JP5310457B2 - 有水式ガスホルダ及びその点検方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有水式ガスホルダ及びその点検方法に関する。
製鉄所においては、製鉄所から発生する高炉ガス(BFG)、コークス炉ガス(COG)、転炉ガス(LDG)など副生ガスを燃料として利用するために、当該副生ガスを一旦貯蔵するための有水式ガスホルダが設置されている。有水式ガスホルダ100は、図15に示すように、水101を貯留した水槽102の内部に、上下に移動自在な複数のテレスコープ型のガス槽(本例は3槽の場合を記載)である外槽103、中槽104及び内槽105を有し、隣接するガス槽の間に、互いに係合する下カップ106と上カップ封水板107による水封部を設けた構造となっている。そして、ガス貯蔵量が増加した際には、先ず内槽105が上昇し、次いで互いに係合する下カップ106と上カップ封水板107を介して中槽104が上昇するようになっている。また、各ガス槽の外縁部には上部ガイドローラ110と水槽102の周囲に垂直に配置された基柱111が設けられており、各ガス槽が昇降動作する際に、当該ガス槽の昇降動作を案内するようになっている。(特許文献1)。
一般に、このような有水式ガスホルダ100においては、ガス槽が昇降する際にガス槽が傾斜すると、下カップ106内の水101が下カップ106の外部に漏れ、水封部のシールが維持できなくなる恐れがある。そのため従来は、例えば図16に示すように、下カップ106の下面に、ガス槽の内面に設けられた内柱112を外方に押圧する下部ガイドローラ113を設けている。このため、ガス槽が傾斜することにより基柱111、あるいはガス槽の内柱112を押圧する荷重が大きくなった際、当該箇所のガイドローラ110が、基柱111あるいはガス槽内の内柱112からの反力により押し戻される。これにより、ガス槽に復元モーメントが作用し、当該ガス槽が自動的に水平に保持される、いわゆる自動調芯が行われ、水封部のシール機能が適切に維持される。
上述の自動調芯が適切に行われるには、上部ガイドローラ110と下部ガイドローラ113が、夫々基柱111とガス槽の内柱112を適正な力で押圧する必要がある。そのため、通常は有水式ガスホルダ100の据付時に上部ガイドローラ110と下部ガイドローラ113の押圧力を調整すると共に、定期的に有水式ガスホルダ100の運転を停止し、上部ガイドローラ110と下部ガイドローラ113の点検及び調整が行われる。
特開平4−119296号公報
この上部ガイドローラ110の点検を行うにあたっては、当該上部ガイドローラ110が有水式ガスホルダ100の外部、即ち大気側に配置されているため、有水式ガスホルダ100を停止することで容易に点検が可能となる。しかしながら、有水式ガスホルダ100の各ガス槽は、有水式ガスホルダ100が停止した状態においては水槽102の底面に着座した状態となるので、有水式ガスホルダ100の内側、即ちガス側に配置されている下部ガイドローラ113は、水槽102の水101に没した状態となってしまう。このため、下部ガイドローラ113の点検作業を行うにあたっては、ガス槽内からのガスの排出、及び水槽102内からの水101の排水という作業が必要となる。また、点検作業を終えて有水式ガスホルダ100を復旧する際には、水槽102内への水101の補給という作業も必要となる。したがって、このような点検作業に伴い多大な時間と労力がかるという問題があった。
また、有水式ガスホルダ100が停止している間は、製鉄所から発生する副生ガスの貯留先が無くなるため、通常はエネルギー源として有効利用する副生ガスは燃焼放散される。したがって、エネルギーコストの観点からも、有水式ガスホルダ100の点検、調整といった作業は、迅速に行われることが望ましい。
有水式ガスホルダ100の点検作業の迅速のためには、各ガス槽を水槽102の水面より上方へ持ち上げることで下部ガイドローラ113が水101に没した状態を解消し、この状態で下部ガイドローラ113の点検作業を行うことが考えられる。点検作業に費やされる時間の多くを占める、水槽102からの排水及び、水槽102への水101の補給といった作業が不要となるためである。しかしながら、上述のとおり各ガス槽は、互いに係合するカップ106と封水板107により、ガス槽の内部とガス槽の外部とが完全に遮断される構造となっているため、例えば内槽105を持ち上げたとしても、上述のように中槽104も併せて上昇してしまう。したがって、例えば内槽105を水槽102の水面より上方に持ち上げたとしても、依然として下部ガイドローラ113はガス槽の外部に露出することはなく、外部からは一切点検することができないままである。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、有水式ガスホルダの構造を、水槽内からの排水なしで下部ガイドローラの点検や調整が可能となるものとし、下部ガイドローラの点検作業の作業性を向上させることを目的としている。
前記の目的を達成するための本発明は、その底部に水を蓄える水槽と、前記水槽の内側に同心円状に設けられた複数のガス槽と、前記水槽の外側に、前記水槽の周方向に所定の間隔で配置された複数の基柱と、各ガス槽に設けられ、前記各ガス槽が上下方向に移動する際に、前記基柱に沿って前記各ガス槽を案内する複数の上部ガイドローラと、を有する有水式ガスホルダであって、一のガス槽に設けられた上部ガイドローラは、当該一のガス槽より外側に位置する他のガス槽が上下方向に移動する際に、当該他のガス槽と干渉しない位置まで退避可能に構成され、前記複数の基柱には、前記複数のガス槽を上下方向に移動させる吊り上げ装置が設けられていることを特徴としている。
本発明者らは、同心円状に配置されたガス槽のうち、外側に配置されたガス槽から内側に配置されたガス槽の順で順次個別に持ち上げることができれば、水槽の水抜きを行うことなく各ガス槽の下部をガス槽の外部に露出させ、点検することが可能である点に着目した。本発明によれば、一のガス槽に設けられた上部ガイドローラは、当該一のガス槽より外側に位置する他のガス槽が上下方向に移動する際に、このガス槽と干渉しない位置まで退避可能に構成されている。このため、この上部ガイドローラを、当該上部ガイドローラが配置されたガス槽より外側に位置する他のガス槽と干渉しない位置まで退避させることで、同心円状に配置されたガス槽のうち、外側に配置されたものから順次個別に持ち上げることが可能となる。これにより、水槽内からの排水を行うことなく下部ガイドローラの点検や調整が可能となり、下部ガイドローラの点検作業の作業性を向上させることができる。
なお、前記上部ガイドローラは、前記基柱と接触するローラ部と、前記ローラ部を保持する保持部と、ガス槽の上部に設けられ、前記保持部が接続された可動部と、を有し、前記可動部は、前記ローラ部を保持する前記保持部と共に、前記ローラ部を前記ガス槽の中心方向に向かって移動可能に構成されていてもよい。このとき、上部ガイドローラは、前記保持部が可動部を中心に回転して退避する形式であっても、前記保持部が可動部に対して水平方向に自在に移動して退避する形式であってもよい。
前記吊り上げ装置は、ガス槽を上下方向に移動させた後、所定の位置で当該ガス槽を固定することができてもよい。
また、別の観点による本発明は、前記の有水式ガスホルダの点検方法であって、
一のガス槽より内側に位置する他のガス槽に設けられた前記複数のガイドローラを、当該他のガス槽と干渉しない位置まで退避させて前記一のガス槽が上下方向に通過できる空間を形成し、前記一のガス槽を、前記空間を通過させて前記他のガス槽より上方に移動させ、前記一のガス槽を前記水槽の水面より上方に持ち上げた状態で点検を行うことを特徴としている。
点検は、吊り上げたガス槽を固定し、足場を用いて行ってもよい。また、一のガス槽より内側に位置する他のガス槽を吊り上げまたは吊り下ろしする際に、当該一のガス槽の内柱は、前記他のガス槽の上部ガイドローラの昇降動作の案内に用いてもよい。さらに、点検する対象は下部ガイドローラが含まれていることがよい。
本発明によれば、水槽内からの排水を行わずに下部ガイドローラの点検や調整を行うことで、下部ガイドローラの点検作業の作業性を向上させることができる。
本実施の形態にかかる有水式ガスホルダの構成の概略を示す縦断面図である。 本実施の形態にかかる有水式ガスホルダの構成の概略を示す縦断面図である。 本実施の形態にかかる有水式ガスホルダの上部ガイドローラ近傍の構成の概略を示す縦断面図である。 上部ガイドローラが外槽の動線上から退避した状態を示す説明図である。 本実施の形態にかかる点検作業のフロー図である。 本実施の形態にかかる有水式ガスホルダの上部ガイドローラ近傍の構成の概略を示す平面図である。 本実施の形態にかかる有水式ガスホルダの構成の概略を示す縦断面図である。 本実施の形態にかかる有水式ガスホルダの構成の概略を示す縦断面図である。 本実施の形態にかかる有水式ガスホルダの構成の概略を示す平面図である。 本実施の形態にかかる有水式ガスホルダの構成の概略を示す縦断面図である。 上部ガイドローラが外槽の動線上から退避した状態を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる上部ガイドローラの構成の概略を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる上部ガイドローラの構成の概略を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる上部ガイドローラの構成の概略を示す説明図である。 従来の有水式ガスホルダの構成の概略を示す縦断面図である。 従来の有水式ガスホルダの下部ローラ近傍の構成の概略を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、有水式ガスホルダ1は、水2を貯留する水槽10と、水槽10の内部に同心円状に設けられた複数のガス槽である外槽11、中槽12及び内槽13と、水槽10の周囲に立設された複数の基柱14と、外槽11、中槽12及び内槽13に夫々複数設けられ、基柱14に沿って各ガス槽の昇降動作を案内する上部ガイドローラ15と、を有している。
水槽10は、有水式ガスホルダ1の底部に配置され内部に水2を貯留するための槽であって、この水2がガス槽内部に貯留されたガスをシールする役割を担う。水槽10は、底面が略円形で、蓋の無い略円筒形に形成されている。また、水槽10には、例えば高炉や転炉からの副生ガスをガス槽内に供給すると共に、当該副生ガスを需要先に排出するガス配管(図示せず)が底面を貫通して設けられ、水槽10の水面上まで延伸している。水槽10底面の外周部の上面には、有水式ガスホルダ1が停止する際に、各ガス槽が着座するレストブロック16が設けられている。
外槽11及び中槽12は、例えば、底面及び蓋の無い略円筒形に形成されている。外槽11の直径は水槽10よりも一回り小さく、また、中槽12の直径も外槽11よりも一回り小さくなっている。外槽11は水槽10の内部に、中槽12は外槽11の内部にそれぞれ挿入され、昇降自在となっている。内槽13は、天井17を有する底の無い略円筒形に形成され、中槽12よりも一回り小さい直径となっている。このため、内槽13も中槽12の内部に挿入可能となっており、中槽12の内部に昇降自在に設けられている。
隣接する外槽11と中槽12及び中槽12と内槽13との間には、それぞれ下カップ封水板20及び上カップ封水板21からなる水封部22が設けられている。下カップ封水板20は中槽12と内槽13の外周面下端部に設けられ、上方が開口した略U字状の断面形状を有している。上カップ封水板21は、外槽11と中槽12の内周面上端部に設けられ、下カップ封水板20とは反対に、下方が開口した略U字状の断面形状を有している。これにより、相対する略U字状の形状を有する下カップ封水板20と上カップ封水板21とは互いに係合することができる。したがって、有水式ガスホルダ1内のガス貯蔵量が増加し、有水式ガスホルダ1の内圧が上昇した際に、内槽13の上昇力は下カップ封水板20と上カップ封水板21を介して中槽12に伝達され、中槽12の上昇力も同様に外槽11に伝達される。これにより、内槽13は中槽12及び外槽12を上方に牽引し、図2に示すように中槽12及び外槽11を上昇させることができる。
各下カップ封水板20内には、水槽10のレストブロック16に各ガス槽が着座している間に水槽10の水2が流入し、中槽12及び内槽13が上昇すると、各上カップ封水板21が各下カップ封水板20内に貯留された水2の水面より下方に挿入される。これにより、各上カップ封水板21の内側のガスと各上カップ封水板21の外側の空気が水により遮断され、各上カップ封水板21の内外の水位差により中槽12及び内槽13内部のガスが槽外に漏洩しない構造となっている。外槽11は、その下端部が水槽10の水3の水面より下方に没することにより、外槽11内部から槽外に副生ガスの漏洩を防止することができる。
基柱14は、各ガス槽及び水槽10の外側であって、各ガス槽の周方向に等間隔で複数設けられている。なお、図1及び図2では、水槽10の中心を対称に配置された2本の基柱14のみを模式的に示している。
上部ガイドローラ15は、外槽11及び中槽12の上部、並びに内槽13の天井17の外縁部であって、基柱14に対応する位置に、夫々複数設けられている。上部ガイドローラ15は、基柱14と当接し、各ガス槽が上下方向に移動する際に各ガス槽を案内する役割を担う。
各上部ガイドローラ15の鉛直下方であって、中槽12の下カップ封水板20の下面と内槽13の下カップ封水板20の下面、及び外槽11の下端部には、図2に示すように下部ガイドローラ25が夫々設けられている。各ガス槽の内面及び水槽10の内面であって下部ガイドローラ25に対応する位置には、内柱26が設けられている。下部ガイドローラ25は内柱26と当接し、上部ガイドローラ15と共に、各ガス槽が上下方向に移動する際に各ガス槽を自動調芯しながら案内する役割を担う。なお、図1では、基柱14と同様に、各ガス槽について二つの上部ガイドローラ15及び二つの下部ガイドローラ25のみを模式的に描図している。
各基柱14の上部には、各ガス槽を上下方向に移動させるための吊り上げ装置27が夫々設けられている。吊り上げ装置27としては、例えばウインチなどが用いられる。
次に、各ガス槽に設けられた上部ガイドローラ15の構造について詳述する。外槽11に設けられた上部ガイドローラ15aは、例えば図3に示すように、基柱14と当接する回転自在なローラ部30と、外槽11の上端部に接続され、ローラ部30を保持する、例えば略L字状の保持部31により構成されている。
中槽12に設けられた上部ガイドローラ15bは、例えば図3に示すように、ローラ部30と、中槽12の上端部から鉛直上方に延伸して設けられた支持部32と、支持部32の上端部に支持された可動部33と、可動部33から基柱14に向かって延伸して設けられた、ローラ部30を保持する保持部34により構成されている。保持部34は、可動部33が可動することにより、図4に示すように、ローラ部30をガス槽の中心方向に向かって移動させる、即ち保持部34が側面視において可動部33を軸とする回転運動を行い、ローラ部30の位置を基柱14に当接する位置から、例えば可動部33の鉛直上方の位置まで自在に変えることができるようになっている。このように、可動部33を可動させることで保持部34と共にローラ部30を、例えば可動部33の鉛直上方へ移動させることにより、中槽12より外側に位置するガス槽である外槽11が上下方向に移動する際の動線上に存在していた上部ガイドローラ15bを、外槽11が上下方向に移動する際に干渉しない位置まで退避させることができる。なお、可動部33は、図示しないロック機構を有しており、通常はロック機構により可動しないようになっており、必要に応じてロック機構を解除することで可動自在となる。
内槽13に設けられた上部ガイドローラ15cの構成は、支持部32が天井17の外縁部に設けられているという点が上述の上部ガイドローラ15bと異なるのみであるので、ここでは説明を省略する。
そして、上部ガイドローラ15b、15cのローラ部30及び保持部34を、外槽11が上下方向に移動する際の動線上からそれぞれ退避させることで、外槽11を、上部ガイドローラ15b、15cと干渉することなく上下方向に移動させることが可能となる。なお、外槽11の上部ガイドローラ15aは、当初より中槽12や内槽13の動線上に位置していないため可動部33を設ける必要はないが、上部ガイドローラ15b、15cと同様の構成を有していてもよい。
本実施の形態にかかる有水式ガスホルダ1は以上のように構成されており、次にこの有水式ガスホルダ1の点検作業を行う際の手順について説明する。図5に点検作業のフロー図を示す。作業は大きく分けて、各ガス槽が上下方向へ移動する際に上部ガイドローラ15と干渉しないように、各上部ガイドローラ15を各ガス槽の動線上から退避させる退避工程と、上部ガイドローラ15を退避させた後に、各ガス槽を上方へ移動させる吊り上げ工程とからなる。
点検作業を始めるにあたっては、予め有水式ガスホルダ1の内部からガスが排出され、各ガス槽水槽10のレストブロック16に着座した状態となっている。
そして、退避工程では、先ずガス槽のうち最も内側に位置する内槽13の上部ガイドローラ15cの可動部33を可動させ、図6に示すように、保持部34を水平方向から鉛直方向に移動させる。これにより、内槽13の内側に位置する中槽12及び外槽11の上下方向の動線上から上部ガイドローラ15cのローラ部30と保持部34を退避させる(図5の工程T1)。
次いで、中槽12の上部ガイドローラ15bの可動部33を可動させ、内槽13の上部ガイドローラ15cと同様に、上部ガイドローラ15bのローラ部30と保持部34を、中槽12の外側に位置する外槽11の上下方向の動線上から退避させる(図5の工程T2)。なお、内槽13の上部ガイドローラ15cを退避させた後に、中槽12の上部ガイドローラ15bの退避を行うのは、例えば上部ガイドローラ15bを先に退避させた場合、上部ガイドローラ15bよりも内側に位置する上部ガイドローラ15cが障害物となり、上部ガイドローラ15bの保持部34やローラ部30が退避できないことが想定されるためであるが、干渉しなければ、順序は問わない。
次に吊り上げ工程について説明する。吊り上げ工程では、先ず外槽11の所定の位置に吊り上げ装置27から延伸するワイヤ40が接続され、外槽11が吊り上げられる(図5の工程R1)。この際、外槽11の上下方向の動線上からは中槽12及び内槽13のガイドローラ15b、15cが退避しているので、外槽11はガイドローラ15b、15cと干渉することなく水槽10と中槽12との間の隙間を通過し、図7に示すように、水槽10の水2の水面より上方へ移動する。これにより、外槽11の下部ガイドローラ25が露出される。
次いで、外槽11と同様に、吊り上げ装置27により中槽12が、外槽11と内槽13との間の空間を通って上方に吊り上げられる(図5の工程R2)。そして、最後に内槽13が吊り上げられ(図5の工程R3)、図8に示すように全てのガス槽が水槽10の水面より上方に移動させられる。なお、吊り上げ装置27により各ガス槽を上方へ移動させるにあたっては、例えば図9に描図された十二本の基柱14のうち、水槽10の周方向における距離が等間隔となるように選択された四本の基柱14aに設置された吊り上げ装置27のワイヤ40が、外槽11の所定の位置、例えば図9に示される上部ガイドローラ15aのうち、点線で丸が付された上部ガイドローラ15aの近傍に接続される。また、平面視において基柱14aの時計回り方向に隣り合う四本の基柱14bに設置された吊り上げ装置27のワイヤが、外槽11と同様に、図9に点線で丸が付された中槽12の上部ガイドローラ15b近傍に接続される。そして、基柱14bに隣り合う四本の基柱14cに設置された吊り上げ装置27のワイヤ40が、図9に点線で丸が付された内槽13の上部ガイドローラ15c近傍に接続される。このように、ワイヤ40を各ガス槽に接続する際、ワイヤ40の接続位置が各ガス槽の周方向において一致しないようにすることで、ワイヤ40同士が干渉することなく各ガス槽の吊り上げを実施することができる。
全てのガス槽の吊り上げが完了すると、吊り上げ装置27により各ガス槽の上下方向の位置が固定される。次いで、各ガス槽の下部ガイドローラ25を点検するための、足場41が、例えば基柱14を介して適宜設置され、各下部ガイドローラ25や下カップ封水板20の点検が行われる(図5の工程S)。その後、点検が終了すると、吊り上げ装置27により内槽13から外槽11の順に、各ガス槽が順次吊り下ろされ、全ての点検作業が完了する。
以上の実施の形態によれば、中槽12と内槽13に設けられた上部ガイドローラ15b、15cが、中槽12と内槽13の外側に位置する外槽11の上下方向への移動の際に、当該外槽11と干渉しない位置まで退避可能に構成されている。このため、上部ガイドローラ15b、15cを、例えば外槽11と干渉しない位置まで退避させることで、中槽12や内槽13がレストブロック16に着座したままの状態であっても、外槽11のみを選択的に水槽10の水面より上方に持ち上げることができる。そして、中槽12及び内槽13も外槽11と同様に、中槽12、内槽13の順で外側の槽より順次吊り上げることができるので、水槽10内に水2が貯留された状態であっても、各ガス槽の下部ガイドローラ25を水2及び各ガス槽の外部に露出させることができる。これにより、水槽10内から水2を排水することなく、下部ガイドローラ25の点検や調整が可能となり、下部ガイドローラの点検作業の作業性が向上する。
また、例えば図10に示すように、各ガス槽内面の内柱26から、例えば鋼板などにより形成した基準線42を下部ガイドローラ25に向かって鉛直下方に下ろせば、この基準線42を基準位置として用いることで、下部ガイドローラ25を実際に内柱26に接触させなくとも、各下部ガイドローラ25の位置調整が可能となる。こうすることで、従来はレストブロック16上に各ガス槽を着座させ、下部ガイドローラ25と内柱26との接触状態をみながらおこなっていた調整作業を、水槽10の底面上の狭小なスペースではなく、足場41から行うことができるようになる。このため、調整作業においても、作業性が格段に向上する。なお、外槽11の下部ガイドローラ25の調整を行う場合は、水槽10の内柱26から鉛直上方に向かって基準線42が設けられる。
なお、以上の実施の形態においては、各ガス槽の動線上から退避可能な上部ガイドローラ15として、支持部32、可動部33及び保持部34を有する上部ガイドローラ15b、15cに基づき説明したが、本発明の有水式ガスホルダ1に適用可能な上部ガイドローラは、かかる例に限定されず、中槽12に設けられる上部ガイドローラが外槽11の上下方向の動線上から、内槽13に設けられる上部ガイドローラが外槽11及び中槽12の上下方向の動線上から退避できればよく、本実施の形態に限定されるものではない。
上部ガイドローラ15b、15cに代わる上部ガイドローラ50としては、図11に示すように、例えば中槽12の上端部に可動部51が設けられ、可動部51の上部に、上部ガイドローラ15aに用いられる略L字状の保持部31を設け、側面視において可動部51を中心に保持部31を、例えば90度回転させて退避させることのできる構成としたものが考えられる。このような上部ガイドローラ50を用いた場合でも、図10の破線に示すように内槽13の上部ガイドローラ50を外槽11と中槽12の動線上から、中槽12の上部ガイドローラ50を外槽11の動線上から夫々退避させることができる。
また、例えば図12に示すように、中槽12の上部ガイドローラ15bの可動部52に対して保持部34を、水平方向に自在に移動させる上部ガイドローラ53を用いてもよい。かかる場合、保持部34を水槽10の半径方向に沿って中心方向へ移動させることにより、保持部34及びローラ部30を外槽11の上下方向の動線上から退避させることが可能となる。なお、上部ガイドローラ53を用いた場合、退避した上部ガイドローラ53の保持部34が、内槽13の上部ガイドローラ15cの保持部34に干渉することが考えられる。したがってこの場合、内槽13には、例えば図13に示すように、上部ガイドローラ53の保持部34と干渉しない位置に配置された二つの上方に延伸する支持部材60からなる支持部61と、支持部61の支持部材60の上端部に夫々可動部52とローラ部30をその間に挟んで保持する保持部63を有する上部ガイドローラ64を用いることで、上部ガイドローラ53の保持部34と上部ガイドローラ64の支持部61との干渉を避けることができる。なお、中槽12を持ち上げる場合は、退避した中槽の上部ガイドローラ53の保持部34が内槽の上部ガイドローラ64のローラ部30に干渉する可能性があるので、内槽の上部ガイドローラ64のローラ部30は保持部63の間を、保持部63に沿って移動自在に構成される。こうすることで、図13に点線で示すように、内槽の上部ガイドローラ64のローラ部30を中槽の上部ガイドローラ53の保持部34と干渉しない位置まで退避させることができる。
以上の実施の形態においては、各ガス槽の吊り上げ完了後に足場41を設けたが、外槽11を吊り上げた後に外槽11に対応する足場41を設け、次いで、中槽12及び内槽13の吊り上げ及び足場41の設置を順次行ってもよく、足場41を設置する手順は任意に決定が可能である。
また、以上の実施の形態においては、内槽13を上方に移動させる場合も吊り上げ装置27を用いていたが、内槽13については、例えば水槽10の内部に設けられた図示しないガス配管から圧縮空気等を供給して、内槽13を所定の高さまで持ち上げてもよい。この場合の所定の高さとは、内槽13の下カップ封水板20の底面が水槽10の水2に没した状態で、且つ水槽10の水面上から下部ガイドローラ25の点検が可能な程度の高さである。
以上の実施の形態においては、一つの中槽12を有する有水式ガスホルダ1について説明したが、中槽12は二つ以上設けられていてもよい。かかる場合、図5の工程T2及び図5の工程R2を中槽12の数に応じて繰り返し行えばよい。
また、以上の実施の形態においては、上部ガイドローラ15を、その外側に位置するガス槽の動線上から退避させた状態で各ガス槽の吊り上げを行ったが、例えば外槽11を中槽12の上方まで移動させた後、図14に示すように、中槽12の上部ガイドローラ15bのローラ部30を外槽11の内柱26と当接する位置まで可動させ、その位置で上部ガイドローラ15bを固定するようにしてもよい。このようにすることで、吊り上げ装置27により中槽12の吊り上げ又は吊り下ろしを行う際、上部ガイドローラ15bと外槽11の内柱26により中槽12の昇降動作を案内することが可能となる。これにより、中槽12の吊り上げ作業を安定して行うことができる。内槽13についても同様の対応が可能である。なお、外槽11については、上部ガイドローラ15aを退避させる必要がないので、吊り上げ作業においても基柱14と上部ガイドローラ15aによる案内が行われる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、有水式ガスホルダの点検作業を行う際、特に下部ガイドローラの点検作業を行う際に有用である。
1 有水式ガスホルダ
2 水
10 水槽
11 外槽
12 中槽
13 内槽
14 基柱
15 上部ガイドローラ
16 レストブロック
17 天井
20 下カップ封水板
21 上カップ封水板
22 水封部
25 下部ガイドローラ
26 内柱
27 吊り上げ装置
30 ローラ部
31 保持部
32 支持部
33 可動部
34 保持部
40 ワイヤ
41 足場
42 基準線
50 上部ガイドローラ
51 可動部
52 可動部
53 上部ガイドローラ
60 支持部材
61 支持部
63 保持部
64 上部ガイドローラ

Claims (9)

  1. 底部に水を蓄える水槽と、
    前記水槽の内側に同心円状に設けられた複数のガス槽と、
    前記水槽の外側に、前記水槽の周方向に所定の間隔で配置された複数の基柱と、
    各ガス槽に設けられ、前記各ガス槽が上下方向に移動する際に、前記基柱に沿って前記各ガス槽を案内する複数の上部ガイドローラと、を有する有水式ガスホルダであって、
    一のガス槽に設けられた上部ガイドローラは、当該一のガス槽より外側に位置する他のガス槽が上下方向に移動する際に、当該他のガス槽と干渉しない位置まで退避可能に構成され、
    前記複数の基柱には、前記複数のガス槽を上下方向に移動させる吊り上げ装置が設けられていることを特徴とする、有水式ガスホルダ。
  2. 前記上部ガイドローラは、前記基柱と接触するローラ部と、
    前記ローラ部を保持する保持部と、ガス槽の上部に設けられ、前記保持部が接続された可動部と、を有し、
    前記可動部は、前記ローラ部を保持する前記保持部と共に、前記ローラ部を前記ガス槽の中心方向に向かって移動可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有水式ガスホルダ。
  3. 前記保持部が可動部を中心に回転して退避することを特徴とする、請求項2に記載の有水式ガスホルダ。
  4. 前記保持部が可動部に対して水平方向に自在に移動して退避することを特徴とする、請求項2に記載の有水式ガスホルダ。
  5. 前記吊り上げ装置は、ガス槽を上下方向に移動させた後、所定の位置で当該ガス槽を固定することができることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の有水式ガスホルダ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の有水式ガスホルダの点検方法であって、
    一のガス槽より内側に位置する他のガス槽に設けられた前記複数のガイドローラを、当該他のガス槽と干渉しない位置まで退避させて前記一のガス槽が上下方向に通過できる空間を形成し、
    前記一のガス槽を、前記空間を通過させて前記他のガス槽より上方に移動させ、
    前記一のガス槽を前記水槽の水面より上方に持ち上げた状態で点検を行うことを特徴とする、有水式ガスホルダの点検方法。
  7. 吊り上げたガス槽を固定し、足場を用いて点検を行うことを特徴とする、請求項6に記載の有水式ガスホルダの点検方法。
  8. 一のガス槽より内側に位置する他のガス槽を吊り上げまたは吊り下ろしする際に、当該一のガス槽の内柱を、前記他のガス槽の上部ガイドローラの昇降動作の案内に用いることを特徴とする、請求項6又は7に記載の有水式ガスホルダの点検方法。
  9. 下部ガイドローラを点検することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のガスホルダの点検方法。
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