JP5312272B2 - エンジン駆動型空気圧縮機の制御方法及びエンジン駆動型空気圧縮機 - Google Patents

エンジン駆動型空気圧縮機の制御方法及びエンジン駆動型空気圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は,エンジン駆動型空気圧縮機の制御方法及び前記制御方法が実現されるエンジン駆動型空気圧縮機に関し,より詳細には,無負荷運転時に圧縮機本体の吐出側圧力を放気して運転負荷を軽減するパージ機構を備えたエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法及び前記制御方法が実現されるエンジン駆動型空気圧縮機に関する。
消費側における圧縮空気の消費量の変化に応じて必要量の圧縮空気を発生させて消費側に安定した圧力の圧縮空気を供給できるようにするために,容量制御装置と速度制御装置を備えたエンジン駆動型の空気圧縮機が提案されており,消費側における圧縮空気の消費量が減少ないしは停止する等して圧縮機本体の吐出側圧力が設定された圧力以上に上昇すると,前述の容量制御装置が圧縮機本体の吸入口に設けた吸入弁を絞り乃至は閉塞位置と成すと共に,速度制御装置がエンジンの回転速度を低下させて低速運転に移行するアンロード(無負荷)運転を行うと共に,消費側における圧縮空気の消費量が再開乃至は増加する等して圧縮機本体の吐出側圧力が設定された圧力未満に低下すると,容量制御装置が圧縮機本体の吸気口を全開位置と成すと共に,速度制御装置がエンジンの回転速度を前記低速運転に対して増加させた高速運転に移行するフルロード(全負荷)運転に移行する制御が行われており,上記制御によって圧縮機本体の二次側圧力を前記設定圧力に近付けるように制御して,前述の設定圧力で略一定した圧力の圧縮空気が消費側に供給できるように構成されている。
このような容量制御装置と速度制御装置を備えたエンジン駆動型の空気圧縮機100の一例として,図6に示すようにエンジン103によって駆動される圧縮機本体102の吐出口にレシーバタンク104を連通し,このレシーバタンク104内の圧力に応じて作動するベロフラム型レギュレータ132を設け,このベロフラム型レギュレータ132の動作と連動して吸入空気量を制御するバタフライ弁131を圧縮機本体102の吸入口に設けて前述の容量制御装置を構成すると共に,前記レシーバタンク104内の圧力に応じて動作するダイヤフラム型のレギュレータ141を設けて前述の速度制御装置を構成し,このダイヤフラム型レギュレータ141の動作に連動してエンジン103の調速装置(ガバナ)103aで回転速度を増減できるように構成したエンジン駆動型の空気圧縮機が提案されている(特許文献1の第1図参照)。
以上のように容量制御装置と速度制御装置とを備えたエンジン駆動型の空気圧縮機では,フルロード運転時における燃料消費量に対し,アンロード運転時における燃料消費量を約1/3程度に抑えることができ,そのため,容量制御装置や速度制御装置を備えていないエンジン駆動型の空気圧縮機に比較して消費燃料を低減することができるものとなっている。
しかし,前述のアンロード運転は,消費側における圧縮空気の消費再開乃至は消費量の増加に備えた待機運転の状態であり,消費側に対して供給される圧縮空気の発生に貢献しない運転状態であることから,前述のアンロード運転時における圧縮機本体の動力(エンジンに対する負荷)を軽減してさらに燃費の向上を図ることが要望されている。
このようなエンジン駆動型の空気圧縮機ではないが,アンロード運転時,圧縮機の動力を軽減するために圧縮機本体の吐出側(レシーバタンク内)の圧縮空気を大気へ放気(パージ)するパージ機構を備えた空気圧縮機も提案されている。
このようなパージ機構を備えた空気圧縮機の一例(但し,前述の速度制御装置に相当する構成は備えていない)として,図7に示すように圧縮機本体202の吸入口に負圧検知用の圧力スイッチVSを,レシーバタンク204側には内圧低下検知用の圧力スイッチPSを設け,レシーバタンク204とオートレリーフバルブ211間を,三方電磁弁SVを介してパイロット流路216,216’で接続すると共に,圧縮機の停止信号,前記圧力スイッチVS及びPSからの信号に基づき前記三方電磁弁SVを切り換えてオートレリーフバルブ211を開閉するように構成し,圧縮機の停止時は停止信号により,また,前記圧力スイッチVSの負圧検知信号により前記三方電磁弁SVをオートレリーフバルブ211が開く側に切り換え,一方前記圧力スイッチPSの内圧低下検知時は該信号により前記三方電磁弁SVをオートレリーフバルブ211が閉じる側に切り換えるように構成した空気圧縮機の制御装置が提案されている(特許文献1の図4参照)。
実公平6−23755号公報 実公平5−17435号公報
以上のように構成された従来技術中,図6を参照して説明した特許文献1に記載の発明にあっては,レシーバタンク104内の圧縮空気をエンジン103の回転速度を制御するダイヤフラム型のレギュレータ141へ導入する流路151にドレーンタンク150を設けると共に,圧縮機の停止時,このドレーンタンク150内の圧縮空気,従って,レシーバタンク104内の圧縮空気を大気へ放気するオートレリーフバルブ111が設けられている。
このオートレリーフバルブ111を圧縮機の停止時のみならず,特許文献2の発明のようにアンロード運転時においても開放するものとすれば,圧縮機本体102の吐出側圧力が低下してアンロード運転時における圧縮機本体102の動力,従ってエンジン103にかかる負荷を低減することができるかのようにも見える。
しかし,図6に示す構成の空気圧縮機100にあっては,レシーバタンク104内の圧力が設定吐出圧力(規定圧力)を超えるとダイヤフラム型レギュレータ141に内蔵するニードルバルブを開き,流路152を介してレシーバタンク104内の圧縮空気をベロフラム型レギュレータ132へ導入するようになっていて,レシーバタンク104内の圧力が設定吐出圧力(規定圧力)より低下すると,ダイヤフラム型レギュレータ141に内蔵するニードルバルブが閉じてエンジン103を高速側(定格回転速度)にすると共に,ベロフラム型レギュレータ132の内圧が降下して吸入弁であるバタフライ弁131を開くことから,アンロード運転時にオートレリーフバルブ111を開放してレシーバタンク104内の圧力が設定吐出圧力よりも低下すると,エンジンガバナ103aのレバー103bが高速位置となり,消費側における圧縮空気の消費再開や消費量の増加が生じる前にフルロード運転に移行してしまい,アンロード運転時間が短くなることでむしろ燃費が悪くなる。
このような特許文献1に記載の構成に対し,図7に示す特許文献2に記載の空気圧縮機200では,レギュレータ232から吸入弁231のダイヤフラム室231aに至る流路208の逆止弁207の二次側と,レシーバタンク204から消費側に至る流路222の圧力調整弁兼逆止弁206の二次側間を流路210,209によって連通すると共に,この流路210,209間に三方電磁弁SVVを設け,この三方電磁弁SVVの残りのポートNOに流路217を介して圧縮機本体202の吸入口に連通した構成を採用すると共に,フルロード運転時には流路209,217を連通すると共に流路210を閉じ,アンロード運転時には流路209,210間を連通すると共に流路217を閉じる制御を行うことで,アンロード運転時にオートレリーフバルブ211を開放してレシーバタンク204内の圧力が低下しても,吸入弁231を閉塞位置に維持したアンロード運転を継続することができるようになっている。
すなわち,圧力調整弁兼逆止弁206の二次側における流路222内の圧力は,圧力調整弁兼逆止弁206の存在によって圧縮空気の逆流が防止されているために,オートレリーフバルブ211の開放によってレシーバタンク204内の圧力が低下しても圧力の低下が生じない。
そのため,アンロード運転時,三方電磁弁SVVを切り換えて流路210,209,208を介して吸入弁231のダイヤフラム室231a内に圧力調整弁兼逆止弁206の二次側圧力を導入することで,オートレリーフバルブ211の開放によりレシーバタンク204内の圧力が低下しても,ダイヤフラム室231a内の圧力を維持して吸入弁231を閉塞位置とした状態を維持できるようになっている。
このように,特許文献2に記載の発明にあっては,アンロード運転時,オートレリーフバルブ211の開放によっても吸入弁231を閉塞位置に維持し得る構成を備えるものの,この構成を採用するためには,放気に必要なオートレリーフバルブ211の開閉を制御するための三方電磁弁SVやパイロット流路216,216’を設ける他,フルロード運転時とアンロード運転時とで吸入弁231に対する作動圧の導入経路を切り換えるための流路209,210,217を別途設ける必要があると共に,流路209−217,210−217間の連通・遮断を行うための三方電磁弁SVVを設け,さらに三方電磁弁SVVを,圧力スイッチVS,PS,PSSの動作に関連付けて動作させるための複雑な回路構成が必要となり,装置全体の構成が複雑となると共に,部品点数の増加や製造工程数の増加に伴うコスト増が,空気圧縮機の価格に反映されて市場における価格競争力の点で不利となる。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,アンロード運転時に圧縮機本体の吐出側を開放して圧縮機本体の吐出側圧力を低下させるパージを行った場合であっても,吸入弁を閉塞位置乃至は所定の絞った状態に維持すると共に,圧縮機本体の回転速度を低速側とした運転の継続を,比較的簡単な方法により,かつ,比較的簡単な装置構成によって行うことができるようにすることで,燃費等の向上を図ることのできるエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法及び空気圧縮機を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の特許請求範囲の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明のエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法は,圧縮機本体2から消費側に至る圧縮空気の流路に一端を連通する制御流路23と,前記圧縮機本体2の吸入口に設けた吸入弁31と,前記圧縮機本体2の吐出側圧力に応じて前記制御流路23を開閉する圧力調整弁32を備え,前記制御流路23の他端に前記吸入弁31の閉弁受圧室(吸入弁31が別途レギュレータ等,弁体の開閉機構を備える場合には,この開閉機構の作動圧室も本発明における「吸入弁31の閉弁受圧室」に含まれる。)を連通して,前記圧縮機本体2の吐出側圧力が前記圧力調整弁32が開動作を開始する圧力である設定吐出圧力(一例として0.69MPa)未満のときに前記吸入弁31を全開とし,前記圧縮機本体2の吐出側圧力が前記設定吐出圧力以上になると前記吸入弁31の閉動作を開始すると共に,前記圧縮機本体2の吐出側圧力が前記設定吐出圧力に対して所定の高い圧力であるアンロード開始圧力(一例として0.79MPa)以上になると,前記吸入弁31を閉塞位置とする容量制御を行う容量制御装置と,前記圧縮機本体2を駆動するエンジン3の調速装置〔ガバナ3a,電子ガバナ(図示せず)等〕によって該エンジン3の回転速度を制御すると共に,前記圧縮機本体2の吐出側圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき前記エンジン3の回転速度を所定の低速回転(一例として,高速回転2500min−1に対し,低速回転1200min−1)にする速度制御を行う速度制御装置とを備えた空気圧縮機1において,
前記圧縮機本体2から消費側に至る前記圧縮空気の流路中に逆止弁6を設け,前記逆止弁6の一次側における前記流路を吐出流路21,前記逆止弁6の二次側における前記流路を消費流路22とし,前記制御流路23の前記一端を前記吐出流路21に連通して,前記圧力調整弁32が開いたとき,前記吐出流路21内の圧力に対して減圧した前記吐出流路21内の圧縮空気を前記吸入弁31の閉弁受圧室に導入して前記容量制御を行い,
前記吐出流路21にさらにパージ弁11を連通し,前記容量制御装置が前記吸入弁31を閉塞位置としたとき,前記パージ弁11を開放して前記吐出流路21内の圧縮空気を大気及び/又は前記吸入弁31の一次側の吸入流路26aへ放出することにより前記吐出流路21内の圧力を低下させる圧力低下処理と,前記パージ弁11を開放して放出された前記吐出流路21内の圧縮空気の一部を前記吸入弁31の閉弁受圧室に導入することにより前記吸入弁31の閉弁受圧室内の圧力を保持する保圧処理を行うと共に,
前記パージ弁11の開放時,前記エンジン3の回転速度を前記低速回転又は該低速回転に対して僅かに増速(例えば低速回転に対し10%以下の増速)した回転速度に維持する速度維持処理を行い,
前記パージ弁11の開放により前記吐出流路21内の圧力を,前記設定吐出圧力未満の圧力であって,前記吸入弁31が閉塞位置乃至は該閉塞位置に対して僅かに開いた状態となる所定の下限圧力(一例として0.3MPa)まで低下させると共に,前記パージ弁11が閉弁するまで前記圧力低下処理,保圧処理及び速度維持処理を継続して前記下限圧力に低下した前記吐出流路21内の圧力を前記下限圧力に維持することを特徴とする(請求項1)。
上記構成のエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法において,前記圧力調整弁32の二次側における前記制御流路23を前記エンジン3の調速装置(例えばガバナ3a)を動作させるスピードレギュレータ41の作動圧室に連通して前記速度制御装置を形成することにより,前記圧力調整弁32が開いたとき,前記吐出流路21内の圧縮空気を該吐出流路21内の圧力に対して減圧して前記スピードレギュレータ41の作動圧室に導入し,前記吐出流路21内の圧力が前記設定吐出圧力未満のときに前記エンジン3の回転速度を所定の高速回転とし,前記吐出流路21内の圧力が前記設定吐出圧力以上になると前記エンジンの回転速度の減速を開始し,更に前記吐出流路21内の圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき前記エンジンの回転速度を前記低速回転(一例として,高速回転2500min−1に対し,低速回転1200min−1)にする前記速度制御を行うと共に,
前記パージ弁11の開放時,該パージ弁11を介して放出された前記吐出流路21内の圧縮空気の一部を,前記スピードレギュレータ41の作動圧室に導入することにより前記速度維持処理を行うように構成することができる(請求項2)。
ここで,エンジン3の回転速度(min−1:SI単位)は,回転数(rpm:非SI単位)と同義である。
さらに,上記構成の空気圧縮機の制御方法において,前記パージ弁11を開放して前記吐出流路21内が前記下限圧力のとき,前記パージ弁11を介して大気及び/又は前記吸入弁31の一次側の吸入流路26aへ放出される圧縮空気の放気量の大気圧状態における容積と,前記圧縮機本体2の吸入量を一致させることにより,前記吐出流路21内の圧力を前記下限圧力に維持することができる(請求項3)。
なお,上記の制御方法において,前記パージ弁11の開放を,前記吸入弁31の二次側と前記圧縮機本体2間の吸入流路26b内の圧力が大気圧よりも低い圧力の範囲で予め設定したパージ開始圧力(一例として-0.06MPa)以下になったときに行うと共に,
前記パージ弁11の開放後,前記消費流路22内の圧力が所定の圧力値(一例として0.69MPa)以下に低下したとき,前記パージ弁11を閉じるようにすることができる(請求項4)。
さらに,前記吐出流路21内の圧力が所定の供給圧力(一例として0.39MPa)以上のときに前記消費流路22に対する圧縮空気の導入を行うようにすると共に,前記下限圧力を前記供給圧力未満の圧力(一例として0.3MPa)とすることができる(請求項5)。
また,上記制御方法が実現される本発明のエンジン駆動型空気圧縮機は,圧縮機本体2から消費側に至る圧縮空気の流路に一端を連通する制御流路23と,前記圧縮機本体2の吸入口に設けた吸入弁31と,前記圧縮機本体2の吐出側圧力に応じて前記制御流路23を開閉する圧力調整弁32を備え,前記制御流路23の他端に前記吸入弁31の閉弁受圧室を連通して,前記圧縮機本体2の吐出側圧力が前記圧力調整弁32が開動作を開始する圧力である設定吐出圧力(一例として0.69MPa)未満のとき,前記吸入弁31を全開とし,前記圧縮機本体2の吐出側圧力が前記設定吐出圧力以上となると前記吸入弁31の閉動作を開始すると共に,前記圧縮機本体2の吐出側圧力が前記設定吐出圧力に対して所定の高い圧力であるアンロード開始圧力(一例として0.79MPa)以上になると,前記吸入弁31を閉塞位置とする容量制御装置と,前記圧縮機本体2を駆動するエンジン3の調速装置によって該エンジン3の回転速度を制御すると共に,前記圧縮機本体2の吐出側圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき前記エンジン3の回転速度を所定の低速回転にする速度制御装置とを備えた空気圧縮機1において,
前記圧縮機本体2から消費側に至る前記圧縮空気の流路中に逆止弁6を設け,前記逆止弁6の一次側における前記流路を吐出流路21,前記逆止弁6の二次側における前記流路を消費流路22とし,
前記制御流路23の前記一端を前記吐出流路21に連通して前記容量制御装置を形成すると共に,該容量制御装置の前記制御流路23に前記圧力調整弁32の二次側における前記制御流路23内の圧力を該圧力調整弁32の一次側における前記制御流路23内の圧力に対して減圧する減圧手段(実施例では放気流路25)を設け,
さらに,前記吐出流路21に連通すると共に前記容量制御装置が前記吸入弁31を閉塞位置としたときに開放して前記吐出流路21内の圧縮空気を大気及び/又は前記吸入弁31の一次側の吸入流路26aへ放出するパージ弁11と,該パージ弁11の開放時に前記吐出流路21内の圧縮空気を前記吸入弁31の閉弁受圧室に導入する保圧流路24を備えると共に,前記パージ弁11の開放時,前記エンジン3の回転速度を前記低速回転又は該低速回転に対して僅かに増速した回転速度に維持する速度維持機構を備えるパージ機構を設け,
前記パージ機構により,前記パージ弁11の開放時,前記吐出流路21内の圧力を前記設定吐出圧力未満の圧力であって前記吸入弁31を閉塞位置乃至は該閉塞位置に対して僅かに開いた位置とする所定の下限圧力まで低下させると共に,該下限圧力を維持可能としたことを特徴とする(請求項6)。
上記構成の空気圧縮機1において,前記圧力調整弁32の二次側における前記制御流路23を前記エンジン3の調速装置(例えばガバナ3a)を動作させるスピードレギュレータ41の作動圧室に連通することにより,前記吐出流路21内の圧力が前記設定吐出圧力未満のときに前記エンジン3の回転速度を所定の高速回転とし,前記吐出流路21内の圧力が前記設定吐出圧力以上になると前記エンジン3の回転速度を減速し始め,前記吐出流路21内の圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき前記エンジン3の回転速度を所定の低速回転にする前記速度制御装置を形成すると共に,
前記保圧流路24を前記スピードレギュレータ41の作動圧室に対し連通することにより前記速度維持機構を構成するものとしても良い(請求項7)。
さらに,上記空気圧縮機1の構成において,前記圧力調整弁32の二次側における前記制御流路23に前記保圧流路24を連通すると共に,前記圧力調整弁及び/又は前記パージ弁の二次側に,他端が大気及び/又は前記吸入弁31の一次側の吸入流路26aに開放された放気流路25の一端を連通した構成とすることができる(請求項8)。
さらに,前記パージ弁11を開放して吐出流路21内の圧力が前記下限圧力(一例として0.3MPa)のときの前記圧縮機本体2の吸気量と,前記パージ弁11を介して大気及び/又は前記吸入弁31の一次側の吸入流路26aへ放出される圧縮空気の放気量の大気圧状態における容積とが一致するよう,前記パージ弁11による放気量を設定することができる(請求項9)。
また,前記パージ弁11の開閉を行うために,
前記パージ弁11を電磁開閉弁によって構成すると共に,
前記吸入弁31の二次側と前記圧縮機本体2間の吸入流路26b内の圧力を検知する圧力センサ乃至は圧力スイッチである吸入圧力検知手段51,51’と,前記消費流路22内の圧力を検知する圧力センサ乃至は圧力スイッチである消費側圧力検知手段52,52’を有し,例えば,前記吸入圧力検知手段51’や消費側圧力検知手段52’を組込んだ電気回路や,前記吸入圧力検知手段51や消費側圧力検知手段52と電子制御装置との組合せから成り,前記吸入弁31の二次側と前記圧縮機本体2間の吸入流路26b内の圧力が大気圧よりも低い圧力の範囲で予め設定したパージ開始圧力以下になったときに前記パージ弁11を開放すると共に,前記消費流路22内の圧力が所定の圧力値以下に低下したときに前記パージ弁11を閉塞するパージ弁11の開閉手段をさらに設けることができる(請求項10)。
また,前記逆止弁6に,前記吐出流路21内の圧縮空気の圧力が所定の供給圧力(一例として0.39MPa)以上のときに開弁する保圧弁の機能を付加すると共に,前記下限圧力(一例として0.3MPa)を前記供給圧力(一例として0.39MPa)未満の圧力とすることができる(請求項11)。
以上説明した構成により,本発明の制御方法が行われるエンジン駆動型空気圧縮機1では,パージ弁11の開放時,吐出流路21内の圧縮空気を大気及び/又は前記吸入弁31の一次側の吸入流路26aへ放出すると共に,パージ弁11を介して放出された吐出流路21内の圧縮空気の一部を吸入弁31の閉弁受圧室に導入し,圧縮機本体2の吐出側圧力を低下させて圧縮機本体2の動力を低下させつつ,パージによる吐出流路21内の圧力低下によっても吸入弁31を閉塞位置乃至は閉塞位置に対して僅かに開いた状態と,エンジン3の回転速度を前記低速回転又は該低速回転に対して僅かに増速した回転速度に維持できることから,圧縮機本体2の動力,従ってこの圧縮機本体2を駆動するエンジン3の負荷を低減した状態でパージ運転を継続してフルロード運転へ移行することが防止できた。
また,エンジン3の調速装置3aをスピードレギュレータ41で動作させる場合にあっては,パージ弁11の開放時,保圧流路24を介して吐出流路21内の圧縮空気を前記スピードレギュレータ41の作動圧室に導入することで,パージにより吐出流路21内の圧力が低下しても,エンジン3の回転速度を低速乃至は該低速に対して僅かに増速した状態に維持する前述の速度維持処理を容易に行うことができた。
その結果,パージによる圧縮機本体2の吐出側圧力の低下と相俟って,圧縮機本体2の動力を大幅に軽減することができ,その結果,空気圧縮機の燃費を大幅に向上させることができた。
しかも,このような制御を,例えばパージ弁11の二次側に連通した保圧流路24を圧力調整弁32の二次側における制御流路23に連結する等して,パージ弁11の開放時,吐出流路21内の圧縮空気を吸入弁31の閉弁受圧室やスピードレギュレータ41の作動圧室に導入するという比較的簡単な構成によって実現することができ,三方電磁弁等を使用した流路の切換や複雑な制御が不要である結果,装置構成を簡略化して製造,保守点検作業等を容易とすることができた。
パージ時(パージ弁の開放時)における吐出流路21内の圧力を前記下限圧力に維持するために,前記パージ弁11を開放して前記吐出流路21内が前記下限圧力のとき,前記吸入弁31の一次側の吸入流路26a内の空気を前記圧縮機本体2へ吸入し,前記パージ弁11を介して大気及び/又は前記吸入弁31の一次側の吸入流路26aへ放出される圧縮空気の放気量の大気圧状態における容積と,前記圧縮機本体が吸入する空気の吸入量を一致させることにより行う構成とした場合には,空気圧縮機に設けられている容量制御装置の構成をそのまま利用して前述した吸入弁31及びスピードレギュレータ41の動作状態を維持することができ,装置構成を単純化することができた。
吸入圧力検知手段51を設ける等して,前記パージ弁11の開放を前記吸入弁31の二次側と前記圧縮機本体間の吸入流路26b内の圧力が大気圧よりも低い圧力の範囲で予め設定したパージ開始圧力以下になったときに行うように構成することで,パージの開始を吸入弁31の動作に確実に連動させることができると共に,消費側圧力検知手段52を設けることにより前記パージ弁11の開放後,前記消費流路22内の圧力が所定の圧力値以下に低下したとき,前記パージ弁11を閉じることにより,消費流路22内の圧力低下,従って,消費側における圧縮空気の消費再開や消費量の増加に連動して確実にパージを終了することができた。
前記吐出流路21内の圧力が所定の供給圧力(一例として0.39MPa)以上のときに前記消費流路22に対する圧縮空気の導入を行うと共に,前記下限圧力を前記供給圧力未満の圧力(一例として0.3MPa)とした構成にあっては,パージにより,圧縮機本体2の吐出側圧力を充分に低い圧力に低下させることができ,圧縮機本体2の動力,従ってエンジン3の負荷を低減させて,燃費の向上を確実に行うことができた。
本発明のエンジン駆動型空気圧縮機(実施形態1)の概略説明図。 本発明のエンジン駆動型空気圧縮機(実施形態1)の動作を表したタイミングチャート。 本発明のエンジン駆動型空気圧縮機(実施形態2)の概略説明図。 エンジン及び圧縮機本体の出力乃至は動力と回転速度の相関図。 燃料消費量と負荷率の相関図。 従来の空気圧縮機(特許文献1)の概略説明図。 従来の圧縮機の概略説明図(特許文献2の第4図に対応)。
次に,添付図面を参照しながら,本発明のエンジン駆動型空気圧縮機の制御装置について説明する。
実施形態1
〔エンジン駆動型空気圧縮機の全体構造〕
図1中の符号1は,本発明の制御方法が実現される本発明のエンジン駆動型空気圧縮機であり,図示の実施形態にあっては,一例として,エンジン駆動型の油冷式空気圧縮機を示している。
このエンジン駆動型の油冷式空気圧縮機1は,空気を圧縮して得られた圧縮空気を,作用空間を密封・冷却するための冷却油と共に気液混合流体として吐出する圧縮機本体(一例としてスクリュ圧縮機本体)2と,この圧縮機本体2を駆動するエンジン3を備えていると共に,前記圧縮機本体2の吐出口より消費側に至る流路中に,圧縮機本体2より冷却油との気液混合流体として吐出された圧縮空気を貯留すると共に冷却油を分離するレシーバタンク4,レシーバタンク4で油が分離された圧縮空気中にミスト状の状態で含まれる油をさらに分離するセパレータ5を備えると共に,前記セパレータ5の下流側に逆止弁6を設けて,消費側から圧縮機本体2側に圧縮空気が逆流することを防止している。
図示の実施形態において,この逆止弁6は,その一次側の圧力が消費側に対する圧縮空気の供給圧力として設定された所定の圧力(本発明において,「供給圧力」という。)以上になったとき,弁座から弁体が離れて二次側に対する圧縮空気の導入を可能とした保圧弁付きの逆止弁を使用しており,本実施形態にあっては,この供給圧力を一例として0.39MPaに設定している。
なお,本発明において,前述の逆止弁6の一次側(圧縮機本体側)における前記流路(レシーバタンク4やセパレータ5を含む)を吐出流路21と,逆止弁6の二次側(消費側)における前記流路を消費流路22として説明する。
このような空気圧縮機1においては,消費側に対して一定の圧力の圧縮空気を供給することができるよう,圧縮機本体2の吸入口に設けた吸入弁31を開閉制御して,消費側における圧縮空気の消費等により圧縮機本体2の吐出側圧力が所定の設定吐出圧力未満になると,圧縮機本体2の吸入口を全開した運転状態(フルロード運転)となり,エアフィルタ7を介して圧縮機本体2内に空気を吸い込んで圧縮してこの圧縮機本体2より吐出された圧縮空気を吐出流路21に導入して消費された分の圧縮空気を補充すると共に,吐出流路21内の圧力が予め設定された設定吐出圧力以上になると,圧縮機本体2の吸入口を絞り,吐出流路21に対する圧縮空気の導入を制限すると共に,吐出流路21内の圧力が前記設定吐出圧力に対して所定の高い圧力であるアンロード開始圧力以上になると,吸入弁31を閉塞位置として圧縮機本体2の吸気を停止する運転状態(アンロード運転)とする容量制御を行う容量制御装置が設けられている。
また,図示の実施形態にあっては,前述の容量制御装置と共に,吐出流路21内の圧力が設定吐出圧力未満のとき圧縮機本体2を駆動するエンジン3の回転速度を所定の高速回転(一例として2500min−1)とし,圧縮機本体2より吐出される圧縮空気の吐出量を増加する一方,吐出流路21内の圧力が設定吐出圧力以上になると,圧縮機本体2を駆動するエンジン3の回転速度を前記高速回転から減速し始めて,圧縮機本体2より吐出される圧縮空気の吐出量を減少させ,前記吐出流路21内の圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき,エンジン3の回転速度を所定の低速回転(一例として1200min−1)に維持する速度制御装置が設けられている。
本発明において,この容量制御装置は圧縮機本体2の吸入口に設けられた吸入弁31と,吐出流路21と前記吸入弁31の閉弁受圧室間を連通する制御流路23(図示の例では制御流路23及びその分岐流路23a),及び前記制御流路23中に設けられた圧力調整杆32aを有する圧力調整弁32によって構成している。
また,図1に示す例において,前述の速度制御装置は,前述の容量制御装置と構成を一部共通するものとして構成されており,エンジン3に設けられた調速装置であるガバナ(機械式カバナ)3aのガバナレバー3bを揺動動作するスピードレギュレータ41を備え,このスピードレギュレータ41の作動圧室に,前述の制御流路23の分岐流路23bを連通することで,圧力調整弁32及び制御流路23が,前述した容量制御装置としてのみならず,速度制御装置の構成要素の一部としても機能するように構成されている。
このような容量制御装置,及び速度制御装置を設けることにより,例えば消費側において圧縮空気の消費が行われることにより吐出流路21内の圧力が圧力調整弁32が開弁動作を開始する圧力である前述の設定吐出圧力(一例として0.69MPa)未満となっている状態では圧力調整弁32が全閉となり吐出流路21内の圧縮空気が圧力調整弁32を通過せず,吸入弁31の閉弁受圧室及びスピードレギュレータ41の作動圧室に対する圧縮空気の導入が停止して,圧縮機本体2の吸入口を全開としたフルロード運転が行われると共に,スピードレギュレータ41によりエンジン3のガバナレバー3bが高速側に移動されて,エンジン3,従って圧縮機本体2は高速(一例として2500min−1)で運転される。
一方,消費側における圧縮空気の消費が停止乃至は減少する等して吐出流路21内の圧力が圧力調整弁32が開弁動作を開始する圧力である前述の設定吐出圧力以上に上昇すると,前記設定吐出圧力に対して上昇した圧力の程度に応じて圧力調整弁32が制御流路23を開き,吐出流路21内の圧縮空気が圧力調整弁32を通過して吸入弁31の閉弁受圧室内及びスピードレギュレータ41の作動圧室内に導入されて,圧縮機本体2の吸入口を閉じる動作が開始すると共に,スピードレギュレータ41がエンジン3のガバナレバー3bを低速側に移動させる動作を開始する。
そして,さらに吐出流路21内の圧力が上昇して,前記設定吐出圧力よりも高いアンロード開始圧力(一例として0.79MPa)以上になると,吸入弁31が閉塞位置となり,圧縮機本体2の吸入口を閉じたアンロード運転に移行すると共に,スピードレギュレータ41がガバナレバー3bを低速の位置としてエンジン3及び圧縮機本体2が低速(一例として1200min−1)で運転される。
これとは逆に,例えば消費側における圧縮空気の消費が再開乃至は増加する等して吐出流路21内の圧力が前述のアンロード開始圧力未満に低下すると,圧力調整弁32が閉じ始めて吸入弁31が開き始めると共に,スピードレギュレータ41によるカバナレバー3bの高速側への移動が開始して,吐出流路21内の圧力が前述の設定吐出圧力未満に迄低下すると,圧縮機本体2が吸気口を全開としたフルロード運転に移行すると共に,スピードレギュレータ41がガバナレバー3bを高速の位置として,エンジン3及び圧縮機本体を高速回転で運転する。
このような容量制御装置及び速度制御装置の動作により,吐出流路21内の圧力は前述の設定吐出圧力となるように制御されており,これにより消費側に対して安定した圧力の圧縮空気を供給することができるようになっている。
ここで,本発明の容量制御装置及び速度制御装置では,圧力調整弁32の二次側における制御流路23内の圧力を該圧力調整弁の一次側における前記制御流路内の圧力に対して減圧する減圧手段が設けられており,図1に示す実施形態にあっては,この減圧手段として,制御流路23の分岐流路23aより分岐された放気流路25を設け,この放気流路25を吸入弁31の一次側の吸入流路26aに連通することにより開放して,圧力調整弁32の二次側における制御流路23内の圧縮空気を放気することで,圧力調整弁32の二次側圧力が,放気流路25の流路面積によって設定された放気量に従い圧力調整弁32の一次側圧力(吐出流路21内の圧力)に対して所定の低い圧力となるように設定されている。
本発明では,この圧力調整弁32の二次側における圧力が,前述の設定吐出圧力(一例として0.69MPa)未満であって,常に吐出流路21内の圧力よりも低い圧力の範囲で前記圧力調整弁32の開度に応じて可変となるように設定されており,従って,この圧力調整弁32の二次側における制御流路23内の圧力によって作動する前述の吸入弁31及びスピードレギュレータ41も,設定吐出圧力未満,好ましくは設定吐出圧力に対して充分に低い圧力で動作を開始すると共に,吸入弁31を閉塞位置に,ガバナレバー3bを低速位置にするようになっている。
なお,図1を参照して説明した容量制御装置の構成において,制御流路23の分岐流路23aを吸入弁31の閉弁受圧室(図示せず)に対して連通する構成としているが,例えば図6を参照して説明した空気圧縮機のように吸入弁の本体とは別にレギュレータ等の開閉機構を備えている場合には,この開閉機構の作動圧室も,本発明で言う吸入弁31の閉弁受圧室に含まれる。
また,図示の構成にあっては,調速装置として機械式の調速装置(機械式のガバナ3a)を設けているが,これに代えて例えば既知の電子ガバナ等の電子制御式の調速装置を設けるものとしても良い。
ここで電子ガバナとは,入力された制御信号に基づいてエンジン3に対する燃料の供給量を制御することにより,前述の機械式のガバナと同様,エンジン3の回転速度を制御するものであり,このような電子ガバナを採用する場合には,例えば制御流路23による作動圧力の導入による制御に代えて,例えば消費流路22内の圧力を検知する圧力センサ,又は圧力調整弁32の二次側の制御流路23内の圧力を検知する圧力センサ等を設け,該センサで検知した圧力に応じてエンジン3,従って圧縮機本体2の回転速度を制御するように構成し,容量制御装置とは別に速度制御装置を構成するものとしても良い。
〔パージ機構〕
本発明の空気圧縮機1は,前述した容量制御装置及び速度制御装置の他,さらに,容量制御装置の吸入弁31が閉塞位置となったとき,圧縮機本体2の吐出口に連通された吐出流路21内の圧縮空気を大気へ放出して,圧縮機本体2の吐出側圧力を低下させる圧力低下処理と,吸入弁31を閉塞位置又は前記閉塞位置に対して僅かに開いた位置と成すように吸入弁31の閉弁受圧室内の圧力を維持する保圧処理を行うと共に,ガバナレバー3bを低速位置乃至は低速位置に対して僅かに高速側に揺動させた位置に維持する速度維持処理を行う,パージ機構が設けられている。
このパージ機構は,吐出流路21内の圧力がアンロード開始圧力(一例として0.79MPa)以上に上昇して容量制御装置を構成する吸入弁31が圧縮機本体2の吸入口を閉じると,圧縮機本体2の吐出側を開放して放気(パージ)を開始するもので,前記吐出流路21に連通されたパージ弁11と,該パージ弁11の開放時,前記吐出流路21内の圧縮空気を前記吸入弁31の閉弁受圧室やスピードレギュレータ41の作動圧室に導入する保圧流路24を備えており,前記パージ弁11の開放によって吐出流路21内の圧力を所定の下限圧力(一例として0.3MPa)に低下させると共に,この圧力に維持することができるように構成されている。
図示の実施形態にあっては,パージ弁11の一次側を流路27を介して圧力調整弁32の一次側における前記制御流路23に連通すると共に,パージ弁の二次側に連通された前述の保圧流路24を,圧力調整弁32の二次側における制御流路23に連通している。
従って,パージ弁11を開放すると,吐出流路21内の圧縮空気が圧力調整弁32をバイパスして圧力調整弁32の二次側における制御流路23内に導入されて,前述の放気流路25を介して圧縮空気の放気が行われると共に,パージ弁11,保圧流路24,制御流路23,23aを介して吐出流路21内の圧力が吸入弁31の閉弁受圧室に,さらに制御流路23の分岐流路23bを介してスピードレギュレータ41の作動圧室にそれぞれ導入されるようになっている。
なお,図示の構成では,パージ弁11の一次側,二次側共に制御流路23に対して連通するものとしているが,例えばパージ弁11の一次側を直接吐出流路21に連通するものとしても良く,また,保圧流路24を直接,吸入弁31の閉弁受圧室やスピードレギュレータ41の作動圧室に連通するものとしても良い。
このように,保圧流路24を直接吸入弁31の閉弁受圧室やスピードレギュレータ41の作動圧室と連通する場合には,保圧流路24に連通する放気流路を設ける等して,パージ弁11の開放によって吐出流路21内の圧縮空気を放気することができるように構成する。
ここで,前述の保圧流路24は,パージ弁11の開放時,パージ弁11を介して導出された吐出流路21内の圧力を,吸入弁31の閉弁受圧室やスピードレギュレータ41の作動圧室に導入するもので,この圧力の導入により,閉弁受圧室や作動圧室内の圧力を保持して,吸入弁31を閉塞位置乃至は前記閉塞位置に対して僅かに吸入口を開いた状態に,前記スピードレギュレータ41によるガバナレバー3bを低速位置,又は前記低速位置に対して僅かに高速側に揺動させた位置に保持することができるようにしている。
このようなパージ時(パージ弁の開放時)における吸入弁31及びスピードレギュレータ41の動作を実現するために,吸入弁31を閉塞位置にする該吸入弁31の閉弁受圧室内の圧力と,ガバナレバー3bを低速位置に作動するスピードレギュレータ41の作動圧室の圧力は,前記下限圧力(一例として0.3MPa)よりも低い所定の圧力となっており,吐出流路内の圧力が下限圧力になったときに,閉弁受圧室や作動圧室に供給する吐出流路21内の圧縮空気が前述の所定の圧力に減圧されるよう前記減圧手段である放気流路25の流路面積を設定している。
なお,以上の説明では吸入弁31が閉塞位置乃至は閉塞位置に対して僅かに開いた状態となるよう吸入弁31の閉弁受圧室内の圧力を維持する圧力保持処理と,エンジン3の速度維持処理とを,いずれも保圧流路24を介して吐出流路21内の圧縮空気を吸入弁31の閉弁受圧室及びスピードレギュレータ41の作動圧室に導入することにより行うものとしているが,速度維持処理を行う構成は,前述の保圧処理を行う構成とは別個に設けるものとしても良い。
ここで,吸入弁31が例えばバタフライ弁である場合には,弁体を閉塞位置とした場合にも,弁体と弁座の間には弁体を開閉動作させるために必要な開閉許容間隔が設けられており,また,その他の吸入弁31の構成においても,吸入弁31が閉塞位置にあるとき,圧縮機本体2の吸入口に生じる負圧を低減する目的で弁体に細孔を設けることも行われており,このような吸入弁31を採用した空気圧縮機にあっては,吸入弁31を閉塞位置とした状態においても僅かに吸入弁31の一次側の空気を圧縮機本体2に吸気している。
従って,このように,吸入弁31を閉塞位置とした場合に圧縮機本体2に対する僅かな吸気が生じ得る吸入弁31を使用する場合には,パージ時に吸入弁31を閉塞位置としたときの吐出流路21内の圧力を前述の下限圧力とし,閉塞位置において圧縮機本体2に対する吸気が遮断される吸入弁31を使用する場合には,パージ時に吸入弁31を前述の開閉許容間隔や細孔に対応した僅かな開度で開いたときの吐出流路21内の圧力を前述の下限圧力とし,パージ時には圧縮機本体2に僅かに吸気を発生させると共に,この状態における吸入弁31の開度及び圧縮機本体2の回転速度によって生じる圧縮機本体2の吸気量と,パージ弁11の開放時に前記吸入弁31の一次側の吸入流路26aに放出される圧縮空気の放気量の大気圧状態における容積とが一致するように,例えば放気流路25の流路面積を調整することで,吐出流路21内の圧力を一定の圧力(下限圧力)に維持することが可能となる。
前述のパージ弁11は,電気信号の受信によって動作する電磁開閉弁として構成されており,本実施形態において前述のパージ機構は,さらに,吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力を検知する吸入圧力検知手段51,消費流路内の圧力を検知する消費側圧力検知手段52を備えると共に,吸入圧力検知手段51及び消費側圧力検知手段52からの検知信号に基づいてパージ弁11を開閉制御する電子制御装置等によって実現されるパージ動作制御手段12を備えており,これらによってパージ弁11の開閉手段が実現されている。
このうち,前述の吸入圧力検知手段51,及び消費側圧検知手段52は,図示の実施形態にあってはいずれも圧力センサによって構成されるものであり,例えばダイヤフラムゲージのように,ダイヤフラムに加わる圧力を膜の変形量を静電容量の変化やひずみゲージによって測定して電気信号に変換する等,圧力の変化を電気信号に変換することができるものであれば各種のセンサを使用することができる。
測定する圧力は,絶対圧乃至はゲージ圧いずれで測定するものであっても良く,吸入圧力検知手段51については,大気圧以下の負圧のみを計測する負圧センサとして構成するものとしても良い。
前述のパージ動作制御手段12は,前述したように電子制御装置などによって実現されるもので,吸入圧力検知手段51からの検知信号に基づいて,吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力を監視し,この圧力を記憶手段に記憶されている所定のパージ開始圧力と比較してパージ開始圧力以下になるとパージ弁11を開く制御信号を出力する。
また,消費側圧力検知手段52からの検知信号に基づいて消費流路22内の圧力を監視し,パージ弁11の開放後,消費流路内の圧力が記憶手段に記憶された所定のパージ停止圧力以下に低下すると,前記パージ弁11を閉じる制御信号をパージ弁11に対して出力する。
なお,本実施形態にあっては,前述のパージ動作制御手段12は,吸入圧力検知手段51からの検知信号に基づいて,吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力が前記パージ開始圧力以下となった状態の継続時間をタイマーによってカウントし,この継続時間が所定時間(本実施形態において30秒)継続していると判断した場合のみ,パージ弁11を開く制御信号を出力するように構成して,例えば消費側における圧縮空気の消費が停止した後,比較的短時間で消費が再開されて吸入弁31の二次側圧力が比較的短時間で上昇した場合にはパージを行わないようにしている。
以上のような動作を可能とするために,電子制御装置によって実現されるパージ動作制御手段12には,前述したパージ開始圧力,設定低下値,タイマーによりカウントする設定時間,パージ停止圧力等を記憶する記憶手段,吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力が前記パージ開始圧力以下となっている状態の継続時間をカウントするタイマー,及び,パージ弁11に対してこれを開閉する制御信号を出力する制御信号出力手段等がさらに実現されている。
パージ動作制御手段12を実現する電子制御装置等には,前述のパージ開始圧力を可変する調整ツマミ,タイマーによりカウントする時間を調整する調整ツマミ,前記停止圧力を可変する調整ツマミ等を設けてもよく,作業者が空気圧縮機の使用状況や好みに応じて各調整ツマミを調整できるように構成しても良い。
なお,図1中,符号8はエンジン3に供給される燃料が充填された燃料タンクであり,また,符号9は,レシーバタンク4で回収された冷却油を圧縮機本体2の給油口に戻す給油流路中に設けられたオイルクーラである。
〔動作・作用等〕
以上のように構成された本発明のエンジン駆動型空気圧縮機1の動作を,図1,2を参照しながら以下に説明する。
消費側において圧縮空気の消費が行われ,圧縮機本体2の吐出側の圧力(吐出流路21内の圧力)を圧力調整弁32の開動作の開始圧力である設定吐出圧力(一例として0.69MPa)に維持するように容量制御及び速度制御が行われていた運転状態から,消費側における圧縮空気の消費が減少又は停止すると(T1),圧縮機本体2の吐出側圧力(吐出流路21及び消費流路22内の圧力)が上昇してやがて設定吐出圧力以上に上昇する(T2)。
この圧力上昇によって,圧力調整弁32の受圧室内の圧力が上昇して圧力調整弁32内の通路を開き始め,これに伴い逆止弁6の一次側に設けられた吐出流路21内の圧縮空気が制御流路23を介して減圧されて吸入弁31及びスピードレギュレータ41に導入される。
吐出流路21内の圧力上昇に伴って,圧力調整弁32内の流路が広がり,これに伴い吸入弁31及びスピードレギュレータ41に供給される圧力も上昇して,吸入弁31の受圧室内の圧力が上昇すると弁体が圧縮機本体2の吸入口を閉じる方向に作動し,受圧室内の圧力に応じて作動量(開度)が変化する。スピードレギュレータ41の受圧室内の圧力が上昇するとロッドを押し出してエンジン3のガバナレバー3bを高速回転(一例として2500min−1)を実現する高速位置から低速側へ回動し,受圧室内の圧力上昇に伴ってエンジンの回転速度が低下する。
制御流路23は放気流路25を介して吸入弁31の一次側の吸入流路26aと連通していることから,圧力調整弁32の一次側における制御流路23内の圧力(吐出流路21内の圧力)に対して圧力調整弁32の二次側における制御流路23内の圧力は低く,前述した設定吐出圧力(一例として0.69MPa)に対して低い圧力,好ましくは充分に低い圧力となっており,吸入弁31やスピードレギュレータ41の作動圧力についても,この圧力調整弁32の二次側における制御流路23内の圧力によって動作可能な比較的低い圧力に設定されている。
吸入弁31の動作と,スピードレギュレータ41の動作は,例えば吸入弁31の作動よりも先にスピードレギュレータ41が作動して,エンジン3及び圧縮機本体2の回転速度を低下させて吸入空気量を低下させた後で吸入流路26を絞るようにするものとしても良いが,それぞれが同時であっても,吸入弁31が先に作動するようにしてもよく,エンジン3の出力特性と圧縮機本体2の動力特性により,いずれの運転状態であってもエンジン3がストール(停止を含む減速)しないように調整されていればよい。
吸入弁31が絞られると,吸入弁31を通過する空気量が減少して吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力が徐々に低下する。
なお,図2中吸入流路26b内の圧力はT2−T3間において直線で示されているが,吸入弁31がバタフライタイプやピストンタイプのものである場合には,吸入弁31の弁体が全開している状態から絞り始めても吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力低下はほとんどなく,弁体が全閉となる近傍において該吸入流路26b内の圧力が急激に低下し,吸入空気量が急激に減少する。
吸入弁31が閉動作すると共に,圧縮機本体2の回転が低速側に移行するに従い,吐出流路21及び消費流路22内の圧力上昇も緩やかとなるが,圧縮機本体2からの圧縮空気の吐出自体は継続しているために,圧縮機本体2の吐出側圧力(吐出流路21内圧力,消費流路22内圧力)はさらに上昇し,圧力調整弁32が全開となる圧力であるアンロード運転圧力(一例として0.79MPa)以上になると,圧力調整弁32が全開となり,吸入弁31は閉塞位置となると共に,スピードレギュレータ41はガバナレバー3bを低速位置と成しエンジン3の回転速度が低速(一例として1200min−1)となる(T3)。
吸入弁31が閉塞位置となることにより変化する吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力は,吸入圧力検知手段51によって測定されており,この吸入圧力検知手段51からの検知信号を受信したパージ動作制御手段12は,予め設定されたパージ開始圧力(一例として-0.06MPa)と,吸入圧力検知手段51が検知した吸入流路26b内の圧力とを比較し,吸入圧力検知手段51によって検知された圧力がパージ開始圧力以下になるとタイマーによりカウントを開始する(T4)。
このパージ開始圧力以下の圧力検知が所定の設定時間(例えば30秒)継続して行われると,パージ動作制御手段12はパージ弁11に対して開弁信号を出力してパージ弁11を開放する(T5)。
なお,タイマーによる設定時間(一例として30秒)のカウント前に,吸入圧力検知手段51が検知した吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力が前述のパージ開始圧力(-0.06MPa)を超えると,タイマーによるカウントがリセットされ,次にパージ開始圧力以下の圧力が検知される迄,待機状態となりパージ弁11の開放は行われない。
パージ弁11の内部通路は圧力調整弁32の内部通路よりも流路面積が広く形成されており,圧力調整弁32に対して流量が大きくなっていることから,パージ弁11が開くと保圧流路24に吐出流路21内の圧縮空気が流れ,この圧縮空気は制御流路23,放気流路25を介して吸入弁31一次側の吸入流路26aに放気される。このようにして吸入弁31の一次側における吸入流路26aに放気された圧縮空気は,例えば前述した吸入弁31の開閉許容間隔等を介して一部は圧縮機本体2へ吸い込まれ,他はエアフィルタ7から大気放出される。
このようにして,パージ弁11が開放されて吐出流路21内の圧縮空気が放出されると,吸入流路26が吸入弁31で絞られ又は塞がれることにより吸入空気量が僅かな状態となっている圧縮機本体2より吐出される圧縮空気に対し,大気放出される圧縮空気の量が上回り,次第に吐出流路21内の圧力及びこれに連通する圧縮機本体2の吐出室内の圧力が低下して圧縮機本体2の消費動力が減少する。
なお,パージ弁11の開放によって吐出流路21内の圧縮空気が放気された状態においても,逆止弁6の二次側に設けられた消費流路22内の圧力はパージ弁11の開放による影響を受けずに,パージ弁11の開放直前における吐出流路21内の圧力状態を維持する。
パージ弁11の開放によって吐出流路21内の圧力が設定吐出圧力(例えば0.69MPa)未満になると,圧力調整弁32の内部通路が全閉となる(T6)。
しかし,パージ弁11の二次側に設けた保圧流路24を吸入弁31の閉弁受圧室やスピードレギュレータ41の作動圧室に連通(図1の例では,保圧流路24を圧力調整弁32の二次側において制御流路23に連通し,制御流路23を介して吸入弁31の閉弁受圧室とスピードレギュレータ41の作動圧室に連通)した本発明の構成にあっては,パージ弁11の開放によって吐出流路21内の圧縮空気が吸入弁31の閉弁受圧室とスピードレギュレータ41の作動圧室に導入されて圧力が保持され,吸入弁31によって吸入流路26が塞がれた状態が維持されると共に,エンジン3のガバナレバー3bが低速側へ回動した状態に維持される。
パージ弁11の開放状態が継続することにより吐出流路21内の圧力がさらに低下してやがて下限圧力(一例として0.3MPa)となると,吐出流路21内の圧力低下は,この下限圧力で停止すると共に,この下限圧力に維持される。
この下限圧力に吐出流路21内の圧力が維持されることにより,吸入弁31は閉塞位置乃至は前記閉塞位置に対して僅かに開いた状態を維持すると共に,スピードレギュレータ41は,ガバナレバー3bを低速位置乃至は低速位置に対して僅かに高速側に揺動させた位置に維持される。
このような下限圧力の維持は,一例として吐出流路21内の圧力が前記下限圧力に低下したとき,吸入弁31の一次側の空気を圧縮機本体2に吸気する吸気量が,放気流路25を介して吸入流路26aへ放気される圧縮空気放気量の大気圧状態における容積とを一致させることにより実現することができ,この吸気量と放気量とが一致すると,吐出流路21内の圧力が前記下限圧力(例えば0.3MPa)で維持され,吸入弁31及びスピードレギュレータ41の受圧室に導入される作動圧が一定となる(T7)。
なお,吐出流路21内の圧力が下限圧力に低下したときの圧縮機本体2の吸気量は,吸入弁31が閉塞位置にある場合には吸入弁31の開閉許容間隔や弁体に設けた細孔で形成される流路面積,又は,吸入弁31が僅かに開いた状態にある場合にはこの開度において生じる流路面積,及び,スピードレギュレータ41によって実現されるエンジン3(圧縮機本体2)の回転速度によって決まる。
以上のように,パージ弁11の開放によって,吐出流路21内の圧力は前述した下限圧力迄低下するが,このパージ弁11の開放によって吐出流路21内の圧力が低下しても,逆止弁6によって消費流路22内の圧縮空気は吐出流路21側へは逆流せずに,消費流路22内の圧力はパージ弁11の開放直前における吐出流路21内の圧力(図示の例では一例として0.79MPa)を維持する。
パージ動作制御手段12は,消費側圧力検知手段52の検知信号に基づいて消費流路22内の圧力を監視すると共に,記憶手段に記憶したパージ停止圧力(例えば0.69MPa)を消費側圧力検知手段52によって検知された消費流路22内の圧力と比較する。
以上の状態から,消費側における圧縮空気の消費が再開すると(T8),消費流路22内の圧力が低下し,消費側圧力検知手段52がこの圧力の低下を検知してパージ動作制御手段12に対して出力される検知信号に変化が生じる。そして,消費流路22内の圧力が,前述したパージ停止圧力(一例として0.69MPa)未満になると,パージ動作制御手段12は,パージ弁11に対して閉弁信号を出力して,パージ弁を閉じる(T9)。
このようにしてパージ弁11が閉じると,吸入弁31及びスピードレギュレータ41に対する圧縮空気の供給が停止して,吸入弁31が吸入流路26を開くと共に,スピードレギュレータ41はガバナレバー3bを高速側へ回動し,エンジン3及び圧縮機本体2の回転速度を上昇させ吸入空気量を増加したフルロード運転に移行する。
そして,吐出流路21内の圧力が上昇し消費流路22内の圧力以上に上昇すると逆止弁6を開いて消費流路22を介して消費側に対して圧縮空気が供給されて,消費流路22内の圧力低下が停止すると共に,吐出流路21内の圧力と消費流路内の圧力とが一致した状態となり(T10),吐出流路21内の圧力が設定吐出圧力(一例として0.69MPa)を維持するように容量制御及び速度制御が行われる。
本発明の制御装置は,以上のように構成されているために,比較的簡単な構成でありながら,アンロード運転時にパージ弁11を開放して吐出流路21内の圧力を低下させても,吸入弁31を閉塞位置又は閉塞位置に対して僅かに開いた位置に維持することができると共に,エンジン3の回転速度を低速回転に維持することができ,その結果,空気圧縮機の燃費を大幅に低減することができた。
以上の構成を備えた本発明の制御装置によって制御した空気圧縮機における燃費の向上について,図4,5を参照して説明する。
図4は,速度制御装置の動作に遅れて容量制御装置が作動するように構成した空気圧縮機におけるエンジン3及び圧縮機本体2の出力及び動力と回転速度との相関関係を示したもので,A点は吸入弁31を全開とした状態で,且つ,エンジン及び圧縮機本体が高速(フルロード回転速度:一例として2500min−1)で運転している状態にある。このときの吐出流路21内の圧力は設定吐出圧力(一例として0.69MPa)で略一定に維持されている。
このA点において,圧縮機本体2の動力は最大であり,この状態から例えば吐出流路21内の圧力が設定吐出圧力(一例として0.69MPa)より低下すると,速度制御装置はガバナレバーを高速位置に維持するものの,吐出流路21内の圧力低下による背圧の低下により圧縮機本体2の動力は,A点に対して図中右側のエンジンの出力曲線(フルロード運転時)に沿って低下する。
これとは逆に,吐出流路21内の圧力が前述の設定吐出圧力を超えると,圧力上昇に応じて速度制御装置が吐出流路21内の圧力が設定吐出圧力(一例として0.69MPa)に近付くようにエンジンの回転速度を低下させ,このようにしてエンジンの回転速度を低下させると圧縮機本体2に対する吸入空気量が減少して圧縮機本体の動力も低下する。
図4中の点A−B間は,吸入弁31を全開とした状態で,吐出流路21内の圧力上昇に応じてエンジンの回転速度のみを制御した場合における圧縮機本体2の動力変化を示している。
吐出流路21内の圧力がさらに上昇すると,速度制御装置に遅れて容量制御装置が作動して,前述の速度制御と併用して容量制御が行われ,容量制御装置は吐出流路21内の圧力上昇に対して,吐出流路21内の圧力が設定吐出圧力(一例として0.69MPa)に近付くように吸入弁31を絞る。この容量制御の開始点が図中のB点であり,点B−C間は速度制御と容量制御を併用した場合における圧縮機本体2の動力変化の状態を示している。
容量制御の併用が開始されることにより,速度制御のみが行われていた場合に比較して,圧縮機本体2に対する吸入空気量の減少割合が大きくなり,これに伴い圧縮機本体の動力がさらに低下する。
そのため,圧縮機本体2の動力性能を示す線図は,B点を境に図中左側において相対的に傾斜が急なものとなり,大幅な動力低下,従ってこれを駆動するエンジンに対する負荷も大幅に軽減されていることが判る。
さらに吐出流路21内の圧力が上昇して,アンロード開始圧力(一例として0.79MPa)となると,吸入弁が閉塞位置となり,吸入空気量が最小(ゼロを含む)となると共に,エンジンの回転速度を低速(アンロード回転速度;一例として1200min−1)としたアンロード運転に移行する(C点)。
ここで,フルロード運転時における圧縮機本体の動力(A点)を100%とすると,アンロード運転時における圧縮機本体動力(C点)は約33%に減少している。
アンロード運転に移行したとき,またはアンロード運転を所定時間継続した後にパージ弁11を開放すると,パージ弁11の開放により吐出流路21内の圧力が低下して,この圧力低下に伴い,圧縮機本体2の動力はエンジンの出力曲線(アンロード運転時)に沿って低下する(点C−D間)。
D点は,このパージ弁11の開放によって吐出流路21内の圧力が前述の下限圧力(一例として0.3MPa)まで低下し,この圧力を維持している状態であり,この状態の圧縮機本体2の動力(D点)は,前述のフルロード運転時における動力(A点)を100%としたときの約23%である。
ここで,図4の特性を示した空気圧縮機において使用した速度制御装置は,C点,D点のいずれにおいてもガバナレバーを低速位置とした状態を維持していたが,D点におけるエンジンの回転速度は,C点での回転速度(アンロード回転速度;一例として1200min−1)に比較して高い回転速度(一例として1250min−1)となった。従って,この回転速度の増加は,C点に対してD点では,圧縮機本体2の動力が低下したことに伴い,エンジンに対する負荷が軽減されたことにより生じたものであり,速度制御装置によってもたらされる回転速度の増加ではない。
なお,上記の例では,C点,D点のいずれにおいてもガバナレバーの位置は低速位置に維持されているものとして説明したが,前述した下限圧力(一例として0.3MPa)の設定によっては,D点においてガバナレバーを低速位置に対して僅かに高速側に回動した位置となり,これに伴って,エンジン3(圧縮機本体2)の回転速度がさらに増加し得る。
しかし,パージを行った運転状態(D点)では,吐出流路21内の圧力低下に伴って圧縮機本体2の動力が大幅に低下しているために,仮にパージ時の回転速度(D点)がアンロード運転時の回転速度(C点)に対して増加しても,この回転速度の増加が10%以下の上昇であれば燃費向上の効果が得られるため,この程度の回転速度の増加は本発明の範囲に含まれる。
図5は,時間あたりの全負荷運転と無負荷運転との割合(負荷率)に対するエンジン駆動型圧縮機の燃料消費量を示すグラフであって,ア点は時間当たり100%全負荷運転時(図4におけるA点)の燃料消費量であって,イ点はパージ運転を行わない100%無負荷運転時(全負荷0%)(図4における点C)の燃料消費量,ウ点はパージ運転を100%無負荷運転時(全負荷0%)(図4におけるD点)行ったときの燃料消費量である。
点ア−イ−ウ内のハッチングはパージ運転を行わない従来の圧縮機に対して本発明の圧縮機による燃費の向上が得られていること(省エネ効果が高いこと)を示している。
実施形態2
本発明のさらに別の構成例を図4〜6を参照して説明する。
図4中の符号1は,本発明の第2実施形態の空気圧縮機(エンジン駆動型圧縮機)であり,図1を参照して説明した構成では,パージ弁11の開閉動作を,電子制御装置によって構成されるパージ動作制御手段12が圧力センサである吸入圧力検知手段51及び消費側圧力検知手段52からの検知信号に基づいて行うものとして説明したが,図4に示す構成では,前述した図1に示す構成に代え,吸入圧力検知手段51’,消費側圧力検知手段52’として,いずれも圧力スイッチを採用し,該圧力スイッチのON,OFFによりパージ弁11が開閉するように構成した点において異なる。
また,本実施形態の構成にあっては,保圧流路24内に放気サイレンサ13を設け,パージ弁11の開放時,この放気サイレンサ13を介しても吐出流路21内の圧縮空気を放気できるように構成していると共に,放気サイレンサ13を設けた位置に対して下流側の保圧流路24内に逆止弁14を設け,圧力調整弁32を通過して圧力調整弁32の二次側における制御流路23内に導入された圧縮空気が,この放気サイレンサ13を介して放気されないように構成した点で図1を参照して説明した実施形態1の構成とは異なり,その他の構成は,前述の図1を参照して説明した実施形態1の構成と同様である。
この図3に示す実施形態2の構成において,圧力スイッチである前述の吸入圧力検知手段51’は,一例として-60kPaでON,-20kPaでOFFとなるように設定されており,また,圧力スイッチである消費側圧力検知手段52’は,一例として0.69MPaでON,0.64MPaでOFFとなるように設定されている。
以上のように構成された本実施形態の圧縮機の構成において,消費側における圧縮空気の消費が停止し,又は消費量が減少することにより,吐出流路21内の圧力がアンロード開始圧力以上になると,容量制御手段が吸入弁31を絞り又は閉じ,これにより吸入弁31の二次側と圧縮機本体2間の圧力が-60kPaまで低下すると,吸入圧力検知手段51’を構成する圧力スイッチがONになり,パージ弁11を開放する。
パージ弁11の開放により,パージ弁11の二次側連通された保圧流路24に設けた放気サイレンサ13から一部の圧縮空気が大気へ放出される。放気サイレンサ13の入口にオリフィスを設ける等して,放気サイレンサ13に対して導入される圧縮空気の流量を調整することで,制御流路23へ流れる圧縮空気と放気サイレンサ13から大気へ放出される圧縮空気との割合を調整することができ,これにより,前述した下限圧力の調整が可能である。
放気サイレンサ13により放気されずに制御流路23に導入された圧縮空気は,放気流路25を介して放気されると共に,分岐流路23a,23bを介して吸入弁31及びスピードレギュレータ41の作動圧室にそれぞれ導入されて,作動圧室内の圧力を保持する。
パージ弁11を開放した運転状態において,消費側における圧縮空気の消費が再開され,又は消費量が増加する等して消費流路22内の圧力0.64MPaまで低下すると,圧力スイッチによって構成された消費側圧力検知手段52’がOFFとなり,パージ弁11が閉じてパージが終了する。
ここで,圧力調整弁32の作動開始圧力である前述の設定吐出圧力を本実施形態にあっては0.69MPaとしていることから,このとき圧力調整弁32は閉じた状態にあり,パージ弁11が閉じることによって吸入弁31の閉弁受圧室,及びスピードレギュレータ41の作動圧室に対する圧縮空気の導入が停止して,吸入弁31を全開,エンジンを高速としたフルロード運転に復帰する。
この吸入弁31の開放により,吸入弁31の二次側における吸入流路26b内の圧力は-3kPaに上昇し,圧力スイッチである吸入圧力検知手段51’がOFFとなる圧力である-20kPaよりも大幅に高い圧力となっていることから,フルロード運転時,パージ弁11を確実に閉状態に維持することができる。
以上のように構成した実施形態2の構成にあっては,圧力スイッチである吸入圧力検知手段51’,消費側圧力検知手段52’のON,OFFによりパージ弁11を開閉動作させるように構成したことから,実施形態1の構成において採用していた電子制御装置等によって構成されるパージ動作制御手段12が不要となり,より一層装置構成を簡略化することができた。
また,保圧流路24中に放気サイレンサ13を設け,パージ弁11の開放時,この放気サイレンサ13によっても吐出流路21内の圧縮空気を放気可能としたことから,放気サイレンサ13による放気量を調整することで,パージ弁11を介して吸入弁31の閉弁受圧室やスピードレギュレータ41の作動圧室に導入される作動圧(下限圧力)の調整が容易となると共に,放気サイレンサ13を設けることにより,パージ時,吐出流路21内の圧力,従って圧縮機本体2の動力をより速く低下させることができる。
なお,実施形態2において保圧流路24に設けた放気サイレンサ13と逆止弁14は,前述した実施形態1の装置構成においても設けることもできる。
1 空気圧縮機
2 圧縮機本体
3 駆動源(エンジン)
3a ガバナ
3b ガバナレバー
4 レシーバタンク
5 セパレータ
6 逆止弁
7 エアフィルタ
8 燃料タンク
9 オイルクーラ
11 パージ弁
12 パージ動作制御手段
13 放気サイレンサ
14 逆止弁
21 吐出流路
22 消費流路
23 制御流路
23a 分岐流路(吸入弁側)
23b 分岐流路(スピードレギュレータ側)
24 保圧流路
25 放気流路
26 吸入流路
26a 吸入流路(吸入弁の一次側)
26b 吸入流路(吸入弁の二次側)
27 流路
31 吸入弁
32 圧力調整弁
32a 圧力調整杆
41 スピードレギュレータ
51,51’ 吸入圧力検知手段
52,52’ 消費側圧力検知手段
100 空気圧縮機
102 圧縮機本体
103 エンジン
103a 調速装置(ガバナ)
103b レバー(ガバナの)
104 レシーバタンク
111 オートレリーフバルブ
131 バタフライ弁(吸入弁)
132 レギュレータ(ベロフラム型)
141 レギュレータ(ダイヤフラム型)
150 ドレーンタンク
151,152 流路
200 空気圧縮機
202 圧縮機本体
204 レシーバタンク
206 圧力調整弁兼逆止弁
207 逆止弁
208〜210,217 流路
211 オートレリーフバルブ
216,216’ パイロット流路
222 供給流路
231 吸入弁
231a ダイヤフラム室
232 レギュレータ
VS,PS,PPS 圧力スイッチ
SV,SVV 三方電磁弁

Claims (11)

  1. 圧縮機本体から消費側に至る圧縮空気の流路に一端を連通する制御流路と,前記圧縮機本体の吸入口に設けた吸入弁と,前記圧縮機本体の吐出側圧力に応じて前記制御流路を開閉する圧力調整弁を備え,前記制御流路の他端に前記吸入弁の閉弁受圧室を連通して,前記圧縮機本体の吐出側圧力が前記圧力調整弁が開動作を開始する圧力である設定吐出圧力未満のときに前記吸入弁を全開とし,前記圧縮機本体の吐出側圧力が前記設定吐出圧力以上になると前記吸入弁の閉動作を開始すると共に,前記圧縮機本体の吐出側圧力が前記設定吐出圧力に対して所定の高い圧力であるアンロード開始圧力以上になると,前記吸入弁を閉塞位置とする容量制御を行う容量制御装置と,前記圧縮機本体を駆動するエンジンの調速装置によって該エンジンの回転速度を制御すると共に,前記圧縮機本体の吐出側圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき前記エンジンの回転速度を所定の低速回転にする速度制御を行う速度制御装置とを備えた空気圧縮機において,
    前記圧縮機本体から消費側に至る前記圧縮空気の流路中に逆止弁を設け,前記逆止弁の一次側における前記流路を吐出流路,前記逆止弁の二次側における前記流路を消費流路とし,前記制御流路の前記一端を前記吐出流路に連通して,前記圧力調整弁が開いたとき,前記吐出流路内の圧力に対して減圧した該吐出流路内の圧縮空気を前記吸入弁の閉弁受圧室に導入して前記容量制御を行い,
    前記吐出流路にさらにパージ弁を連通し,前記容量制御装置が前記吸入弁を閉塞位置としたとき,前記パージ弁を開放して前記吐出流路内の圧縮空気を大気及び/又は前記吸入弁の一次側の吸入流路へ放出することにより前記吐出流路の圧力を低下させる圧力低下処理と,前記パージ弁を介して放出された前記吐出流路内の圧縮空気の一部を前記吸入弁の閉弁受圧室に導入することにより前記吸入弁の閉弁受圧室内の圧力を保持する保圧処理を行うと共に,,
    前記パージ弁の開放時,前記エンジンの回転速度を前記低速回転又は該低速回転に対して僅かに増速した回転速度に維持する速度維持処理を行い,
    前記パージ弁の開放により前記吐出流路内の圧力を,前記設定吐出圧力未満の圧力であって,前記吸入弁が閉塞位置乃至は該閉塞位置に対して僅かに開いた状態となる所定の下限圧力まで低下させると共に,前記パージ弁が閉弁するまで前記圧力低下処理,保圧処理及び速度維持処理を継続して前記下限圧力に低下した前記吐出流路内の圧力を前記下限圧力に維持することを特徴とするエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法。
  2. 前記圧力調整弁の二次側における前記制御流路を前記エンジンの調速装置を動作させるスピードレギュレータの作動圧室に連通して前記速度制御装置を形成することにより,前記圧力調整弁が開いたとき,前記吐出流路内の圧縮空気を該吐出流路内の圧力に対して減圧して前記スピードレギュレータの作動圧室に導入し,前記吐出流路内の圧力が前記設定吐出圧力未満のときに前記エンジンの回転速度を所定の高速回転とし,前記吐出流路内の圧力が前記設定吐出圧力以上になると前記エンジンの回転速度の減速を開始し,更に前記吐出流路内の圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき前記エンジンの回転速度を前記低速回転にする前記速度制御を行うと共に,
    前記パージ弁の開放時,該パージ弁を介して放出された前記吐出流路内の圧縮空気の一部を,前記スピードレギュレータの作動圧室に導入することにより前記速度維持処理を行うことを特徴とする請求項1記載のエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法。
  3. 前記パージ弁を開放して前記吐出流路内が前記下限圧力のとき,前記パージ弁を介して大気及び/又は前記吸入弁の一次側の吸入流路へ放出される圧縮空気の放気量の大気圧状態における容積と,前記圧縮機本体の吸入量を一致させることにより,前記吐出流路内の圧力を前記下限圧力に維持することを特徴とする請求項1又は2記載のエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法。
  4. 前記パージ弁の開放を前記吸入弁の二次側と前記圧縮機本体間の吸入流路内の圧力が大気圧よりも低い圧力の範囲で予め設定したパージ開始圧力以下になったときに行うと共に,
    前記パージ弁の開放後,前記消費流路内の圧力が所定の圧力値以下に低下したとき,前記パージ弁を閉じることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法。
  5. 前記吐出流路内の圧力が所定の供給圧力以上のときに前記消費流路に対する圧縮空気の導入を行うと共に,前記下限圧力を前記供給圧力未満の圧力としたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のエンジン駆動型空気圧縮機の制御方法。
  6. 圧縮機本体から消費側に至る圧縮空気の流路に一端を連通する制御流路と,前記圧縮機本体の吸入口に設けた吸入弁と,前記圧縮機本体の吐出側圧力に応じて前記制御流路を開閉する圧力調整弁を備え,前記制御流路の他端に前記吸入弁の閉弁受圧室を連通して,前記圧縮機本体の吐出側圧力が前記圧力調整弁が開動作を開始する圧力である設定吐出圧力未満のとき,前記吸入弁を全開とし,前記圧縮機本体の吐出側圧力が前記設定吐出圧力以上となると前記吸入弁の閉動作を開始すると共に,前記圧縮機本体の吐出側圧力が前記設定吐出圧力に対して所定の高い圧力であるアンロード開始圧力以上になると,前記吸入弁を閉塞位置とする容量制御装置と,前記圧縮機本体を駆動するエンジンの調速装置によって該エンジンの回転速度を制御すると共に,前記圧縮機本体の吐出側圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき前記エンジンの回転速度を所定の低速回転にする速度制御装置とを備えた空気圧縮機において,
    前記圧縮機本体から消費側に至る前記圧縮空気の流路中に逆止弁を設け,前記逆止弁の一次側における前記流路を吐出流路,前記逆止弁の二次側における前記流路を消費流路とし,
    前記制御流路の前記一端を前記吐出流路に連通して前記容量制御装置を形成すると共に,該容量制御装置の前記制御流路に前記圧力調整弁の二次側における前記制御流路内の圧力を該圧力調整弁の一次側における前記制御流路内の圧力に対して減圧する減圧手段を設け,
    さらに,前記吐出流路に連通すると共に前記容量制御装置が前記吸入弁を閉塞位置としたときに開放して前記吐出流路内の圧縮空気を大気及び/又は前記吸入弁の一次側の吸入流路へ放出するパージ弁と,該パージ弁の開放時に前記吐出流路内の圧縮空気を前記吸入弁の閉弁受圧室に導入する保圧流路を備えると共に,前記パージ弁の開放時,前記エンジンの回転速度を前記低速回転又は該低速回転に対して僅かに増速した回転速度に維持する速度維持機構を備えるパージ機構を設け,
    前記パージ機構により,前記パージ弁の開放時,前記吐出流路内の圧力を前記設定吐出圧力未満の圧力であって前記吸入弁を閉塞位置乃至は該閉塞位置に対して僅かに開いた位置とする所定の下限圧力まで低下させると共に,該下限圧力を維持可能としたことを特徴とするエンジン駆動型空気圧縮機。
  7. 前記圧力調整弁の二次側における前記制御流路を前記エンジンの調速装置を動作させるスピードレギュレータの作動圧室に連通することにより,前記吐出流路内の圧力が前記設定吐出圧力未満のときに前記エンジンの回転速度を所定の高速回転とし,前記吐出流路内の圧力が前記設定吐出圧力以上になると前記エンジンの回転速度を減速し始め,前記吐出流路内の圧力が前記アンロード開始圧力以上のとき前記エンジンの回転速度を前記低速回転にする前記速度制御装置を形成すると共に,
    前記保圧流路を前記スピードレギュレータの作動圧室に対し連通することにより前記速度維持機構を構成したことを特徴とする請求項6記載のエンジン駆動型空気圧縮機。
  8. 前記圧力調整弁の二次側における前記制御流路に前記保圧流路を連通すると共に,前記圧力調整弁及び/又は前記パージ弁の二次側に,他端が大気及び/又は前記吸入弁の一次側の吸入流路へ開放された放気流路の一端を連通したことを特徴とする請求項6又は7記載のエンジン駆動型空気圧縮機。
  9. 前記パージ弁を開放して前記吐出流路内の圧力が前記下限圧力のときの前記圧縮機本体の吸気量と,前記パージ弁を介して大気及び/又は前記吸入弁の一次側の吸入流路へ放出される圧縮空気の放気量の大気圧状態における容積とが一致するよう,前記パージ弁による放気量を設定したことを特徴とする請求項6〜8いずれか1項記載のエンジン駆動型空気圧縮機。
  10. 前記パージ弁を電磁開閉弁とし,
    前記吸入弁の二次側と前記圧縮機本体間の吸入流路内の圧力を検知する吸入圧力検知手段と,前記消費流路内の圧力を検知する消費側圧力検知手段を有し,前記吸入弁の二次側と前記圧縮機本体間の吸入流路内の圧力が大気圧よりも低い圧力の範囲で予め設定したパージ開始圧力以下になったときに前記パージ弁を開放すると共に,前記消費流路内の圧力が所定の圧力値以下に低下したときに前記パージ弁を閉塞するパージ弁の開閉手段を設けたことを特徴とする請求項6〜9いずれか1項記載の空気圧縮機。
  11. 前記逆止弁に,前記吐出流路内の圧縮空気の圧力が所定の供給圧力以上のときに開弁する保圧弁の機能を付加すると共に,前記下限圧力を前記供給圧力未満の圧力としたことを特徴とする請求項6〜10いずれか1項記載の空気圧縮機。
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