本発明にかかる天井設置型室内ユニットの実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
<構成>
−全体−
図1は、本発明の第1実施形態にかかる天井設置型室内ユニット4が採用された空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、スプリットタイプの空気調和装置であり、主として、室外ユニット2と、天井設置型室内ユニット4と、室外ユニット2と天井設置型室内ユニット4とを接続する液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6とを有しており、蒸気圧縮式の冷媒回路10を構成している。
−室外ユニット−
室外ユニット2は、室外等に設置されており、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、膨張弁24と、液側閉鎖弁25と、ガス側閉鎖弁26とを有している。
圧縮機21は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して高圧のガス冷媒とした後に吐出する機構である。ここでは、圧縮機21として、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された圧縮機モータ21aによって駆動される密閉式圧縮機が採用されている。圧縮機モータ21aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、圧縮機21の容量制御が可能になっている。
四路切換弁22は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。四路切換弁22は、冷房運転時には、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともにガス側閉鎖弁26と圧縮機21の吸入側とを接続することが可能である(図1における四路切換弁22の実線を参照)。また、四路切換弁22は、暖房運転時には、圧縮機21の吐出側とガス側閉鎖弁26とを接続するとともに室外熱交換器23のガス側と圧縮機21の吸入側とを接続することが可能である(図1における四路切換弁22の破線を参照)。
室外熱交換器23は、冷房運転時には冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、その液側が膨張弁24に接続されており、ガス側が四路切換弁22に接続されている。
膨張弁24は、冷房運転時には室外熱交換器23において放熱した高圧の液冷媒を室内熱交換器42(後述)に送る前に減圧し、暖房運転時には室内熱交換器42において放熱した高圧の液冷媒を室外熱交換器23に送る前に減圧することが可能な電動膨張弁である。
液側閉鎖弁25及びガス側閉鎖弁26は、外部の機器・配管(具体的には、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁25は、膨張弁24に接続されている。ガス側閉鎖弁26は、四路切換弁22に接続されている。
また、室外ユニット2には、ユニット内に室外空気を吸入して、室外熱交換器23に室外空気を供給した後に、ユニット外に排出するための室外ファン27が設けられている。すなわち、室外熱交換器23は、室外空気を冷却源又は加熱源として冷媒を放熱や蒸発させる熱交換器となっている。ここでは、室外ファン27として、室外ファンモータ27aによって駆動されるプロペラファンが採用されている。室外ファンモータ27aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、室外ファン27の風量制御が可能になっている。
また、室外ユニット2は、室外ユニット2を構成する各部の動作を制御する室外制御部39を有している。そして、室外制御部39は、室外ユニット2の制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、天井設置型室内ユニット4の室内制御部69(後述)との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
−液冷媒連絡管−
液冷媒連絡管5は、液側閉鎖弁25に接続された冷媒管である。液冷媒連絡管5は、冷房運転時に、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器23の出口から室外ユニット2外に冷媒を導出することが可能な冷媒管である。また、液冷媒連絡管5は、暖房運転時に、室外ユニット2外から冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器23の入口に冷媒を導入することが可能な冷媒管でもある。
−ガス冷媒連絡管−
ガス冷媒連絡管6は、ガス側閉鎖弁26に接続された冷媒管である。ガス冷媒連絡管6は、冷房運転時に、室外ユニット2外から圧縮機21の吸入に冷媒を導入することが可能な冷媒管である。また、ガス冷媒連絡管6は、暖房運転時に、圧縮機21の吐出から室外ユニット2外に冷媒を導出することが可能な冷媒管でもある。
−天井設置型室内ユニット−
天井設置型室内ユニット4は、ここでは、天井埋込型と呼ばれる型式の天井設置型空気調和装置が採用されている。天井設置型室内ユニット4は、図2〜図5に示すように、内部に各種構成機器を収納するケーシング51を有している。ケーシング51は、ケーシング本体51aと、ケーシング本体51aの下側に配置された化粧パネル52とから構成されている。ケーシング本体51aは、図2に示すように、空調室の天井Uに形成された開口に挿入されて配置されている。そして、化粧パネル52は、天井Uの開口に嵌め込まれるように配置されている。ここで、図2は、天井設置型室内ユニット4の外観斜視図である。図3は、天井設置型室内ユニット4の概略側面断面図であって、図4のI−O−I断面図である。図4は、天井設置型室内ユニット4の天板53を取り除いた状態を示す概略平面図である。図5は、天井設置型室内ユニット4の化粧パネル52を空調室内から見た平面図である。
ケーシング本体51aは、平面視が長辺と短辺とが交互に形成された略8角形状の箱状体であり、その下面が開口している。ケーシング本体51aは、長辺と短辺とが交互に連続して形成された略8角形状の天板53と、天板53の周縁部から下方に延びる側板54とを有している。側板54は、天板53の長辺に対応する側板54a、54b、54c、54dと、天板53の短辺に対応する側板54e、54f、54g、54hとから構成されている。側板54hは、室内熱交換器42と冷媒連絡管5、6とを接続するための室内冷媒管43、44が貫通する部分を構成している。
化粧パネル52は、ケーシング51の下面を構成している平面視が略多角形状(ここでは、略4角形状)の板状体であり、主として、ケーシング本体51aの下端部に固定されたパネル本体52aから構成されている。パネル本体52aは、その略中央に空調室内の空気を吸入する吸入口55と、平面視における吸入口55の周囲を囲むように形成された空調室内に空調空気を吹き出す吹出口56とを有している。吸入口55は、略4角形状の開口である。吸入口55には、吸入グリル57と、吸入口55から吸入される空気中の塵埃を除去するための吸入フィルタ58とが設けられている。吹出口56は、パネル本体52aの4角形の各辺に沿うように形成された複数(ここでは、4つ)の辺部吹出口56a、56b、56c、56dを有している。ここで、主として辺部吹出口56aから吹き出される空調空気の気流(図5の矢印X1を参照)が到達することによって空調が行われるエリアを吹出エリアA’(図6を参照)とする。また、主として辺部吹出口56bから吹き出される空調空気の気流(図5の矢印X2を参照)が到達することによって空調が行われるエリアを吹出エリアB’(図6を参照)とする。また、主として辺部吹出口56cから吹き出される空調空気の気流(図5の矢印X3を参照)が到達することによって空調が行われるエリアを吹出エリアC’(図6を参照)とする。さらに、主として辺部吹出口56dから吹き出される空調空気の気流(図5の矢印X4を参照)が到達することによって空調が行われるエリアを吹出エリアD’(図6を参照)とする。
そして、各辺部吹出口56a、56b、56c、56dには、各辺部吹出口から空調室内に吹き出される空調空気の上下方向の風向角度を変更することが可能な複数(ここでは、4つ)の風向変更羽根71a、71b、71c、71dが設けられている。風向変更羽根71a、71b、71c、71dは、辺部吹出口56a、56b、56c、56dの長手方向に沿って細長く延びる板状の部材である。各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの長手方向の両端部は、長手方向の軸周りに回動可能になるように化粧パネル52に支持されている。そして、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dは、羽根駆動モータ74a、74b、74c、74dによって駆動されるようになっている。これにより、風向変更羽根71a、71b、71c、71dは、それぞれ独立して上下方向の風向角度を変更することが可能になっている。
ケーシング本体51aの内部には、主として、室内ファン41と、室内熱交換器42とが配置されている、室内ファン41は、空調室内の空気を化粧パネル52の吸入口55を通じてケーシング本体51a内に吸入して化粧パネル52の吹出口56を通じてケーシング本体51a内から吹き出す遠心送風機である。また、室内熱交換器42は、冷房運転時には、冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には、冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。室外熱交換器42は、室内冷媒管43、44を介して冷媒連絡管5、6(図1を参照)に接続されている。室内ファン41は、ケーシング本体51aの天板53の中央に設けられた室内ファンモータ41aと、室内ファンモータ41aに連結されて回転駆動される羽根車41bとを有している。羽根車41bは、ターボ翼を有する羽根車であり、下方から羽根車41bの内部に空気を吸入し、平面視における羽根車41bの外周側に向かって吹き出すことができる。室内ファンモータ41aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、室内ファン41の風量制御が可能になっている。
室内熱交換器42は、平面視における室内ファン41の周囲を囲むように曲げられて配置されたフィンチューブ型熱交換器である。室内熱交換器42は、ケーシング本体51a内に吸入される空調室内の空気と冷媒との熱交換を行って、冷房運転時には、空調室内の空気を冷却し、暖房運転時には、空調室内の空気を加熱することができるようになっている。
また、室内熱交換器42の下側には、室内熱交換器42によって空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのドレンパン45が配置されている。ドレンパン45は、ケーシング本体51aの下部に装着されている。ドレンパン45には、吹出孔45a、45b、45c、45dと、吸入孔45jと、ドレン水受け溝45iとが形成されている。吹出孔45a、45b、45c、45dは、化粧パネル52の吹出口56(より具体的には、辺部吹出口56a、56b、56c、56d)に連通するように形成された孔である。吸入孔45jは、化粧パネル52の吸入口55に連通するように形成された孔である。また、化粧パネル52には、ドレンパン45とパネル本体52aとの上下方向間に介在するパネル断熱材59が設けられている。パネル断熱材59には、吹出孔45a、45b、45c、45dと辺部吹出口56a、56b、56c、56dとを連通させるパネル吹出孔59a、59b、59c、59dが形成されている。また、パネル断熱材59には、吸入孔45jと吸入口55とを連通させるパネル吸入孔59jが形成されている。そして、吹出孔45a、45b、45c、45dとパネル吹出孔59a、59b、59c、59dとによって、辺部吹出流路60a、60b、60c、60dが形成されている。また、吸入孔45jとパネル吸入孔59jとによって、吸入流路60jが形成されている。すなわち、ドレンパン45の吹出孔45a、45b、45c、45dの周縁部とパネル断熱材59のパネル吹出孔59a、59b、59c、59dの周縁部とは、ケーシング本体51aの内部から空調空気を辺部吹出口56a、56b、56c、56dに導く辺部吹出流路60a、60b、60c、60dを形成する辺部吹出部80a、80b、80c、80dを構成している。また、ドレンパン45の吸入孔45jの周縁部とパネル断熱材59のパネル吸入孔59jの周縁部とは、吸入口55から空調空気をケーシング本体51aの内部に導く吸入流路60jを形成する吸入部80jを構成している。ドレン水受け溝45iは、室内熱交換器42の下端に対向するように形成された溝である。また、ドレンパン45の吸入孔45jには、吸入口55から吸入される空気を室内ファン41の羽根車41bへ案内するためのベルマウス41cが配置されている。
また、天井設置型室内ユニット4には、各種のセンサが設けられている。具体的には、天井設置型室内ユニット4には、吸入空気温度センサ61と、人検知センサ集合体62と、床温度センサ63とが設けられている。
吸入空気温度センサ61は、吸入口55を通じてケーシング本体51a内に吸入される空調室内の空気の温度である吸入空気温度Trを検出する温度センサである。吸入空気温度センサ61は、ここでは、吸入口55に設けられている。
人検知センサ集合体62は、空調室における情報としての空調室内における人の分布(ここでは、吹出エリアA’、B’、C’、D’における人の存在の有無)を検知する複数(ここでは、4つ)のエリアセンサとしての人検知センサ62a、62b、62c、62dの集合体である。各人検知センサ62a、62b、62c、62dは、各辺部吹出口56a、56b、56c、56dに対応するように、化粧パネル52の下部の配置可能な位置に設けられている。そして、各人検知センサ62a、62b、62c、62dの平面視における検知エリアA、B、C、Dは、図6に示すように、吹出エリアA’、B’、C’、D’に合わせられている。ここでは、検知エリアA、B、C、Dは、各検知角度α、β、γ、δが約90度になるようなエリアである。しかも、人検知センサ62a、62b、62c、62dは、各検知エリアA、B、C、D同士が重ならないように配置されている。また、各人検知センサ62a、62b、62c、62dの側面視における検知エリアA、B、C、Dは、図7に示すように、いずれの吹出エリアA’、B’、C’、D’における人の存在の有無を検知する場合も、各検知角度εが約135度になるようなエリアである。各人検知センサ62a、62b、62c、62dは、物体から放射される赤外線放射エネルギーの変動によって、空調室内における人の有無を検知する赤外線センサである。人検知センサ62a、62b、62c、62dは、図8に示すように、化粧パネル52の角部の1つ(ここでは、辺部吹出口56aが形成された辺と辺部吹出口56bが形成された辺とに挟まれる角部)にまとめて配置されており、人検知センサ集合体62を構成している。ここで、人検知センサ62aの赤外線受光素子は、辺部吹出口56a側を向くように、かつ、斜め下方を向くように設けられており、これにより、吹出エリアA’に合致する検知エリアAが得られるようになっている。また、人検知センサ62bの赤外線受光素子は、辺部吹出口56b側を向くように、かつ、斜め下方を向くように設けられており、これにより、吹出エリアB’に合致する検知エリアBが得られるようになっている。また、人検知センサ62cの赤外線受光素子は、辺部吹出口56c側を向くように、かつ、斜め下方を向くように設けられており、これにより、吹出エリアC’に合致する検知エリアCが得られるようになっている。さらに、人検知センサ62dの赤外線受光素子は、辺部吹出口56d側を向くように、かつ、斜め下方を向くように設けられており、これにより、吹出エリアD’に合致する検知エリアDが得られるようになっている。そして、上記のように、人検知センサ62a、62b、62c、62dの各赤外線受光素子は、各検知エリアA、B、C、D同士が重ならないように配置されている。また、人検知センサ62a、62b、62c、62dは、赤外線を透過する素材からなる略半球形状のカバー部材62eで覆われている(図2を参照)。カバー部材62aは、化粧パネル52の下面から下方に突出するように設けられている。また、人検知センサ集合体62(すなわち、人検知センサ62a、62b、62c、62d)は、各辺部吹出口56a、56b、56c、56dの平面視における外周縁と化粧パネル52の下面の角部を挟んで隣り合う辺部吹出口56a、56b、56c、56dの平面視における外周縁とを結ぶ線75によって囲まれる吹出口形成エリア76の外周側に配置されている。ここでは、吹出口形成エリア76は、ケーシング本体51aを形成する側板54a、54b、54c、54d、54e、54f、54g、54hによって囲まれるエリアの内周側に配置されている。このため、人検知センサ集合体62は、側板54a、54b、54c、54d、54e、54f、54g、54hによって囲まれるエリアの外周側に配置されている。
床温度センサ63は、空調室内における床面の温度Tfを検知する赤外線センサである。床温度センサ63は、ここでは、化粧パネル52の下部の配置可能な位置に1つ設けられている。ここでは、床温度センサ63は、化粧パネル52の角部に配置されている。より具体的には、床温度センサ63は、人検知センサ集合体62と同じく、図8に示すように、化粧パネル52の角部の1つ(ここでは、辺部吹出口56aが形成された辺と辺部吹出口56bが形成された辺とに挟まれる角部)に、化粧パネル52の下面から下方を向くように設けられている。床温度センサ63は、物体から放射される赤外線放射エネルギーによって、空調室内の床面の温度Tfを検知する。
また、天井設置型室内ユニット4は、天井設置型室内ユニット4を構成する各部の動作を制御する室内制御部69を有している。そして、室内制御部69は、天井設置型室内ユニット4の制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室外ユニット2の室外制御部39との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
そして、室外制御部39と室内制御部69とによって、空気調和装置1の運転制御等を行う制御部9が構成されている(図1を参照)。尚、空調室内に居る人は、リモートコントローラ99(図1を参照)によって、制御部9に対して運転や停止等の要求を行うことができるようになっている。
−制御部−
制御部9は、図9に示すように、主として、制御手段91と記憶手段92とを有している。ここで、制御手段91は、室外制御部39のマイクロコンピュータ等、及び、室内制御部69のマイクロコンピュータ等を意味しており、室外ユニット2及び天井設置型室内ユニット4を構成する各部の動作を制御する。制御部9には、リモートコントローラ99及び各種センサ61、62a、62b、62c、62d、63が接続されている。そして、制御部9は、リモートコントローラ99からの要求や各種センサ61、62a、62b、62c、62d、63の検出値等に基づいて、各種機器21a、22、24、27a、41a、74a、74b、74c、74dの動作を制御するようになっている。
尚、ここで、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度は、リモートコントローラ99からの要求や各種センサ61、62a、62b、62c、62d、63の検出値等に基づいて、固定状態又はスイング状態に設定できるようになっている。固定状態とは、各羽根駆動モータ74a、74b、74c、74dを駆動して、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を所望の風向角度で固定した状態である。各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度は、図10に示すように、空調空気が水平方向に吹き出す風向角度である風向P0(水平吹き風向)と空調空気が最も下方向に吹き出す風向角度である風向P4(真下吹き風向)との間で複数段階に変更可能である。ここでは、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度は、風向P0、風向P0よりも下向きの風向P1、風向P1よりも下向きの風向P2、風向P2よりも下向きの風向P3、及び、最も下向きの風向P4の5段階に変更可能である。このため、風向P0は、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向変更範囲のうち最も水平方向に近い風向角度になっている。スイング状態とは、各羽根駆動モータ74a、74b、74c、74dを駆動して、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向変更範囲内(ここでは、風向P0と風向P4との間)で繰り返し上下に変更する状態である。このように、「風向角度」及び「風向設定」とは、風向角度をある角度に固定している場合には、その角度に固定された状態を意味する。また、風向変更羽根71a、71b、71c、71dをスイングさせる等の動作を伴う場合には、その動作を行っている状態も「風向角度」及び「風向設定」を意味する。すなわち、「風向角度」及び「風向設定」とは、風向変更羽根71a、71b、71c、71dの動作を含めた風向変更羽根の風向角度の状態を意味する。また、天井設置型室内ユニット4では、空調室内の天井面が辺部吹出口56a、56b、56c、56dから吹き出される空調空気によって汚れることを防ぐために、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度の上限を風向P0よりも下向きでかつ最も水平向きに近い風向(例えば、風向P1)に設定することができるようになっている(すなわち、風向P0に設定できないようになっている)。この場合には、風向P1が水平吹き風向に対応することになり、そして、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度は、風向P1、風向P1よりも下向きの風向P2、風向P2よりも下向きの風向P3、及び、最も下向きの風向P4の4段階に変更可能となる。尚、このような空調室内の天井面が汚れることを防ぐための風向設定(天井汚れ防止設定)は、リモートコントローラ99によって設定することができる。
また、室内ファン41の風量は、室内ファンモータ41aの回転数を変更することによて、最も回転数が大きく大風量の風量H、風量Hの回転数よりも小さく中程度の風量の風量M、風量Mの回転数よりもさら小さく小風量の風量L、及び、風量Lの回転数よりもさら小さく最小風量の風量LLの間で4段階に変更可能である。ここで、風量H、風量M及び風量Lは、リモートコントローラ99からの要求や各種センサ61、62、63、31、32、33、34、35の検出値等に基づいて設定することが可能である。しかし、風量LLは、リモートコントローラ99からの要求によっては設定することができず、所定の制御状態の場合に制御的に設定されるものである。
<動作>
次に、上記のような構成を有する空気調和装置1の動作について説明する。尚、以下の動作を行うために必要な各種機器の制御や各種処理等は、制御部9によって行われる。
空気調和装置1の運転モードとしては、空調室内の冷房を行う冷房モードと、空調室内の暖房を行う暖房モードという複数(ここでは、2つ)の運転モードがある。
−冷房モード−
冷房モードにおける運転としては、空調室内の冷房を行う冷房運転がある。また、冷房運転時には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度や室内ファン41の風量に関する各種設定が可能になっている。
(1)冷房運転
冷房運転は、室外熱交換器23が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器42が冷媒の蒸発器として機能するように冷媒回路10内の冷媒を循環させることによって、空調室内の空気を冷却して空調室内に空調空気として供給する運転である。
冷房運転においては、室外熱交換器23が冷媒の放熱器として機能し、かつ、室内熱交換器42が冷媒の蒸発器として機能する状態(すなわち、図1の四路切換弁22の実線で示される状態)になるように、四路切換弁22が切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁22を通じて、室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン27によって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器23において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁24に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁24において減圧された低圧の冷媒は、液側閉鎖弁25及び液冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器42に送られる。室内熱交換器42に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器42において、室内ファン41によって供給される空調室内の空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、空調室内の空気は、冷却されて空調空気となり、吹出口56(より具体的には、吹出口56a、56b、56c、56d)から空調室内に吹き出される。室内熱交換器42において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管6、ガス側閉鎖弁26及び四路切換弁22を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
(2)冷房運転における各種風向・風量設定
上記の冷房運転においては、空調室内に居る人の快適性を高めることができるように、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度、及び、室内ファン41の風量を種々の風向・風量に設定することができるようになっている。
まず、空調室内に居る人等が、リモートコントローラ99から手動により風向・風量設定を行うことができる。例えば、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向P0、風向P1、風向P2、風向P3又は風向P4のいずれかに固定する設定を行ったり、スイング状態に設定することができる。また、室内ファン41の風量を、風量H、風量M又は風量Lのいずれかに設定することができる。
これにより、空調室内に居る人が、好みに応じて、最も快適性の高い風向・風量設定を得ることができる。
また、空調室内における人の分布(ここでは、吹出エリアA’、B’、C’、D’の人の存在の有無)に基づいて、風向・風量設定を行うことができる。例えば、人検知センサ62a、62b、62c、62dが吹出エリアA’、B’、C’、D’のいずれかにおいて人の存在を検知した場合に、その検出値に基づいて、人の存在が検知された吹出エリアA’、B’、C’、D’に対応する辺部吹出口の風向変更羽根の風向角度を水平向き風向としての風向P0に設定することができる。他方、吹出エリアA’、B’、C’、D’のうち人の非存在が検知された吹出エリアにおいては、人の存在が検知される吹出エリアに対応する辺部吹出口の風向変更羽根の風向角度を水平向き風向としての風向P0よりも下向きの風向P1、P2、P3等に設定することができる。尚、天井汚れ防止設定がなされている場合には、水平向き風向が風向P0よりも下向きでかつ最も水平向きに近い風向(例えば、風向P1)になるため、人の非存在が検知された吹出エリアにおいては、天井汚れ防止設定がなされている場合の水平向き風向よりも下向きの風向に設定されることになる。
これにより、吹出エリアA’、B’、C’、D’に存在する人のドラフトによる不快感を抑えることができ、空調室内に居る人の快適性の向上を図ることができる。尚、人検知センサ62a、62b、62c、62dによる風向・風量設定の入切は、リモートコントローラ99から行うことができる。
また、床温度センサ63によって検知される空調室内における床面の温度Tfに基づいて、風向・風量設定を行うことができる。例えば、空調室内の床面の温度Tfが目標床面温度Tfsよりも高い場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を下向きの風向(例えば、風向P3、P4等)に設定することができる。他方、空調室内の床面の温度Tfが目標床面温度Tfsに達している場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向P3、P4等よりも上向きの風向(例えば、風向P0、P1等)に設定することができる。
これにより、空調室内の床面付近が十分に冷えていない場合に、冷気を床面まで到達させることができ、空調室内に居る人の快適性の向上を図ることができる。尚、床温度センサ63による風向・風量設定の入切は、リモートコントローラ99から行うことができる。
また、吸入空気温度センサ61によって検知される吸入空気温度Trに基づいて、風向・風量設定を行うことができる。例えば、吸入空気温度Trと空調室内の床面の温度Tfとの平均温度Tavを算出し、この平均温度Tavが所定の目標平均温度Tavsよりも高い場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を下向きの風向(例えば、風向P3、P4等)に設定することができる。他方、平均温度Tavが所定の目標平均温度Tavsに達している場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向P3、P4等よりも上向きの風向(例えば、風向P0、P1等)に設定することができる。
また、吸入空気温度Trを空調室内における上部の温度の代表値とし、かつ、床面の温度Tfを空調室内における下部の温度の代表値として、両温度の差である上下温度差ΔTc(ここでは、ΔTc=Tf−Tr)が所定の温度差ΔTc1s以上である場合には、空調室の上部と下部との間で温度ムラが生じているものと判定し、温度ムラが生じている場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を下向きの風向(例えば、風向P3、P4等)に設定することができる。他方、上下温度差ΔTcが所定の温度差ΔTc2s以下である場合には、空調室の上部と下部との間で温度ムラが生じていないものと判定し、温度ムラが生じていない場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向P3、P4等よりも上向きの風向(例えば、風向P0、P1等)に設定することができる。
これにより、空調室内の床面付近が十分に冷えていない場合、すわなち、空調室内の温度ムラが生じている場合に、冷気を床面まで到達させることができ、空調室内に居る人の快適性の向上を図ることができる。尚、吸入空気温度センサ61による風向・風量設定の入切は、リモートコントローラ99から行うことができる。また、空調室内における上部や下部の温度の代表値としては、吸入空気温度センサ61や床温度センサ63の検出値に限定されるものではなく、他の温度センサの検出値を使用してもよい。例えば、リモートコントローラ99に温度センサが設けられた構成においては、この温度センサの検出値を空調室内における下部の温度の代表値として使用してもよい。
尚、上記の床温度センサ63による風向・風量設定、又は、上記の吸入空気温度センサ61による風向・風量設定とともに、人検知センサ62による風向・風量設定を併用してもよい。例えば、床温度センサ63による風向・風量設定、又は、吸入空気温度センサ61による風向・風量設定を行いつつ、人検知センサ62a、62b、62c、62dによって人の存在が検知された吹出エリアA’、B’、C’、D’に対応する風向変更羽根の風向角度を水平吹き風向としての風向P0(天井汚れ防止設定がなされている場合には、風向P0よりも下向きでかつ最も水平向きに近い風向)に設定することができる。
これにより、冷気を床面まで到達させつつ、吹出エリアA’、B’、C’、D’に存在する人のドラフトによる不快感を抑えることができる。
このように、冷房運転においては、空調室内に居る人の要求等に応じて、上記のような所望の風向・風量設定にすることができるようになっている。
−暖房モード−
暖房モードにおける運転としては、空調室内の暖房を行う暖房運転がある。また、暖房運転時には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度や室内ファン41の風量に関する各種設定が可能になっている。
(1)暖房運転
暖房運転は、室外熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、室内熱交換器42が冷媒の放熱器として機能するように冷媒回路10内の冷媒を循環させることによって、空調室内の空気を加熱して空調室内に空調空気として供給する運転である。
暖房運転においては、室外熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、室内熱交換器42が冷媒の放熱器として機能する状態(すなわち、図1の四路切換弁22の破線で示される状態)になるように、四路切換弁22が切り換えられる。
このような状態の冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁22、ガス側閉鎖弁26及びガス冷媒連絡管6を通じて、室内熱交換器42に送られる。室内熱交換器42に送られた高圧の冷媒は、室内熱交換器42において、室内ファン41によって供給される空調室内の空気と熱交換を行って放熱する。これにより、空調室内の空気は、加熱されて空調空気となり、吹出口56(より具体的には、吹出口56a、56b、56c、56d)から空調室内に吹き出される。室内熱交換器42において放熱した高圧の冷媒は、液冷媒連絡管5及び液側閉鎖弁25を通じて、膨張弁24に送られて、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。膨張弁24において減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23に送られた低圧の冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン27によって供給される空調室内の空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁22を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
(2)暖房運転における各種風向・風量設定
上記の暖房運転においても、冷房運転と同様に、空調室内に居る人の快適性を高めることができるように、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度、及び、室内ファン41の風量を種々の風向・風量に設定することができるようになっている。
まず、空調室内に居る人等が、リモートコントローラ99から手動により風向・風量設定を行うことができる。例えば、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向P0、風向P1、風向P2、風向P3又は風向P4のいずれかに固定する設定を行ったり、スイング状態に設定することができる。また、室内ファン41の風量を、風量H、風量M又は風量Lのいずれかに設定することができる。
これにより、空調室内に居る人が、好みに応じて、最も快適性の高い風向・風量設定を得ることができる。
また、空調室内における人の分布(ここでは、吹出エリアA’、B’、C’、D’の人の存在の有無)に基づいて、風向・風量設定を行うことができる。例えば、人検知センサ62a、62b、62c、62dが吹出エリアA’、B’、C’、D’のいずれかにおいて人の存在を検知した場合に、その検出値に基づいて、人の存在が検知された吹出エリアA’、B’、C’、D’に対応する辺部吹出口の風向変更羽根の風向角度を水平向き風向としての風向P0に設定することができる。他方、吹出エリアA’、B’、C’、D’のうち人の非存在が検知された吹出エリアにおいては、人の存在が検知される吹出エリアに対応する辺部吹出口の風向変更羽根の風向角度を水平向き風向としての風向P0よりも下向きの風向P1、P2、P3等に設定することができる。尚、天井汚れ防止設定がなされている場合には、水平向き風向が風向P0よりも下向きでかつ最も水平向きに近い風向(例えば、風向P1)になるため、人の非存在が検知された吹出エリアにおいては、天井汚れ防止設定がなされている場合の水平向き風向よりも下向きの風向に設定されることになる。
これにより、吹出エリアA’、B’、C’、D’に存在する人のドラフトによる不快感を抑えることができ、空調室内に居る人の快適性の向上を図ることができる。尚、人検知センサ62a、62b、62c、62dによる風向・風量設定の入切は、リモートコントローラ99から行うことができる。
また、床温度センサ63によって検知される空調室内における床面の温度Tfに基づいて、風向・風量設定を行うことができる。例えば、空調室内の床面の温度Tfが目標床面温度Tfsよりも低い場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を下向きの風向(例えば、風向P3、P4等)に設定することができる。他方、空調室内の床面の温度Tfが目標床面温度Tfsに達している場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向P3、P4等よりも上向きの風向(例えば、風向P0、P1等)に設定することができる。
これにより、空調室内の床面付近が十分に暖まっていない場合に、暖気を床面まで到達させることができ、空調室内に居る人の快適性の向上を図ることができる。尚、床温度センサ63による風向・風量設定の入切は、リモートコントローラ99から行うことができる。
また、吸入空気温度センサ61によって検知される吸入空気温度Trに基づいて、風向・風量設定を行うことができる。例えば、吸入空気温度Trと空調室内の床面の温度Tfとの平均温度Tavを算出し、この平均温度Tavが所定の目標平均温度Tavsよりも低い場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を下向きの風向(例えば、風向P3、P4等)に設定することができる。他方、平均温度Tavが所定の目標平均温度Tavsに達している場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向P3、P4等よりも上向きの風向(例えば、風向P0、P1等)に設定することができる。
また、吸入空気温度Trを空調室内における上部の温度の代表値とし、かつ、床面の温度Tfを空調室内における下部の温度の代表値として、両温度の差である上下温度差ΔTh(ここでは、ΔTh=Tr−Tf)が所定の温度差ΔTh1s以上である場合には、空調室の上部と下部との間で温度ムラが生じているものと判定し、温度ムラが生じている場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を下向きの風向(例えば、風向P3、P4等)に設定することができる。他方、上下温度差ΔThが所定の温度差ΔTh2s以下である場合には、空調室の上部と下部との間で温度ムラが生じていないものと判定し、温度ムラが生じていない場合には、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を風向P3、P4等よりも上向きの風向(例えば、風向P0、P1等)に設定することができる。
これにより、空調室内の床面付近が十分に暖まっていない場合、すわなち、空調室内の温度ムラが生じている場合に、暖気を床面まで到達させることができ、空調室内に居る人の快適性の向上を図ることができる。尚、吸入空気温度センサ61による風向・風量設定の入切は、リモートコントローラ99から行うことができる。また、空調室内における上部や下部の温度の代表値としては、吸入空気温度センサ61や床温度センサ63の検出値に限定されるものではなく、他の温度センサの検出値を使用してもよい。例えば、リモートコントローラ99に温度センサが設けられた構成においては、この温度センサの検出値を空調室内における下部の温度の代表値として使用してもよい。
尚、上記の床温度センサ63による風向・風量設定、又は、上記の吸入空気温度センサ61による風向・風量設定とともに、人検知センサ62による風向・風量設定を併用してもよい。例えば、床温度センサ63による風向・風量設定、又は、吸入空気温度センサ61による風向・風量設定を行いつつ、人検知センサ62a、62b、62c、62dによって人の存在が検知された吹出エリアA’、B’、C’、D’に対応する風向変更羽根の風向角度を水平吹き風向としての風向P0(天井汚れ防止設定がなされている場合には、風向P0よりも下向きでかつ最も水平向きに近い風向)に設定することができる。
これにより、暖気を床面まで到達させつつ、吹出エリアA’、B’、C’、D’に存在する人のドラフトによる不快感を抑えることができる。
このように、暖房運転においても、空調室内に居る人の要求等に応じて、上記のような所望の風向・風量設定にすることができるようになっている。
−人検知センサを利用した風向設定に関する制御例−
次に、各吹出エリアA’、B’、C’、D’に対応して設けられた人検知センサ62a、62b、62c、62dを利用した風向設定に関する制御例について説明する。ここでは、上記の人検知センサ62a、62b、62c、62dによる風向設定と床温度センサ63による風向設定とを併用した制御例について、図6、図9〜図11を用いて説明する。ここで、図11は、人検知センサ62a、62b、62c、62dを利用した風向設定に関する制御を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、風向制御モードを選択する。ここで、風向制御モードとしては、固定モードと、スイングモードと、人検知モードとがある。固定モードは、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を所望の風向角度で固定した状態にする風向制御モードである。スイングモードは、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dをスイング動作させた状態にする風向制御モードである。人検知モードは、各人検知センサ62a、62b、62c、62dによって検知される各吹出エリアA’、B’、C’、D’における人の存在を有無に基づいて、各吹出エリアA’、B’、C’、D’に対応する風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を設定する制御を行う風向制御モードである。そして、ステップS2において、人検知モードが選択されているものと判定された場合には、ステップS3に移行して、ステップS5以降の人検知モードにおける風向制御が行われる。一方、ステップS2において、人検知モード以外の他の風向制御モード(固定モードやスイングモード)が選択されているものと判定された場合には、ステップS4に移行して、他の風向制御モードにおける風向制御が行われる。
次に、ステップS3において、空気調和装置1の運転モードが冷房モード(冷房運転)であると判定された場合には、ステップS5に移行する。ステップS5では、各人検知センサ62a、62b、62c、62dが各吹出エリアA’、B’、C’、D’における人の存在を検知しているどうかを判定する。この判定は、各人検知センサ62a、62b、62c、62dについて行われる。
そして、ステップS5において、人の存在が検知された吹出エリアについては、ステップS7を通じてステップS8又はステップS9に移行し、人の存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を、空調空気が水平方向に吹き出す風向角度である水平吹き風向に設定する制御を行う。ここで、ステップS7は、リモートコントローラ99によって天井汚れ防止設定がなされているかどうかを判定する処理であり、天井汚れ防止設定がなされていない場合には、ステップS8において、風向P0が水平吹き風向として設定され、天井汚れ防止設定がなされている場合には、風向P0よりも下向きでかつ最も水平向きに近い風向(ここでは、風向P1)が水平向き風向として設定される。
一方、人の非存在が検知された吹出エリアについては、ステップS10に移行し、空調室内の温度ムラが生じているかどうかを判定する。ここでは、吸入空気温度Trを空調室内における上部の温度の代表値とし、かつ、床面の温度Tfを空調室内における下部の温度の代表値として、両温度の差である上下温度差ΔTc(ここでは、ΔTc=Tf−Tr)が所定の温度差ΔTc1s以上である場合には、空調室の上部と下部との間で温度ムラが生じているものと判定し、上下温度差ΔTcが所定の温度差ΔTc2s以下である場合には、空調室の上部と下部との間で温度ムラが生じていないものと判定している。尚、所定の温度差ΔTc1sは、所定の温度差ΔTc2s以上の値に設定されている。
そして、ステップS10において、空調室内の温度ムラが生じているものと判定された場合には、ステップS11に移行して、ステップS5において人の非存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を、水平吹き風向よりも下向きの風向に設定する制御を行う。ここで、水平吹き風向よりも下向きの風向とは、天井汚れ防止設定がなされていない場合には、風向P1〜P4のうちの予め設定された風向(例えば、水平吹き風向である風向P0よりも1段階だけ下向きの風向P1)であり、天井汚れ防止設定がなされている場合には、風向P2〜P4のうちの予め設定された風向(例えば、水平吹き風向である風向P0よりも1段階だけ下向きの風向P2)である。
他方、ステップS10において、空調室内の温度ムラが生じていないものと判定された場合には、ステップS12に移行して、ステップS5において人の非存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を、水平吹き風向に設定する制御を行う。
また、ステップS3において、空気調和装置1の運転モードが暖房モード(暖房運転)であると判定された場合には、ステップS6に移行する。ステップS6では、ステップS5と同様に、各人検知センサ62a、62b、62c、62dが各吹出エリアA’、B’、C’、D’における人の存在を検知しているどうかを判定する。
そして、ステップS6において、人の存在が検知された吹出エリアについては、冷房モードである場合と同様に、ステップS7を通じてステップS8又はステップS9に移行し、人の存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を、空調空気が水平方向に吹き出す風向角度である水平吹き風向に設定する制御を行う。
一方、人の非存在が検知された吹出エリアについては、ステップS13に移行し、空調室内の温度ムラが生じているかどうかを判定する。ここでは、吸入空気温度Trを空調室内における上部の温度の代表値とし、かつ、床面の温度Tfを空調室内における下部の温度の代表値として、両温度の差である上下温度差ΔTh(ここでは、ΔTh=Tr−Th)が所定の温度差ΔTh1s以上である場合には、空調室の上部と下部との間で温度ムラが生じているものと判定し、上下温度差ΔThが所定の温度差ΔTh2s以下である場合には、空調室の上部と下部との間で温度ムラが生じていないものと判定している。尚、所定の温度差ΔTh1sは、所定の温度差ΔTh2s以上の値に設定されている。
そして、ステップS13において、空調室内の温度ムラが生じているものと判定された場合には、ステップS14に移行して、ステップS6において人の非存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を、真下吹き風向(ここでは、風向P4)に設定する制御を行う。
他方、ステップS13において、空調室内の温度ムラが生じていないものと判定された場合には、ステップS15に移行して、ステップS6において人の非存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を、真下吹き風向よりも上向きの風向に設定する制御を行う。ここで、真下吹き風向よりも上向きの風向とは、天井汚れ防止設定がなされていない場合には、風向P1〜P3のうちの予め設定された風向(例えば、真下吹き風向である風向P4よりも1段階だけ上向きの風向P3)であり、天井汚れ防止設定がなされている場合には、風向P2、P3のうちの予め設定された風向(例えば、真下吹き風向である風向P4よりも1段階だけ上向きの風向P3)である。
<特徴>
空気調和装置1の天井設置型室内ユニット4は、上記の構成や動作により、以下のような特徴を有している。
−A−
天井設置型室内ユニット4では、エリアセンサとしての人検知センサ62a、62b、62c、62dの検知エリアA、B、C、Dを各吹出エリアA’、B’、C’、D’に合致させた状態で各吹出エリアA’、B’、C’、D’における情報(ここでは、人の存在の有無)を同時に検知することができるため、効果的に各吹出エリアA’、B’、C’、D’の情報を検知することができる。
特に、天井設置型室内ユニット4では、各吹出エリアA’、B’、C’、D’における人の存在の有無を同時に検知することができるため、各吹出エリアA’、B’、C’、D’における人の存在の有無を正確に検知することができる。これにより、上記のような、人検知センサ62a、62b、62c、62dを用いた運転制御を効果的に行うことができる。
−B−
天井設置型室内ユニット4では、複数(ここでは、4つ)のエリアセンサとしての人検知センサ62a、62b、62c、62dの配線を1カ所にまとめることができるため、配線作業等を容易に行うことができる。
−C−
天井設置型室内ユニット4では、吹出口形成エリア76内に配置する場合に比べて、エリアセンサとしての人検知センサ62a、62b、62c、62dが辺部吹出口56a、56b、56c、56dから吹き出される空調空気の温度の影響を受けにくくなるため、人検知センサ62a、62b、62c、62dの検知精度の低下を抑えることができる。
−D−
天井設置型室内ユニット4では、人検知センサ62a、62b、62c、62dに加えて床温度センサ63も設けられているため、上記のように、両センサを用いた運転制御を行うことができる。
また、天井設置型室内ユニット4では、人検知センサ62a、62b、62c、62dだけでなく床温度センサ63の配線も1カ所にまとめることができるため、配線作業等を容易に行うことができる。
−E−
天井設置型室内ユニット4では、人検知センサ62a、62b、62c、62dによって検知される空調室内における人の分布に基づいて、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの風向角度を独立して設定することによって、各辺部吹出口56a、56b、56c、56dから吹き出される空調空気の風向設定を独立して制御することができ、これにより、空調室内に居る人の快適性の向上を図ることができる。
−F−
天井設置型室内ユニット4では、人の存在が検知された吹出エリアについては、対応する風向変更羽根の風向角度を水平吹き風向(ここでは、風向変更羽根の風向角度の変更可能範囲のうち最も水平方向に近い風向P0や風向P1)に設定する制御を行うため、各吹出エリアA’、B’、C’、D’に存在する人のドラフトによる不快感を抑えることができ、これにより、空調室内に居る人の快適性の向上を図ることができる。
−G−
人の存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を水平吹き風向に設定する制御だけを行うと、空調室内における上部と下部との間に温度ムラが生じやすくなる。このため、各吹出エリアA’、B’、C’、D’に存在する人のドラフトによる不快感を抑えつつ、空調室内における上部と下部との間に温度ムラが生じるのを抑えることが好ましい。
そこで、天井設置型室内ユニット4では、暖房運転において、空調室内における上部と下部との温度差ΔThが所定温度差ΔTh1s以上である場合には、空調室内の温度ムラが生じているものと判定して、人の非存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を真下吹き風向(ここでは、風向変更羽根の風向角度の変更可能範囲のうち最も下向きの風向P4)に設定する制御を行って、暖気を空調室内の床面付近まで到達させるようにしている。
また、冷房運転において、空調室内における上部と下部との温度差ΔTcが所定温度差ΔTc1s以上である場合には、空調室内の温度ムラが生じているものと判定して、人の非存在が検知された吹出エリアに対応する風向変更羽根の風向角度を水平吹き風向よりも下向きの風向(ここでは、水平吹き風向である風向P0や風向P1よりも1段階だけ下向きの風向P1や風向P2)に設定する制御を行って、冷気を空調室内の床面付近まで到達させるようにしている。
これにより、暖房運転や冷房運転において、各吹出エリアA’、B’、C’、D’に存在する人のドラフトによる不快感を抑えつつ、空調室内における上部と下部との間に温度ムラが生じるのを抑えることができる。
〔第2実施形態〕
<構成>
−全体、室外ユニット、液冷媒連絡管、ガス冷媒連絡管及び制御部−
図12は、本発明の第2実施形態にかかる天井設置型室内ユニット104が採用された空気調和装置101の概略構成図である。空気調和装置101は、第1実施形態の空気調和装置1と同様、スプリットタイプの空気調和装置であり、主として、室外ユニット2と、天井設置型室内ユニット104と、室外ユニット2と天井設置型室内ユニット104とを接続する液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6とを有しており、蒸気圧縮式の冷媒回路10を構成している。
尚、空気調和装置101は、天井設置型室内ユニット104の構成が異なる点を除いては、第1実施形態の空気調和装置1と同様の構成を有しているため、ここでは、室外ユニット2、液冷媒連絡管5、ガス冷媒連絡管6及び制御部9の構成の説明を省略する。
−天井設置型室内ユニット−
天井設置型室内ユニット104は、ここでは、天井埋込型と呼ばれる型式の天井設置型空気調和装置が採用されている。天井設置型室内ユニット104は、図12〜図15に示すように、内部に各種構成機器を収納するケーシング151を有している。ケーシング151は、ケーシング本体51aと、ケーシング本体51aの下側に配置された化粧パネル152とから構成されている。ケーシング本体51aは、図12に示すように、空調室の天井Uに形成された開口に挿入されて配置されている。そして、化粧パネル152は、天井Uの開口に嵌め込まれるように配置されている。ここで、図12は、天井設置型室内ユニット104の外観斜視図である。図13は、天井設置型室内ユニット104の概略側面断面図であって、図14のI−O−I断面図である。図14は、天井設置型室内ユニット104の天板53を取り除いた状態を示す概略平面図である。図15は、天井設置型室内ユニット104の化粧パネル152を空調室内から見た平面図である。
ケーシング本体51aは、第1実施形態のケーシング本体51aと同様であるため、ここでは、ケーシング本体51aの説明を省略する。
化粧パネル152は、ケーシング151の下面を構成している平面視が略多角形状(ここでは、略4角形状)の板状体であり、主として、ケーシング本体51aの下端部に固定されたパネル本体152aから構成されている。パネル本体152aは、その略中央に空調室内の空気を吸入する吸入口55と、平面視における吸入口55の周囲を囲むように形成された空調室内に空調空気を吹き出す吹出口156とを有している。吸入口55は、略4角形状の開口である。吸入口55には、吸入グリル57と、吸入口55から吸入される空気中の塵埃を除去するための吸入フィルタ58とが設けられている。吹出口156は、パネル本体152aの4角形の各辺に沿うように形成された複数(ここでは、4つ)の辺部吹出口56a、56b、56c、56dと、パネル本体152aの角部に形成された複数(ここでは、4つ)の角部吹出口56e、56f、56g、56hとを有している。角部吹出口56e、56f、56g、56hは、各辺部吹出口56a、56b、56c、56dの平面視における外周縁と化粧パネル52の下面の角部を挟んで隣り合う辺部吹出口56a、56b、56c、56dの平面視における外周縁とを結ぶ線75によって囲まれる吹出口形成エリア76内に配置されている。ここでは、角部吹出口56e、56f、56g、56hの外周縁は、吹出口形成エリア76を形成する線75上に配置されている。また、吹出口形成エリア76は、ケーシング本体51aを形成する側板54a、54b、54c、54d、54e、54f、54g、54hによって囲まれるエリアの内周側に配置されている。ここで、主として辺部吹出口56aから吹き出される空調空気の気流(図15の矢印X1、Y1、Y2を参照)が到達することによって空調が行われるエリアを吹出エリアA’(図6を参照)とする。また、主として辺部吹出口56bから吹き出される空調空気の気流(図15の矢印X2、Y2、Y3を参照)が到達することによって空調が行われるエリアを吹出エリアB’(図6を参照)とする。また、主として辺部吹出口56cから吹き出される空調空気の気流(図15の矢印X3、Y3、Y4を参照)が到達することによって空調が行われるエリアを吹出エリアC’(図6を参照)とする。さらに、主として辺部吹出口56dから吹き出される空調空気の気流(図15の矢印X4、Y4、Y1を参照)が到達することによって空調が行われるエリアを吹出エリアD’(図6を参照)とする。
そして、各辺部吹出口56a、56b、56c、56dには、各辺部吹出口から空調室内に吹き出される空調空気の上下方向の風向角度を変更することが可能な複数(ここでは、4つ)の風向変更羽根71a、71b、71c、71dが設けられている。風向変更羽根71a、71b、71c、71dは、辺部吹出口56a、56b、56c、56dの長手方向に沿って細長く延びる板状の部材である。各風向変更羽根71a、71b、71c、71dの長手方向の両端部は、長手方向の軸周りに回動可能になるように化粧パネル52に支持されている。そして、各風向変更羽根71a、71b、71c、71dは、羽根駆動モータ74a、74b、74c、74dによって駆動されるようになっている。これにより、風向変更羽根71a、71b、71c、71dは、それぞれ独立して上下方向の風向角度を変更することが可能になっている。
ケーシング本体51aの内部には、主として、室内ファン41と、室内熱交換器42とが配置されている。ここで、室内ファン41及び室内熱交換器42は、第1実施形態の室内ファン41及び室内熱交換器42と同様であるため、ここでは、室内ファン41及び室内熱交換器42の説明を省略する。
また、室内熱交換器42の下側には、室内熱交換器42によって空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのドレンパン145が配置されている。ドレンパン145は、ケーシング本体51aの下部に装着されている。ドレンパン145には、吹出孔45a、45b、45c、45d、45e、45f、45g、45hと、吸入孔45jと、ドレン水受け溝45iとが形成されている。吹出孔45a、45b、45c、45dは、化粧パネル152の吹出口156(より具体的には、辺部吹出口56a、56b、56c、56d、56e、56f、56g、56h)に連通するように形成された孔である。吸入孔45jは、化粧パネル152の吸入口55に連通するように形成された孔である。また、化粧パネル152には、ドレンパン145とパネル本体152aとの上下方向間に介在するパネル断熱材159が設けられている。パネル断熱材159には、吹出孔45a、45b、45c、45d、45e、45f、45g、45hと吹出口56a、56b、56c、56d、56e、56f、56g、56hとを連通させるパネル吹出孔59a、59b、59c、59d、59e、59f、59g、59hが形成されている。また、パネル断熱材159には、吸入孔45jと吸入口55とを連通させるパネル吸入孔59jが形成されている。そして、吹出孔45a、45b、45c、45dとパネル吹出孔59a、59b、59c、59dとによって、辺部吹出流路60a、60b、60c、60dが形成されている。また、吹出孔45e、45f、45g、45hとパネル吹出孔59e、59f、59g、59hとによって、角部吹出流路60e、60f、60g、60hが形成されている。また、吸入孔45jとパネル吸入孔59jとによって、吸入流路60jが形成されている。すなわち、ドレンパン145の吹出孔45a、45b、45c、45dの周縁部とパネル断熱材159のパネル吹出孔59a、59b、59c、59dの周縁部とは、ケーシング本体51aの内部から空調空気を辺部吹出口56a、56b、56c、56dに導く辺部吹出流路60a、60b、60c、60dを形成する辺部吹出部80a、80b、80c、80dを構成している。また、ドレンパン145の吹出孔45e、45f、45g、45hの周縁部とパネル断熱材159のパネル吹出孔59e、59f、59g、59hの周縁部とは、ケーシング本体51aの内部から空調空気を角部吹出口56e、56f、56g、56hに導く角部吹出流路60e、60f、60g、60hを形成する角部吹出部80e、80f、80g、80hを構成している。また、ドレンパン145の吸入孔45jの周縁部とパネル断熱材59のパネル吸入孔59jの周縁部とは、吸入口55から空調空気をケーシング本体51aの内部に導く吸入流路60jを形成する吸入部80jを構成している。ドレン水受け溝45iは、室内熱交換器42の下端に対向するように形成された溝である。また、ドレンパン145の吸入孔45jには、吸入口55から吸入される空気を室内ファン41の羽根車41bへ案内するためのベルマウス41cが配置されている。
また、天井設置型室内ユニット104には、各種のセンサが設けられている。具体的には、天井設置型室内ユニット104には、吸入空気温度センサ61と、人検知センサ集合体62と、床温度センサ63とが設けられている。ここで、吸入空気温度センサ61、人検知センサ集合体62及び床温度センサ63は、第1実施形態の吸入空気温度センサ61、人検知センサ集合体62及び床温度センサ63と同様であるため、ここでは、吸入空気温度センサ61、人検知センサ集合体62及び床温度センサ63の説明を省略する。
また、人検知センサ集合体62が設けられた化粧パネル152の角部に対応する角部吹出部80fは、図16、図17及び図18に示すように、人検知センサ集合体62に近いセンサ近傍部81と、センサ近傍部81に隣接するセンサ遠方部82、83とを有している。そして、センサ近傍部81の角部吹出流路60fを形成する面81aは、センサ遠方部82、83の角部吹出流路60fを構成する面82a、83aよりも鉛直面Zに近くなっている。より具体的には、角部吹出流路60fの角部吹出口56f寄りの部分を形成するパネル断熱材159は、化粧パネル152の平面視における周方向中央の部分がセンサ近傍部81を形成しており、化粧パネル152の平面視における周方向両側の部分がセンサ遠方部82、83を形成している。センサ近傍部81のパネル152の平面視における内周側の面81aは、角部吹出口56fの近傍において、鉛直面Zに対して角度θ1をなしている。これに対して、センサ遠方部82、83のパネル152の平面視における内周側の面82a、83aは、角部吹出口56fの近傍において、鉛直面Zに対して角度θ2、θ3をなしている。そして、センサ近傍部81の角部吹出流路60fを形成する面81aの角度θ1は、センサ遠方部82、83の角部吹出流路60fを形成する面82a、83aの角度θ2、θ3よりも小さい。このため、センサ近傍部81の角部吹出流路60fを形成する面81aは、センサ遠方部82、83の角部吹出流路60fを構成する面82a、83aよりも鉛直面Zに近くなっている。
また、天井設置型室内ユニット104は、天井設置型室内ユニット104を構成する各部の動作を制御する室内制御部69を有している。そして、室内制御部69は、天井設置型室内ユニット104の制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室外ユニット2の室外制御部39との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
そして、室外制御部39と室内制御部69とによって、空気調和装置101の運転制御等を行う制御部9が構成されている(図1を参照)。尚、空調室内に居る人は、リモートコントローラ99(図1を参照)によって、制御部9に対して運転や停止等の要求を行うことができるようになっている。
<動作>
次に、上記のような構成を有する空気調和装置101では、第1実施形態の空気調和装置1と同様の動作を行うことができる。このため、ここでは、空気調和装置101の動作の説明を省略する。
<特徴>
空気調和装置101の天井設置型室内ユニット104は、上記の構成や動作により、以下のような特徴を有している。
−A−
天井設置型室内ユニット104は、角部吹出口56e、56f、56g、56h及び角部吹出口56e、56f、56g、56hに付随する構成を除いては、第1実施形態の天井設置型室内ユニット4と同様の構成及び動作を行うことができる。
このため、天井設置型室内ユニット104では、第1実施形態の天井設置型室内ユニット4と同様の作用効果を得ることができる。
−B−
天井設置型室内ユニット104では、化粧パネル152の角部に角部吹出口56e、56f、56g、56hが形成され、かつ、人検知センサ集合体62が角部吹出口56e、56f、56g、56h(ここでは、角部吹出口56f)の近傍において化粧パネル152から下方に突出するように設けられている。この場合には、人検知センサ集合体62に角部吹出口56fから吹き出される空調空気(図15の矢印Y2参照)が衝突しやすくなる。これにより、人検知センサ集合体62が角部吹出口56fから吹き出される空調空気の温度の影響を受けて人検知センサ62a、62b、62c、62dの検知精度が低下したり、人検知センサ集合体62に結露が生じるおそれがある。
しかし、天井設置型室内ユニット104では、図17、図18及び図19に示すように、人検知センサ集合体62に近いセンサ近傍部81の角部吹出流路60fを形成する面81aを、センサ近傍部81に隣接するセンサ遠方部82、83の角部吹出流路60fを構成する面82a、83aよりも鉛直面Zに近い形状にしている。
これにより、天井設置型室内ユニット104では、角部吹出口56fのセンサ近傍部81から吹き出される空調空気が下向きに吹き出されるため(図17の矢印Y2を参照)、人検知センサ集合体62に衝突しにくくなり、人検知センサ集合体62の検知精度の低下や人検知センサ集合体62の結露を生じにくくすることができる。また、センサ近傍部81から吹き出される空調空気の吹き出し上下方向(図17の矢印Y2を参照)は、センサ遠方部82、83から吹き出される空調空気の吹き出し上下方向(図18の矢印Y2を参照)と異なっているため、天井設置型室内ユニット104の外周側から吸入口55に吸入される空調室内の空気の流れが確保されやすくなる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
<A>
上記の実施形態では、空調空気を4方向に吹き出すタイプの天井設置型室内ユニットや空調空気を8方向に吹き出すタイプの天井設置型室内ユニットに本発明を適用している。しかし、このような構成に限定されず、複数の方向に吹き出すタイプの天井設置型室内ユニットであれば、本発明を適用することが可能である。
<B>
上記の実施形態では、空調室における情報を検知するエリアセンサとして人検知センサを有する構成に本発明を適用している。しかし、このような構成に限定されず、例えば、エリアセンサとして床温度センサを有する構成に本発明を適用してもよい。