JP2008249154A - 集中管理装置、集中管理プログラム及び集中管理システム - Google Patents

集中管理装置、集中管理プログラム及び集中管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】テナントが消費電力値に相当する料金の支払いを行わない場合に、室内機の運転能力を制御することによって、効果的に空気調和装置の管理を行う集中管理プログラム、当該プログラムを用いた集中管理装置、及び当該集中管理装置を用いた集中管理システムを提供することにある
【解決手段】本発明の集中管理装置30は、少なくとも1の室外機20と複数の室内機10とを有する空気調和装置29を集中管理する集中管理装置30であって、空気調和装置29の運転状況に応じて空気調和装置29の消費電力値を按分し、室内機10それぞれの消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する演算部33bと、演算部33bで算出された消費電力相当値に基づいて室内機10の運転能力を制御する運転能力制御部33eと、運転能力の制御を解除するリセット部33fとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも1の室外機と複数の室内機とを備えた空気調和装置を集中管理するための集中管理装置、集中管理プログラム及び集中管理装置を用いた集中管理システムに関する。
従来より、少なくとも一の室外機と複数の室内機を有する空気調和装置が、集中管理装置により管理される管理システムが採用されている。
このような管理システムでは、テナントビル等のように、複数のユーザー(テナント)が混在する環境に複数の空気調和装置が設置される。そのため、テナントビル等のオーナーはテナント毎の消費電力を把握して消費電力に対する料金を請求する必要があり、各空気調和装置の運転状況に応じて消費電力値を按分し、各テナントに料金の支払いを要求している。
しかし、上述のように空気調和装置の管理を行い、オーナーが各テナントに対して消費電力値に相当する料金の支払いを要求しても、テナント側はオーナーの要求に応じずに、空気調和装置の使用を継続する場合がある。
本発明の課題は、テナントが消費電力値に相当する料金の支払いを行わない場合に、室内機の運転能力を制御することによって、効果的に空気調和装置の管理を行う集中管理装置、集中管理プログラム、あるいは集中管理システムを提供することにある。
第1発明に係る集中管理装置は、空気調和装置を集中管理する集中管理装置であって、演算部と、運転能力制御部と、リセット部と、を備える。空気調和装置は少なくとも1の室外機と複数の室内機とを有する。演算部は、空気調和装置の運転状況に応じて空気調和装置の消費電力値を按分し、室内機それぞれの消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する。運転能力制御部は、演算部で算出された消費電力相当値に基づいて室内機の運転能力を制御する。リセット部は、運転能力の制御を解除する。
本発明に係る集中管理装置では、空気調和装置の運転状況に応じて空気調和装置の消費電力値が按分され、室内機の消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する。さらに、算出された値に基づいて室内機の運転能力が制御される。また、リセット部により室内機の運転能力の制御が解除される。
したがって、テナントビルオーナーは、各テナントで使用される室内機の管理を効果的に行うことができ、例えば、テナントの料金支払いの有無に応じて、室内機の運転能力の制御及び制御の解除を行うことができる。
第2発明に係る集中管理装置は、第1発明に係る集中管理装置であって、分類部と、加算部と、をさらに備える。分類部は、室内機を複数のグループに分類する。加算部は、グループ別消費電力相当値を算出する。グループ別消費電力相当値とは、室内機が分類されたグループ毎の消費電力相当値の和である。また、運転能力制御部は、グループ別消費電力相当値に基づいてグループに属する室内機の運転能力を制御する。
本発明に係る集中管理装置では、集中管理装置が分類部と加算部をさらに備えており、複数の室内機が属するグループ毎に室内機の運転を制御することができる。これにより、テナントとグループを一致させることで、料金を支払わないテナントが使用する室内機の運転能力を制御することができる。
第3発明に係る集中管理装置は、第2発明に係る集中管理装置であって、運転能力制御部は、グループ別消費電力相当値が所定上限値に達した場合に、グループに属する室内機の運転能力を低減させる。
本発明に係る集中管理装置では、グループ別消費電力相当値が所定上限値に達した場合にグループに属する室内機の運転能力が制御される。
これにより、例えば、所定上限値を料金未払いで許容されるグループ別消費電力相当値として設定しておけば、グループ別消費電力相当値の値が所定上限値に達した際に、室内機の運転能力を自動的に低減させることができ、効果的に空気調和装置の管理をすることができる。
第4発明に係る集中管理装置は、第2又は第3発明に係る集中管理装置であって、グループ別消費電力相当値は、グループに属する室内機の所定期間における消費電力積算値に相当する値である。
本発明に係る集中管理装置では、グループに属する室内機の消費電力積算値に相当する値に基づいて、運転能力制御部が室内機の運転能力を制御する。すなわち、運転能力制御部は、消費電力積算値が所定上限値に達した場合に、室内機の運転能力を低減させる。
これにより、例えば、所定上限値を料金未払いで許容されるグループ別消費電力相当値として設定しておけば、テナントが室内機の使用を開始した時から一定期間経過後までに料金の支払いがなかった場合に、室内機の運転能力を自動的に低減させる設定を行うことができ、効果的に空気調和装置の管理をすることができる。
第5発明に係る集中管理装置は、第3又は第4発明に係る集中管理装置であって、平均値演算部をさらに備えている。平均値演算部は、所定期間におけるグループ別消費電力相当値の平均値を算出する。また、所定上限値は、平均値に基づいて決定される。
本発明に係る集中管理装置では、所定上限値がグループ別消費電力相当値の平均値に基づいて設定される。
これにより、室内機の運転能力を低減させる所定上限値を自動的に設定することが可能になり、効果的に空気調和装置の管理を行うことができる。
第6発明に係る集中管理プログラムは、少なくとも1の室外機と複数の室内機とを有する空気調和装置を集中管理するために集中管理装置に実行させる集中管理プログラムであって、演算ステップと、運転能力制御ステップと、解除ステップと、を備える。演算ステップでは、空気調和装置の運転状況に応じて空気調和装置の消費電力値が按分され、室内機の消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する。運転能力制御ステップでは、消費電力相当値に基づいて室内機の運転能力が制御される。解除ステップでは、運転能力の制御が解除される。
本発明に係る集中管理プログラムでは、空気調和装置の運転状況に応じて空気調和装置の消費電力値が按分され、室内機の消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する。さらに、算出された値に基づいて、室内機の運転能力が制御される。また、解除ステップにより室内機の運転能力の制御が解除される。
したがって、テナントビルオーナーは、各テナントで使用される室内機の管理を効率よく行うことができ、例えば、テナントの料金支払いの有無に応じて、室内機の運転能力の制御及び制御の解除を行うことができる。
第7発明に係る集中管理システムは、空気調和装置と、集中管理装置と、を備える。
空気調和装置は、少なくとも1の室外機と複数の室内機とを有する。集中管理装置は、空気調和装置を集中管理する。さらに、集中管理装置は、演算部と、運転能力制御部と、リセット部とを有する。演算部は、空気調和装置の運転状況に応じて空気調和装置の消費電力値を按分し、室内機の消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する。運転能力制御部は、演算部で算出された消費電力相当値に基づいて室内機の運転能力を制御する。リセット部は運転能力の制御を解除する。
本発明に係る集中管理システムでは、空気調和装置の運転状況に応じて空気調和装置の消費電力値が按分され、室内機の消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する。また、算出された値に基づいて、室内機の運転能力を制御する。さらに、リセット部により室内機の運転能力の制御を解除する。
したがって、テナントビルオーナーは、各テナントで使用される室内機の管理を効率よく行うことができ、例えば、テナントの料金支払いの有無に応じて、室内機の運転能力の制御及び制御の解除を行うことができる。
第1発明に係る集中管理装置では、室内機の消費電力相当値に基づいて、室内機の運転能力を制御することができ、さらに、その制御を解除することができる。したがって、テナントビルオーナーは、各テナントで使用される室内機の管理を効率よく行うことができ、例えば、テナントの料金支払いの有無に応じて、室内機の運転能力の制御及び制御の解除を行うことができる。
第2発明に係る集中管理装置では、集中管理装置が分類部と加算部をさらに備えており、複数の室内機が属するグループ毎に室内機の運転を制御することができる。これにより、テナントとグループを一致させることで、料金を支払わないテナントが使用する室内機の運転能力を制御することができる。
第3発明に係る集中管理装置では、グループ別消費電力相当値が所定上限値に達した場合にグループに属する室内機の運転能力を制御することができる。したがって、例えば、所定上限値を料金未払いで許容されるグループ別消費電力相当値として設定しておけば、グループ別消費電力相当値の値が所定上限値に達した際に、室内機の運転能力を自動的に低減させることができ、効果的に空気調和装置の管理をすることができる。
第4発明に係る集中管理装置では、所定上限値を料金未払いで許容されるグループ別消費電力相当値として設定しておけば、テナントが室内機の使用を開始した時から一定期間経過後までに料金の支払いがなかった場合に、室内機の運転能力を自動的に低減させる設定を行うことができ、効果的に空気調和装置の管理をすることができる。
第5発明に係る集中管理装置では、所定上限値をグループ別消費電力相当値の平均値に基づいて設定することができる。これにより、室内機の運転能力を低減させる所定上限値を自動的に設定することが可能になり、効果的に空気調和装置の管理を行うことができる。
第6発明に係る集中管理プログラムでは、室内機の消費電力相当値に基づいて、室内機の運転能力を制御することができ、さらにその制御を解除することができる。テナントビルオーナーは、各テナントで使用される室内機の管理を効率よく行うことができ、例えば、テナントの料金支払いの有無に応じて、室内機の運転能力の制御及び制御の解除を行うことができる。
第7発明に係る集中管理システムでは、室内機の消費電力相当値に基づいて、室内機の運転能力を制御することができ、さらに、その制御を解除することができる。テナントビルオーナーは、各テナントで使用される室内機の管理を効率よく行うことができ、例えば、テナントの料金支払いの有無に応じて、室内機の運転能力の制御及び制御の解除を行うことができる。
〈第1実施形態〉
以下、本発明の第1実施形態に係る集中管理システムについて図面を用いて説明する。
〈全体構成〉
図1は、本実施形態に係る集中管理システム100の構成を示す。図1において、集中管理システム100は、テナントビル等に用いられる空気調和装置29の管理システムであり、複数の空気調和装置29と、それらを集中管理する集中管理装置30と、を備えている。空気調和装置29は、複数の室外機20a−20c及び複数の室内機10a−10iとからなり、室外機20a−20cが集中管理装置30と接続されている。
この集中管理システム100では、電源50は、室外機20a−20cに接続されており、電源50からの電力は、電力供給線を経由して空気調和装置29へ供給される。電力メータ40は、電源50と室外機20a−20cとを接続する電力供給線の上に設けられ、空気調和装置29の総消費電力量を計測する。
〈各部の構成〉
(1)空気調和装置29の概略構成
本実施形態において例示される空気調和装置29は、マルチタイプの空気調和装置29である。図1に示すように、本実施形態では、室外機20aと室内機10a−10c、室外機20bと室内機10d−10f、及び室外機20cと室内機10g−10iがそれぞれ冷媒連絡配管70a−70cを介して接続される複数の空気調和装置29の冷媒系統が構成されている。
以下、図2を用いて、室内機10及び室外機20の各構成を説明する。図2は、本実施形態に係る室外機20a及び室内機10a−10cから成る冷媒回路図を示すが、他の室外機20b及び室内機10d−10fから成る冷媒系統や、室外機20c及び室内機10g−10iから成る冷媒系統についても同様である。
(A)室内機10a−10c
室内機10a−10cは、テナントビル内の各部屋の天井に埋め込まれたり壁に掛けられたりなどの態様で設置されている。室内機10a−10cは、通信線60を介して室外機20aとの間で制御信号の授受を行いながら、冷媒と室内空気との間で熱交換を行うことにより、各部屋の空気調和を行う。
室内機10a−10cのケーシング内には、それぞれ、膨張弁11a−11c、室内側熱交換器12a−12c、室内側ファン13a−13c及び室内側制御部14a−14cが設けられている。さらに、室内機10a−10cには、各種センサ(図示せず)が設けられており、センサによって検出された値により室内機10a−10cの運転状況を判別することができる。なお、これらのセンサは、室内側制御部14a−14cにそれぞれ接続されており、各種センサで検出された値は、室内側制御部14a−14cによって通信線60を介して室外機20aの室外側制御部25aに送信される。
室内側制御部14a−14cは、それぞれ室内機10a−10cの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、リモコン(図示せず)や室外機20aとの間で制御信号等の送受信を行うことができるようになっている。
ファンモータにより室内側ファン13a−13cが回転駆動されると、室内機10a−10cが設置された室内の空気が室内機10a−10cのケーシング内へと吸い込まれる。こうして室内機10a−10cのケーシング内へと吸い込まれた空気は、室内機10a−10cのそれぞれのケーシング内に設けられた室内側熱交換器12a−12c内を流れる冷媒との間で熱交換を行い、冷房モードでの運転時(室外機20aの四路切換弁22aが実線の状態にある場合)には冷却され、暖房モードでの運転時(室外機20aの四路切換弁22aが破線の状態にある場合)には加熱される。
(B)室外機20a
室外機20aは、例えば、テナントビルの屋上に設置されており、通信線60を介して室内機10a−10cとの間で制御信号の授受を行いながら、冷媒と室外空気との間で熱交換を行う。
室外機20aのケーシング内には、圧縮機21a、四路切換弁22a、室外側熱交換器23a、室外側ファン24a、室外側制御部25a、室外熱膨張弁26a、ガス側閉鎖弁27a及び液側閉鎖弁28aが設けられている。
さらに、室外機20aには、各種センサ(図示せず)が設けられており、センサによって検出された値により室外機20aの運転状況を判別することができる。なお、これらのセンサは、室外側制御部25aに接続されている。
室外側制御部25aは、室外機20a内に設けられた各種センサで検出された値と室内側制御部14a−14cから送信されてきた室内機10a−10c内に設けられた各種センサで検出された値とに基づき、空気調和装置29の運転状況を把握し、その運転状況に関する情報を専用の通信線を介して集中管理装置30に送信する。
室内側熱交換器12a−12cにおいて熱交換された冷媒は、冷媒連絡配管70aを介して室外機20aへと送られる。そして、室外機20aのケーシング内の室外側ファン24aがファンモータにより回転駆動されると、室外の空気が室外機20aのケーシング内に吸い込まれ、吸い込まれた空気と室外側熱交換器23a内を流れる冷媒との間での熱交換が促される。室外側熱交換器23a内を流れる冷媒は、冷房モードでの運転時(室外機20aの四路切換弁22aが実線の状態にある場合)には放熱し、暖房モードでの運転時(室外機20aの四路切換弁22aが破線の状態にある場合)には吸熱する。
(2)集中管理装置30の概略構成
集中管理装置30は、空気調和装置29が設置されているテナントビル内に設置され、専用の通信線を介して空気調和装置29を管理している。
図3に示すように、集中管理装置30は、主として、通信部31、記憶部32、制御部33及び表示部34から構成されている。
通信部31は、室外機20と接続され、空気調和装置29からの運転状況に関する情報を受信し、空気調和装置29に対しては運転制御に関する情報を送信する。
記憶部32には、グループ記憶領域32a、消費電力値記憶領域32b、積算値記憶領域32c、平均値記憶領域32d、所定上限値記憶領域32e、禁止レベル記憶領域32f、及び支払情報記憶領域32gが確保されている。
グループ記憶領域32aには、各テナントに割り当てる室内機10a−10iの分類情報が記憶されている。本実施の形態では、図1に示すように、室内機10a−10iをグループA(室内機10a,10b)、グループB(室内機10c−10h)、グループC(室内機10i)に分類する情報が記憶されている。消費電力値記憶領域32bには、各室内機10a−10iの消費電力相当値と、後述の加算部によって算出されたグループ別消費電力相当値と、電力メータ40で計測された空気調和装置29の総消費電力量に関する値(総消費電力量値)と、が含まれる。積算値記憶領域32cには、グループに属する室内機10a−10iの消費電力相当値の積算値が記憶される。平均値記憶領域32dには、後述する平均値演算部33dによって算出されるグループ別消費電力相当値の所定期間における平均値が記憶される。所定上限値記憶領域32eには、上述した平均値に基づいて自動的に決定されるグループ別消費電力相当値の上限値が記憶される。禁止レベル記憶領域32fでは、室内機10a−10iの運転禁止レベルの設定を記憶する。運転禁止レベルとは、室内機10a−10iの運転能力の制御を行うレベルであって、管理者の所望により設定を変更することができる。また、運転能力の制御とは、室内機10a−10iで設定できる温度の制限や、室内機10a−10iのリモートコントローラ使用の制限や、室内機10a−10iの全面使用禁止等である。本実施形態においては、レベル1が警告、レベル2がリモートコントローラの一部使用禁止、レベル3が室内機10a−10iの全面使用禁止である。なお、運転禁止レベルは、上述の所定上限値と関連付けられる。詳細には、図4に示すように、複数の上限値を設定し、それぞれの上限値とそれぞれのレベルを関連づけて記憶させることにより、積算値記憶領域32cの値が所定の上限値に達した場合には、特定の禁止レベルにおける運転能力の制御が実行される。支払情報記憶領域32gは、各テナントの消費電力料金の支払いに関する情報が記憶される。なお、記憶部32には、上記領域の他、後述の制御部33が読み出して実行可能な集中管理プログラムが格納される領域が確保されている。
制御部33は、主に、分類部33aと、演算部33bと、加算部33cと、平均値演算部33dと、運転能力制御部33eと、リセット部33fと、を備えている。
分類部33aは、上述のグループ記憶領域32aに記憶された分類情報に基づき、室内機10a−10iについて得られた値をグループ毎に関連付けて分類する。
演算部33bは、消費電力値記憶領域32bに記憶された空気調和装置29の総消費電力量値を空気調和装置29の運転状況に応じて按分し、室内機10a−10iそれぞれの消費電力値に相当する値(消費電力相当値)を算出する。空気調和装置29の運転状況は各種センサで検出された値に基づいて判断される。本実施形態では、室内機10a−10iのセンサから送信される値に基づいて室内機10a−10iの制御を行う室外機側制御部25aを集中管理装置30の制御部33が定期的に確認することで、室内機10a−10iの運転・停止時間、運転モード、膨張弁11a−11cの開度を判別し、空気調和装置29の運転状況を把握することができる。この運転状況に応じて電力メータ40で計測された空気調和装置29の総消費電力量値が按分され、各室内機10a−10iの消費電力相当値が算出される。
加算部33cは、分類された各グループに属する各室内機10a−10iの消費電力相当値を積算し、各グループA,B,Cの消費電力相当値の和を算出する。
平均値演算部33dは、各テナントに属する室内機10a−10iの過去の使用実績から消費電力相当値の平均値を算出し、算出された値を平均値記憶領域32dに記憶させる。
運転能力制御部33eは、上述の所定上限値及びそれらに関連付けられた運転禁止レベルに基づいて、室内機10a−10iの運転能力を制御する。
リセット部33fは、所定の時期(例えば、月1回の月初め)に支払情報記憶領域32gに記憶された情報を確認し、テナントの消費電力料金の支払いがあると認められれば、積算値記憶領域32cに記憶された各グループに属する室内機10a−10iの消費電力積算値に相当する値を初期値に戻す。ここで、初期値とは積算値記憶領域32cの値が0の状態を言う。
表示部34は、集中管理装置30で受信した情報を確認できる画面であり、かつ、各種設定や情報の入力等の操作が可能なグラフィックユーザインターフェイスである。
〈集中管理システム100における制御の流れ〉
次に、本実施形態係る集中管理システム100における処理の流れについて、図5を参照して説明する。この処理は、集中管理装置30に集中管理プログラムを実行させることによって行うことができる。なお、本実施形態の集中管理システム100において、集中管理装置30で室内機10a−10iを制御するために、表示部34を用いて、予め各種設定(グループ分け設定、禁止レベル設定等)を行っておく。
集中管理装置30は、定期的(例えば、1時間毎)に、電力メータ40で計測された空気調和装置29の総消費電力量を取得し、消費電力値記憶領域32bに記憶する(S100)。その後、演算部33bは、当該期間の空気調和装置29の運転状況に応じて、総消費電力量値を按分し、各室内機10a−10iの消費電力相当値を算出する(ステップS101)。その後、分類部33aが、算出された各室内機10a−10iの消費電力相当値を、グループ記憶領域32aに記憶された分類情報に基づいて、グループ毎に分類して関連付け(ステップS102)、加算部33cがグループに分類された各室内機10a−10iの消費電力相当値の和を算出し、グループ別消費電力相当値として消費電力値記憶領域32bに記憶する(ステップS103)。その後、新たにグループ別消費電力相当値が算出されると、算出された値と先にグループ別消費電力相当値として記憶された値とが積算され、その積算値が積算値記憶領域32cに記憶される(ステップS104)。
リセット部33fは、例えば、月1回、月初めに、支払情報記憶領域32gに記憶された情報を確認し、消費電力料金の支払いがあるか否かを確認する(ステップS105)。ここで、テナントからの消費電力料金の支払いが確認できた場合は、積算値記憶領域32cの値を0に戻す(ステップS106)。一方、テナントから消費電力料金の支払いを確認できなかった場合、積算値記憶領域32cの値は維持される。
その後、運転能力制御部33eが、積算値記憶領域32cの値が所定上限値に達しているか否かを判断する(ステップS107)。積算値記憶領域32cの値が所定上限値に達していた場合、運転能力制御部33eは、積算値記憶領域32cの値が、所定上限値と関連付けられた禁止レベルのどのレベルに達したかを判断する(ステップS108a−S108c)。具体的には、積算値記憶領域32cの値が禁止レベル1に関連付けられた値(M1)に達していた場合には、運転能力制御部33eは、消費電力料金の支払いがなされていないテナントに属する室内機10a−10iのリモートコントローラに警告(例えば、支払いがなされていないため、1週間後にリモートコントローラが使用不可になる旨の警告)を表示する(ステップS109)。積算値記憶領域32cの値が禁止レベル2に関連付けられた値(M2)に達していた場合には、運転能力制御部33eは、当該テナントに属する室内機10a−10iのリモートコントローラの操作を禁止する(ステップS110)。また、積算値記憶領域32cの値が禁止レベル3に関連付けられた値(M3)に達していた場合には、運転能力制御部33eは、当該テナントに属する室内機10a−10iの運転を全面禁止する(ステップS111)。
〈特徴〉
(1)本実施形態に係る集中管理システム100では、集中管理装置30が有する料金按分機能により算出された各室内機10a−10iの消費電力相当値と、各テナントの消費電力料金の支払い状況とに基づき、室内機10a−10iの運転能力を自動的に低減させることができる。したがって、例えば、複数のテナントが料金の支払いを滞納しているような場合、テナントビルオーナーは、当該複数のテナントに対してそれぞれ注意勧告をする必要がなく、集中管理装置30によって、該当するテナントが使用する室内機10a−10iの運転能力を自動的に低減させることができるため、テナントビルオーナーの負担を減らすことができる。また、各テナントから料金の支払いがあった場合には、リセット部33fにより先に行った運転能力の制御を自動的に解除することができる。したがって、複数のテナントが入居するテナントビルのオーナーは、複数の室内機10a−10iの管理を一括して効率的に行うことができる。また、このような特徴から、管理するテナント数が増加する程、本実施形態に係る集中管理システム100の利便性が発揮される。
(2)また、本実施形態に係る集中管理システム100では、室内機10a−10iの運転能力の低減について、複数の使用禁止レベルを設けられ、段階的に制御を行うことが可能である。そのため、テナントビルオーナーが各テナントに対して直接支払いの催促を行わなくても、各テナントに対し段階的に警告を与えることができる。
〈変形例〉
(1)本実施形態において、集中管理装置30で集中管理される空気調和装置29は同一種類の空気調和装置29から構成されるものであってもよいし、複数種類の空気調和装置29から構成されるものであっても良い。
(2)本実施形態では、所定上限値が、各テナントに属する室内機10a−10iの消費電力相当値の和であるグループ別消費電力相当値の所定期間における平均値に基づいて決定されるが、この所定上限値は、室内機10a−10iの容量や型式等から算出される固有の消費電力値の和から算出されるグループ別消費電力相当値に基づいて決定されてもよい。
(3)また、本実施形態では、各室内機10a−10iの消費電力相当値を算出するために膨張弁11a−11cの開度等に基づき空気調和装置29の総消費電力量値を按分したが、各室内機10a−10iの消費電力相当値の按分方法はその他の方法によるものであってもよい。
〈第2実施形態〉
(1)本発明の第2実施形態に係る集中管理システム100について説明する。なお、本実施形態において、集中管理装置130の構成を除いては、第1実施形態に係る集中管理システム100の構成と同様であるため、全体構成、及び空気調和装置29の構成については説明を省略する。
(2)集中管理装置130の概略構成
集中管理装置130は、空気調和装置29が設置されているテナントビル内に設置され、専用の通信線を介して空気調和装置29を管理している。
図6に示すように、集中管理装置130は、主として、通信部131、記憶部132、制御部133、表示部134及びタイマー135から構成されている。
通信部131は、室外機20と接続され、空気調和装置29からの運転状況に関する情報を受信し、空気調和装置29に対しては運転制御に関する情報を送信する。
記憶部132には、グループ記憶領域132a、所定上限値記憶領域132b、禁止レベル記憶領域132c、及び支払情報記憶領域132dが確保されている。グループ記憶領域132aには、各テナントに割り当てる室内機10a−10iの分類情報が記憶されている。所定上限値記憶領域132bには、管理者が設定する上限値が記憶される。禁止レベル記憶領域132cには、室内機10a−10iの運転禁止レベルの設定を記憶する。運転禁止レベルとは、室内機10a−10iの運転能力の制御を行うレベルであって、管理者の所望により設定を変更することができる。ここでいう運転能力の制御は、上記第1実施形態で説明した運転能力の制御と同様であるため説明を省略する。なお、運転禁止レベルも上記実施形態と同様、所定上限値と関連付けられる。支払情報記憶領域132dは、各テナントの消費電力料金の支払いに関する情報が記憶される。
制御部133は、主に、分類部133aと、運転能力制御部133bと、リセット部133cと、を備えている。分類部133aは、上述のグループ記憶領域132aに記憶された分類情報に基づき、室内機10a−10iについて得られた値をグループ毎に関連付けて分類する。運転能力制御部133bは、上述の所定上限値及びそれらに関連付けられた運転禁止レベルに基づいて、室内機10a−10iの運転能力を制御する。リセット部133cは、所定の時期(例えば、月1回の月初め)に支払情報記憶領域132dに記憶された情報を確認し、テナントの消費電力料金の支払いがあると認められれば、後述のタイマー135をリセットする。表示部134は、集中管理装置130で受信した情報を確認できる画面であり、かつ、各種の設定や入力などの操作が可能なグラフィックユーザインターフェイスである。タイマー135は、消費電力料金の未払い期間をテナント毎にカウントするものである。具体的には、テナントが室内機10a−10iを使用し始めると同時に、タイマー135のカウントが開始され、テナントからの消費電力料金の支払いがなされるまでタイマー135のカウントが続く。テナントからの消費電力料金の支払いがなされ、リセット部133cによってリセットされるとタイマー135はストップし、再度、0からカウントを始める。
〈集中管理システム100における制御の流れ〉
次に、集中管理システム100において集中管理装置130を用いた場合の処理の流れについて、図7を参照して説明する。なお、本実施形態においても、集中管理装置130で室内機10a−10iを制御するために、表示部134を用いて、予め各種設定(グループ分け設定、所定上限値設定、禁止レベル設定等)を行っておく。
集中管理装置130は、各テナントに属する室内機10a−10iの運転開始を検出すると、タイマー135を始動させる(ステップS200)。
リセット部133cは、例えば、月1回、月初めに、支払情報記憶領域132dに記憶された情報を確認し、消費電力料金の支払いがあるか否かを確認する(ステップS201)。ここで、テナントからの消費電力料金の支払いが有ると認められる場合には、リセット部133cがタイマー135をリセットする(ステップS202)。
一方、支払いが有ると認められなかった場合、運転能力制御部133bは、タイマー135が所定上限値に達しているか否かを判断する(ステップS203)。タイマー135が所定上限値に達していた場合、運転能力制御部133bは、タイマー135の値が、所定上限値の関連付けられた禁止レベルのどのレベルであるかを判断する(ステップS204a−S204c)。具体的には、タイマー135の値が禁止レベル1に関連付けられた値(M1)に達していた場合には、運転能力制御部133bは、支払いがなされていないテナントに分類された室内機10a−10iのリモートコントローラに警告(例えば、支払いがなされていないため、1週間後にリモートコントローラが使用不可になる旨の警告)を表示する(ステップS205)。タイマー135の値が禁止レベル2に関連付けられた値(M2)に達していた場合には、運転能力制御部133bは、当該テナントのグループに属する室内機10a−10iのリモートコントローラの操作を禁止する(ステップS206)。また、タイマー135の値が禁止レベル3に関連付けられた値(M3)に達していた場合には、運転能力制御部133bは、当該テナントのグループに属する室内機10a−10iの運転を全面禁止する(ステップS207)。
〈特徴〉
(1)本発明に係る集中管理システム100では、集中管理装置130が、各テナントの消費電力料金の支払い状況に応じて、自動で室内機10a−10iの運転能力を低減させることができる。したがって、例えば、複数のテナントが料金の支払いを滞納しているような場合、テナントビルオーナーは、当該複数のテナントに対してそれぞれ注意勧告をする必要がなく、集中管理装置130によって、該当するテナントが使用する室内機10a−10iの運転能力を自動的に低減させることができるため、テナントビルオーナーの負担を減らすことができる。また、各テナントから料金の支払いがあった場合には、リセット部133cにより先に行った運転能力の制御を自動的に解除することができる。したがって、複数のテナントが入居するテナントビルのオーナーは、複数の室内機10a−10iの管理を一括して効率的に行うことができる。
(2)また、室内機10a−10iの運転能力の低減について、複数の使用禁止レベルを設けて段階的に制御を行うことが可能であるため、テナントへの支払いの催促を段階的に行うことができる。
本発明に係る集中管理装置、集中管理プログラム、及び集中管理システムは、少なくとも1の室外機と複数の室内機とを備えた空気調和装置を集中管理するものであって、空気調和装置の運転状況に応じて空気調和装置の消費電力値を按分し、室内機それぞれの消費電力値に相当する消費電力相当値を算出し、算出された消費電力相当値に基づいて室内機の運転能力を制御することができ、さらに、運転能力の制御を解除することができる集中管理装置、集中管理プログラム及び集中管理システムとして有用である。
本発明の集中管理システムを示す図である。 本発明の室外機及び室内機の冷媒回路を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る集中管理装置を示す図である。 本発明の第1及び第2実施形態に係る運転禁止レベルを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る集中管理システムにおける処理の流れを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る集中管理装置を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る集中管理システムにおける処理の流れを示す図である。
符号の説明
10 室内機
20 室外機
29 空気調和装置
30,130 集中管理装置
31,131 通信部
32,132 記憶部
33,133 制御部
34,134 表示部
135 タイマー
40 電力メータ
50 電源
100 集中管理システム

Claims (7)

  1. 少なくとも1の室外機(20)と複数の室内機(10)とを有する空気調和装置(29)を集中管理する集中管理装置(30)であって、
    前記空気調和装置の運転状況に応じて前記空気調和装置の消費電力値を按分し、前記室内機それぞれの消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する演算部(33b)と、
    前記演算部で算出された前記消費電力相当値に基づいて前記室内機の運転能力を制御する運転能力制御部(33e)と、
    前記運転能力の制御を解除するリセット部(33f)と、
    を備える集中管理装置。
  2. 前記室内機を複数のグループ(A,B,C)に分類する分類部(33a)と、
    前記室内機が分類された前記グループ毎の消費電力相当値の和であるグループ別消費電力相当値を算出する加算部(33c)と、
    をさらに備え、
    前記運転能力制御部は、前記グループ別消費電力相当値に基づいて前記グループに属する前記室内機の運転能力を制御する、
    請求項1に記載の集中管理装置。
  3. 前記運転能力制御部は、前記グループ別消費電力相当値が所定上限値に達した場合に、前記グループに属する前記室内機の運転能力を低減させる、
    請求項2に記載の集中管理装置。
  4. 前記グループ別消費電力相当値は、所定期間における前記グループに属する前記室内機の消費電力積算値に相当する値である、
    請求項2又は3に記載の集中管理装置。
  5. 所定期間における前記グループ別消費電力相当値の平均値を算出する平均値演算部(33d)をさらに備え、
    前記所定上限値は、前記平均値に基づいて決定される、
    請求項3又は4に記載の集中管理装置。
  6. 少なくとも1の室外機と複数の室内機とを有する空気調和装置を集中管理するための集中管理装置の集中管理プログラムであって、
    前記空気調和装置の運転状況に応じて前記空気調和装置の消費電力値を按分し、前記室内機の消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する演算ステップと、
    前記消費電力相当値に基づいて前記室内機の運転能力を制御する運転能力制御ステップと、
    前記運転能力の制御を解除する解除ステップと、
    を前記集中管理装置に実行させる集中管理プログラム。
  7. 少なくとも1の室外機と複数の室内機とを有する空気調和装置と、
    前記空気調和装置を集中管理する集中管理装置と、
    を備え、
    前記集中管理装置は、
    前記空気調和装置の運転状況に応じて前記空気調和装置の消費電力値を按分し、前記室内機の消費電力値に相当する消費電力相当値を算出する演算部と、
    前記演算部で算出された前記消費電力相当値に基づいて前記室内機の運転能力を制御する運転能力制御部と、
    前記運転能力の制御を解除するリセット部と、
    を有する集中管理システム(100)。
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