JP5310514B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性流体を媒体として用いて発熱体を冷却する冷却装置に関する。
従来、磁性流体を用いて機器を冷却する冷却装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。当該従来の装置は、バッテリの充放電において発生する熱がバッテリの端子を介して伝導する導体部を管状部材の内部に配設するとともに、この管状部材と導体部との間に形成される空間に磁化の温度依存性が高い磁性流体を封入したものである。さらに管状部材は、熱伝導率の高い部分と断熱性のある部分とを有している。
このような構成により、当該従来の装置は、熱伝導率の高い部分の近傍の低温の磁性流体が、導体部に流れる電流による磁界の磁気勾配の作用で導体部近傍の高温になった磁性流体を押しのけながら導体部に接近していく対流が発生する。この対流の発生により、導体部、磁性流体、管状部材の熱伝導率の高い部分へと熱伝達が迅速に行われ、バッテリ内部の熱が外部に迅速に放出される。
また、非特許文献1によれば、磁性材料の粒子を溶媒中に分散させた磁性流体については、磁性流体に対して外部から磁場を印加することによって、流体中に含まれる当該粒子同士が連結する構造となることが報告されている。
特開平6−60914号公報
角田、外3名、「磁性流体のマイクロキャピラリ流れと磁場制御」、混相流研究の進展、日本混相流学会、2006年、VOL.1、p273−278
上記特許文献1のように、発熱機器を冷却する媒体として磁性流体を使用する冷却装置においては、発熱機器の高性能化に伴い、さらに高い冷却性能が要求されている。ゆえに、当該冷却装置には、磁性流体の特質を利用した効率的冷却作用の実現が求められる。
そこで本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁性流体において複数の磁性粒子の連結構造を生じさせることにより、優れた熱交換性能を発揮する冷却装置を提供することである。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の冷却装置の発明は、溶媒及び当該溶媒中に分散される磁性材料の粒子(以下、磁性粒子ともいう)を少なくとも含む磁性流体と、当該磁性流体が循環する流体循環回路と、当該流体循環回路を流れる磁性流体に対し、磁性流体が流れる配管の壁面に対して垂直方向となる磁場を生成する磁場生成装置と、流体循環回路の途中で磁性流体によって吸熱される発熱体と、を備え
磁場生成装置は、流体循環回路において発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で、または当該部位よりも上流で、磁性流体に対して磁場を生成し、
磁場生成装置によって磁場が生成される部位よりも下流側で磁性流体に含まれる磁性材料の粒子の磁化を打ち消す作用を施す磁化低減装置をさらに備えることを特徴とする。
この発明によれば、磁場生成装置によって磁性流体に対して磁場が生成されると、磁場の方向に複数の磁性粒子が配列して連結する連結構造をなす形態変化が起こる。当該形態変化により、磁性粒子は一定の方向に配向するため、その特質から磁性流体の熱伝導率が向上するようになる。当該形態変化によって磁性流体の熱吸収能力が強化されるため、高い熱吸収性を有する磁性流体を循環させることができる。このように磁場生成装置によって流体循環回路の所望の部位で磁性流体に対して磁場を生成させれば、当該形態変化により熱伝導率が向上した磁性流体との間で熱交換する発熱体の熱を効率的に吸熱することが可能になる。したがって、磁性流体中の磁性粒子の形態変化を起こす手段により、優れた熱交換性能を発揮する冷却装置が得られる。
また、請求項1に記載の発明によると、磁場生成装置は、流体循環回路において発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で磁性流体に対して磁場を生成する。この発明によれば、発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で、磁場の方向に複数の磁性粒子が配列して連結する連結構造をなす形態変化を起こすことができる。これにより、当該形態変化によって磁性流体の熱伝導性が強化されるため、磁性流体は発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で高い熱吸収性または放熱性を有する状態を確保できる。したがって、発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で当該連結構造の状態をなすため、熱交換性能が要求される当該部位で確実に熱交換性能を発揮する冷却装置が得られる。
または、請求項1に記載の発明によると、磁場生成装置は、流体循環回路において発熱体の熱を吸熱または放熱する部位よりも上流で磁性流体に対して磁場を生成する。この発明によれば、発熱体の熱を吸熱または放熱する部位よりも上流側で、磁場の方向に複数の磁性粒子が配列して連結する連結構造をなす形態変化を起こすことができる。これにより、当該形態変化によって磁性流体の熱伝導性が強化されるため、発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で当該連結構造が維持されるように磁場生成部位を設定すれば、高い熱吸収性または放熱性を有する状態の磁性流体を確保できる。したがって、発熱体の熱を吸熱または放熱する部位よりも上流側で当該連結構造の状態を形成すれば、熱交換性能が要求される当該部位で確実に熱交換性能を発揮する冷却装置が得られる。
また、請求項1に記載の発明によると、磁場生成装置は、磁性流体が流れる配管の壁面に対して垂直方向となる磁場を生成することを特徴とする。この発明によれば、このような方向となる磁場を形成することにより、磁性流体は好ましい磁性粒子の形態になり、配管の壁との熱交換が効率的に行われる状態を形成することができる。
また、請求項1に記載の発明は、磁場生成装置によって磁場が生成される部位よりも下流側で磁性流体における磁性材料の粒子の磁化を打ち消す作用を施す磁化低減装置をさらに備えることを特徴とする。磁性粒子は磁場生成装置によって一旦磁化された場合に連結構造がその後長く維持されることがあり、この連結構造の生成によれば磁性流体の粘性が増すことになる。そこで請求項1に記載の発明によれば、磁化低減装置によって磁性材料の粒子の磁化を打ち消す作用が働くため、維持されている連結構造を解除して複数の磁性粒子を分離することにより、連結構造の形態のときよりも磁性流体の粘性を低減して磁性流体の流動抵抗を低減することができる。
請求項2に記載の発明によると、磁場生成装置は、磁性流体が予め定められた温度に達した場合に磁性流体に対して磁場を生成し始めることを特徴とする。請求項1に記載の発明によれば、磁場生成装置によって一旦磁場生成されると、磁性粒子の連結構造の生成により磁性流体の粘性が増すことになる。そこで請求項2に記載の発明によれば、磁性流体が所定の温度に達したときに、当該連結構造を生成する磁場を生成し始めるため、熱交換性能の発揮が必要な温度になるまでは、磁性流体の粘性を抑制することができ、流体循環回路の圧力損失増大による冷却システムへの影響を防止できる。
請求項3に記載の発明によると、磁場生成装置は、冷却装置の始動後、所定時間が経過した場合に磁性流体に対して磁場を生成し始めることを特徴とする。請求項1に記載の発明によれば、磁場生成装置によって一旦磁場生成されると、磁性粒子の連結構造の生成により磁性流体の粘性が増すことになる。そこで請求項3に記載の発明によれば、冷却装置の始動後、所定時間が経過したときに、当該連結構造を生成する磁場を生成し始めるため、熱交換性能の向上を必要とする状態になるまでは、磁性流体の粘性を抑制することができ、流体循環回路の圧力損失増大による冷却システムへの影響を防止できる。
請求項4に記載の発明によると、磁場生成装置は磁場を生成する永久磁石を含むことを特徴とする。この発明によれば、永久磁石によって磁性流体に対して一定強さの磁場を安定して生成することができるため、磁性粒子の形態変化の程度が安定して得られ、磁性流体の熱伝導率の一定の向上が確保できる。
請求項5に記載の発明によると、磁場生成装置は磁場を生成する電磁石を含むことを特徴とする。この発明によれば、電磁石によって磁性流体に対して磁場を生成するため、電流の強さを調整することにより、所望の強さの磁場を安定して生成することができるので、磁性流体の熱伝導率の向上が確保しやすいとともに、さらに熱交換性能の調節も可能になり、冷却負荷の状態に応じた冷却性能の制御を実施し易いものとなる。
請求項6に記載の発明によると、磁性材料の粒子は強磁性体であることが好ましく、請求項7に記載の発明によると、強磁性体は酸化鉄であることが好ましい。これらの各発明によれば、磁場の方向に複数の磁性粒子が配列して連結する連結構造をなす形態変化を確実に生じさせることが可能であり、優れた熱交換性能を発揮する冷却装置が得やすい。
請求項8に記載の発明に係る冷却装置は、内燃機関が発生する駆動力により走行する自動車に用いられ、発熱体としての内燃機関を冷却することを特徴とする。この発明によれば、内燃機関の冷却水が磁性流体であり、当該冷却水が循環する流体循環回路の所望の部位で磁場生成装置によって磁場を生成させれば、当該形態変化により熱伝導率が向上した冷却水との間で熱交換する内燃機関の熱を効率的に吸熱することが可能になる。したがって、内燃機関を冷却する優れた熱交換性能を有する冷却装置が得られる。
請求項9に記載の発明に係る冷却装置は、電動機が発生する駆動力により走行する自動車に用いられ、電動機を駆動する発熱体としてのインバータを冷却することを特徴とする。この発明によれば、インバータの冷却水が磁性流体であり、当該冷却水が循環する流体循環回路の所望の部位で磁場生成装置によって磁場を生成させれば、当該形態変化により熱伝導率が向上した冷却水との間で熱交換するインバータの熱を効率的に吸熱することが可能になる。したがって、インバータを冷却する優れた熱交換性能を有する冷却装置が得られる。
本発明の第1実施形態に係る冷却装置において、磁性流体の形態変化を実施する磁場形成部の構成を示した模式図である。 第1実施形態の冷却装置の構成を示した模式図である。 第1実施形態の冷却装置において、磁場生成装置の他の形態を示した模式図である。 第1実施形態の冷却装置に関する第一の応用例を示した模式図である。 第1実施形態の冷却装置に関する第二の応用例を示した模式図である。 第1実施形態の冷却装置において、磁性流体の他の形態を示した模式図である。 第2実施形態に係る冷却装置の構成を示した模式図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る磁性流体の第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。本実施形態にかかる磁性流体は、例えばマグネタイト等の磁性微粒子、その表面を覆う界面活性剤、ベース液等で構成される磁性コロイド溶液であり、熱源からの熱を吸熱して外部に伝達、輸送する。磁性流体は、各種製品の電子機器、自動車の内燃機関、電気自動車またはハイブリッド自動車が走行するための駆動力を発生する電動機を駆動するインバータまたは二次電池等、を冷却する冷却装置に用いられる。
図1に示すように、磁性流体1は、溶媒2と、複数の微小粒子とを含んでいる。複数の微小粒子は、複数の磁性材料の粒子(以下、磁性粒子3ともいう)の集合体であり、溶媒中に分散して存在している。このような複数の磁性粒子3は、溶媒中において、通常は分散して存在しているが、磁化されることにより磁場方向に伴う方向に延びるように連結して配列する構造(以下、連結構造ともいう)となる。この連結構造による形態は、残留磁化等の影響があるうちは維持されるが、磁性流体1の流動とともに連結構造が解除されると、磁性粒子間が分離して溶媒中に複数の磁性粒子3が分散するようになる。この連結構造の形態変化に移行したときは磁性流体の熱伝導率は非連結構造の場合に対して向上し、逆に連結構造が解体されて非連結構造の分散状態に移行したときは熱伝導率が連結構造の場合に対して低下するが、流体の粘性は小さくなる。このように連結構造状態と非連結構造状態との間の形態変化は、可逆的であり、磁性流体に対する磁場の生成、流体の流れの変化(流速変化)や振動、温度変化等のトリガに起因する。
この磁性流体1に用いられる溶媒2は、溶媒分子の集合体であり、例えば水または有機物(例えば、エチレングリコール、トルエン等)である。溶媒2は、磁性粒子3を分散させ、磁性粒子3を運搬する流体とすることができる。この流体は、液体、あるいは気体によって提供されうる。流体は、単一もしくは複数の成分から構成されうる。例えば、流体として水、液状の高分子を用いることができる。さらに、流体として、混合物を用いることができる。例えば、混合物には、水と、エチレングリコールと、他の機能成分との混合物を用いることができる。
磁性流体1に含まれる複数の磁性粒子3のそれぞれは、直径が100nm以下サイズの磁性材料の粒子であり、磁性流体中に溶媒分子に取り囲まれる形態で分散している。磁性粒子3としては、強磁性を有する材料であることが好ましく、例えば、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)等の金属からなる粒子、これらの合金または酸化物を用いることができる。また、磁性粒子3は、2種類以上の物質から構成されてもよい。
磁性性粒子3に用いるマグネタイト(Fe304)は、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)の溶液にアンモニアを反応させて得ることができる。また、磁性流子3の一例である磁性金属粒子の原材料酸化物粒子は、例えば、周知の金属イオン還元法で製造することもできる。ここでいう磁性金属粒子の原材料酸化物粒子とは、酸化物が還元によって強磁性の金属あるいは合金になるものである。この磁性金属粒子の原材料酸化物粒子の具体例としては、マグネタイト、Coフェライト、Niフェライト等である。
磁性流体1においては、複数の磁性粒子3の連結構造状態と非連結構造状態との二つの状態を用いてその熱伝導率が増減し、熱交換性能が調整可能な媒体となる。図1は、磁性流体の形態変化を示す説明図であって、当該形態変化を実施する磁場形成装置10の構成を示した模式図である。
図1に示すように、磁性流体1がX方向に流れる配管13内において、磁場形成部位12よりも上流側では、複数の磁性粒子3は溶媒2中に分散する状態で存在している。この状態の磁性粒子3は、溶媒中で規則的に配列せず、ランダムに動きまわる状態になる(非連結構造状態)。そして、磁場生成装置10を構成する永久磁石11によって、N極からS極に向かうY方向に配管13の壁面(磁場生成部位12)に対して垂直方向に磁場が生成されると、上流では分散していた複数の磁性粒子は磁化されて集合して磁場方向Yに並ぶように配列して連結した連結構造状態3Aになる。さらに、この連結構造状態3Aでは、磁性流体1Aは、磁場方向に伸長して連結した磁性粒子の特質から非連結構造の場合に比べて熱伝導率が向上するとともに、粘性が大きくなる。次に、磁場生成部位12で連結構造状態3Aとなった磁性粒子は、その後に流体循環回路を流れるにつれて、磁化が解かれて磁性粒子3間が分離する非連結構造状態となる。この非連結構造状態では、連結構造状態3Aの場合に比べて熱伝導率が低下するとともに、粘性が小さくなる。
図2は、磁場生成装置10を備えた冷却装置の構成を示した模式図である。図2では、自動車の駆動力を発生するエンジン24を冷却する冷却装置20と、ハイブリッド自動車の走行用電動機を駆動するインバータ34を冷却する冷却装置30と、を表している。
冷却装置20は、溶媒2及び溶媒中に分散される磁性粒子3を少なくとも含む磁性流体1と、磁性流体1が循環する流体循環回路25と、流体循環回路25を流れる磁性流体1に対して磁場を生成する磁場生成装置10と、流体循環回路25の途中で磁性流体1によって吸熱される発熱体としてのエンジン24と、を備える。さらに冷却装置20は、流体循環回路25で磁性流体1を強制的に循環させるウォータポンプ21と、磁場生成装置10よりも下流に設けられるエンジン用ラジエータ22と、エンジン用ラジエータ22に対し冷却のための空気を送風する送風機23と、磁性流体1の温度に基づいて磁性流体1の流路を切り換えるサーモスタット28と、を備える。
磁場生成装置10は、流体循環回路25において発熱体であるエンジン24よりも上流側(発熱体の熱を吸熱する部位よりも上流側)に配設されるため、冷却装置20は、磁場生成装置10の磁場生成によって連結構造状態3Aとなった磁性粒子により磁性流体1Aの熱伝導率が向上して、エンジン24の熱を効率的に吸収することができる。また磁場生成装置10は、流体循環回路25においてエンジンの24の熱を放熱するエンジン用ラジエータ22よりも上流側(発熱体の熱を放熱する部位よりも上流側)に配設されるため、冷却装置20は、磁場生成装置10の磁場生成によって連結構造状態3Aとなった磁性粒子により磁性流体1Aの熱伝導率が向上して、エンジン24の熱を効率的に放出することができる。
冷却装置30は、溶媒2及び溶媒中に分散される磁性粒子3を少なくとも含む磁性流体1と、磁性流体1が循環する流体循環回路35と、流体循環回路35を流れる磁性流体1に対して磁場を生成する磁場生成装置10と、流体循環回路35の途中で磁性流体1によって吸熱される発熱体としてのインバータ34と、を備える。さらに冷却装置30は、流体循環回路35で磁性流体1を強制的に循環させるウォータポンプ32と、磁場生成装置10よりも上流に設けられるHV用ラジエータ33と、インバータ34により駆動される電動機31(または発電機)と、を備える。
磁場生成装置10は、流体循環回路35において発熱体であるインバータ34よりも上流側(発熱体の熱を吸熱する部位よりも上流側)に配設されるため、冷却装置30は、磁場生成装置10の磁場生成によって連結構造状態3Aとなった磁性粒子により磁性流体1Aの熱伝導率が向上して、インバータ34の熱を効率的に吸収することができる。なお、図示していないが、磁場生成装置10は、流体循環回路35においてインバータ34等の熱を放熱するHV用ラジエータ33よりも上流側(発熱体の熱を放熱する部位よりも上流側)に配設してもよい。この場合には、冷却装置30は、磁場生成装置10の磁場生成によって連結構造状態3Aとなった磁性粒子により磁性流体1Aの熱伝導率が向上して、インバータ34や電動機31の熱を効率的に放出することができる。
このように、磁性流体1は、磁場生成装置10よる磁性粒子3の磁化により、非連結構造状態よりも高い熱伝導率を有する冷却媒体となり、吸熱または発熱を要する熱交換部位で外部から吸熱し、または外部へ放熱する。さらに磁性流体1は、流体循環回路において吸熱または発熱を要しない部位(例えば図2の符号26,27,36で指す部位)では、磁化が弱まって非連結構造状態となりうるため、連結構造形成による粘性が低減して、流路抵抗が抑えられた流動性のよい冷却媒体として流体循環回路を循環するものである。
次に、磁性流体1を適用した冷却装置における他の形態の磁場生成装置10Aについて図3にしたがって説明する。図3は磁場生成装置10Aを示した模式図である。磁場生成装置10Aは、磁場生成装置10の永久磁石11の代わりに電磁石14を備える。電磁石14は、印加される電圧によりコイルを流れる電流値に応じて生成する磁場の強さが制御可能である。この磁場の強さは、印加電圧を制御する制御装置によって調整される。このような構成によれば、電磁石14による磁場生成のため、電流の強さが調整可能であり、製品仕様に応じた所望の強さの磁場を安定して生成することができる。したがって、磁場生成装置10Aによる磁性流体1の熱伝導率の向上が確保しやすいとともに、さらに熱交換性能の設定が可能になり、冷却負荷の状態に応じた冷却性能の制御の点で優秀な冷却装置を提供できる。
次に、磁性流体1を適用した冷却装置の第一の応用例について図4にしたがって説明する。図4は冷却装置の第一の応用例を示した模式図である。図4に示すように、第一の応用例の冷却装置は、図3と同様に電磁石14を備える磁場生成装置10Bによる磁場生成時期を磁性流体1の温度に基づいて制御する。これにより、磁場生成部位12よりも下流の配管13内部の流路には、磁性流体の温度を検出する温度センサ40が設けられている。この温度センサ40によって検出された温度信号はECU100に出力される。ECU100は、温度センサ40が検出する温度信号と記憶されているプログラムとに基づいて磁場生成時期を判定し、この判定結果に応じて電磁石14のコイルへの電圧印加スイッチをONする。
また、磁場生成装置10Bによって一旦磁場が生成されると、磁性粒子3の連結構造の生成により磁性流体1の粘性が増すことになる。そこで、第一の応用例によれば、磁場生成装置10Bは、磁性流体1の温度が冷却装置の熱交換機能を必要とする予め定められた温度に達した場合に磁性流体1に対して磁場を生成し始める。このため、熱交換性能を必要とする温度になるまでは磁性流体1の粘性を抑制することができるとともに、当該温度になれば、磁性粒子3の連結構造を生成することにより適切に熱交換性能を向上させることができる。したがって、熱交換性能の不要時における流体循環回路の圧力損失増大を防ぎ、冷却装置全体への影響を防止できる。
次に、磁性流体1を適用した冷却装置の第二の応用例について図5にしたがって説明する。図5は冷却装置の第二の応用例を示した模式図である。図5に示すように、第二の応用例の冷却装置は、図4に対して磁場生成装置10Bによる磁場生成時期をECU100に含まれるタイマー部101によって制御する。これにより、ECU100は、冷却装置の始動後、タイマー部101が予め定めた時間の経過を計測するまでは電磁石14のコイルへの電圧印加スイッチをOFF状態に保ち、当該所定時間の経過を計測すれば電圧印加スイッチをONする。当該所定時間は、磁性流体1の温度が冷却装置の熱交換機能を必要とする温度に達したことを判定するために実験または数値計算により求められた時間である。
この第二の応用例によれば、磁場生成装置10Bは、冷却装置の始動後、所定時間が経過した場合に磁性流体1に対して磁場を生成し始める。このため、熱交換性能を必要とする温度に対応する所定時間が経過するまでは磁性流体1の粘性を抑制することができるとともに、当該所定時間が経過すれば、磁性粒子3の連結構造を生成することにより適切に熱交換性能を向上させることができる。したがって、熱交換性能の不要時における流体循環回路の圧力損失増大を防ぎ、冷却装置全体への影響を防止できる。
次に、磁性粒子の他の例について図6を参照して説明する。図6は、冷却装置に用いられる磁性流体の他の例を示した模式図である。図6に示すように、他の例の磁性粒子3は、アスペクト比(棒状の粒子の長辺を短辺で除した値)が2〜3程度の金属ナノロッド(ナノサイズのロッド状金属微粒子)である。この金属ナノロッドであっても、磁場生成装置10による磁場生成により、上流では分散していた複数の金属ナノロッドからなる磁性粒子3は、磁化されて集合して磁場方向Yに並ぶように配列して連結した連結構造の状態になる。さらに、この連結構造状態では、磁性流体1Aは、磁場方向に伸長して連結した磁性粒子(連結構造状態3A)の特質から非連結構造の場合に比べて熱伝導率が向上するとともに、粘性が大きくなる。次に、連結構造状態3Aとなった磁性粒子は、その後に流体循環回路を流れるにつれて、磁化が解かれて磁性粒子3間が分離する非連結構造状態に戻る。この非連結構造状態では、連結構造の場合に比べて熱伝導率が低下するとともに、粘性が小さくなる。
以下に、本実施形態の冷却装置がもたらす作用効果を述べる。冷却装置20は、溶媒2及び溶媒中に分散される磁性粒子3を少なくとも含む磁性流体1と、磁性流体1が循環する流体循環回路25と、流体循環回路25を流れる磁性流体1に対して磁場を生成する磁場生成装置10と、流体循環回路25の途中で磁性流体1によって吸熱されるエンジン24(発熱体)と、を備える。
これによれば、磁場生成装置10によって磁性流体1に対して磁場が生成されると、磁場の方向Yに複数の磁性粒子3が並びこれが連結する連結構造をなす形態変化(連結構造状態3A)が起こる。当該形態変化により、磁性粒子3は磁場の方向Yに伴う一定の方向に配向するため、複数の磁性粒子3がひも状につながり、その特質から磁性流体1の熱伝導率が向上するようになる。この連結構造状態3Aはある程度維持されるため、熱伝導率が向上した磁性流体1が流動するようになる。これにより、磁性流体1の熱吸収能力が強化されるため、高い熱吸収性を有する磁性流体1を流体循環回路に循環させることができる。このように磁場生成装置10によって流体循環回路25の磁場生成部位12で磁性流体1に対して上記の磁場を生成させれば、当該形態変化により熱伝導率が向上した磁性流体1との間で熱交換するエンジン24の熱を効率的に吸熱することが可能になる。したがって、磁性流体中の磁性粒子の上記形態変化を起こす磁場生成装置10により、優れた熱交換性能を発揮することができる。
また、上記構成によれば、エンジン24の冷却水として磁性流体1を使用し、当該冷却水が循環する流体循環回路25の所望の部位(磁場生成部位12)で磁場を生成させれば、連結構造状態3Aの形成により熱伝導率が向上した冷却水とエンジン24の熱とを熱交換させて、エンジン24の熱を効率的に吸熱することが可能になる。したがって、エンジン冷却性能が向上することによりエンジンの運転性及び信頼性の向上に貢献できる。
また、同様に冷却装置30は、溶媒2及び溶媒中に分散される磁性粒子3を少なくとも含む磁性流体1と、磁性流体1が循環する流体循環回路35と、流体循環回路35を流れる磁性流体1に対して磁場を生成する磁場生成装置10と、流体循環回路35の途中で磁性流体1によって吸熱されるインバータ34(発熱体)と、を備える。この装置においても当該形態変化により熱伝導率が向上した磁性流体1との間で熱交換するインバータ34の熱を効率的に吸熱することが可能になる。
また、冷却装置30によれば、インバータ34を流れる冷却水が磁性流体1であり、当該冷却水が循環する流体循環回路35の所望の部位(磁場生成部位12)で磁場を生成させれば、インバータ冷却性能が向上することによりインバータの信頼性の向上に貢献できる。
また、磁場生成装置10,10A,10Bは、流体循環回路25,35においてエンジン24やインバータ34(発熱体)の熱を吸熱する部位で磁性流体1に対して磁場を生成するようにしてもよい。また、磁場生成装置10,10A,10Bは、流体循環回路25においてエンジン24の熱を放熱する部位(エンジン用ラジエータ22)において、磁性流体1に対して磁場を生成するようにしてもよい。
これら各構成によれば、発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で、磁場の方向Yに複数の磁性粒子3が配列して連結する連結構造状態3Aをなす形態変化を起こすことができる。これにより、連結構造状態3Aの形成によって磁性流体1の熱伝導性が強化されるため、磁性流体1は発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で高い熱吸収性または放熱性を有する状態になる。したがって、熱交換性能が要求される当該部位で確実に熱交換性能を発揮する冷却装置を実現できる。
また、磁場生成装置10,10A,10Bは、流体循環回路において発熱体の熱を吸熱または放熱する部位よりも上流で磁性流体1に対して磁場を生成する。この構成によれば、発熱体の熱を吸熱または放熱する部位よりも上流側で、磁場の方向Yに複数の磁性粒子3が配列して連結する連結構造状態3Aをなす形態変化を起こすことができる。これにより、連結構造状態3Aの形成によって磁性流体1の熱伝導性が強化されるため、当該連結構造が維持されるように発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で磁場生成部位12を設定すれば、磁性流体1は高い熱吸収性または放熱性を有する状態になる。したがって、熱交換性能が要求される当該部位で確実に熱交換性能を発揮する冷却装置を実現できる。
また、磁場生成装置10,10A,10Bは、磁性流体1が流れる配管13の壁面に対して垂直方向となる磁場を生成する。この構成によれば、このような方向となる磁場を形成することにより、磁性粒子3は好ましい連結構造の形態になり、熱伝導にとって好ましい粒子の配向が得られ、配管13の壁との熱交換が効率的に行われる状態を形成できる。
また、磁性材料の粒子3は強磁性体であることが好ましく、さらに強磁性体は酸化鉄であることが好ましい。これらの各構成によれば、磁場の方向Yに複数の磁性粒子3が配列して連結する連結構造状態3Aをなす形態変化を確実に生じさせることが可能であり、その熱伝導性及び熱交換性能について優れた能力を発揮する冷却装置を提供できる。
また、溶媒としてエチレングリコールを用いた場合には、凝固点降下作用を有し、溶媒の凝固点を例えば−20℃程度まで降下させることが可能である。すなわち、例えば、冷却装置がエンジンを冷却対象とする場合に、車載用の冷却水やオイル等のように寒冷地等における実用性においてより優れたものとなる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、冷却装置の他の形態について図7にしたがって説明する。図7は第2実施形態に係る冷却装置の構成を示した模式図である。
第2実施形態の冷却装置は、第1実施形態で説明する冷却装置に対して、さらに、磁場生成装置10によって磁場が生成される部位よりも下流側で磁性流体1に含まれる磁性粒子3の磁化を打ち消す作用を施す磁化低減装置50を備えるものである。磁化低減装置50は、交流電流が流れることにより磁界を発生するコイルを有する電磁石51を備え、磁性粒子3の磁化を打ち消す磁場を発生する。電磁石51は、交流電流を使用するため、直流磁界とは異なり、N極とS極とが交互に入れかわり、磁性流体1に対して生成する磁場の向きZが変化する。磁化低減装置50は、上流に位置する磁場生成装置10によって磁化されて連結構造状態3Aとなった磁性粒子3を非連結構造状態に構造変化させる向きZの磁場を磁場低減部位52で発生する。また磁化低減装置50は、交流電流の強さを制御することで磁場の強さを調整することができる。
磁化低減装置50は、第1実施形態の図2に示す冷却装置20において、吸熱部であるエンジン24の出口よりも下流側の部位26や、放熱部であるエンジン用ラジエータ22の出口よりも下流側の部位27に設けられる。また磁化低減装置50は、同様に図2に示す冷却装置30において、吸熱部であるインバータ34の出口よりも下流側の部位36に設けられる。
本実施形態の冷却装置がもたらす作用効果を以下に述べる。第2実施形態の冷却装置は、磁場生成装置10によって磁場が生成される部位よりも下流側で磁性流体における磁性粒子3の磁化を打ち消す作用を施す磁化低減装置50を備える。
磁性粒子3は磁場生成装置10によって一旦磁化された場合に連結構造状態3Aがその後、流体循環回路において維持されることがあり、この連結構造の生成によって磁性流体1の粘性が増すことになる。そこで第2実施形態の冷却装置によれば、磁化低減装置50によって磁性粒子3の磁化を打ち消す作用が働くため、維持されている連結構造状態3Aを解除して複数の磁性粒子3を分離することができる。したがって、連結構造の形態のときよりも磁性流体1の粘性を低減して磁性流体1の流動抵抗を低減することができるので、冷却性能を下げる要因を回避することができる。すなわち、第2実施形態の冷却装置は、熱交換の必要な部位で磁性流体の熱伝導率の向上が確保できるとともに、熱交換が必要ない部位では磁性流体の粘性を低減する効果を奏し、さらなる冷却性能向上を図るものである。
また、磁性粒子3は、アスペクト比(棒状の粒子の長辺を短辺で除した値)が例えば、数十〜100程度の高アスペクトの粒子であってもよい。このように熱伝導率向上効果がより期待できる高アスペクトの磁性粒子を採用した場合でも、第2実施形態のように磁化低減装置50によって磁性粒子3の磁化を打ち消すことにより、連結構造状態3Aを解除して磁性流体1の粘性を低減するので、流体循環回路において熱交換性能を要しない部位での磁性流体の流動抵抗を低減することが可能になる。したがって、粘性を低く維持しつつ、高熱伝導性を実現できる冷却装置を提供できる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
磁性流体に含まれる溶媒は、上記各実施形態で例示した他、以下の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒は、例えば、トルエン、ヘキサン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸ブタノール、2プロパノール、1−プロパノール、エタノール、メタノール、ギ酸等である。
また、磁性流体に含まれる溶媒として、2種類の成分からなるものを用いてもよい。このうち1種類の溶媒としては凝固点降下作用を有するある液体を用いてもよい。例えば溶媒として水を用い、凝固点降下剤として酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等を用いることができる。こうした構造によれば、磁性流体の凝固点を降下させることで、寒冷地等における実用性をさらに高めることができる。さらに必要に応じて、凝固点降下剤に加えて防錆剤や酸化防止剤を、添加剤として磁性流体に含有させるようにしてもよい。なお、磁性流体の凝固点降下の必要性がなければ、凝固点降下剤を含有しない2種類以上の溶媒を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態における磁場生成装置10,10A,10Bは、磁場生成部位12に対して、1個設けられている。しかしながら、熱交換を要する部位の範囲が長いまたは大きい場合、または高温発熱の部位など物理的に磁場生成装置を設置することが困難な部位の場合には、磁場生成装置は当該要求を満たせるように流体循環回路に複数個設置するようにしてもよい。
また、上記各実施形態の冷却装置は、エンジン、インバータ、二次電池、電子機器等の熱源の放熱を行う装置の他、CPU、LSI、CCD等の半導体部品の冷却装置、モータの冷却装置に適用することもできる。
1…磁性流体
2…溶媒
3…磁性粒子
10,10A,10B…磁場生成装置
11…永久磁石
12,52…磁場生成部位
13…配管
14…電磁石
20,30…冷却装置
24…エンジン(発熱体、内燃機関)
25,35…流体循環回路
31…電動機
34…インバータ(発熱体)
50…磁化低減装置

Claims (9)

  1. 溶媒及び当該溶媒中に分散される磁性材料の粒子を少なくとも含む磁性流体と、
    前記磁性流体が循環する流体循環回路と、
    当該流体循環回路を流れる前記磁性流体に対し、前記磁性流体が流れる配管の壁面に対して垂直方向となる磁場を生成する磁場生成装置と、
    前記流体循環回路の途中で前記磁性流体によって吸熱される発熱体と、を備え
    前記磁場生成装置は、前記流体循環回路において前記発熱体の熱を吸熱または放熱する部位で、または当該部位よりも上流で、前記磁性流体に対して磁場を生成し、
    前記磁場生成装置によって磁場が生成される部位よりも下流側で前記磁性流体に含まれる前記磁性材料の粒子の磁化を打ち消す作用を施す磁化低減装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  2. 前記磁場生成装置は、前記磁性流体が予め定められた温度に達した場合に前記磁性流体に対して磁場を生成し始めることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記磁場生成装置は、前記冷却装置の始動後、所定時間が経過した場合に前記磁性流体に対して磁場を生成し始めることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  4. 前記磁場生成装置は磁場を生成する永久磁石を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷却装置。
  5. 前記磁場生成装置は磁場を生成する電磁石を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷却装置。
  6. 前記磁性材料の粒子は強磁性体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷却装置。
  7. 前記強磁性体は酸化鉄であることを特徴とする請求項6に記載の冷却装置。
  8. 内燃機関が発生する駆動力により走行する自動車に用いられ、前記発熱体としての前記内燃機関を冷却することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の冷却装置。
  9. 電動機が発生する駆動力により走行する自動車に用いられ、前記電動機を駆動する前記発熱体としてのインバータを冷却することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の冷却装置。
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