JP5310520B2 - 燃料ポンプ - Google Patents

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Description

燃料を貯留する燃料タンク内に設けられ、燃料タンク内の燃料を汲み上げる燃料ポンプに関するものである。
従来、回転力により燃料を昇圧させるポンプ部及び電力の供給を受けて当該ポンプ部に回転力を与える電動モータを、ハウジングに収容し、当該ハウジングの内部に燃料を流通させる形態の燃料ポンプが一般的に知られている。このような燃料ポンプのハウジングには、電気コネクタ部が設けられている。この電気コネクタ部には、ハウジングの内部と外部とを貫通する貫通孔が形成されるとともに、当該ハウジングの内部で電動モータと電気的に接続された金属材料よりなるターミナルが、貫通孔に嵌合して、当該ハウジングの外部に突出している。
さて、上述したような燃料ポンプであって、燃料タンク内に設けられる、所謂インタク式の燃料ポンプでは、例えば、燃料タンク内の燃料が減少した際など、電気コネクタ部に燃料が滞留する場合がある。すると、滞留した燃料は、導電率が次第に上昇し、電気コネクタ部に突出している金属材料よるなるターミナルをイオン化し腐食させる、いわゆる電食を引き起こす。このようなターミナルの電食を防止するため、例えば特許文献1には、電気コネクタ部内に燃料を供給することで、ターミナルの電気コネクタ部内に突出している部分近傍における燃料の滞留を防止する発明が開示されている。
具体的に、この特許文献1に開示の燃料ポンプの電気コネクタ部は、樹脂材料によってハウジングに筒状に形成されている。この電気コネクタ部の底部には、ターミナルを挿通させる貫通孔とは別に、ハウジングの内部と連通する燃料流通用の小孔が形成されている。以上の構成によって、電動モータによって駆動されたポンプ部がハウジングの内部の燃料を昇圧させると、燃料は、燃料流通用の小孔を流通して、筒状の電気コネクタ部内に流出する。この燃料の流れによって、ターミナルのハウジング外部に突出している部分の近傍に燃料が滞留する事態の回避を図っている。
特開平08−261086号公報
上述した特許文献1に開示の燃料ポンプでは、ハウジングの電気コネクタ部が樹脂材料により形成されていることから、燃料流通用の小孔による燃料流路の流路面積が、径時的に変化し易い。具体的には、樹脂材料が燃料を吸収することにより膨張する、いわゆる膨潤に起因した、小孔による燃料流路の流路面積の減少が引き起こされ得る。さらに、樹脂材料は、温度変化による収縮及び膨張が大きく、小孔による燃料流路の流路面積の増減が生じ易い。
小孔による燃料流路の流路面積が、所定の流路面積から縮小すると、小孔を流通して流出する燃料量が減少する。故に、電気コネクタ部近傍における燃料の滞留を回避させる効果が充分に発揮されず、ひいてはターミナルの電食が引き起こされる懸念が生じる。一方で、小孔による燃料流路の流路面積が拡大すると、小孔を通過してハウジングの内部から流出する燃料量が増加する。すると、燃料ポンプの吐出量を不足させてしまうおそれが生じ得る。以上のように、小孔を通過して流出する燃料量の径時的な変化が、ひいては燃料ポンプの安定的な動作を妨げる懸念があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃料ポンプの安定的な動作を実現するため、ターミナルのハウジングの外部に突出している部分の近傍に供給される燃料の径時的な流量変化を抑制できる燃料ポンプの提供である。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、燃料を貯留する燃料タンク内に設けられ、燃料タンク内の燃料を汲み上げる燃料ポンプであって、回転力により燃料を昇圧するポンプ部と、電力の供給を受けて、ポンプ部に回転力を与える電動モータと、樹脂材料により形成される樹脂部を有し、ポンプ部及び電動モータを内部に収容し、当該内部を燃料が流通するハウジングであって、樹脂部に当該ハウジングの内部と外部とを貫通する貫通孔を具備するハウジングと、金属材料により形成され、ハウジングの内部において電動モータと電気的に接続され、貫通孔に嵌合して当該ハウジングの外部に突出し、ハウジングの内部と外部とを連通する連通溝を有するターミナルと、を備えることを特徴とする燃料ポンプ。
この発明によれば、電力の供給を受けた電動モータによって回転力を与えられたポンプ部は、これら電動モータ及びポンプ部を収容するハウジングの内部で、当該内部を流通する燃料を昇圧させる。この燃料の昇圧により、ハウジング内部を流通する燃料は、ハウジングが有する樹脂部に形成された当該ハウジングの内部と外部とを貫通する貫通孔に嵌合しハウジングの外部に突出しているターミナルの連通溝を流通する。このハウジングの内部と外部とを連通する連通溝を流通してハウジングの外部に流出する燃料の流れによって、ターミナルのハウジング外部に突出している部分の近傍に燃料が滞留する事態を回避することができる。
加えて、金属材料により形成されるターミナルには、樹脂部を形成している樹脂材料のような燃料による膨潤が生じない。故に、連通溝による燃料流路の流路面積の減少を防止することができる。さらに、一般に金属材料は樹脂材料よりも温度変化による収縮及び膨張が小さいので、連通溝による燃料流路の流路面積の増減を生じ難くし得る。以上のように、燃料の流路面積の増減を抑制できることで、ハウジング内部から連通溝を流通して当該ハウジングの外部に供給される燃料の径時的な流量変化を抑制できる。
請求項2に記載の発明のように、一般に、ハウジングの外部には、複数のターミナルが突出している。請求項2に記載の発明では、この一対のターミナルは、並列して突出している。そして、これら複数のターミナルのうち、特定のターミナルが他のターミナルと対向する部分に連通溝を有する。故に、連通溝を流通した燃料は、並列する複数のターミナルの間に流出するので、複数のターミナルのハウジング外部に突出している部分の近傍に燃料が滞留する事態を確実に回避させられる。
また請求項3に記載の発明では、正極側のターミナル、及び負極側のターミナルがハウジングの外部に突出しており、これら正極側及び負極側のターミナルのうち、電食を生じやすい正極側のターミナルが連通溝を有している。故に、連通溝を流通してハウジングの外部に流出する燃料は、正極側のターミナルのハウジング外部に突出している部分の近傍における燃料の滞留を確実に回避させ、ひいては当該ターミナルの電食を確実に防止することができる。
請求項4に記載の発明では、ターミナルは、当該ターミナルがハウジングの外部に突出する突出方向に延伸する板状をなしており、連通溝は、ターミナルの板厚方向の側面に形成され、突出方向と直交する方向の断面においける連通溝の底部の形状が円弧状であることを特徴とする。
この発明によれば、ターミナルは、突出方向に延伸する板状であるので、簡素に構成できる。加えて板状のターミナルでは、突出方向と直交する側面の幅は、板厚よりも大きい。以上によれば、板状のターミナルに連通溝を容易に形成するためには、連通溝はターミナルの突出方向の側面に形成することが望ましいとなる。さらに、突出方向と直交する方向における連通溝の底部の形状は、簡素な円弧状であるので、当該連通溝の形成を容易にするめに好適である。以上によれば、連通溝を有するターミナルを容易に獲得し得る。
請求項5に記載の発明では、ハウジングの内部に吸入される燃料をろ過するフィルタユニットをさらに備えることを特徴とする。この発明によれば、フィルタユニットによって、ハウジングの内部に吸入される燃料はろ過される。故に、ハウジングの内部に吸入された燃料からは、異物が分離され得る。以上によれば、当該ハウジングの内部から外部に連通溝を通じて燃料が流通することで、当該連通孔が異物によって詰まらされる事態を未然に防ぎ得る。故に、ハウジング内部から連通溝を流通して当該ハウジングの外部に流出する燃料の径時的な流量変化は、長期に亘って確実に抑制され得る。
請求項6に記載の発明では、樹脂材料は、ポリアセタール又はポリフェニレンサルファイドのいずれかであり、金属材料は、銅又は銅合金であることを特徴とする。この発明によれば、樹脂材料は、燃料の貯留された燃料タンク中においても、優れた機械的性質を発揮できるポリアセタール又はポリフェニレンサルファイドであることが望ましい。一方、金属材料は、優れた耐食性及び導電性を発揮する銅又は銅合金であることが望ましい。尚、このような銅合金としては、具体的には黄銅が好適である。
請求項7に記載の発明では、ハウジングは、電動モータ及びポンプ部を収容し、軸方向の端部が開口する円筒状のメインハウジング部材と、ターミナルを保持し、メインハウジングの端部に組み付けられるホルダ部材と、樹脂材料によって形成され、貫通孔を具備し、ホルダ部材に組み付けられることでメインハウジングの端部の開口を覆い、ハウジングの内部と外部とを隔てるカバー部材と、を有することを特徴とする。
この発明によるハウジングでは、メインハウジング部材の軸方向の端部に取り付けられるホルダ部材は、ターミナルを保持している。このホルダ部材には、カバー部材が組み付けられて、メインハウジング部材の端部の開口を覆うことでハウジングの内部と外部とを隔てる。そして、このカバー部材は樹脂材料によって形成され、また、貫通孔を具備している。メインハウジング部材に保持されたターミナルは、当該貫通孔に嵌合するとともに、当該カバー部材の外部に突出する。以上のように、ハウジングを、メインハウジング部材、ホルダ部材、及びカバー部材等の複数の部材によって構成することで、ターミナルの連通溝に燃料を流通させられる燃料ポンプとし得る。したがって、連通溝を有するターミナルを貫通孔に嵌合させ、ハウジングの外部に突出させるには、複数の部材からなる形態のハウジングとすることが好適なのである。
本発明の一実施形態による燃料ポンプの構成を示す図である。 受電ソケット部が設けられている燃料ポンプの軸方向の端部周辺を拡大した図である。 図2のIII矢視方向からの受電ソケット部の断面図である。 本発明の特徴部分であるターミナルの正面図である。 連通溝の断面形状を説明するための図であって、図4のV‐V線断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す燃料ポンプ100は、燃料を貯留する燃料タンク内に設けられ、当該燃料タンク内の燃料を汲み上げる、所謂インタンク式のものである。この燃料ポンプ100は、ハウジング20、ポンプ部80、電動モータ70、及びフィルタユニット90を備えている。
ハウジング20は、ポンプ部80及び電動モータ70を内部に収容する筐体であって、当該内部に燃料を流通させる。このハウジング20は、メインハウジング30、ベアリングホルダ40、及びカバーエンド50を有している。
メインハウジング30は、金属材料よりなる円筒状の部材であって、軸方向の両端部が開口している。このメインハウジング30の内部には、電動モータ70及びポンプ部80が収容されている。
ベアリングホルダ40は、樹脂材料よりなる円盤状の部材であって、メインハウジング30の一方の端部(図1の右側)に組み付けられている。ベアリングホルダ40の中央部分には、電動モータ70を軸受けするベアリング41が組み付けられている。ベアリングホルダ40は、メインハウジング30に組み付けられることで、ベアリング41によって、電動モータ70の軸方向の一端を当該メインハウジング30に対して回転自在に支持している。加えて、ベアリングホルダ40は、一対のターミナル60,66を保持している。
カバーエンド50は、燃料の貯留された燃料タンク中においても、優れた機械的性質を発揮できるポリアセタール又はポリフェニレンサルファイド等の樹脂材料よりなる円盤状の部材である。カバーエンド50は、ベアリングホルダ40に組み付けられて、メインハウジング30の開口を覆い、ハウジング20の内部と外部とを隔てている。このカバーエンド50には、当該カバーエンド50を軸方向に沿って貫通し、ハウジング20の内部と外部とを連通する孔部である吐出孔52が形成されるいとともに、受電ソケット部57が一体で設けられている。吐出孔52は、電動モータ70及びポンプ部80の作動によって汲み上げられた燃料が、ハウジング20の内部を流通した後、当該ハウジング20の外部に吐き出されるための孔部である。受電ソケット部57は、カバーエンド50の軸方向に沿って筒状に形成されており、電動モータ70に電力を供給するための給電プラグ17が接続される。この給電プラグ17は、給電配線17aを介して外部のバッテリ16に接続されている。
ポンプ部80は、電動モータ70によって与えられる回転力により燃料を昇圧するための構成であって、ポンプハウジング85、ポンプカバー81、及びインペラ88を有している。尚、本実施形態においては、回転ポンプの一種であるウエスコポンプをポンプ部80として用いた例を説明しているが、ポンプ部は例えば歯車ポンプ等の他の種類のポンプであってもよい。
ポンプハウジング85は、アルミダイカスト成形または冷間鍛造によって円盤状に形成されており、メインハウジング30の軸方向の端部であって、ベアリングホルダ40が組みつけられているのとは反対側(図1の左側)の端部に組み付けられている。ポンプハウジング85の中央部分には、ベアリングホルダ40と同様に、電動モータ70を軸受けする軸受部86が組み付けられている。ポンプハウジング85は、メインハウジング30に組み付けられることで、軸受部86によって、電動モータ70の軸方向の他端を当該メインハウジング30に対して回転自在に支持している。
加えてポンプハウジング85には、インペラ収容部87及び燃料流路85aが形成されている。インペラ収容部87は、ポンプハウジング85の軸方向外側の端面に、当該軸方向に沿って形成される円筒穴であって、インペラ88を収容している。燃料流路85aは、インペラ収容部87とハウジング20の内部とを連通させる流路であって、ポンプハウジング85の軸方向まわりに螺旋状に形成されている。
ポンプカバー81は、アルミダイカスト成形または冷間鍛造によって円盤状に形成されており、ポンプハウジング85の軸方向外側に当該ポンプハウジング85と隣接して、メインハウジング20に組み付けられている。このポンプカバー81には、当該ポンプカバー81を軸方向に沿って貫通し、インペラ収容部87と外部とを連通する孔部である、吸入孔82及びベーパ排出孔83が形成されている。吸入孔82は、ポンプ部80の作動により、ハウジング20内部に吸入される燃料が通過する孔部である。ベーパ排出孔83は、ポンプ部80の作動によって生じたベーパを、ハウジング20内部から排出するための孔部である。
インペラ88は、樹脂材料によって円盤状に形成され、電動モータ70の他端に固定されて当該電動モータ70と一体で回転可能である。このインペラ88は、ポンプハウジング85と同軸に、インペラ収容部87内に収容されている。インペラ88の外周縁部には多数の羽根溝が形成されており、当該インペラ88の回転によれば、燃料ポンプ100近傍の燃料は、吸入孔82、インペラ収容部87、及び燃料流路85aを順に流通し、昇圧された状態でハウジング20の内部に流入する。
電動モータ70は、直流モータであって、電力の供給を受けて、ポンプ部80のインペラ88に回転力を与える。この電動モータ70は、永久磁石71及び回転子72を有している。永久磁石71は、メインハウジング30の内周壁部に沿った円弧状に形成されており、当該内周壁部に沿って周方向に複数配置されている。この永久磁石71は、メインハウジング30に保持されており、全体として内周壁部に沿った円環状を呈している。
回転子72は、駆動軸72a、積層鉄芯72b、及び巻線部72cを具備しており、永久磁石71の径方向内側に、燃料の流通が可能な隙間を開けて、当該永久磁石71と同軸に配置されている。駆動軸72aは、メインハウジング30の軸方向に沿って延伸する軸部であって、軸方向の両端部が、ベアリングホルダ40及びポンプハウジング85のベアリング41及び軸受部86によって回転自在に軸受されている。加えて、駆動軸72aのポンプハウジング85側の端部には、インペラ88が固定されている。積層鉄芯72bは、磁性材料である鉄製の円盤状のプレートを、駆動軸72aの延伸方向に、当該駆動軸72aと同心に積層されて構成される部分である。さらに、この積層鉄芯72bに、導線を巻設することで、巻線部72cが形成されている。この巻線部72cには、給電プラグ17を介して供給される電力による電流が流れる。以上の構成により、巻線部72cに電力が供給されることで、電動モータ70は、回転子72を永久磁石71に対して相対回転させる。この回転子72の回転により、ポンプ部80は駆動される。
フィルタユニット90は、ポンプカバー81に組み付けられて、吸入孔82を流通してハウジング20の内部に吸入される燃料をろ過する。このフィルタユニット90は、所定の径よりも大きい異物を除去できるよう、適切なろ過径が仕様として定められている。ここで、ろ過径とは、燃料がフィルタユニット90を通過する際に、燃料中から実質的に全て除去され得る異物の径の下限値とする。このフィルタユニット90は、フィルタクロス91及びフィルタフレーム(図示しない)を有している。フィルタクロス91は、例えばポリエステル又はナイロン等の樹脂製の繊維からなる不織布を用いて袋状に形成されている。このフィルタクロス91を通過することにより、燃料中の異物は除去され得る。フィルタフレームは、フィルタクロス91内に収容され、ポンプカバー81に対してフィルタクロス91を保持している。
以上説明した燃料ポンプ100の特徴部分であるターミナル60,66について、以下図2〜図5を用い、図1を参照しつつ説明する。
一対のターミナル60,66(図3参照)は、優れた耐食性及び導電性を発揮する黄銅等の銅を主体とする銅合金によって形成され、ハウジング20の軸方向であって、当該ハウジング20の外部に突出する突出方向に沿って延伸する板状の部材である。このターミナル60,66は、かしめ部61等を介してハウジング20の内部で電動モータ70と電気的に接続されている。ターミナル60,66は、ベアリングホルダ40によって保持されており、当該ベアリングホルダ40のカバーエンド50側の端面から突出している。このカバーエンド50に設けられ、樹脂材料によって形成される受電ソケット部57は、その底部に、ハウジング20の軸方向に沿って、当該ハウジング20の内部と外部とを貫通する貫通孔53、54を具備している。ターミナル60,66は、これら貫通孔53、54に嵌合するとともに、ハウジング20の外部であって筒状の受電ソケット部57内に突出している。ここで、本実施形態では、ターミナル60が、バッテリ16の正極側と接続される正極側ターミナル、ターミナル66がバッテリ16の負極側と接続される負極側ターミナルとして、以下説明する。
これら正極側及び負極側のターミナル60,66のうち、正極側であるターミナル60は、上述したかしめ部61に加えて連通溝63を有している。連通溝63は、ターミナル60が貫通孔53に嵌合した状態で、ハウジング20の内部と外部とを連通する。この連通溝63は、ターミナル60の板厚方向の側面であって、ターミナル66と対向する内側の部分に形成されている(図3参照)。加えて、連通溝63は、ターミナル60の突出方向及び板厚方向と直交する幅方向において、当該ターミナル60の中央部分に位置し、突出方向に沿って延伸している(図4参照)。
さらに、連通溝63は、突出方向と直交する方向の断面において、当該連通溝63の底部の形状が円弧状である(図5参照)。この連通溝63は、具体的には、円弧状の断面形状を備えるプレス型11を、ターミナル60の板厚方向に沿って、当該ターミナル60に押し当てるプレス加工により形成されている。加えて、連通溝63の幅方向(図5における上下方向)及び深さ方向((図5における左右方向、ターミナル60の板厚方向と一致する)それぞれの寸法は、フィルタユニット90の仕様上において、当該フィルタユニット90を通過可能な異物の径の上限値よりも大きくなるよう設定されている。
以上説明した燃料ポンプ100では、電力の供給を受けた電動モータ70によって駆動されるポンプ部80は、ハウジング20の内部を流通する燃料を昇圧させる。この燃料の昇圧により、ハウジング20内部の燃料は、受電ソケット部57に形成された貫通孔53から外部に突出しているターミナル60の連通溝63を流通し、ハウジング20の外部に流出することとなる。故に、ターミナル60の受電ソケット部57内に突出している部分の近傍において、燃料が滞留する事態を回避することができる。
ここで、連通溝63の幅方向及び深さ方向の寸法について、さらに詳しく説明する。これらの寸法は、燃料ポンプ100が吐出孔52から吐出す燃料の圧力(システム圧)と、電動モータ70及びポンプ部80による吐出流量とに基づいて設定されることが望ましい。詳記すると、燃料が滞留する事態を回避するためには、連通溝63に関するこれらの寸法を大きくし、流量を増やすことが望ましい。しかし、ポンプ部80によって吐き出された燃料の一部が連通溝63を流通する形態とすると、燃料ポンプ100のシステム圧の低下が引き起こされる。故に、連通溝63を流通する燃料の流量は、燃料ポンプ100に要求されているシステム圧が確保され得る流量でなければならない。したがって、このシステム圧の確保が可能な流量に基づいて、連通溝63に関するこれらの寸法は適宜設定される。
ここまで説明した本実施形態では、黄銅よりなるターミナル60には、樹脂材料のような燃料による膨潤が生じない。故に、連通溝63による燃料流路の流路面積の減少を防止することができる。さらに、一般に黄銅は樹脂材料よりも温度変化による収縮及び膨張が小さいので、連通溝63による燃料流路の流路面積の増減を生じ難くし得る。以上のように、燃料の流路面積の増減を抑制できることで、ハウジング20内部から連通溝63を流通して当該ハウジング20の外部に流出する燃料の径時的な流量変化を抑制できる燃料ポンプ100を実現できる。
加えて本実施形態では、ターミナル60は、ターミナル66と対向する内側の部分に連通溝63を有しているので、当該連通溝63を流通した燃料は、並列するターミナル60及びターミナル66間に流出する。故に、ターミナル60及びターミナル66の近傍における燃料の滞留を抑制できる。また、電食は主に正極側で生じる。故に、正極側のターミナル60が連通溝63を有する本実施形態によれば、連通溝63から流出する燃料は、ターミナル60のハウジング20外部に突出している部分の近傍における燃料の滞留を確実に回避させ、ひいては当該ターミナル60の電食を確実に防止することができる。
また本実施形態では、フィルタユニット90によってハウジング20の内部に吸入される燃料はろ過され、当該内部に吸入された燃料から異物が分離されるので、連通溝63に詰まり得る異物は燃料中から実質的に除去され得る。このように、連通溝63に関する寸法はフィルタユニット90を通過可能な異物の径の上限値よりも大きいので、当該フィルタユニット90を通過した異物によって連通溝63が詰まらされる事態を未然に防ぎ得る。加えて、ターミナル60のみに連通溝63を形成することで、当該連通溝63の幅方向及び深さ方向の寸法を大きくすることができる。故に、ハウジング20内部から連通溝63を流通して当該ハウジング20の外部に流出する燃料の径時的な流量変化は、長期に亘って確実に抑制され得る。
さらに本実施形態では、板状であって、簡素な構成であるターミナル60の板厚方向の側面に、プレス加工によって連通溝63が形成されている。板状のターミナルの突出方向と直交する方向の断面において、板厚方向の寸法よりも、当該板厚方向と直交する幅方向の寸法のほうが当然に大きくなる。故に、上述したプレス加工は、ターミナル60の板厚方向の側面にすることが、加工の容易さを獲得するうえで望ましい。加えて、連通溝63の断面の底部形状を簡素な円弧状とすることで、円弧状断面を備えるプレス型11を押し当てるだけの簡単な工程によって当該連通溝63を形成できる。以上によれば、連通溝63の円弧状の底部形状は、連通溝63を有するターミナル60を容易に生産するために好適な形状なのである。
また加えて本実施形態では、ハウジング20を、メインハウジング30、ベアリングホルダ40、及びカバーエンド50等の複数の部材によって構成することで、ターミナル60の連通溝63に燃料を流通させられる燃料ポンプ100を獲得している。このように、連通溝63を有するターミナル60を貫通孔53に嵌合させつつハウジング20の外部に突出させるには、複数の部材30,40,50からなる形態のハウジング20とすることが好適なのである。
尚、本実施形態では、受電ソケット部57が請求項に記載の「樹脂部」に、メインハウジング30が請求項に記載の「メインハウジング部材」に、ベアリングホルダ40が請求項に記載の「ホルダ部材」に、カバーエンド50が請求項に記載の「カバー部材」に、それぞれ相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
上記実施形態では、一対のターミナルのうち、正極側であるターミナル60が、他方の負極側のターミナル66と対向する内側の部分に連通溝63を有していた。しかし、ターミナルは、ハウジング20からさらに複数突出していてもよい。加えて、ターミナル60は、ターミナル66とは反対側の部分に連通溝を有していてもよい。又は、負極側であるターミナル66が、ターミナル60と対向する内側の部分、或いはその反対側である外側の部分に連通溝を有していてもよい。さらに、これら連通溝は、ターミナル60及びターミナル66のいずれか一方に形成されていてもよく、又はターミナル60,66の両方に形成されていてもよい。さらに加えて、ターミナルが突出する部分は、樹脂材料によって形成されていれば、受電コネクタ部57に限定されない。
上記実施形態では、板状のターミナル60に、底部形状が円弧状である連通溝63を形成していた。しかし、ターミナル及び連通溝の形状を限定するものではない。例えば、円柱状のターミナルであってもよい。またターミナル60の突出方向と直交する方向の断面における連通溝の底部形状が、楔状又は矩形状であってもよい。加えて、連通溝は、板状の板厚方向の側面ではなく、当該側面と隣接する側面に形成されていてもよい。或いは、連通溝は、一つのターミナルに複数形成されていてもよい。
上記実施形態では、連通溝63の幅方向及び深さ方向における寸法は、フィルタユニット90を通過可能な異物の最大径よりも大きくなるよう設定されていた。しかし、燃料ポンプのシステム圧の確保等の要件によって、これらの寸法は、適宜設定されてよい。
上記実施形態では、カバーエンド50の材料として、ポリアセタール又はポリフェニレンサルファイドを例示した。しかし、カバーエンド50に用いられる材料は、これらの樹脂に限定されるものではなく、燃料中における機械的性質の高い、絶縁性を備える樹脂材料であれば、適宜選択されてよい。一方、ターミナル60に用いられる材料も、上記実施形態で例示した黄銅に限定されるものではなく、導電性及び耐熱性に優れる耐熱銅合金から適宜選択されてよい。
11 プレス型、16 バッテリ、17 給電プラグ、17a 給電配線、20 ハウジング、30 メインハウジング(メインハウジング部材)、40 ベアリングホルダ(ホルダ部材)、41 ベアリング、50 カバーエンド(カバー部材)、52 吐出孔、53,54 貫通孔、57 受電ソケット部(樹脂部)、60 ターミナル(正極側のターミナル)、61 かしめ部、63 連通溝、66 ターミナル、70 電動モータ、71 永久磁石、72 回転子、72a 駆動軸、72b 積層鉄芯、72c 巻線部、80 ポンプ部、81 ポンプカバー、82 吸入孔、83 ベーパ排出孔、85 ポンプハウジング、85a 燃料流路、86 軸受部、87 インペラ収容部、88 インペラ、90 フィルタユニット、91 フィルタクロス、100 燃料ポンプ

Claims (7)

  1. 燃料を貯留する燃料タンク内に設けられ、前記燃料タンク内の燃料を汲み上げる燃料ポンプであって、
    回転力により燃料を昇圧するポンプ部と、
    電力の供給を受けて、前記ポンプ部に前記回転力を与える電動モータと、
    樹脂材料により形成される樹脂部を有し、前記ポンプ部及び前記電動モータを内部に収容し、前記内部を燃料が流通するハウジングであって、前記樹脂部に当該ハウジングの内部と外部とを貫通する貫通孔を具備するハウジングと、
    金属材料により形成され、前記ハウジングの内部において前記電動モータと電気的に接続され、前記貫通孔に嵌合して当該ハウジングの外部に突出し、前記ハウジングの内部と外部とを連通する連通溝を有するターミナルと、を備えることを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 複数の前記ターミナルが並列して前記ハウジングの外部に突出しており、
    前記複数のターミナルのうち特定のターミナルは、他のターミナルと対向する部分に、前記連通溝を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
  3. 正極側の前記ターミナル、及び負極側の前記ターミナルが前記ハウジングの外部に突出しており、
    前記正極側及び負極側のターミナルのうち、前記正極側のターミナルが、前記連通溝を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料ポンプ。
  4. 前記ターミナルは、当該ターミナルが前記ハウジングの外部に突出する突出方向に延伸する板状をなしており、
    前記連通溝は、前記ターミナルの板厚方向の側面に形成され、
    前記突出方向と直交する方向の断面における前記連通溝の底部の形状が円弧状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
  5. 前記ハウジングの内部に吸入される燃料をろ過するフィルタユニットをさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
  6. 前記樹脂材料は、ポリアセタール又はポリフェニレンサルファイドのいずれかであり、
    前記金属材料は、銅又は銅合金であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
  7. 前記ハウジングは、
    前記電動モータ及び前記ポンプ部を収容し、軸方向の端部が開口する円筒状のメインハウジング部材と、
    前記ターミナルを保持し、前記端部に組み付けられるホルダ部材と、
    樹脂材料によって形成され、前記貫通孔を具備し、前記ホルダ部材に組み付けられることで前記端部の開口を覆い、前記ハウジングの内部と外部とを隔てるカバー部材と、を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
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