JP5169807B2 - 有水式ガスホルダ及び有水式ガスホルダの水封弁遮断方法 - Google Patents

有水式ガスホルダ及び有水式ガスホルダの水封弁遮断方法 Download PDF

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Description

本発明は、有水式ガスホルダ及びその水封弁遮断方法に係り、特に、ガスホルダ停止時にガス配管に設けられた水封弁を確実に遮断できるようにするための有水式ガスホルダ及びその水封弁遮断方法に関する。
例えば製鉄所においては、コークス炉、高炉、転炉等を用いて操業する場合、コークス炉ガス(COG)、高炉ガス(BFG)、転炉ガス(LDG)等の副生ガスが生成される。これらのガスは、燃料ガスなどとして再利用可能である。よって、生成されたガスは、ガスホルダ内に一旦貯蔵され、必要に応じて取り出され、他のガスと混合されて適宜用途の燃料ガスとして利用される。このようなガスを貯蔵するガスホルダは、ガスの発生箇所と使用箇所とを結ぶ配管系統上に配置される。かかるガスホルダは、一般的に、乾式ガスホルダと、有水式ガスホルダ(湿式ガスホルダともいう。)との2種類に大別される。
このうち、有水式ガスホルダは、例えば図6に示すように、ガスの需要と供給の変動量をガス槽2の上下動により時間的に吸収するための装置である。この有水式ガスホルダは、ガスの流出入に応じて昇降自在に設けられたガス槽2を備え、該ガス槽2により形成されるガス貯蔵空間を密閉するために、底部に水槽1が設けられている。また、複槽式の有水式ガスホルダでは、複数のガス槽2間に水封シール機構を設け、水槽1内の水を利用してガス槽2間をシールする。また、ガス出入口配管3は、ホルダ内にガスを供給/排出するための配管であり、水槽1の下部を通り外部のガス供給源又はガス利用装置(図示せず。)に接続されている。
かかる有水式ガスホルダの運転停止時には、ガス出入口配管3を介したガスホルダへのガスの供給、及び、ガスホルダからのガスの排出を遮断する必要がある。そこで、図7に示すように、ガス出入口配管3は、ガスホルダの運転停止時にガスを遮断するための水封弁4としての機能を併せ持つようになっている。この水封弁4は、ガスホルダの下部側で、ガス出入口配管3が下に凸となるように湾曲した構造となっている部分である。また、ガスホルダ停止時にガスを遮断するために、ガス出入口配管3には、上記水封弁4の他、電動ダンパー(電動弁)5が設けられることもある。
従来では、上記ガス出入口配管3の水封弁4を遮断するための用水は、外部給水設備9から給水されることが一般的であった(例えば特許文献1参照。)。外部給水設備9は、外部水源6の水を給水ポンプ7により給水配管8及び弁8aを介して、水封弁4に供給するものである。
上記構成の有水式ガスホルダでは、通常の運転停止時のみならず、地震など緊急時にも、二次災害防止のため確実にホルダを停止する(出入口でガスを遮断する)必要がある。このため、従来では、地震対策として、ガス出入口配管3の電動ダンパー5の電源や、水封弁4に給水する外部給水設備9の電源の無停電化などが行われてきた。
特開2002−162000号公報
しかしながら、上記従来のガス遮断手段のうち、電動ダンパー5は、ガスシール性に劣り、少なからずガス漏れが生じるという問題があった。また、水封弁4は、用水を供給する外部給水設備9が停止した時、ガスを遮断することができないという問題があった。また、たとえ外部給水設備9の給水電源を無停電化したとしても、外部水源6を確保できない場合には、水封弁4が機能しないといった問題を有していた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、有水式ガスホルダのガス出入口において、確実にガスを遮断することが可能な、新規かつ改良された有水式ガスホルダ及び水封弁遮断方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ガスの流出入に応じて昇降自在に配設されるガス槽と、前記ガス槽の下側に配設された水槽と、前記ガス槽内部に前記ガスを供給する又は前記ガス槽内部から前記ガスを排出するためのガス配管とを備える有水式ガスホルダにおいて、前記ガス配管に設けられた水封弁に、前記水槽内に貯留された水を供給する給水手段を備え、前記給水手段は、前記水槽と前記ガス配管とを接続する給水配管と、前記給水配管に設けられた給水制御弁と、を備え、前記水槽内の水を前記給水配管を介して前記ガス配管の前記水封弁に供給し、前記給水制御弁により前記水封弁への給水を制御し、前記給水配管の一端は、前記水槽の最低水位よりも下側の位置で前記水槽の側板に接続され、前記給水配管の他端は、前記水槽の最低水位よりも下側の位置で前記ガス配管に接続されるとともに、前記水封弁よりも前記水槽に近い箇所で前記ガス配管に接続されることを特徴とする、有水式ガスホルダが提供される。
また、前記給水配管の一端は、前記水槽の最低水位よりも下側の位置で前記水槽の側板の上部側に接続されるようにしてもよい。
また、前記水封弁は、前記水槽よりも下方に設置されるようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、前記有水式ガスホルダにおいて、前記ガス配管に設けられた前記水封弁を遮断する水封弁遮断方法であって、前記水封弁よりも前記水槽に近い箇所で前記ガス配管に接続された前記給水配管を介して、前記水槽内の水を前記水封弁に供給することによって、前記水封弁を遮断することを特徴とする、有水式ガスホルダの水封弁遮断方法が提供される。
上記構成により、有水式ガスホルダの水槽内に貯留された水を、ガス配管に設けられた水封弁に供給することによって、水封弁が遮断される。このため、外部給水設備の有無に関わらず、ガス出入口の水封弁を確実に遮断できる。
以上説明したように本発明によれば、有水式ガスホルダのガス出入口において、確実にガスを遮断できる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順で行うものとする。
1.第1の実施の形態(水槽内の貯留水を用いた給水機構)
2.第2の実施の形態(水槽の水位低下に対応した給水機構)
3.第3の実施の形態(2本のガス配管に対応した給水機構)
4.第4の実施の形態(水槽内の貯留水と外部水源を併用した給水機構)
5.水槽内の貯留水を用いた給水の是非を検証した実施例
<第1の実施の形態>
[有水式ガスホルダの基本構造]
最初に、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る有水式ガスホルダの基本構造について説明する。図1は、本実施形態に係る有水式ガスホルダ10の概略構成を示す縦断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る有水式ガスホルダ10は、複数のガス槽13A〜Cを備える複槽型の有水式ガスホルダとして構成されており、例えば、3つのガス槽(ガス内槽13A、ガス中槽13B及びガス外槽13C)を備えた3槽型の有水式ガスホルダである。なお、本発明の有水式ガスホルダは、かかる複槽型の有水式ガスホルダに限られず、ガス槽を1つだけ備えた単槽型の有水式ガスホルダであってもよい。
有水式ガスホルダ10は、ホルダ底部に設けられて水を貯留する水槽12と、水槽12の内側に昇降自在に設けられたガス外槽13Cと、ガス外槽13Cの内側に昇降自在に設けられたガス中槽13Bと、ガス中槽13Bの内側に昇降自在に設けられたガス内槽13Aと、水槽12の周囲に起立配置されてガス外槽13Cの昇降を案内する複数の基柱14と、ホルダ内にガスを供給/排出するためのガス出入口配管15と、を備える。なお、ガス出入口配管15は、本発明のガス配管に相当する。
水槽12は、有水式ガスホルダ10の底部に配置され、ガス槽13A〜C内のガス貯蔵空間をシールするための水を貯留する水槽である。水槽12内の水がガスシールの役割を担う。この水槽12は、例えば、略円板形状の底板12aと、蓋の無い略円筒形の側板12bとから構成される。水槽12の側板12b上端部には、係止縁部11が内周方向に向けて突設されている。この係止縁部11が、ガス外槽13Cの外周面下部に突設された外槽ストッパ16を係止することで、ガス外槽13Cが水槽12から上方に離脱しないようにできる。
ガス外槽13Cは、水槽12の内径よりも小さい略円筒状のガス槽であり、ガス中槽13Bは、ガス外槽13Cの内径よりも一回り小さい略円筒状のガス槽である。また、ガス内槽13Aは、ガス中槽13Bの内径よりも一回り小さく、有頂で底のない略円筒キャップ形状のガス槽である。これらのガス外槽13C、ガス中槽13B及びガス内槽13Aは、全体として上下方向に伸縮自在に連結してガス槽として機能し、その内部にガス貯蔵空間を形成する。なお、以下の説明では、ガス内槽13A、ガス中槽13B及びガス外槽13Cを、ガス槽13と総称する場合もある。
また、上記ガス槽13相互の隙間からガス漏れしないように、これらの連結部には、水封構造のシールカップ機構が設けられている。つまり、ガス外槽13Cの上端部内周側には、ガス中槽13Bの下端部外周側に形成されたカップ17bと係合するデップ18bが形成されている。また、ガス中槽13Bの上端部内周側には、ガス内槽13Aの下端部外周側に形成されたカップ17aと係合するデップ18aが形成されている。カップ17a、17bは、対応する部材の下端部外周側に断面が略コの字状に形成され、上方にコの字の開口部を有する。よって、カップ17a、17bは、その内部に、水槽12内の水を掬い上げて貯留することができる。一方、デップ18a、18bは、対応する部材の上端部内周側に断面が略コの字状に形成され、カップ17a、17bと反対にコの字の開口部を下方に有する。このように、デップ18a、18bと、カップ17a、17bは、相互に係合する形状となっている。このうち、カップ17bとデップ18bは、ガス外槽13Cとガス中槽13Bの連結部に形成され、カップ17aとデップ18aは、ガス中槽13Bとガス内槽13Aの連結部に形成されており、上記コの字状部分がフックとして機能して、相互に係合する。これにより、ガス内槽13A及びガス中槽13Bが水槽12の水面より上方まで上昇したときには、ガス中槽13B下端のカップ17bが、貯水した状態でガス外槽13C上端のデップ18bと係合し、ガス内槽13A下端のカップ17aが、貯水した状態でガス中槽13B上端のデップ18aと係合する。よって、ガス外槽13Cとガス中槽13Bとの連結部、及び、ガス中槽13Bとガス内槽13Aとの連結部が、水封構造のシール機構となり、当該連結部からのガス漏れを防止して、ガス槽13の内部空間(ガス貯蔵空間)を気密状態にできる。
基柱14は、水槽12の周囲に垂直に複数本、立設される。この複数本の基柱14は、例えば、水槽12の周囲に等間隔で配置される。なお、図1では、対称配置された2本の基柱14のみを模式的に示しているが、勿論、基柱14は2本以上設置されてもよい。かかる基柱14は、ガス外槽13C、ガス中槽13B及びガス内槽13Aの上下方向の昇降をガイドする機能を有する。このために、ガス内槽13A、ガス中槽13B及びガス外槽13Cの例えば外周面上端には、それぞれ、各基柱14に向けて略水平方向に延設されたガイドアーム20A、20B、20Cと、当該ガイドアーム20A、20B、20Cの先端に装着されたガイドローラ21A、21B、21Cとが設けられる。各ガス槽13が昇降する際、このガイドアーム20A、20B、20Cのガイドローラ21A、21B、21Cが基柱14に接して回転することにより、各ガス槽13は基柱14によりガイドされつつ上下方向に円滑かつ安定して昇降できる。また、ガス外槽13Cの外周面下部には、水槽12の内面と接触する下部ガイドローラ22が突設されており、この下部ガイドローラ22によってもガス外槽13Cの昇降動作が安定化する。
ガス出入口配管15は、本発明のガス配管の一例であり、ガス槽13内部にガスを供給する、或いは、ガス槽13内部からガスを排出するための配管である。このガス出入口配管15は、ガスホルダ10内部から水槽12の底板12aを貫通して、ガスホルダ10の下方を通り、ガスホルダ10外部まで延設されている。ガス出入口配管15を介してガスホルダ10内外を連通させるために、ガス出入口配管15が水槽12の側板12bを貫通する構造にすることも可能であるが、貫通部分の強度を高める観点からは、ガス出入口配管15が水槽12の底板12aを貫通する構造にした方が好ましい。これは、曲面状の側板12bよりも平面状の底板12aを貫通させた方が、貫通部分の強度を維持できるからである。以下の説明では、ガス出入口配管15のうち、ガスホルダ10内で起立配置された部分を「ホルダ内立ち上げ管15a」と称し、ガスホルダ10外で起立配置された部分を「ホルダ外立ち上げ管15b」と称し、ホルダ内立ち上げ管15aとホルダ外立ち上げ管15bを接続する水平部分を「底部管15c」と称する。このホルダ内立ち上げ管15aとホルダ外立ち上げ管15bと底部管15cとによって、ガス出入口配管15の途中に、下に凸に屈曲したコの字形の水封弁30が形成される。
また、ガス出入口配管15の一端にある開口部15d(即ち、ホルダ内立ち上げ管15aの上端開口部)は、水槽12内の貯留水の水面25より上方のガス貯蔵空間内に配置されている。一方、ガス出入口配管15の他端部は、ガスホルダ10の外部でガス発生箇所(ガス供給源)又はガス使用箇所(ガス利用装置)に接続される。
以上のようなガス出入口配管15は、有水式ガスホルダ10のガス槽13の内部(以下「ホルダ内」と称する場合もある。)にガスを供給するとともに、ホルダ内のガスを排出するための共通配管として構成されている。なお、図示の例では、ガス配管として、1本のガス出入口配管15のみが設けられているが、かかる例に限定されず、複数のガス配管を設けてもよい。例えば、ガス発生箇所(ガス供給源)からホルダ内にガスを流入させるためのガス供給管と、ホルダ内からガスを排出してガス使用箇所(ガス利用装置)に供給するためのガス排出管という2本の配管を設けてもよい。
さらに、上記ガス出入口配管15の途中には、水封弁30が設けられている。この水封弁30は、ガスホルダ10の水槽12の下方において、ガス出入口配管15を、下に凸(例えばコの字形)となるように屈曲させた部分である。かかる水封弁30に水を貯めることで、ガス出入口配管15におけるガスの流通を遮断できる。なお、本実施形態に係る有水式ガスホルダ10では、かかるガス出入口配管15の水封弁30を、水槽12の貯留水を用いて遮断する点に特徴を有しているが、その詳細は後述する。
以上のような構成を有する有水式ガスホルダ10は、ガス出入口配管15からガスが流入されると、その流入量に応じて各ガス槽13が順次上昇して、ガス貯蔵空間を増大させる。また、ガスの排出時には、ガスの流出量に応じて各ガス槽13が順次降下して、ガス貯蔵空間を減少させる。かかる有水式ガスホルダ10に貯蔵されるガスとしては、例えば、COを主成分とする転炉ガス(LDG)、コークス炉ガス(COG)、高炉ガス(BFG)等の副生ガス、又は天然ガスなど、任意のガスであってよい。ガスを貯蔵するためには、気密性が非常に重要であり、ガス漏れが生じた場合には、環境的にも安全面にも重大な影響を与えうる。有水式ガスホルダ10は、この気密性を保つために、上述したようにシールカップ機構内の水(但し、その他の液体も使用可能である。)によりシールする水封式シール機構を用いる。有水式ガスホルダ10の水封式シール機構は、乾式ガスホルダ等に使用される機械的シール機構と比べて、耐久性に優れており、頻繁に出し入れされるガスの貯蔵に適している。
また、上述したガス出入口配管15の水封弁30に水を供給することで、水封弁30を遮断して、ホルダ内のガスがガス出入口配管15を介して外部に流出しないようにできる。例えば、有水式ガスホルダ10の運転停止時や地震等の緊急時などには、ホルダ内ガスの流出を防ぐために、水封弁30に迅速に給水して、水封弁30を迅速かつ確実に遮断する必要がある。
ところが従来では、図7に示したように、外部給水設備9を用いて水封弁4に給水する構成であった。かかる従来の給水機構であると、外部給水設備9からの給水が停止した場合(例えば、外部給水設備9の給水電源の停電、外部水源6の渇水など)には、水封弁4を遮断できず、有水式ガスホルダ10からガス出入口管4を介してガス漏れが生じる恐れがあった。特に、地震等の緊急時には、水封弁4の迅速な緊急遮断が急務であるが、外部給水設備9からの給水が停止していると、緊急遮断を実行できず、操業に大きな支障を生じる。
そこで、本願発明者は、図1に示すような有水式ガスホルダ10の水槽12には常時、十分な量の水が貯留されている点に着目し、有水式ガスホルダ10自体の水槽12の貯留水を利用して、ガス出入口配管15の水封弁30を遮断する構成に想到した。このように水槽12の貯留水をガス出入口配管15の水封弁30に給水することで、有水式ガスホルダ10のガス出入口において容易かつ確実にガスを遮断できる。以下に、本実施形態に係る有水式ガスホルダ10において水槽12の貯留水を用いて水封弁30を遮断するための構成について詳述する。
[給水機構の構成]
次に、図2を参照して、本実施形態に係る有水式ガスホルダ10の水封弁30に、水槽12の貯留水を給水するための機構について説明する。図2は、本実施形態に係る水封弁30の給水機構を備えた有水式ガスホルダ10を示す模式図である。なお、図2では、説明の便宜上、ガス槽13を1つだけ図示している。
図2に示すように、有水式ガスホルダ10は、ガス出入口配管15を介してホルダ内にガスが流入/流出するようになっている。このガス出入口配管15は、底板12aの下部側で屈曲して延設されており、この屈曲部分が水封弁30を構成する。即ち、ガス出入口配管15の一部であるホルダ内立ち上げ管15a、ホルダ外立ち上げ管15b及び底部管15cによって、下に凸となるよう屈曲したコの字形の水封弁30が形成される。つまり、ガス出入口配管15の水封弁30は、水槽12の底板12aよりも下側に設置されている。
かかる水封弁30に対する給水機構は、水槽12内の貯留水を水封弁30に供給するための機構である。当該給水機構は、給水配管40と、給水制御弁42とを備える。給水配管40は、水槽12とガス出入口配管15(ガス配管)とを接続する配管であり、水槽12内の水をガス出入口配管15の水封弁30に供給する機能を有する。給水制御弁42は、給水配管40の途中に設けられ、例えば、バタフライ弁などの電動弁で構成される。給水制御弁42は、給水配管40内の水の流通を制御する機能を有する。
詳細には、給水配管40の一端は、水槽12の側板12bに接続される(接続箇所A)。水槽12内と給水配管40とを連通させるために、水槽12の側板12bにおける給水配管40の接続箇所Aには、流出孔12cが形成されている。この接続箇所Aは、水槽12の側板12bの上部側であって、かつ、水槽12の水面25のレベル(最低水位)よりも下側の位置である。例えば、接続箇所Aは、水槽12の水面25のレベル(最低水位)よりも50〜60cm程度下側の位置とすることができる。
水槽12の水面25の位置(水位)は、ほぼ一定であるが、有水式ガスホルダ10の運転に伴い、多少は上下する。このため、水槽12の側板12bに対する給水配管40の接続箇所Aは、水槽12の最低水位よりも下側にする必要がある。このように接続箇所Aを水槽12の水面25より下側の位置とすることで、水槽12内の貯留水により給水配管40の接続箇所Aをシールできるので、ホルダ内のガスが給水配管40を通ってガス漏れすることを防止できる。
また、水槽12は圧力構造体であるので、水槽12の強度を確保する観点からは、給水配管40を接続するために流出孔12cが空けられる側板12bの接続箇所Aを、できるだけ側板12bの上部側にしたほうがよい。これは、側板12bの上部側の方が下部側よりも、作用する水圧が低いからである。また、万が一、給水配管40の接続箇所Aから水槽12の貯留水が漏れた場合、水槽12の水位が下がり、有水式ガスホルダ10の運転に支障を来す。そこで、本実施形態では、給水配管40の接続箇所Aを水槽12の側板12bの上部側としている。これにより、当該接続箇所Aに作用する貯留水の水圧を低減できるので、接続箇所Aが破損して水漏れすることを防止できる。さらに、たとえ接続箇所Aから水漏れしたとしても、水漏れ量が少なくて済み、有水式ガスホルダ10の運転に与える影響を低減できる。ここで、側板12bの上部側とは、少なくとも側板12bの高さの半分より上方の部分であり、上記水槽12の最低水位より低い位置で有れば、極力、側板12bの上方の位置であることが好ましい。ただし、かかる例に限定されず、接続箇所Aの強度が得られるのであれば、接続箇所Aを側板12bの下部側など、任意の位置にしてもよい。
一方、給水配管40の他端は、ガス出入口配管15の例えばホルダ外立ち上げ管15bの途中に接続される(接続箇所B)。給水配管40とガス出入口配管15を連通させるために、ガス出入口配管15における給水配管40の接続箇所Bには、流入孔15eが形成されている。この接続箇所Bは、水槽12の水面25のレベル(最低水位)よりも下側の位置である。接続箇所Bが水面25よりも低い高さであれば、水槽12内の水を給水配管40を介してガス出入口配管15に流出させることができる。かかる給水配管40の接続箇所Bの位置が低いほど、水頭圧が高くなり、給水配管40による給水速度が速くなる。このため、接続箇所Bの位置を低くすることが好ましく、例えば、グラウンドレベル以下であってもよい。なお、給水配管40の他端の接続箇所Bは、図示のようなホルダ外立ち上げ管15bの箇所以外でも、水封弁30に水槽12内の水を供給可能な位置であれば、ガス出入口配管15の任意の箇所であってもよい。
以上のような構成の給水機構により、ガス出入口配管15の水封弁30に有水式ガスホルダ10の水槽12内の貯留水を供給し、水封弁30内に水を満たして遮断(シール)することができる。
また、水封弁30内の水を外部に排出するための排水機構として、排水配管44と、排水制御弁46が設けられている。排水配管44は、ガス出入口配管15の水封弁30の下部に接続される配管であり、水封弁30内の水を外部に排出する機能を有する。排水配管44とガス出入口配管15とを連通させるために、ガス出入口配管15における排水配管44の接続箇所Cには、流出孔15fが形成されている。排水制御弁46は、排水配管44の途中に設けられ、例えば、バタフライ弁などの電動弁で構成される。この排水制御弁46は、排水配管44内の水の流通を制御する機能を有する。以上のような構成の排水機構により、ガス出入口配管15の水封弁30内に貯留された水を外部に排出して、水封弁30を開放することができる。
[給水機構の動作]
次に、上記水封弁30を遮断するための給水機構及び排水機構の動作について説明する。有水式ガスホルダ10の通常運転時には、水封弁30は水が満たされておらず開放されており、ガス出入口配管15は、外部のガス供給源又はガス使用箇所と連通されている。このため、ガス供給源のガスが当該ガス出入口配管15を介してホルダ内に供給される、或いは、ホルダ内のガスがガス出入口配管15を介してガス使用箇所に排出される。このとき、給水制御弁42及び排水制御弁46は遮断されているため、給水配管40及び排水配管44からガス漏れや水漏れが生じることはない。
次いで、有水式ガスホルダ10の運転を停止させるときや、地震等の災害により緊急停止させるときには、給水機構により水槽12内の貯留水をガス出入口配管15の水封弁30に供給して、水封弁30が遮断される。
詳細には、有水式ガスホルダ10を停止する場合、まず、給水配管40の給水制御弁42を開放する。この給水制御弁42の開放は、有水式ガスホルダ10の制御装置がホルダの運転停止を検知することで自動的に行ってもよいし、或いは、作業員が遠隔操作して手動で行ってもよい。給水制御弁42が開放されると、水槽12内の貯留水が、水頭圧により、給水配管40を通ってガス出入口配管15に流入し、当該水が凹部である水封弁30に貯留される。
次いで、水封弁30に十分な量の水が溜まり、水封が完了した段階で、給水制御弁42を閉めて遮断することで、給水配管40からの給水が停止する。この給水制御弁42の遮断は、有水式ガスホルダ10の制御装置が、水位センサを用いて水封弁30内の水位を検知することで自動的に行ってもよいし、或いは、作業員が遠隔操作して手動で行ってもよい。
このようにして、水槽12内の貯留水を、給水配管40を介してガス出入口配管15の水封弁30に供給することで、水封弁30が遮断される。このため、ガス出入口配管15は水封弁30でシールされるため、ホルダ内のガスが外部に漏れることがなくなる。
その後、有水式ガスホルダ10の運転を再開するときには、まず、排水機構の排水制御弁46を、手動又は自動的に開放する。すると、水封弁30に貯留されていた水が排水配管44を通って外部に排出されるため、水封弁30が開放される。その後、水封弁30内の全ての水が排水された後に、排水制御弁46を閉めて遮断することで、ガス出入口配管15内のガスが外部に漏れないようにする。
このようにして排水機構により水封弁30内の水を排水して、水封弁30を開放することで、有水式ガスホルダ10が通常運転可能となる。この結果、再び、ガス出入口配管15を介してホルダ内にガスを供給する、或いは、ホルダ内のガスを外部に排出することができるようになる。
以上、本実施形態に係る有水式ガスホルダ10の水封弁30の遮断方法について説明した。本実施形態では、有水式ガスホルダ10自体の水槽12の貯留水を利用して、ガス出入口の水封弁30を遮断する。また、当該有水式ガスホルダ10のガス出入口配管15は、水槽12下部を貫通してホルダ内にガスを導入する構造となっており、水槽12の底板12aより低いレベルに水封構造(即ち、水封弁30)が設けられている。そこで、本実施形態では、水槽12とガス出入口配管15を接続する給水配管40を設けることで、水槽12から水頭圧により水封弁30に給水するようにしている。これにより、有水式ガスホルダ10自体の水槽12の貯留水を利用して、ガス出入口の水封弁30を遮断することができる。よって、緊急時などであっても、水封弁30を迅速、容易かつ確実に遮断できる。
また、外部給水設備9(図7参照。)を用いた従来の給水方法では、例えば、比較的細い給水配管8(例えばφ100〜150mm)を用いて外部水源6の用水を給水していた。この理由は、水封弁4の遮断は頻繁に行うものではなく、また、給水配管8を太くすると、給水ポンプ7も高性能にしなければならず、配管8及び給水ポンプ7のコストが増大するからであった。ところが、細い給水配管8と低能力の給水ポンプ7を用いて給水すると、給水速度が遅くなり(例えば0.5〜1m/分)、水封弁30の水封完了までに多くの時間(例えば2〜3時間)を要する。このため、水封弁30の緊急遮断に対応することができなかった。
これに対し、本実施形態に係る給水方法では、給水ポンプを設けなくても、水槽12の貯留水の水頭圧により給水できるため、比較的太い給水配管40(例えばφ200〜300mm)を用いることができる。従って、容易に給水時間を短縮することができ(例えば、水封完了までに1時間未満で済む。)、設備コストも大幅に低減できる。
<第2の実施の形態>
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施形態に係る有水式ガスホルダ10の給水機構について説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る水封弁30の給水機構を備えた有水式ガスホルダ10を示す模式図である。
第2の実施形態は、上述した第1の実施形態と比して、ガス出入口配管15に対する給水配管40の他端の接続箇所D(第1の実施形態の接続箇所B)が異なるのみであり、その他の機能構成は、第1の実施形態の場合と略同一であるので、重複する詳細説明は省略する。
上記第1の実施形態では、給水機構の給水配管40の他端は、ガス出入口配管15における水封弁30よりも水槽12から遠い箇所(接続箇所B)に接続されていた(図2参照。)。しかし、かかる構成では、給水配管40を用いた給水中(給水制御弁42が開いているとき)に、水槽12の水位が、水槽12に対する給水配管40の接続箇所Aよりも下がってしまった場合には、ホルダ内のガスが給水配管40を通ってガス出入口配管15に流出してしまう恐れがある。
そこで、第2の実施形態では、図3に示すように、給水配管40の他端は、ガス出入口配管15における水封弁30よりも水槽12に近い箇所(接続箇所D)で、ガス出入口配管15に接続されている。つまり、給水配管40の他端は、ガス出入口配管15のホルダ内立ち上げ管15aに接続され、その接続箇所Dは、底板12aよりも下側の位置である。
この接続箇所Dで給水配管40とホルダ内立ち上げ管15aを連通させるために、ホルダ内立ち上げ管15aの接続箇所Dには、流入孔15gが形成されている。また、接続箇所Dは、水槽12の底板12aよりも下側の位置である。これにより、水槽12内の水を給水配管40を介して接続箇所Dからホルダ内立ち上げ管15aに流出させて、水封弁30を水封できる。
このように、第2の実施形態では、給水配管40の他端は、水封弁30よりもガスホルダ側(水槽12に近い側)の接続箇所Dで、ガス出入口配管15に接続されている。これにより、上記第1の実施形態と同様に、給水配管40により水槽12の貯留水を給水して、水封弁30を水封できるのみならず、給水時における給水配管40からのガス漏れを確実に防止することができる。
つまり、第2の実施形態では、万が一、給水中に、水槽12の水位が給水配管40の接続箇所Aよりも下がってしまったとしても、ホルダ内のガスは、給水配管40を通ってホルダ内立ち上げ管15aの接続箇所Dに流出するものの、水封された水封弁30に遮られるため、外部には逃げずに、ホルダ内立ち上げ管15a内を上昇して、ガス槽13内に戻る。よって、第2の実施形態では、予期しない水槽12内の水位低下に対処することができ、第1の実施形態よりも更に確実にホルダ内のガスが外部に漏れることを防止できる。
<第3の実施の形態>
次に、図4を参照して、本発明の第3の実施形態に係る有水式ガスホルダ10の給水機構について説明する。図4は、本発明の第3の実施形態に係る水封弁30の給水機構を備えた有水式ガスホルダ10を示す模式図である。
第3の実施形態は、上述した第1の実施形態と比して、1本のガス出入口配管15の代わりに、2本のガス配管(ガス入口配管15Aとガス出口配管15B)を設け、それぞれのガス配管15A、15Bに給水配管40A、40Bを用いた給水機構を設けた点で相違するのみであり、その他の機能構成は、第1の実施形態の場合と略同一であるので、重複する詳細説明は省略する。
上記第1の実施形態では、ガス配管として1本のガス出入口配管15を設け、このガス出入口配管15を用いて、ホルダ内にガスを供給するとともに、ホルダ内のガスを排出していた。
これに対し、図4に示すように、第3の実施形態に係る有水式ガスホルダ10では、上記第1の実施形態のガス出入口配管15を2本のガス配管(ガス入口配管15Aとガス出口配管15B)に分離している。ガス入口配管15Aは、外部のガス供給源からのガスをホルダ内に供給するためのガス配管であり、ガスの供給を遮断するための水封弁30Aが設けられている。ガス出口配管15Bは、ホルダ内のガスを外部のガス使用箇所に排出するためのガス配管であり、ガスの排出を遮断するための水封弁30Bが設けられている。
このように2つのガス配管を設けた第3の実施形態に係る有水式ガスホルダ10では、上記第1の実施形態と同様に、それぞれのガス入口配管15A、ガス出口配管15Bの水封弁30A、30Bについて、水槽12の貯留水を水封弁30A、30Bに給水するための給水機構(給水配管40A、40B、給水制御弁42A、42B、水槽12の流出孔12c、12d、ガス管の流入孔15e、15h)と、水封弁30A、30B内の水を排出する排水機構(排水配管44A、44B、排水制御弁46A、46B、水封弁30の流出孔15f、15i)が設けられている。なお、それぞれの水封弁30A、30Bの給水機構、排水機構の機能構成は、第1の実施形態と略同一であるので詳細説明は省略する。
以上のように第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ガス入口配管15A及びガス出口配管15Bの水封弁30A、30Bの双方を、水槽12内の貯留水を用いて、容易かつ確実に遮断できるという効果がある。なお、第3の実施形態においても、ガス入口配管15A、ガス出口配管15Bに対する給水配管40A、40Bの接続箇所B、Fを、第2の実施形態のように水封弁30よりも水槽12側の接続位置D(図3参照。)に変更してもよい。
<第4の実施の形態>
次に、図5を参照して、本発明の第4の実施形態に係る有水式ガスホルダ10の給水機構について説明する。図5は、本発明の第4の実施形態に係る水封弁30の給水機構を備えた有水式ガスホルダ10を示す模式図である。
第4の実施形態は、上述した第1の実施形態と比して、外部給水設備50を更に備える点で相違するのみであり、その他の機能構成は、第1の実施形態の場合と略同一であるので、重複する詳細説明は省略する。
図5に示すように、第4の実施形態は、第1の実施形態に係る給水配管40を用いた水槽12内の貯留水の給水機構に加え、外部給水設備50による給水機構を更に備えている。外部給水設備50は、水を貯留する外部水源56と、外部水源56の水を給水するための給水ポンプ57と、ガス出入口配管15に接続される外部給水配管58と、外部給水配管58に設けられた弁59とを備える。かかる構成の外部給水設備50は、弁59を開放することで、外部水源56の貯留水を給水ポンプ57により送出して、外部給水配管58を介して、ガス出入口配管15の水封弁30に供給することができる。
このように、第4の実施形態では、給水配管40による給水機構と、外部給水設備50による給水機構とを併用している。このため、水槽12内の貯留水を給水配管40を介して水封弁30に供給して、水封弁30を遮断することもできるし、外部水源56の貯留水を外部給水配管58を介して水封弁30に供給して、水封弁30を遮断することもできる。
従って、第4の実施形態は、上記第1の実施形態の効果に加え、水槽12の貯留水を利用した水封弁30の遮断と、外部水源56の貯留水を利用した水封弁30の遮断とを使い分けることができるという効果がある。例えば、有水式ガスホルダ10の通常の運転停止時には、外部水源56の貯留水を利用して水封弁30を遮断し、一方、地震、火事等の災害時における有水式ガスホルダ10の緊急停止時には、水槽12の貯留水を利用して、水封弁30を迅速に緊急遮断することができる。また、いずれか一方の給水機構が、停止又は故障したとしても、他方の給水機構を用いて水封弁30を遮断できる。なお、第4の実施形態においても、ガス出入口配管15に対する給水配管40の接続箇所Bを、第2の実施形態のように水封弁30よりも水槽12側の接続位置D(図3参照。)に変更してもよい。
<水槽内の貯留水を用いた給水の是非を検証した実施例>
次に、水槽12の貯留水を水封弁30のシール水として利用しても、有水式ガスホルダ10の運転に支障がないことを検証した実施例について説明する。
検証に使用したガスホルダは、LDGを貯蔵する単槽型の有水式ガスホルダ(ガス貯蔵量:70,000m)であり、仕様は次の通りである。
水槽(直径:55m、高さ11.75m、保有水量:21,800m
ガス槽(直径:52.26〜54.10m、高さ:11.15m)
ガスホルダ圧力:約1667〜3481Pa
ガス入口配管の水封弁:φ2,800mm
ガス出口配管の水封弁:φ1,800mm
かかる仕様のガスホルダでは、水槽12の保有水量(21,800m)に対し、水封弁30を水封するために必要な水量は、極少(約130m、水槽水位:6cm相当)である。従って、水槽12の貯留水を水封弁30の水封のために給水したとしても、水槽12の水位低下は微少であり、ガスホルダ本来のガスシール機能を害するものではない。よって、上記実施形態に係る給水方法の実用性が検証できたといえる。
以上、第1〜第4の実施形態に係る有水式ガスホルダ10及びその水封弁遮断方法について説明した。上記実施形態によれば、常時十分な水量を貯留している水槽12の貯留水を利用して、ガス出入口配管15の水封弁30を水封する。これにより、有水式ガスホルダ10のガス出入口の水封弁30において、外部給水源の状況に関係なく、迅速、容易かつ確実にガスを遮断することが可能となる。
また、従来のような外部給水源からの給水(図6、図7参照。)では、給水配管8の細さ、給水ポンプ7の能力などにより、水封弁30の水封完了までに長時間を要することが多かった。これに対し、上記実施形態に係る給水方法によれば、水槽12の貯留水の水頭圧により給水できるので、太い給水配管40を使用でき、給水時間を容易に短縮することができる。また、給水ポンプなどを別途設ける必要が無く、給水制御弁42を開放するだけで、水槽12の貯留水を水頭圧により水封弁30に給水できる。
また、上記実施形態に係る給水機構は、既存の有水式ガスホルダ10に、給水配管40、給水制御弁42等の給水機構を追加設置するだけでよく、その設置作業もホルダ外部から実施できる。従って、給水機構の設置を、廉価な作業コストで、容易かつ迅速に実施できるという利点もある。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、有水式ガスホルダは、単槽型又は複槽型のいずれであってもよい。また、ホルダ内にガスを供給/排出するためのガス配管としては、上記第1、2、4の実施形態のように1本のガス出入口配管15を設置してもよいし、上記第3の実施形態のように2本のガス入口配管15A、ガス出口配管15Bを設置してもよいし、或いは、3本以上のガス配管を設置して、それぞれのガス配管について上記水槽水の給水機構を設けてもよい。
また、ガス配管に設けられる水封弁は、上記実施形態のような、コの字形の凹部を有する水封弁30以外にも、V字型水封弁、U字型の水封弁など、シール水により水封可能な構造であれば、任意の構造であってよい。また、水封弁の設置位置は、上記実施形態の水封弁30ように水槽12の直下に設置されることが好ましいが、かかる例に限定されない。例えば、水封弁は、水槽12と同等な高さレベル又は水槽12よりも高いレベルに設置されてもよいし、有水式ガスホルダ10から水平方向に離隔した位置に設置されてもよい。なお、水封弁が水槽12と同等又はより高い位置に設けられる場合には、給水ポンプなどを用いて水封弁に水槽水を送出してもよい。
本発明の第1の実施形態に係る有水式ガスホルダの概略構成を示す縦断面図である。 本実施形態に係る水封弁の給水機構を備えた有水式ガスホルダを示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る水封弁の給水機構を備えた有水式ガスホルダ10を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る水封弁の給水機構を備えた有水式ガスホルダ10を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る水封弁の給水機構を備えた有水式ガスホルダ10を示す模式図である。 従来の外部給水設備を用いた有水式ガスホルダの運転時を示す模式図である。 従来の外部給水設備を用いた有水式ガスホルダの停止時を示す模式図である。
符号の説明
10 有水式ガスホルダ
12 水槽
12a 底板
12b 側板
12c、12d 流出孔
13 ガス槽
13A ガス内槽
13B ガス中槽
13C ガス外槽
14 基柱
15 ガス出入口配管
15a ホルダ内立ち上げ管
15b ホルダ外立ち上げ管
15c 底部管
15d 開口部
15e、15g、15h 流入孔
15f、15i 流出孔
30、30A、30B 水封弁
40、40A、40B 給水配管
42、42A、42B 給水制御弁
44、44A、44B 排水配管
46、46A、46B 排水制御弁
50 外部給水設備
56 外部水源
57 給水ポンプ
58 外部給水配管
59 弁
A、E 水槽と給水配管の接続箇所
B、D、F 給水配管とガス配管の接続箇所
C、G 排水配管とガス配管の接続箇所

Claims (4)

  1. ガスの流出入に応じて昇降自在に配設されるガス槽と、前記ガス槽の下側に配設された水槽と、前記ガス槽内部に前記ガスを供給する又は前記ガス槽内部から前記ガスを排出するためのガス配管とを備える有水式ガスホルダにおいて、
    前記ガス配管に設けられた水封弁に、前記水槽内に貯留された水を供給する給水手段を備え、
    前記給水手段は、
    前記水槽と前記ガス配管とを接続する給水配管と、
    前記給水配管に設けられた給水制御弁と、
    を備え、
    前記水槽内の水を前記給水配管を介して前記ガス配管の前記水封弁に供給し、前記給水制御弁により前記水封弁への給水を制御し、
    前記給水配管の一端は、前記水槽の最低水位よりも下側の位置で前記水槽の側板に接続され、
    前記給水配管の他端は、前記水槽の最低水位よりも下側の位置で前記ガス配管に接続されるとともに、前記水封弁よりも前記水槽に近い箇所で前記ガス配管に接続されることを特徴とする、有水式ガスホルダ。
  2. 前記給水配管の一端は、前記水槽の最低水位よりも下側の位置で前記水槽の側板の上部側に接続されることを特徴とする、請求項に記載の有水式ガスホルダ。
  3. 前記水封弁は、前記水槽よりも下方に設置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有水式ガスホルダ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有水式ガスホルダにおいて、前記ガス配管に設けられた前記水封弁を遮断する水封弁遮断方法であって、
    前記水封弁よりも前記水槽に近い箇所で前記ガス配管に接続された前記給水配管を介して、前記水槽内の水を前記水封弁に供給することによって、前記水封弁を遮断することを特徴とする、有水式ガスホルダの水封弁遮断方法。
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