JP5313923B2 - 患者の皮膚穿刺装置 - Google Patents

Description

本発明は、患者の皮膚穿刺装置、特に診断目的で血液試料を採集するために患者の皮膚を穿刺することを意図する装置に関する。

米国特許第５３５６４２０号から、穿刺装置はスリーブおよびスリーブ一端に位置決めされたプッシュボタンを含むことが既知である。スリーブ他端は、開口を有する底で終端する。スリーブ内側には、ピストンが摺動自在に位置決めされ、プッシュボタンに近い方の端でプッシュロッドにより、かつ底開口に近い方の端で穿刺先端により終端している。スリーブの内側で、プッシュボタン面とピストンとの間に駆動バネが設置され、かつピストンとスリーブ底間に伸縮バネが設置される。ピストンは、外周上に設置されたウイングを含み、ウイングはスリーブの内突起上に当接し、かつ装置が使用されるときにウイングは破壊され、そのようにして装置の続く再使用は不可能になる。

米国特許第５４３９４７３号には、小さい血液試料を採集するために患者の皮膚へ穿刺するように設計されたランセットが開示されている。ランセットは、細長い本体を有し、可動部材が本体の軸に摺動自在に設置され、本体はランセットのプッシュボタン用の上開口を有し、かつ穿孔刃用の底開口を有する。可動部材は、板バネで構成され、一端はプッシュボタンに連結される。プッシュボタンは表面に対して垂直の二つの上アームを有し、かつ二つのアームは、本体側壁の長方形開口内に設置されるフック付き端を有する。可動部材、板バネの他端はホルダに連結され、ホルダ内に穿孔刃が固定される。ホルダの下部は、上アームに平行の二つの下アームを有する。下アームは、更に、上方に向かう三角形端を有し、三角形端は本体壁の長方形開口の下縁上に当接する。可動部材の全部品がプラスチックで形成される。患者の皮膚が穿刺されるときに、ランセットのプッシュボタンが押され、可動部材の板バネが緊張し、上アームのフック付き端が可動部材の下アームの端を押す。次に、下アームが解放され、板バネがリバウンドし、かつ患者の皮膚は穿孔刃により穿刺され、穿孔刃は本体底開口を貫通する。皮膚を穿孔した後に、板バネは自由位置になり、かつ穿孔刃はランセット本体の内側へ後退する。

更に、米国特許第５７５５７３３号は、ランセット組立体、およびランセット組立体への連結されるホルダで構成されるランセット装置を開示し、ランセット組立体は、穿孔部を持つランセット、およびランセットを押し出すエジエクタを有する。

米国特許第５３５６４２０号 米国特許第５４３９４７３号 米国特許第５７５５７３３号

本発明の課題は、診断目的で血液試料を採集するための、患者および従業員の両者にとって安価、安全、かつ使用容易である、廃棄可能な患者の皮膚穿刺装置を提供することにある。

特に、本発明の目的は、最終製品の製造コストを低減するために可能な限りの少数の要素により構成される患者の皮膚穿刺装置を提供することにある。

本発明の他の目的は、最終製品の製造コストを低減し、かつ多くの医療用途を意図する装置の場合に基本的に重要である使用後の利用を促進するために金属バネを装備しない患者の皮膚穿刺装置を提供することにある。

本発明の他の目的は、患者の皮膚穿刺装置の正確な作用に必要とされる本体の内突出部の弾性を確実にする構造を有する患者の皮膚穿刺装置を提供することにある。

本発明の他の目的は、本体の製造時、特に、本体の射出成形プロセスで雄型から成形片が滑り落ちる時に、正確で、損傷のない本体の内突出部を形成することを保証する構造を有する患者の皮膚穿刺装置を提供することにある。

本発明による患者の皮膚穿刺装置は、本体、前記本体内に設置された刺し針組立体、および前記本体の上部内に設置されたプッシュボタンにより構成され、前記プッシュボタンと前記刺し針組立体間に駆動バネが設置され、かつ前記本体と前記刺し針組立体間に伸縮バネが設置されている。本発明による患者の皮膚穿刺装置は、プッシシング面を有するプッシュボタンに上端により連結された少なくとも二つの駆動バネを有し、かつ前記本体に連結された少なくとも二つの伸縮バネを有し、前記刺し針組立体は、前記プッシュボタンのプッシング面と共働する駆動面、前記刺し針組立体の上部に位置するウイング、および前記本体の内突起と共働する外突起を有する。前記ウイングの上面は前記プッシュボタンの駆動バネと共働し、かつ前記ウイングの下面は前記伸縮バネと共働することを特徴とする。

好適には、前記本体は、本体の成形片の成形プロセスで前記内突起を損傷から保護するために、前記内突起のレベルで内突起の高さよりも大きい高い工業的突起（technological projections)を有する。

好適には、前記本体は外フランジを有し、前記本体の内突起の弾性を増進するための穴が前記外フランジ内に形成されている。

好適には、前記駆動バネは、工業的プロセス(technological process)で形成された一要素を構成するプッシュボタンに一体的に連結されている。

前記伸縮バネは、工業的プロセスで形成された一要素を構成する前記本体に一体的に連結されている。

本発明による患者の皮膚穿刺装置の利点は、少数の構造要素により構造が単純化され、安価で使用が容易でありかつ廃棄可能な穿刺装置の製造を可能にし、患者および診断目的から血液試料採集に従事する人の両者に安全である点である。

本発明による患者の皮膚穿刺装置の他の利点は、製造コストを低減しかつ使用後の利用を促進するために、金属バネを不要とした点である。

本発明による患者の皮膚穿刺装置の更に他の利点は、患者の皮膚穿刺装置の正確な作業に必要な弾性を本体の内突起に付与する構造とした点である。

本発明による患者の皮膚穿刺装置の更に他の利点は、本体製造時に本体の内突起を正確に損傷することなく製造できる構造とした点である。

少量の構成要素による患者の皮膚穿刺装置の単純構造、そしてプラスチックバネの採用により、最終製品を安価にすると共に利用を容易にする。本発明による装置のこの特徴は、多様の医療用途に使用されることが意図された廃棄可能、即ち、使い捨て可能穿刺装置に基本的に重要である。

使用前の、本発明による患者の皮膚穿刺装置の前、側および上からの斜視図である。 図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 図１のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。 装置の構造要素を示す図１の装置の分解図である。 刺し針組立体の解放段階を示す図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 刺し針組立体の解放段階を示す図１のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。 刺し針組立体の解放段階後を示す図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 刺し針組立体の解放段階後を示す図１のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。 患者の皮膚の穿刺段階時の図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 患者の皮膚の穿刺段階時の図１の図１のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。 患者の皮膚の穿刺段階後の図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 患者の皮膚の穿刺段階後の図１のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。

添付図面を参照して本発明の例示実施形態を説明する。

本発明による患者の皮膚穿刺装置は、図１、１Ａおよび１Ｂに示されたように、診断目的のために血液試料を採集するように設計され、本体１を有し、その底開口２には刺し針組立体３が設置され、上開口４にはプッシュボタン５が設置される。プッシュボタン５は、好適には突起６と窪み７の形態に形成された外スラスト面を上部に、そしてプッシング面８と二つの駆動バネ９を下部に有する。プッシュボタン５および駆動バネ９は、装置の製造コスト削減のために、射出成形により単一要素として形成される。プッシュボタン５は側掛け金１０を有し、掛け金１０は本体１の戻り止め１１上に当接し、プッシュボタン５の本体１からの落下を防止する。刺し針組立体３は、側方へ拡張したウイング１２を上部に有する。駆動バネ９の下端は刺し針組立体３のウイング１２の上面に当接し、それにより刺し針鞘１３の突起１４と共に刺し針鞘１３を本体１の出口１６の当接縁１５まで押し下げる。刺し針組立体３は前部および後部から外突起１７を有し、かつ本体１は前内壁および後内壁上に内突起１８を有する。本体１のフランジ２０に形成された穴１９により、内突起１８は、本体１の射出成形プロセス時に雄型から本体１の成形片を摺動して下げる過程で弾性を維持する。本体１の内側、前および後内壁上に、内突起１８のレベルで、工業的突起（technological projections)２１が設けられる。技術的突起２１は、内突起１８よりも大きい高さを有する。技術的突起２１の大きな高さにより内突起１８は、本体１の射出成形プロセス時に雄型から本体１の成形片が滑り落ちる過程で損傷に対して保護される。本発明による組立てた患者の皮膚穿刺装置において、刺し針組立体３の外突起１７は本体１の内突起１８上方に位置する。本体１の内側で、底孔２内には複数のガイド２２が設けられ、ガイド２２間には刺し針組立体３が滑り込む。本体１の出口１６から刺し針の鞘１３を捩じって外へ摺動した後に、刺し針の穿孔刃３は露出される。本体１の外への刺し針の鞘１３の摺動時に、刺し針組立体３は僅かに下方へ移動し、かつ外突起１７は本体１の内突起１８と接触する。

図３Ａおよび３Ｂにおいて、本発明による患者の皮膚穿刺装置は、刺し針組立体３の解放段階で示されている。プッシュボタン５がプッシュされるときに、刺し針組立体３のウイング１２の上面に当接している駆動バネ９は、プッシュボタン５のプッシング面が刺し針組立体３の駆動面２４と接触する瞬間まで変形する。プッシュボタン５を更に押すことにより、刺し針組立体３が下方へ移動し、かつ誘導される弾性変形により刺し針組立体３の外突起１７が本体１の内突起１８へ付勢される。

図４Ａおよび４Ｂにおいて、本発明による患者の皮膚穿刺装置は、刺し針組立体３の解放後の段階で示されている。スラスト力が使用者によりプッシュボタン５の外スラスト面へ加えられ、かつ刺し針組立体３の外突起１７が本体１の弾性内突起１８へ付勢された後に、プッシュボタン５はプッシング面８により刺し針組立体３の駆動面２４と接触しかつ本体１のストッパ２６に対して下端２５とプッシュボタン５が当接する瞬間まで、刺し針組立体３を駆動する。

更に、刺し針組立体３は、刺し針組立体３のウイング１２の上面を押す、跳ね返る駆動バネ９により駆動する。

図５Ａおよび５Ｂにおいて、本発明による患者の皮膚穿刺装置は、患者の皮膚への穿刺段階で示されている。プッシュボタン５および跳ね返った駆動バネ９から受け入れるエネルギの影響下で、刺し針組立体３は本体１の下方へ移動し、かつ下ストッパ面２８により本体１の端ストッパ２９に当接し、それにより本体１の伸縮バネ３０をウイング１２の下面により下方外側へ折り曲げる。刺し針の穿刺刃２３は、本体１からの最大限まで伸張する。装置の製造コストを最小にするために、本体１および伸縮バネ３０は、射出成形プロセスで単一要素として形成される。

図６Ａおよび６Ｂにおいて、本発明による患者の皮膚穿刺装置は、患者の皮膚への穿刺後段階で示されている。伸縮バネ３０に蓄えられたエネルギ下で、伸縮バネ３０は、図５Ａおよび５Ｂで示された作業段階で下方外側へ折り曲げられており、刺し針組立体３は、本体１の刺し針の穿孔刃２３の完全収縮の瞬間まで、本体１内で上方へ移動する。

１ 本体
２ 底開口
３ 刺し針組立体
５ プッシュボタン
９ 駆動バネ
１２ ウイング
２３ 穿孔刃
３０ 伸縮バネ

Claims (5)

1. 本体（１）、本体（１）内に設置された刺し針組立体（３）、および本体（１）の上部内に設置されたプッシュボタン（５）を含み、
   プッシュボタン（５）と刺し針組立体（３）間に設置され、かつプッシシング面（８）を有するプッシュボタン（５）に上端により連結された少なくとも二つの駆動バネ（９）を有し、かつ
   本体（１）と刺し針組立体（３）間に設置され、かつ本体（１）に連結された少なくとも二つの伸縮バネ（３０）を有する、患者の皮膚穿刺装置であって、
   前記刺し針組立体（３）は、
   プッシュボタン（５）のプッシング面（８）と共働する駆動面（２４）、
   刺し針組立体（３）の上部に位置するウイング（１２）、および
   本体（１）の弾性内突起（１８）と共働する外突起（１７）を有し、
   ウイング（１２）の上面はプッシュボタン（５）の駆動バネ（９）と共働し、かつウイング（１２）の下面は伸縮バネ（３０）と共働することを特徴とする、患者の皮膚穿刺装置。
2. 前記本体（１）は、本体（１）の成形片の成形プロセスで内突起（１８）の損傷を防止するために、内突起（１８）のレベルで内突起（１８）の高さよりも高い工業的突起（２１）を有することを特徴とする、請求項１の患者の皮膚穿刺装置。
3. 前記本体（１）は外フランジ（２０）を有し、本体（１）の内突起（１８）の弾性を増進するための穴（１９）が外フランジ（２０）内に形成されていることを特徴とする、請求項１または２の患者の皮膚穿刺装置。
4. 前記駆動バネ（９）は、工業的プロセス(technological process)で形成された一要素を構成するプッシュボタン（５）に一体的に連結されていることを特徴とする、請求項１または２または３の患者の皮膚穿刺装置。
5. 前記伸縮バネ（３０）は、工業的プロセスで形成された一要素を構成する本体（１）に一体的に連結されていることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一の患者の皮膚穿刺装置。

Images