JP5309928B2 - 生体情報検知システム - Google Patents
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Description
本発明は、ベッド等において非接触で生体情報を高精度に収集することが可能な生体情報検知システムに関するものである。
従来、病院や介護施設等の各種機関において、ベッドに非接触センサが取付けられ、体動、呼吸および心拍等の生体情報が非接触センサによって測定され、非接触センサから出力された情報によって継続的に患者の在または不在の確認や健康管理が行なわれるものが知られている。例えば特許文献1に示すものでは、非接触センサである生体信号検出手段2が布団またはベッドのマット下に設置され生体信号検出手段2で一定時間検出された出力信号のうち最小値が最小値検出手段6によって導出され、導出された最小値が判定手段7によって予め決められた大きさの閾値と比較されて、閾値より大きければ患者即ち生体が存在すると判定される。
特開2002−336208号公報
しかしながら上記従来の方法においては、生体が存在するか否かの判定を予め決められた固定の閾値を用いて行なっているため、センサが劣化し出力信号の値が変動してきた場合や、個々の患者の体動、心拍および呼吸を電気信号に変換した場合のレベルに大きな差がある場合や、または患者の体がセンサ設置部から大きくずれてしまった場合等、判定が困難になるという問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、センサからの電気信号値が変動しても高精度で生体情報である心拍信号の抽出等が可能な生体情報検知システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、生体の体動、呼吸および心拍からなる生体情報を示す圧力を非接触で検出して生体の圧力信号を出力する圧力検出手段と、前記生体の圧力信号から心拍の圧力信号を抽出するための閾値を導出する閾値導出手段と、前記生体の圧力信号から前記心拍の圧力信号を抽出する心拍抽出手段とを備える生体情報検知システムにおいて、前記閾値導出手段は、前記生体の圧力信号が入力され平滑化処理が行なわれる時定数の大きい第1フィルタ部および時定数の小さい第2フィルタ部と、前記第1フィルタ部および前記第2フィルタ部から出力された前記平滑化処理された信号を処理し最小値を導出する第1演算部と、前記第1演算部により導出された前記最小値によって前記生体の心拍信号を抽出するための閾値を導出する第2演算部とによって構成されることである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記生体情報検知システムは前記閾値導出手段によって導出された前記閾値が前記圧力検出手段の出力可能範囲を超えたときに前記閾値を変更する閾値変更手段をさらに備え、前記閾値変更手段は、初期時に無負荷状態で圧力検出手段から出力された圧力信号から圧力検出手段の出力可能上限圧力信号値および出力可能下限圧力信号値とを導出する第3演算部と、前記第3演算部で導出された前記出力可能上限圧力信号値および前記出力可能下限圧力信号値とを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記出力可能上限圧力信号値および前記出力可能下限圧力信号値と前記第2演算部によって導出された前記閾値とを比較し前記閾値が前記出力可能上限圧力信号値よりも大きい場合は前記閾値を前記出力可能上限圧力信号値に変更し、前記閾値が前記出力可能下限圧力信号値よりも小さい場合は前記閾値を出力可能下限圧力信号値に変更する閾値判定部とによって構成されることである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2において、前記圧力検出手段は荷重センサ、圧電センサまたは振動センサによって構成されることである。
請求項1に係る発明によれば、生体情報検知システムには時定数の大きい第1フィルタ部および時定数の小さい第2フィルタ部とが設けられ、生体の圧力信号が各フィルタ部に入力され平滑化処理が行なわれる。そして平滑化処理された信号が第1演算部で処理され最小値が導出され、導出された最小値から閾値が導出され、該閾値を用いて心拍信号の抽出が行なわれる。これにより常に閾値は自動で導出され調整されるので、個人差による出力信号の差異や、センサ劣化によるセンサ出力の変動の影響等を受けることなく高精度に心拍信号の抽出が行なえる。
請求項2に係る発明によれば、生体情報検知システムは閾値導出手段によって導出された閾値が圧力検出手段の出力可能範囲を超えたときに閾値を変更する閾値変更手段をさらに備え、第2演算部によって導出された閾値が圧力検出手段の出力可能範囲を超えたときに第3演算部によって導出された閾値に変更され、変更された閾値にて心拍信号の抽出が行なわれる。これによって圧力検出手段の検出可能範囲を超えることなく高精度で心拍信号の抽出が行なえる。
請求項3に係る発明によれば、圧力検出手段は荷重センサ、圧電センサまたは振動センサによって構成できる。これにより圧力検出手段に用いる圧力センサの選択の幅が広がり安価に対応できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、本発明の生体情報検知システム1は、主にベッド本体5上(マットレス6上でもよい)に設置される圧力検出手段10である圧力センサ11と、圧力センサ11によって検出された圧力信号11aが入力され圧力信号11aの振幅15aを算出する信号処理部15と、信号処理部15によって算出された振幅15aによって閾値を導出する閾値導出手段20と、閾値導出手段20によって導出された閾値が圧力センサ11の出力可能範囲を超えたときに閾値を変更する閾値変更手段30と、閾値導出手段20によって導出された閾値、または閾値変更手段30によって変更された後述する上限閾値Uまたは下限閾値L、を用いて圧力信号11aから心拍信号の抽出を行なう心拍抽出手段である抽出部29とによって構成される。
圧力センサ11は、ベッド本体5上の患者すなわち生体(以後こう称す)の生体情報である在、不在の確認や健康状態を管理するための生体の体動、呼吸および心拍から生じる圧力を非接触で検出する。体動は生体が寝返りをうったり、ベッド上で体を動かしたときに散発的に発生する荷重が圧力信号として圧力センサ11によって検知される。また呼吸および心拍は、生体によって継続的に行なわれる呼吸動作及び心臓の脈動によって発生する一定のリズムをもった振動が圧力信号として圧力センサ11によって検知される。
圧力センサ11には、荷重センサ、圧電センサまたは振動センサ等が利用でき、本実施形態においては圧電センサを使用する。圧力センサ11は、ベッド本体5と、生体を上面で支持する支持層であるマットレス6との間の所定の位置に複数個設置される。ここで所定の位置とは生体がマットレス6上の概ねどの位置に支持されても、圧力センサ11によって、生体情報の検知が可能なセンサ出力値を得ることができる位置のことをいい、実験によって評価され決定される。
また圧力センサ11は、初期の状態において予め特性が測定され、測定された結果が初期データとして図示しない制御装置の記憶部35に記憶される。また圧力センサ11はそれぞれ個別の初期特性を持ち、出力可能な上下限範囲が決まっている。そこで図示しない制御装置に備えられる第3演算部26によって、取得された初期データから使用可能な出力範囲が導出され、出力可能範囲の上限値である出力可能上限圧力信号値が上限閾値Uとされ、出力可能範囲の下限値である出力可能下限圧力信号値が下限閾値Lとされて記憶部35に記憶される。
信号処理部15は、圧力センサ11と信号送出ケーブル3にて接続され、圧力センサ11から出力された圧力信号11aが入力され圧力信号11aの振幅15aを算出する。なお、振幅15aは図2、図4に示すように各時間における圧力信号11aの波の谷底から山頂までの高さをいう。
次に閾値導出手段20について図1、図2に基づいて説明する。閾値導出手段20は信号処理部15によって算出された圧力信号11aの振幅15aから、適宜、心拍信号の抽出を行なう基準となる閾値を算出するものである。閾値導出手段20は信号処理部15によって算出された振幅15aが入力され平滑化処理が行なわれる時定数の大きい第1フィルタ部21および時定数の小さい第2フィルタ部22とからなる処理部40と、第1フィルタ部21から出力される平滑化処理された信号21aおよび第2フィルタ部22から出力される平滑化処理された信号22aとを合わせて演算処理し最小値23aを導出する第1演算部23と、第1演算部23により導出された最小値23aを演算処理し心拍信号を抽出するための体動判定閾値25aと、生体と物体とを識別するための物判定閾値25bとを導出する第2演算部25とからなる。なお、ここでいう平滑化とは、平均化がその一例となる。
処理部40を構成する第1フィルタ部21は、時定数が大きいフィルタ部である。すなわち第1フィルタ部21には長時間に亘って信号処理部15から出力される振幅15aが入力され、入力された振幅15aが積算され平滑化処理が実行される。時定数が大きいため第1フィルタ部21によって平滑化処理された信号21aは全体の略平滑値となり散発的に異常値が出現しても、該異常値の影響をあまりうけず全体的に平坦な特性となる。しかし出現した異常値は全体の一部として平滑化処理されるため、信号21aの値は、異常値を除く他のデータの値より若干高めの値として出力される(図2(a)参照)。
処理部40を構成する第2フィルタ部22は時定数が小さいフィルタ部である。すなわち第2フィルタ部22には短時間に亘って信号処理部15から出力される振幅15aが入力され、入力された振幅15aが積算され平滑化処理が実行される。時定数が小さいため、第2フィルタ部22によって平滑化処理された信号22aは散発的に現れる異常値の影響を大きく受けることになる。そして異常値が発生した近傍では、信号22aの値は異常値に連られて大きくなり異常値の出現を顕著に示す。しかし時定数が小さいため、異常値を除く他の部分においては、異常値の影響を受けにくく、よって異常値を除く他の部分の信号22aの値は時定数の大きい第1フィルタ部21から出力される信号21aより概ね低い値として出力される(図2(a)参照)。
第1演算部23は、図2(b)に示すように第1フィルタ部21及び第2フィルタ部22から出力される平滑化処理された信号21aおよび信号22aが入力され、信号21aおよび信号22aを同一の時間軸で比較し、各時間において低い方の値を抽出して最小値23aとして導出する。具体的には最小値23aは異常値近傍においては異常値の影響をあまり受けない第1フィルタ部21から出力される信号21aの値が抽出され、異常値を除く他の部分においては第2フィルタ部22から出力される信号22aの値が抽出されるようになっている。これによって異常値の影響を極力排除することができる。
第2演算部25では、第1演算部23によって導出された最小値23aが入力され演算処理されて心拍を抽出するための閾値が導出される。閾値は信号処理部15から出力された出力振幅15aが体動または呼吸の影響を含んだものであるのか、または心拍だけによるものであるのかを判定するための体動判定閾値25aと、生体による圧力信号11aであるのか、または物体が出力センサ11の上方に置かれたため発生した圧力信号11aであるのか、を判定するための物判定閾値25bとからなる。体動判定閾値25aは、下記(数1)式に示すように第1演算部23によって導出された最小値23aに対し所定の重みであるS1が掛けられ、重み付けがされて導出される。また物判定閾値25bは下記(数2)式に示すように第1演算部23によって導出された最小値23aに対し所定の重みであるS2が掛けられ、重み付けがされて導出される。S1及びS2の大きさは実験等によって決定がされる。
(数1)
25a=23a×S1
(数2)
25b=23a×S2
第2演算部25では、第1演算部23によって導出された最小値23aが入力され演算処理されて心拍を抽出するための閾値が導出される。閾値は信号処理部15から出力された出力振幅15aが体動または呼吸の影響を含んだものであるのか、または心拍だけによるものであるのかを判定するための体動判定閾値25aと、生体による圧力信号11aであるのか、または物体が出力センサ11の上方に置かれたため発生した圧力信号11aであるのか、を判定するための物判定閾値25bとからなる。体動判定閾値25aは、下記(数1)式に示すように第1演算部23によって導出された最小値23aに対し所定の重みであるS1が掛けられ、重み付けがされて導出される。また物判定閾値25bは下記(数2)式に示すように第1演算部23によって導出された最小値23aに対し所定の重みであるS2が掛けられ、重み付けがされて導出される。S1及びS2の大きさは実験等によって決定がされる。
(数1)
25a=23a×S1
(数2)
25b=23a×S2
閾値変更手段30は第3演算部26と記憶部35と閾値判定部34とからなる。第3演算部26は初期時に無負荷状態で圧力センサ11から出力された圧力信号11aから圧力センサ11の出力可能な上限圧力信号値である上限閾値Uおよび出力可能な下限圧力信号値である下限閾値Lとを導出する。記憶部35は初期時に無負荷状態で圧力センサ11から出力された圧力信号11aを記憶するとともに第3演算部26で導出された上限閾値Uおよび下限閾値Lとを記憶する。閾値判定部34は記憶部35に記憶された上限閾値Uおよび下限閾値Lと、第2演算部25によって導出された各閾値25a、25bとを比較し比較結果が下記(数3)式の条件を満たせば体動判定閾値25aの値を上限閾値Uの値に変更し、下記(数4)式の条件を満たせば物判定閾値25bの値を下限閾値Lの値に変更する。
(数3)
体動判定閾値25a>上限閾値U
(数4)
物判定閾値25b<下限閾値L
心拍抽出手段である抽出部29においては、第2演算部25により導出された閾値である体動判定閾値25aまたは上限閾値Uのいずれか決定された一方の値と、信号処理部15から出力された出力振幅15aとが比較され、出力振幅15aが閾値である体動判定閾値25aまたは上限閾値Uより大きければ出力振幅15aは、体動や呼吸等の影響を受けた心拍信号であると判定されデータから除外される。また第2演算部25により導出された閾値である物判定閾値25bまたは下限閾値Lのいずれか決定された一方の値と、信号処理部15から出力された出力振幅15aとが比較され、出力振幅15aが閾値である物判定閾値25bまたは下限閾値Lより小さければ該出力振幅15aは、生体ではなく物体によるものであると判定されデータから除外される。
(数3)
体動判定閾値25a>上限閾値U
(数4)
物判定閾値25b<下限閾値L
心拍抽出手段である抽出部29においては、第2演算部25により導出された閾値である体動判定閾値25aまたは上限閾値Uのいずれか決定された一方の値と、信号処理部15から出力された出力振幅15aとが比較され、出力振幅15aが閾値である体動判定閾値25aまたは上限閾値Uより大きければ出力振幅15aは、体動や呼吸等の影響を受けた心拍信号であると判定されデータから除外される。また第2演算部25により導出された閾値である物判定閾値25bまたは下限閾値Lのいずれか決定された一方の値と、信号処理部15から出力された出力振幅15aとが比較され、出力振幅15aが閾値である物判定閾値25bまたは下限閾値Lより小さければ該出力振幅15aは、生体ではなく物体によるものであると判定されデータから除外される。
次に本実施形態に係る作用について図3に示すフローチャート1に基づいて説明する。まず図略の検出開始スイッチをONすることによってベッド本体5上に設置される複数の圧力検出部10である圧力センサ11が起動される。
そしてステップ10において、圧力センサ11は生体が支持される部分の荷重を検知し圧力信号11aとして出力する。
ステップ11においては、信号処理部15に、圧力信号11aが入力され、圧力信号11aの各経過時間毎における振幅15aが算出される。なお、このとき事前に評価され蓄積されたデータを参考にして、明らかな体動及び呼吸と判断される信号を図略のフィルタにより分離する処理が実行される。しかし完全に分離することは困難であり、体動、呼吸及び物体に影響された信号が残っているため、以降に説明する制御によって影響された部分を除外して心拍信号のみを分離抽出する。
ステップ12においては、信号処理部15で算出され出力された体動及び呼吸の信号が概ね分離された振幅15aが処理部40を構成する第1フィルタ部21に入力される。第1フィルタ部21に入力された振幅15aは大きな時定数によって平滑化処理され信号21aが出力される。またステップ13においては、振幅15aが処理部40を構成する第2フィルタ部22に入力され、第2フィルタ部22に入力された振幅15aは小さな時定数によって平滑化処理され信号21aが出力される。
次にステップ14において、処理部40で平滑化処理された各信号21a、22aが第1演算部23に入力される。そして各信号21a、22aが同一の時間軸で比較され、各時間毎において低い方の値が抽出されて最小値23aとして導出される。
次にステップ15において、心拍信号を抽出するための基準となる体動判定閾値25aおよび物判定閾値25bが第2演算部25によって導出される。体動判定閾値25aは体動または呼吸の影響により出現している異常な信号から心拍信号を抽出し、物判定閾値25bは生体と物体とを識別し心拍信号を抽出するためのものである。
次にステップ16からステップ19において、閾値判定部34によって、第2演算部25により導出された各閾値25a、25bの値が圧力センサ11の出力可能範囲を超えていないか判定され、超えていたときに各閾値25a、25bの変更が行なわれる。まずステップ16において記憶部35に記憶された圧力センサ11の上限閾値Uと第2演算部25により導出された体動判定閾値25aとが下記(数3)式によって比較される。そして体動判定閾値25aの方が小さいときはステップ20に移行し第2演算部25により導出された体動判定閾値25aを閾値に決定する。しかし体動判定閾値25aの方が大きいときはステップ17に移行し体動判定閾値25aの値を上限閾値Uの値に変更する。
次にステップ18において第2演算部25により導出された物判定閾値25bと下限閾値Lとが下記(数4)式によって比較される。そして物判定閾値25bの方が大きいときはステップ20に移行し第2演算部25により導出された物判定閾値25bを閾値に決定する。しかし物判定閾値25bの方が小さいときはステップ19に移行し物判定閾値25bの値を下限閾値Lの値に変更する。
(数5)
体動判定閾値25a>上限閾値U
(数6)
物判定閾値25b<下限閾値L
(数5)
体動判定閾値25a>上限閾値U
(数6)
物判定閾値25b<下限閾値L
次にステップ21においては、ステップ20で決定された閾値を用い、信号処理部15から出力された振幅15aに対して、体動または呼吸の影響を受けた異常信号等と、心拍信号との識別がされ、心拍信号の抽出がされる。具体的には下記(数5)式に示すように振幅15aの大きさが体動判定閾値25aより小さく物判定閾値25bより大きいときは心拍信号であると判定して抽出し、それら以外の信号を異常値として除外する。以上より心拍信号の抽出が精度よく実施される。
(数7)
物判定閾値25b<振幅15a<体動判定閾値25a
(数7)
物判定閾値25b<振幅15a<体動判定閾値25a
次に実際に行なった効果の検証結果について図4、図5に基づいて説明する。図4(a)、(b)は出力センサ11の設置位置によって、出力結果が大きく異なることを示すグラフである。図5は図4(b)で測定した条件と同じ条件で本発明に係る制御を用いて心拍信号の抽出を行なった結果を示すグラフである。図4、図5は横軸を経過時間(msec)とし、縦軸を検出した信号の波の大きさとしている。
まず、図4(a)はマットレス6上に横たわった生体が、圧力センサ11の直上に横たわった場合の測定結果である。また図4(b)は設置された圧力センサ11の垂直上方から若干離れた位置にいる(直上ではない)、という条件で圧力信号11aの振幅15aが測定された結果である。図4(a)と(b)の結果を比較すると、図4(b)の出力信号11aの振幅15aの値が非常に小さいことがわかる。よって、例えば図4(a)の出力信号11aの振幅15aを基準にして従来のように固定の閾値が設けられた場合、図4(b)の結果は固定の閾値を下回り全て異常値と判定されてしまう恐れがある。
次に出力センサ11の設置条件と生体との位置関係を図4(b)と同様としたうえで、本発明に係る生体情報検知システム1によって出力信号11aの検知を実施し心拍信号の抽出を行なった結果を図5に示す。図5中には、測定された圧力信号11aの振幅15a及び生体情報検知システム1によって自動的に導出された体動判定閾値25aと、今回は判定に利用されない上限閾値Uと、今回、判定に利用される下限閾値L(=物判定閾値25b)とが記されている。今回の評価においては図3に示すフローチャート1のステップ18において物判定閾値25bの値がセンサの下限閾値Lを下回ったため下限閾値Lが物判定閾値25bとして採用されている。
図5に示すように横軸の1300msec近傍、1700msec近傍および2600msec近傍において下限閾値Lを下回る各振幅15a1、15a2、15a3が出現し、また2700msec近傍においては体動判定閾値25aを上回る振幅15a4が出現しそれぞれを心拍データから除外できた。そして除外された各振幅15a1、15a2、15a3および15a4以外は全て心拍信号として抽出ができた。このように従来のように固定の閾値であれば全て異常値と判定される恐れのあるデータにおいても、本発明においては体動判定閾値25a、物判定閾値25bが適宜自動で調整されるため、心拍の振幅15aと、それ以外の体動、呼吸、および物体等の影響による振幅15a1、15a2、15a3および15a4とを識別でき心拍信号のみを精度よく抽出できた。
なお、本実施形態においては、フローチャート1のステップ16からステップ19の閾値判定部34において利用される上限閾値Uおよび下限閾値Lの値を初期時の圧力センサ11からの圧力信号11aに基づいて導出している。しかし上限閾値Uおよび下限閾値Lは圧力センサ11の経時劣化等により変動する可能性があるため一定期間ごとに更新してもよい。
また、本実施形態においては、フローチャート1のステップ16からステップ19の閾値判定部34によって第2演算部で導出された各閾値25a、25bの値が圧力センサ11の出力可能範囲を超えたとき、体動判定閾値25aの値を上限閾値Uの値に変更し、また物判定閾値25bの値を下限閾値Lの値に変更して対応している。しかし出力センサ11の出力範囲が幅広く、各閾値25a、25bの値が圧力センサ11の出力可能範囲を超える恐れがなければ閾値判定部34および閾値判定部34によって構成される閾値変更手段30を設けなくてもよい。
上述の説明から明らかなように、本発明の実施形態においては、生体情報検知システム1には時定数の大きい第1フィルタ部21および時定数の小さい第2フィルタ部22とが設けられ、生体の圧力信号11aが第1、第2フィルタ部21,22に入力され平滑化処理が行なわれる。平滑化処理された各信号21a、22aは第1演算部23で処理され最小値23aが導出され、導出された最小値23aから体動判定閾値25aおよび物判定閾値25bとが導出され抽出部29によって心拍信号の抽出が行なわれる。これにより体動判定閾値25aおよび物判定閾値25bは適宜自動で導出され調整されるので、個人差による出力信号11aの大きさの違いや、出力センサ11の劣化によるセンサ出力11aの変動や、さらに生体が出力センサ11の設置位置からズレてしまうことによる出力値の変動等の影響を受けることなく高精度に心拍信号の抽出が行なえる。
また本発明の実施形態においては、生体情報検知システム1は閾値導出手段20によって導出された各閾値25a、25bが圧力センサ11の出力可能範囲を超えたときに各閾値25a、25bを第3演算部26によって導出される上限閾値Uおよび下限閾値Lに変更する閾値変更手段30をさらに備える。これによって各閾値25a、25bは圧力センサ11の出力可能範囲を超えることがないため高精度に心拍信号の抽出が行なえる。
さらに本発明の実施形態においては、圧力センサ11には圧電センサだけでなく、荷重センサ、振動センサ等も使用できるので選択の幅が広がり安価に対応できる。
1・・・生体情報検知システム、5・・・ベッド本体、6・・・マットレス、10・・・圧力検出手段、11・・・圧力センサ、11a・・・出力信号、15・・・信号処理部、15a・・・出力信号の振幅、20・・・閾値導出手段、21・・・第1フィルタ部、22・・・第2フィルタ部、23・・・第1演算部、23a・・・最小値、25・・・第2演算部、25a・・・体動判定閾値、25b・・・物判定閾値、26・・・第3演算部、29・・・抽出部、30・・・閾値変更手段、34・・・閾値判定部、35・・・記憶部、40・・・処理部、L・・・下限閾値、U・・・上限閾値、S1・・・体動判定閾値の重み、S2・・・物判定閾値の重み。
Claims (3)
- 生体の体動、呼吸および心拍からなる生体情報を示す圧力を非接触で検出して生体の圧力信号を出力する圧力検出手段と、前記生体の圧力信号から心拍の圧力信号を抽出するための閾値を導出する閾値導出手段と、前記生体の圧力信号から前記心拍の圧力信号を抽出する心拍抽出手段とを備える生体情報検知システムにおいて、
前記閾値導出手段は、前記生体の圧力信号が入力され平滑化処理が行なわれる時定数の大きい第1フィルタ部および時定数の小さい第2フィルタ部と、前記第1フィルタ部および前記第2フィルタ部から出力された前記平滑化処理された信号を処理し最小値を導出する第1演算部と、前記第1演算部により導出された前記最小値によって前記生体の心拍信号を抽出するための閾値を導出する第2演算部とによって構成されることを特徴とする生体情報検知システム。 - 請求項1において、前記生体情報検知システムは前記閾値導出手段によって導出された前記閾値が前記圧力検出手段の出力可能範囲を超えたときに前記閾値を変更する閾値変更手段をさらに備え、前記閾値変更手段は、初期時に無負荷状態で圧力検出手段から出力された圧力信号から圧力検出手段の出力可能上限圧力信号値および出力可能下限圧力信号値とを導出する第3演算部と、前記第3演算部で導出された前記出力可能上限圧力信号値および前記出力可能下限圧力信号値とを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記出力可能上限圧力信号値および前記出力可能下限圧力信号値と前記第2演算部によって導出された前記閾値とを比較し前記閾値が前記出力可能上限圧力信号値よりも大きい場合は前記閾値を前記出力可能上限圧力信号値に変更し、前記閾値が前記出力可能下限圧力信号値よりも小さい場合は前記閾値を出力可能下限圧力信号値に変更する閾値判定部とによって構成されることを特徴とする生体情報検知システム。
- 請求項1または請求項2において、前記圧力検出手段は荷重センサ、圧電センサまたは振動センサによって構成されることを特徴とする生体情報検知システム。
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