要となる。
このような熱源ユニット消費電力按分システムとして、各利用ユニットの運転データ等から各利用ユニットにおける冷却運転又は加熱運転の使用熱量を演算して、熱源ユニットの消費電力を各利用ユニットの使用熱量に応じて按分する手法が考えられる。
しかし、冷却運転を行っている利用ユニットと加熱運転を行っている利用ユニットとが混在した運転状態になると、冷却運転を行っている利用ユニットと加熱運転を行っている利用ユニットとの間で排熱回収の影響が生じる。このため、熱源ユニット消費電力按分システムについても、このような排熱回収の影響を考慮することが必要であり、そうしなければ、熱源ユニットの消費電力を適正に按分することが困難である。
本発明の課題は、熱源ユニットに複数の利用ユニットを接続して構成されており冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能なヒートポンプシステムにおいて、熱源ユニットの消費電力を適正に按分できるようにすることにある。
本発明の第1観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムは、熱源ユニットに複数の利用ユニットが接続されることによって構成されており、冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能なヒートポンプシステムに適用される。そして、熱源ユニット消費電力按分システムは、使用熱量演算部と、補正熱量演算部と、電力按分部とを有している。使用熱量演算部は、各利用ユニットにおける冷却運転又は加熱運転の使用熱量である利用側使用熱量を演算する。補正熱量演算部は、利用側使用熱量に対して、各利用ユニットが冷却運転又は加熱運転だけを行ったものと想定した場合の性能期待値に基づく補正を行う。電力按分部は、補正後の利用側使用熱量に応じて、熱源ユニットの消費電力を按分する。
例えば、冷却運転と加熱運転とが同時に行われている条件での運転性能よりも加熱運転だけが行われている条件での運転性能のほうが高い場合には、加熱運転を行っている利用ユニットは、冷却運転と同時運転を行っていることによって不利益を受けていることになる。また、冷却運転と加熱運転とが同時に行われている条件での運転性能よりも冷却運転だけが行われている条件での運転性能のほうが高い場合には、冷却運転を行っている利用ユニットは、加熱運転と同時運転を行っていることによって不利益を受けていることになる。このように、冷却運転と加熱運転とが同時に行われることによって、各利用ユニットが利益又は不利益を受けていることになる。
そこで、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、上記のように、利用側使用熱量に対して、各利用ユニットが冷却運転又は加熱運転だけを行ったものと想定した場合の性能期待値に基づく補正を行うようにしている。そして、補正後の利用側使用熱量に応じて、熱源ユニットの消費電力を按分するようにしている。このため、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、冷却運転と加熱運転とが同時に行われている条件であっても、冷却運転と加熱運転とが同時に行われることによって生じる各利用ユニットの利益又は不利益が考慮されることになる。
これにより、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、冷却運転と加熱運転とが同時に行われている条件であっても、熱源ユニットの消費電力を適正に按分することができる。
本発明の第2観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムは、第1観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムにおいて、性能期待値は、外気温度に応じて変化する値である。
ヒートポンプシステムの運転性能は、外気温度によって大きく変化するものである。
そこで、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、上記のように、利用側使用熱量の補正に使用する性能期待値として、外気温度に応じて変化する値を使用している。
これにより、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、外気温度を考慮して、熱源ユニットの消費電力を正確に按分することができる。
本発明の第3観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムは、第1又は第2観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムにおいて、性能期待値は、成績係数の期待値である。そして、利用側使用熱量の補正は、成績係数の期待値に基づいて得られる補正係数を乗算することによって行われる。
この熱源ユニット消費電力按分システムでは、ヒートポンプシステムの運転性能を示す値として信頼性の高い成績係数の期待値を性能期待値として使用しているため、熱源ユニットの消費電力を正確に按分することができる。
本発明の第4観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムは、第1〜第3観点のいずれかにかかる熱源ユニット消費電力按分システムにおいて、補正熱量演算部は、複数の利用ユニットのうち特定の2つ以上の利用ユニットで冷却運転及び加熱運転が同時に行われている場合に、以下のように、特定の2つ以上の利用ユニット全体における利用側使用熱量を演算する。まず、利用側使用熱量に対して性能期待値に基づく補正を行った後に、特定の2つ以上の利用ユニットにおける冷却運転の利用側使用熱量と加熱運転の利用側使用熱量とを値の大きいものから順に比較する。そして、この比較によって得られた冷却運転の利用側使用熱量及び加熱運転の利用側使用熱量のいずれか大きいほうを加算することによって、特定の2つ以上の利用ユニット全体における利用側使用熱量とする。
例えば、2つ以上の利用ユニットのユーザーが同一である場合には、これらの利用ユニットの利用側使用熱量を加算して、これらの利用ユニット全体の利用側使用熱量を演算し、この加算された利用側使用熱量に応じて、熱源ユニットの消費電力を按分することになる。
しかし、これらの利用ユニットで冷却運転及び加熱運転が同時に行われている場合には、同一のユーザー内で排熱回収の効果が生じることになる。このため、冷却運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量と加熱運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量とを上記のように単純に加算してしまうと、同一ユーザー内での排熱回収の効果が考慮されることなく、熱源ユニットの消費電力を按分することになる。
そこで、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、上記のように、特定の2つ以上の利用ユニットにおける冷却運転の利用側使用熱量と加熱運転の利用側使用熱量とを値の大きいものから順に比較している。このため、特定の2つ以上の利用ユニットにおける冷却運転の利用側使用熱量と加熱運転の利用側使用熱量とを値の大きいものから順に排熱回収を行っている組み合わせと見なすことになる。そして、この比較によって得られた冷却運転の利用側使用熱量及び加熱運転の利用側使用熱量のいずれか大きいほうを加算することによって、特定の2つ以上の利用ユニット全体における利用側使用熱量を演算している。このため、排熱回収を行っている2つの利用ユニットのうち利用側使用熱量の大きいほうだけを選択して加算することになり、特定の2つ以上の利用ユニット全体における利用側使用熱量を排熱回収の効果を考慮した値として得ることができる。
これにより、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、特定の2つ以上の利用ユニットにおける排熱回収の効果を考慮して、熱源ユニットの消費電力を按分することができる。
本発明の第5観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムは、第1〜第3観点のいずれかにかかる熱源ユニット消費電力按分システムにおいて、複数の利用ユニットが1つの利用ユニット内で冷却運転及び加熱運転が同時に運転可能な利用ユニットを含んでいる。そして、補正熱量演算部は、この1つの利用ユニット内で冷却運転及び加熱運転が同時に行われている場合に、以下のように、1つの利用ユニット内で冷却運転及び加熱運転が同時に運転可能な利用ユニットにおける利用側使用熱量を演算する。まず、利用側使用熱量に対して性能期待値に基づく補正を行った後に、1つの利用ユニット内で冷却運転及び加熱運転が同時に運転可能な利用ユニットにおける冷却運転の利用側使用熱量と加熱運転の利用側使用熱量とを比較する。そして、この比較によって得られた冷却運転の利用側使用熱量及び加熱運転の利用側使用熱量のいずれか大きいほうを、1つの利用ユニット内で冷却運転及び加熱運転が同時に運転可能な利用ユニットにおける利用側使用熱量とする。
例えば、1つの利用ユニット内で冷却運転及び加熱運転が同時に運転可能な利用ユニットが採用される場合を想定する。この場合には、この利用ユニットの冷却運転の利用側使用熱量と加熱運転の利用側使用熱量を加算して、この利用ユニットの利用側使用熱量を演算し、この加算された利用側使用熱量に応じて、熱源ユニットの消費電力を按分することが考えられる。
しかし、この利用ユニットで冷却運転及び加熱運転が同時に行われている場合には、この利用ユニット内で排熱回収の効果が生じることになる。このため、上記のように、冷却運転の利用側使用熱量と加熱運転の利用側使用熱量とを上記のように単純に加算してしまうと、この利用ユニット内での排熱回収の効果が考慮されることなく、熱源ユニットの消費電力を按分することになる。
そこで、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、上記のように、冷却運転の利用側使用熱量と加熱運転の利用側使用熱量とを比較して、いずれか大きいほうを利用側使用熱量としている。このため、この利用ユニットにおける利用側使用熱量を排熱回収の効果を考慮した値として得ることができる。
これにより、この熱源ユニット消費電力按分システムでは、冷却運転及び加熱運転が同時に運転可能な利用ユニット内における排熱回収の効果を考慮して、熱源ユニットの消費電力を按分することができる。
本発明の第6観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムは、第5観点にかかる熱源ユニット消費電力按分システムにおいて、熱源ユニットは、熱源側冷媒を圧縮する熱源側圧縮機と熱源側熱交換器とを有している。1つの利用ユニット内で冷却運転及び加熱運転が同時に運転可能な利用ユニットは、利用側圧縮機と、冷媒−水熱交換器と、第1利用側熱交換器と、第2利用側熱交換器とを有している。利用側圧縮機は、利用側冷媒を圧縮する圧縮機である。冷媒−水熱交換器は、利用側冷媒の放熱器として機能して水媒体を加熱することが可能な熱交換器である。第1利用側熱交換器は、熱源側冷媒の放熱によって利用側冷媒の蒸発器として機能することが可能な熱交換器である。第2利用側熱交換器は、熱源側冷媒の蒸発によって水媒体を冷却することが可能な熱交換器である。そして、熱源側圧縮機と熱源側熱交換器と第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器とを接続することによって熱源側冷媒回路が構成されている。また、利用側圧縮機と冷媒−水熱交換器と第1利用側熱交換器とを接続することによって利用側冷媒回路が構成されている。そして、冷却運転は、第2利用側熱交換器における熱源側冷媒の蒸発によって行われる。また、加熱運転は、第1利用側熱交換器における熱源側冷媒の放熱、及び、利用側冷媒回路の運転によって行われる。
本発明の第1実施形態にかかる熱源ユニット消費電力按分システムが適用されたヒートポンプシステムの概略構成図である。 本発明にかかる第1実施形態の熱源ユニット消費電力按分システムのシステム構成図である。 冷却運転又は加熱運転だけを行ったものと想定した場合の成績係数の期待値を示す図である。 すべての利用ユニットが冷却運転を行っている場合の熱源側冷媒回路のサイクル線図である。 すべての利用ユニットが加熱運転を行っている場合の熱源側冷媒回路のサイクル線図である。 冷却運転を行っている利用ユニットと加熱運転を行っている利用ユニットとが混在している場合の熱源側冷媒回路のサイクル線図である。 加熱運転を行っている利用ユニットが単独で加熱運転だけを行ったものと想定した場合の熱源側冷媒回路のサイクル線図である。 冷却運転を行っている利用ユニットが単独で冷却運転だけを行ったものと想定した場合の熱源側冷媒回路のサイクル線図である。 本発明の第2実施形態にかかる熱源ユニット消費電力按分システムが適用されたヒートポンプシステムの概略構成図である。 本発明の第2実施形態にかかる熱源ユニット消費電力按分システムのシステム構成図である。 1つの利用ユニット内で冷却運転及び加熱運転を同時に行っている利用ユニットと冷却運転を行っている利用ユニットとが混在している場合の熱源側冷媒回路のサイクル線図である。 加熱運転を行っている利用ユニットが単独で加熱運転だけを行ったものと想定した場合の熱源側冷媒回路のサイクル線図である。 冷却運転を行っている利用ユニットが単独で冷却運転だけを行ったものと想定した場合の熱源側冷媒回路のサイクル線図である。
以下、本発明にかかる熱源ユニット消費電力按分システムが適用されたヒートポンプシステムの実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)第1実施形態
<ヒートポンプシステムの構成>
−全体−
図1は、本発明の第1実施形態にかかる熱源ユニット消費電力按分システムが適用されたヒートポンプシステム1の概略構成図である。ヒートポンプシステム1は、蒸気圧縮式のヒートポンプサイクルを利用して冷房運転(冷却運転)や暖房運転(加熱運転)を行うことが可能な装置である。
ヒートポンプシステム1は、主として、熱源ユニット2と、複数(図1では、3つ)の利用ユニット8a、8b、8cと、吐出冷媒連絡管12と、液冷媒連絡管13と、吸入冷媒連絡管14と、接続ユニット9a、9b、9cとを有している。そして、熱源ユニット2と利用ユニット8a、8b、8cとは、冷媒連絡管12、13、14及び接続ユニット9a、9b、9cを介して接続されることによって、熱源側冷媒回路20を構成している。熱源側冷媒回路20には、HFC系冷媒の一種であるHFC−410Aが熱源側冷媒として封入されている。
−熱源ユニット−
熱源ユニット2は、屋外(例えば、集合住宅やビルの屋上等)に設置されている。熱源ユニット2は、冷媒連絡管12、13、14及び接続ユニット9a、9b、9cを介して利用ユニット8a、8b、8cに接続されており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。
熱源ユニット2は、主として、熱源側圧縮機21と、油分離機構22と、熱源側切換機構23と、熱源側熱交換器26と、熱源側膨張弁28と、吸入戻し管29と、過冷却器31と、熱源側アキュムレータ32と、液側閉鎖弁33と、吸入側閉鎖弁34と、吐出側閉鎖弁35とを有している。
熱源側圧縮機21は、熱源側冷媒を圧縮する機構である。ここでは、熱源側圧縮機21として、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された熱源側圧縮機モータ21aによって駆動される密閉式圧縮機が採用されている。熱源側圧縮機モータ21aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、熱源側圧縮機21の容量制御が可能になっている。
油分離機構22は、熱源側圧縮機21から吐出された熱源側冷媒中に含まれる冷凍機油を分離して熱源側圧縮機21の吸入に戻すための機構である。油分離機構22は、主として、熱源側圧縮機21の熱源側吐出管21bに設けられた油分離器22aと、油分離器22aと熱源側圧縮機21の熱源側吸入管21cとを接続する油戻し管22bとを有している。油分離器22aは、熱源側圧縮機21から吐出された熱源側冷媒中に含まれる冷凍機油を分離する機器である。油戻し管22bは、キャピラリチューブを有しており、油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油を熱源側圧縮機21の熱源側吸入管21cに戻す冷媒管である。
熱源側切換機構23は、熱源側熱交換器26を熱源側冷媒の放熱器として機能させる熱源側放熱運転状態と熱源側熱交換器26を熱源側冷媒の蒸発器として機能させる熱源側蒸発運転状態とを切り換え可能な三方切換弁である。熱源側切換機構23は、熱源側吐出管21bと、熱源側吸入管21cと、熱源側熱交換器26のガス側に接続された熱源側ガス冷媒管24とに接続されている。熱源側切換機構23は、熱源側吐出管21bと熱源側ガス冷媒管24とを連通させる切り換え(熱源側放熱運転状態に対応、図1の熱源側切換機構23の実線を参照)を行うことが可能である。また、熱源側切換機構23は、熱源側ガス冷媒管24と熱源側吸入管21cとを連通させる切り換え(熱源側蒸発運転状態に対応、図1の熱源側切換機構23の破線を参照)を行うことが可能である。尚、熱源側切換機構23は、三方切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせて使用したり、四路切換弁を代用する等によって、上記と同様の熱源側冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。また、熱源側吐出管21bには、熱源側吐出分岐管21dが接続されている。熱源側吐出分岐管21dは、熱源側切換機構23の切り換え動作に関係なく、熱源側圧縮機21の吐出から熱源側冷媒を熱源ユニット2外(より具体的には、吐出冷媒連絡管12)に導出するための冷媒管である。
熱源側熱交換器26は、熱源側冷媒と室外空気との熱交換を行うことで熱源側冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する熱交換器であり、その液側に熱源側液冷媒管27が接続されており、そのガス側に熱源側ガス冷媒管24が接続されている。熱源側液冷媒管27は、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器26の出口から熱源側冷媒を熱源ユニット2外(より具体的には、液冷媒連絡管13)に導出するための冷媒管である。また、熱源側液冷媒管27は、熱源ユニット2外から熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器26の入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。熱源側熱交換器26において熱源側冷媒と熱交換を行う室外空気は、熱源側ファンモータ37によって駆動される熱源側ファン36によって供給されるようになっている。熱源側ファンモータ37は、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、熱源側ファン36の風量制御が可能になっている。
熱源側膨張弁28は、熱源側熱交換器26を流れる熱源側冷媒の減圧等を行う電動膨張弁であり、熱源側液冷媒管27に設けられている。
吸入戻し管29は、熱源側液冷媒管27を流れる熱源側冷媒の一部を分岐して熱源側圧縮機21の吸入に戻す冷媒管であり、ここでは、その一端が熱源側液冷媒管27に接続されており、その他端が熱源側吸入管21cに接続されている。そして、吸入戻し管29には、開度制御が可能な吸入戻し膨張弁30が設けられている。この吸入戻し膨張弁30は、電動膨張弁からなる。
過冷却器31は、熱源側液冷媒管27を流れる冷媒と吸入戻し管29を流れる熱源側冷媒(より具体的には、吸入戻し膨張弁30によって減圧された後の熱源側冷媒)との熱交換を行う熱交換器である。
熱源側アキュムレータ32は、熱源側吸入管21cに設けられており、熱源側冷媒回路20を循環する冷媒を熱源側吸入管21cから熱源側圧縮機21に吸入される前に一時的に溜めるための容器である。また、熱源側吸入管21cには、熱源側アキュムレータ32の上流側の位置に、熱源側ガス冷媒管25が接続されている。熱源側ガス冷媒管25は、熱源ユニット2外(より具体的には、吸入冷媒連絡管14)から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入するための冷媒管である。
液側閉鎖弁33は、熱源側液冷媒管27と液冷媒連絡管13との接続部に設けられた弁である。吸入側閉鎖弁34は、熱源側ガス冷媒管25と吸入冷媒連絡管14との接続部に設けられた弁である。吐出側閉鎖弁35は、熱源側吐出分岐管21dと吐出冷媒連絡管12との接続部に設けられた弁である。
また、熱源ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、熱源ユニット2には、熱源側吸入圧力センサ41と、熱源側吐出圧力センサ42と、熱源側吸入温度センサ43と、熱源側吐出温度センサ44と、熱源側熱交ガス側温度センサ45と、熱源側熱交液側温度センサ46と、外気温度センサ47とが設けられている。熱源側吸入圧力センサ41は、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の圧力である熱源側吸入圧力Ps1を検出する圧力センサである。熱源側吐出圧力センサ42は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の圧力である熱源側吐出圧力Pd1を検出する圧力センサである。熱源側吸入温度センサ43は、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の温度である熱源側吸入温度Ts1を検出する温度センサである。熱源側吐出温度センサ44は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の温度である熱源側吐出温度Td1を検出する温度センサである。熱源側熱交ガス側温度センサ45は、熱源側熱交換器26のガス側における冷媒の温度である熱源側熱交ガス側温度Thgを検出する温度センサである。熱源側熱交液側温度センサ46は、熱源側熱交換器26の液側における熱源側冷媒の温度である熱源側熱交液側温度Thlを検出する温度センサである。外気温度センサ47は、外気温度Toを検出する温度センサである。また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部の動作を制御する熱源側制御部49を有している。そして、熱源側制御部49は、熱源ユニット2の制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有している。熱源側制御部49は、後述の利用ユニット8a、8b、8cの利用側制御部89a、89b、89cや接続ユニット9a、9b、9cの接続側制御部99a、99b、99cとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
−吐出冷媒連絡管−
吐出冷媒連絡管12は、吐出側閉鎖弁35を介して熱源側吐出分岐管21dに接続されている。吐出冷媒連絡管12は、熱源側切換機構23が熱源側放熱運転状態及び熱源側蒸発運転状態のいずれにおいても、熱源側圧縮機21の吐出から熱源ユニット2外に熱源側冷媒を導出することが可能な冷媒管である。
−液冷媒連絡管−
液冷媒連絡管13は、液側閉鎖弁33を介して熱源側液冷媒管27に接続されている。液冷媒連絡管13は、熱源側切換機構23が熱源側放熱運転状態において熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器26の出口から熱源ユニット2外に熱源側冷媒を導出することが可能な冷媒管である。また、液冷媒連絡管13は、熱源側切換機構23が熱源側蒸発運転状態において熱源ユニット2外から熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器26の入口に熱源側冷媒を導入することが可能な冷媒管でもある。
−吸入冷媒連絡管−
吸入冷媒連絡管14は、吸入側閉鎖弁34を介して熱源側ガス冷媒管25に接続されている。吸入冷媒連絡管14は、熱源側切換機構23が熱源側放熱運転状態及び熱源側蒸発運転状態のいずれにおいても、熱源ユニット2外から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入することが可能な冷媒管である。
−利用ユニット−
利用ユニット8a、8b、8cは、屋内(例えば、集合住宅の各戸やビルの各区画等)に設置されている。利用ユニット8a、8b、8cは、接続ユニット9a、9b、9c及び冷媒連絡管12、13、14を介して熱源ユニット2に接続されており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。尚、利用ユニット8b、8cの構成は、利用ユニット8aの構成と同様である。このため、ここでは、利用ユニット8aの構成のみを説明し、利用ユニット8b、8cの構成については、利用ユニット8aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに添字「b」、「c」を付して、各部の説明を省略する。
利用ユニット8aは、主として、利用側熱交換器81aと利用側膨張弁82aとを有している。
利用側熱交換器81aは、冷媒と室内空気との熱交換を行うことで冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する熱交換器であり、その液側に利用側液冷媒管83aが接続されており、そのガス側に利用側ガス冷媒管84aが接続されている。利用側液冷媒管83aは、熱源側冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器81aの出口から熱源側冷媒を利用ユニット8a外(より具体的には、後述の接続ユニット9aの液接続管91a)に導出するための冷媒管である。また、利用側液冷媒管83aは、利用ユニット8a外から熱源側冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器81aの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。利用側ガス冷媒管84aは、利用ユニット8a外(より具体的には、後述の接続ユニット9aの合流ガス接続管96a)から熱源側冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器81aの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管である。また、利用側ガス冷媒管84aは、熱源側冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器81aの出口から熱源側冷媒を利用ユニット8a外に導出するための冷媒管でもある。利用側熱交換器81aにおいて冷媒と熱交換を行う室内空気は、利用側ファンモータ86aによって駆動される利用側ファン85aによって供給されるようになっている。
利用側膨張弁82aは、開度制御を行うことで利用側熱交換器81aを流れる熱源側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁であり、利用側液冷媒管83aに設けられている。
また、利用ユニット8aには、各種のセンサが設けられている。具体的には、利用ユニット8aには、利用側熱交ガス側温度センサ87aと、利用側熱交液側温度センサ88aと、利用側液冷媒管温度センサ90aとが設けられている。利用側熱交ガス側温度センサ87aは、利用側熱交換器81aのガス側における熱源側冷媒の温度である利用側熱交ガス側温度Tugaを検出する温度センサである。利用側熱交液側温度センサ88aは、利用側熱交換器81aの液側における熱源側冷媒の温度である利用側熱交液側温度Tulaを検出する温度センサである。利用側液冷媒管温度センサ90aは、利用側熱交換器81aが熱源側冷媒の蒸発器として機能する場合の利用側膨張弁82aの上流側における熱源側冷媒の利用側液冷媒管温度Tuvaを検出する温度センサである。また、利用ユニット8aは、利用ユニット8aを構成する各部の動作を制御する利用側制御部89aを有している。そして、利用側制御部89aは、利用ユニット8aの制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有している。利用側制御部89aは、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2の熱源側制御部49や後述の接続ユニット9aの接続側制御部99aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
−接続ユニット−
接続ユニット9a、9b、9cは、屋内(例えば、集合住宅の各戸やビルの各区画等)に利用ユニット8a、8b、8cとともに設置されている。接続ユニット9a、9b、9cは、冷媒連絡配管12、13、14とともに、利用ユニット8a、8b、8cと熱源ユニット2との間に介在しており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。尚、接続ユニット9b、9cの構成は、接続ユニット9aの構成と同様である。このため、ここでは、接続ユニット9aの構成のみを説明し、接続ユニット9b、9cの構成については、接続ユニット9aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに添字「b」、「c」を付して、各部の説明を省略する。
接続ユニット9aは、主として、接続側液冷媒管91aと、接続側吸入冷媒管92aと、接続側吐出冷媒管94aと、接続側冷媒合流管96aとを有している。接続側液冷媒管91aは、液冷媒連絡管13と利用側液冷媒管83aとを接続している。接続側吸入冷媒管92aは、接続側冷媒合流管96aを介して、吸入冷媒連絡管14と利用側ガス冷媒管84aとを接続している。そして、接続側吸入冷媒管92aには、吸入冷媒開閉弁93aが設けられている。吸入冷媒開閉弁93aは、電磁弁からなる。接続側吐出冷媒管94aは、接続側冷媒合流管96aを介して、吐出冷媒連絡管12と利用側ガス冷媒管84aとを接続している。そして、接続側吐出冷媒管94aには、吐出冷媒開閉弁95aが設けられている。吐出冷媒開閉弁95aは、電磁弁からなる。接続側冷媒合流管96aは、接続側吸入冷媒管92aと接続側吐出冷媒管94aとを合流させる冷媒管である。
また、接続ユニット9aは、接続ユニット9aを構成する各部の動作を制御する接続側制御部99aを有している。そして、接続側制御部99aは、接続ユニット9aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有している。接続側制御部99aは、熱源ユニット2の熱源側制御部49や利用ユニット8aの利用側制御部89aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
そして、接続側制御部99a、99b、99cと、利用側制御部89a、89b、89cと熱源側制御部49とによって、ヒートポンプシステム1の運転制御を行う制御部1aが構成されており、以下の運転や各種制御を行うようになっている。
<ヒートポンプシステムの動作>
次に、ヒートポンプシステム1の動作について説明する。
ヒートポンプシステム1の運転としては、全暖房運転モードと冷暖同時運転モードと全冷房運転モードとがある。全暖房運転モードは、暖房運転(加熱運転)に設定された利用ユニットだけが存在する状態で、暖房運転のみを行う運転モードである。冷暖同時運転モードは、利用ユニット8a、8b、8cの一部が冷房運転(冷却運転)に設定され、かつ、残りの利用ユニットの一部又は全部が暖房運転(加熱運転)に設定された状態で、冷房運転と暖房運転とが混在した運転を行う運転モードである。全冷房運転モードは、冷房運転(冷却運転)に設定された利用ユニットだけが存在する状態で、冷房運転のみを行う運転モードである。また、冷暖同時運転モードについては、利用ユニット8a、8b、8c全体の熱負荷(冷房負荷と暖房負荷の合計)に応じて、冷暖同時運転モード(蒸発負荷)と冷暖同時運転モード(放熱負荷)とに分けることができる。冷暖同時運転モード(蒸発負荷)は、利用ユニット8a、8b、8cの冷房運転と暖房運転とが混在しており、かつ、熱源側熱交換器26が熱源側冷媒の蒸発器として機能する運転モードである。冷暖同時運転モード(放熱負荷)は、利用ユニット8a、8b、8cの冷房運転と暖房運転とが混在しており、かつ、熱源側熱交換器26が熱源側冷媒の放熱器として機能する運転モードである。
−全暖房運転モード−
利用ユニット8a、8b、8cの暖房運転のみを行う場合には、熱源側冷媒回路20において、熱源側切換機構23が熱源側蒸発運転状態(図1の熱源側切換機構23の破線で示された状態)に切り換えられる。また、吸入戻し膨張弁30が閉止される。また、接続ユニット9a、9b、9cの吸入冷媒開閉弁93a、93b、93cが閉止され、かつ、吐出冷媒開閉弁95a、95b、95cが開けられた状態に切り換えられる。尚、ここでは、利用ユニット8a、8b、8cのすべてが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。
このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット2から吐出冷媒連絡管12に送られる。
吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、3つに分岐されて、接続ユニット9a、9b、9cに送られる。
接続ユニット9a、9b、9cに送られた高圧の熱源側冷媒は、接続側吐出冷媒管94a、94b、94cに送られる。接続側吐出冷媒管94a、94b、94cに送られた高圧の熱源側冷媒は、吐出冷媒開閉弁95a、95b、95c及び接続側冷媒合流管96a、96b、96cを通じて、利用ユニット8a、8b、8cに送られる。
利用ユニット8a、8b、8cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側ガス冷媒管84a、84b、84cを通じて、利用側熱交換器81a、81b、81cに送られる。利用側熱交換器81a、81b、81cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側熱交換器81a、81b、81cにおいて、利用側ファン85a、85b、85cによって供給される室内空気と熱交換を行って放熱し、これにより、室内の暖房を行う。利用側熱交換器81a、81b、81cにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、利用側膨張弁82a、82b、82c及び利用側液冷媒管83a、83b、83cを通じて、利用ユニット8a、8b、8cから接続ユニット9a、9b、9cに送られる。
接続ユニット9a、9b、9cに送られた熱源側冷媒は、接続側液冷媒管91a、91b、91cを通じて、液冷媒連絡管13に送られて合流する。
液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁33を通じて、過冷却器31に送られる。過冷却器31に送られた熱源側冷媒は、吸入戻し管29に熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、熱源側膨張弁28に送られる。熱源側膨張弁28に送られた熱源側冷媒は、熱源側膨張弁28において減圧されて、低圧の気液二相状態になり、熱源側液冷媒管27を通じて、熱源側熱交換器26に送られる。熱源側熱交換器26に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側熱交換器26において、熱源側ファン36によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。熱源側熱交換器26において蒸発した低圧の熱源側冷媒は、熱源側ガス冷媒管24及び熱源側切換機構23を通じて、熱源側アキュムレータ32に送られる。熱源側アキュムレータ32に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
このようにして、利用ユニット8a、8b、8cの暖房運転のみを行う全暖房運転モードにおける動作が行われる。
−冷暖同時運転モード(蒸発負荷)−
利用ユニット8a、8b、8cの冷房運転と暖房運転とが混在しており、かつ、熱源側熱交換器26を冷媒の蒸発器として機能させる場合には、熱源側冷媒回路20において、熱源側切換機構23が熱源側蒸発運転状態(図1の熱源側切換機構23の破線で示された状態)に切り換えられる。また、吸入戻し膨張弁30が閉止される。また、利用ユニット8a、8b、8cのうち冷房運転に設定される利用ユニットに接続される接続ユニットについては、吸入冷媒開閉弁が開けられ、かつ、吐出冷媒開閉弁が閉止された状態に切り換えられる。また、利用ユニット8a、8b、8cのうち暖房運転に設定される利用ユニットに接続される接続ユニットについては、吸入冷媒開閉弁が閉止され、かつ、吐出冷媒開閉弁が開けられた状態に切り換えられる。尚、ここでは、利用ユニット8aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット8b、8cが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。このため、冷房運転に設定される利用ユニット8aに接続される接続ユニット9aについては、吸入冷媒開閉弁93aが開けられ、かつ、吐出冷媒開閉弁95aが閉止された状態に切り換えられる。また、暖房運転に設定される利用ユニット8b、8cに接続される接続ユニット9b、9cについては、吸入冷媒開閉弁93b、93cが閉止され、かつ、吐出冷媒開閉弁95b、95cが開けられた状態に切り換えられる。
このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット2から吐出冷媒連絡管12に送られる。
吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、接続ユニット9b、9cに送られる。
接続ユニット9b、9cに送られた高圧の熱源側冷媒は、接続側吐出冷媒管94b、94cに送られる。接続側吐出冷媒管94b、94cに送られた高圧の熱源側冷媒は、吐出冷媒開閉弁95b、95c及び接続側冷媒合流管96b、96cを通じて、利用ユニット8b、8cに送られる。
利用ユニット8b、8cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側ガス冷媒管84b、84cを通じて、利用側熱交換器81b、81cに送られる。利用側熱交換器81b、81cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側熱交換器81b、81cにおいて、利用側ファン85b、85cによって供給される室内空気と熱交換を行って放熱し、これにより、室内の暖房を行う。利用側熱交換器81b、81cにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、利用側膨張弁82b、82c及び利用側液冷媒管83b、83cを通じて、利用ユニット8b、8cから接続ユニット9b、9cに送られる。
接続ユニット9b、9cに送られた熱源側冷媒は、接続側液冷媒管91b、91cを通じて、液冷媒連絡管13に送られて合流する。液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、その一部が接続ユニット9aに送られ、残りが熱源ユニット2に送られる。
接続ユニット9aに送られた熱源側冷媒は、接続側液冷媒管91aに送られる。接続側液冷媒管91aに送られた熱源側冷媒は、利用ユニット8aに送られる。
利用ユニット8aに送られた熱源側冷媒は、利用側膨張弁82aに送られる。利用側膨張弁82aに送られた熱源側冷媒は、利用側膨張弁82aにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側液冷媒管83aを通じて、利用側熱交換器81aに送られる。利用側熱交換器81aに送られた低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交換器81aにおいて、利用側ファン85aによって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発し、これにより、室内の冷房を行う。利用側熱交換器81aにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側ガス冷媒管84aを通じて、利用ユニット8aから接続ユニット9aに送られる。
接続ユニット9aに送られた低圧の熱源側冷媒は、接続側冷媒合流管96aに送られる。接続側冷媒合流管96aに送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入冷媒開閉弁93a及び接続側吸入冷媒管92aを通じて、吸入冷媒連絡管14に送られる。
吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。熱源ユニット2に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側切換機構23を通じて、熱源側アキュムレータ32に送られる。また、液冷媒連絡管13から熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁33を通じて、過冷却器31に送られる。過冷却器31に送られた熱源側冷媒は、吸入戻し管29に熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、熱源側膨張弁28に送られる。熱源側膨張弁28に送られた熱源側冷媒は、熱源側膨張弁28において減圧されて、低圧の気液二相状態になり、熱源側液冷媒管27を通じて、熱源側熱交換器26に送られる。熱源側熱交換器26に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側熱交換器26において、熱源側ファン36によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。熱源側熱交換器26において蒸発した低圧の熱源側冷媒は、熱源側ガス冷媒管24及び熱源側切換機構23を通じて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒と合流して、熱源側アキュムレータ32に送られる。熱源側アキュムレータ32に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
このようにして、利用ユニット8a、8b、8cの一部が冷房運転に設定され、かつ、残りの利用ユニットの一部又は全部が暖房運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(蒸発負荷)における動作が行われる。
−冷暖同時運転モード(放熱負荷)−
利用ユニット8a、8b、8cの冷房運転と暖房運転とが混在しており、かつ、熱源側熱交換器26を冷媒の放熱器として機能させる場合には、熱源側冷媒回路20において、熱源側切換機構23が熱源側放熱運転状態(図1の熱源側切換機構23の実線で示された状態)に切り換えられる。また、利用ユニット8a、8b、8cのうち冷房運転に設定される利用ユニットに接続される接続ユニットについては、吸入冷媒開閉弁が開けられ、かつ、吐出冷媒開閉弁が閉止された状態に切り換えられる。また、利用ユニット8a、8b、8cのうち暖房運転に設定される利用ユニットに接続される接続ユニットについては、吸入冷媒開閉弁が閉止され、かつ、吐出冷媒開閉弁が開けられた状態に切り換えられる。尚、ここでは、利用ユニット8a、8bが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット8cが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。このため、冷房運転に設定される利用ユニット8a、8bに接続される接続ユニット9a、9bについては、吸入冷媒開閉弁93a、93bが開けられ、かつ、吐出冷媒開閉弁95a、95bが閉止された状態に切り換えられる。また、暖房運転に設定される利用ユニット8cに接続される接続ユニット9cについては、吸入冷媒開閉弁93cが閉止され、かつ、吐出冷媒開閉弁95cが開けられた状態に切り換えられる。
このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が熱源側切換機構23及び熱源側ガス冷媒管24を通じて、熱源側熱交換器26に送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット2から吐出冷媒連絡管12に送られる。熱源側熱交換器26に送られた高圧の熱源側冷媒は、熱源側熱交換器26において、熱源側ファン36によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。熱源側熱交換器26において放熱した高圧の熱源側冷媒は、熱源側膨張弁28を通じて、過冷却器31に送られる。過冷却器31に送られた熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27から吸入戻し管29に分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。吸入戻し管29を流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。過冷却器31において冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27及び液側閉鎖弁33を通じて、熱源ユニット2から液冷媒連絡管13に送られる。
吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、接続ユニット9cに送られる。
接続ユニット9cに送られた高圧の熱源側冷媒は、接続側吐出冷媒管94cに送られる。接続側吐出冷媒管94cに送られた高圧の熱源側冷媒は、吐出冷媒開閉弁95c及び接続側冷媒合流管96cを通じて、利用ユニット8cに送られる。
利用ユニット8cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側ガス冷媒管84cを通じて、利用側熱交換器81cに送られる。利用側熱交換器81cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側熱交換器81cにおいて、利用側ファン85cによって供給される室内空気と熱交換を行って放熱し、これにより、室内の暖房を行う。利用側熱交換器81cにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、利用側膨張弁82c及び利用側液冷媒管83cを通じて、利用ユニット8cから接続ユニット9cに送られる。
接続ユニット9cに送られた熱源側冷媒は、接続側液冷媒管91cを通じて、液冷媒連絡管13に送られて、熱源ユニット2から液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒と合流する。
液冷媒連絡管13を流れる熱源側冷媒は、2つに分岐されて、接続ユニット9a、9bに送られる。
接続ユニット9a、9bに送られた高圧の熱源側冷媒は、接続側液冷媒管91a、91bに送られる。接続側液冷媒管91a、91bに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用ユニット8a、8bに送られる。
利用ユニット8a、8bに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側膨張弁82a、82bに送られる。利用側膨張弁82a、82bに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側膨張弁82a、82bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側液冷媒管83a、83bを通じて、利用側熱交換器81a、81bに送られる。利用側熱交換器81a、81bに送られた低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交換器81a、81bにおいて、利用側ファン85a、85bによって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発し、これにより、室内の冷房を行う。利用側熱交換器81a、81bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側ガス冷媒管84a、84bを通じて、利用ユニット8a、8bから接続ユニット9a、9bに送られる。
接続ユニット9a、9bに送られた低圧の熱源側冷媒は、接続側冷媒合流管96a、96bに送られる。接続側冷媒合流管96a、96bに送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入冷媒開閉弁93a、93b及び接続側吸入冷媒管92a、92bを通じて、吸入冷媒連絡管14に送られて合流する。
吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。熱源ユニット2に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側切換機構23を通じて、熱源側アキュムレータ32に送られる。熱源側アキュムレータ32に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
このようにして、利用ユニット8a、8b、8cの一部が冷房運転に設定され、かつ、残りの利用ユニットの一部又は全部が暖房運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(放熱負荷)における動作が行われる。
−全冷房運転モード−
利用ユニット8a、8b、8cの冷房運転のみを行う場合には、熱源側冷媒回路20において、熱源側切換機構23が熱源側放熱運転状態(図1の熱源側切換機構23の実線で示された状態)に切り換えられる。また、接続ユニット9a、9b、9cの吸入冷媒開閉弁93a、93b、93cが開けられ、かつ、吐出冷媒開閉弁95a、95b、95cが閉止された状態に切り換えられる。尚、ここでは、利用ユニット8a、8b、8cのすべてが冷房運転に設定された状態であるものとして説明する。
このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、熱源側切換機構23及び熱源側ガス冷媒管24を通じて、熱源側熱交換器26に送られる。熱源側熱交換器26に送られた高圧の熱源側冷媒は、熱源側熱交換器26において、熱源側ファン36によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。熱源側熱交換器26において放熱した高圧の熱源側冷媒は、熱源側膨張弁28を通じて、過冷却器31に送られる。過冷却器31に送られた熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27から吸入戻し管29に分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。吸入戻し管29を流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。過冷却器31において冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27及び液側閉鎖弁33を通じて、熱源ユニット2から液冷媒連絡管13に送られる。
液冷媒連絡管13に送られた高圧の熱源側冷媒は、3つに分岐されて、接続ユニット9a、9b、9cに送られる。
接続ユニット9a、9b、9cに送られた高圧の熱源側冷媒は、接続側液冷媒管91a、91b、91cに送られる。接続側液冷媒管91a、91b、91cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用ユニット8a、8b、8cに送られる。
利用ユニット8a、8b、8cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側膨張弁82a、82b、82cに送られる。利用側膨張弁82a、82b、82cに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側膨張弁82a、82b、82cにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側液冷媒管83a、83b、83cを通じて、利用側熱交換器81a、81b、81cに送られる。利用側熱交換器81a、81b、81cに送られた低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交換器81a、81b、81cにおいて、利用側ファン85a、85b、85cによって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発し、これにより、室内の冷房を行う。利用側熱交換器81a、81b、81cにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側ガス冷媒管84a、84b、84cを通じて、利用ユニット8a、8b、8cから接続ユニット9a、9b、9cに送られる。
接続ユニット9a、9b、9cに送られた低圧の熱源側冷媒は、接続側冷媒合流管96a、96b、96cに送られる。接続側冷媒合流管96a、96b、96cに送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入冷媒開閉弁93a、93b、93c及び接続側吸入冷媒管92a、92b、92cを通じて、吸入冷媒連絡管14に送られて合流する。
吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。熱源ユニット2に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側切換機構23を通じて、熱源側アキュムレータ32に送られる。熱源側アキュムレータ32に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
このようにして、利用ユニット8a、8b、8cの冷房運転のみを行う全冷房運転モードにおける動作が行われる。
<熱源ユニット消費電力按分システム>
上記のヒートポンプシステム1は、集合住宅やビル等に設置されるため、利用ユニット8a〜8cを使用するユーザーが同一でない場合がある。この場合には、利用ユニット8a〜8cに共通に設けられている熱源ユニット2の消費電力Wrを、ユーザー間において共同で負担する必要がある。しかし、ユーザーによって利用ユニット8a〜8cの能力、使用頻度又は設定温度等が異なるため、熱源ユニット2の消費電力を各ユーザーが公平に負担するためには、専用の熱源ユニット消費電力按分システムが必要となる。
そこで、ここでは、ヒートポンプシステム1に対して、以下のような熱源ユニット消費電力按分システム10を適用している。
−全体−
図2は、熱源ユニット消費電力按分システム10のシステム構成図である。熱源ユニット消費電力按分システム10は、主として、熱源ユニット電力計17と、制御部1aと、インターフェイス装置18と、演算装置19とを有している。
熱源ユニット電力計17は、熱源ユニット2の消費電力Wrを検出する機器であり、検出された消費電力Wrを演算装置19に送信できるようになっている。
制御部1aは、上記のように、熱源側制御部49と、利用側制御部89a、89b、89cと、接続側制御部99a、99b、99cとからなり、ヒートポンプシステム1(ここでは、熱源ユニット2、利用ユニット8a〜8c及び接続ユニット9a〜9c)の運転データや機器情報等を演算装置19に送信できるようになっている。
インターフェイス装置18は、熱源ユニット電力計17や制御部1aから演算装置19へ運転データや機器情報等を送信するために、熱源ユニット電力計17や制御部1aと演算装置19との間に介在している。
演算装置19は、熱源ユニット電力計17や制御部1aからの運転データや機器情報等を受信して、消費電力Wrを各ユーザーに按分する処理を行うコンピュータである。演算装置19は、使用熱量演算部19aと、補正熱量演算部19bと、電力按分部19cとを有している。尚、ここでは、使用熱量演算部19aや補正熱量演算部19bは、演算装置19に設けられているが、制御部1aに設けられていてもよい。この場合には、後述の利用側使用熱量のデータを制御部1aから演算装置19に送信することになる。
−使用熱量演算部、補正熱量演算部−
使用熱量演算部19aは、各利用ユニット8a、8b、8cにおける冷房運転(冷却運転)又は暖房運転(加熱運転)の使用熱量である利用側使用熱量を演算する。補正熱量演算部19bは、利用側使用熱量に対して、各利用ユニット8a、8b、8cが冷房運転又は暖房運転だけを行ったものと想定した場合の性能期待値に基づく補正を行う。
このような使用熱量演算部19a及び補正熱量演算部19bにおける利用側使用熱量の演算及びその補正の処理は、以下のように行われる。
まず、使用熱量演算部19aは、制御部1aからインターフェイス装置18を介して演算装置19に送信されたヒートポンプシステム1の運転データや機器情報等を得る。
次に、使用熱量演算部19aは、ヒートポンプシステム1の運転データ等を使用して、冷房運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量qcと、暖房運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量qhを演算する。尚、各利用ユニットが冷房運転及び暖房運転のいずれを行っているかは、例えば、吸入冷媒開閉弁及び吐出冷媒開閉弁の開閉状態等のような各利用ユニットの運転状態を示す運転データや機器情報等に基づいて判定される。
冷房運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量qcは、利用側膨張弁82a、82b、82cの流量特性、及び、利用側熱交換器81a、81b、81cの出入口の熱源側冷媒の温度や圧力の運転データ等に基づいて演算される。例えば、利用側使用熱量qcは、次式にしたがって演算することができる。尚、利用側使用熱量qcの演算は、ヒートポンプシステム1における運転データ等に基づいて演算されるものであればよく、下記の演算式に限定されるものではない。
qc=qc×(hco−hci)
ここで、qcは、冷房運転時に利用側熱交換器81a、81b、81cを通過する熱源側冷媒の流量(冷房時利用側熱交流量)である。hcoは、冷房運転時に利用側熱交換器81a、81b、81cの熱源側冷媒の出口における熱源側冷媒のエンタルピ(冷房時出口エンタルピ)である。hciは、冷房運転時に利用側熱交換器81a、81b、81cの熱源側冷媒の入口における熱源側冷媒のエンタルピ(冷房時入口エンタルピ)である。
冷房時利用側熱交流量Gcは、利用側膨張弁82a、82b、82cの流量特性の1つである容量係数や利用側膨張弁82a、82b、82cの出入口の熱源側冷媒の圧力等から演算することができる。
Gc=k1×Cv×((Pvi−Pvo)×ρl)^0.5
ここで、k1は係数である。Cvは、冷房運転時における利用側膨張弁82a、82b、82cの容量係数(冷房時容量係数)であり、冷房運転時の利用側膨張弁82a、82b、82cの開度OPvを利用側膨張弁82a、82b、82cの全開時の容量係数Cvxに基づいて換算することによって得られる。Pviは、冷房運転時の利用側膨張弁82a、82b、82cの入口における熱源側冷媒の圧力(利用側膨張弁入口圧力)であり、利用側液冷媒管温度Tuva、Tuvb、Tuvcを飽和圧力に換算することによって得られる。また、熱源側吐出圧力Pd1を利用側膨張弁入口圧力Pviとして使用することもできる。Pvoは、冷房運転時の利用側膨張弁82a、82b、82cの出口における熱源側冷媒の圧力(利用側膨張弁出口圧力)であり、利用側熱交液側温度Tula、Tulb、Tulcを飽和圧力に換算することによって得られる。ρlは、冷房運転時の利用側膨張弁82a、82b、82cの入口における熱源側冷媒の液密度であり、熱源側吐出圧力Pd1又は利用側膨張弁入口圧力Pvi及び利用側液冷媒管温度Tuva、Tuvb、Tuvcを液密度に換算することによって得られる。
冷房時出口エンタルピhcoは、熱源側吸入圧力Ps1又は利用側膨張弁出口圧力Pvo及び利用側熱交ガス側温度Tuga、Tugb、Tugcを熱源側冷媒のエンタルピに換算することによって得られる。冷房時入口エンタルピhciは、熱源側吐出圧力Pd1又は利用側膨張弁入口圧力Pvi及び利用側液冷媒管温度Tuva、Tuvb、Tuvcを熱源側冷媒のエンタルピに換算することによって得られる。
また、暖房運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量qhも、利用側膨張弁82a、82b、82cの流量特性、及び、利用側熱交換器81a、81b、81cの出入口の熱源側冷媒の温度や圧力の運転データ等に基づいて演算される。例えば、利用側使用熱量qhは、次式にしたがって演算することができる。尚、利用側使用熱量qhの演算は、ヒートポンプシステム1における運転データ等に基づいて演算されるものであればよく、下記の演算式に限定されるものではない。
qh=Gh×(hhi−hho)
ここで、Ghは、暖房運転時に利用側熱交換器8a、8b、8cを通過する熱源側冷媒の流量(暖房時利用側熱交流量)である。hhiは、暖房運転時に利用側熱交換器8a、8b、8cの熱源側冷媒の入口における熱源側冷媒のエンタルピ(暖房時入口エンタルピ)である。hhoは、暖房運転時に利用側熱交換器8a、8b、8cの熱源側冷媒の出口における熱源側冷媒のエンタルピ(暖房時出口エンタルピ)である。
暖房時利用側熱交流量Ghは、利用側膨張弁82a、82b、82cの流量特性の1つである容量係数や利用側膨張弁82a、82b、82cの出入口の熱源側冷媒の圧力等から演算することができる。
Gh=k1×Cv×((Pvi−Pvo)×ρl)^0.5
ここで、k1は係数である。Cvは、暖房運転時における利用側膨張弁82a、82b、82cの容量係数(暖房時容量係数)であり、暖房運転時の利用側膨張弁82a、82b、82cの開度OPvを利用側膨張弁82a、82b、82cの全開時の容量係数Cvxに基づいて換算することによって得られる。Pviは、暖房運転時の利用側膨張弁82a、82b、82cの入口における熱源側冷媒の圧力(利用側膨張弁入口圧力)であり、利用側熱交液側温度Tula、Tulb、Tulcを飽和圧力に換算することによって得られる。Pvoは、暖房運転時の利用側膨張弁82a、82b、82cの出口における熱源側冷媒の圧力(利用側膨張弁出口圧力)であり、利用側液冷媒管温度Tuva、Tuvb、Tuvcを飽和圧力に換算することによって得られる。ρlは、暖房運転時の利用側膨張弁82a、82b、82cの入口における熱源側冷媒の液密度であり、利用側膨張弁入口圧力Pvi及び利用側熱交液側温度Tula、Tulb、Tulcを液密度に換算することによって得られる。
暖房時入口エンタルピhhiは、利用側膨張弁入口圧力Pvi及び利用側熱交ガス側温度Tuga、Tugb、Tugcを熱源側冷媒のエンタルピに換算することによって得られる。暖房時出口エンタルピhhoは、利用側膨張弁入口圧力Pvi及び利用側熱交液側温度Tula、Tulb、Tulcを熱源側冷媒のエンタルピに換算することによって得られる。
次に、補正熱量演算部19bは、演算された利用側使用熱量qc、qhに対して、補正係数kc、khを乗算することによって、補正後の利用側使用熱量qc’、qh’を得る。
すなわち、冷房運転の利用側使用熱量qcについては、次式によって、補正後の利用側使用熱量qc’を演算する。
qc’=qc×kc
また、暖房運転の利用側使用熱量qhについては、次式によって、補正後の利用側使用熱量qh’を演算する。
qh’=qh×kh
ここで、補正係数kc、khは、各利用ユニット8a、8b、8cが冷房運転又は暖房運転だけを行ったものと想定した場合の性能期待値に基づいて得られる値である。ここでは、性能期待値として、ヒートポンプシステム1の成績係数(COP)の期待値を使用している(図3参照)。尚、「期待値」という文言を使用しているのは、冷房運転と暖房運転とを同時に行っている運転状態では得られない成績係数であることを考慮したものである。また、成績係数の期待値は、外気温度Taの影響を受けるため、外気温度Taに応じて変化する値として関数化又はマップ化されて準備されている。
そして、冷房補正係数kcは、冷房運転だけを行ったものと想定した場合の成績係数COPcの逆数(1/COPc)として表される。また、暖房補正係数khは、暖房運転だけを行ったものと想定した場合の成績係数COPhの逆数(1/COPh)として表される。
そして、上記の補正によって得られた補正後の利用側使用熱量qc’、qh’を各利用ユニット8a、8b、8cの利用側使用熱量Qa、Qb、Qcとする。
−電力按分部−
電力按分部19cは、補正後の利用側使用熱量Qa、Qb、Qcに応じて、熱源ユニット2の消費電力Wrを各ユーザー(ここでは、各利用ユニット8a、8b、8cのユーザーをユーザーA、B、Cとする)に按分する。
このような電力按分部19cにおける熱源ユニット2の消費電力Wrの按分の処理は、以下のようにして行われる。
まず、電力按分部19cは、熱源ユニット電力計17からインターフェイス装置18を介して演算装置19に送信された熱源ユニット2の消費電力Wrのデータを得る。
次に、電力按分部19cは、使用熱量演算部19a及び補正熱量演算部19bにおいて得られた各利用ユニット8a、8b、8cの補正後の利用側使用熱量Qa、Qb、Qcを使用して、各利用ユニット8a、8b、8cのユーザーA、B、Cに熱源ユニット2の消費電力Wrを按分する。例えば、ユーザーAに対する熱源ユニット2の消費電力Wrを按分電力Wraは、次式で表される。
Wra=Wr×Qa/Σ(Qa、Qb、Qc)
ここで、Σ(Qa、Qb、Qc)は、補正後の利用側使用熱量Qa、Qb、Qcの積算値を意味している(すなわち、ここでは、Qa+Qb+Qcを意味する)。また、ユーザーB、Cに対する熱源ユニット2の消費電力Wrの按分電力Wrb、Wrcも、按分電力Wraと同様に演算することができる。
−具体例−
上記の熱源ユニット消費電力按分システム10を使用して、熱源ユニット2の消費電力Wrを利用ユニット8a、8b、8cを使用するユーザーA、B、Cに按分した場合の具体例を説明する。
まず、利用ユニット8a、8b、8cがすべて冷房運転(冷却運転)を行っている場合について説明する。ここでは、ユーザーAが利用側使用熱量qca=1.5の冷房運転、ユーザーBが利用側使用熱量qcb=3.0の冷房運転、及び、ユーザーCが利用側使用熱量qcc=3.0の冷房運転を行ったものとし、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPcの期待値が3.75(すなわち、冷房補正係数kc=1/3.75)であるものとする(図4参照)。ここでは、説明の便宜上、利用側使用熱量qca、qcb、qccを無次元数で表している。この場合には、図4に示すように、ユーザーAの補正後の利用側使用熱量Qa(qca’)が0.4になり、ユーザーBの補正後の利用側使用熱量Qb(qcb’)が0.8になり、ユーザーCの補正後の利用側使用熱量Qc(qcc’)が0.8になる。このため、各ユーザーA、B、Cに対する熱源ユニット2の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrb、Wrcは、それぞれ、0.2Wr、0.4Wr、0.4Wrとなる。尚、仮に、この場合において、利用側使用熱量qca、qcb、qccの補正を行わずに熱源ユニット2の消費電力Wrを按分した場合でも、各ユーザーA、B、Cに対する熱源ユニット2の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrb、Wrcは、それぞれ、0.2Wr、0.4Wr、0.4Wrとなる。
次に、利用ユニット8a、8b、8cがすべて暖房運転(加熱運転)を行っている場合について説明する。ここでは、ユーザーAが利用側使用熱量qha=4.0の暖房運転、ユーザーBが利用側使用熱量qhb=3.0の暖房運転、及び、ユーザーCが利用側使用熱量qhc=3.0の暖房運転を行ったものとし、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPhの期待値が5.0(すなわち、暖房補正係数kh=1/5.0)であるものとする(図5参照)。ここでは、説明の便宜上、利用側使用熱量qha、qhb、qhcを無次元数で表している。この場合には、図5に示すように、ユーザーAの補正後の利用側使用熱量Qa(qha’)が0.8になり、ユーザーBの補正後の利用側使用熱量Qb(qcb’)が0.6になり、ユーザーCの補正後の利用側使用熱量Qc(qcc’)が0.6になる。このため、各ユーザーA、B、Cに対する熱源ユニット2の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrb、Wrcは、それぞれ、0.4Wr、0.3Wr、0.3Wrとなる。尚、仮に、この場合において、利用側使用熱量qha、qhb、qhcの補正を行わずに熱源ユニット2の消費電力Wrを按分した場合でも、各ユーザーA、B、Cに対する熱源ユニット2の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrb、Wrcは、それぞれ、0.4Wr、0.4Wr、0.4Wrとなる。
次に、冷房運転と暖房運転とが同時に行われている場合について説明する。ここでは、ユーザーAが利用側使用熱量qha=6.0の暖房運転、ユーザーBが利用側使用熱量qcb=3.0の冷房運転、及び、ユーザーCが利用側使用熱量qcc=3.0の冷房運転を行ったものとする(図6参照)。ここでは、説明の便宜上、利用側使用熱量qha、qcb、qccを無次元数で表している。この場合には、図7に示すように、ユーザーA(すなわち、利用ユニット8a)が単独で暖房運転だけを行ったものと想定し、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPhの期待値が5.0(すなわち、暖房補正係数kh=1/5.0)であるものとすると、ユーザーAの補正後の利用側使用熱量Qa(qha’)が1.2になる。また、図8に示すように、各ユーザーB、C(すなわち、利用ユニット8b、8c)が単独で冷房運転だけを行ったものと想定し、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPcの期待値が3.75(すなわち、冷房補正係数kc=1/3.75)であるものとすると、ユーザーBの補正後の利用側使用熱量Qb(qcb’)が0.8になり、ユーザーCの補正後の利用側使用熱量Qc(qcc’)が0.8になる。このため、各ユーザーA、B、Cに対する熱源ユニット2の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrb、Wrcは、それぞれ、0.43Wr、0.285Wr、0.285Wrとなる。尚、仮に、この場合において、利用側使用熱量qha、qcb、qccの補正を行わずに熱源ユニット2の消費電力Wrを按分した場合には、各ユーザーA、B、Cに対する熱源ユニット2の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrb、Wrcは、それぞれ、0.5Wr、0.25Wr、0.25Wrとなる。
このように、利用ユニット8a、8b、8cがすべて冷房運転を行っている場合、又は、利用ユニット8a、8b、8cがすべて暖房運転を行っている場合には、利用側使用熱量の補正の有無にかかわらず、各ユーザーA、B、Cに対する按分電力は同じになる。一方、冷房運転と暖房運転とが同時に行われている場合には、利用側使用熱量の補正の有無によって、各ユーザーA、B、Cに対する按分電力が異なる結果となっている。
これは、冷房運転と暖房運転とが同時に行われている条件でのヒートポンプシステム1の運転性能と、冷房運転だけが行われている条件や暖房運転だけが行われている条件でのヒートポンプシステム1の運転性能とが異なる場合があることを意味している。
そして、上記の場合には、暖房運転を行っているユーザーA(すなわち、利用ユニット8a)が、冷房運転と同時に行うことによって、ユーザーAだけが単独で暖房運転を行った場合に比べて、運転性能の悪い条件で運転を行っていることを意味している。すなわち、ユーザーAは、冷房運転と暖房運転とが同時に行われていることによって不利益を受けており、ユーザーB、Cは、冷房運転と暖房運転とが同時に行われていることによって利益を受けていることになる。
このため、利用側使用熱量の補正を行わなければ、ユーザーAは、補正を行わない場合の按分電力(0.5Wr)と補正を行った場合の按分電力(0.43Wr)との電力差(0.07Wr)分だけ、運転性能の悪い条件で運転を行ったことによる不利益を受けることになる。一方、ユーザーB、Cは、補正を行わない場合の按分電力(0.25Wr)と補正を行った場合の按分電力(0.285Wr)との電力差(0.035Wr)分だけ、ユーザーAの不利益に基づく利益を受けることになる。
これに対して、利用側使用熱量の補正を行うことによって、この不利益がユーザーAに付加されないようにし、ユーザーB、Cに不当な利益が付加されないようにしている。
<特徴>
熱源ユニット消費電力按分システム10には、以下のような特徴がある。
−A−
例えば、冷房運転(冷却運転)と暖房運転(加熱運転)とが同時に行われている条件での運転性能よりも暖房運転だけが行われている条件での運転性能のほうが高い場合には、暖房運転を行っている利用ユニットは、冷房運転と同時運転を行っていることによって不利益を受けていることになる。また、冷房運転と暖房運転とが同時に行われている条件での運転性能よりも冷房運転だけが行われている条件での運転性能のほうが高い場合には、冷房運転を行っている利用ユニットは、暖房運転と同時運転を行っていることによって不利益を受けていることになる。このように、冷房運転と暖房運転とが同時に行われることによって、各利用ユニット8a、8b、8cが利益又は不利益を受けていることになる。
そこで、熱源ユニット消費電力按分システム10では、利用側使用熱量qa、qb、qcに対して、各利用ユニット8a、8b、8cが冷却運転又は加熱運転だけを行ったものと想定した場合の性能期待値に基づく補正を行うようにしている。そして、補正後の利用側使用熱量Qa、Qb、Qcに応じて、熱源ユニット2の消費電力Wrを按分するようにしている。このため、熱源ユニット消費電力按分システム10では、冷房運転と暖房運転とが同時に行われている条件であっても、冷房運転と暖房運転とが同時に行われることによって生じる各利用ユニット8a、8b、8cの利益又は不利益が考慮されることになる。
これにより、熱源ユニット消費電力按分システム10では、冷房運転と暖房運転とが同時に行われている条件であっても、熱源ユニット2の消費電力Wrを適正に按分することができる。
−B−
ヒートポンプシステム1の運転性能は、外気温度Taによって大きく変化するものである。
そこで、熱源ユニット消費電力按分システム10では、利用側使用熱量qa、qb、qcの補正に使用する性能期待値として、外気温度Taに応じて変化する値を使用している。
これにより、熱源ユニット消費電力按分システム10では、外気温度Taを考慮して、熱源ユニット2の消費電力Wrを正確に按分することができる。
−C−
熱源ユニット消費電力按分システム10では、ヒートポンプシステム1の運転性能を示す値として信頼性の高い成績係数(COP)の期待値を性能期待値として使用しているため、熱源ユニット2の消費電力Wrを正確に按分することができる。
<変形例1>
上記のヒートポンプシステム1において、ビルの複数の区画を同一のユーザーが使用している場合のように、利用ユニット8a、8b、8cのうち利用ユニット8aのユーザーAと利用ユニット8cのユーザーCとが同一である場合がある。
この場合、上記の熱源ユニット消費電力按分システム10によれば、利用ユニット8a、8bの補正後の利用側使用熱量Qa、Qcを加算して、これらの利用ユニット8a、8c全体の利用側使用熱量(Qa+Qc)を演算し、この加算された利用側使用熱量に応じて、熱源ユニット2の消費電力WrをユーザーA(ユーザーC)に按分することになる。
しかし、例えば、利用ユニット8aが暖房運転(加熱運転)を行い、かつ、利用ユニット8cが冷房運転(冷却運転)を行う等によって、利用ユニット8a、8cで冷房運転及び暖房運転が同時に行われる場合があり得る。この場合には、同一のユーザーA(ユーザーC)内で排熱回収の効果が生じることになる。このため、冷房運転を行っている利用ユニット8cの利用側使用熱量Qc(qcc’)と暖房運転を行っている利用ユニット8aの利用側使用熱量Qa(qha’)とを上記のように単純に加算してしまうと、同一ユーザー内での排熱回収の効果が考慮されることなく、熱源ユニット2の消費電力WrをユーザーAに按分することになる。
そこで、本変形例の熱源ユニット消費電力按分システム10では、このような場合には、暖房運転を行っている利用ユニット8a(ユーザーA)の利用側使用熱量Qa(qha’)と冷房運転を行っている利用ユニット8c(ユーザーC)の利用側使用熱量Qc(qcc’)とを比較するようにしている。そして、両利用側使用熱量Qa、Qcのいずれか大きいほうを、利用ユニット8a、8c全体における利用側使用熱量とし、この利用側使用熱量に応じて、熱源ユニット2の消費電力WrをユーザーA(ユーザーC)に按分するようにしている。
より具体的には、例えば、図6に示されるように、ユーザーAが利用側使用熱量qha=6.0の暖房運転、ユーザーBが利用側使用熱量qcb=3.0の冷房運転、及び、ユーザーC(ユーザーA)が利用側使用熱量qcc=3.0の冷房運転を行っている場合を想定する。ここでは、説明の便宜上、利用側使用熱量qha、qcb、qccを無次元数で表している。この場合には、図7に示すように、ユーザーA(すなわち、利用ユニット8a)が単独で暖房運転だけを行ったものと想定し、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPhの期待値が5.0(すなわち、暖房補正係数kh=1/5.0)であるものとすると、ユーザーAの補正後の利用側使用熱量Qa(qha’)が1.2になる。また、図8に示すように、各ユーザーB、C(すなわち、利用ユニット8b、8c)が単独で冷房運転だけを行ったものと想定し、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPcの期待値が3.75(すなわち、冷房補正係数kc=1/3.75)であるものとすると、ユーザーBの補正後の利用側使用熱量Qb(qcb’)が0.8になり、ユーザーCの補正後の利用側使用熱量Qc(qcc’)が0.8になる。
次に、ユーザーAの利用側使用熱量Qa(qha’)とユーザーC(ユーザーA)の利用側使用熱量Qc(qcc’)とを比較する。そして、2つの利用側使用熱量Qa、Qcのうち大きいほうの利用側使用熱量Qa(=1.2)を、利用ユニット8a、8c全体における利用側使用熱量とする。
そうすると、ユーザーA(ユーザーC)に対する熱源ユニット2の消費電力Wrの按分電力Wra(Wrc)は、0.6Wr(=1.2/(1.2+0.8))となる。このため、ユーザーA(ユーザーC)の按分電力Wra(Wrc)は、利用側使用熱量Qa、Qcを単純に加算することによって得られる按分電力(=0.43+0.285)よりも小さくなる。したがって、ユーザーA(ユーザーC)について、利用ユニット8a、8cにおける排熱回収の効果を考慮して、熱源ユニット2の消費電力Wrの按分がなされることになる。
また、例えば、ヒートポンプシステム1を7つの利用ユニット8a〜8hを有する構成にして(利用ユニット8d〜8hは図示せず)、利用ユニット8a〜8eを同一のユーザーAが使用し、利用ユニット8fをユーザーBが使用し、利用ユニット8gをユーザーCが使用している場合を想定する。そして、利用ユニット8aが利用側使用熱量Qa(qca’)=0.4の冷房運転、利用ユニット8bが利用側使用熱量Qb(qcb’)=1.0の冷房運転、利用ユニット8cが利用側使用熱量Qc(qcc’)=0.4の冷房運転、利用ユニット8dが利用側使用熱量Qd(qhd’)=1.5の暖房運転、利用ユニット8eが利用側使用熱量Qe(qhe’)=0.4の暖房運転、利用ユニット8fが利用側使用熱量Qf(qhf’)=1.0の暖房運転、利用ユニット8gが利用側使用熱量Qg(qhg’)=1.5の暖房運転を行っているものとする。この場合には、5つの利用ユニット8a〜8e間で排熱回収が行われることになる。
これに対して、本変形例の熱源ユニット消費電力按分システム10では、5つの利用ユニット8a〜8e全体(すなわち、ユーザーA)における利用側使用熱量を以下のようにして得るようにしている。まず、冷房運転の利用側使用熱量Qa、Qb、Qcと暖房運転の利用側使用熱量Qd、Qeとを値の大きいものから順に比較する。具体的には、冷房運転の利用側使用熱量のうち最も値の大きい利用側使用熱量Qb(=1.0)と暖房運転の利用側使用熱量のうち最も値の大きい利用側使用熱量Qd(=1.5)とを比較し、冷房運転の利用側使用熱量のうちQbの次に値の大きい利用側使用熱量Qa(=0.6)と、暖房運転の利用側使用熱量のうちQdの次に値の大きい利用側使用熱量Qe(=0.4)とを比較する。
そして、この比較によって得られた冷房運転の利用側使用熱量及び暖房運転の利用側使用熱量のいずれか大きいほうを加算する。具体的には、利用側使用熱量Qbよりも大きい利用側使用熱量Qdと、利用側使用熱量Qeよりも大きい利用側使用熱量Qaと、比較を行っていない利用側使用熱量Qcとを加算する。これにより、利用ユニット8a〜8e全体(すなわち、ユーザーA)における利用側使用熱量(Qd+Qa+Qc)が2.5(=1.5+0.6+0.4)となる。
そして、ユーザーAの按分電力Wraは、ユーザーBの利用側使用熱量Qf(=1.0)及びユーザーCの利用側使用熱量Qg(=1.5)も考慮して、0.5Wr(=2.5/(2.5+1.0+1.5)となる。
以上のように、本変形例の熱源ユニット消費電力按分システム10では、上記のように、特定の2つ以上の利用ユニット(ここでは、同一ユーザーが使用する利用ユニット)における冷房運転の利用側使用熱量と暖房運転の利用側使用熱量とを値の大きいものから順に比較している。このため、特定の2つ以上の利用ユニットにおける冷房運転の利用側使用熱量と暖房運転の利用側使用熱量とを値の大きいものから順に排熱回収を行っている組み合わせと見なすことができる。そして、この比較によって得られた冷房運転の利用側使用熱量及び暖房運転の利用側使用熱量のいずれか大きいほうを加算することによって、特定の2つ以上の利用ユニット全体における利用側使用熱量を演算している。このため、排熱回収を行っている2つの利用ユニットのうち利用側使用熱量の大きいほうだけを選択して加算することになり、特定の2つ以上の利用ユニット全体における利用側使用熱量を排熱回収の効果を考慮した値として得ることができる。
したがって、本変形例の熱源ユニット消費電力按分システム10では、特定の2つ以上の利用ユニットにおける排熱回収の効果を考慮して、熱源ユニット2の消費電力Wrの按分を按分することができる。
<変形例2>
上記のヒートポンプシステム1では、補正熱量演算部19bは、冷房運転(冷却運転)の利用側使用熱量qc及び暖房運転(加熱運転)の利用側使用熱量qhに対して、それぞれ、補正係数kc、khを乗算することによって、補正後の利用側使用熱量qc’、qh’を得るようにしている。
しかし、このような利用側使用熱量の補正は、熱源ユニットの消費電力Wrを按分することを目的とするものであるため、利用側使用熱量qc及び利用側使用熱量qhの両方を必ずしも補正する必要はない。
例えば、暖房補正係数khを冷房補正係数kcで除算した値を冷暖補正係数khcとして、利用側使用熱量qhに乗算するようにしてもよい。また、冷房補正係数kcを暖房補正係数khで除算した値を冷暖補正係数kchとして、利用側使用熱量qcに乗算するようにしてもよい。この場合であっても、利用側使用熱量qc及び利用側使用熱量qhの両方を補正した場合と同様の熱源ユニットの消費電力Wrの按分結果を得ることができる。
(2)第2実施形態
<ヒートポンプシステムの構成>
−全体−
図9は、本発明の第2実施形態にかかる熱源ユニット消費電力按分システムが適用されたヒートポンプシステム101の概略構成図である。ヒートポンプシステム101は、蒸気圧縮式のヒートポンプサイクルを利用して冷房運転(冷却運転)や暖房運転(加熱運転)を行うことが可能な装置である。
ヒートポンプシステム101は、主として、熱源ユニット102と、複数(図9では、2つ)の利用ユニット5a、5bと、吐出冷媒連絡管12と、液冷媒連絡管13と、吸入冷媒連絡管14と、水媒体冷暖房ユニット75a、75b(水媒体利用機器)と、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bとを有している。そして、熱源ユニット102と利用ユニット5a、5bとは、冷媒連絡管12、13、14を介して接続されることによって、熱源側冷媒回路120を構成している。利用ユニット5a、5bは、利用側冷媒回路50a、50bを構成している。利用ユニット5a、5bと水媒体冷暖房ユニット75a、75bとは、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bを介して接続されることによって、水媒体回路70a、70bを構成している。熱源側冷媒回路120には、HFC系冷媒の一種であるHFC−410Aが熱源側冷媒として封入されている。また、利用側冷媒回路50a、50bには、HFC系冷媒の一種であるHFC−134aが利用側冷媒として封入されている。尚、利用側冷媒としては、高温の冷凍サイクルに有利な冷媒を使用されるという観点から、飽和ガス温度65℃に相当する圧力がゲージ圧で高くとも2.8MPa以下、好ましくは、2.0MPa以下の冷媒を使用することが好ましい。そして、HFC−134aは、このような飽和圧力特性を有する冷媒の一種である。また、水媒体回路70a、70bには、水媒体としての水が循環するようになっている。
−熱源ユニット−
熱源ユニット102は、屋外(例えば、集合住宅やビルの屋上等)に設置されている。熱源ユニット102は、冷媒連絡管12、13、14を介して利用ユニット5a、5bに接続されており、熱源側冷媒回路120の一部を構成している。
熱源ユニット102は、主として、熱源側圧縮機21と、油分離機構22と、第1熱源側切換機構23aと、第2熱源側切換機構23bと、第1熱源側熱交換器26aと、第2熱源側熱交換器26bと、第1熱源側膨張弁28aと、第2熱源側膨張弁28bと、第1吸入戻し管29aと、第2吸入戻し管29bと、第1過冷却器31aと、第2過冷却器31bと、液側閉鎖弁33と、吸入側閉鎖弁34と、吐出側閉鎖弁35と、第3熱源側切換機構39とを有している。
熱源側圧縮機21は、熱源側冷媒を圧縮する機構である。ここでは、熱源側圧縮機21として、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された熱源側圧縮機モータ21aによって駆動される密閉式圧縮機が採用されている。熱源側圧縮機モータ21aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、熱源側圧縮機21の容量制御が可能になっている。
油分離機構22は、熱源側圧縮機21から吐出された熱源側冷媒中に含まれる冷凍機油を分離して熱源側圧縮機21の吸入に戻すための機構である。油分離機構22は、主として、熱源側圧縮機21の熱源側吐出管21bに設けられた油分離器22aと、油分離器22aと熱源側圧縮機21の熱源側吸入管21cとを接続する油戻し管22bとを有している。油分離器22aは、熱源側圧縮機21から吐出された熱源側冷媒中に含まれる冷凍機油を分離する機器である。油戻し管22bは、キャピラリチューブを有しており、油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油を熱源側圧縮機21の熱源側吸入管21cに戻す冷媒管である。また、熱源側吸入管21cには、熱源側ガス冷媒管25が接続されている。熱源側ガス冷媒管25は、熱源ユニット102外(より具体的には、吸入冷媒連絡管14)から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入するための冷媒管である。
第1熱源側切換機構23aは、第1熱源側熱交換器26aを熱源側冷媒の放熱器として機能させる第1熱源側放熱運転状態と第1熱源側熱交換器26aを熱源側冷媒の蒸発器として機能させる第1熱源側蒸発運転状態とを切り換え可能な四路切換弁である。第1熱源側切換機構23aは、熱源側吐出管21bと、熱源側吸入管21cと、第1熱源側熱交換器26aのガス側に接続された第1熱源側ガス冷媒管24aとに接続されている。そして、第1熱源側切換機構23aの4つのポートのうちの1つは、キャピラリチューブ48aを通じて熱源側吸入管21cに連通しており、これにより、第1熱源側切換機構23aは、三方切換弁として機能するようになっている。第1熱源側切換機構23aは、熱源側吐出管21bと第1熱源側ガス冷媒管24aとを連通させる切り換え(第1熱源側放熱運転状態に対応、図9の第1熱源側切換機構23aの実線を参照)を行うことが可能である。また、第1熱源側切換機構23aは、第1熱源側ガス冷媒管24aと熱源側吸入管21cとを連通させる切り換え(第1熱源側蒸発運転状態に対応、図9の第1熱源側切換機構23aの破線を参照)を行うことが可能である。尚、第1熱源側切換機構23aは、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせて使用する等によって、上記と同様の熱源側冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
第2熱源側切換機構23bは、第2熱源側熱交換器26bを熱源側冷媒の放熱器として機能させる第2熱源側放熱運転状態と第2熱源側熱交換器26bを熱源側冷媒の蒸発器として機能させる第2熱源側蒸発運転状態とを切り換え可能な四路切換弁である。第2熱源側切換機構23bは、熱源側吐出管21bと、熱源側吸入管21c(より具体的には、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側吸入管21cに連通する連通管38)と、第2熱源側熱交換器26bのガス側に接続された第2熱源側ガス冷媒管24bとに接続されている。すなわち、熱源側吐出管21bは、第1熱源側切換機構23a及び第2熱源側切換機構23bの両方に接続される分岐管になっている。そして、第2熱源側切換機構23bの4つのポートのうちの1つは、キャピラリチューブ48bを通じて連通管38に連通しており、これにより、第2熱源側切換機構23bは、三方切換弁として機能するようになっている。第2熱源側切換機構23bは、熱源側吐出管21bと第2熱源側ガス冷媒管24bとを連通させる切り換え(第2熱源側放熱運転状態に対応、図9の第2熱源側切換機構23bの実線を参照)を行うことが可能である。また、第2熱源側切換機構23bは、第2熱源側ガス冷媒管24bと熱源側吸入管21cとを連通させる切り換え(第2熱源側蒸発運転状態に対応、図9の第2熱源側切換機構23bの破線を参照)を行うことが可能である。尚、第2熱源側切換機構23bは、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせて使用する等によって、上記と同様の熱源側冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
第3熱源側切換機構39は、熱源側吐出管21bから分岐された熱源側吐出分岐管21dに設けられた四路切換弁である。第3熱源側切換機構39は、熱源ユニット102を冷暖同時運転可能なヒートポンプシステムを構成するための冷暖同時運転状態と、熱源ユニット102を冷暖切換運転可能なヒートポンプシステムを構成するための冷暖切換運転状態とを切り換え可能な四路切換弁である。第3熱源側切換機構39は、熱源側吐出分岐管21dと、熱源側吸入管21c(より具体的には、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側吸入管21cに連通する連通管40)とに接続されている。そして、第3熱源側切換機構39の4つのポートのうちの1つは、キャピラリチューブ39aを通じて連通管40に連通しており、これにより、第3熱源側切換機構39は、三方切換弁として機能するようになっている。第3熱源側切換機構39は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの切り換え動作に関係なく、熱源側吐出分岐管21dを熱源側圧縮機21の吐出から熱源側冷媒を熱源ユニット102外(より具体的には、吐出冷媒連絡管12)に導出するための冷媒管として機能させる切り換え(冷暖同時運転状態に対応、図9の第3熱源側切換機構39の実線を参照)を行うことが可能である。また、第3熱源側切換機構39は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの切り換え動作に応じて、熱源側吐出分岐管21dを熱源側圧縮機21の吐出から熱源側冷媒を熱源ユニット102外に導出する冷媒管として、また、熱源ユニット102外から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入する冷媒管として機能させる切り換え(冷暖切換運転状態に対応、図9の第3熱源側切換機構39の破線を参照)を行うことが可能である。尚、第3熱源側切換機構39は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせて使用する等によって、上記と同様の熱源側冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
第1熱源側熱交換器26aは、熱源側冷媒と室外空気との熱交換を行うことで熱源側冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する熱交換器であり、その液側に第1熱源側液冷媒管27aが接続されており、そのガス側に第1熱源側ガス冷媒管24aが接続されている。第1熱源側液冷媒管27aは、熱源側冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器26aの出口から熱源側冷媒を熱源側液冷媒合流管27に導出するための冷媒管である。また、第1熱源側液冷媒管27aは、熱源側液冷媒合流管27から熱源側冷媒の蒸発器として機能する第1熱源側熱交換器26aの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。第1熱源側熱交換器26において熱源側冷媒と熱交換を行う室外空気は、第1熱源側ファンモータ37aによって駆動される第1熱源側ファン36aによって供給されるようになっている。第1熱源側ファンモータ37aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、第1熱源側ファン36aの風量制御が可能になっている。
第1熱源側膨張弁28aは、第1熱源側熱交換器26aを流れる熱源側冷媒の減圧等を行う電動膨張弁であり、第1熱源側液冷媒管27aに設けられている。
第1吸入戻し管29aは、第1熱源側液冷媒管27aを流れる熱源側冷媒の一部を分岐して熱源側圧縮機21の吸入に戻す冷媒管であり、ここでは、その一端が第1熱源側液冷媒管27aに接続されており、その他端が熱源側吸入管21cに接続されている。そして、第1吸入戻し管29aには、開度制御が可能な第1吸入戻し膨張弁30aが設けられている。この第1吸入戻し膨張弁30aは、電動膨張弁からなる。
第1過冷却器31aは、第1熱源側液冷媒管27aを流れる冷媒と第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒(より具体的には、第1吸入戻し膨張弁30aによって減圧された後の熱源側冷媒)との熱交換を行う熱交換器である。
第2熱源側熱交換器26bは、熱源側冷媒と室外空気との熱交換を行うことで熱源側冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する熱交換器であり、その液側に第2熱源側液冷媒管27bが接続されており、そのガス側に第2熱源側ガス冷媒管24bが接続されている。第2熱源側液冷媒管27bは、熱源側冷媒の放熱器として機能する第2熱源側熱交換器26bの出口から熱源側液冷媒合流管27に導出するための冷媒管である。また、第2熱源側液冷媒管27bは、熱源側液冷媒合流管27から熱源側冷媒の蒸発器として機能する第2熱源側熱交換器26bの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。すなわち、第1熱源側液冷媒管27a及び第2熱源側液冷媒管27bは、熱源側液冷媒合流管27から分岐された冷媒管である。熱源側液冷媒合流管27は、第1熱源側液冷媒管27a及び第2熱源側液冷媒管27bの合流部から熱源側冷媒を熱源ユニット102外(より具体的には、液冷媒連絡管13)に導出するための冷媒管である。また、熱源側液冷媒合流管27は、熱源ユニット102外から第1熱源側液冷媒管27a及び第2熱源側液冷媒管27bの合流部に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。第2熱源側熱交換器26bにおいて熱源側冷媒と熱交換を行う室外空気は、第2熱源側ファンモータ37bによって駆動される第2熱源側ファン36bによって供給されるようになっている。第2熱源側ファンモータ37bは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、第2熱源側ファン36bの風量制御が可能になっている。
第2熱源側膨張弁28bは、第2熱源側熱交換器26bを流れる熱源側冷媒の減圧等を行う電動膨張弁であり、第2熱源側液冷媒管27bに設けられている。
第2吸入戻し管29bは、第2熱源側液冷媒管27bを流れる熱源側冷媒の一部を分岐して熱源側圧縮機21の吸入に戻す冷媒管であり、ここでは、その一端が第2熱源側液冷媒管27bに接続されており、その他端が熱源側吸入管21cに接続されている。そして、第2吸入戻し管29bには、開度制御が可能な第2吸入戻し膨張弁30bが設けられている。この第2吸入戻し膨張弁30bは、電動膨張弁からなる。
第2過冷却器31bは、第2熱源側液冷媒管27bを流れる冷媒と第2吸入戻し管29bを流れる熱源側冷媒(より具体的には、第2吸入戻し膨張弁30bによって減圧された後の熱源側冷媒)との熱交換を行う熱交換器である。
液側閉鎖弁33は、熱源側液冷媒合流管27と液冷媒連絡管13との接続部に設けられた弁である。吸入側閉鎖弁34は、熱源側ガス冷媒管25と吸入冷媒連絡管14との接続部に設けられた弁である。吐出側閉鎖弁35は、熱源側吐出分岐管21dと吐出冷媒連絡管12との接続部に設けられた弁である。
また、熱源ユニット102には、各種のセンサが設けられている。具体的には、熱源ユニット102には、熱源側吸入圧力センサ41と、熱源側吐出圧力センサ42と、熱源側吸入温度センサ43と、熱源側吐出温度センサ44と、第1及び第2熱源側熱交ガス側温度センサ45a、45bと、第1及び第2熱源側熱交液側温度センサ46a、46bと、外気温度センサ47とが設けられている。熱源側吸入圧力センサ41は、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の圧力である熱源側吸入圧力Ps1を検出する圧力センサである。熱源側吐出圧力センサ42は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の圧力である熱源側吐出圧力Pd1を検出する圧力センサである。熱源側吸入温度センサ43は、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の温度である熱源側吸入温度Ts1を検出する温度センサである。熱源側吐出温度センサ44は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の温度である熱源側吐出温度Td1を検出する温度センサである。第1及び第2熱源側熱交ガス側温度センサ45a、45bは、第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bのガス側における冷媒の温度である熱源側熱交ガス側温度Thg1、Thg2を検出する温度センサである。第1及び第2熱源側熱交液側温度センサ46a、46bは、第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bの液側における熱源側冷媒の温度である熱源側熱交液側温度Thl1、Thl2を検出する温度センサである。外気温度センサ47は、外気温度Toを検出する温度センサである。また、熱源ユニット102は、熱源ユニット102を構成する各部の動作を制御する熱源側制御部49を有している。そして、熱源側制御部49は、熱源ユニット102の制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有している。熱源側制御部49は、後述の利用ユニット5a、5bの利用側制御部69a、69bとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
−吐出冷媒連絡管−
吐出冷媒連絡管12は、吐出側閉鎖弁35を介して熱源側吐出分岐管21dに接続されている。吐出冷媒連絡管12は、第3熱源側切換機構39が冷暖同時運転状態である場合に、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態及び熱源側蒸発運転状態のいずれにおいても、熱源側圧縮機21の吐出から熱源ユニット102外に熱源側冷媒を導出することが可能な冷媒管である。
−液冷媒連絡管−
液冷媒連絡管13は、液側閉鎖弁33を介して熱源側液冷媒合流管27に接続されている。液冷媒連絡管13は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態において熱源側冷媒の放熱器として機能する第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bの出口から熱源ユニット102外に熱源側冷媒を導出することが可能な冷媒管である。また、液冷媒連絡管13は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側蒸発運転状態において熱源ユニット102外から熱源側冷媒の蒸発器として機能する第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bの入口に熱源側冷媒を導入することが可能な冷媒管でもある。
−吸入冷媒連絡管−
吸入冷媒連絡管14は、吸入側閉鎖弁34を介して熱源側ガス冷媒管25に接続されている。吸入冷媒連絡管14は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態及び熱源側蒸発運転状態のいずれにおいても、熱源ユニット102外から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入することが可能な冷媒管である。
−利用ユニット−
利用ユニット5a、5bは、屋内(例えば、集合住宅の各戸やビルの各区画等)に設置されている。利用ユニット5a、5bは、冷媒連絡管12、13、14を介して熱源ユニット102に接続されており、熱源側冷媒回路120の一部を構成している。また、利用ユニット5a、5bは、利用側冷媒回路50a、50bを構成している。さらに、利用ユニット5a、5bは、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bを介して水媒体冷暖房ユニット75a、75bに接続されており、水媒体回路70a、70bの一部を構成している。尚、利用ユニット5bの構成は、利用ユニット5aの構成と同様である。このため、ここでは、利用ユニット5aの構成のみを説明し、利用ユニット5bの構成については、利用ユニット5aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに添字「b」を付して、各部の説明を省略する。
利用ユニット5aは、主として、第1利用側熱交換器51aと、第1利用側膨張弁52aと、第2利用側熱交換器151aと、第2利用側膨張弁152aと、利用側圧縮機55aと、冷媒−水熱交換器57aと、冷媒−水熱交側膨張弁58aと、利用側アキュムレータ59aと、第1循環ポンプ71aと、第2循環ポンプ171aと、貯湯タンク161aとを有している。
第1利用側熱交換器51aは、熱源側冷媒と利用側冷媒との熱交換を行うことで熱源側冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。第1利用側熱交換器51aの熱源側冷媒が流れる流路の液側には、利用側熱交出入口接続管53aが接続されており、第1利用側熱交換器51aの熱源側冷媒が流れる流路のガス側には、第1利用側ガス冷媒管54aが接続されている。また、第1利用側熱交換器51aの利用側冷媒が流れる流路の液側には、カスケード側液冷媒管66aが接続されており、第1利用側熱交換器51aの利用側冷媒が流れる流路のガス側には、カスケード側ガス冷媒管67aが接続されている。利用側熱交出入口接続管53aは、熱源側冷媒の放熱器として機能する第1利用側熱交換器51aの出口から熱源側冷媒を利用ユニット5a外(より具体的には、液冷媒連絡管13)に導出するための冷媒管である。第1利用側ガス冷媒管54aは、利用ユニット5a外(より具体的には、ガス冷媒連絡管14)から熱源側冷媒の放熱器として機能する第1利用側熱交換器51aの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管である。カスケード側液冷媒管66aには、冷媒−水熱交換器57aが接続されており、カスケード側ガス冷媒管67aには、利用側圧縮機55aが接続されている。
第1利用側膨張弁52aは、開度制御を行うことで第1利用側熱交換器51aを流れる熱源側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁であり、利用側熱交出入口接続管53aに設けられている。
利用側圧縮機55aは、利用側冷媒を圧縮する機構である。ここでは、利用側圧縮機55aとして、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された利用側圧縮機モータ56aによって駆動される密閉式圧縮機が採用されている。利用側圧縮機モータ56aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、利用側圧縮機55aの容量制御が可能になっている。また、利用側圧縮機55aの吐出には、カスケード側吐出管60aが接続されており、利用側圧縮機55aの吸入には、カスケード側ガス冷媒管67aが接続されている。
冷媒−水熱交換器57aは、利用側冷媒と水媒体との熱交換を行うことで利用側冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。冷媒−水熱交換器57aの利用側冷媒が流れる流路の液側には、カスケード側液冷媒管66aが接続されており、冷媒−水熱交換器57aの利用側冷媒が流れる流路のガス側には、カスケード側ガス冷媒管67aが接続されている。また、冷媒−水熱交換器57aの水媒体が流れる流路の入口側には、第1利用側水入口管73aが接続されており、冷媒−水熱交換器57aの水媒体が流れる流路の出口側には、第1利用側水出口管74aが接続されている。第1利用側水入口管73aは、利用ユニット5a外(より具体的には、水媒体連絡管15a)から水媒体の加熱器として機能する冷媒−水熱交換器57aの入口に水媒体を導入するための水媒体管である。第1利用側水出口管74aは、水媒体の加熱器として機能する冷媒−水熱交換器57aの出口から水媒体を利用ユニット5a外(より具体的には、水媒体連絡管16a)に導出するための水媒体管である。
冷媒−水熱交側膨張弁58aは、開度制御を行うことで冷媒−水熱交換器57aを流れる利用側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁であり、カスケード側液冷媒管66aに設けられている。
利用側アキュムレータ59aは、カスケード側ガス冷媒管67aに設けられており、利用側冷媒回路50aを循環する利用側冷媒をカスケード側吸入管67aから利用側圧縮機55aに吸入される前に一時的に溜めるための容器である。
このように、利用側圧縮機55a、冷媒−水熱交換器57a、冷媒−水熱交側膨張弁58a、利用側熱交換器51a及び利用側アキュムレータ59aが冷媒管60a、66aを介して接続されることによって、利用側冷媒回路50aが構成されている。
第1循環ポンプ71aは、水媒体の昇圧を行う機構であり、ここでは、遠心式や容積式のポンプ要素(図示せず)が第1循環ポンプモータ72aによって駆動されるポンプが採用されている。第1循環ポンプ71aは、第1利用側水出口管73aに設けられている。第1循環ポンプモータ72aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、第1循環ポンプ71aの容量制御が可能になっている。
第2利用側熱交換器151aは、熱源側冷媒と水媒体との熱交換を行うことで熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。第2利用側熱交換器151aの熱源側冷媒が流れる流路の液側には、利用側熱交出入口接続管53aが接続されており、第2利用側熱交換器151aの熱源側冷媒が流れる流路のガス側には、第2利用側ガス冷媒管153aが接続されている。すなわち、利用側熱交出入口接続管53aは、第1利用側熱交換器51aの熱源側冷媒の出口と第2利用側熱交換器151aの熱源側冷媒の入口とを接続する冷媒管として機能している。このため、利用側熱交出入口接続管53aは、利用ユニット5a外(より具体的には、液冷媒連絡管13)及び/又は第1利用側熱交換器51aの熱源側冷媒の出口から熱源側冷媒の放熱器として機能する第2利用側熱交換器151aの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。第2利用側ガス冷媒管153aには、開閉制御が可能な利用側熱交出口開閉弁154aが設けられている。利用側熱交出口開閉弁154aは、電磁弁からなる。また、第2利用側熱交換器151aの水媒体が流れる流路の入口側には、第2利用側水入口管173aが接続されており、第2利用側熱交換器151aの水媒体が流れる流路の出口側には、第2利用側水出口管174aが接続されている。
第2循環ポンプ171aは、水媒体の昇圧を行う機構であり、ここでは、遠心式や容積式のポンプ要素(図示せず)が第2循環ポンプモータ172aによって駆動されるポンプが採用されている。第2循環ポンプ171aは、第2利用側水出口管73aに設けられている。第2循環ポンプモータ172aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、第2循環ポンプ171aの容量制御が可能になっている。第2利用側水入口管173aは、冷温水切換機構175aを介して第1利用側水入口管73aの第1循環ポンプ71aよりも上流側の部分から分岐されている。第2利用側水出口管174aは、第1利用側水出口管74aに合流している。冷温水切換機構175aは、冷媒−水熱交換器57aにおいて加熱された水媒体、又は、第2利用側熱交換器151aにおいて冷却された水媒体を、利用ユニット5a外に設けられる水媒体冷暖房ユニット75aとの間で選択的にやりとりすることを可能にするための機構である。冷温水切換機構175aは、三方弁からなる。
第2利用側膨張弁152aは、開度制御を行うことで第2利用側熱交換器151aを流れる熱源側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁であり、利用側熱交出入口接続管53aに設けられている。
貯湯タンク161aは、屋内(ここでは、利用ユニット5a内)に設置されている。貯湯タンク161aは、給湯に供される水媒体としての水を溜める容器である。貯湯タンク161aの上部には、蛇口やシャワー等に温水となった水媒体を送るための給湯管163aが接続されており、貯湯タンク161aの下部には、給湯管163aによって消費された水媒体の補充を行うための給水管164aが接続されている。貯湯タンク161a内には、熱交換コイル162aが設けられている。
熱交換コイル162aは、貯湯タンク161a内に設けられている。熱交換コイル162aは、水媒体回路70aを循環する水媒体と貯湯タンク161a内の水媒体との熱交換を行うことで貯湯タンク161a内の水媒体の加熱器として機能する熱交換器である。熱交換コイル162aの入口には、第1利用側水出口管74aから分岐された貯湯タンク側水入口管176aが接続されている。また、熱交換コイル162aの出口には、第1利用側水入口管73aに合流する貯湯タンク側水出口管178aが接続されている。貯湯タンク側水入口管176aは、暖房給湯切換機構177aを介して第1利用側水出口管74aから分岐されている。暖房給湯切換機構177aは、水媒体回路70aを循環する水媒体を貯湯タンク161a及び水媒体冷暖房ユニット75aの両方、又は、貯湯タンク161a及び水媒体冷暖房ユニット75aのいずれか一方に供給するかの切り換えを行うことが可能である。暖房給湯切換機構177aは、三方弁からなる。貯湯タンク側水出口管178aは、第1利用側水入口管73aの冷温水切換機構175aと第1循環ポンプ71aとの間に合流している。これにより、貯湯タンク161aは、利用ユニット5aにおいて加熱された水媒体回路70aを循環する水媒体によって貯湯タンク161a内の水媒体を加熱して温水として溜めることが可能になっている。尚、ここでは、貯湯タンク161aとして、利用ユニット5aにおいて加熱された水媒体との熱交換によって加熱された水媒体を溜める型式の貯湯タンクを採用しているが、利用ユニット5aにおいて加熱された水媒体を溜める型式の貯湯タンクを採用してもよい。
また、利用ユニット5aには、各種のセンサが設けられている。具体的には、利用ユニット5aには、第1利用側熱交液側温度センサ61aと、第2利用側熱交ガス側温度センサ156aと、第2利用側液冷媒管温度センサ65aと、第2利用側熱交液側温度センサ155aと、水媒体入口温度センサ63aと、第1水媒体出口温度センサ64aと、第2水媒体出口温度センサ159aと、利用側吸入圧力センサ68aと、利用側吐出圧力センサ69aと、利用側吐出温度センサ157aと、冷媒−水熱交温度センサ158aと、カスケード側液冷媒管温度センサ160aと、貯湯温度センサ165aとが設けられている。第1利用側熱交液側温度センサ61aは、第1利用側熱交換器51aの液側における熱源側冷媒の温度である第1利用側熱交液側温度Tul1aを検出する温度センサである。第2利用側熱交ガス側温度センサ156aは、第2利用側熱交換器151aのガス側における熱源側冷媒の温度である第2利用側熱交ガス側温度Tug2aを検出する温度センサである。第2利用側液冷媒管温度センサ65aは、第2利用側膨張弁152aの上流側における熱源側冷媒の温度Tuv2aを検出する温度センサである。第2利用側熱交液側温度センサ155aは、第2利用側熱交換器151aの液側における熱源側冷媒の温度である第2利用側熱交液側温度Tul2aを検出する温度センサである。水媒体入口温度センサ63aは、冷媒−水熱交換器57aの入口や第2利用側熱交換器151aの入口における水媒体の温度である水媒体入口温度Twraを検出する温度センサである。第1水媒体出口温度センサ64aは、冷媒−水熱交換器57aの出口における水媒体の温度である水媒体出口温度Twl1aを検出する温度センサである。第2水媒体出口温度センサ159aは、第2利用側熱交換器151aの出口における水媒体の温度である水媒体出口温度Twl2aを検出する温度センサである。利用側吸入圧力センサ68aは、利用側圧縮機55aの吸入における利用側冷媒の圧力である利用側吸入圧力Ps2aを検出する圧力センサである。利用側吐出圧力センサ69aは、利用側圧縮機55aの吐出における利用側冷媒の圧力である利用側吐出圧力Pd2aを検出する圧力センサである。利用側吐出温度センサ157aは、利用側圧縮機55aの吐出における利用側冷媒の温度である利用側吐出温度Td2aを検出する温度センサである。冷媒−水熱交温度センサ158aは、冷媒−水熱交換器57aの液側における利用側冷媒の温度であるカスケード側冷媒温度Tpl1aを検出する温度センサである。カスケード側液冷媒管温度センサ160aは、第1利用側熱交換器51aの液側における利用側冷媒の温度Tpl2aを検出する温度センサである。貯湯温度センサ165aは、貯湯タンク161aに溜められる水媒体の温度である貯湯温度Twhaを検出する温度センサである。また、利用ユニット5aは、利用ユニット5aを構成する各部の動作を制御する利用側制御部69aを有している。そして、利用側制御部69aは、利用ユニット5aの制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有している。利用側制御部69aは、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット102の熱源側制御部49との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
−水媒体冷暖房ユニット−
水媒体冷暖房ユニット75a、75b(水媒体利用機器)は、屋内(例えば、集合住宅の各戸やビルの各区画等)に設置されている。水媒体冷暖房ユニット75a、75bは、水媒体連絡管15a、16aを介して利用ユニット5a、5bに接続されており、水媒体回路70a、70bの一部を構成している。尚、水媒体冷暖房ユニット75bの構成は、水媒体冷暖房ユニット75aの構成と同様である。このため、ここでは、水媒体冷暖房ユニット75aの構成のみを説明し、水媒体冷暖房ユニット75bの構成については、水媒体冷暖房ユニット75aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに添字「b」を付して、各部の説明を省略する。
水媒体冷暖房ユニット75aは、主として、熱交換パネル76aを有しており、ラジエータや床冷暖房パネル等を構成している。
熱交換パネル76aは、ラジエータの場合には、室内の壁際等に設けられ、床冷暖房パネルの場合には、室内の床下等に設けられている。熱交換パネル76aは、水媒体回路70aを循環する水媒体の放熱器又は加熱器として機能する熱交換器であり、その入口には、水媒体連絡管16aが接続されており、その出口には、水媒体連絡管15aが接続されている。
−水媒体連絡管−
水媒体連絡管15aは、第1利用側水入口管73aに接続されている。水媒体連絡管15aは、利用ユニット5a外(より具体的には、水媒体冷暖房ユニット75a)から水媒体の加熱器として機能する第1利用側熱交換器51aの入口、又は、水媒体の冷却器として機能する第2利用側熱交換器151aの入口に水媒体を導入することが可能な水媒体管である。
水媒体連絡管16aは、第1利用側水出口管74aに接続されている。水媒体連絡管16aは、水媒体の加熱器として機能する第1利用側熱交換器51aの出口、又は、水媒体の冷却器として機能する第2利用側熱交換器151aの出口から利用ユニット5a外(より具体的には、水媒体冷暖房ユニット75a)に水媒体を導出することが可能な水媒体管である。
そして、利用側制御部69a、69bと熱源側制御部49とによって、ヒートポンプシステム101の運転制御を行う制御部101aが構成されており、以下の運転や各種制御を行うようになっている。
<動作>
次に、ヒートポンプシステム101の動作について説明する。
ヒートポンプシステム101の運転としては、全暖房運転モードと冷暖同時運転モードと全冷房運転モードとがある。全暖房運転モードは、暖房運転や給湯運転(加熱運転)に設定された利用ユニットだけが存在する状態で、暖房運転(及び/又は給湯運転)のみを行う運転モードである。冷暖同時運転モードは、利用ユニット5a、5bの一方が冷房運転(冷却運転)に設定され、かつ、利用ユニット5a、5bの他方が暖房運転(加熱運転)や給湯運転(加熱運転)に設定された状態で、又は、利用ユニット5a、5bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う運転モードである。全冷房運転モードは、冷房運転(冷却運転)に設定された利用ユニットだけが存在する状態で、冷房運転のみを行う運転モードである。また、冷暖同時運転モードについては、利用ユニット5a、5b全体の熱負荷(冷房負荷と暖房負荷の合計)に応じて、冷暖同時運転モード(蒸発主体)と冷暖同時運転モード(放熱主体)とに分けることができる。冷暖同時運転モード(蒸発主体)は、利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在しており、かつ、利用ユニット5a、5bから液冷媒連絡管13を通じて熱源ユニット102に熱源側冷媒が送られる状態になる運転モードである。冷暖同時運転モード(放熱主体)は、利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在しており、かつ、熱源ユニット102から液冷媒連絡管13を通じて利用ユニット5a、5bに熱源側冷媒が送られる状態になる運転モードである。
−全暖房運転モード−
利用ユニット5a、5bの暖房運転(及び/又は給湯運転)のみを行う場合には、熱源側冷媒回路120において、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側蒸発運転状態(図9の第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図9の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。また、吸入戻し膨張弁30a、30bが閉止される。また、第2利用側膨張弁152a、152b及び利用側熱交出口開閉弁154a、154bが閉止される。さらに、冷温水切換機構175a、175b及び暖房給湯切換機構177a、177bは、冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニット75a、75b及び/又は貯湯タンク161a、161bに供給する状態に切り換えられる。尚、ここでは、利用ユニット5a、5bのすべてが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。
このような状態の熱源側冷媒回路120において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、熱源側吐出分岐管21d、第3熱源側切換機構39及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット102から吐出冷媒連絡管12に送られる。
吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット5a、5bに送られる。
利用ユニット5a、5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54a、54bを通じて、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる。第1利用側熱交換器51a、51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて、利用側冷媒回路50a、50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。第1利用側熱交換器51a、51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52a、52b及び利用側熱交出入口接続管53a、53bを通じて、利用ユニット5a、5bから液冷媒連絡管13に送られて合流する。
液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、熱源ユニット102に送られる。熱源ユニット102に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁33及び熱源側液冷媒合流管27を通じて、過冷却器31a、31bに送られる。過冷却器31a、31bに送られた熱源側冷媒は、吸入戻し管29a、29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、熱源側膨張弁28a、28bに送られる。熱源側膨張弁28a、28bに送られた熱源側冷媒は、熱源側膨張弁28a、28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、熱源側液冷媒管27a、27bを通じて、熱源側熱交換器26a、26bに送られる。熱源側熱交換器26a、26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側熱交換器26a、26bにおいて、熱源側ファン36a、36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。熱源側熱交換器26a、26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、熱源側ガス冷媒管24a、24b、熱源側切換機構23a、23b及び熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
一方、利用側冷媒回路50a、50bにおいては、第1利用側熱交換器51a、51bにおける熱源側冷媒の放熱によって利用側冷媒回路50a、50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒が加熱されて蒸発する。第1利用側熱交換器51a、51bにおいて蒸発した低圧の利用側冷媒は、カスケード側ガス冷媒管67a、67bを通じて、利用側アキュムレータ59a、59bに送られる。利用側アキュムレータ59a、59bに送られた低圧の利用側冷媒は、利用側圧縮機55a、55bに吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、カスケード側吐出管60a、60bに吐出される。カスケード側吐出管60a、60bに吐出された高圧の利用側冷媒は、冷媒−水熱交換器57a、57bに送られる。冷媒−水熱交換器57a、57bに送られた高圧の利用側冷媒は、冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて、第1循環ポンプ71a、71bによって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体と熱交換を行って放熱する。冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて放熱した高圧の利用側冷媒は、冷媒−水熱交側膨張弁58a、58bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、カスケード側液冷媒管66a、66bを通じて、再び、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる。
また、水媒体回路70a、70bにおいては、冷媒−水熱交換器57a、57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が加熱される。冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71a、71bによって、第1利用側水出口管74a、74bを通じて、利用ユニット5a、5bから水媒体連絡管16a、16bに送られる。水媒体連絡管16a、16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られる。水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76a、76bにおいて放熱し、これにより、室内の壁際等を加熱したり、室内の床を加熱する。
尚、利用ユニット5a、5bの給湯運転を行う場合には、給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。これにより、冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71a、71bによって、第1利用側水出口管74a、74b及び貯湯タンク側水入口管176a、176bを通じて、貯湯タンク161a、161bに供給される。そして、熱交換コイル162a、162bにおいて、貯湯タンク161a、161b内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク161a、161b内の水媒体を加熱する。
また、利用ユニット5a、5bの暖房運転と給湯運転とを同時に行う場合には、暖房運転と給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が水媒体冷暖房ユニット及び貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。
このようにして、利用ユニット5a、5bの暖房運転(及び/又は給湯運転)のみを行う全暖房運転モードにおける動作が行われる。
−冷暖同時運転モード(蒸発主体)−
利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在している場合には、熱源側冷媒回路120において、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図9の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図9の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図9の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。そして、利用ユニット5a、5bのうち冷房運転に設定される利用ユニットについては、第1利用側膨張弁が閉止され、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。一方、利用ユニット5a、5bのうち暖房運転(及び/又は給湯運転)に設定される利用ユニットについては、第2利用側膨張弁及び利用側熱交出口開閉弁が閉止され、冷温水切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。尚、ここでは、第1熱源側切換機構23aが熱源側放熱運転状態に切り換えられ、第2熱源側切換機構23bが熱源側蒸発運転状態に切り換えられ、吸入戻し膨張弁30bが閉止されたものとして説明する。また、利用ユニット5aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5bが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。
このような状態の熱源側冷媒回路120において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が第1熱源側切換機構23a及び第1熱源側ガス冷媒管24aを通じて、第1熱源側熱交換器26aに送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット102から吐出冷媒連絡管12に送られる。第1熱源側熱交換器26aに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側熱交換器26aにおいて、第1熱源側ファン36aによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。第1熱源側熱交換器26aにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側膨張弁28aを通じて、第1過冷却器31aに送られる。第1過冷却器31aに送られた熱源側冷媒は、第1熱源側液冷媒管27aから第1吸入戻し管29aに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。第1過冷却器31aにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27aを通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られる。
吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、利用ユニット5bに送られる。
利用ユニット5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54bを通じて、第1利用側熱交換器51bに送られる。第1利用側熱交換器51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51bにおいて、利用側冷媒回路50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。第1利用側熱交換器51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52b及び利用側熱交出入口接続管53bを通じて、利用ユニット5bから液冷媒連絡管13に送られる。
利用ユニット5bから液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、その一部が利用ユニット5aに送られ、残りが熱源ユニット102に送られる。
液冷媒連絡管13から利用ユニット5aに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152aに送られる。第2利用側膨張弁152aに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152aにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53aを通じて、第2利用側熱交換器151aに送られる。第2利用側熱交換器151aに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151aにおいて、第2循環ポンプ171aによって水媒体回路70aを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。第2利用側熱交換器151aにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a及び第2利用側ガス冷媒管153aを通じて、利用ユニット5aから吸入冷媒連絡管14に送られる。
吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット102に送られる。熱源ユニット102に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25に送られる。また、液冷媒連絡管13から熱源ユニット102に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁33を通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られて、第1熱源側液冷媒管27aからの熱源側冷媒と合流する。熱源側液冷媒合流管27において合流した液冷媒は、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2過冷却器31bに送られる。第2過冷却器31bに送られた熱源側冷媒は、第2吸入戻し管29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、第2熱源側膨張弁28bに送られる。第2熱源側膨張弁28bに送られた熱源側冷媒は、第2熱源側膨張弁28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2熱源側熱交換器26bに送られる。第2熱源側熱交換器26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側熱交換器26bにおいて、第2熱源側ファン36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。第2熱源側熱交換器26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側ガス冷媒管24b、第2熱源側切換機構23b及び連通管38を通じて、熱源側ガス冷媒管25に送られて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット102に送られた熱源側冷媒と合流する。熱源側ガス冷媒管25において合流した低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
一方、水媒体回路70aにおいては、第2利用側熱交換器151aにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70aを循環する水媒体が冷却される。第2利用側熱交換器151aにおいて冷却された水媒体は、第2循環ポンプ171aによって、第2利用側水出口管174a及び第1利用側水出口管74aを通じて、利用ユニット5aから水媒体連絡管16aに送られる。水媒体連絡管16aに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75aに送られる。水媒体冷暖房ユニット75aに送られた水媒体は、熱交換パネル76aにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。
また、水媒体回路70bにおいては、冷媒−水熱交換器57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70bを循環する水媒体が加熱される。冷媒−水熱交換器57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71bによって、第1利用側水出口管74bを通じて、利用ユニット5bから水媒体連絡管16bに送られる。水媒体連絡管16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75bに送られる。水媒体冷暖房ユニット75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76bにおいて放熱し、これにより、室内の壁際等を加熱したり、室内の床を加熱する。
尚、利用ユニット5a、5bの給湯運転を行う場合には、給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。これにより、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体は、第1循環ポンプによって、第1利用側水出口管及び貯湯タンク側水入口管を通じて、貯湯タンクに供給される。そして、熱交換コイルにおいて、貯湯タンク内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク内の水媒体を加熱する。
また、利用ユニット5a、5bの暖房運転と給湯運転とを同時に行う場合には、暖房運転と給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が水媒体冷暖房ユニット及び貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。
このようにして、利用ユニット5a、5bの一方が冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5a、5bの他方が暖房運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(蒸発主体)における動作が行われる。
また、利用ユニット5a、5bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態にすることもできる。この場合には、熱源側冷媒回路120については、上記と同様に、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図9の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図9の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図9の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。そして、利用ユニット5a、5bのうち冷房給湯運転に設定される利用ユニットについては、第1及び第2利用側膨張弁が開けられ、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられ、暖房給湯切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を貯湯タンクに供給する状態に切り換えられる。尚、ここでは、利用ユニット5a、5bのすべてが冷房給湯運転に設定された状態であるものとして説明する。
このような状態の熱源側冷媒回路120において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が第1熱源側切換機構23a及び第1熱源側ガス冷媒管24aを通じて、第1熱源側熱交換器26aに送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット102から吐出冷媒連絡管12に送られる。第1熱源側熱交換器26aに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側熱交換器26aにおいて、第1熱源側ファン36aによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。第1熱源側熱交換器26aにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側膨張弁28aを通じて、第1過冷却器31aに送られる。第1過冷却器31aに送られた熱源側冷媒は、第1熱源側液冷媒管27aから第1吸入戻し管29aに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。第1過冷却器31aにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27aを通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られる。
吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット5a、5bに送られる。
利用ユニット5a、5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54a、54bを通じて、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる。第1利用側熱交換器51a、51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて、利用側冷媒回路50a、50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。第1利用側熱交換器51a、51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52a、52bを通じて、利用側熱交出入口接続管53a、53bに送られる。利用側熱交出入口接続管53a、53bに送られた熱源側冷媒は、その一部が液冷媒連絡管13に送られて合流し、残りが第2利用側膨張弁152a、152bに送られる。
液冷媒連絡管13に送られて合流した熱源側冷媒は、熱源ユニット102に送られる。
第2利用側膨張弁152a、152bに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53a、53bを通じて、第2利用側熱交換器151a、151bに送られる。第2利用側熱交換器151a、151bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて、第2循環ポンプ171a、171bによって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。第2利用側熱交換器151a、151bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a、154b及び第2利用側ガス冷媒管153a、153bを通じて、利用ユニット5a、5bから吸入冷媒連絡管14に送られて合流する。
吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット102に送られる。熱源ユニット102に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25に送られる。また、液冷媒連絡管13から熱源ユニット102に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁33を通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られて、第1熱源側液冷媒管27aからの熱源側冷媒と合流する。熱源側液冷媒合流管27において合流した液冷媒は、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2過冷却器31bに送られる。第2過冷却器31bに送られた熱源側冷媒は、第2吸入戻し管29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、第2熱源側膨張弁28bに送られる。第2熱源側膨張弁28bに送られた熱源側冷媒は、第2熱源側膨張弁28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2熱源側熱交換器26bに送られる。第2熱源側熱交換器26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側熱交換器26bにおいて、第2熱源側ファン36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。第2熱源側熱交換器26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側ガス冷媒管24b、第2熱源側切換機構23b及び連通管38を通じて、熱源側ガス冷媒管25に送られて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット102に送られた熱源側冷媒と合流する。熱源側ガス冷媒管25において合流した低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
一方、水媒体回路70a、70bにおいては、第2利用側熱交換器151a、151bにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が冷却される。第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体は、第2循環ポンプ171a、171bによって、第2利用側水出口管174a、174b及び第1利用側水出口管74a、74bを通じて、利用ユニット5a、5bから水媒体連絡管16a、16bに送られる。水媒体連絡管16a、16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られる。水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76a、76bにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。
また、水媒体回路70a、70bにおいては、冷媒−水熱交換器57a、57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が加熱される。冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71a、71bによって、第1利用側水出口管74a、74b及び貯湯タンク側水入口管176a、176bを通じて、貯湯タンク161a、161bに供給される。そして、熱交換コイル162a、162bにおいて、貯湯タンク161a、161b内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク161a、161b内の水媒体を加熱する。
このようにして、利用ユニット5a、5bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(蒸発主体)における動作が行われる。
−冷暖同時運転モード(放熱主体)−
利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在している場合には、熱源側冷媒回路120において、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図9の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図9の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図9の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。そして、利用ユニット5a、5bのうち冷房運転に設定される利用ユニットについては、第1利用側膨張弁が閉止され、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。一方、利用ユニット5a、5bのうち暖房運転(及び/又は給湯運転)に設定される利用ユニットについては、第2利用側膨張弁及び利用側熱交出口開閉弁が閉止され、冷温水切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。尚、ここでは、第1熱源側切換機構23aが熱源側放熱運転状態に切り換えられ、第2熱源側切換機構23bが熱源側蒸発運転状態に切り換えられ、吸入戻し膨張弁30bが閉止されたものとして説明する。また、利用ユニット5aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5bが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。
このような状態の熱源側冷媒回路120において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が第1熱源側切換機構23a及び第1熱源側ガス冷媒管24aを通じて、第1熱源側熱交換器26aに送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット102から吐出冷媒連絡管12に送られる。第1熱源側熱交換器26aに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側熱交換器26aにおいて、第1熱源側ファン36aによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。第1熱源側熱交換器26aにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側膨張弁28aを通じて、第1過冷却器31aに送られる。第1過冷却器31aに送られた熱源側冷媒は、第1熱源側液冷媒管27aから第1吸入戻し管29aに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。第1過冷却器31aにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27aを通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られる。熱源側液冷媒合流管27に送られた高圧の熱源側冷媒は、その一部が液側閉鎖弁33を通じて液冷媒連絡管13に送られ、残りが第2熱源側液冷媒管27bに送られる。
吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、利用ユニット5bに送られる。
利用ユニット5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54bを通じて、第1利用側熱交換器51bに送られる。第1利用側熱交換器51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51bにおいて、利用側冷媒回路50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。第1利用側熱交換器51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52b及び利用側熱交出入口接続管53bを通じて、利用ユニット5a、5bから液冷媒連絡管13に送られて、熱源ユニット102からから液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒と合流する。
液冷媒連絡管13において合流した熱源側冷媒は、利用ユニット5aに送られる。
利用ユニット5aに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152aに送られる。第2利用側膨張弁152aに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152aにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53aを通じて、第2利用側熱交換器151aに送られる。第2利用側熱交換器151aに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151aにおいて、循環ポンプ71aによって水媒体回路70aを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。第2利用側熱交換器151aにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a及び第2利用側ガス冷媒管153aを通じて、利用ユニット5aから吸入冷媒連絡管14に送られる。
吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット102に送られる。熱源ユニット102に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25に送られる。また、熱源側液冷媒合流管27から第2熱源側液冷媒管27bに送られた熱源側冷媒は、第2過冷却器31bに送られる。第2過冷却器31bに送られた熱源側冷媒は、第2吸入戻し管29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、第2熱源側膨張弁28bに送られる。第2熱源側膨張弁28bに送られた熱源側冷媒は、第2熱源側膨張弁28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2熱源側熱交換器26bに送られる。第2熱源側熱交換器26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側熱交換器26bにおいて、第2熱源側ファン36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。第2熱源側熱交換器26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側ガス冷媒管24b、第2熱源側切換機構23b及び連通管38を通じて、熱源側ガス冷媒管25に送られて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット102に送られた熱源側冷媒と合流する。熱源側ガス冷媒管25において合流した低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
一方、水媒体回路70aにおいては、第2利用側熱交換器151aにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70aを循環する水媒体が冷却される。第2利用側熱交換器151aにおいて冷却された水媒体は、第2循環ポンプ171aによって、第2利用側水出口管174aを通じて、第2利用側水出口管174a及び第1利用側水出口管74aを通じて、利用ユニット5aから水媒体連絡管16aに送られる。水媒体連絡管16aに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75aに送られる。水媒体冷暖房ユニット75aに送られた水媒体は、熱交換パネル76aにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。
また、水媒体回路70bにおいては、冷媒−水熱交換器57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70bを循環する水媒体が加熱される。冷媒−水熱交換器57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71bによって、第1利用側水出口管74bを通じて、利用ユニット5bから水媒体連絡管16bに送られる。水媒体連絡管16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75bに送られる。水媒体冷暖房ユニット75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76bにおいて放熱し、これにより、室内の壁際等を加熱したり、室内の床を加熱する。
尚、利用ユニット5a、5bの給湯運転を行う場合には、給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。これにより、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体は、第1循環ポンプによって、第1利用側水出口管及び貯湯タンク側水入口管を通じて、貯湯タンクに供給される。そして、熱交換コイルにおいて、貯湯タンク内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク内の水媒体を加熱する。
また、利用ユニット5a、5bの暖房運転と給湯運転とを同時に行う場合には、暖房運転と給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が水媒体冷暖房ユニット及び貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。
このようにして、利用ユニット5a、5bの一方が冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5a、5bの他方が暖房運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(放熱主体)における動作が行われる。
また、利用ユニット5a、5bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態にすることもできる。この場合には、熱源側冷媒回路120については、上記と同様に、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図9の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図9の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図9の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。そして、利用ユニット5a、5bのうち冷房給湯運転に設定される利用ユニットについては、第1及び第2利用側膨張弁が開けられ、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられ、暖房給湯切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を貯湯タンクに供給する状態に切り換えられる。尚、ここでは、利用ユニット5a、5bのすべてが冷房給湯運転に設定された状態であるものとして説明する。
このような状態の熱源側冷媒回路120において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が第1熱源側切換機構23a及び第1熱源側ガス冷媒管24aを通じて、第1熱源側熱交換器26aに送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット102から吐出冷媒連絡管12に送られる。第1熱源側熱交換器26aに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側熱交換器26aにおいて、第1熱源側ファン36aによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。第1熱源側熱交換器26aにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側膨張弁28aを通じて、第1過冷却器31aに送られる。第1過冷却器31aに送られた熱源側冷媒は、第1熱源側液冷媒管27aから第1吸入戻し管29aに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。第1過冷却器31aにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27aを通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られる。熱源側液冷媒合流管27に送られた高圧の熱源側冷媒は、その一部が液側閉鎖弁33を通じて液冷媒連絡管13に送られ、残りが第2熱源側液冷媒管27bに送られる。
吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット5a、5bに送られる。
吐出冷媒連絡管12から利用ユニット5a、5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54a、54bを通じて、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる。第1利用側熱交換器51a、51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて、利用側冷媒回路50a、50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。第1利用側熱交換器51a、51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52a、52bを通じて、利用側熱交出入口接続管53a、53bに送られる。
液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット5a、5bに送られる。
液冷媒連絡管13から利用ユニット5a、5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出入口接続管53a、53bにおいて、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて放熱した熱源側冷媒と合流する。利用側熱交出入口接続管53a、53bにおいて合流した熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bに送られる。第2利用側膨張弁152a、152bに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53a、53bを通じて、第2利用側熱交換器151a、151bに送られる。第2利用側熱交換器151a、151bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて、第2循環ポンプ171a、171bによって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。第2利用側熱交換器151a、151bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a、154b及び第2利用側ガス冷媒管153a、153bを通じて、利用ユニット5a、5bから吸入冷媒連絡管14に送られて合流する。
吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット102に送られる。熱源ユニット102に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25に送られる。また、熱源側液冷媒合流管27から第2熱源側液冷媒管27bに送られた熱源側冷媒は、第2過冷却器31bに送られる。第2過冷却器31bに送られた熱源側冷媒は、第2吸入戻し管29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、第2熱源側膨張弁28bに送られる。第2熱源側膨張弁28bに送られた熱源側冷媒は、第2熱源側膨張弁28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2熱源側熱交換器26bに送られる。第2熱源側熱交換器26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側熱交換器26bにおいて、第2熱源側ファン36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。第2熱源側熱交換器26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側ガス冷媒管24b、第2熱源側切換機構23b及び連通管38を通じて、熱源側ガス冷媒管25に送られて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット102に送られた熱源側冷媒と合流する。熱源側ガス冷媒管25において合流した低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
一方、水媒体回路70a、70bにおいては、第2利用側熱交換器151a、151bにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が冷却される。第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体は、第2循環ポンプ171a、171bによって、第2利用側水出口管174a、174b及び第1利用側水出口管74a、74bを通じて、利用ユニット5a、5bから水媒体連絡管16a、16bに送られる。水媒体連絡管16a、16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られる。水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76a、76bにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。
また、水媒体回路70a、70bにおいては、冷媒−水熱交換器57a、57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が加熱される。冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71a、71bによって、第1利用側水出口管74a、74b及び貯湯タンク側水入口管176a、176bを通じて、貯湯タンク161a、161bに供給される。そして、熱交換コイル162a、162bにおいて、貯湯タンク161a、161b内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク161a、161b内の水媒体を加熱する。
このようにして、利用ユニット5a、5bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(放熱主体)における動作が行われる。
−全冷房運転モード−
利用ユニット5a、5bの冷房運転のみを行う場合には、熱源側冷媒回路120において、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態(図9の第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられる。第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図9の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。また、第1利用側膨張弁52a、52bが閉止され、利用側熱交出口開閉弁154a、154bが開けられる。さらに、冷温水切換機構175a、175bは、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニット75a、75bに供給する状態に切り換えられる。尚、ここでは、利用ユニット5a、5bのすべてが冷房運転に設定された状態であるものとして説明する。
このような状態の熱源側冷媒回路120において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、熱源側切換機構23a、23b及び熱源側ガス冷媒管24a、24bを通じて、熱源側熱交換器26a、26bに送られる。熱源側熱交換器26a、26bに送られた高圧の熱源側冷媒は、熱源側熱交換器26a、26bにおいて、熱源側ファン36a、36bによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。熱源側熱交換器26a、26bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、熱源側膨張弁28a、28bを通じて、過冷却器31a、31bに送られる。過冷却器31a、31bに送られた熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27a、27bから吸入戻し管29a、29bに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。吸入戻し管29a、29bを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。過冷却器31a、31bにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27a、27b、熱源側液冷媒合流管27及び液側閉鎖弁33を通じて、熱源ユニット102から液冷媒連絡管13に送られる。
液冷媒連絡管13に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット5a、5bに送られる。
利用ユニット5a、5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bに送られる。第2利用側膨張弁152a、152bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53a、53bを通じて、第2利用側熱交換器151a、151bに送られる。第2利用側熱交換器151a、151bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて、第2循環ポンプ171a、171bによって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。第2利用側熱交換器151a、151bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a、154b及び第2利用側ガス冷媒管153a、153bを通じて、利用ユニット5a、5bから吸入冷媒連絡管14に送られて合流する。
吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット102に送られる。熱源ユニット102に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。
一方、水媒体回路70a、70bにおいては、第2利用側熱交換器151a、151bにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が冷却される。第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体は、第2循環ポンプ171a、171bによって、第2利用側水出口管174a、174b及び第1利用側水出口管74a、74bを通じて、利用ユニット5a、5bから水媒体連絡管16a、16bに送られる。水媒体連絡管16a、16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られる。水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76a、76bにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。
このようにして、利用ユニット5a、5bの冷房運転のみを行う全冷房運転モードにおける動作が行われる。
<熱源ユニット消費電力按分システム>
上記のヒートポンプシステム101は、集合住宅やビル等に設置されるため、利用ユニット5a、5bを使用するユーザーが同一でない場合がある。この場合には、利用ユニット5a、5bに共通に設けられている熱源ユニット102の消費電力Wrを、ユーザー間において共同で負担する必要がある。しかし、ユーザーによって利用ユニット5a、5bの能力、使用頻度又は設定温度等が異なるため、熱源ユニット102の消費電力を各ユーザーが公平に負担するためには、専用の熱源ユニット消費電力按分システムが必要となる。また、各利用ユニット5a、5bは、1つの利用ユニット内で冷房運転(冷却運転)及び給湯運転(加熱運転)を同時に行う運転(すなわち、冷房給湯運転)を行うことが可能である。このため、各利用ユニット5a、5b内で生じる排熱回収の効果を考慮して、熱源ユニットの消費電力Wrを按分する必要がある。
そこで、ここでは、ヒートポンプシステム101に対して、以下のような熱源ユニット消費電力按分システム110を適用している。
−全体−
図10は、熱源ユニット消費電力按分システム110のシステム構成図である。熱源ユニット消費電力按分システム110は、主として、熱源ユニット電力計17と、制御部101aと、インターフェイス装置18と、演算装置119とを有している。
熱源ユニット電力計17は、熱源ユニット102の消費電力Wrを検出する機器であり、検出された消費電力Wrを演算装置119に送信できるようになっている。
制御部101aは、上記のように、熱源側制御部49と、利用側制御部69a、69bとからなり、ヒートポンプシステム101(ここでは、熱源ユニット102及び利用ユニット5a、5b)の運転データや機器情報等を演算装置119に送信できるようになっている。
インターフェイス装置18は、熱源ユニット電力計17や制御部101aから演算装置119へ運転データや機器情報等を送信するために、熱源ユニット電力計17や制御部101aと演算装置119との間に介在している。
演算装置119は、熱源ユニット電力計17や制御部101aからの運転データや機器情報等を受信して、消費電力Wrを各ユーザーに按分する処理を行うコンピュータである。演算装置119は、使用熱量演算部119aと、補正熱量演算部119bと、電力按分部119cとを有している。尚、ここでは、使用熱量演算部119a及び補正熱量演算部119bは、演算装置119に設けられているが、制御部101aに設けられていてもよい。この場合には、後述の利用側使用熱量のデータを制御部101aから演算装置119に送信することになる。
−使用熱量演算部、補正熱量演算部−
使用熱量演算部119aは、各利用ユニット5a、5bにおける冷房運転(冷却運転)や暖房運転及び/又は給湯運転(加熱運転)の使用熱量である利用側使用熱量を演算する。補正熱量演算部119bは、利用側使用熱量に対して、各利用ユニット5a、5bが冷房運転又は暖房運転(及び/又は給湯運転)だけを行ったものと想定した場合の性能期待値に基づく補正を行う。また、補正熱量演算部119bは、各利用ユニット5a、5bにおいて冷房給湯運転を行っている場合には、性能期待値に基づく補正を行った後に、冷房運転の利用側使用熱量と給湯運転の利用側使用熱量とを比較して大きいほうを利用ユニットの利用側使用熱量とする処理を行う。
このような使用熱量演算部119a及び補正熱量演算部119bにおける利用側使用熱量の演算及びその補正等の処理は、以下のように行われる。
まず、使用熱量演算部119aは、制御部101aからインターフェイス装置18を介して演算装置119に送信されたヒートポンプシステム101の運転データや機器情報等を得る。
次に、使用熱量演算部119aは、ヒートポンプシステム101の運転データ等を使用して、冷房運転又は冷房給湯運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量qcと、暖房運転(及び/又は給湯運転)を行っている利用ユニットの利用側使用熱量qhを演算する。尚、各利用ユニットが冷房運転、暖房運転(及び/又は給湯運転)、冷房給湯運転のいずれを行っているかは、例えば、第1利用側膨張弁52a、52bや第2利用側膨張弁152a、152b、暖房給湯切換機構177a、暖房給湯切換機構177aの開閉状態等のような各利用ユニットの運転状態を示す運転データや機器情報等に基づいて判定される。
冷房運転又は冷房給湯運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量qcは、第2利用側膨張弁152a、152bの流量特性、及び、第2利用側熱交換器151a、151bの出入口の熱源側冷媒の温度や圧力の運転データ等に基づいて演算される。例えば、利用側使用熱量qcは、次式にしたがって演算することができる。尚、利用側使用熱量qcの演算は、ヒートポンプシステム101における運転データ等に基づいて演算されるものであればよく、下記の演算式に限定されるものではない。
qc=qc×(hco−hci)
ここで、qcは、冷房運転時又は冷房給湯運転時に第2利用側熱交換器151a、151bを通過する熱源側冷媒の流量(冷房時利用側熱交流量)である。hcoは、冷房運転時に第2利用側熱交換器151a、151bの熱源側冷媒の出口における熱源側冷媒のエンタルピ(冷房時出口エンタルピ)である。hciは、冷房運転時に第2利用側熱交換器151a、151bの熱源側冷媒の入口における熱源側冷媒のエンタルピ(冷房時入口エンタルピ)である。
冷房時利用側熱交流量Gcは、第2利用側膨張弁152a、152bの流量特性の1つである容量係数や第2利用側膨張弁152a、152bの出入口の熱源側冷媒の圧力等から演算することができる。
Gc=k1×Cv×((Pvi−Pvo)×ρl)^0.5
ここで、k1は係数である。Cvは、冷房運転時又は冷房給湯運転時における第2利用側膨張弁152a、152bの容量係数(冷房時容量係数)であり、冷房運転時又は冷房給湯運転時にの第2利用側膨張弁152a、152bの開度OPvを利用側膨張弁152a、152bの全開時の容量係数Cvxに基づいて換算することによって得られる。Pviは、冷房運転時又は冷房給湯運転時にの第2利用側膨張弁152a、152bの入口における熱源側冷媒の圧力(利用側膨張弁入口圧力)であり、第2利用側液冷媒管温度Tuv2a、Tuv2bを飽和圧力に換算することによって得られる。また、熱源側吐出圧力Pd1を第2利用側膨張弁入口圧力Pviとして使用することもできる。Pvoは、冷房運転時又は冷房給湯運転時にの第2利用側膨張弁152a、152bの出口における熱源側冷媒の圧力(利用側膨張弁出口圧力)であり、第2利用側熱交液側温度Tul2a、Tul2bを飽和圧力に換算することによって得られる。ρlは、冷房運転時又は冷房給湯運転時にの第2利用側膨張弁152a、152bの入口における熱源側冷媒の液密度であり、熱源側吐出圧力Pd1又は第2利用側膨張弁入口圧力Pvi及び第2利用側液冷媒管温度Tuv2a、Tuv2bを液密度に換算することによって得られる。
冷房時出口エンタルピhcoは、熱源側吸入圧力Ps1又は利用側膨張弁出口圧力Pvo及び第2利用側熱交ガス側温度Tug2a、Tug2bを熱源側冷媒のエンタルピに換算することによって得られる。冷房時入口エンタルピhciは、熱源側吐出圧力Pd1又は第2利用側膨張弁入口圧力Pvi及び第2利用側液冷媒管温度Tuv2a、Tuv2bを熱源側冷媒のエンタルピに換算することによって得られる。
また、暖房運転(及び/又は給湯運転)又は冷房給湯運転を行っている利用ユニットの利用側使用熱量qhも、第1利用側膨張弁52a、52bの流量特性、及び、第1利用側熱交換器51a、51bの出入口の熱源側温度や圧力の運転データ等に基づいて演算される。例えば、利用側使用熱量qhは、次式にしたがって演算することができる。尚、利用側使用熱量qhの演算は、ヒートポンプシステム101における運転データ等に基づいて演算されるものであればよく、下記の演算式に限定されるものではない。
qh=Gh×(hhi−hho)
ここで、Ghは、暖房運転(及び/又は給湯運転)時又は冷房給湯運転時に第1利用側熱交換器5a、5bを通過する熱源側冷媒の流量(暖房時利用側熱交流量)である。hhiは、暖房運転(及び/又は給湯運転)時又は冷房給湯運転時に第1利用側熱交換器51a、51bの熱源側冷媒の入口における熱源側冷媒のエンタルピ(暖房時入口エンタルピ)である。hhoは、暖房運転(及び/又は給湯運転)時又は冷房給湯運転時に第1利用側熱交換器51a、51bの熱源側冷媒の出口における熱源側冷媒のエンタルピ(暖房時出口エンタルピ)である。
暖房時利用側熱交流量Ghは、第2利用側膨張弁52a、52bの流量特性の1つである容量係数や第2利用側膨張弁52a、52bの出入口の熱源側冷媒の圧力等から演算することができる。
Gh=k1×Cv×((Pvi−Pvo)×ρl)^0.5
ここで、k1は係数である。Cvは、暖房運転(及び/又は給湯運転)時又は冷房給湯運転時における第1利用側膨張弁52a、52bの容量係数(暖房時容量係数)であり、暖房運転(及び/又は給湯運転)時又は冷房給湯運転時の第2利用側膨張弁52a、52bの開度OPvを第2利用側膨張弁52a、52bの全開時の容量係数Cvxに基づいて換算することによって得られる。Pviは、暖房運転(及び/又は給湯運転)時又は冷房給湯運転時の第2利用側膨張弁52a、52bの入口における熱源側冷媒の圧力(第1利用側膨張弁入口圧力)であり、第1利用側熱交液側温度Tul1a、Tul1bを飽和圧力に換算することによって得られる。Pvoは、暖房運転(及び/又は給湯運転)時又は冷房給湯運転時の第2利用側膨張弁52a、52bの出口における熱源側冷媒の圧力(第1利用側膨張弁出口圧力)であり、第2利用側液冷媒管温度Tuv2a〜Tuv2cを飽和圧力に換算することによって得られる。ρlは、暖房運転(及び/又は給湯運転)時又は冷房給湯運転時の第2利用側膨張弁52a、52bの入口における熱源側冷媒の液密度であり、第1利用側膨張弁入口圧力Pvi及び第1利用側熱交液側温度Tul1a、Tul1bを液密度に換算することによって得られる。尚、暖房時利用側熱交流量Ghは、上記の手法に限定されず、例えば、利用側圧縮機55a、55bの性能特性と運転周波数(又は、回転数)等から演算してもよい。
暖房時入口エンタルピhhiは、第1利用側膨張弁入口圧力Pvi及び熱源側吐出温度Td1を熱源側冷媒のエンタルピに換算することによって得られる。暖房時出口エンタルピhhoは、第1利用側膨張弁入口圧力Pvi及び第1利用側熱交液側温度Tul1a、Tul1bを熱源側冷媒のエンタルピに換算することによって得られる。尚、エンタルピ差(hhi−hho)は、第1利用側熱交換器51a、51bにおける熱源側冷媒の出入口のエンタルピ差ではなく、第1利用側熱交換器51a、51bにおける利用側冷媒の出入口のエンタルピ差であってもよい。
次に、補正熱量演算部119bは、演算された利用側使用熱量qc、qhに対して、補正係数kc、khを乗算することによって、補正後の利用側使用熱量qc’、qh’を得る。
すなわち、冷房運転又は冷房給湯運転の利用側使用熱量qcについては、次式によって、補正後の利用側使用熱量qc’を演算する。
qc’=qc×kc
また、暖房運転(及び/又は給湯運転)又は冷房給湯運転の利用側使用熱量qhについては、次式によって、補正後の利用側使用熱量qh’を演算する。
qh’=qh×kh
ここで、補正係数kc、khは、各利用ユニット5a、5bが冷房運転又は暖房運転(及び/又は給湯運転)だけを行ったものと想定した場合の性能期待値に基づいて得られる値である。ここでは、性能期待値として、第1実施形態と同様に、ヒートポンプシステム101の成績係数(COP)の期待値を使用している(図3参照)。尚、「期待値」という文言を使用しているのは、冷房運転と暖房運転とを同時に行っている運転状態では得られない成績係数であることを考慮したものである。また、成績係数の期待値は、外気温度Taの影響を受けるため、外気温度Taに応じて変化する値として関数化又はマップ化されて準備されている。
そして、冷房補正係数kcは、冷房運転だけを行ったものと想定した場合の成績係数COPcの逆数(1/COPc)として表される。また、暖房補正係数khは、暖房運転だけを行ったものと想定した場合の成績係数COPhの逆数(1/COPh)として表される。尚、第1実施形態の変形例2と同様に、利用側使用熱量qc及び利用側使用熱量qhの両方を必ずしも補正する必要はない。例えば、暖房補正係数khを冷房補正係数kcで除算した値を冷暖補正係数khcとして、利用側使用熱量qhに乗算するようにしてもよい。また、冷房補正係数kcを暖房補正係数khで除算した値を冷暖補正係数kchとして、利用側使用熱量qcに乗算するようにしてもよい。
そして、上記の補正によって得られた補正後の利用側使用熱量qc’、qh’を各利用ユニット5a、5bの利用側使用熱量Qa、Qbとする。
但し、各利用ユニット5a、5bにおいて冷房給湯運転が行われている場合には、各利用ユニット5a、5b内で排熱回収の効果が生じることになる。このため、同一利用ユニット内における冷房運転の利用側使用熱量qc’と給湯運転の利用側使用熱量qh’とを単純に加算してしまうと、同一利用ユニット内での排熱回収の効果が考慮されないことになる。
そこで、ここでは、冷房給湯運転を行っている利用ユニットについては、冷房運転の利用側使用熱量qc’と給湯運転の利用側使用熱量qh’とを比較して、いずれか大きいほうを利用側使用熱量Qa、Qbとするようにしている。
−電力按分部−
電力按分部119cは、補正後の利用側使用熱量Qa、Qbに応じて、熱源ユニット102の消費電力Wrを各ユーザー(ここでは、各利用ユニット5a、5bのユーザーをユーザーA、Bとする)に按分する。
このような電力按分部119cにおける熱源ユニット102の消費電力Wrの按分の処理は、以下のようにして行われる。
まず、電力按分部119cは、熱源ユニット電力計17からインターフェイス装置18を介して演算装置119に送信された熱源ユニット102の消費電力Wrのデータを得る。
次に、電力按分部119cは、使用熱量演算部119a及び補正熱量演算部119bにおいて得られた各利用ユニット5a、5bの補正後の利用側使用熱量Qa、Qbを使用して、各利用ユニット5a、5bのユーザーA、Bに熱源ユニット102の消費電力Wrを按分する。例えば、ユーザーAに対する熱源ユニット102の消費電力Wrを按分電力Wraは、次式で表される。
Wra=Wr×Qa/Σ(Qa、Qb)
ここで、Σ(Qa、Qb)は、補正後の利用側使用熱量Qa、Qbの積算値を意味している(すなわち、ここでは、Qa+Qbを意味する)。また、ユーザーBに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wrbも、按分電力Wraと同様に演算することができる。
−具体例−
上記の熱源ユニット消費電力按分システム110を使用して、熱源ユニット102の消費電力Wrを利用ユニット5a、5bを使用するユーザーA、Bに按分した場合の具体例を説明する。
まず、利用ユニット5a、5bがすべて冷房運転(冷却運転)を行っている場合について説明する。ここでは、ユーザーAが利用側使用熱量qca=3.0の冷房運転、及び、ユーザーBが利用側使用熱量qcb=3.0の冷房運転を行ったものとし、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPcの期待値が3.75(すなわち、冷房補正係数kc=1/3.75)であるものとする。ここでは、説明の便宜上、利用側使用熱量qca、qcbを無次元数で表している。この場合には、ユーザーAの補正後の利用側使用熱量Qa(qca’)が0.8になり、ユーザーBの補正後の利用側使用熱量Qb(qcb’)が0.8になる。このため、各ユーザーA、Bに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrbは、それぞれ、0.5Wr、0.5Wrとなる。尚、仮に、この場合において、利用側使用熱量qca、qcbの補正を行わずに熱源ユニット102の消費電力Wrを按分した場合でも、各ユーザーA、Bに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrbは、それぞれ、0.5Wr、0.5Wrとなる。
次に、利用ユニット5a、5bがすべて暖房運転及び/又は給湯運転(加熱運転)を行っている場合について説明する。ここでは、ユーザーAが利用側使用熱量qha=3.0の暖房運転(及び/又は給湯運転)、及び、ユーザーBが利用側使用熱量qhb=3.0の暖房運転(及び/又は給湯運転)を行ったものとし、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPhの期待値が5.0(すなわち、暖房補正係数kh=1/5.0)であるものとする。ここでは、説明の便宜上、利用側使用熱量qha、qhbを無次元数で表している。この場合には、ユーザーAの補正後の利用側使用熱量Qa(qha’)が0.6になり、ユーザーBの補正後の利用側使用熱量Qb(qcb’)が0.6になる。このため、各ユーザーA、Bに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrbは、それぞれ、0.5Wr、0.5Wrとなる。尚、仮に、この場合において、利用側使用熱量qha、qhbの補正を行わずに熱源ユニット102の消費電力Wrを按分した場合でも、各ユーザーA、Bに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrbは、それぞれ、0.5Wr、0.5Wrとなる。
次に、冷房運転と暖房運転とが同時に行われている場合(利用ユニット間で冷房運転と暖房運転及び/又は給湯運転とが混在して行われている場合)について説明する。ここでは、まず、ユーザーAが利用側使用熱量qha=6.0の暖房運転(及び/又は給湯運転)、及び、ユーザーBが利用側使用熱量qcb=3.0の冷房運転を行ったものとする。ここでは、説明の便宜上、利用側使用熱量qha、qcbを無次元数で表している。この場合には、ユーザーA(すなわち、利用ユニット5a)が単独で暖房運転(及び/又は給湯運転)だけを行ったものと想定し、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPhの期待値が5.0(すなわち、暖房補正係数kh=1/5.0)であるものとすると、ユーザーAの補正後の利用側使用熱量Qa(qha’)が1.2になる。また、ユーザーB(すなわち、利用ユニット5b)が単独で冷房運転だけを行ったものと想定し、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPcの期待値が3.75(すなわち、冷房補正係数kc=1/3.75)であるものとすると、ユーザーBの補正後の利用側使用熱量Qb(qcb’)が0.8になる。このため、各ユーザーA、Bに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrbは、それぞれ、0.6Wr、0.4Wrとなる。尚、仮に、この場合において、利用側使用熱量qha、qcbの補正を行わずに熱源ユニット102の消費電力Wrを按分した場合には、各ユーザーA、Bに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrbは、それぞれ、0.67Wr、0.33となる。
次に、冷房運転と暖房運転とが同時に行われている場合(同一利用ユニット内で冷房運転と給湯運転とが混在して行われている場合)について説明する。ユーザーAが利用側使用熱量qha=6.0及び利用側使用熱量qca=3.0の冷房給湯運転、ユーザーBが利用側使用熱量qcb=3.0の冷房運転を行ったものとする(図11参照)。ここでは、説明の便宜上、利用側使用熱量qha、qca、qcbを無次元数で表している。この場合には、図12に示すように、ユーザーA(すなわち、利用ユニット5a)が単独で給湯運転だけを行ったものと想定し、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPhの期待値が5.0(すなわち、暖房補正係数kh=1/5.0)であるものとすると、ユーザーAの補正後の給湯運転の利用側使用熱量qha’が1.2になる。また、図13に示すように、各ユーザーA、B(すなわち、利用ユニット5a、5b)が単独で冷房運転だけを行ったものと想定し、この運転時の外気温度Taにおける成績係数COPcの期待値が3.75(すなわち、冷房補正係数ka=1/3.75)であるものとすると、ユーザーAの冷房運転の補正後の利用側使用熱量qca’が0.8になり、ユーザーBの冷房運転の補正後の利用側使用熱量Qb(qcb’)が0.8になる。そして、ユーザーAの冷房運転の利用側使用熱量qca’(=0.8)と給湯運転の利用側使用熱量qha’ (=1.2)とを比較して、大きいほうの利用側使用熱量qha’をユーザーAの利用側使用熱量Qaとする。このため、各ユーザーA、Bに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrbは、それぞれ、0.6Wr、0.4Wrとなる。尚、仮に、この場合において、利用側使用熱量qha、qca、qcbの補正を行わずに熱源ユニット102の消費電力Wrを按分した場合には、各ユーザーA、Bに対する熱源ユニット102の消費電力Wrの按分電力Wra、Wrbは、それぞれ、0.71Wr、0.29Wrとなる。
このように、利用ユニット5a、5bがすべて冷房運転を行っている場合、又は、利用ユニット5a、5bがすべて暖房運転(及び/又は給湯運転)を行っている場合には、利用側使用熱量の補正の有無にかかわらず、各ユーザーA、Bに対する按分電力は同じになる。一方、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが同時に行われている場合には、利用側使用熱量の補正の有無や同一利用ユニット内での排熱回収の考慮の有無によって、各ユーザーA、Bに対する按分電力が異なる結果となっている。
これは、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが同時に行われている条件でのヒートポンプシステム101の運転性能と、冷房運転だけが行われている条件や暖房運転(及び/又は給湯運転)だけが行われている条件でのヒートポンプシステム101の運転性能とが異なる場合があることを意味している。また、排熱回収の考慮の必要性も示している。
そして、上記の場合には、暖房運転(及び/又は給湯運転)を行っているユーザーA(すなわち、利用ユニット5a)が、冷房運転と同時に行うことによって、ユーザーAだけが単独で暖房運転(及び/又は給湯運転)を行った場合に比べて、運転性能の悪い条件で運転を行っていることを意味している。すなわち、ユーザーAは、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが同時に行われていることによって不利益を受けており、ユーザーBは、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが同時に行われていることによって利益を受けていることになる。また、ユーザーAは、同一利用ユニット内における排熱回収が考慮されないことによる不利益を受けており、ユーザーBは、同一利用ユニット内における排熱回収が考慮されないことによる利益を受けていることになる。
このため、利用側使用熱量の補正や同一利用ユニット内における排熱回収の考慮を行わなければ、ユーザーAは、補正を行わない場合の按分電力(前者の場合は、0.67Wr、後者の場合は、0.71Wr)と補正を行った場合の按分電力(0.6Wr)との電力差(前者の場合は、0.07Wr、後者の場合は、0.11Wr)分だけ、運転性能の悪い条件で運転を行ったことや同一利用ユニット内における排熱回収が考慮されないことによる不利益を受けることになる。一方、ユーザーBは、補正を行わない場合の按分電力(前者の場合は、0.33Wr、後者の場合は、0.29Wr)と補正を行った場合の按分電力(0.4Wr)との電力差(前者の場合は、0.07Wr、後者の場合は、0.11Wr)分だけ、ユーザーAの不利益に基づく利益を受けることになる。
これに対して、利用側使用熱量の補正、及び、同一利用ユニット内における排熱回収の考慮を行うことによって、この不利益がユーザーAに付加されないようにし、ユーザーBに不当な利益が付加されないようにしている。
<特徴>
熱源ユニット消費電力按分システム110には、以下のような特徴がある。
−A−
熱源ユニット消費電力按分システム110では、第1実施形態の熱源ユニット消費電力按分システム10と同様の作用効果を得ることができる(第1実施形態の熱源ユニット消費電力按分システム10の<特徴>参照)。
−B−
しかも、熱源ユニット消費電力按分システム110では、同一利用ユニット内で冷房運転(冷却運転)及び給湯運転(加熱運転)が同時に行われている場合(すなわち、冷房給湯運転が行われている場合)の排熱回収の考慮がなされている。すなわち、同一利用ユニット内において、冷房運転の利用側使用熱量qc’と給湯運転の利用側使用熱量qh’とを比較して、いずれか大きいほうを利用側使用熱量Qとしている。このため、各利用ユニット5a、5bにおける利用側使用熱量Qa、Qbを排熱回収の効果を考慮した値として得ることができる。
これにより、熱源ユニット消費電力按分システム110では、冷房運転及び給湯運転が同時に運転可能な利用ユニット5a、5b内における排熱回収の効果を考慮して、熱源ユニット102の消費電力Wrを按分することができる。
(3)他の実施形態
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
−A−
上記の熱源ユニット消費電力按分システム10、110では、熱源ユニット2、102の待機電力Ws(すべての利用ユニットが運転を行っていないときの消費電力)を考慮していない。しかし、熱源ユニット2、102の待機電力Wsを詳細に考慮する場合には、上記の熱源ユニット2、102の消費電力Wrの按分の際に、熱源ユニット電力計17によって検出された待機電力Wsを消費電力Wrから差し引いた値(=Wr−Ws)を、利用側使用熱量に応じて按分し、按分電力に各利用ユニットの待機電力Wsの割り当て分を加算すればよい(例えば、待機電力Wsについては、利用ユニットの機器容量で按分する等が考えられる)。
−B−
上記の熱源ユニット消費電力按分システムが採用可能なヒートポンプシステムは、上記のヒートポンプシステム1、101に限定されるものではない。例えば、第1実施形態の利用ユニット8a、8b、8cと第2実施形態の利用ユニット5a、5bとが熱源ユニット2、102に冷媒連絡管12、13、14を介して接続されたヒートポンプシステムであってもよい。
本発明は、熱源ユニットに複数の利用ユニットを接続して構成されており冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能なヒートポンプシステムに広く適用可能である。
1、101 ヒートポンプシステム
2、102 熱源ユニット
5a、5b 利用ユニット
8a、8b、8c 利用ユニット
10、110 熱源ユニット消費電力按分システム
19a、119a 使用熱量演算部
19b、119b 補正熱量演算部
19c、119c 電力按分部
21 熱源側圧縮機
26a、26b 熱源側熱交換器
50a、50b 利用側冷媒回路
51a、51b 第1利用側熱交換器
55a、55b 利用側圧縮機
57a、57b 冷媒−水熱交換器
20、120 熱源側冷媒回路
151a、151b 第2利用側熱交換器
特開2006−343052号公報

Claims (6)

  1. 熱源ユニット(2、102)に複数の利用ユニット(8a、8b、8c、5a、5b)が接続されることによって構成されており、冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能なヒートポンプシステム(1、101)において、前記熱源ユニットの消費電力を按分する熱源ユニット消費電力按分システムであって、
    前記各利用ユニットにおける前記冷却運転又は前記加熱運転の使用熱量である利用側使用熱量を演算する使用熱量演算部(19a、119a)と、
    前記利用側使用熱量に対して、前記各利用ユニットが前記冷却運転又は前記加熱運転だけを行ったものと想定した場合の性能期待値に基づく補正を行う補正熱量演算部(19b、119b)と、
    前記補正後の利用側使用熱量に応じて、前記熱源ユニットの消費電力を按分する電力按分部(19c、119c)と、
    を備えた熱源ユニット消費電力按分システム(10、110)。
  2. 前記性能期待値は、外気温度に応じて変化する値である、請求項1に記載の熱源ユニット消費電力按分システム(10、110)。
  3. 前記性能期待値は、成績係数の期待値であり、
    前記利用側使用熱量の補正は、前記成績係数の期待値に基づいて得られる補正係数を乗算することによって行われる、
    請求項1又は2に記載の熱源ユニット消費電力按分システム(10、110)。
  4. 前記補正熱量演算部(19b)は、前記複数の利用ユニット(8a、8b、8c)のうち特定の2つ以上の利用ユニットで前記冷却運転及び前記加熱運転が同時に行われている場合に、前記利用側使用熱量に対して前記性能期待値に基づく補正を行った後に、前記特定の2つ以上の利用ユニットにおける前記冷却運転の利用側使用熱量と前記加熱運転の利用側使用熱量とを値の大きいものから順に比較して、前記比較によって得られた前記冷却運転の利用側使用熱量及び前記加熱運転の利用側使用熱量のいずれか大きいほうを加算することによって、前記特定の2つ以上の利用ユニット全体における利用側使用熱量とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱源ユニット消費電力按分システム(10)。
  5. 前記複数の利用ユニットは、1つの利用ユニット内で前記冷却運転及び前記加熱運転が同時に運転可能な利用ユニット(5a、5b)を含んでおり、
    前記補正熱量演算部(119b)は、前記1つの利用ユニット内で前記冷却運転及び前記加熱運転が同時に行われている場合に、前記利用側使用熱量に対して前記性能期待値に基づく補正を行った後に、前記1つの利用ユニット内で前記冷却運転及び前記加熱運転が同時に運転可能な利用ユニットにおける前記冷却運転の利用側使用熱量と前記加熱運転の利用側使用熱量とを比較して、前記比較によって得られた前記冷却運転の利用側使用熱量及び前記加熱運転の利用側使用熱量のいずれか大きいほうを、前記1つの利用ユニット内で前記冷却運転及び前記加熱運転が同時に運転可能な利用ユニットにおける利用側使用熱量とする、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱源ユニット消費電力按分システム(110)。
  6. 前記熱源ユニット(102)は、熱源側冷媒を圧縮する熱源側圧縮機(21)と熱源側熱交換器(26a、26b)とを有しており、
    前記1つの利用ユニット内で前記冷却運転及び前記加熱運転が同時に運転可能な利用ユニット(5a、5b)は、利用側冷媒を圧縮する利用側圧縮機(55a、55b)と、利用側冷媒の放熱器として機能して水媒体を加熱することが可能な冷媒−水熱交換器(57a、57b)と、熱源側冷媒の放熱によって利用側冷媒の蒸発器として機能することが可能な第1利用側熱交換器(51a、51b)と、熱源側冷媒の蒸発によって水媒体を冷却することが可能な第2利用側熱交換器(151a、151b)とを有しており、
    前記熱源側圧縮機と、前記熱源側熱交換器と、前記第1利用側熱交換器と、前記第2利用側熱交換器とを接続することによって熱源側冷媒回路(120)を構成し、
    前記利用側圧縮機と、前記冷媒−水熱交換器と、前記第1利用側熱交換器とを接続することによって利用側冷媒回路(50a、50b)を構成し、
    前記冷却運転は、前記第2利用側熱交換器における熱源側冷媒の蒸発によって行われ、
    前記加熱運転は、前記第1利用側熱交換器における熱源側冷媒の放熱、及び、前記利用側冷媒回路の運転によって行われる、
    請求項5に記載の熱源ユニット消費電力按分システム(110)。
JP2011547112A 2009-12-28 2009-12-28 熱源ユニット消費電力按分システム Active JP5314769B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2009/007355 WO2011080803A1 (ja) 2009-12-28 2009-12-28 熱源ユニット消費電力按分システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011080803A1 JPWO2011080803A1 (ja) 2013-05-09
JP5314769B2 true JP5314769B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=44226238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011547112A Active JP5314769B2 (ja) 2009-12-28 2009-12-28 熱源ユニット消費電力按分システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5314769B2 (ja)
WO (1) WO2011080803A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210310677A1 (en) * 2018-03-23 2021-10-07 Mitsubishi Electric Corporation Air-conditioning apparatus

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017078525A (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 清水建設株式会社 空調システム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6190064A (ja) * 1984-10-09 1986-05-08 Daikin Ind Ltd 空気調和装置の使用電力積算装置
JPS62288443A (ja) * 1986-06-06 1987-12-15 Daikin Ind Ltd 空気調和装置の使用電力積算装置
JPH05157336A (ja) * 1991-12-10 1993-06-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 空調料金算出システム
JP2008249154A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Daikin Ind Ltd 集中管理装置、集中管理プログラム及び集中管理システム
JP2009174782A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Daikin Ind Ltd 空調機管理装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6190064A (ja) * 1984-10-09 1986-05-08 Daikin Ind Ltd 空気調和装置の使用電力積算装置
JPS62288443A (ja) * 1986-06-06 1987-12-15 Daikin Ind Ltd 空気調和装置の使用電力積算装置
JPH05157336A (ja) * 1991-12-10 1993-06-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 空調料金算出システム
JP2008249154A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Daikin Ind Ltd 集中管理装置、集中管理プログラム及び集中管理システム
JP2009174782A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Daikin Ind Ltd 空調機管理装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210310677A1 (en) * 2018-03-23 2021-10-07 Mitsubishi Electric Corporation Air-conditioning apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2011080803A1 (ja) 2013-05-09
WO2011080803A1 (ja) 2011-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5627606B2 (ja) ヒートポンプシステム
JP5806940B2 (ja) ヒートポンプシステム
JP5312613B2 (ja) ヒートポンプシステム
JP5465242B2 (ja) 空気調和装置
JP5642207B2 (ja) 冷凍サイクル装置及び冷凍サイクル制御方法
WO2012039153A1 (ja) 冷房給湯装置及び冷房給湯方法
WO2015092896A1 (ja) 空気調和装置及び空気調和装置の制御方法
EP2339268B1 (en) Heat pump apparatus
JP5490245B2 (ja) 空気調和装置
JP2010196953A (ja) ヒートポンプシステム
CN103733005B (zh) 空调装置
JP5837099B2 (ja) 空気調和装置
JP5314770B2 (ja) 熱源ユニット消費電力按分システム
JP6120943B2 (ja) 空気調和装置
JP5428381B2 (ja) ヒートポンプシステム
CN103890501B (zh) 空气调节装置
JP5837231B2 (ja) 空気調和装置
CN104797887A (zh) 空调装置、空调装置的设计方法
JP5314769B2 (ja) 熱源ユニット消費電力按分システム
JP5884381B2 (ja) 冷凍装置の室外ユニット
JP7343764B2 (ja) 空気調和機
WO2023223373A1 (ja) ヒートポンプ装置
JP5500292B2 (ja) ヒートポンプシステム
JPH02157544A (ja) 冷暖房システム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5314769

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150