JP5312460B2 - サーモスタット装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車等に使用される内燃機関(以下、エンジンという)の冷却水温度を可変制御する冷却水温度制御系において水温可変制御を行うサーモスタット装置に関し、特にそのサーモエレメント組立体の装置ハウジングに対する組付け構造に関する。
例えば、エンジン等の冷却水系に配置されるサーモスタット装置は、循環流路内を流れる冷却水の温度変化を感知して膨張・収縮するワックス(熱膨張体)を内蔵している。そして、前記サーモスタット装置は、ワックスの膨張・収縮に伴う体積変化により弁体の開閉を行って、冷却水を所定の温度に保持するように機能する。
この種のサーモスタット装置として、たとえば複数の流路に連結されるハウジング内に設置されると共に、ハウジング内に固定されたピストンと、ピストンに対して進退動作するシリンダ容器と、シリンダ容器内に設けられ、温度変化に伴う体積変化によりシリンダ容器を進退動作させる熱膨張体と、ピストンのケーシング内に設けられ、通電することにより熱膨張体に熱を与える発熱素子とを備えたものであって、発熱素子を、ピストンのケーシング外からケーシング内に貫通して形成された熱伝導性を有する延設部材と、ケーシング内における延設部材内に形成された発熱部と、ケーシング外における延設部材に形成され、発熱部と電気的に接続された電極部とにより構成し、発熱部に電圧供給するターミナル端子が電極部に当接することにより、電圧供給源と前記発熱部が電気的に接続されるようにした構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このように構成することにより、電圧供給されるターミナル端子が延設部材の電極部と当接し、発熱素子に対して着脱自在に構成されているため、組立、メンテナンスが容易となる。また、発熱素子における発熱部は延設部材内に形成され、電圧印加される電極部のみが延設部材に形成されるため、容易に破断することのない耐久性の高い発熱素子を得ることができ、さらに発熱素子はピストンのケーシング内に設けられるため、ピストン周面から略均一に発熱することができ、効果的に熱膨張体を加熱することができるなどの利点がある。
特開2005−155831号公報
しかし、上述した従来のサーモスタット装置によれば、ピストンや発熱素子、シリンダ容器、さらにターミナル端子等といった構成部品のハウジングへの組付け作業が面倒かつ煩雑であり、コスト高となる等の不具合があった。
さらに、このような従来装置では、ピストンをシール部材に挿入後そのままハウジングに挿入しているため、金属材と弾力のあるゴムで保持されることになり、これによりサーモエレメント組立体とハウジングとは、メタル同士の圧入などの固定が行えない。したがって、冷却水の水流により、特に開弁時などは、サーモエレメント部分が傾く等の虞れがあった。さらに、ピストン内部のヒータのターミナル側との電気的接触部分にサーモエレメント作動時などの荷重や、後述する水圧などが加わり、電気的接触が悪くなる等、信頼性に問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、装置ハウジングに対するサーモエレメント組立体の組付け固定を、きわめて簡単かつ適切に行え、また作動時における動作上での信頼性の面でも優れ、さらにメンテナンスも用意に行えるサーモスタット装置を得ることを目的とする。
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係るサーモスタット装置は、冷却水が流れる複数の流路に連結された装置ハウジング内に設置されるとともに、前記装置ハウジング内に固定されたピストンと、前記ピストンに対して進退動作するシリンダ容器と、前記シリンダ容器内に設けられ温度変化に伴う体積変化によりシリンダ容器をピストン上で進退動作させる熱膨張体と、前記ピストンのケーシング内に設けられ、通電することにより前記熱膨張体に熱を与える発熱素子とを備えたサーモスタット装置であって、装置ハウジングは、前記ピストン、熱膨張体からなるサーモエレメント組立体の外方端を、ハウジング内部から外部に向けて貫通させて組付け保持するサーモエレメント組立体用の組付け孔を備え、このサーモエレメント組立体用の組付け孔は、その外方端側に小径段部を有しており、前記サーモエレメント組立体を構成するピストンの上端側部分に、ほぼ円筒体形状を呈するピストンガイドを設け、このピストンガイドの外方端側に設けた小径部を、前記装置ハウジングの内側から組付け孔内に差し込んで貫通させた状態で、前記装置ハウジングの外側から係止することにより、前記装置ハウジングと一体的に結合したことを特徴とする。
本発明(請求項2記載の発明)に係るサーモスタット装置は、請求項1記載のサーモスタット装置において、前記ピストンガイドの外方端側に、前記装置ハウジングとの結合を確実にするための係止手段を設けたことを特徴とする。
本発明(請求項3記載の発明)に係るサーモスタット装置は、請求項2記載のサーモスタット装置において、前記係止手段は、前記ピストンガイドを前記装置ハウジングに一体的に結合した際に、前記サーモエレメント組立体全体が前記組付け孔の軸線方向に移動可能となる隙間をもつようにして、前記ピストンガイドの外方端側に設けられていることを特徴とする。
本発明(請求項4記載の発明)に係るサーモスタット装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ピストンの外方端側であって、前記ピストンガイドよりも内方端寄り部分にシール部材を設けるとともに、このシール部材よりも内方端にワッシャを設けることにより、該ピストン上に固定したことを特徴とする。
以上説明したように本発明に係るサーモスタット装置によれば、サーモエレメント組立体を構成するピストンの外方端を、装置ハウジングの内側から組付け孔内に差し込んだ状態で保持するほぼ円筒体形状を呈するピストンガイドを用い、その外方端側の小径部を、取付け孔内に差し込むとともに、装置ハウジングの外側から係止することにより、装置ハウジング側に一体的に結合しているから、簡単な構成であるにもかかわらず、ピストンに設けられるターミナルコネクタ接続部を受け持つ荷重が低減可能となり、ターミナルコネクタの変形やばね製の変形による接点抵抗の変化がなくなり、電気接続部の信頼性が向上し、またピストンの触れ止め防止が図れるなどの利点を奏する。
また、本発明によれば、ピストンガイドの外方端側に、装置ハウジングとの結合を確実にするための係止手段を設けているから、サーモエレメント組立体の装置ハウジングに対しての結合がより確実に行える。
さらに、本発明によれば、係止手段と装置ハウジングとの結合部位にサーモエレメント組立体全体が前記組付け孔の軸線方向に移動可能となる隙間を設けるようにしているため、サーモエレメント組立体側のピストンガイドが、装置ハウジングの組付け孔内でその軸線方向に摺動する余裕ができ、ピストンとピストンガイドとが一体になってバルブと共に動くので、以下のような問題が生じないという利点がある。
たとえば、従来のサーモスタット装置を車両に取り付けた状態で、エンジン組付け時などに初期冷却水を注入する際に、真空注水を行うことが多い。この場合に、バルブが注入圧力により強制的に押し下げられるという問題を生じる虞れがあった。
上述した冷却水の注入時において、ハウジングに結合されているピストンはそのままで、サーモスタット本体のみがバルブと一緒に押し下げられサーモエレメント内部が負圧となり内部に冷却水を吸い込むという虞れがある。
冷却水が内部に入ると、その分だけワックスが増えたのと同じになり、低温時においてバルブが完全に閉まらず、開弁状態となり、ラジエータ側への冷却水の流れが発生し、オーバークールなどの動作不良を生じる虞れがあった。
しかし、上述した本発明による係止手段を用いると、該係止手段と装置ハウジングとの結合部位に軸線方向の係止部に軸線方向の遊び(移動の自由度)があることで、係止手段と装置ハウジングとが摺動する余裕があるため、冷却水の注入圧力がバルブに加わった場合でも、サーモエレメント組立体がバルブと一緒に全体として移動するので、ピストンのみが抜けるような隙間が生じる状態にはならないため、真空とはならないので、冷却水が吸い込まれることはない。
また、本発明によれば、ピストンの外方端側であってピストンガイドよりも内方端寄り部分にシール部材を設けるとともに、このシール部材よりも内方端にワッシャを設けることで、ピストン上に一体的に結合固定しているから、ピストンに設けられるターミナルコネクタ接続部を受け持つ荷重が低減可能となり、ターミナルコネクタの変形やばね製の変形による接点抵抗の変化がなくなり、電気接続部の信頼性が向上し、またピストンの触れ止め防止が図れるなどの利点を奏する。
さらに、シール部材を、ピストンガイドの内方端側に介在させて設けることにより、ピストンとピストンガイドとの間、さらにピストンガイドとハウジングの組付け孔の内壁部との間をシールし、これによりハウジング内を流れる冷却水が、ピストンの外方端から延設されて組付け孔の外側で外部接続用コネクタ部材に接続される棒状ヒータとの電気接続部へ浸入しないようにし、これにより電気接続部の信頼性をさらに向上させることができる。
図1は本発明に係るサーモスタット装置の一実施形態を示すものであり、図において、符号1で示すサーモスタット装置は、冷却水が流れる複数の流路に連結される装置ハウジング(以下、単にハウジングという)2内に設置され、前記流路を弁動作により連通または遮断する働きをする。
このサーモスタット装置1は、ハウジング2内に垂下した状態で固定されているピストン3と、このピストン3に対して進退動作するシリンダ容器4とを備えている。また、前記シリンダ容器の外周に形成されたフランジ弁5と、シリンダ容器4を取り巻いて設置されるとともにフランジ弁5の裏側に一端が当接したスプリング6と、シリンダ容器4の下部外周に形成されるとともにスプリング6の他端が当接する下部フランジ7とを備えている。
前記ピストン3は、金属管により先端が密封された円管形状を呈する形状で形成されている。そして、その外周部にシリンダ容器4が嵌装されることにより、内部に熱膨張体としてのワックスWを封入したサーモエレメント組立体10を構成している。
なお、ワックスWの温度が上昇するとワックスWの体積が膨張し、シリンダ容器4に対してピストン3を伸長するように進退動作する。すなわち、ピストン3は、ハウジング2に対して固定されているため、シリンダ容器4が下方に摺動し、フランジ弁5が弁座5aから離れて開弁するように動作する。
一方、ワックスWの温度が低く、ピストン3が収縮状態にある場合にはスプリング6の弾発力により前記フランジ弁5が前記弁座5aに対して圧着され、閉弁した状態となる。
ここで、シリンダ容器4は、内部に円柱状空間をもち、その内部に前記ピストン3が挿入されることで形成されるすきま空間内にワックスWが封入されている。なお、図中8aはワックスWの流出防止を行うパッキン等のシール部材、8bはそのバックアッププレート、8cはピストン3を保持する筒状ガイドであり、シリンダ容器4の開口端縁は加締められ、その先端に外部からの異物の混入を防ぐゴムリング9が組付けられている。
また、前記ハウジング2には、前記サーモエレメント組立体10を組み付けるための組付け孔11が形成されている。この組付け孔11は、その外方端側に小径段部11aを備えるとともに、その外方端には大径孔部11bが形成され、ハウジング2の外方に開口している。なお、図中12は該組付け孔11をハウジング2の内側で形成するための筒状部である。
さて、本発明によれば、前記ピストン3の上端側部分にピストンガイド13を設けている。ここで、このピストンガイド13は、金属または合成樹脂等でほぼ円筒体形状に形成されており、ピストン3とは圧入、または成型により固定され、一体化されている。
また、このピストンガイド13の外方端側には、小径部13aが形成されている。
なお、13bはピストンガイド13の外周部に設けられ、組付け孔11との間をシールするOリングであり、また13cはピストン3との間をシールするOリング、13dはワッシャ、13eはこの部分を封止する加締め部である。
そして、このピストンガイド13の外方端を、ハウジング2の内側から組付け孔11内に差し込んで貫通させ、この状態でハウジング2の外側から抜け止め用の係止手段としてのストップリング15を組み付けることにより、ハウジング2とこのサーモエレメント組立体10を構成するピストンガイド13とを一体的に結合している。
ここで、このストップリング15は、ピストンガイド13を前記ハウジング2に一体的に結合した際に、前記サーモエレメント組立体全体が前記組付け孔の軸線方向に移動可能となる隙間をもつようにして、前記ピストンガイドの外方端側に設けられている。これは、装置の組立て状態において、ハウジング2内部の流路に流れる流体圧の影響を受けた際の作用力を吸収することができるようにしたものである。
すなわち、上述したストップリング15を用いると、該ストップリング15とハウジング2との結合部位に軸線方向の係止部に軸線方向の遊び(移動の自由度)があることで、ストップリング15とハウジング2とが摺動する余裕があるため、たとえば冷却水の注入圧力がバルブに加わった場合でも、サーモエレメント組立体10がバルブと一緒に全体として移動するので、ピストン3が抜けるような隙間が生じる状態にはならないため、サーモエレメント内部が真空とはならず、冷却水が吸い込まれることはない。
図中Hはピストン3のケーシング内に設けられ、通電することによりワックスWに熱を与える発熱素子としての棒状ヒータであり、該ピストン3の先端部には、シリコン等の熱伝導性材料が封入されて該ピストン3に一体的に組み立てられるようになっている。
この棒状ヒータHは、周知の通り、たとえばセラミック材等の耐熱絶縁体内に発熱線を埋設した構造を有している。
この棒状ヒータHは、前記ピストン3のケーシング内に挿入され、外部電源が制御部(図示せず)を介して電気的に接続されることにより、必要に応じて発熱し、前記ワックスWを加熱昇温させ得るように構成されている。これにより、ピストン3上でシリンダ容器4を進退動作させ、流路中のバルブを開閉制御することは言うまでもない。
図中21は前記外部接続用のコネクタ部材であり、その先端部が前記組付け孔11の大径孔部11bに嵌め込まれ、ストップリング22で固定することにより、外部接続を行えるようになっている。
ここで、このような棒状ヒータHは、予めピストン3内に組込み、前記サーモエレメント組立体10として構成していてもよいし、あるいは、コネクタ部材21側に組み付けておき、サーモエレメント組立体10をハウジング2に組み付けてから、ピストン3内に組み込むように構成してもよいことは言うまでもない。
図2および図3は本発明の変形例をそれぞれ示すものである。
これを簡単に説明すると、図2では、ピストンガイド13の内方端にシール材31を設け、これにピストン3の外方端側を圧入固定するとともに、該シール材31を圧接した状態で、該シール材31の内方端側にワッシャ32をピストン3に設け、これを加締めてピストン3に固定した場合を示す。
図3では、ピストン3を、ピストンガイド13とリング34とにインサート成型で一体化したものである。ここで、リング34は、ピストン3の段部に係止されることで、軸線方向の動きを規制されて一体化されている。また、図中33はOリングである。
すなわち、図2および図3の例では、ピストン3とピストンガイド13とを、圧入、加締め、インサート成型等によって、軸線方向において抜け防止を図って一体化しているのである。また、図2のシール材31、図3のOリング33は、これらをピストンガイド13の内方端側に介在させて設けることにより、ピストン3とピストンガイド13との間、さらにピストンガイド13とハウジング2の組付け孔11の内壁部との間をシールし、これによりハウジング2内を流れる冷却水が、ピストン3の外方端から延設されて組付け孔11の外側で外部接続用コネクタ部材21に接続される棒状ヒータHとの電気接続部へ浸入しないようになっている。
そして、このような構成によっても、前述した実施形態と同様に、サーモエレメント組立体10を構成するピストン3の外方端を、ハウジング2の内側から組付け孔内に差し込んだ状態で、ピストンガイド13を、ハウジング2側に一体的に結合しているから、簡単な構成であるにもかかわらず、ピストン3に設けられるターミナルコネクタ接続部を受け持つ荷重が低減可能となり、ターミナルコネクタの変形やばね製の変形による接点抵抗の変化がなくなり、電気接続部の信頼性が向上し、またピストンの触れ止め防止が図れるなどの利点を奏する。
さらに、上述した構造においても、ピストンガイド13の外方端側に、ハウジング2との結合を確実にするための係止手段であるストップリング15を設けているから、サーモエレメント組立体10のハウジング2に対しての結合がより確実に行える。
また、上述した実施形態では、サーモエレメント組立体10側のピストンガイド13を、ハウジング2の内側から差込み、先端側の段部を、ハウジング2の組付け孔11側の小径段部11aに当接させるとともに、反対側にストップリング15をセットしてハウジング2側に結合固定しているが、ここで、図4(a),(b)に示すように、サーモエレメント組立体10全体が組付け孔11の軸線方向に移動可能となる隙間をもつようにして設けると実用面で優れている。
すなわち、このように構成すれば、サーモエレメント組立体10側のピストンガイド13が、ハウジング2の組付け孔11内でその軸線方向に摺動する余裕ができ、ピストン3とピストンガイド13とが一体になってバルブと共に動き、ストップリング15が小径段部11aに当たるまで動くことになるので、以下のような問題を生じる虞れがない。
たとえば、従来のサーモスタット装置を車両に取り付けた状態で、エンジン組付け時などに冷却水を注入する際に、バルブが注入圧力により強制的に押し下げられるという問題を生じる虞れがあったが、このような不具合はなくなる。
また、上述した冷却水の注入時において、ハウジングに結合されているピストンはそのままで、サーモスタット本体のみがバルブと一緒に押し下げられサーモエレメント内部が負圧となり内部に冷却水を吸い込むという虞れがあるが、このような不具合もない。
さらに、冷却水が内部に入ると、その分だけワックスが増えたのと同じになり、低温時においてバルブが完全に閉まらず、開弁状態となり、ラジエータ側への冷却水の流れが発生し、オーバークールなどの動作不良を生じる虞れがあったが、このような問題もなくなる。
また、上述した構成では、ストップリング15とハウジング2の小径段部11aとの間に軸線方向の遊びがあり、これら間が摺動する余裕があるため、たとえば冷却水の注入圧力がバルブに加わった場合でも、サーモエレメント組立体10がバルブと一緒に全体として移動するので、ピストン3のみが抜けるような隙間が生じる状態にはならないため、真空とはならないので、冷却水が吸い込まれることはない。
なお、本発明は上述した実施形態で説明した構造には限定されず、サーモスタット装置1を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施形態では、ストップリング15として円形断面をもつ一般的なものを用いたが、本発明はこれに限定されず、図5や図6に示すような形状をもつストップリング40,41を用いてもよいものである。
すなわち、ストップリング40,41は、上部側の径が下部側の径よりも小さく、下部側は内側に縮小可能なばね性を持たせている形状を有している。そして、このようなストップリング40,41を用いると、図5のように、このストップリング40をピストンガイド13の外方端側の装着溝に装着したままで、装置ハウジング2の内側から組付け孔11に挿入し、その挿入後に該ストップリング40の下部を小径段部11aの大径孔部11b側に係止させることができる。このような構成によれば、組立性の点で優れている。
また、図6では、ピストンガイド13として円筒状のものを用い、該ピストンガイド13の外方端側にピストン3の外方端側に設けたフランジ状部分44を係止させることで、ピストン3の抜け止めを確実に行えるように構成している。そして、この実施形態では、ピストンガイド13の外周部にストップリング41の装着溝42を形成し、ストップリング41を装着するとともに、ハウジング2の組付け孔11内に形成した環状溝43の内側段部にストップリング41を係止させるようにしている。
本発明に係るサーモスタット装置の全体構成を示す概略断面図である。 本発明に係るサーモスタット装置の別の実施形態を示すものであり、要部となるピストン、ピストンガイドおよび装置ハウジングの組付け孔等の関係を示す要部拡大断面図である。 本発明に係るサーモスタット装置の他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 本発明に係るサーモスタット装置において、(a),(b)は装置ハウジング内でのピストンガイドの組付け部を説明するための概略説明図である。 本発明に係るサーモスタット装置のさらに別の実施形態を示す要部拡大断面図である。 本発明に係るサーモスタット装置のさらに他の実施形態を示す要部拡大断面図である。
1…サーモスタット装置、2…装置ハウジング、3…ピストン、4…シリンダ容器、10…サーモエレメント組立体、11…サーモエレメント組立体用組付け孔、13…ピストンガイド、15…係止手段(ストップリング)、21…コネクタ部材、H…発熱素子(棒状ヒータ)、W…ワックス(熱膨張体)。

Claims (4)

  1. 冷却水が流れる複数の流路に連結された装置ハウジング内に設置されるとともに、前記装置ハウジング内に固定されたピストンと、前記ピストンに対して進退動作するシリンダ容器と、前記シリンダ容器内に設けられ温度変化に伴う体積変化によりシリンダ容器をピストン上で進退動作させる熱膨張体と、前記ピストンのケーシング内に設けられ、通電することにより前記熱膨張体に熱を与える発熱素子とを備えたサーモスタット装置であって、
    前記装置ハウジングは、前記ピストン、熱膨張体からなるサーモエレメント組立体の外方端を、ハウジング内部から外部に向けて貫通させて組付け保持するサーモエレメント組立体用の組付け孔を備え、
    このサーモエレメント組立体用の組付け孔は、その外方端側に小径段部を有しており、
    前記サーモエレメント組立体を構成するピストンの上端側部分に、ほぼ円筒体形状を呈するピストンガイドを設け、
    このピストンガイドの外方端側に設けた小径部を、前記装置ハウジングの内側から組付け孔内に差し込んで貫通させた状態で、前記装置ハウジングの外側から係止することにより、前記装置ハウジングと一体的に結合したことを特徴とするサーモスタット装置。
  2. 請求項1記載のサーモスタット装置において、
    前記ピストンガイドの外方端側に、前記装置ハウジングとの結合を確実にするための係止手段を設けたことを特徴とするサーモスタット装置。
  3. 請求項2記載のサーモスタット装置において、
    前記係止手段は、前記ピストンガイドを前記装置ハウジングに一体的に結合した際に、前記サーモエレメント組立体全体が前記組付け孔の軸線方向に移動可能となる隙間をもつようにして、前記ピストンガイドの外方端側に設けられていることを特徴とするサーモスタット装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のサーモスタット装置において、
    前記ピストンの外方端側であって、前記ピストンガイドよりも内方端寄り部分にシール部材を設けるとともに、このシール部材よりも内方端にワッシャを設けることにより、該ピストン上に固定したことを特徴とするサーモスタット装置。
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