JP5310555B2 - 有機圧電体 - Google Patents

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Description

本発明は、センサー、アクチュエーター、超音波トランスデューサーなどに好適に用いることができる高い圧電特性を有する有機圧電体に関する。
従来、圧電体としては、水晶、LiNbO3、LiTaO3、KNbO3などの単結晶、ZnO、AlNなどの薄膜、Pb(Zr,Ti)O3(以下「PZT」と略す。)系などの焼結体を分極処理した、いわゆる無機材質の圧電セラミックスが広く利用されている。
これに対して、ポリフッ化ビニリデン(以下「PVDF」と略す。)、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン共重合体(以下「P(VDF−TrFE)」と略す。)などの有機系高分子物質を利用した有機圧電体(「圧電高分子材料」、「ポリマー圧電物質」ともいう。)も開発されている。この有機圧電体は、セラミックス圧電体と比較して、可撓性が大きく、薄膜化、大面積化、長尺化が容易で任意の形状、形態のものを作ることができる、誘電率εが小さく、静水圧電圧出力係数(gh定数)は極めて大となるので感度特性に優れる、さらに低密度、低弾性であるため、効率のよいエネルギー伝播が可能である、等の特性を有する。有機圧電体は、上記の特性のため、特にスピーカー、マイクロホン、超音波探触子、ハイドロフォン、震動計、ひずみ計等への適用が期待されている。
しかしながら、上記のPVDFは15MHzを超えた中心周波数により広帯域にて変換することが可能であるが、変換効率が低く更なる圧電特性の向上が望まれている。また、P(VDF−TrFE)はPVDFの変換効率を向上させたポリマーであるが、未だ更なる変換効率の向上が望まれている。
このような技術的背景において、高周波数・広帯域における有機ポリマー圧電材料として、例えば、以下の材料が開発され開示されている。
特許文献1には、P(VDF−TrFE)とポリウレタン、もしくはシリコーンなどのエラストマーとブレンドし圧電性の向上を図った技術(d31=14−18pC/N,残留分極値=38mC/m2)が開示されている。
特許文献2には、PVDFと奇数炭素数ナイロンとのブレンドにて圧電性の向上を図った技術(d31=7pC/N,残留分極値=87mC/m2)が開示されている。
特許文献3には、圧電特性を発現する応力範囲を広げるべくPZT−シロキサン−ポリ(メタ)アクリレート構造を有するエラストマー(応力に対する発生電荷が最大で2.3μC/m2)が開示されている。
特許文献4には、ポリブタジエン、P(N,N−メチレンビスアクリルアミド)およびスチレンの共重合体にて圧電特性の向上を図った技術(d33=3.5pC/N)が開示されている。
特許文献5には、ポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)の溶液を高磁場印加下においてキャスト成形したフィルム(d14=26pC/N)について開示されている。
特許文献6には、メソゲンに主鎖型芳香族エステルを用いた液晶分子を用いて圧電特性の向上を図った技術が開示されている。
特許文献7には、ジイソシアネートとジアミンを共に基板上に真空蒸着し、磁場印加下、重付加により圧電特性の高められたポリ尿素(4,4’−ジアミノジフェニルメタンと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートから得られたポリ尿素にてe=2mC/m2の圧電特性が得られた。)が開示されている。
特許文献8には、分極処理が不要であり、かつ延伸配向に耐えうる十分な機械特性を有するP(3−ヒドロキシ−5−吉草酸)のポリエステル(154pC/N)が開示されている。
しかしながら、上記の圧電材料(有機圧電体)は僅かな応力に対する電気信号が十分に得られず、また僅かな電圧に対し強い機械振動強度が発生しないことから振動センサー、超音波の発信・受信などに用いた場合、感度不足や発信強度の低下などが問題であった。
米国特許第6689288号明細書 米国特許出願公開第2002/0166620号明細書 特開2002−185054号公報 特開2006−049418号公報 特開2005−217111号公報 米国特許第7029598号明細書 特開2006−225565号公報 特開2002−299721号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、センサー、アクチュエーター、超音波トランスデューサーなどに好適に用いることができる、圧電特性が向上した有機圧電体を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.分子中に水素原子を有し25℃におけるpKaが15以下である有機化合物Aと、分子中に水素原子と共有結合しない窒素、酸素、硫黄、リン、及びフッ素から選ばれる原子を一つ以上有する有機化合物Bとの反応により生成したことを特徴とする有機圧電体。
2.前記有機化合物A及びBが、それぞれ、数平均分子量5000以上の高分子であることを特徴とする前記1に記載の有機圧電体。
3.前記有機化合物Aが、フェノール性ヒドロキシル基又はシラノール性ヒドロキシル基を有する化合物であることを特徴とする前記1又は2に記載の有機圧電体。
4.前記有機化合物Bが、窒素、酸素、及び硫黄から選ばれる原子を複素芳香環を形成する原子として分子中に有している化合物であることを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の有機圧電体。
5.前記1〜4のいずれか一項に記載の有機圧電体であって、延伸処理又は電場分極処理を施されていることを特徴とする有機圧電体。
本発明の上記手段により、センサー、アクチュエーター、超音波トランスデューサーなどに適応可能な、圧電特性が向上した有機圧電体を提供することができる。
本発明の有機圧電体は、分子中に水素原子を有し25℃におけるpKaが15以下である有機化合物Aと、分子中に水素原子と共有結合しない窒素、酸素、硫黄、リン、及びフッ素から選ばれる原子を一つ以上有する有機化合物Bとの反応により生成したことを特徴とする。
ここで、上記「水素原子と共有結合しない」とは、分子中における上記の窒素、酸素、硫黄、リン、またはフッ素の原子がその最外殻電子として孤立電子対を有しており、水素原子との間において、1hPa、25℃の条件下にて共有結合しないことを意味する。
なお、有機化合物AのpKaが15を超えた場合、当該有機化合物Aの水素原子と有機化合物Bの窒素、酸素、硫黄、リン、及びフッ素の原子の孤立電子対との相互作用が低下し、有機化合物Aと有機化合物Bとの反応生成物の圧電特性が低下することがあり、従って、有機化合物AのpKaは15以下であることが良い。
以下、本発明とその構成要素、及び発明を実施するための最良の形態等について詳細な説明をする。
(有機化合物A)
本発明に係る有機化合物Aは、分子中に水素原子を有し25℃の水溶液における酸解離指数(pKa)が15以下であることを特徴とする。pKaの下限値は特に限定されないが概ね3以上であることが本発明において好ましい。
当該有機化合物Aとしては、上記酸解離指数の条件を満たす有機化合物であることを要するが、この化合物としては、置換基として、フェノール性ヒドロキシル基、シラノール基(SiOH)、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基(−SO3H基)、リン酸基(phosphate group)などを有する化合物が挙げられる。
具体的には、低分子化合物として、グリセロール、ペンタエリスリトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,3−プロピレンジアミン、1,3−ジアミノベンゼン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、ピロメリット酸、リン酸モノメチルエステルなどが挙げられる。
また、高分子化合物として、ポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)(但し、(メタ)アクリレートはメタクリレートとアクリレートの総称)、ポリ(メチレン−3−ヒドロキシ−1,5−フェニレン)、ポリ(2−アミノエチル(メタ)アクリレート)、ポリアリルアミン、ポリ(2−メルカプトエチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(4−ヒドロキシカルボニルスチレン)、ポリ(スチリルメチルリン酸エステル)などが挙げられる。
本発明においては、上記の化合物のうち、特に、フェノール性ヒドロキシル基又はシラノール性ヒドロキシル基を有する化合物である態様が好ましい。なお、本願において、「フェノール性ヒドロキシル基」とは、フェノールのように芳香環に直接的に結合しているヒドロキシル基をいう。また、「シラノール性ヒドロキシル基」とは、所謂シラノール基(SiOH)のヒドロキシル基をいう。
また、本発明においては、当該有機化合物Aが、数平均分子量5000以上の高分子であることが好ましい。この場合、その上限が10000000以下にある範囲が好ましい。
(有機化合物B)
本発明に係る有機化合物Bは、分子中に水素原子と共有結合しない窒素、酸素、硫黄、リン、及びフッ素から選ばれる原子(元素)を一つ以上有することを特徴とする。
当該有機化合物Bは、水素と共有結合しない窒素、酸素、硫黄、リン及びフッ素から選ばれる原子(元素)を一つ以上有していれば良く、この場合、これらの異種原子(元素)の組み合わせでも良い。また、当該有機化合物の他の構造部分に水素原子と共有結合する窒素、酸素、硫黄、リン及びフッ素から選ばれる原子(元素)を有していても良い。
当該有機化合物Bとしては、以下の化合物が好適に使用することができる。
具体的には、低分子化合物として、フラン、チオフェン、1,4−ジオキサン、1,3−ジアゾール、2−チアゾリン、イソオキサゾール、1,3,4−チアオキサゾール、1,8−ナフチリジン、フェナジン、2,2−ジフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
高分子化合物として、ポリエチレングリコール、ポリチオフェン、ポリピリジン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリ((メタ)アクリロキシジフェニルフォスフィン)、ポリ(2,6−ピリジル−1,8−オクチルアミド)、ポリビニリデンダイフルオラオド、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
本発明においては、上記の化合物のうち、有機化合物Bが、上記した、窒素、酸素、及び硫黄から選ばれる原子の少なくとも一つの原子を複素芳香環の構成原子として分子中に有している化合物であることが好ましい。
また、当該有機化合物Bが、数平均分子量5000以上の高分子であることが好ましい。この場合、その上限が10000000以下にある範囲が好ましい。
(有機圧電体の作製方法)
本発明の有機圧電体は、上記有機化合物Aと有機化合物Bとの反応生成物を主たる構成成分として種々の方法で作製することができる。
基本的には、有機溶媒中で有機化合物A及び有機化合物Bを所定の割合で混合し、反応させ、析出した生成物を分離することにより得ることができる。混合する際の好ましい割合は、有機化合物Aを基準として有機化合物Bが、0.01〜100倍モルの範囲である。また、反応温度は、―50〜200℃の範囲が好ましい。
なお、有機化合物Aと有機化合物Bとの反応は、反応容器中で行っても、また、基板等に配置する場合にはその基板等の上で行っても良い。
また、有機化合物Aと有機化合物Bとの反応の際は、両者が均質に混合されている状態にすることが好ましい。このため、両者の溶媒、攪拌・分散方法等については、従来公知の種々溶媒、方法等のうちから適切なものを選択することが望ましい。また、溶媒を用いた場合は、適時に、加熱、減圧などにより当該溶媒を除去しなければならない。
有機圧電体の形状としては、特に限定されるものではないが、目的に応じて、上記反応における生成物の析出条件、反応溶液の塗布条件等を制御することにより、板状や膜状にすることができる。
〈延伸処理、電場分極処理〉
本発明の有機圧電体は、延伸処理又は電場分極処理の、少なくともいずれか一方の処理を施されていることが好ましい。
上記の方法により、得られた有機圧電体は圧電性を有しているが、更に特性を向上させるために、所定形状の有機圧電体が破壊されない程度に一軸またはニ軸方向に延伸することができる。延伸倍率は110〜1000倍が好ましく、また、延伸率として好ましくは200〜600%である。又、更に圧電特性を向上させるためには、コロナ放電処理法等により、電場印加による分極処理を施しても良い。電場強度は1〜100MV/m、温度は有機圧電体のガラス転移温度以上が好ましく、0〜250℃、好ましくは50〜200℃の範囲である。処理時間としては、0.5〜100時間の範囲が好ましい。
〈溶媒〉
・本発明において使用し得る溶媒としては、例えば、非プロトン性溶媒であるジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、ヘキサンなどを挙げることができる。ジアミン化合物とカルボニル基又はチオカルボニル基を2つ以上有する化合物との両方を溶解させられる溶媒なら特に限定はない。
〈基板〉
基板としては、本発明の有機圧電体の用途・使用方法等により基板の選択は異なる。ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマーのようなプラスチック板又はフィルムでもよいし、これらの素材の表面をアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素等で覆ったものでもよい。またアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素単体、希土類のハロゲン化物の単結晶の板又はフィルムでもかまわない。
更に複層圧電素子の上に形成してもよい。圧電素子を積相する複層の使用方法においては、セラミック圧電素子の上に本発明の有機圧電体の膜を、電極を介して、重畳層する方法がある。セラミック圧電素子としては、PZTが使用されているが、近年は鉛を含まないものが推奨されている。PZTは、Pb(Zr1XTiX)O3(0.47≦X≦1)の式の範囲以内であることが好ましく、脱鉛としては、天然又は人工の水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブサンタンタル酸カリウム[K(Ta,Nb)O3]、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)等である。各種セラミック材料はその使用性能において組成を適宜選択することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
2,6−ジアミノピリジン(1mmol)のDMSO(10ml)溶液に1,8−オクタンジカルボン酸(1mmol)のDMSO(10ml)溶液を激しく撹拌しながら25℃にて1時間かけて滴下した。この反応溶液を1Lの水中に投入し、析出物をろ別しポリアミド粗生成物を得た。この粗生成物を5mlのDMFに溶解し、1Lのメタノールに滴下し、析出物をろ別、メタノール洗浄、そして乾燥させることにより純粋ポリアミド、0.258gを得た。この純粋ポリアミド、全量をDMSO(10ml)に室温にて溶解し、そこへビフェニル−4−カルボン酸(1mmol)のDMSO(5ml)溶液を室温にて30分にて滴下し、その後氷冷下、水を滴下し析出物を回収、水洗、乾燥し本発明の有機圧電体0.411gを得た。この有機圧電体をDMF(10ml)に溶解し、常法により40μmのキャスト膜を成形したところその圧電定数e33は300mC/m2であった。このキャスト膜を160℃にて5倍に延伸し、160℃から25℃まで45時間かけてアニールしたところe33が400mC/m2である本発明の有機圧電体を得た。
さらに、この延伸膜を40MV/mの電場を印加しながら160℃から25℃まで45時間かけてアニールしたところe33が600mC/m2である本発明の有機圧電体を得た。
実施例2
数平均分子量1000000のポリ(4−メルカプメチルトスチレン)、20mgのテトラヒドロフラン(20ml)溶液に数平均分子量50000のポリエチレングリコール、0.59gのテトラヒドロフラン(160ml)溶液を室温にて混合した。得られた溶液をシリコン(面方位:100)の基板上にキャストしアルゴン気流下溶媒を溜去し、その後120℃から25℃まで32時間かけてアニールした。厚み40μmのフィルムを当該基板から剥がし、e33が460mC/m2である本発明の有機圧電体を得た。
実施例3
ガラス基板上に形成されたポリ(アセチレンジカルボン酸)薄膜(膜厚140nm)に真空容器内で3−メルカプトプロピルジメチルクロロシランの蒸気を紫外線照射下、176℃にて10分間、その後水蒸気を25℃にて2時間接触させた。得られた基板上の薄膜に0.6%−ビニリデンフルオライド(75mol%)−三フッ化エチレン(25mol%)共重合体のDMF溶液をスピンコートし、当該溶媒を溜去し積層膜を形成した。この基板上の積層膜をトルエン中に室温にて72時間浸漬し、剥離させ厚み16μm、e33が190mC/m2である本発明の有機圧電体を得た。この膜を60MV/mの電場を印加しながら140℃から25℃まで96時間かけてアニールしたところe33が260mC/m2である本発明の有機圧電体を得た。
比較例1
アミジン(MeC(=NSO2Ph)NH2)(25℃におけるpKaは17.3)、113mgのクロロフォルム(5ml)溶液に数平均分子量50000のポリエチレングリコール、0.25gのクロロフォルム(160ml)溶液を室温にて混合した。得られた溶液をシリコン(面方位:100)の基板上にキャストしアルゴン気流下溶媒を溜去し、その後120℃から25℃まで32時間かけてアニールした。厚み40μmのフィルムを当該基板から剥がし、そのe33を測定したところ4.6mC/m2と圧電特性の低いものであった。
比較例2
1,4−ジアミノベンゼンとキシリレンジイソシアネートから得られるポリ尿素(25℃におけるpKaは19.5)、540mg、トリス(アクリロキシ)シアヌレート、3.9g、4−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2mg、およびDMF(46ml)の混合物を均一になるまで室温にて撹拌した。得られた溶液をスピンコートし、10Paの減圧下60℃にてDMFを溜去させることで、36μmの厚みの膜を得た。この膜を400%に延伸しながら高圧水銀灯にて0.8J(310nmにおいて)の光を照射し、厚みが14μmのフィルムを得た。そのe33を測定したところ2.1mC/m2と圧電特性の低いものであった。
以上の各種実施例において得た本発明の有機圧電体は、それぞれについての圧電定数e33の値より明らかなように、圧電特性が、上記比較例及び従来公知の有機圧電体より優れている(〔背景技術〕の欄に記載した公知先行技術例参照)。したがって、本発明の有機圧電体は、センサー、アクチュエーター、超音波トランスデューサーなどに好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 分子中に水素原子を有し25℃におけるpKaが15以下である有機化合物Aと、分子中に水素原子と共有結合しない窒素、酸素、硫黄、リン、及びフッ素から選ばれる原子を一つ以上有する有機化合物Bとの反応により生成したことを特徴とする有機圧電体。
  2. 前記有機化合物A及びBが、それぞれ、数平均分子量5000以上の高分子であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の有機圧電体。
  3. 前記有機化合物Aが、フェノール性ヒドロキシル基又はシラノール性ヒドロキシル基を有する化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の有機圧電体。
  4. 前記有機化合物Bが、窒素、酸素、及び硫黄から選ばれる原子を複素芳香環を形成する原子として分子中に有している化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれか一項に記載の有機圧電体。
  5. 請求の範囲第1項から第4項のいずれか一項に記載の有機圧電体であって、延伸処理又は電場分極処理を施されていることを特徴とする有機圧電体。
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